JPH11343534A - アルミニウム合金押出材からなるエネルギ―吸収部材 - Google Patents

アルミニウム合金押出材からなるエネルギ―吸収部材

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JPH11343534A
JPH11343534A JP11-115807A JP11580799A JPH11343534A JP H11343534 A JPH11343534 A JP H11343534A JP 11580799 A JP11580799 A JP 11580799A JP H11343534 A JPH11343534 A JP H11343534A
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JP
Japan
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energy absorbing
absorbing member
strength
aluminum alloy
treatment
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Application number
JP11-115807A
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English (en)
Inventor
貴志 岡
正和 平野
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Publication of JPH11343534A publication Critical patent/JPH11343534A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出軸方向に圧縮の衝撃荷重あるいは圧縮の
静的負荷を受けたとき、圧壊割れを発生することなく蛇
腹状に収縮変形するとともに、強度及びエネルギー吸収
量に関して素材自体のもつポテンシャルを過度に犠牲に
することのないエネルギー吸収部材。 【解決手段】 Al−Mg−Si系の熱処理型アルミニ
ウム合金からなる押出材を、溶体化焼入れ又はプレス焼
入れ後過時効処理する。望ましい合金組成は、Mg:
0.35〜1.1%、Si:0.5〜1.3%、Cu:
0.15〜0.7%、Ti:0.005〜0.2%、Z
r:0.06〜0.2%を含み、さらにMn:0.05
〜0.5%、Cr:0.05〜0.15%のいずれか1
種又は2種を含み、残部Al及び不可避不純物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
製押出材からなり、その押出軸方向に圧縮の衝撃荷重あ
るいは圧縮の静的負荷を受けたとき、その衝撃荷重及び
静的負荷を吸収する作用を持つエネルギー吸収部材に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車のフレーム構造において、サイド
メンバやバンパーステイなどのエネルギー吸収部材とし
て、アルミニウム合金中空押出材の適用が検討されてい
る(例えば特開平7−310150号公報、特開平7−
118782号公報参照)。軸方向に圧縮の衝撃荷重を
受けるこれらのエネルギー吸収部材に要求される特性の
1つは、上記公報にも記載されているように、部材が押
出軸方向に荷重を受けたとき形材全体がオイラー座屈
(形材全体がくの字形に曲がる座屈)を起こさず、かつ
圧壊割れを発生することなく蛇腹状に収縮変形して、安
定したエネルギー吸収を得ることである。
【0003】上記特開平7−118782号公報にも記
載されているように、サイドメンバやバンパーステイな
どのエネルギー吸収部材には、高強度アルミ合金の中で
は比較的耐食性に優れ、リサイクル性の面でも他の系の
アルミニウム合金より優れている6000系(Al−M
g−Si系)アルミニウム合金押出材が検討されている
が、このAl−Mg−Si系アルミニウム合金押出材に
通常のT5、T6処理を行って強度を上げた場合、変形
能が低下して圧壊割れが発生しやすいという問題があ
る。
【0004】例えば自動車のサイドメンバに圧壊割れが
発生すると、蛇腹状の収縮変形が妨げられて安定したエ
ネルギー吸収が得られなくなる恐れがあり、また、狭い
