JP2005168507A - 植物成長制御用被覆材料 - Google Patents

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Abstract


【課題】簡便に植物の成長を制御できる被覆材料を提供する。すなわち植物の伸長成長を抑制する作用を有し、且つ、優れた耐候性を有する植物伸長成長制御用被覆材料を提供する。
【解決手段】光を透過させたときの光合成有効光量子束(PPF)透過率が50%以上、かつ、A値が1.3以上であることを特徴とする植物成長抑制用被覆材料。A=R/Fr〔式中、Rは600〜700nmの赤色光の光量子束であり、Frは700〜800nmの遠赤色光の光量子束である〕。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物の成長を抑制する新規な被覆材料に関するものであり、施設園芸において極めて価値のあるものである。
施設園芸や家庭園芸に用いられる被覆材の第1目的は、外気と温室の間の対流伝熱による熱損失を抑える(換気率を小さくする)ことにより、温度環境の適切な調節、栽培時期の調節、栽培必要日数の短縮、栽培回数の増大などを図ることである。その他、降雨を遮断して農薬、肥料などが温室外へ移動するのを抑制する等の効果もあり、またCO2 施肥なども可能とするものである。一次被覆材は、外気や太陽光に直接さらされるため、耐用年数が長いことが望ましく、また、光線透過率が高いことが必要である。この目的には、ガラス、プラスチック板またはフィルムが用いられている。特にフィルムの場合、安価で、取りつけ、取り外しが簡便という利点を持つ。また、二次被覆材は、保温目的、遮光用を主たる用途とし、分光透過率、透過光全量中の拡散光の割合を増加させる目的もあり、ポリエチレン、アルミ蒸着フィルムが多く用いられる。このように、現在実用化されている被覆材の機能は、温度環境の保持調節を主体とするものである。その他の被覆材料の機能についての検討は、1950年代に光形態形成に関する研究が急速に発展したのに対応して、わが国でも農林水産省が主体となり、光形態形成制御を含む光質利用研究が1983年までの20年以上にわたり、活発に行われてきた。しかしなお、実用的な成果を得るに到っていない(例えば、非特許文献1)。
ところで、今日、種苗生産施設で生産された苗は一般に徒長ぎみであり、矮化した頑丈な苗が望まれている。矮化した苗は自然環境に強く、倒伏軽減効果による作物の収穫量低減防止にも効果がある。花卉栽培においては軸の長い花が切り花として珍重される反面、鉢物の場合は矮化した大輪の花が望まれるなどの傾向もみられる。果樹栽培では、植物体の矮化は作業性の向上のための大きな課題である。また、接ぎ木苗の場合、ロボットによる切断では節間の均一化が問題となる。このように、植物の伸長成長は商品価値を左右するが、現在、これらの調節は薬品の矮化剤による化学的調節や、力学的抑制(整枝剪定)によって行われており、より安全かつ簡便な方法が望まれている。
従来、人工光源を用いた実験より、遠赤色光が多い光環境では、植物の伸長成長を促進することが知られている。この理由は、遠赤色光の増加によりr/fr(rは660nmの光量子束、frは730nmの光量子束)比が低下し、その比がフィトクロム光平衡を変化させ、その結果が植物に信号として作用し、伸長を促進すると推測されている。逆に赤色光が多い光環境では伸長が抑制されることが知られている。しかし、被覆材料を使ってそれを実証した例はない。例えば、紫外線と可視光線を制御するフィルムに関しては、特許文献1〜4等に報告があるが、遠赤色光の影響、r/frとの関係、伸長促進作用等に関する記載はない。また、遠赤色光を制御するフィルムに関しては、具体的な植物への効果を示したものはない。
本発明者らは、植物栽培用人工光源の評価法、設計選択手法として、光合成有効光量(PPF発光効率)とともに、赤色領域の光と遠赤色領域の光の比率が光形態形成の観点から重要であることを明らかにし、PPF発光効率が高く、赤色光/遠赤色光の比率を調節できる光源が植物にとって望ましいとした。さらに、植物栽培人工光環境における形態制御指標として、赤色光/遠赤色光の比率を用いる場合に、波長帯(幅)を600〜700/700〜800nm(R/Fr)とすることが最も適切であることも示した。さらに、PPF発光効率が高く、R/Frを3段階もった4波長域発光形螢光ランプを試作し、伸長成長の制御効果を実証した(例えば、非特許文献2)。しかしながら、これらの人工光源を用いるには多大の設備費及び電力費等の運転費用が必要であるために、より安価な手法が要求されているのが現状である。
