JPH11308972A - 高ゲル性ジェランガムおよびその製造方法 - Google Patents
高ゲル性ジェランガムおよびその製造方法Info
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- JPH11308972A JPH11308972A JP10132680A JP13268098A JPH11308972A JP H11308972 A JPH11308972 A JP H11308972A JP 10132680 A JP10132680 A JP 10132680A JP 13268098 A JP13268098 A JP 13268098A JP H11308972 A JPH11308972 A JP H11308972A
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- JP
- Japan
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- gellan gum
- gum
- heating
- gel strength
- gelan gum
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- Pending
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- Medicinal Preparation (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のジェランガムは、ゲル強度特性が十分
でないため、添加量が多く、そのため食品に添加した場
合には、歯ごたえのない食感となり、冷水への分散性も
悪い。 【解決手段】 特定の乾燥減量以下で、特定のアセチル
基残基結合数を有するジェランガムを特定条件で加熱す
る。
でないため、添加量が多く、そのため食品に添加した場
合には、歯ごたえのない食感となり、冷水への分散性も
悪い。 【解決手段】 特定の乾燥減量以下で、特定のアセチル
基残基結合数を有するジェランガムを特定条件で加熱す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高ゲル性ジェランガ
ムおよびその製造方法に関する。かかる高ゲル性ジェラ
ンガムは、食品分野、化粧品分野、医薬品分野、一般工
業分野等の増粘剤、安定剤、添加剤として用いられる。
ムおよびその製造方法に関する。かかる高ゲル性ジェラ
ンガムは、食品分野、化粧品分野、医薬品分野、一般工
業分野等の増粘剤、安定剤、添加剤として用いられる。
【0002】
【従来の技術】ジェランガムは、水生植物の表面から分
離された非病原菌性微生物シュードモナス・エロディア
(Pseudomonas elo dea)により産生
される、微生物多糖類の一種である。ジェランガムに
は、脱アシル型とネイティブ型があり、脱アシル型の構
造は1−3結合したグルコース、1−4結合したグルク
ロン酸、1−4結合したグルコースおよび1−4結合し
たラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子
多糖類で、1構成単位あたりカルボキシル基1残基を有
する。ネイティブ型は、この1−3結合したグルコース
残基に1構成単位あたりグリセリル基1残基とアセチル
基が平均1/2残基結合をしたものである。ジェランガ
ムの製造方法として、上記非病原菌性微生物を発酵培地
で培養し、菌体外に産生された粘性物を回収し、乾燥、
粉砕等の工程後、粉末状に製品化される方法などが知ら
れている。
離された非病原菌性微生物シュードモナス・エロディア
(Pseudomonas elo dea)により産生
される、微生物多糖類の一種である。ジェランガムに
は、脱アシル型とネイティブ型があり、脱アシル型の構
造は1−3結合したグルコース、1−4結合したグルク
ロン酸、1−4結合したグルコースおよび1−4結合し
たラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子
多糖類で、1構成単位あたりカルボキシル基1残基を有
する。ネイティブ型は、この1−3結合したグルコース
残基に1構成単位あたりグリセリル基1残基とアセチル
基が平均1/2残基結合をしたものである。ジェランガ
ムの製造方法として、上記非病原菌性微生物を発酵培地
で培養し、菌体外に産生された粘性物を回収し、乾燥、
粉砕等の工程後、粉末状に製品化される方法などが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のジェラ
ンガムは、ゲル強度特性に関し、ユーザーのニーズを十
分満足させるものではない。すなわち、ジェランガムの
ゲル強度が十分には高くないため、添加量を減らすこと
ができず、食品に添加した場合、歯ごたえのない食感と
