JPH1134202A - 無機質繊維成形板及びその製造方法 - Google Patents

無機質繊維成形板及びその製造方法

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JPH1134202A
JPH1134202A JP9202172A JP20217297A JPH1134202A JP H1134202 A JPH1134202 A JP H1134202A JP 9202172 A JP9202172 A JP 9202172A JP 20217297 A JP20217297 A JP 20217297A JP H1134202 A JPH1134202 A JP H1134202A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角錐体、くさび体、箱体等の立体形を折り曲
げ成形する無機質繊維成形板の折り曲げが円滑に、且つ
容易に行われ、密度の高い成形板を外観品質を保持して
折り曲げることができる無機質繊維成形板及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 所望の立体形を折り曲げ形成し得る展開
形状を有する無機質繊維成形板1は仮想折り曲げ線3の
両側の対称位置に仮想折り曲げ線3に沿って成形溝5,
5を両成形溝5,5間を未成形状態にして形成するもの
からなり、材質としてはガラス繊維ウエブ等の無機質繊
維芯材に不織布等を貼着したものからなる。成形溝5を
基として各板片2を折り曲げることにより所望の形状の
立体形を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装材、
音響等の試験を行う試験室の内装材、乗用車やトラック
用等の産業用部品として使用される吸音体等の立体形部
材を折り曲げ成形するための展開形状を有する無機質繊
維成形板とその製造方法に係り、特に、高密度の芯材の
折り曲げが容易にでき外観品質に優れる無機質繊維成形
板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス繊維ウエブシートのような
無機質繊維材を用いて立体形の吸音体を成形する手段と
しては、熱板によるプレス成形や熱風貫通成形又はこれ
等を併用する方法が一般に知られている。また、特開平
6−314894号公報において金型の内面に不燃性シ
ートの容器を装着し、誘電損失材料を配合したフェノー
ル樹脂を注入して発泡硬化させる技術が開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来方法の
例えば、熱板によるプレス成形や熱風貫通成形の場合に
は、立体形が深絞り形状の場合にはガラス短繊維ウエブ
シートや表皮材が破れる場合があり、不良品ができ易い
問題点があった。また、プレスの抜き角度を設定する必
要があるため成形品の形状設計に制約が生じ、任意の立
体形を形成することができなかった。また、特開平6−
314894号公報に開示するものは主に深絞り状の金
型を使用するもので立体形が限定される。
【0004】一方、従来技術でも前記の問題点を解決す
る手段として実開平4−110811号公報や実公昭6
1−35603号公報に挙げられる技術が開示されてい
る。実開平4−110811号公報に開示のチャンネル
形繊維板は、無機質繊維芯材に不織布を貼着した展開形
状の成形板の折り曲げ線の部分にVカット部をプレス形
成したものからなる。また、特公昭61−35603号
公報に開示の断面溝形状断熱吸音材は、折り曲げ部に折
曲げ補助溝を押圧形成したものからなる。
【0005】実開平4−110811号公報に開示のも
のは、Vカット部を基として展開形状の成形板を折り曲
げることにより所望の立体形が形成され、折り曲げがや
り易いため密度の高い成形板の折り曲げ加工ができる。
また、Vカット部が互いに密接するため外観品質もよ
い。然し乍ら、Vカット部は別工程のプレス加工により
成形する必要があり、工程数が増加し作業効率が低下す
る。また、プレス加工によってVカット部を押圧形成す
るためその部分の密度が高くなり硬化し曲げ難くなる問
題点がある。
【0006】一方、実公昭61−35603号公報に開
示のものも補助溝を基として折り曲げ加工が容易にで
き、密度の高い成形品の折り曲げが可能であるが、補助
溝の箇所が外側に膨らみ、外観品質が低下する問題点が
ある。
【0007】本発明は、以上の問題点を解決するもの