エンジンルーム内に破片が砕け散ったり、割れの先端が
飛び出して、他の部品や配線を損傷し、あるいはボディ
外板に穴を開けたりする恐れがあり、信頼性のある素材
として認められないことになる。そのため、強度を向上
させる元素すなわちSi、Mg、Cu等を多めに添加し
たうえで、伸びを大きくするため焼鈍するなど、発揮し
得る強度、耐力及びエネルギー吸収量を大幅に犠牲にし
た材料設計を余儀なくされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウ
ム合金製押出材からなるエネルギー吸収部材において、
押出軸方向に圧縮の衝撃荷重あるいは圧縮の静的負荷を
受けたとき、圧壊割れを発生することなく蛇腹状に収縮
変形するとともに、強度及びエネルギー吸収量に関して
素材自体のもつポテンシャルを過度に犠牲にすることの
ない、軸圧壊特性に優れたエネルギー吸収部材を得るこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエネルギー
吸収部材は、過時効処理した熱処理型アルミニウム合金
押出材からなることを特徴とする。適正な過時効処理の
レベルの目安として、溶体化焼入れ(溶体化処理温度以
上に加熱し急冷する焼入れ処理)又はプレス焼入れ(溶
体化処理は熱間押出の温度を利用し、オンラインで急冷
し焼入れする処理)した押出材を時効処理して得られる
耐力(σ0.2)の最高値をσmaxとしたとき、過時効処理
により(0.9〜0.5)×σmaxの耐力をもつように
するとよい。この熱処理型アルミニウム合金としては、
強度、耐食性及びリサイクル性等の観点から、6000
系、つまりAl−Mg−Si系アルミニウム合金が好適
である。Al−Mg−Si系アルミニウム合金押出材に
おいて上記の耐力をもつエネルギー吸収部材を得る過時
効処理条件としては、例えば210〜230℃×150
〜240分が挙げられる。また、他の熱処理型アルミニ
ウム合金、例えば7000系のAl−Zn−Mg又はA
l−Zn−Mg−Cu系合金においても、過時効処理条
件は異なるものの、過時効処理によって圧壊割れ性が改
善される。
【0007】
【発明の実施の形態】熱処理型アルミニウム合金押出材
に対し過時効処理を行うことにより、軸方向圧縮に対す
る最大荷重は多少低下するが、圧壊割れを発生すること
なく安定して蛇腹状に収縮変形するようになり、総合的
な軸圧壊特性は向上する。そして、あくまで目安である
が、(0.9〜0.5)×σmaxの耐力をもつように過
時効処理することが好ましい。過時効処理後の耐力が
0.9×σmaxより大きい場合は圧壊割れ防止の改善効
果が十分でなく、逆に0.5×σmaxより小さくなると
強度及びエネルギー吸収量が低下し過ぎる。この範囲内
では、一般に(0.8〜0.6)×σmaxの範囲がより
好ましい。なお、Al−Mg−Si系押出形材を過時効
処理し、これを曲げ加工用ワークとして用いることが特
開平5−25595号公報に記載されている。しかし、
同公報に記載された技術は過時効処理により高すぎる引
張強さ、耐力を低下させ、曲げ加工精度を向上させると
いうものであり、また、同公報には過時効処理による伸
びの向上がないことが示されていることから、同公報は
過時効処理が軸方向に圧縮を受けるエネルギー吸収部材
の圧壊割れ特性を向上させることを示唆するものではな
い。
【0008】本発明においてσmaxは、溶体化焼入れ又
はプレス焼入れした押出材を時効処理して得られる耐力
の最高値であり、同じ条件で溶体化焼入れ又はプレス焼
入れした押出材であれば、その値は特定できる。その処
理条件は、処理温度によって処理時間も変わり、一義的
には決められないが、例えば177〜183℃×330
〜400minや187〜193℃×150〜210m
inである。過時効処理後の耐力値はこのσmaxと比較
される。過時効処理とは、σmaxが得られる時効処理条
件より高い温度又は長い時間時効処理を行うことであ
り、具体的には、処理温度T℃で時効処理した場合に
minでT℃での最高強度が得られるとすれば、
℃×(H+α)minの処理条件を施すこと、ま
た、処理温度Hで時効処理した場合にT℃でH
inでの最高強度が得られたとすれば、(T+β)℃
×Hminの処理条件を施すことを意味する。ここ
で、α、βは正の値である。
【0009】本発明に適するAl−Mg−Si系アルミ
