JPH1133624A

JPH1133624A - コイル移載装置

Info

Publication number: JPH1133624A
Application number: JP19681097A
Authority: JP
Inventors: Kenji Mizuno; 健治水野
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1997-07-23
Filing date: 1997-07-23
Publication date: 1999-02-09

Abstract

(57)【要約】【課題】帯板コイルを一方のコイル台車から移載用スキ
ッドを介して他方のコイル台車に移載するに際し、コイ
ル台車のコイル昇降機能の昇降ストロークを低減、また
はコイル台車のコイル昇降機能を無くし、コイル台車を
小型で安価な構造とすることができ、基礎を浅く、ある
いは基礎を無くすことができるようにする。【解決手段】帯板コイルの搬送工程においてコイルカー
等の一方のコイル台車からコイル搬送台車等の他方のコ
イル台車に帯板コイルを移載するに際し、コイルカーや
コイル搬送台車が進入可能な左右一対の装置フレーム２
に、帯板コイルＣが載置されるスキッドフレーム３をそ
れぞれ昇降用の油圧シリンダ４により昇降可能に設け、
一方のコイル台車から下限位置のスキッドフレーム３上
にコイルＣを移載した後、上昇させた上限位置のスキッ
ドフレーム３上のコイルＣを他方のコイル台車へ移載す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、帯板コイル製造の
プロセスライン等において、コイルを一方のコイル台車
から他方のコイル台車へ移載するためのコイル移載装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】冷間圧延、連続焼鈍、調質圧延等を行う
帯板コイルのプロセスラインにおいて、各工程でテンシ
ョンリールに巻き取られたコイルは、それぞれのテンシ
ョンリールに専属するコイルカー上に抜き取られ、さら
に、このコイルカーから、コイルカーの移動方向に対し
て同方向あるいは直角方向に移動するコイル搬送台車に
積み移され、このコイル搬送台車によって移動が行われ
た後、次工程のラインまたは梱包出荷倉庫等へ搬送され
る。

【０００３】このようなコイルの搬送工程において、従
来、次のようなコイルの移載方法が採用されていた。
図５に示すように、コイル台車５１にＣ型フレーム５
２をリフトシリンダ５３により昇降可能に設けたコイル
カー５０を使用し、最下降した時に頂部が床面ＦＬより
低くなるＣ型フレーム５２の上に受台を介して積載した
コイルを搬送すると共に所定の高さまで上昇させ、直接
コイル搬送台車（図示省略）へ移載する方法（特開平５
−３０５３３４号公報）。

【０００４】あるいは、図６に示すように、固定型
のコイル移載用スキッド装置６０を使用し、そのスキッ
ド６１がコイル搬送台車７０のスキッド式積載部７１よ
り上方に位置するように設置し、コイルカー５０により
テンションリールＲから抜き出したコイルＣをリフトシ
リンダ５３によりスキッド６１よりも上方に位置するよ
うに上昇させ、コイルカー５０をコイル移載用スキッド
装置６０内に進入させてコイルＣをスキッド６１上に移
載し、コイルカー５０を返送した後、コイル搬送台車７
０をコイル移載用スキッド装置６０内に進入させ、スキ
ッド式積載部７１を上昇させることにより、コイルＣを
コイル搬送台車７０へ受け渡して搬送する方法。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来のコイル移載方法の場合、次のような問題点
がある。

【０００６】(1) コイルカー５０は、図５に示すよう
に、総高さが高くなり、これに伴いコイルカー据付けの
ための床面ＦＬからのピット深さＤが大となる。このた
め、基礎工事費が大となり、工事期間も長くなるという
問題がある。また、コイルカーの形状・構造が複雑で大
型となり、機械としての製作設備費が増大する問題もあ
る。

【０００７】(2) 固定型のコイル移載用スキッド装置６
０を介してコイルの受け渡し行う場合、コイル搬送台車
７０にもコイル昇降機能を付与してコイルの受け渡しを
行う必要があることから、台車に昇降用の油圧シリンダ
を設置し、油圧装置も台車上に搭載するため、構造が複
雑となり、付着配管の取付けも問題となると共に、油圧
シリンダの昇降ストロークに応じて基礎も深くなり、走
行距離が長い場合は基礎工事の費用も大となる問題があ
る。