で、折り曲げ線の形成のための特別の別工程が不要のた
め作業性の向上が図れ、折り曲げ加工がやり易く、密度
の高い成形品を所望の形状の立体形に容易に折り曲げで
き、外観品質に優れる無機質繊維成形板とその製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の無機質繊維成形
板は、以上の課題を解決すべく、無機質繊維芯材の単体
又は無機質繊維芯材の少なくとも片面側に不織布を設け
た無機質繊維成形板であって、該成形板は、折り曲げ線
に沿って立体形を折曲形成し得る展開形状のものからな
り、前記折り曲げ線の両側の対称位置には該折り曲げ線
に沿う成形溝が形成され該溝間を未成形状態としたこと
を特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項2記載の無機質繊維
成形板は、無機質繊維芯材の少なくとも片面側に熱融着
シートを介して不織布を設けた無機質繊維成形板であっ
て、該成形板は、折り曲げ線に沿って立体形を折曲形成
し得る展開形状のものからなり、前記折り曲げ線の両側
の対称位置には該折り曲げ線に沿う成形溝が形成され該
溝間を未成形状態としたことを特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項3記載の無機質繊維
成形板は、前記立体形が角錐形、くさび形、或いは、箱
形であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の請求項4記載の無機質繊維
成形板は、前記無機質繊維芯材が、ガラス短繊維ウエブ
からなることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項5記載の無機質繊維
成形板は、前記不織布が、ポリエステル繊維製、ポリア
ミド繊維製、炭素繊維製、ポリノジック繊維製、或い
は、これ等の複合体からなることを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項6の無機質繊維成形
板は、前記不織布が着色されたものであることを特徴と
する。
【0014】また、本発明の請求項7の無機質繊維成形
板の製造方法は、無機質繊維芯材の単体又は無機質繊維
芯材の少なくとも片面側に不織布を設けた無機質繊維成
形板を折り曲げ線に沿って所望の立体形を形成し得る展
開形状に成形する第1の手順と、前記成形板の成形と同
時に前記折り曲げ線の両側に該折り曲げ線に沿って適宜
深さの成形溝を、該両溝間を未成形の状態に残し、加熱
加圧成形する第2の手順とを行うことを特徴とする。
【0015】本発明では、無機質繊維芯材の単体又はこ
れに不織布を貼着した無機質繊維成形板を所望の立体形
を展開した展開形状の成形板として成形する。立体形は
折り曲げ線を基として折り曲げ形成されるが、本発明で
は従来技術のようにVカット部等の別工程による折り曲
げ線を形成せず、成形板の形成時に同時に両溝間を未成
形状態にした成形溝を形成する。立体形は成形溝に沿っ
て展開形状の成形板を折り曲げることにより形成され
る。このため折り曲げが容易にでき、密度の高い成形板
の折り曲げが容易にできる。また、折り曲げによる膨ら
みが発生しないため外観品質の向上が図れる。また、無
機質繊維芯材や不織布は使用目的に応じて各種のものが
選定される。また、本発明による立体形の製品はその組
成からみて吸音材として使用される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の無機質繊維成形板
及びその製造方法を図面を参照して詳述する。図1は折
り曲げ成形した場合に角錐体を形成する展開形状の無機
質繊維成形板1を示す。このものは図示のように同一形
成の截頭円錐状の板片2を互いに連結した形状のものか
らなり、隣接する板片2,2間には仮想折り曲げ線3
(2点鎖線で示す)がある。また、最外端側の板片2,
2には接着代4,4が設けられ、立体形を形成する場合
の接合部として機能する。なお、接着代4における接着
材としてはホットメルトや両面テープ等を使用すること
が作業性、品質面、環境面から好ましいが、これに限定
するものではなく、一般の接着剤を接着代4の箇所に塗
布して接合するものでもよい。
【0017】仮想折り曲げ線3の両側にはこの仮想折り
曲げ線3に沿って一対の成形溝5,5が凹設され、これ
ら溝5,5間は未成形状態とされている。図2はその詳
細構造を示すものである。この成形溝5,5は対称位置
