JPH11341971A - 食品の光劣化防止剤 - Google Patents

食品の光劣化防止剤

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JPH11341971A
JPH11341971A JP11085524A JP8552499A JPH11341971A JP H11341971 A JPH11341971 A JP H11341971A JP 11085524 A JP11085524 A JP 11085524A JP 8552499 A JP8552499 A JP 8552499A JP H11341971 A JPH11341971 A JP H11341971A
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JP
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propolis
weight
food
milk
frozen
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JP11085524A
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Nobuaki Takahashi
伸彰 高橋
Nobuyuki Kawai
信行 川合
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 食品の光劣化を防止できる安価で、かつ
使用の簡便な食品の光劣化防止剤及び該光劣化防止剤を
含有させた光劣化の抑制された食品の提供。 【解決手段】 プロポリスを 0.00001重量%以上0.01重
量%以下の範囲内で含有させて光劣化の抑制された食
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価で、かつ使用
の簡便な食品の光劣化防止剤に関する。また、本発明
は、該光劣化防止剤を含有させた光劣化の抑制された食
品に関する。さらに本発明は、光劣化防止剤を含有させ
た乳、乳製品類、飲料類、チルドデザート類、冷凍乳製
品類、冷菓類又は冷凍食品類等の食品の光劣化防止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンビニエンスストア、スーパーマーケ
ット等では、蛍光灯等によって強い光を長時間照射しな
がら種々の食品をショーケースに陳列して販売してい
る。このとき、照射される光から与えられるエネルギー
によって、陳列されている食品中の成分が変化し、異
味、異臭が生じる。このようにして異味、異臭が生じる
ことによって食品の品質が劣化する現象は、一般に光劣
化と呼ばれており、食品の風味を著しく損ねて商品価値
を著しく下落させるために、光劣化防止対策は品質保持
上の大きな問題となっている。この光劣化を防止するた
めに、これまでにビタミンC等が光劣化の抑制作用を有
する物質として食品中に添加されてきたが、十分な効果
がなかった。また、光劣化が生じにくいように、容器に
遮光性をもたせたり、あるいは食品中に含まれる光劣化
を誘導する物質を除去すること等が行われているが、製
造コストが高くなるという問題があった。そのため、安
価かつ簡便な方法で効果的に食品の光劣化を防止する技
術が強く求められていた。一方、プロポリスは、ミツバ
チの巣から採取され、ミツバチが花芽等から集めた成分
と蜂自身の唾液の混合物である。プロポリスには、抗ガ
ン作用、殺菌作用、抗炎症作用、過酸化物質生成抑制作
用、免疫能増強作用等の機能があることが知られてお
り、健康食品の素材として種々の利用がなされてきた。
また、水産畜肉にプロポリスを含有させることを提案し
た特開平7-327638号公報も知られるが、これは水産畜肉
類の塩漬け、香辛料、燻煙等による従来の保存法に代わ
る新しい保存法として開発された、各種抗菌性や酸化防
止効果の向上を狙いとするものであり、0.01〜10.0重量
%の使用によって初めて目的達成が可能であることが報
告されている。しかしながら、プロポリスが光劣化防止
効果を有することは本出願前に全く知られておらず、ま
して、 0.00001重量%〜0.01重量%以下という極少量の
プロポリスであっても十分に食品の光劣化防止効果を発
揮することについては全く知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の光劣
