JPH11344440A - 有機物中の不純物分析方法及び分析装置 - Google Patents

有機物中の不純物分析方法及び分析装置

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JPH11344440A
JPH11344440A JP10153034A JP15303498A JPH11344440A JP H11344440 A JPH11344440 A JP H11344440A JP 10153034 A JP10153034 A JP 10153034A JP 15303498 A JP15303498 A JP 15303498A JP H11344440 A JPH11344440 A JP H11344440A
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gas
sample introduction
inert gas
oxidizing gas
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Mikio Tsuji
幹生 辻
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、原子吸光法又は誘導結合プラズマ
質量分析法において、有機物中の極微量金属不純物を高
感度、かつ簡便に分析するための分析方法および分析装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】 原子吸光法又は誘導結合プラズマ質量分
析法において、試料導入部に試料溶液を導入した後、試
料溶液の乾燥及び灰化を酸化性ガス雰囲気中で行うか、
もしくは紫外線照射下で行い、有機物成分を分解除去
し、次いで残った灰化物をさらに同一試料導入部にて気
化させて、その気化物の分析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物中の極微量
金属不純物を高感度、かつ簡便に分析するための分析方
法および分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機物中の極微量金属不純物
を分析する方法として、有機物成分を硝酸、硫酸又はフ
ッ酸等の酸化剤で分解、除去し、残渣として残る不純物
成分を一定量の超純水や酸等で溶解回収し、この溶液中
の不純物を原子吸光法や誘導プラズマ質量分析法で分析
していた。以下金属不純物を単に不純物と称する。
【0003】例えば、こういった極微量の不純物の分析
適用例として、半導体用のフォトレジスト中の不純物分
析が挙げられる。
【0004】半導体デバイスの設計ルールの微細化によ
り、リソグラフィー技術やエッチング技術が高精度化に
なってきている。この際用いられる加工精度の高いプラ
ズマエッチングでは、高密度、高エネルギーのプラズマ
を、フォトレジスト表面に照射するため、表面層が、変
質しやすく後のフォトレジスト剥離工程を経ても除去さ
れないで残ることがある。また、拡散層の形成には、イ
オン注入法が用いられているが、フォトレジストがこの
ようなイオンにさらされた場合にも、同様に剥離工程後
のレジスト残りの現象が起こる。デバイスの微細化に伴
い、より微量の不純物がデバイス特性や歩留まりに影響
を及ぼすようになってきているため、レジスト中の不純
物量を正確に分析することの重要性が、ますます高まっ
てきている。
【0005】このレジストの不純物分析法として、特開
平4−164251では、シリコンウエハー上にレジス
トを塗布したものを準備し、シリコンウエハーごと加熱
しながら、レジストに紫外線照射し、同時にオゾンを作
用させてレジストを灰化し、ついで灰化物を原子吸光法
又は誘導結合プラズマ質量分析法で分析する方法が記載
されている。
【0006】しかしながら、この方法においても分析前
の前処理として、灰化物をフッ酸蒸気で分解することに
より回収し、この回収液を分析する方法がとられてい
る。したがって、前処理に用いる薬品、器具、作業者か
らの汚染の危険性といった問題と、前処理だけで数時間
を要するため、分析全体で非常に長い時間かかるといっ