【０００８】本発明は、前述のような問題点を解消する
ためになされたもので、その目的は、帯板コイルを一方
のコイル台車から移載用スキッドを介して他方のコイル
台車に移載するに際し、コイル台車のコイル昇降機能の
昇降ストロークを低減、あるいはコイル台車のコイル昇
降機能を無くすことができ、コイル台車を小型で安価な
構造とすることができると共に、基礎を浅く、あるいは
基礎を無くすことのできるコイル移載装置を提供するこ
とにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、帯板コイルの搬送工程において一方の
コイル台車（コイルカーあるいはコイル搬送台車など）
から他方のコイル台車（コイル搬送台車あるいはコイル
カーなど）に帯板コイルを移載するためのコイル移載装
置であって、図１、図２に示すように、前記コイル台車
が進入可能な装置フレームに、前記帯板コイルが載置さ
れるスキッドフレームを昇降可能に設けて、コイル移載
装置を構成する。装置フレームは搬送ラインを挟んで左
右一対で配設し、各装置フレームの内側にスキッドフレ
ームを片持ち式に設けるのが好ましい。

【００１０】以上のような構成において、スキッドフレ
ームを下限位置まで下降させた本コイル移載装置内に、
コイルを積載したコイル台車（コイルカーまたはコイル
搬送台車等）を進入させ、コイル台車の積載部を若干下
降させ、あるいはスキッドフレームを若干上昇させるこ
とにより、コイルをコイル台車上からスキッドフレーム
上に移載する。移載が終了すると、コイル台車を元の位
置へ戻した後、スキッドフレームを上限位置まで上昇さ
せ、他方のコイル台車を本コイル移載装置内に進入さ
せ、コイル台車の積載部を若干上昇させ、あるいはスキ
ッドフレームを若干下降させることにより、コイルをス
キッドフレーム上から他方のコイル台車上へ移載し、コ
イル台車を走行させてコイルを次工程または倉庫等へ搬
送する。

【００１１】スキッドフレームを昇降させ、コイル台車
から下限位置のスキッドフレームに対してコイルを移載
し、上限位置のスキッドフレームからコイル台車へコイ
ルを移載するため、コイル台車のコイル昇降機能の昇降
ストロークを大幅に低減し、あるいはコイル台車のコイ
ル昇降機能を無くすことが可能となる。これにより、コ
イル台車を小型で安価な構造とすることができると共
に、基礎を浅く、あるいは基礎を無くすことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施例に
基づいて詳細に説明する。これは、鋼板コイル製造のプ
ロセスラインにおけるコイル搬送ラインに適用した例で
ある。図１、図２に、本発明のコイル移載装置を示す。
図３は、コイル昇降機能を備えたコイルカーおよびコイ
ル搬送台車による搬送ラインに本発明のコイル移載装置
を設置した例である。図４は、コイル昇降機能の無いコ
イルカーおよびコイル搬送台車による搬送ラインに本発
明のコイル移載装置を設置した例である。

【００１３】図１、図２において、本発明のコイル移載
装置１は、床面ＦＬから所定の深さのピットＰ₁内に設
置され、主として、装置フレーム２と、スキッドフレー
ム３と、昇降用の油圧シリンダ４から構成されている。
装置フレーム２は、コイルＣの搬送ライン中心を挟んで
左右両側に配設され、ピットＰ₁の底面にアンカーボル
トなどを介して固定されている。

【００１４】スキッドフレーム３は、左右一対の装置フ
レーム２の内側にそれぞれ対向配設され、基部フレーム
３ａと先端フレーム３ｂからなる。基部フレーム３ａ
は、装置フレーム２の搬送ライン方向に一対のガイド柱
２ａ間に配設され、搬送ライン方向両端部に上下に二段
で配設されてガイド柱２ａの内側面を転動可能なガイド
車輪５により昇降可能に支持されている。先端フレーム
３ｂは、搬送ライン中心に向かって突出するように基部
フレーム３ａに一体的に取付けられ、その先端上面にコ
イルＣが載置されるスキッド６が固定されている。

【００１５】油圧シリンダ４は、左右一対の装置フレー
ム２の内側にそれぞれ配設されており、そのシリンダ本
体が装置フレーム２のベース２ｂ上にブラケット・トラ
ニオンリングを介して取付けられ、そのピストンロッド
先端が基部フレーム３ａにピン等を介して接続され、左
右一対の油圧シリンダ４を図示しない油圧ユニットによ
り同期して駆動することにより、左右一対のスキッドフ
レーム３が同期して上下動する。

【００１６】このような構成のコイル移載装置１におい
ては、左右一対のスキッドフレーム３間にコイルカー１
０およびコイル搬送台車２０が進入可能であり、コイル
カー１０の走行ピットＰ₂内の上下方向中間位置に配設
されたコイルカー用のレール１１が本コイル移載装置１
の下方まで延設され、また、装置フレーム２のベース２
ｂの先端上部には、コイル搬送台車用のレール２１を、
床面に設置されたコイル搬送台車２０のレール２１に連
続可能に配設する。