化防止剤に比して安価かつ使用の簡便な食品の光劣化防
止剤を提供することを課題とする。また、この光劣化防
止剤を含有させて乳、乳製品類、飲料類、チルドデザー
ト類、冷凍乳製品類、冷菓類又は冷凍食品類等の食品の
光劣化を抑制する方法を提供することを課題とする。さ
らに、この光劣化防止剤を含有させた光劣化の抑制され
た、乳、乳製品類、飲料類、チルドデザート類、冷凍乳
製品類、冷菓類又は冷凍食品類等の食品を提供すること
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、乳、乳製品
類、飲料類、チルドデザート類、冷凍乳製品類、冷菓類
又は冷凍食品類等の食品のための安価かつ使用の簡便な
食品の光劣化防止剤を得ることを目指して種々の物質に
よる光劣化防止効果を鋭意検討した結果、プロポリスを
0.00001重量%以上0.01重量%以下の範囲内で添加する
ことにより、食品の光劣化が抑制されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、プロポリスを有効成
分として含有していれば、粉末状、液状、糊状等の形態
を問わずに食品の光劣化防止剤として用いることがで
き、食品の種類に応じて適当な形態のものを光劣化防止
剤として含有させて用いればよい。本発明において、食
品に本発明の光劣化防止剤を含有させる際には、プロポ
リスをそのまま本発明の光劣化防止剤として用いて含有
させてもよく、またプロポリスを粉末、液状、糊状等の
形態に加工したものを光劣化防止剤として用いて食品に
含有させてもよい。すなわち、プロポリスの原塊を粉砕
して粉末化して目的の食品中に含有させる他に、水又
は、含水エタノール又は、エタノール等によりプロポリ
スの抽出物を得、これをそのままか、あるいは種々の溶
剤で希釈することによって液状あるいは糊状に製剤化し
たものを含有させてもよい。また、このときプロポリス
抽出液を濾過して脱ロウ化してもよい。また、得られた
抽出液を直接、あるいはサイクロデキストリン等の賦形
剤を添加した後に噴霧乾燥し、乾燥粉末とし、これを含
有させてもよい。乾燥粉末には種々の賦形剤を添加する
こともできる。なお、最終的にプロポリスが食品中に適
当に分散されるのであれば、プロポリス抽出物の乾燥粉
末あるいはプロポリスの原体を粉砕した粉末等を錠剤と
してから目的の食品に含有させてもよく、ゼラチン等で
包埋してソフトカプセル化してからでもよい。また、本
発明の食品の光劣化防止剤は、プロポリスの光劣化防止
効果を消失させないように配慮すれば、食品の製造工程
中のどの段階で含有させてもよい。
【0006】プロポリスはそれ自体が、特有の刺激臭と
苦味を保有しているので、食品への添加量が多すぎる
と、食品のおいしさをかえって低下させる。食品中のプ
ロポリス含量が0.01重量%以上では、おいしさを損なう
という点で食品として許容できる限界を越える。なお、
プロポリスを食品に対して 0.00001重量%以上含有させ
ると、食品の光劣化が抑制される。この光劣化防止効果
は、一定程度の添加量以下では添加量依存性が強いの
で、光劣化を防止する目的でプロポリスを食品中に含有
させる際には、 0.00001重量%以上0.01重量%以下の範
囲で含有させるようにする。本発明の光劣化防止剤を含
有させて光劣化を防止できる食品の種類は特に限定され
ないが、蛍光灯等の照明付きのショーケースに陳列して
販売されることの多い食品に含有させることが効果的で
ある。このような食品としては、例えば冷蔵ショーケー
スに陳列して販売される、牛乳、加工乳、特殊乳、乳飲
料、発酵乳、乳酸菌飲料、チーズ等の乳や乳製品、清涼
飲料水、スポーツ飲料等の各種飲料、ゼリー、プリン、
ババロア、チーズケーキ、パンナコッタ、ティラミス等
の各種チルドデザート類等が挙げられる。また同様に、
冷凍ショーケースに陳列して販売される、アイスクリー
ム、アイスミルク、ラクトアイス、フローズンヨーグル
ト等の冷凍乳製品、シャーベット、氷菓等の各種冷菓類
や冷凍食品類等が挙げられる。以下、実施例を示して本
発明を詳細に説明する。
【0007】
【実施例1】生乳を遠心分離によって清浄化した後、均
質機によって150kgf/cm2の圧力で均質化した。得られた
牛乳28.5kgに20重量%の固形を含むプロポリス調製粉末
(「プロポリスパウダーブラジル産 水分散性」、森川
健康堂社製)1.5kg を含有させて混合し、プロポリス
1.0重量%含有牛乳を調製した。次にこのプロポリス 1.
0重量%含有牛乳を2.5kg 採取し、別に用意した22.5kg
の牛乳に添加し、10倍に希釈してプロポリス0.1 重量%
含有牛乳を調製した。以後、同様にして10倍ずつの段階
希釈を行い、 0.00001重量%までの濃度のプロポリス含
有牛乳を調製した。 また、対照としてプロポリス無添
加の牛乳を用意した。
【0008】
【試験例1】それぞれの牛乳を75℃で15秒間加熱して殺
菌し、冷却した後、予め殺菌した 200ml容の清浄なガラ
スビーカーに 100gずつ分注し、パラフィルムで開口部
を密封した。次いで約 600ルクスで蛍光灯照射される4
℃のショーケース内に静置して、約60時間の光劣化試験
を行った。光照射終了後、ショーケース内の各サンプル
について、光劣化臭と総合的なおいしさを官能評価し
た。官能評価は、光劣化臭については、強くする(6
点)から全くしない(0点)までの7段階で評点した。
総合的なおいしさについては、非常においしい(6点)
から全く食用に適さない(0点)までの7段階で評点し
た。評価結果を図1に示す。プロポリスを含有させてい
ない対照は、光照射終了後、光劣化臭が強くなり、全く
食用に適さないと判定された。一方、プロポリスを 0.0
0001重量%以上含有させると、含有量依存的な光劣化防
止効果が確認された。しかし、プロポリスの含有量の増
加に伴って含有量が 0.001重量%以上では総合的な好ま
しさが低下し始め、添加量が0.01重量%を超えると、プ
ロポリスの苦みと刺激臭が非常に強くなり、全く食用に
適さないと判定された。上記の結果から、プロポリスを
0.00001重量%以上0.01重量%以下の範囲で含有させる
ことによって、風味が良好で光照射に対して安定な牛乳
が得られることがわかった。
【実施例2】全乳50重量%、脱脂粉乳 5.5重量%、無塩
バター 1.5重量%、水43重量%の割合で混合し、ミック
スを調製した。このミックスをホモジナイザーを用い15
0kgf/cm2で均質化し、90〜95℃で20分間殺菌した。この
ミックスを45℃に冷却した後、ストレプトコッカス サ
リバリウス サブスピーシーズ サーモフィルス(Stre
ptococcus salivarius subsp. thermphilus )とラクト
バチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ブルガ
リカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricu
s )からなる乳酸菌スターターを添加し、42℃で酸度が
0.7%になるまで発酵させ、発酵終了後、5℃で冷却
し、プレーンヨーグルトを調製した。このようにして調
製されたプレーンヨーグルトを 285g採取し、20重量%
の固形分を含むプロポリス調製粉末(「プロポリスパウ
ダーブラジル産 水分散性」、森川健康堂社製)15gを
添加し、プロポリス 1.0重量%含有ヨーグルトを調製し
た。次にこの溶解物を25.0g採取し、別に用意した 225
gのプレーンヨーグルトに添加し、10倍に希釈してプロ
ポリス 0.1重量%含有ヨーグルトを調製した。以後、同
様にして10倍ずつの段階希釈を行い、 0.00001重量%ま
での濃度のプロポリス含有ヨーグルトを調製した。ま
た、対照としてプロポリス無添加のプレーンヨーグルト
を用意した。
【0009】
【試験例2】次に、これらのプレーンヨーグルトを、予
め殺菌した 200ml容の清浄なガラスビーカーに 100gず
つ分注し、パラフィルムで開口部を密封した。次いで、
約 600ルクスの光が蛍光灯照射される4℃のショーケー
ス内に静置して、約60時間の光劣化試験を行った。光照
射終了後、ショーケース内の各サンプルについて、光劣
化臭と総合的なおいしさを官能評価した。官能評価は、
光劣化臭については、強くする(6点)から全くしない
(0点)までの7段階で評点した。総合的なおいしさに
ついては、非常においしい(6点)から全く食用に適さ
ない(0点)までの7段階で評点した。評価結果を図2
に示す。プロポリスを含有させていない対照は、光照射
終了後、光劣化臭が強くなり、全く食用に適さないと判