た問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機物中の
不純物を原子吸光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法
で分析する分析法であって、試料溶液の乾燥及び灰化を
酸化性ガス雰囲気中で行い、この灰化物を不活性ガス雰
囲気中で気化させ分析を行うことにより、前処理がな
く、そのため汚染の危険性の少なく高精度の分析がで
き、かつ短時間で分析できる有機物中の不純物分析方法
及び分析装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機物中の不
純物を原子吸光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法で
分析する分析法であって、試料溶液の乾燥及び灰化を酸
化性ガス雰囲気中で行い、この灰化物を不活性ガス雰囲
気中で気化させ、その気化物の分析を行うことを特徴と
する有機物中の不純物分析法に関する。
【0009】また本発明は、有機物中の不純物を原子吸
光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法で分析するに際
して、試料溶液の乾燥及び灰化を紫外線照射下で行い、
この灰化物を不活性ガス雰囲気中で気化させ、その気化
物の分析を行うことを特徴とする有機物中の不純物分析
法に関する。
【0010】さらに本発明は、試料溶液の乾燥及び灰化
とこの灰化物の気化を行う試料導入部に、酸化性ガス及
び不活性ガスを供給する供給手段とこれらガスを別々に
前記試料導入部に供給するためのガス切換手段とを備え
た原子吸光分析装置又は誘導結合プラズマ質量分析装置
に関する。
【0011】さらに本発明は、試料溶液の乾燥及び灰化
とこの灰化物の気化を行う試料導入部に、紫外線を照射
するための紫外線照射手段とこの試料導入部に不活性ガ
スを供給する供給手段とを備えた原子吸光分析装置又は
誘導結合プラズマ質量分析装置関する。
【0012】本発明では、原子吸光分析装置および誘導
結合プラズマ質量分析装置の試料導入部に直接有機物を
導入し、その乾燥及び灰化を酸化性ガス雰囲気中または
紫外線照射下で行い、有機物成分の成分を分解除去した
後、同一試料導入部にて、その灰化物を気化させて、気
化物の分析を行う。これによって、従来のように有機物
成分を分解除去するための複雑な前処理や不純物成分の
回収操作が不要となり、分析に要する時間を著しく短縮
することができる。また、前処理や回収操作に伴う汚染
の影響も防止でき、高感度な分析が達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1、図2に本実施形態の有機物
中の不純物分析方法のフロー図を示す。まず、分析対象
である有機物の試料溶液を準備する。この試料溶液は、
一定量採取した有機物そのものか、一定量採取した有機
物を、酸、アルカリ、又は有機溶媒に溶かし、調製した
溶液である。この試料溶液の準備は、従来法である有機
物の除去を目的とした酸化分解とは異なり、原子吸光分
析装置又は、誘導結合プラズマ質量分析装置の試料導入
部に一定量導入するためのものであり、定量的に導入で
きる液状状態であればよく、したがってここでいう溶液
とは、完全に試料が溶解した状態と試料がコロイド状態
で溶媒中に存在する場合も含む。
【0014】この試料溶液を試料導入部に導入する。本
発明においては、この試料導入部で試料溶液の乾燥、次
いで灰化さらにこの灰化物の気化の工程を行い、したが
って従来法のように前処理のため試料を外に取り出すと
いったことなく分析ができる。
【0015】図1のフローチャートに示す実施形態で
は、酸化性ガスを供給しながら、例えば、50℃〜20
0℃、好ましくは70℃〜150℃の温度領域で、溶解
していた有機物を乾燥させる。次いで、酸化性ガス雰囲
気を維持したまま、温度を上げ、例えば500℃〜10
00℃、好ましくは600℃〜800℃で灰化処理を行
う。ここでいう酸化性ガスとは、この灰化処理温度にお
いて有機物を酸化分解できるガスのことをいい、好まし