に形成され、無機質繊維成形板1が加熱加圧成形される
成形時に、両成形溝5,5間のみを未成形状態にしたま
ま加熱加圧成形により成形されるものである。従って、
成形溝5の部分は他のところに較べて密度が特に高くな
ることはない。図2に示すように、成形溝5,5を仮想
折り曲げ線3の両サイドに形成することにより仮想折り
曲げ線3の部分には若干の凹凸部が発生するが、成形溝
5の形成される側が折り曲げ時の内部に相当するため前
記の凹凸部は折り曲げ形成時には消滅し、外観品質上に
何等影響を与えない。
【0018】図2は図1のA−A線拡大断面図であり、
本発明の無機質繊維成形板1の断面形成を拡大表示する
ものである。図示の無機質繊維成形板1は無機質繊維芯
材6の両面に不織布7,7を設けたものからなる。勿
論、本発明の無機質繊維成形板としては不織布7のない
単体のものでもよく、片面に不織布7を有するものでも
よい。また、強度向上のため、無機質繊維芯材6と不織
布7との間にポリエチレン等の低融点の合成樹脂製のシ
ートやホットメルトシート等の熱融着シートを介在させ
るものでもよい。なお、成形溝5,5は無機質繊維成形
板1の内面側に形成される。
【0019】無機質繊維芯材6としては、強度と吸音性
を保持する必要性から、例えばガラス短繊維ウエブが一
例として採用されるがこれに限定するものではない。
【0020】また、表皮材としての不織布7としては、
ポリエステル繊維製、ポリアミド繊維製、炭素繊維製、
ポリノジック繊維製の単体、或いは、これ等の複合繊維
が採用される。この場合、建築材料などに要求される難
燃レベルや自動車部品に要求される難燃レベルにあわせ
た仕様のものを選定する。また、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、ポリノジック繊維の単体、或いは、これ
等の複合繊維に着色を施すことにより一般建築物や試験
室、乗用車やトラック等の内装材としても利用可能であ
る。なお、ユーザの要求に合わせてグリーン、ベージ
ュ、ブルー等任意の着色選択が可能である。
【0021】所望の角錐体を製造するには、まず、図1
に示した展開形状の無機質繊維成形板1を一般的な熱板
プレス成形や熱風貫通成形によって形成し、前記したよ
うに仮想折り曲げ線3の両側に成形溝5,5を同時に形
成する。尚、両成形溝5,5間のみは、無機質繊維芯材
6のバインダ分を除いておくか、加熱硬化させないとい
う手段等により未成形状態としておく。次に、成形溝
5,5を内側にして成形溝5,5を基として各板片を折
り曲げると図3に示す一方側に開口部8を有する立体形
の角錐体9が形成される。開口部8側に形成される接着
代4,4の部分を結合することにより図4に示すように
角錐体9が形成される。
【0022】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例につき説明す
る。ガラス短繊維ウエブシートとしては、繊維径4乃至
20ミクロンのガラス短繊維に熱硬化性のフェノール樹
脂を含浸させた目付400乃至1500g/m2 のシー
トを作る。次に、このシートの単体、或いは、このシー
トにポリエチレンシートやホットメルトシートを介して
両面に合成繊維製の不織布や紙を重ね合わせた複合体を
3〜100mmの厚みの平板状もしくは浅絞状に成形す
る。この時、成形は150〜250℃の熱板によってプ
レスするか、150〜200℃の熱風によるか又はこれ
等を両用して行う。尚、この成形時には成形溝間は加熱
せずに未成形状態としておく。温度の設定については表
皮材として使用される不織布などの融点を考慮する必要
がある。なお、繊維径が細い程、又成形厚さが厚い程高
い吸音機能を期待することができる。
【0023】前記した立体形は角錐体9であったが、立
体形はこれに限定するものではなく、図5に示すくさび
体9aや、図6に示す箱体9bにも適用される。勿論、
その他の形状の立体形にも適用される。これ等の無機質
繊維成形板の場合には同様のように成形溝5を設けるこ
とにより折り曲げが容易に行われる。
【0024】前記したように無機質繊維芯材6や不織布
7の材質としては各種のものが採用されるが要求される
難燃性、風合い、着色性、コスト等を勘案し適宜設定さ
れる。また、成形溝5の形状、形成位置も図示のものに
限定するものではなく、成形板の厚み、密度、表皮材の
種類等により適宜の形状のものが採用され、形成位置も
仮想折り曲げ線3の近傍の適宜な位置に対称に形成され
る。