ニウム合金は、Mg、Siを主成分とする析出硬化型合
金であり、概ね次のような組成をもつ。Mg:0.35
〜1.6%(重量%、以下同じ)、Si0.2〜1.6
%を含み、必要に応じてCu:0.8%以下、Ti:
0.2%以下、Zr:0.3%以下、Mn:0.8%以
下、Cr:0.5%以下の1種又は2種以上を含み、残
部Al及び不可避不純物。不可避不純物のうち、Feは
0.7%以下、その他の不純物は個別には0.05%以
下、合計で0.15%以下に制限される。特に軽度の過
時効処理でも圧壊割れの発生を防止できる組成は、M
g:0.35〜1.1%、Si:0.5〜1.3%、C
u:0.15〜0.7%、Ti:0.005〜0.2
%、Zr:0.06〜0.2%を必須成分として含み、
さらにMn:0.05〜0.5%、Cr:0.05〜
0.15%のいずれか1種又は2種を含み、残部Al及
び不可避不純物であることが、本発明者らのさらなる研
究により見いだされた。この組成の場合、軽度の過時効
処理でも圧壊割れ性が向上するので、その分、最大荷重
及び吸収エネルギーを犠牲にしなくて済む。その場合の
過時効処理後の耐力の目安としては、特にやや高目の
(0.9〜0.8)×σmaxがよい。各成分の限定理由
は次のとおりである。
【0010】Mg、Si Mg及びSiは、合金に強度を付与する元素である。M
g含有量が0.35%未満又はSi含有量が0.2%未
満の場合、時効処理の効果が得られない。特に本発明で
は過時効処理することにより通常の時効処理の場合に比
べて強度が低下するので、この添加量未満ではエネルギ
ー吸収部材として十分な強度、エネルギー吸収量が得ら
れない。逆に、Mg含有量が1.6%を越え又はSi含
有量が1.6%を越えると、圧壊割れの発生を防止する
には過度の過時効処理を必要とし、強度及びエネルギー
吸収量の面で素材自体がもつポテンシャルを大幅に犠牲
にすることになる。従って、Mgは0.35〜1.6
%、Siは0.2〜1.6%の範囲とする。特にMg:
0.35〜1.1%、Si:0.2〜1.3%の範囲
が、素材自体のポテンシャルを余り犠牲にせずに圧壊割
れ防止を図ることができ、好ましい。素材強度を考慮し
た場合、Si:0.5〜1.3%がなお好ましい。
【0011】Cu Cuは合金のマトリックス強度を向上させるとともに、
材料の延性を向上させる。本発明では過時効処理するこ
とにより強度が低下するため、材料のマトリックス強度
を予め高めにしておくことが必要である。そのために
は、添加量は0.15%以上とするのが望ましい。一
方、0.8%を超えるとその効果が飽和するとともにプ
レス焼入れ性、及び溶接性を劣化させる。望ましくは、
0.7%以下である。従って、Cu添加量は0.8%以
下、望ましくは0.15〜0.7%である。
【0012】Ti Tiは溶解鋳造時に核生成し鋳造組織を微細にする働き
があり、そのため適宜添加されるが、望ましい添加量は
0.005%以上である。しかし、多すぎると粗大な化
合物を生成しAl−Mg−Si系合金を脆弱にするので
0.2%を上限とする。 Zr、Mn、Cr Zr、Mn、Crは均質化熱処理時に鋳塊中に金属間化
合物として析出し、熱間加工等における2次再結晶を抑
制し、金属組織を微細にする。押出加工においては組織
を繊維状組織とし、等軸再結晶組織に比べ過時効処理後
の圧壊割れ性を著しく改善する。このうちZrはその改
善効果が最も高く、軽度の過時効処理でも圧壊割れの発
生を防止できるようになる利点があり、Zrのこの作用
を十分発揮させるには0.06%以上添加する必要があ
る。Mn、Crについてもそれぞれ0.05%、0.0
5%以上添加するのが望ましい。また、Mn、CrはZ
rに比べてプレス焼入れ性の低下が大きく、Crは押出
材の表面性状を著しく悪化させるので、これら3種の元
素のうちではまずZrを添加し、再結晶抑制効果をさら
に高める必要がある場合にMn、Crを添加するのが望
ましい。一方、過剰な添加は鋳造時に粗大な不溶性金属
間化合物を生成しやすく、強度、延性の低下及び圧壊割
れ性の悪化の原因となるので、それぞれ0.30%、
0.80%、0.5%とし、特に軽度の過時効処理で圧
壊割れを防止するためには、それぞれ0.2%、0.5
%、0.15%以下が望ましい。
【0013】上記のAl−Mg−Si系アルミニウム合
金を用いてエネルギー吸収部材を製造するには、常法に
則り溶解鋳造により鋳塊にした後、均質化処理し、所望