くは酸素、オゾン、酸化二窒素、又はこれらの混合ガス
が挙げられる。
【0016】この灰化処理により、有機物成分部分が、
分解するため除去でき、不純物成分である灰化物が残
る。この灰化処理が終了したら、灰化物を外に取り出す
ことなく同一試料導入部内で、ガスを分析用ガスに切り
換えて不純物成分を気化させる。分析用ガスとしては、
市販されている高純度不活性ガスでよく、例えばAr、
He、N2ガスが挙げられる。次いで気化させた不純物
成分を原子吸光法により分析する。本方法では、試料導
入から分析終了までに要する時間は数分であり、極めて
短時間の内に分析が終了する。微量な不純物成分を分析
するための濃縮操作が必要な場合は、試料導入から、灰
化処理までを繰り返せば良く、濃縮操作も極めて簡便と
なる。
【0017】図2のフローチャートに示す実施形態で
は、紫外線を照射し、試料の乾燥灰化を行う。図1の場
合と同様に、試料となる有機物を一定量試料導入部に導
入し、次に紫外線を照射させながら、例えば50℃〜2
00℃、好ましくは70℃〜150℃の温度で、有機物
成分を乾燥させる。次いで、例えば500〜1000
℃、好ましくは600℃〜800℃に温度を上げ、紫外
線を照射しながら灰化処理を行う。
【0018】さらに乾燥灰化時の雰囲気は、気化時と同
様分析用ガス雰囲気と同じ不活性ガス雰囲気においても
十分効果は得られるが、酸化性ガス雰囲気にすれば、一
層効果的に有機物成分の灰化を行うことができる。
【0019】(実施形態1)図3は、本実施形態の原子
吸光装置の検出部を除いた部分の模式図である。本装置
の試料導入部301には、気化した不純物成分を分析する
際に用いる不活性ガスを供給するための供給手段として
不活性ガスボンベ302と不活性ガス配管303、試料の乾燥
灰化時に酸化性ガス雰囲気にするための酸化性ガスボン
ベ304と酸化性ガス配管305および、不活性ガスと酸化性
ガスとを別々に試料導入部へ供給するためのガス切換手
段としてガス切換バルブ306とを備えている。
【0020】試料溶液307を試料導入部に例えば100
μl導入する。次に、酸化性ガスボンベ304からオゾン
1体積%の酸素ガスを供給しながら、試料導入部を15
0℃まで昇温する。次いで、酸化性ガスを供給しなが
ら、試料導入部を例えば700℃まで加熱する。この段
階で、有機物成分は完全に分解除去され、試料導入部に
は不純物の残渣が残る。酸化性ガスの組成やガス流量等
にも依存するが、この有機物成分の分解除去は数分で完
了する。
【0021】この分解除去が終了したら、ガス切換バル
ブ306の操作により、試料導入部に不活性ガスとしてA
rガスを導入しながら不純物成分を気化し、その気化物
を原子吸光分析を行う。
【0022】このように本実施形態の分析装置を用いれ
ば、試料の有機物成分の分解除去から不純物成分の分析
まで、全て試料導入部内での処理だけで行うことができ
る。従って、外部からの汚染の影響を受けることなく、
短時間で、高感度な不純物分析が可能である。
【0023】本実施形態の原子吸光分析においても、酸
化性ガスとしてオゾン濃度1体積%の酸素ガスを使用し
ているが、他の酸化性ガスとしてオゾン、酸素、酸化二
窒素単独もしくはこれらの混合ガスを使用しても効果は
全く同じである。
【0024】(実施形態2)図4は本実施形態の誘導結
合プラズマ質量分析装置の検出部を除いた部分の模式図
である。本装置の試料導入部401には、気化した不純物
成分をイオン化部407に導入する際のキャリアガスとし
て用いるための不活性ガスボンベ402と不活性ガス配管4
03、試料の乾燥灰化時に酸化性ガス雰囲気にするための
酸化性ガス配管404と酸化性ガスボンベ405および、不活
性ガスと酸化性ガスとを別々に試料導入部へ供給するた
めのガス切換手段としてガス切換バルブ406とを備えて
いる。
【0025】まず、試料溶液408を試料導入部に設置し
た試料台(ボート)409上に例えば100μl導入す
る。次に、酸化性ガスボンベから酸化性ガスとしてオゾ
ン濃度1体積%の酸素ガスを供給しながら、試料台を1
50℃程度まで昇温する。
【0026】次いで、酸化性ガスを供給しながら、試料
台を例えば700℃まで加熱する。この段階で、有機物
