JPH11341955A - 改質ジェランガムおよびその製造方法 - Google Patents

改質ジェランガムおよびその製造方法

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JPH11341955A
JPH11341955A JP10152552A JP15255298A JPH11341955A JP H11341955 A JPH11341955 A JP H11341955A JP 10152552 A JP10152552 A JP 10152552A JP 15255298 A JP15255298 A JP 15255298A JP H11341955 A JPH11341955 A JP H11341955A
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JP
Japan
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gellan gum
heating
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gel
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JP10152552A
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English (en)
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Junichi Inata
淳一 生稲
Yuko Terui
優子 照井
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のジェランガムは、カチオンを添加すると
ゲル強度は上がるが脆く、堅いゲルとなり、また分散性
も悪く十分な機能が発揮されない。 【解決手段】乾燥減量が50重量%以下で特定構造を持
ったジェランガムを特定条件で加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質ジェランガムお
よびその製造方法に関する。かかる改質ジェランガム
は、食品分野、化粧品分野、医薬品分野、一般工学分野
等の増粘剤、安定剤、添加剤として用いられる。
【0002】
【従来の技術】ジェランガムは、水生植物の表面から分
離された非病原菌性微生物シュードモナス・エロディア
(Pseudomonas elodea)により生産
される、微生物多糖類の一種である。ジェランガムには
脱アシル型とネィティブ型がある。ジェランガムの構造
は、主として1−3結合したグルコース、1−4結合し
たグルクロン酸、1−4結合したグルコースおよび1−
4結合したラムノースからなり、脱アシル型では、1構
成単位あたりカルボキシル基1残基を有する。ネイティ
ブ型またはアセチル基高含有型では、1−3結合したグ
ルコース残基に1構成単位あたりグリセリル基1残基と
アセチル基が平均1/2残基結合を有する。ジェランガ
ムの製造方法として、発酵培地で培養し、菌体外に生産
された粘膜物を回収し、乾燥、粉砕等の工程後、粉末状
に製品化される方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のジェラ
ンガムは、ネィティブ型、脱アシル化型ともにゲル強度
特性に関し、ユーザーのニーズを十分満足させるもので
はない。すなわち、従来のジェランガムでは、ゲル強度
を向上させるため、カチオン、例えば、乳酸カルシウム
等を添加すると脆く、堅いゲルとなり十分な機能が発揮
されないものである。また分散性も劣ったものであっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、特定のジ
ェランガムを固体状態で特定条件で加熱して得たジェラ
ンガムが、優れたゲル強度特性を有することを見出し、
本発明を完成した。即ち、乾燥減量が50重量%以下
で、1―3結合したグルコース1残基に対してグリセリ
ル基が0〜0.5残基とアセチル基が0〜0.5残基結
合したジェランガムを、80〜100℃で6時間〜12
時間または110℃〜130℃で3時間〜10時間加熱
することにより得られる。かかる本発明は、ジェランガ
ム濃度として1.0重量%の溶液(0.1%乳酸カルシ
ウム含有)とした場合、500〜800g/cm(レ
オメータ、本発明の所定条件)のゲル強度を示すもので
ある。本発明の所定条件とは、レオメータFUDOH
RHEO METER NRM−2002J 円柱 1
0mmΦプランジャー テストスピード30cm/mi
n 20℃の条件をいう。以後、別に定義する場合を除
き、ゲル強度値は、この条件下でのものをいう。上記加
熱は、気体中でも液体中でも行うことができる。気体中
で行う場合、空気中等酸素の存在下で行うと着色する恐
れがあるので、不活性ガス中で行うのが良い。また、気
体中での加熱を減圧下で行うことによっても着色を回避
できる。液体中で加熱を行う場合、ジェランガムを溶解
しない不活性溶剤中にジェランガムを分散させた状態で
加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は起こらな
い。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。上述のごとく、本発明の改質ジェランガムは、乾燥
減量(常圧下、105℃、5時間加熱、以下別に定義す
る場合を除き、「乾燥減量」はこの条件下での乾燥減量
をいうものとする。)が50重量%以下で、1−3結合
したグルコース1残基に対して、グリセリル基が0〜1
残基とアセチル基が0〜0.5残基結合しているジェラ
ンガムを80〜100℃で6時間〜12時間または11
0〜130℃で3時間〜10時間加熱することによって
得ることができる。本発明の改質ジェランガムを製造す
るのに使用する原料ジェランガムは、乾燥減量が50重