の断面形状に熱間押出−プレス焼入れするか、所望の断
面形状に熱間押出後、溶体化焼入れした後、過時効処理
を行う。過時効処理の条件は、先に述べたように例えば
210〜230℃×150〜240分であり、これによ
り、合金中の析出物MgSiが緻密微細に分布した
後、さらに成長を続け粗大に成長し、強度は最高強度よ
りも低下する。
【0014】本発明に係るエネルギー吸収部材は、自動
車等の車体のフレーム材、例えばサイドメンバやバンパ
ーステイなど、押出軸方向に加えられる衝撃荷重を変形
エネルギーに変換することにより構体全体の破壊を防止
する用途に適用され、その断面形状は特に限定されるわ
けではないが、例えば適宜の閉断面形状とされる。
【0015】
【実施例】(実施例1)表1に示す化学成分(JIS6
063に相当)のAl−Mg−Si系合金を半連続鋳造
法により作製した鋳塊に470℃×8hrの均質化熱処
理を施した後、その温度にて図1に示す田型断面形状に
押出成形した。
【0016】
【表1】
【0017】供試材は、表2に示す条件で溶体化処理後
焼入れを行い、温度を変えて時効処理を行った(No.
2〜5)。また、自然時効のままの供試材(No.1)
と焼鈍材とした供試材(No.6)も作成した。
【0018】
【表2】
【0019】供試材よりJIS13号B引張試験片を採
取し、機械的性質を調査した結果を表3及び図2に示
す。なお、図2をみると、引張強さ及び耐力はNo.3
の条件で最も大きくなっている。
【0020】
【表3】
【0021】また、供試材の静的な軸圧壊試験を行っ
た。供試材の長さは200mmで、これを図3に示すよ
うなアムスラー試験機にて10〜50mm/min程度
の変位速度で軸方向に静的圧縮荷重を加え、100mm
圧縮した。その試験結果も表3及び図2に合わせて示
す。なお、吸収エネルギーは変位量100mmまでに吸
収したエネルギーであり、圧壊割れの評価は、1が割れ
なし、2が微小クラック、3がクラック(開口無し)、
4が開口割れ、5が破断割れとし、5段階にて評価し
た。
【0022】表3及び図2の結果から、No.3の熱処
理を行ったものは最大荷重が大きく吸収エネルギーも大
きいが、圧壊割れ性に劣る。一方、過時効処理を行った
No.4、5は最大荷重及び吸収エネルギーでは素材強
度を最大としたNo.3より劣るが、圧壊割れランクで
は際だって優れている。なお、表3及び図2に明らかな
ように、圧壊割れ性は過時効領域に入ると急激に改善さ
れる。しかし、焼鈍材であるNo.6と異なり、過時効
処理を行ったNo.4、5の伸びは素材強度を最大とし
たNo.3より小さく、過時効処理材の圧壊割れ性の向
上が伸びの向上によるものではないことが分かる。
【0023】また、焼入れままのNo.1は、表3に示
す圧壊特性では過時効処理を行ったNo.4、5に遜色
ないようにみえるが、これらは自然時効が進行するに従
って、あるいは製品使用中に析出温度以上に保持される
状態において時効が進行し、圧壊割れ性が劣化する可能
性があり、エネルギー吸収部材として信頼性のある素材
として認められていない。これに対し、過時効処理を行
ったNo.4、5は自然時効が進行することはなく、ま
た、万一製品使用中に析出温度以上に保持される状態に
おいても圧壊割れ性が劣化することはなく、信頼性が高
い。
【0024】(実施例2)表4に示す3種の化学成分A
l−Mg−Si系合金を半連続鋳造法により作製した鋳
塊に550℃×4hrの均質化熱処理を施した後、50
0℃にて図4に示す口型断面形状に押出成形し、そのま
まプレス焼入れした。供試材は、表5に示すようにプレ
ス焼入れのままのものと、温度を変えて時効処理を行っ
たものを作成した。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】供試材よりJIS13号B引張試験片を採
取し、機械的性質を調査した結果を表6に示す。また、
長さ200mmの供試材を用い、図3に示すようにアム
スラー試験機にて形材の軸方向に10〜50mm/mi
n程度の変位速度で静的圧縮荷重を加え、軸方向に10
0mm圧縮し、圧壊割れの発生の有無を調べた。圧壊割
れの評価は、実施例1と同じく1〜5の5段階で評価し
た。その試験結果も表6に示す。
【0028】
【表6】
【0029】表6の結果から、本発明で特に好ましいと
される組成に該当する合金No.1の供試材は、最大強