成分は完全に分解除去され、試料台上には不純物の残渣
が残る。酸化性ガスの組成やガス流量等にも依存する
が、有機物成分の分解除去は数分で完了する。
【0027】有機物成分の分解除去が終了したら、ガス
切換バルブ406の操作により、試料導入部に不活性ガス
としてArガスを導入しながら不純物成分を気化する。
気化された不純物成分はイオン化部407に送られ、ここ
でイオン化された後質量分析される。
【0028】本実施形態の誘導結合プラズマ質量分析で
も、酸化性ガスとしてオゾン濃度1体積%の酸素ガスを
使用しているが、他の酸化性ガスとしてオゾン、酸素、
酸化二窒素単独もしくはこれらの混合ガスを使用しても
効果は全く同じである。
【0029】(実施形態3)図5は、本実施形態の原子
吸光装置の検出部を除いた部分の模式図である。本装置
の試料導入部501には試料溶液の乾燥灰化時及び、気化
した不純物成分を分析する際に用いる不活性ガスを供給
するための供給手段として不活性ガスボンベ502と不活
性ガス配管503、試料の乾燥灰化時に、紫外線を照射す
るための紫外線照射手段として紫外線ランプ504とを備
えている。
【0030】まず、試料溶液505を試料導入部に例えば
100μl導入する。次に、紫外線照射のもとで不活性
ガスとしてArガスを供給しながら、試料導入部を15
0℃程度まで昇温する。次いで、紫外線を照射しなが
ら、試料導入部を例えば700℃まで加熱する。この段
階で、有機物成分は完全に分解除去され、試料導入部に
は不純物の残渣が残る。紫外線の波長や紫外線の強度に
も依存するが、この有機物成分の分解除去は数分で完了
する。有機物成分の分解除去が終了したら、紫外線照射
を停止し、試料導入部にさらに、Arガスを導入しなが
ら不純物成分を気化し、原子吸光測定を行う。
【0031】本実施例の分析装置の場合も、有機物成分
の分解除去から不純物成分の分析に至るまで、外部から
の汚染の影響を受けることなく、短時間で、高感度な不
純物分析が可能である。
【0032】(実施形態4)図6は、本実施形態の誘導
結合プラズマ質量分析装置の検出部を除いた部分の模式
図である。本装置の試料導入部601には、試料溶液の乾
燥灰化時及び、気化した不純物成分をイオン化部607に
導入する際のキャリアガスとして用いる不活性ガスを供
給するための供給手段として不活性ガスボンベ602と不
活性ガス配管603、試料の乾燥灰化時に紫外線を照射す
るための紫外線照射手段として紫外線ランプ604とを備
えている。
【0033】まず、試料溶液605を試料導入部に設置し
た試料台(ボート)606上に例えば100μl導入す
る。次に、紫外線照射のもとで不活性ガスとしてArガ
スを供給しながら、試料台を150℃程度まで昇温す
る。次いで、紫外線を照射しながら、試料台を例えば7
00℃まで加熱する。この段階で、有機物成分は完全に
分解除去され、試料台には不純物の残渣が残る。紫外線
の波長や紫外線の強度にも依存するが、この有機物成分
の分解除去は数分で完了する。
【0034】有機物成分の分解除去が終了したら、紫外
線照射を停止し、不純物成分を気化する。気化された不
純物成分はイオン化部に送られ、ここでイオン化された
後質量分析される。
【0035】本実施例の分析装置の場合も、有機物成分
の分解除去から不純物成分の分析に至るまで、外部から
の汚染の影響を受けることなく、短時間で、高感度な不
純物分析が可能である。
【0036】(実施形態5)図7は、本実施形態の原子
吸光装置の模式図である。本装置の試料導入部701に
は、気化した不純物成分を分析する際に用いる不活性ガ
スを供給するための供給手段である不活性ガスボンベ70
2と不活性ガス配管703、試料の乾燥灰化時に酸化性ガス
雰囲気にするための酸化性ガスボンベ704と酸化性ガス
配管705および、不活性ガスと酸化性ガスとを別々に試
料導入部へ供給するためのガス切換手段ととしてガス切
換バルブ706及び紫外線を照射するための紫外線照射手
段として紫外線ランプ708とを備えている。紫外線照射
のもとで酸化性ガスとしてオゾン1体積%の酸素ガスを
供給しながら、試料導入部を150℃程度まで昇温す