量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましく
は15重量%以下のジェランガムである。かかる原料ジ
ェランガムとしては、まず市販の粉末状、顆粒状等のジ
ェランガムを用いることができる。かかる原料ジェラン
ガムとしては、コーンシロップなどを含む液体培地にシ
ュードモナス・エロディアを接種して、無菌的に培養
し、菌体外に生産された粘性物質を培養液から回収し
た、ジェランガムの製造法において、乾燥工程中に乾燥
減量が50重量%以下となったジェランガムを用いるこ
とができる。原料ジェランガムの乾燥減量が50重量%
より多いとジェランガムの品温が十分に上がらず、ゲル
改質の効果がない。
【0006】本発明の改質ジェランガムを製造するため
に、かかる原料ジェランガムを加熱するが、加熱は80
〜100℃で6時間〜12時間または110℃〜130
℃で3時間〜10時間加熱することにより得られる。こ
れらの条件中においても、高温側では比較的短時間加
熱、低温側では比較的長時間加熱が好ましい。加熱はも
っとも好ましくは105〜120℃である。加熱温度が
80℃未満であるとゲル強度の改善が十分でなく、13
0℃を超えると一般に着色する可能性が大きくなる。
【0007】上記加熱は、気体中でも液体中でも行うこ
とができる。気体中で行う場合、空気中等酸素の存在下
で行うと着色する恐れがあるので、ジェランガムと反応
しない不活性ガス中で行うのが良い。不活性ガスとして
は窒素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、水蒸気等を挙げ
ることができる。また、気体中での加熱を減圧下で行う
ことによっても着色を回避できる。この場合の気体とし
ては、上記不活性ガスを用いることができるのは勿論で
あるが、減圧の程度によっては空気も着色を生じること
なく用いることができる。減圧の程度は、特に制限ない
が、200〜0.01mmHgが適当である。
【0008】液体中で加熱を行う場合、ジェランガムを
溶解しない不活性溶剤中にジェランガムを分散させた状
態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は起こら
ない。不活性溶剤としては、ジェランガムを溶解せず、
ジェランガムと反応しないものであれば特に制限はな
い。不活性溶剤の例としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコー
ル等の炭素数1〜6のアルカノール、1,3−ブチレン
グリコール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ル等の炭素数1〜4のアルカンジオール、エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メ
チルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエー
テル(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールのモ
ノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜2)
エーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール
のモノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜
2)エーテル、大豆油、コーン油、菜種油等の植物油等
を挙げることができる。不活性溶剤中での反応は、場合
により加圧下で、例えばオートクレーブ中で行うことが
できる。加熱処理後に得られる改質ジェランガムの単離
は、例えば加熱処理液を濾過し、ケーキを必要に応じエ
タノール等の低沸点溶剤で洗浄し、ついで真空乾燥する
ことによって行うことができる。
【0009】上記方法によって製造される本発明の改質
ジェランガムは、その低いゲル強度において従来のジェ
ランガムと異なる。すなわち、本発明の改質ジェランガ
ムは、ジェランガム濃度として1.0重量%の水溶液
(0.1%乳酸カルシウム溶液)とした場合、500〜
800g/cm(レオメータ)のゲル強度を示し、や
わらかく伸びのあるゲルを形成する。市販のゲル強度の
1.0重量%溶液(乳酸カルシウム0.1%溶液)のゲ
ル強度は1200g/cm以上であるので、本発明の
ジェランガムの性状は、特異的である。乳酸カルシウム
の他、カチオンとして塩化カルシウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等が使用できるがこれに限定されるも
のではない。
【0010】本発明の改質ジェランガムは、従来のジェ
ランガムと同様な用途に用いることができる。また、水
分散性も改善され、作業性も良好である。かかる本発明
の改質ジェランガムは、単独でまたは他の水溶性ゲル化
剤や乳化剤と組み合わせて使用することにより、安定な
ゲルや乳化物を得ることができる。したがって、本発明
の改質ジェランガムは、食品、化粧品、医薬品等の分野
を始め、石油産業を含む一般工業分野で水溶性増粘剤と
して用いることができる。
【0011】
【実施例】本発明を以下実施例、比較例および参考例に
よって具体的に説明するが、これらは本発明を例証する
ためのものであって、本発明を何等限定するものではな
い。
【0012】比較例1 市販の脱アシル化ジェランガムの1.0重量%水溶液
(乳酸カルシウム 0.1%溶液)を作り、ゲル強度を
を測定した(A)。
【0013】
【表1】 FUDOH RHEO METER NRM−2002
J ゲルはかたく、脆く、伸びがないものであった。
【0014】比較例2 脱アシル化ジェランガム粉末(ザ・ニュートラスウィー
ト・ケルコカンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサン
トカンパニー製、乾燥減量9重量%)10g(ケルコゲ
ル 脱アシル型ジェランガム 1―3結合したグルコー
ス残基にグリセリル基、アセチル基ともに結合なし)を
1,3−ブチレングリコール40gに分散させ、それぞ
れ80℃4時間、120℃で1時間、および140℃で
2時間加熱した。ジェランガム分散液をそれぞれ濾過
し、ケーキをエタノール40gで洗浄した。真空乾燥に
12時間付してエタノールを除去してジェランガムを得
た。それぞれの1.0重量%水溶液(0.1%乳酸カル
シウム溶液)を調製し、ゲル強度を測定した。表2(比
較例B〜D)
【0015】
【表2】 これらはいずれもゲルがかたく、脆く、伸びがなく、い
ずれの用途にも使用に堪えない。
【0016】実施例1 ジェランガム粉末(ザ・ニュートラスウィート・ケルコ
カンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサントカンパニ
ー製、乾燥減量9重量%ケルコゲル 脱アシル型ジェラ
ンガム 1―3結合したグルコース残基にグリセリル
基、アセチル基ともに結合なし)10gを1,3−ブチ
レングリコール40gに分散させ、それぞれ80〜12
5℃で加熱した。ジェランガム分散液をそれぞれ濾過
し、ケーキをエタノール40gで洗浄した。真空乾燥に
12時間付してエタノールを除去して改質ジェランガム
を得た。それぞれの1.0重量%水溶液(乳酸カルシウ
ム0.1%溶液)を調製し、ゲル強度を測定した(E〜
I)。 ゲル強度は、改質され伸びがあり、機能性に富
むものであった。各ジェランガムの水への分散は、比較
例2のジェランガムより「ままこ」ができにくく、分散
性が改善されていた。
【0017】
【表3】
【0018】実施例2 ジェランガム粉末(ザ・ニュートラスウィート・ケルコ
カンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサントカンパニ
ー製、乾燥減量10重量% 脱アシル型ジェランガムお
よびネィティブ型ジェランガムを1―3結合したグルコ
ース残基にグリセル基0.5残基とアセチル基が0.5
残基結合したものとなるよう調製)10gを減圧下(空
気、60mmHg)において115℃で3時間加熱し
た。得られた改質ジェランガムの1.0重量%水溶液
(乳酸カルシウム0.1%溶液)を作り、ゲル強度を測
定した(J〜L)。ゲル強度は、改質され伸びのあるゲ
ルが得られた。各ジェランガムの水への分散は比較例1
のジェランガムより「ままこ」ができにくく、分散性が
改善されていた。
【0019】
【表4】
【0020】
【発明の効果】本発明の改質ジェランガムは、従来のジ
ェランガムに比し2/3倍のゲル強度特性有するもので
あるが、従来品と同じ添加量でもゲル強度を低く抑えら
れ、やわらかく、伸びのあるゲルを形成する極めて優れ
た水溶性ゲル化剤である。また、水分散性も改善され、
作業性も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ネイティブ型ジェランガムの構造式である。
【図2】 脱アシル型ジェランガムの構造式である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.1重量%の乳酸カルシウム溶液中の
    ジェランガム濃度として1.0重量%の溶液を、80〜
    95℃で1時間加熱し20℃まで冷却して出来るゲル
    が、500〜800g/cm(レオメータ FUDO
    H RHEO METER NRM−2002J 本発
    明所定の条件)のゲル強度を示す改質ジェランガム。
  2. 【請求項2】 乾燥減量(常圧下、105℃、5時間加
    熱)が50重量%以下で、1−3結合したグルコース1
    残基に対して、グリセリル基が0〜1残基とアセチル基
    が0〜0.5残基結合しているジェランガムを80〜1
    00℃で6時間〜12時間または110℃〜130℃で
    3時間〜10時間加熱することを特徴とする改質ジェラ
    ンガムの製造方法。
  3. 【請求項3】 加熱を不活性ガス中で行う請求項2記載
    の改質ジェランガムの製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱を気体中減圧下で行う請求項2また
    は3記載の改質ジェランガムの製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱をジェランガムを溶解しない不活性
    溶剤中にジェランガムを分散させた状態で行う請求項2
    記載の改質ジェランガムの製造方法。
JP10152552A 1998-06-02 1998-06-02 改質ジェランガムおよびその製造方法 Pending JPH11341955A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008141507A1 (fr) * 2007-05-18 2008-11-27 Shanghai Huiyuan Vegetal Capsule Co., Ltd Gomme gellane organique sans solvant et son procédé de préparation
JP2017160406A (ja) * 2016-03-11 2017-09-14 森永製菓株式会社 部分脱アシル化ジェランガム

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WO2008141507A1 (fr) * 2007-05-18 2008-11-27 Shanghai Huiyuan Vegetal Capsule Co., Ltd Gomme gellane organique sans solvant et son procédé de préparation
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