なる。また、冷水への分散性が悪いという欠点も有して
いた。したがって、さらに高いゲル強度特性と易分散性
を有するジェランガムが望まれていた。従来のジェラン
ガムは、カチオンを添加しないとゲル強度が上がらない
という欠点も有していた。
ンガムは、ゲル強度特性に関し、ユーザーのニーズを十
分満足させるものではない。すなわち、ジェランガムの
ゲル強度が十分には高くないため、添加量を減らすこと
ができず、食品に添加した場合、歯ごたえのない食感と
なる。また、冷水への分散性が悪いという欠点も有して
いた。したがって、さらに高いゲル強度特性と易分散性
を有するジェランガムが望まれていた。従来のジェラン
ガムは、カチオンを添加しないとゲル強度が上がらない
という欠点も有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の乾
燥減量以下のジェランガムを特定条件で加熱して得たジ
ェランガムが、優れたゲル強度特性を有することを見出
し、本発明を完成した。即ち、特定の結合を有するジェ
ランガムを110〜120℃で30分から7時間加熱す
ることによりジェランガム濃度として、1.0重量%の
水溶液とした場合に60〜80g/cm2 (レオメータ
ー 20℃ 10mmΦ円柱プランジャー)のゲル強度
を示す高ゲル性ジェランガムである。ここで、ジェラン
ガムとは、高ゲル強度性ジェランガムの原料となるもの
で、特異的な高ゲル性を示さないものである。かかる本
発明は、ジェランガム濃度として1.0重量%の水溶液
とした場合、60〜80g/cm2 (レオメーター 2
0℃ 10mmΦ円柱プランジャー)の強度を示す高ゲ
ル強度性ジェランガムに関する。本発明の高ゲル性ジェ
ランガムは、乾燥減量が50重量%以下のジェランガム
を80〜100℃で3時間以上もしくは110〜130
℃で30分以上加熱することによって得ることができ
る。乾燥減量とは、常圧下、105℃で5時間加熱した
場合の減量値をいう。以下別に定義する場合を除き、
「乾燥減量」はこの条件下での乾燥減量をいうものとす
る。上記加熱は気体中でも液体中でも行うことができ
る。気体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で行うと
着色する恐れがあるので、不活性ガス中で行うのが良
い。また、気体中での加熱を減圧下で行うことによって
も着色を回避できる。液体中で加熱を行う場合、ジェラ
ンガムを溶解しない不活性溶剤中にジェランガムを分散
させた状態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色
は起こらない。この製造法で得られた高ゲル性ジェラン
ガムはカチオンの有無に関わらず高いゲル強度が得られ
る。
題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の乾
燥減量以下のジェランガムを特定条件で加熱して得たジ
ェランガムが、優れたゲル強度特性を有することを見出
し、本発明を完成した。即ち、特定の結合を有するジェ
ランガムを110〜120℃で30分から7時間加熱す
ることによりジェランガム濃度として、1.0重量%の
水溶液とした場合に60〜80g/cm2 (レオメータ
ー 20℃ 10mmΦ円柱プランジャー)のゲル強度
を示す高ゲル性ジェランガムである。ここで、ジェラン
ガムとは、高ゲル強度性ジェランガムの原料となるもの
で、特異的な高ゲル性を示さないものである。かかる本
発明は、ジェランガム濃度として1.0重量%の水溶液
とした場合、60〜80g/cm2 (レオメーター 2
0℃ 10mmΦ円柱プランジャー)の強度を示す高ゲ
ル強度性ジェランガムに関する。本発明の高ゲル性ジェ
ランガムは、乾燥減量が50重量%以下のジェランガム
を80〜100℃で3時間以上もしくは110〜130
℃で30分以上加熱することによって得ることができ
る。乾燥減量とは、常圧下、105℃で5時間加熱した
場合の減量値をいう。以下別に定義する場合を除き、
「乾燥減量」はこの条件下での乾燥減量をいうものとす
る。上記加熱は気体中でも液体中でも行うことができ
る。気体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で行うと
着色する恐れがあるので、不活性ガス中で行うのが良
い。また、気体中での加熱を減圧下で行うことによって
も着色を回避できる。液体中で加熱を行う場合、ジェラ
ンガムを溶解しない不活性溶剤中にジェランガムを分散
させた状態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色
は起こらない。この製造法で得られた高ゲル性ジェラン
ガムはカチオンの有無に関わらず高いゲル強度が得られ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。上述のごとく、本発明の高ゲル性ジェランガムは、