定された。一方、プロポリスを 0.00001重量%以上含有
させると、含有量依存的な光劣化防止効果が確認され
た。しかし、プロポリスの含有量が0.01重量%を超える
と、プロポリスの苦みと刺激臭が非常に強くなり、含有
量が1重量%では全く食用に適さないと判定された。上
記の結果から、プロポリスを 0.00001重量%以上0.01重
量%以下の範囲で含有させることによって、風味が良好
で光照射に対して安定なヨーグルトが得られることがわ
かった。
【0010】
【実施例3】牛乳20重量%、生クリーム(脂肪50重量
%、SNF 4.5重量%)20重量%、脱脂粉乳(SNF95
重量%)9重量%、グラニュー糖10重量%、水飴(DE
30、Bx60)8重量%、グリセリン脂肪酸エステル 0.2
重量%、安定剤(ローカストビーンガム50重量%、グア
ーガム30重量%、セルロース20重量%) 0.2重量%、バ
ニラエキス 0.1重量%、水32.5重量%を合わせて混合溶
解し、アイスクリームミックスを得た。このようにして
得られたアイスクリームミックス29.85kg に20重量%の
固形を含むプロポリス調製粉末(「プロポリスパウダー
ブラジル産 水分散性」、森川健康堂社製)0.15kgを添
加し、プロポリス 0.1重量%含有アイスクリームミック
スを調製した。次にこのプロポリス 0.1重量%含有アイ
スクリームミックスを2.5kg 採取し、別に用意した22.5
kgのアイスクリームミックスに添加し、10倍に希釈して
プロポリス0.01重量%含有アイスクリームミックスを調
製した。以後、同様にして10倍ずつの段階希釈を行い、
0.00001重量%までの濃度のプロポリス含有アイスクリ
ームミックスを調製した。また、対照としてプロポリス
無添加のアイスクリームミックスを用意した。次いで、
それぞれのアイスクリームミックスを、常法に従って均
質、殺菌、冷却し、エージング後、フリージングを行っ
て、オーバーラン30%の半凍結状のソフトクリームを得
た。
【0011】
【試験例3】次に、これらのソフトクリームを、予め殺
菌した 200ml容の清浄なガラスビーカーに 100gずつ取
り、パラフィルムで開口部を密封し、−25℃の冷凍庫内
で遮光状態で一晩放置し、硬化させてアイスクリームを
得た。その後、このアイスクリームを直ちに約 670ルク
スの光が蛍光灯照射される−20℃のショーケース内に静
置して、凍結状態のままで約60時間の光劣化試験を行っ
た。光照射終了後、ショーケース内の各サンプルについ
て、光劣化臭と総合的なおいしさを官能評価した。官能
評価は、光劣化臭については、強くする(6点)から全
くしない(0点)までの7段階で評点した。総合的なお
いしさについては、非常においしい(6点)から全く食
用に適さない(0点)までの7段階で評点した。評価結
果を図3に示す。プロポリスを添加していない対照は、
光照射終了後、光劣化臭が強くなり、全く食用に適さな
いと判定された。一方、プロポリスを 0.00001重量%以
上含有させると、含有量依存的な光劣化防止効果が確認
された。しかし、プロポリスの含有量が0.01重量%以上
ではプロポリスの苦みと刺激臭が非常に強くなり、含有
量が 0.1重量%では全く食用に供し得ないと判定され
た。上記の結果から、プロポリスを 0.00001重量%以上
0.01重量%以下の範囲で含有させることによって、風味
が良好で光照射に対して安定なアイスクリームが得られ
ることがわかった。
【0012】
【実施例4】70℃に加温した牛乳6kgに、砂糖1.5kg 、
ゼラチン 100g、卵黄3kgを添加して溶解した。溶解
後、この溶液を150kgf/cm2の均質圧で均質化した。こう
して得られた溶液 285gに20重量%の固形を含むプロポ
リス調製粉末(「プロポリスパウダーブラジル産 水分
散性」、森川健康堂社製)15gを添加して混合し、プロ
ポリス 1.0重量%含有液を調製した。次にこのプロポリ
ス 1.0重量%含有液を25g採取し、別に用意した 225g
の溶液に添加し、10倍に希釈してプロポリス 0.1重量%
含有溶液を調製した。以後、同様にして10倍ずつの段階