度を示す時効処理Cで合金No.2、3の供試材に比べ
て強度が高く、圧壊割れ性も相対的に優れている。この
傾向は他の時効処理においても同様であり、過時効処理
D、Eにおける圧壊割れランクをみても、合金No.1
の供試材は相対的に優れている。合金No.1の供試材
は、このように軽度の過時効処理でも圧壊割れが改善さ
れるので、強度の低下に伴うエネルギー吸収量の低下が
少なく(開口割れが発生しない場合、エネルギー吸収量
は強度にほぼ比例する)、軸方向荷重を受けるエネルギ
ー吸収部材として優れている。
【0030】なお、プレス焼入れままの時効処理Aの供
試材は、表6に示す圧壊割れ性では過時効処理D、Eの
供試材に遜色ないようにみえるが、これらは自然時効が
進行するに従って、あるいは製品使用中に析出温度以上
に保持される状態において時効が進行し、圧壊割れ性が
劣化する可能性があり、エネルギー吸収部材として信頼
性のある素材として認められていない。これは最高強度
に達していない亜時効処理Bの供試材でも同様である。
これに対し、過時効処理を行ったD、Eの供試材は自然
時効が進行することはなく、また、万一製品使用中に析
出温度以上に保持される状態においても圧壊割れ性が劣
化することはなく、信頼性が高い。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、押出軸方向に圧縮の衝
撃荷重あるいは圧縮の静的負荷を受けたとき、圧壊割れ
を発生することなく蛇腹状に収縮変形するとともに、強
度及びエネルギー吸収量に関して素材自体のもつポテン
シャルを過度に犠牲にすることのないエネルギー吸収部
材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に用いた押出材の断面形状である。
【図2】 実施例に用いた供試材の引張強さ、耐力及び
圧壊割れと時効処理の関係を示す図である。
【図3】 実施例の静的圧壊試験法の説明図である。
【図4】 実施例に用いた押出材の断面形状である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 630 C22F 1/00 630B 631 631Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過時効処理した熱処理型アルミニウム合
    金押出材からなるエネルギー吸収部材。
  2. 【請求項2】 時効処理して得られる耐力(σ0.2)の
    最高値をσmaxとしたとき、過時効処理により(0.9
    〜0.5)×σmaxの耐力をもつようにされた請求項1
    に記載のエネルギー吸収部材。
  3. 【請求項3】 上記熱処理型アルミニウム合金がAl−
    Mg−Si系アルミニウム合金である請求項1又は2に
    記載のエネルギー吸収部材。
JP11-115807A 1997-08-05 1998-07-09 アルミニウム合金押出材からなるエネルギ―吸収部材 Pending JPH11343534A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-224236 1997-08-05

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11343534A true JPH11343534A (ja) 1999-12-14

Family

ID=

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002285272A (ja) * 2001-03-28 2002-10-03 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 軸圧壊特性に優れたアルミニウム合金押出材およびその製造方法
JP2010181020A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Kobe Steel Ltd 衝撃吸収部材
JP2011208251A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kobe Steel Ltd 曲げ圧壊性と耐食性に優れたアルミニウム合金押出材

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