乾燥減量が50重量%以下のジェランガムを80〜10
0℃で3時間以上もしくは110〜130℃で30分以
上加熱することによって得ることができる。本発明の高
ゲル強度性ジェランガムを製造するのに使用する原料ジ
ェランガムは、乾燥減量が50重量%以下、好ましくは
20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下のジ
ェランガムである。ジェランガムには先に述べたように
脱アシル型とネイティブ型があり、 本発明ではネイティ
ブ型のジェランガムが主として使用できるが、一部脱ア
シル型を含むものも使用できる。いずれの場合でも、1
―3結合したグルコース残基に対してグリセリル基1残
基とアセチル基が1〜0.6残基結合したものであるこ
とが望ましい。このアセチル基残基がこの範囲から外れ
るとゲル特性が向上せず,効果が小さい。かかる原料ジ
ェランガムとしては、コーンシロップなどを含む液体培
地にシュードモナス・エロディアを接種して、無菌的に
培養し、菌体外に生産された粘性物質を培養液から回収
するジェランガムの製造法において、乾燥工程中に乾燥
減量が50重量%以下となったジェランガムを用いるこ
とができる。脱アシル型とネイティブ型は、回収工程が
異なり、脱アシル型は粘性物質を分離する過程で1―3
基結合したグルコース残基に結合したグリセリル基とア
セチル基を加水分解により除去し、回収したものであ
り、ネイティブ型は、そのまま回収したものである。ア
セチル基残基の割合は、加水分解を調節することにより
適宜得られる。原料ジェランガムの乾燥減量が50重量
%より多いとジェランガムの品温が十分に上がらずゲル
強度を上げる効果がない。
る。上述のごとく、本発明の高ゲル性ジェランガムは、
乾燥減量が50重量%以下のジェランガムを80〜10
0℃で3時間以上もしくは110〜130℃で30分以
上加熱することによって得ることができる。本発明の高
ゲル強度性ジェランガムを製造するのに使用する原料ジ
ェランガムは、乾燥減量が50重量%以下、好ましくは
20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下のジ
ェランガムである。ジェランガムには先に述べたように
脱アシル型とネイティブ型があり、 本発明ではネイティ
ブ型のジェランガムが主として使用できるが、一部脱ア
シル型を含むものも使用できる。いずれの場合でも、1
―3結合したグルコース残基に対してグリセリル基1残
基とアセチル基が1〜0.6残基結合したものであるこ
とが望ましい。このアセチル基残基がこの範囲から外れ
るとゲル特性が向上せず,効果が小さい。かかる原料ジ
ェランガムとしては、コーンシロップなどを含む液体培
地にシュードモナス・エロディアを接種して、無菌的に
培養し、菌体外に生産された粘性物質を培養液から回収
するジェランガムの製造法において、乾燥工程中に乾燥
減量が50重量%以下となったジェランガムを用いるこ
とができる。脱アシル型とネイティブ型は、回収工程が
異なり、脱アシル型は粘性物質を分離する過程で1―3
基結合したグルコース残基に結合したグリセリル基とア
セチル基を加水分解により除去し、回収したものであ
り、ネイティブ型は、そのまま回収したものである。ア
セチル基残基の割合は、加水分解を調節することにより
適宜得られる。原料ジェランガムの乾燥減量が50重量
%より多いとジェランガムの品温が十分に上がらずゲル
強度を上げる効果がない。
【0006】本発明の高ゲル性ジェランガムを製造する
には、かかる原料ジェランガムを特定条件で加熱する。
加熱は80〜100℃、好ましくは90〜100℃で、
3時間以上で、時間の上限は特に制限ない。または11
0〜130℃、好ましくは、110〜120℃で、30
分以上、好ましくは30分〜7時間、さらに好ましくは
30分〜3時間である。これらの条件中においても、高
温側では比較的短時間加熱、低温側では比較的長時間加
熱が好ましい。加熱温度が80℃未満であるとゲル強度
の改善が十分でなく、130℃を超えると着色し、ゲル
強度も上がらない。
には、かかる原料ジェランガムを特定条件で加熱する。
加熱は80〜100℃、好ましくは90〜100℃で、
3時間以上で、時間の上限は特に制限ない。または11
0〜130℃、好ましくは、110〜120℃で、30
分以上、好ましくは30分〜7時間、さらに好ましくは
30分〜3時間である。これらの条件中においても、高
温側では比較的短時間加熱、低温側では比較的長時間加
熱が好ましい。加熱温度が80℃未満であるとゲル強度
の改善が十分でなく、130℃を超えると着色し、ゲル
強度も上がらない。
【0007】上記加熱は気体中でも液体中でも行うこと
ができる。気体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で
行うと着色する恐れがあるので、ジェランガムと反応し
ない不活性ガス中で行うのが良い。不活性ガスとしては