希釈を行い、 0.00001重量%までの濃度のプロポリス含
有溶液を調製した。また、対照としてプロポリス無添加
の溶液を用意した。こうして調製された種々の濃度のプ
ロポリス含有溶液を、それぞれ90℃に達するまで加温
し、加熱殺菌した。殺菌後、各溶液を予め殺菌した 100
ml容の清浄なビーカーに50mlずつ分注し、開口部をラッ
プで覆い、4℃まで冷却して固化させ、プリンを製造し
た。
【試験例4】次いで、製造されたプリンを、約 600ルク
スの光が蛍光灯照射される4℃のショーケース内に静置
して、約60時間の光劣化試験を行った。光照射終了後、
ショーケース内の各サンプルについて、光劣化臭と総合
的なおいしさを官能評価した。官能評価は、光劣化臭に
ついては、強くする(6点)から全くしない(0点)ま
での7段階で評点した。総合的なおいしさについては、
非常においしい(6点)から全く食用に適さない(0
点)までの7段階で評点した。評価結果を図4に示す。
プロポリスを添加していない対照は、光照射終了後、光
劣化臭が強くなり、全く食用に適さないと判定された。
一方、プロポリスを 0.00001重量%以上含有させると、
含有量依存的な光劣化防止効果が確認された。しかし、
プロポリスの含有量が0.01重量%を超えると、プロポリ
スの苦みと刺激臭が非常に強くなり、含有量が 0.1重量
%を越えると、全く食用に供し得ないと判定された。上
記の結果から、プロポリスを 0.00001重量%以上0.01重
量%以下の範囲で含有させることによって、風味が良好
で光照射に対して安定なプリンが得られることがわかっ
た。
【0013】
【実施例5】オレンジの濃縮果汁(濃縮倍率 5.5倍) 2
00gに水 900gと香料 1.1gを添加し十分に混和した。
得られた濃縮果汁還元オレンジジュース 285gに20重量
%の固形を含むプロポリス調製粉末(「プロポリスパウ
ダーブラジル産 水分散性」、森川健康堂社製)15gを
添加して混合し、プロポリス 1.0重量%含有オレンジジ
ュースを調製した。次にこのプロポリス 1.0重量%含有
オレンジジュースを25g採取し、別に用意した 225gの
オレンジジュースに添加し、10倍に希釈してプロポリス
0.1重量%含有オレンジジュースを調製した。以後、同
様にして10倍ずつの段階希釈を行い、 0.00001重量%ま
での濃度のプロポリス含有オレンジジュースを調製し
た。また、対照としてプロポリス無添加のオレンジジュ
ースを用意した。
【0014】
【試験例5】それぞれのオレンジジュースを予め殺菌し
た 200ml容の清浄なガラスビーカーに 100gずつ分注し
た。これを、90℃に到達するまで湯浴で加熱して殺菌
し、10℃以下になるまで冷却した。冷却後、それぞれの
ビーカーの開口部をパラフィルムで密封し、約 600ルク
スで蛍光灯照射される4℃のショーケース内に静置して
約60時間の光劣化試験を行った。光照射終了後、ショー
ケース内の各サンプルについて、光劣化臭と総合的なお
いしさを官能評価した。官能評価は、光劣化臭について
は、強くする(6点)から全くしない(0点)までの7
段階で評点した。総合的なおいしさについては、非常に
おいしい(6点)から全く食用に適さない(0点)まで
の7段階で評点した。評価結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】プロポリスを添加していない対照は、光照
射終了後、光劣化臭が強くなり、まったく食用に適さな
いと判定された。一方、プロポリスを 0.00001重量%含
有させると、光劣化防止効果が確認された。しかし、含
有量が 0.1重量%以上ではプロポリスの苦みと刺激臭が
非常に強くなり、全く食用に適さないと判定された。上
記の結果から、プロポリスを 0.00001重量%以上0.01重
量%以下の範囲で含有させることによって、風味が良好
で光照射に対して安定なオレンジジュースが得られるこ
とがわかった。
【0017】
【実施例6】ホワイトソース 285gに20重量%の固形を
含むプロポリス調製粉末(「プロポリスパウダーブラジ
ル産 水分散性」、森川健康堂社製)15gを添加して混