る。次いで、紫外線を照射しながら、試料導入部を例え
ば700℃まで加熱する。
【0037】この段階で、有機物成分は完全に分解除去
され、試料導入部には不純物の残渣が残る。紫外線の波
長や紫外線の強度にも依存するが、この有機物成分の分
解除去は数分で完了する。有機物成分の分解除去が終了
したら、紫外線照射を停止し、試料導入部にガス切換バ
ルブ706により、不活性ガスとしてArガスを導入し、
不純物成分を気化し、原子吸光測定を行う。
【0038】本実施例の分析装置の場合も、有機物成分
の分解除去から不純物成分の分析に至るまで、外部から
の汚染の影響を受けることなく、また実施形態3の場合
よりも、さらに短時間で、高感度な不純物分析が可能で
ある。
【0039】実施形態1〜5は、不活性ガスとしてAr
ガスを用いた例を示しているが、分析装置あるいは分析
方法によっては、Arガス以外にHeガスやN2ガスを
用いる場合もあるが、これらの場合でも全く同じである
ことは言うまでもない。
【0040】(比較例)図8に従来の有機物中の不純物
分析方法のフロー図を示す。まず、試料となる有機物を
一定量採取し、予め酸化剤(硝酸、硫酸あるいはこれら
の混合液)を入れたビーカー等の分解容器内に添加す
る。分解容器を加熱し、有機物を酸化分解する。分解容
器内の酸化剤が乾固するまで、約数時間加熱濃縮させ
る、有機物成分を除去する。次に分解容器内に一定量の
超純水あるいは酸等の回収液を注入し、分解容器内の残
渣物(不純物成分)をこの回収液で溶解し回収する。不
純物成分が溶解した回収液を原子吸光法あるいは誘導結
合プラズマ質量分析法により分析する。この時、従来の
分析方法では、回収液の乾燥灰化、不純物成分の気化は
全てAr,He,N2等の雰囲気中で行われる。このよ
うに従来の分析方法では、前処理および回収操作が伴う
ため、分析に長時間かかる上に、汚染の影響を受けやす
い。
【0041】表1に本発明および従来の分析方法によ
る、有機物中の金属不純物分析結果の比較を示す。本発
明の方法としては、実施形態5に示す紫外線照射下でオ
ゾン/酸素(オゾン濃度1体積%)の酸化性ガス雰囲気で
乾燥灰化を行う原子吸光法を用いた。従来法としては、
比較例に示す従来法を用いた。本発明の分析結果と比較
して従来法の分析結果では、得られた不純物濃度が高く
なっていた。特にFe、Al、Na等の濃度が高かっ
た。これらの金属不純物は、前処理時や回収操作時、あ
るいは保管時に雰囲気中や薬品、器具、あるいは人体か
ら発生する汚染物質と考えられる。このように、従来の
分析方法では、前処理時や回収操作時等における汚染の
影響が無視できないのに対し、本発明の分析方法では、
汚染の影響をほとんど受けず、高感度な分析が可能とな
っていることが分かる。
【0042】
【表1】 表2にFeで強制汚染させた有機物に対して表1とまっ
たく同じ分析方法による分析結果を示す。分析はバラツ
キを評価するために、同一条件でn=2の繰り返し評価
を行っており、それぞれの結果を試料1及び試料2の欄
に、またそれらの結果の平均値を平均値の欄に記載して
いる。本発明の場合には強制汚染量とほぼ同じ分析値が
得られたが、従来法の場合には強制汚染量よりも分析値
が高い上に、分析値がばらついていた。すなわち、本発
明による分析では、外部汚染の影響を受けず正確な分析
が行われているのに対し、従来法による分析では、外部
汚染の影響を受け正確な分析が行われていないことが分
かる。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、原子吸光法又は誘
導結合プラズマ質量分析法において、試料導入部に試料
を導入した後、その乾燥及び灰化を酸化性ガス雰囲気中
で行うか、もしくは紫外線照射下で行い、有機物を分解
除去し、さらに同一試料導入部にて灰化物を気化させて
その気化物の分析を行うことによって、従来のように有
機物成分を分解除去するための複雑な前処理や不純物成
分の回収操作が不要となり、分析に要する時間を著しく
短縮することができる。また、前処理や回収操作に伴う
汚染の影響も防止でき、高感度な分析が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機物中の不純物分析方法の一実施形態のフロ