窒素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、水蒸気等を挙げる
ことができる。また、気体中での加熱を減圧下で行うこ
とによっても着色を回避できる。この場合の気体として
は、上記不活性ガスを用いることができるのは勿論であ
るが、減圧の程度によっては空気も着色を生じることな
く用いることができる。減圧の程度は、特に制限ない
が、200〜0.01mmHgが適当である。
ができる。気体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で
行うと着色する恐れがあるので、ジェランガムと反応し
ない不活性ガス中で行うのが良い。不活性ガスとしては
窒素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、水蒸気等を挙げる
ことができる。また、気体中での加熱を減圧下で行うこ
とによっても着色を回避できる。この場合の気体として
は、上記不活性ガスを用いることができるのは勿論であ
るが、減圧の程度によっては空気も着色を生じることな
く用いることができる。減圧の程度は、特に制限ない
が、200〜0.01mmHgが適当である。
【0008】液体中で加熱を行う場合、ジェランガムを
溶解しない不活性溶剤中にジェランガムを分散させた状
態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は起こら
ない。不活性溶剤としてはジェランガムを溶解せず、ジ
ェランガムと反応しないものであれば特に制限はない。
不活性溶剤の例としてはメタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n
−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール等の炭
素数1〜6のアルカノール、1,3−ブチレングリコー
ル、プロピレングリコール、エチレングリコール等の炭
素数1〜4のアルカンジオール、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセ
ロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル
(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールのモノも
しくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜2)エー
テル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールのモ
ノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜2)
エーテル等の他流動パラフィン、植物油脂、動物油脂、
脂肪酸、脂肪酸とグリセリン等のモノ、ジ、トリエステ
ル等の各種油脂類を挙げることができる。不活性溶剤中
での反応は場合により加圧下で、例えばオートクレーブ
中で行うことができる。加熱処理後に得られる高ゲル強
度性ジェランガムの単離は、例えば加熱処理液を濾過
し、ケーキを必要に応じエタノール等の低沸点溶剤で洗
浄し、ついで真空乾燥することによって行うことができ
る。
溶解しない不活性溶剤中にジェランガムを分散させた状
態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は起こら
ない。不活性溶剤としてはジェランガムを溶解せず、ジ
ェランガムと反応しないものであれば特に制限はない。
不活性溶剤の例としてはメタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n
−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール等の炭
素数1〜6のアルカノール、1,3−ブチレングリコー
ル、プロピレングリコール、エチレングリコール等の炭
素数1〜4のアルカンジオール、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセ
ロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル
(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールのモノも
しくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜2)エー
テル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールのモ
ノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜2)