合し、プロポリス 1.0重量%含有ホワイトソースを調製
した。次にこのプロポリス 1.0重量%含有ホワイトソー
スを25.0g採取し、別に用意した 225gのホワイトソー
スに添加し、10倍に希釈してプロポリス 0.1重量%含有
ホワイトソースを調製した。以後、同様にして10倍ずつ
の段階希釈を行い、 0.00001重量%までの濃度のプロポ
リス含有ホワイトソースを調製した。また、対照として
プロポリス無添加のホワイトソースを用意した。
【0018】
【試験例6】こうして調製された種々のホワイトソース
を、それぞれ 200gずつ専用トレイに盛りつけ、各サン
プルをラップで覆い、暗黒条件下、−25℃で凍結して、
ホワイトソースのみからなる冷凍グラタンモデルを作成
した。その後、この冷凍グラタンモデルを約 670ルクス
の光が蛍光灯照射される−20℃のショーケース内に静置
して、凍結状態のままで約60時間の光劣化試験を行っ
た。光照射終了後、各冷凍グラタンモデルを電子レンジ
(500W)で6分間加熱し、加熱後の各サンプルについて、
光劣化臭と総合的なおいしさを官能評価した。官能評価
は、光劣化臭については、強くする(6点)から全くし
ない(0点)までの7段階で評点した。総合的なおいし
さについては、非常においしい(6点)からまったく食
用に適さない(0点)までの7段階で評点した。評価結
果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】プロポリスを添加していない対照は、光照
射終了後、光劣化臭が強くなり全く食用に適さないと判
定された。一方、プロポリスを 0.00001重量%以上含有
させると、含有量依存的な光劣化防止効果が確認され
た。しかし、プロポリスの含有量が0.01重量%を超える
と、プロポリスの苦みと刺激臭が非常に強くなり、含有
量が 0.1重量%では全く食用に供し得ないと判定され
た。上記の結果から、プロポリスを 0.00001重量%以上
0.01重量%以下の範囲で含有させることによって、風味
が良好で光照射に対して安定な冷凍グラタンモデルが得
られることが分かり、本発明は冷凍食品の光劣化防止に
対しても有効であることが示された。
【0021】
【発明の効果】本発明の食品の光劣化防止剤を用いるこ
とにより、安価かつ簡便に食品の光劣化を防止すること
ができ、食品の品質保持に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロポリスの含有量と牛乳の光劣化防止効果と
の関係を示す。
【図2】プロポリスの含有量とヨーグルトの光劣化防止
効果との関係を示す。
【図3】プロポリスの含有量とアイスクリームの光劣化
防止効果との関係を示す。
【図4】プロポリスの含有量とプリンの光劣化防止効果
との関係を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロポリスを有効成分とする食品の光劣
    化防止剤。
  2. 【請求項2】 プロポリスを 0.00001重量%以上0.01重
    量%以下の範囲内で含有させることを特徴とする食品の
    光劣化防止方法。
  3. 【請求項3】 プロポリスを 0.00001重量%以上0.01重
    量%以下の範囲内で含有させた光劣化の抑制された食
    品。
  4. 【請求項4】 食品が、乳、乳製品類、飲料類、チルド
    デザート類、冷凍乳製品類、冷菓類又は冷凍食品類であ
    ることを特徴とする請求項3の食品。
JP11085524A 1998-03-30 1999-03-29 食品の光劣化防止剤 Pending JPH11341971A (ja)

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WO2022185958A1 (ja) * 2021-03-04 2022-09-09 不二製油グループ本社株式会社 光照射による風味劣化の抑制された水系組成物

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