特開昭52−117738 特開平1−132648 特開平2−283212 特開昭61−170322 農業および園芸、第69巻第9号、986頁、1994年 村上ら、生物環境調節,30巻4号,135〜141ページ,1992年
本発明の目的は、自然光(太陽)を利用でき、安価かつ取り扱いが容易で、実用的な植物成長を制御する被覆材料を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は、光を透過させた光の光合成有効光量子束(PPF)透過率が50%以上で、かつ、下記式で表されるA値が1.3以上であることを特徴とする植物成長抑制用被覆材料に関するものである。
A=R/Fr〔式中、Rは600〜700nmの赤色光の光量子束であり、Frは700〜800nmの遠赤色光の光量子束である〕
近年、農業の合理化の観点から、栽培は種子からではなく健康な幼苗から栽培する場合が増加している。種苗生産においては、適切に苗を伸長させるよう制御することが商品価値を高めるので、本発明は種苗生産工場における伸長制御上、きわめて重要かつ価値のあるものである。また、日本ではハウス(一般にはビニールハウス)が多く、本発明の樹脂フィルムは、植物伸長調節の目的のためには安価で手間のかからない優れた材料である。特に従来のビニールハウスに、本発明の高分子被覆材料を可動式に重ね合わせてセットできるようにすれば、成長が早すぎたり、遅すぎたりした場合に、目的に合致した成長度合いに制御することが非常に簡単である。葉菜、果菜、根菜、種々の観賞植物および果樹の施設栽培等において高品質化、省力化の観点より本発明は非常に価値の高いものである。
本願発明の植物成長抑制用被覆材料は、前記のA値を調節することを特徴とする被覆材料である。本願発明において、A値を1.3以上に調節するためには700〜900nmの間に吸収極大を有する色素を使用する。本願の被覆材料は、上記色素を高分子樹脂中に分散溶解した樹脂フィルムまたは樹脂板、或いは、色素をインク化し塗布した樹脂板、ガラス板または樹脂フィルム、或いは、色素を含有またはコーティングした樹脂フィルムを別の樹脂フィルム、樹脂板またはガラスに張り合わせたもの、或いは色素を含有した接着剤で樹脂フィルム、樹脂板またはガラスを別の樹脂フィルム、樹脂板またはガラスに貼り合わせたもののいずれかであって、光を透過させた時の透過光の光合成有効光量子束(PPF)透過率が50%以上で、かつ、A値が1.3以上を示すものであればよい。A値を1.3以上を示すように調節した場合植物の成長を抑制することができる。植物成長抑制用の場合の好ましいA値は1.5以上、3.0以下である。また、コントロール波長以外の光の透過率はできるだけ高いものが好ましく、400〜700nmの光合成有効光量子束(PPF)透過率は50%以上が好ましくさらに好ましくは65%以上である。50%以下では、植物の光合成が阻害され、葉緑素の少ない未成熟な植物体となる傾向がある。なお、本願発明のPPF透過率およびA値は、標準光源D65を基準に算出したものである。
ここで、植物の成長抑制とは、草丈、茎長、節間等の伸長の抑制による植物体の矮化、側枝の成長の抑制、栄養成長の抑制による遅収等を指す。さらに、被覆とは、植物体の周囲全面または光が入射してくる少なくとも一面以上で光を遮ることを指す。光とは、自然光あるいは人工光源をさす。即ち、自然光を用いる点で、本願方法はコスト的に有利であるが、当然人工光源を用いる場合にも応用できる。