エーテル等の他流動パラフィン、植物油脂、動物油脂、
脂肪酸、脂肪酸とグリセリン等のモノ、ジ、トリエステ
ル等の各種油脂類を挙げることができる。不活性溶剤中
での反応は場合により加圧下で、例えばオートクレーブ
中で行うことができる。加熱処理後に得られる高ゲル強
度性ジェランガムの単離は、例えば加熱処理液を濾過
し、ケーキを必要に応じエタノール等の低沸点溶剤で洗
浄し、ついで真空乾燥することによって行うことができ
る。
【0009】上記方法によって製造される本発明の高ゲ
ル強度性ジェランガムは、その高いゲル強度において従
来のジェランガムと異なる。すなわち、本発明の高ゲル
強度性ジェランガムは、ジェランガムの1.0重量%の
水溶液として測定するが、該水溶液は、ジェランガムの
1.0重量%の水分散液を加熱溶解させ、20℃まで冷
却させたゲルをいい、60〜80g/cm2 (レオメー
ター 20℃ 10mmΦ円柱プランジャー、FUDO
H RHEO METER NRM―2002J
(株)レオテック製 別に定義する場合を除き、ゲル強
度値はこの条件下でのものをいうものとする。)のゲル
強度を示す。市販のネイティブ型ジェランガムの1.0
重量%水溶液のゲル強度は、30〜40g/cm2 程度
であるので、本発明のジェランガムの高ゲル性は驚異的
である。
ル強度性ジェランガムは、その高いゲル強度において従
来のジェランガムと異なる。すなわち、本発明の高ゲル
強度性ジェランガムは、ジェランガムの1.0重量%の
水溶液として測定するが、該水溶液は、ジェランガムの
1.0重量%の水分散液を加熱溶解させ、20℃まで冷
却させたゲルをいい、60〜80g/cm2 (レオメー
ター 20℃ 10mmΦ円柱プランジャー、FUDO
H RHEO METER NRM―2002J
(株)レオテック製 別に定義する場合を除き、ゲル強
度値はこの条件下でのものをいうものとする。)のゲル
強度を示す。市販のネイティブ型ジェランガムの1.0
重量%水溶液のゲル強度は、30〜40g/cm2 程度
であるので、本発明のジェランガムの高ゲル性は驚異的
である。
【0010】本発明の高ゲル強度性ジェランガムは、従
来のジェランガムと同様な用途に用いることができる
が、その際にカルシウムを添加しなくても著しい増粘効
果を発揮することができる。また、冷水に対する分散性
も大きく改善され、作業性も良好である。かかる本発明
の高ゲル強度性ジェランガムは単独でまたは他の水溶性
ゲル化剤や乳化剤組み合わせて使用することにより、安
定なゲルや乳化物を得ることができる。したがって、本
発明の高ゲル強度ジェランガムは、食品、化粧品、医薬
品等の分野を始め、石油産業を含む一般工業分野で水溶
性増粘剤として用いることができる。
来のジェランガムと同様な用途に用いることができる
が、その際にカルシウムを添加しなくても著しい増粘効
果を発揮することができる。また、冷水に対する分散性
も大きく改善され、作業性も良好である。かかる本発明
の高ゲル強度性ジェランガムは単独でまたは他の水溶性
ゲル化剤や乳化剤組み合わせて使用することにより、安
定なゲルや乳化物を得ることができる。したがって、本
発明の高ゲル強度ジェランガムは、食品、化粧品、医薬
品等の分野を始め、石油産業を含む一般工業分野で水溶
性増粘剤として用いることができる。
【0011】本発明を以下実施例、比較例および参考例
によって具体的に説明するが、これらは本発明を例証す
るためのものであって、本発明を何等限定するものでは
ない。 比較例1 市販のネイティブ型ジェランガムの1.0重量%水溶液
を作り、ゲル強度を測定した(試料A)。
によって具体的に説明するが、これらは本発明を例証す
るためのものであって、本発明を何等限定するものでは
ない。 比較例1 市販のネイティブ型ジェランガムの1.0重量%水溶液
を作り、ゲル強度を測定した(試料A)。
【0012】
【表1】
【0013】比較例2 ネイティブ型ジェランガム粉末(ザ・ニュートラスウィ
ート・ケルコカンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサ
ントカンパニー製、乾燥減量9重量%)10gを1,3
−ブチレングリコール40gに分散させ、それぞれ表2
の加熱条件で加熱し、これらの分散液をそれぞれ濾過
し、ケーキをエタノール40gで洗浄した。真空乾燥に
12時間付してエタノールを除去して試料B、C、D、
E、Fを得た。それぞれの1.0重量%水溶液を調製
し、ゲル強度を測定し、その結果を表2に示す。試料B
〜Fは、加熱条件の80〜100℃で3時間以上もしく
は、110〜130℃で30分以上の条件をいずれも満
たさないため、ゲル強度は40程度までしかあがらず適
当でなかった。
ート・ケルコカンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサ
ントカンパニー製、乾燥減量9重量%)10gを1,3
−ブチレングリコール40gに分散させ、それぞれ表2