ー図である。
【図2】有機物中の不純物分析方法の一実施形態のフロ
ー図である。
【図3】本発明の分析装置の1実施形態である。
【図4】本発明の分析装置の1実施形態である。
【図5】本発明の分析装置の1実施形態である。
【図6】本発明の分析装置の1実施形態である。
【図7】本発明の分析装置の1実施形態である。
【図8】従来の有機物中の不純物分析方法のフロー図で
ある。
【符号の説明】
301 試料導入部 302 不活性ガスボンベ 303 不活性ガス配管 304 酸化性ガスボンベ 305 酸化性ガス配管 306 ガス切換バルブ 307 試料溶液 401 試料導入部 402 不活性ガスボンベ 403 不活性ガス配管 404 酸化性ガス配管 405 酸化性ガスボンベ 406 ガス切換バルブ 407 イオン化部 408 試料溶液 409 試料台(ボート) 501 試料導入部 502 不活性ガスボンベ 503 不活性ガス配管 504 紫外線ランプ 505 試料溶液 601 試料導入部 602 不活性ガスボンベ 603 不活性ガス配管 604 紫外線ランプ 605 試料溶液 606 試料台(ボート) 607 イオン化部 701 試料導入部 702 不活性ガスボンベ 703 不活性ガス配管 704 酸化性ガスボンベ 705 酸化性ガス配管 706 ガス切換バルブ 707 試料溶液 708 紫外線ランプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物中の不純物を原子吸光法、又は誘
    導結合プラズマ質量分析法で分析する分析法であって、
    試料溶液の乾燥及び灰化を酸化性ガス雰囲気中で行い、
    この灰化物を不活性ガス雰囲気中で気化させ、その気化
    物の分析を行うことを特徴とする有機物中の不純物分析
    法。
  2. 【請求項2】 前記酸化性ガスが、酸素、オゾンもしく
    は酸化二窒素、又はこれらの混合ガスであることを特徴
    とする請求項1記載の有機物中の不純物分析方法。
  3. 【請求項3】 有機物中の不純物を原子吸光法、又は誘
    導結合プラズマ質量分析法で分析する分析法であって、
    試料溶液の乾燥及び灰化を紫外線照射下で行い、この灰
    化物を不活性ガス雰囲気中で気化させ、その気化物の分
    析を行うことを特徴とする有機物中の不純物分析法。
  4. 【請求項4】 試料溶液の乾燥及び灰化と、この灰化物
    の気化を同一の試料導入部で行う請求項1または3記載
    の有機物中の不純物分析法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の有機物中の不純物分析法
    において、試料溶液の乾燥及び灰化を紫外線照射下でか
    つ酸化性ガス雰囲気中で行うことを特徴とする有機物中
    の不純物分析法。
  6. 【請求項6】 試料溶液の乾燥及び灰化とこの灰化物の
    気化を行う試料導入部に、酸化性ガス及び不活性ガスを
    供給する供給手段とこれらガスを別々に前記試料導入部
    に供給するためのガス切換手段とを備えた原子吸光分析
    装置又は誘導結合プラズマ質量分析装置。
  7. 【請求項7】 試料溶液の乾燥及び灰化とこの灰化物の
    気化を行う試料導入部に、紫外線を照射するための紫外
    線照射手段とこの試料導入部に不活性ガスを供給する供
    給手段とを備えた原子吸光分析装置又は誘導結合プラズ
    マ質量分析装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の原子吸光分析装置又は誘
    導結合プラズマ質量分析装置において、試料導入部に紫
    外線を照射するための紫外線照射手段を備えた原子吸光
    分析装置又は誘導結合プラズマ質量分析装置。
JP10153034A 1998-06-02 1998-06-02 有機物中の不純物分析方法及び分析装置 Pending JPH11344440A (ja)

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