本願の被覆材料で用いる樹脂材料としては、樹脂板または樹脂フィルムにした場合に、できるだけ透明性の高いものが好ましい。具体例として、ポリエチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等ビニル等化合物及びビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、酢酸ビニル/エチレンの共重合体(EVA)、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む化合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることが出来る。これらの樹脂に限定されるものではないが、特に好ましい樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の汎用の硬質樹脂、あるいは、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、酢酸ビニル/エチレンの共重合体(EVA)等の農業用軟質樹脂である。
A値を1.3以上に調節するために添加剤として用いる700〜900nmの間の波長に吸収極大を有する代表的な色素としては、下記(化3)の色素が例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(化3)
Figure 2005168507
本願発明の対象植物としては、ウリ科、ナス科、マメ科、バラ科、アブラナ科、キク科、セリ科、アカザ科、イネ科、アオイ科、ウコギ科、シソ科、ショウガ科、スイレン科、またはサトイモ科の野菜、キク科、バラ科、サトイモ科、ナデシコ科、アブラナ科、イソマツ科、リンドウ科、ゴマノハグサ科、マメ科、ボタン科、アヤメ科、ナス科、ヒガンバナ科、サトイモ科、ラン科、リュウゼツラン科、ミズキ科、アカネ科、ヤナギ科、ツツジ科、モクセイ科、モクレン科、サクラソウ科、シュウカイドウ科、シソ科、フウロソウ科、ベンケイソウ科、キンポウゲ科、イワタバコ科、サボテン科、シダ類、ウコギ科、クワ科、ツユクサ科、パイナップル科、クズウコン科、トウダイクサ科、コショウ科、タカトウダイ科、ユキノシタ科、アカバナ科、アオイ科、フトモモ科、ツバキ科、またはオシロイバナ科の切り花類あるいは鉢物類の花卉、もしくはバラ科、ブドウ科、クワ科、カキノキ科、ツツジ科、アケビ科、マタタビ科、トケイソウ科、ミカン科、ウルシ科、パイナップル科、またはフトモモ科の果樹が挙げられる。
さらに詳しく例示するならば、キュウリ、キャベツ、ゴマ、タマネギ、メロン、カボチャ、ニガウリ、ズッキーニ、スイカ、シロウリ、トウガン、ヘチマ、キンシウリ、トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス、ペピーノ、シシトウ、エンドウ、インゲンマメ、ササゲ、エダマメ、ソラマメ、シカクマメ、サヤエンンドウ、サヤインゲン、フジマメ、イチゴ、トウモロコシ、オクラ、ブロッコリー、カイワレダイコン、クレソン、コマツナ、ツケナ、レタス、フキ、シュンギク、食用ギク、セルリー、パセリー、ミツバ、セリ、ネギ、ワケギ、ニラ、アスパラガス、ホレンソウ、オカヒジキ、ウド、シソ、ショウガ、ダイコン、カブ、ワサビ、ラディシュ、ルタバカ、コカブ、ニンニク、ラッキョウ、レンコン、またはサトイモ等の野菜、ヒマワリ、洋ラン、インパチュエンス、マリーゴールド、サルビア、リモニウム、デルフィニウム、ラクスパー、ブルーレース、ホワイトレース、ユリ、サクラソウ、アスター、ローダンセ、アザミ、ナデシコ、ストック、ハナナ、スターチス、トルコキキョウ、キンギョソウ、スィートピー、ハナショウブ、キク、リアトリス、ガーベラ、マーガレット、ミヤコワスレ、シャスターデージー、カーネーション、シュツコンカスミソウ、リンドウ、シャクヤク、ホウズキ、リオン、ダリア、カラー、グラジオラス、アイリス、フリージア、チューリップ、スイセン、アマリリス、シンビジューム、ドラセナ、バラ、ボケ、サクラ、モモ、ウメ、コデマリ、キイチゴ、ナナカマド、ミズキ、サンシュ、サンダンカ、ブルバディア、ヤナギ、ツツジ類、レンギョウ、モクレン、シラネリア、ディモルホセカ、プリムラ、ペチュニア、ベゴニア、リンドウ、コリウス、ゼラニュウム、ペラルゴニューム、ロケヤ、アンスリューム、クレマチス、スズラン、セントポーリア、シクラメン、ラナンキュラス、グロキシニア、デンドロビューム、カトレア、ファレノプシス、バンダ、エビデンドラム、オンシジウム、シャコバサボテン、カニバサボテン、クジャクサボテン、カランコエ、ネフロレピス、アジアンタム、タニワタリ、ポトス、ディフェンバキヤ、スパティフラム、シンゴニューム、オリヅルラン、シエフレラ、ヘデラ、ゴムノキ、ドラセナ、コルジリネ、ブライダルベール、アナナス類、カラテヤ、クロトン、ペペロミヤ、ポインセチア、ハイドランジア、フクシア、ハイビスカス、ガーデニア、ギョリュウバイ、ツバキ、ブーゲンビレア、またはボタン等の花卉、もしくはニホンナシ、モモ、オウトウ、スモモ、リンゴ、プルーン、ネクタリン、アンズ、ラズベリー、ウメ、ブドウ、イチジク、カキ、ブルーベリー、アケビ、キウィフルーツ、パッションフルーツ、ビワ、ウンシュウミカン、マーコレット、レモン、ユズ、仏手柑、ハッサク、ブンタン、花ユズ、キンカン、セミノール、イヨカン、ネーブルオレンジ、アンコール、ノバ、日向夏、ライム、スダチ、カボス、晩白柚、タンカン、マンゴー、パインアップル、またはグアバ等の果樹である。
これらの中でさらに効果のある具体的な植物としては、ヒマワリ、キュウリ、レタス、キャベツ、ゴマ、ピーマン、ナス、コマツナ、ミツバ、ホウレンソウ、カボチャ、スイカ、メロン、インゲン、ブロッコリー、イチゴ、ミカン、ナシ、ブドウ、キク、タマネギ、トマト、金魚草、カーネーション、カスミソウ、バラ、ストック、トルコギギョウ、洋ラン、シクラメン、インパチュエンス、マリーゴールド、サルビア、リモニウム、デルフィニウム、ラクスパー、ブルーレース、ホワイトレース、ユリ、フリージア、アイリス、サクラソウ、ベゴニア、シュンギク、フキ、ニラ、ネギ、アスパラガス、セルリー、ダイコン、エンドウ、またはビワ等が挙げられる。
色素を含有する樹脂フィルム或いは樹脂板は、色素を添加した樹脂、色素を反応させた樹脂、あるいは、色素を反応させた樹脂を別の樹脂に添加したものを基に、押出法、カレンダー法、キャスティング法等の方法を用いて適宜得ることが出来る。色素をコーティングした樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスは、モノマーまたは溶剤に溶解させた色素、エマルジョン中に分散させた色素、エマルジョン中に溶解させた色素等を、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター等を用いて、樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスに塗布することにより、適宜得ることが出来る。
色素を含有或いはコーティングした樹脂フィルムを、別の樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスに貼り合わせる方法としては、熱ラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法等の方法を適宜用いることが出来る。この場合、必要に応じて、接着剤を用いることもできる。色素を含有させた接着剤を用いて、樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスを、別の樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスに貼り合わせる方法としては、樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスに接着剤をコーティングした後、別の樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスに貼り合わせる方法、樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスと別の樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスの間に接着剤を流し込んだ後、硬化させる方法等、適宜用いることが出来る。