【0025】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1および2に記載の無機質繊維成形
板によれば、該成形板には折り曲げ線の両側の対称位置
に、折り曲げ線に沿って成形溝が形成され、この成形溝
間は未成形状態とされるため、該成形溝を基として折り
曲げが円滑に、且つ容易に行われ、密度の高い成形板も
外観品質を保持した状態で折り曲げ形成することができ
る。 2)本発明の請求項3に記載の無機質繊維成形板によれ
ば、角錐体、くさび体、箱体等の折り曲げ形成が可能な
任意の形状の立体形を形成することができる。 3)本発明の請求項4、5に記載の無機質繊維成形板に
よれば、立体形の形状、厚み、使用目的等に対応して、
無機質繊維芯材や不織布を適宜選定することができ所望
の立体形を得ることができる。 4)本発明の請求項6に記載の無機質繊維成形板によれ
ば、不織布を所望の色に着色することができ、使用目的
に合致した外観品質を保持することができる。 5)本発明の請求項7に記載の無機質繊維成形板の製造
方法によれば、成形溝は無機質繊維成形板の成形時に同
時に形成され、従来技術のように別工程を必要としない
ため作業性の向上が図られる。また、同時成形のため成
形溝のまわりの密度が高くならず円滑な折り曲げができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機質繊維成形板の展開形状を示す平
面図。
【図2】図2のA−A線拡大断面図。
【図3】図1に示した無機質繊維成形板を立体形に折り
曲げた形状を示す斜視図。
【図4】図3のB矢視における立体形の完成時の状態を
示す上面図。
【図5】くさび体を形成する本発明の無機質繊維成形板
の展開形状を示す平面図。
【図6】箱体を形成する本発明の無機質繊維成形板の展
開形状を示す平面図。
【符号の説明】
1 無機質繊維成形板 2 板片 3 仮想折り曲げ線 4 接着代 5 成形溝 6 無機質繊維芯材 7 不織布 8 開口部 9 角錐体 9a くさび体 9b 箱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G10K 11/16 G10K 11/16 A // D04H 1/42 F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質繊維芯材の単体又は無機質繊維芯
    材の少なくとも片面側に不織布を設けた無機質繊維成形
    板であって、該成形板は、折り曲げ線に沿って立体形を
    折曲形成し得る展開形状のものからなり、前記折り曲げ
    線の両側の対称位置には該折り曲げ線に沿う成形溝が形
    成され該溝間を未成形状態としたことを特徴とする無機
    質繊維成形板。
  2. 【請求項2】 無機質繊維芯材の少なくとも片面側に熱
    融着シートを介して不織布を設けた無機質繊維成形板で
    あって、該成形板は、折り曲げ線に沿って立体形を折曲
    形成し得る展開形状のものからなり、前記折り曲げ線の
    両側の対称位置には該折り曲げ線に沿う成形溝が形成さ
    れ該溝間を未成形状態としたことを特徴とする無機質繊
    維成形板。
  3. 【請求項3】 前記立体形が角錐形、くさび形、或い
    は、箱形である請求項1又は2に記載の無機質繊維成形
    板。
  4. 【請求項4】 前記無機質繊維芯材が、ガラス短繊維ウ
    エブからなる請求項1又は2に記載の無機質繊維成形
    板。
  5. 【請求項5】 前記不織布が、ポリエステル繊維製、ポ
    リアミド繊維製、炭素繊維製、ポリノジック繊維製、或
    いは、これ等の複合体からなる請求項1又は2に記載の
    無機質繊維成形板。
  6. 【請求項6】 前記不織布が着色されたものである請求
    項5に記載の無機質繊維成形板。
  7. 【請求項7】 無機質繊維芯材の単体又は無機質繊維芯
    材の少なくとも片面側に不織布を設けた無機質繊維成形
    板を折り曲げ線に沿って所望の立体形を形成し得る展開
    形状に成形する第1の手順と、前記成形板の成形と同時
    に前記折り曲げ線の両側に該折り曲げ線に沿って適宜深
    さの成形溝を、該両溝間を未成形の状態に残し、加熱加
    圧成形する第2の手順とを行うことを特徴とする無機質
    繊維成形板の製造方法。
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