【００１７】図３に示すように、以上のような構成のコ
イル移載装置１をコイルカー１０とコイル搬送台車２０
の接続点に設置し、次のようにコイルの移載および搬送
を行う。図３は、コイル昇降機能を有するコイルカー１
０およびコイル搬送台車２０に適用した例であり、また
コイルカー１０によりテンションリールＲから抜き出し
たコイルＣをコイル搬送台車２０へ受け渡す例である。

【００１８】(1) 図３において、巻取りの終了したコイ
ルＣに対してコイルカー１０のロール式積載部１２をリ
フトシリンダ１３により上昇させ、コイルカー１０を移
動させることにより、積載したコイルＣをテンションリ
ールＲから抜き出す。

【００１９】(2) コイル移載装置１においては、スキッ
ドフレーム３を油圧シリンダ４により下降させて下限位
置で待機させておく。コイルカー１０上のコイルＣの下
面位置がコイル移載装置１の下限位置のスキッド６より
下方に位置する場合には（図示の場合）、リフトシリン
ダ１３によりコイルＣを上昇させてコイルＣの下面位置
をスキッド６より上方に位置させ、コイルカー１０をコ
イル移載装置１内まで搬入する。なお、コイルＣの下面
位置が下限位置のスキッド６より上方に位置する場合に
は、コイルＣを上昇させることなくそのままの状態でコ
イルカー１０内に搬入することができる。

【００２０】(3) スキッド６上に位置したコイルＣをリ
フトシリンダ１３で若干下降させ、あるいはスキッド６
を油圧シリンダ４で若干上昇させることにより、コイル
Ｃをコイルカー１０からスキッド６上へ移載する。

【００２１】(4) コイルＣのスキッド６上への移載が終
了すると、コイルカー１０をテンションリール側へ走行
させて戻す。コイル移載装置１においては、干渉するコ
イルカーがいないことを確認し、油圧シリンダ４により
スキッドフレーム３即ちスキッド６を上限位置まで上昇
させる。

【００２２】(5) 上限位置にあるスキッド６およびコイ
ルＣの下方にコイル搬送台車２０を進入させ、コイル搬
送台車２０のリフトシリンダ２２によりスキッド式積載
部２３を上昇させ、あるいはスキッド６を油圧シリンダ
４で若干下降させることにより、コイルＣをスキッド６
からコイル搬送台車２０へ移載する。この状態で、コイ
ル搬送台車２０を走行させ、次工程ラインまたは倉庫へ
コイルＣを搬送する。

【００２３】従来の固定型のコイル移載用スキッドの場
合、コイルをコイルカーの下降待機位置からコイル搬送
台車が進入可能な位置の固定スキッドまで上昇させる必
要があり、コイルカーのリフトシリンダのストロークが
極めて大きくなるが、本発明では、コイルＣをコイルカ
ー１０の下降待機位置から下限位置のスキッド６まで上
昇させればよいから、コイルカー１０のリフトシリンダ
１３のストロークを大幅に低減することができる。これ
により、コイルカー１０を小型で安価な構造とすること
ができると共に、コイルカー１０の走行ピットＰ₂も浅
くすることができる。さらに、コイルＣをコイル搬送台
車２０に移載する場合に、上限位置のスキッド６を下降
させれば、コイル搬送台車２０のリフトシリンダ２２を
無くすことができ、コイル搬送台車２０を小型で安価な
構造とすることができると共に、コイル搬送台車２０の
走行ピットを無くすことができる。

【００２４】以上の図示例では、コイル昇降機能付きの
コイルカー１０およびコイル搬送台車２０を用いた例に
ついて説明したが、コイル昇降機能の無い単純なコイル
台車でもコイルの移載が可能となる。図４(a) は、コイ
ル昇降機能を備えていないコイルカー１０’とコイル搬
送台車２０’が高さが同一のレール１１’、レール２
１’上を走行する場合であり、コイルカー１０’に積載
したコイルＣをコイル移載装置１の下限位置のスキッド
６上に搬入し、スキッド６を上昇させることで、コイル
Ｃをコイルカー１０’からスキッド６上へ移載し、コイ
ルカー１０’を戻し、次いで上限位置のスキッド６の下
方にコイル搬送台車２０’を進入させ、スキッド６を下
降させれば、コイルＣはコイル搬送台車２０上に積載さ
れる。