本発明における園芸施設用、あるいは家庭用園芸施設用の被覆成形物としては、特に制限されないが、例えば、本発明の樹脂フィルムを使ったハウス型、本発明の樹脂板あるいはガラスを使ったハウス型、鉢物を入れるか、あるいは、鉢物に上からかぶせるような小型のボックス等が挙げられる。本発明の植物成長制御用被覆材料を園芸施設に用いる方法としては、色素を含有或いはコーティングした樹脂フィルムを、ガラス室のガラスに貼付する方法、パイプハウス、ビニルハウスの外張りに用いる方法、ガラス室、パイプハウス、ビニルハウスの内張りに用いる方法、園芸用ベッドの上に被せる方法、トンネルハウスに用いる方法、マルチングフィルムに用いる方法、果樹の少なくとも一本以上を被覆する方法、果樹の枝を一本ずつ被覆する方法等、適宜用いることが出来る。
家庭用園芸施設に用いる方法としては、前記の園芸施設に用いる方法に準ずる方法、植木鉢またはプランターを少なくとも一つ以上被覆する方法、出窓の窓ガラスの代わりに本被覆材料を用いる方法等、適宜用いることが出来る。光を透過させたときの光合成有効光量子束(PPF)透過率が50%以上で、かつ、A値が1.3以上の被覆材料を用いた場合には、顕著に矮化した頑丈な苗が得られた。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
(実施例1)
下記式(化5)で示される色素4.5部およびポリメタクリル酸メチル120000部を280℃で溶融混練して、押し出し成形機を用いて厚み3mm、幅1mの着色樹脂板を得た。本樹脂板を島津製作所製分光光度計(UV−3100)を用いて光合成有効光量子束(PPF)透過率およびA値を測定したところ、合成有効光量子束(PPF)透過率は70.2%であり、A値は1.72であった。
本樹脂板を用いて、高さ650mm、幅1750mm、奥行き850mmのグロースキャビネットを作製した。なお、以下の栽培においてはグロースキャビネットは屋外に置き、換気扇を用い15.2m3 /分で通気を行ない、外気温と同じになるようにした。本グロースキャビネット中に高さ約8cmのヒマワリの苗7サンプルを入れ、10日間栽培したところ、平均で、植物高は11.8±0.7cm、茎長は9.0±0.4cmおよび第1節間長が5.8±0.4cmと矮化して頑丈な植物体となった。比較のため、同時に、色素を含まない樹脂板に寒冷紗をかけて、光合成有効光量子束(PPF)透過率を69.2%(A値は1.14)にしたものを用いた以外、他は全く同じ条件で栽培したところ、平均で、植物高は17.6±0.7cm、茎長は14.5±0.8cmおよび第1節間長が10.8±0.6cmであった。このことより、A値が1.72の被覆材料を用いた場合の成長抑制効果は、比較樹脂板の場合に比べ、約0.7倍であることが確認できた。
(化5)
Figure 2005168507
(実施例2)
下記式(化7)で示される色素3.0部をポリビニルブチラール樹脂1000部に180℃にて溶解して、フィルム作製機にて幅3m、厚み0.2mmの着色フィルムを作製した。引き続き、該フィルムを3mm厚のフロートガラスで挟み込み、140℃、13気圧で20分間処理し、合わせガラスを作製した。本フィルムの光合成有効光量子束(PPF)透過率は71.8%であり、A値は1.59であった。本フィルムを用いて実施例1と同様にして、ヒマワリ(3サンプル)の栽培を行ったところ、平均で、植物高は14.2±0.5cm、茎長は10.0±0.6cmおよび第1節間長が6.6±0.2cmの矮化して頑丈な植物体となった。このことより、A値が1.59である被覆材料を用いた成長抑制効果は、実施例1の比較樹脂板の場合に比べ、0.8倍あることが確認できた。
(化7)
Figure 2005168507
(実施例3)
三井東圧化学(株)社製ユーバンSE−60と、同社製アルマテクス748−5Mを3:7で混合させた液体と、実施例1の色素を1%溶解させたトルエンを2:1の割合で混合させ、厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティングし、130℃で15分間乾燥させて着色フィルムを得た。本フィルムの光合成有効光量子束(PPF)透過率は72.5%であり、A値は1.55であった。本フィルムを用いて、実施例1と同様にして、ヒマワリの栽培を行ったところ、平均で、植物高は14.9±0.4cm、茎長は10.3±0.5cmおよび第1節間長が6.7±0.3cmの矮化して頑丈な植物体となった。比較のため、色素を含まないフィルムに寒冷紗をかけて、光合成有効光量子束(PPF)透過率を70.8%(A値は1.03)にしたものを用いて全く同じ条件で栽培したところ、平均で、植物高は17.5±0.8cm、茎長は14.6±0.6cmおよび第1節間長が11.2±0.8cmであった。このことより、A値が1.55である被覆材料を用いた成長抑制効果は、比較樹脂板の場合に比べ、0.9倍あることが確認できた。