の加熱条件で加熱し、これらの分散液をそれぞれ濾過
し、ケーキをエタノール40gで洗浄した。真空乾燥に
12時間付してエタノールを除去して試料B、C、D、
E、Fを得た。それぞれの1.0重量%水溶液を調製
し、ゲル強度を測定し、その結果を表2に示す。試料B
〜Fは、加熱条件の80〜100℃で3時間以上もしく
は、110〜130℃で30分以上の条件をいずれも満
たさないため、ゲル強度は40程度までしかあがらず適
当でなかった。
【0014】
【表2】
【0015】実施例1 ネイティブ型ジェランガム粉末(ザ・ニュートラスウィ
ート・ケルコカンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサ
ントカンパニー製、乾燥減量9重量%、1−3結合した
グルコース残基に対しグリセリル基1残基とアセチル基
0.9残基結合、以後アセチル基残基結合数という)1
0gを1,3−ブチレングリコール40gに分散させ、
それぞれ表3に示す加熱条件で加熱し、ジェランガム分
散液をそれぞれ濾過し、ケーキをエタノール40gで洗
浄した。真空乾燥に12時間付してエタノールを除去し
て高ゲル強度性ジェランガムを得た。それぞれの1.0
重量%水溶液を調製し、ゲル強度を測定した(G〜
K)。いずれも50以上に上昇した。また、各ジェラン
ガムの冷水への分散は比較例1のジェランガムより「ま
まこ」ができにくく、分散性が改善されていた。アセチ
ル基残基結合数は、NMR(日本電子データム(株)
)、GSX270 CP―Mas 13C NMR分光
法を用い、アセチル基のメチル炭素により算出した。
ート・ケルコカンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサ
ントカンパニー製、乾燥減量9重量%、1−3結合した
グルコース残基に対しグリセリル基1残基とアセチル基
0.9残基結合、以後アセチル基残基結合数という)1
0gを1,3−ブチレングリコール40gに分散させ、
それぞれ表3に示す加熱条件で加熱し、ジェランガム分
散液をそれぞれ濾過し、ケーキをエタノール40gで洗
浄した。真空乾燥に12時間付してエタノールを除去し
て高ゲル強度性ジェランガムを得た。それぞれの1.0
重量%水溶液を調製し、ゲル強度を測定した(G〜
K)。いずれも50以上に上昇した。また、各ジェラン
ガムの冷水への分散は比較例1のジェランガムより「ま
まこ」ができにくく、分散性が改善されていた。アセチ
ル基残基結合数は、NMR(日本電子データム(株)
)、GSX270 CP―Mas 13C NMR分光
法を用い、アセチル基のメチル炭素により算出した。
【0016】
【表3】
【0017】実施例2 ネイティブ型と脱アシル型ジェランガム粉末(ザ・ニュ
ートラスウィート・ケルコカンパニー・ア・ユニット・
オブ・モンサントカンパニー製)のを混合品(乾燥減量
10重量%、アセチル残基結合数0.7)10gを軽度
加水分解して加熱減量30重量%とし、減圧下(60m
mHg)において115℃で3時間加熱した。得られた
高ゲル強度性ジェランガムの1.0重量%水溶液を作
り、ゲル強度を測定した(L〜N)。各ジェランガムの
冷水への分散は比較例1のジェランガムより「ままこ」
ができにくく、分散性が改善されていた。
ートラスウィート・ケルコカンパニー・ア・ユニット・
オブ・モンサントカンパニー製)のを混合品(乾燥減量
10重量%、アセチル残基結合数0.7)10gを軽度
加水分解して加熱減量30重量%とし、減圧下(60m
mHg)において115℃で3時間加熱した。得られた
高ゲル強度性ジェランガムの1.0重量%水溶液を作
り、ゲル強度を測定した(L〜N)。各ジェランガムの
冷水への分散は比較例1のジェランガムより「ままこ」
ができにくく、分散性が改善されていた。
【0018】
【表4】
【0019】
【発明の効果】本発明の高ゲル強度ジェランガムは、従
来のジェランガムに比し1.5〜2.2倍のゲル強度特
性有する極めて優れた水溶性ゲル化剤であり、少ない添
加量で従来品と同等以上の効果をあげることができる。
また、低温時の水分散性も改善され、作業性も良い。
来のジェランガムに比し1.5〜2.2倍のゲル強度特
性有する極めて優れた水溶性ゲル化剤であり、少ない添
加量で従来品と同等以上の効果をあげることができる。
また、低温時の水分散性も改善され、作業性も良い。
【図1】 ネイティブ型ジェランガムの構造式である。
【図2】 脱アシル型ジェランガムの構造式である。
Claims (7)
- 【請求項1】 ジェランガム濃度として、1.0重量%
の水溶液とした場合、60〜80g/cm2 (レオメー
ター 20℃ 10mmΦ円柱プランジャー)のゲル強
度を示す高ゲル性ジェランガム。 - 【請求項2】 乾燥減量が50重量%以下のジェランガ
ムを80〜100℃で3時間以上もしくは110℃〜1
30℃で30分以上加熱することを特徴とする請求項1