【００２５】図４(b) は、コイル昇降機能を備えていな
いコイルカー１０’とコイル搬送台車２０’が天端の位
置が異なるレール１１’、レール２１’上を走行する場
合であり、この場合も図４(a) と同様の手順でコイルＣ
の移載を行うことができる。

【００２６】なお、図示とは逆にコイルカー１０’の方
が高い場合にも、同様にコイルの搬送・移載が可能であ
ることはいうまでもない。

【００２７】なお、以上は鋼板コイルのプロセスライン
における搬送ラインに本発明を適用した例について示し
たが、これに限らず、その他のコイル搬送ラインにも、
本発明を適用できることはいうまでもない。

【００２８】

【発明の効果】前述の通り、本発明は、帯板コイルの搬
送工程において一方のコイル台車から他方のコイル台車
に帯板コイルを移載するためのコイル移載装置におい
て、コイル台車が進入可能な装置フレームに、帯板コイ
ルが載置されるスキッドフレームを昇降可能に設けたた
め、次のような効果を得ることができる。

【００２９】(1) コイルカーやコイル搬送台車のコイル
昇降機構の昇降ストロークを大幅に低減することがで
き、あるいはコイルカーやコイル搬送台車にコイル昇降
機構を設けなくてもコイルの受け渡しが可能となる。こ
れにより、コイルカーやコイル搬送台車の機構や構造を
簡単で単純なものとすることができ、設備費が安価とな
り、また保全性も改善される。

【００３０】(2) また、コイルカーやコイル搬送台車の
コイル昇降ストロークの大幅な低減により、コイルカー
やコイル搬送台車の基礎もピット深さを深くしないです
み、あるいはコイル昇降機構を無くすことにより、ピッ
トを完全に無くすこともでき、工事費を大幅に低減する
ことができる。さらに、スキッドを昇降させるため、コ
イル搬送台車の走行レールのレール天端を固定スキッド
に合わせて床面以下に沈み込ませることも必要なくな
り、床面上に敷設したレール上を走行させたコイル搬送
台車でコイルの受け渡しが可能となる。そのため、コイ
ル搬送台車の走行距離が長くなる程、レールの敷設費用
についても安価にすることができる。

【００３１】(3) コイルカーやコイル搬送台車のコイル
昇降機構を無くした場合には、リフト用の油圧ユニット
をコイル台車に設置しなくてもよいため、コンパクトな
設計が可能となり、また地上に油圧ユニットを設置した
場合のケーブルベア等による油圧源からの供給ホース等
が不要となる。また、本コイル移載装置は、定置式で油
圧装置・配管を真近に設置すれば、コストも安く、可動
配管もないことからトラブルも軽減する。さらに、高低
差のある台車の移載は、２段台車のように複雑な構造の
台車となり、基礎も深くなるが、本コイル移載装置では
高低差のある移載を容易に行える。以上から設備費・保
守性の点でより大きな効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコイル移載装置の一例を示す(a) は正
面図、(b) は側面図である。

【図２】本発明のコイル移載装置の一例を示す(a) は平
面図、(b) は(a) のｂ−ｂ線断面図である。

【図３】本発明のコイル移載装置をリフト機能を備えた
コイル台車の搬送ラインに組み込んだ例を示す側面図で
ある。

【図４】本発明のコイル移載装置をリフト機能の無いコ
イル台車の搬送ラインに組み込んだ例であり、(a) はコ
イル台車のレール高さが同じ場合の側面図、(b) はコイ
ル台車のレール高さが異なる場合の側面図、(c) はコイ
ル移載装置の側面図である。

【図５】従来のコイルカーを示す側面図である。

【図６】従来の固定型の移載用スキッド装置であり、
(a) は移載用スキッド装置を組み込んだ搬送ラインを示
す側面図、(b) は移載用スキッド装置の側面図である。

【符号の説明】

１…コイル移載装置２…装置フレーム２ａ…ガイド柱２ｂ…ベース３…スキッドフレーム３ａ…基部フレーム３ｂ…先端フレーム４…油圧シリンダ５…ガイド車輪６…スキッド１０…コイルカー１１…レール１２…ロール式積載部１３…リフトシリンダ２０…コイル搬送台車２１…レール２２…リフトシリンダ２３…スキッド式積載部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】帯板コイルの搬送工程において一方のコ
イル台車から他方のコイル台車に帯板コイルを移載する
ためのコイル移載装置であって、前記コイル台車が進入可能な装置フレームに、前記帯板
コイルが載置されるスキッドフレームを昇降可能に設け
たことを特徴とするコイル移載装置。