(実施例4)
実施例1で用いた着色樹脂板製グロースキャビネット中で、高さ約6cmのキュウリの苗7サンプルを入れ、9日間栽培したところ、平均で、植物高は13.8±1.1cm、茎長は6.8±0.4cmおよび第1節間長は1.5±0.5cmの矮化して頑丈な植物体となった。比較のため、同時に、色素を含まない樹脂板を用いて他は全く同じ条件で栽培したところ、平均で、植物高は21.8±1.5cm、茎長は11.3±1.2cmおよび第1節間長が2.7±0.2cmであった。このことより、A値が1.72の被覆材料を用いた場合のキュウリの成長抑制効果は、比較樹脂板の場合に比べ、約0.6倍であることが判った。
(実施例5)
実施例1で用いた着色樹脂板製グロースキャビネット中で、高さ約5cmのトマトの苗7サンプルを入れ、9日間栽培したところ、平均で、植物高は14.4±1.8cm、茎長は10.2±1.4cmおよび第1節間長は4.8±0.6cmであった。比較のため、同時に実施例1で作製した、色素を含まない樹脂板を用いて他は全く同じ条件で栽培したところ、平均で、植物高は22.4±1.8cm、茎長は14.8±1.5cmおよび第1節間長が7.7±0.9cmであった。このことより、A値が1.72の被覆材料を用いた場合のトマトの成長抑制効果は、比較樹脂板の場合に比べ、約0.6倍であることが判明した。
(実施例6)
その他の植物について、実施例1と同様の成長抑制テストを行ったところ、表−2(表2)の結果となった。
(表2)
Figure 2005168507
○: 抑制効果 0.7倍以下△: 抑制効果 0.7倍より大きく、0.9倍以下
(比較例1)
実施例1で用いた色素を含まない樹脂板製グロースキャビネットに寒冷紗をかけて、光合成有効光量子束(PPF)透過率を20.0%(A値は1.05)にしたものを用いて、実施例1と全く同じ条件で栽培したところ、葉緑素の少ない未成熟な植物体となった。

Claims (6)

  1. 光を透過させたときの光合成有効光量子束(PPF)透過率が50%以上で、かつ、下記式で表されるA値が1.3以上であることを特徴とする植物成長抑制用被覆材料。
    A=R/Fr〔式中、Rは600〜700nmの赤色光の光量子束であり、Frは700〜800nmの遠赤色光の光量子束である〕
  2. 植物成長抑制用被覆材料が、700〜900nmの間に極大吸収波長(λmax )を持つ近赤外線吸収色素を含有する樹脂フィルム或いは樹脂板である請求項1記載の植物成長抑制用被覆材料。
  3. 植物成長抑制用被覆材料が、樹脂フィルム、樹脂板或いはガラス上に700〜900nmの間に極大吸収波長(λmax )を持つ近赤外線吸収色素をコーティングしたものである請求項1記載の植物成長抑制用被覆材料。
  4. 植物成長抑制用被覆材料が、700〜900nmの間に極大吸収波長(λmax )を持つ近赤外線吸収色素を含有、或いはコーティングした樹脂フィルムを、別の樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスに張り合わせたものである請求項1記載の植物成長抑制用被覆材料。
  5. 植物成長促進用被覆材料が、700〜900nmの間に極大吸収波長(λmax )を持つ近赤外線吸収色素を含有した接着剤で、樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスを、別の樹脂フィルム、樹脂板或いはガラスに張り合わせたものである請求項1記載の植物成長抑制用被覆材料。
  6. 光が請求項1〜5のいずれかに記載の植物成長抑制用被覆材料を通して対象植物にあたるように工夫された、植物成長抑制のための園芸施設用、あるいは、家庭園芸用被覆成形物。
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