記載の高ゲル性ジェランガムの製造方法。 - 【請求項3】 ジェランガムが、1−3結合したグルコ
ース残基に対してグリセリル基1残基とアセチル基が1
〜0.6残基結合したものである請求項2記載の高ゲル
性ジェランガムの製造法。 - 【請求項4】 加熱条件が、110〜120℃で30分
〜7時間である請求項2または3記載の高ゲル性ジェラ
ンガムの製造方法。 - 【請求項5】 加熱を不活性ガス中で行う請求項2〜4
のいずれか1項記載の高ゲル性ジェランガムの製造方
法。 - 【請求項6】 加熱を気体中減圧下で行う請求項2〜4
のいずれか1項記載の高ゲル性ジェランガムの製造方
法。 - 【請求項7】 加熱をジェランガムを溶解しない不活性
溶剤中に、ジェランガムを分散させた状態で行う請求項
2〜4のいずれか1項記載の高ゲル性ジェランガムの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10132680A JPH11308972A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 高ゲル性ジェランガムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10132680A JPH11308972A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 高ゲル性ジェランガムおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11308972A true JPH11308972A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=15087012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10132680A Pending JPH11308972A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 高ゲル性ジェランガムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11308972A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002121538A (ja) * | 2000-10-13 | 2002-04-26 | Hakuto Co Ltd | 増粘剤およびこれを配合した化粧料 |
JP2007009092A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Toho Chem Ind Co Ltd | カチオン変性ジェランガム及び該物質を含む化粧料組成物 |
JP2011213656A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Nippon Menaade Keshohin Kk | 皮膚外用剤 |
JP2017160406A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 森永製菓株式会社 | 部分脱アシル化ジェランガム |
JP2018199753A (ja) * | 2017-05-25 | 2018-12-20 | 日本製紙株式会社 | ハイドロゲル及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-04-27 JP JP10132680A patent/JPH11308972A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002121538A (ja) * | 2000-10-13 | 2002-04-26 | Hakuto Co Ltd | 増粘剤およびこれを配合した化粧料 |
JP2007009092A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Toho Chem Ind Co Ltd | カチオン変性ジェランガム及び該物質を含む化粧料組成物 |
JP2011213656A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Nippon Menaade Keshohin Kk | 皮膚外用剤 |
JP2017160406A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 森永製菓株式会社 | 部分脱アシル化ジェランガム |
JP2018199753A (ja) * | 2017-05-25 | 2018-12-20 | 日本製紙株式会社 | ハイドロゲル及びその製造方法 |
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