JPH06182Y2 - プレス用圧型交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はプレス用圧型交換装置に関する。

（従来の技術） 従来のプレス用圧型交換装置としては、例えば第７図に
示すようなものがある。図中、１はプレス機のベッドで
あり、２はスライドである。３はベツド１上に固定され
たボルスタプレートであり、４はボルスタプレート３上
に摺動可能に位置決め載置された移動プレートである。
移動プレート４の前端部には後述する移動用チェーン15
と係合可能なフック５が取付けられており、またこの移
動プレート４上には下型６が位置決め固定されている。
７は上型である。この上型７は、通常使用時には下型６
と対抗してスライド２に取付けられ、スライド２の昇降
に伴なって下型６に接近離隔しワークをプレス成形する
ようになっているが、第７図では交換のためスライド２
から取外されて下型６に重ね合された状態で示してあ
る。この上型７と下型６が組合さって１組の圧型８を構
成している。10はベッド１に設けられて移動プレート４
の下方に位置し、ローラを有するベース部が流体圧作動
シリンダに駆動されてボルスタプレート３に形成された
スリットを通って昇降するローラ付リフタである。この
ローラ付リフタ10はベース部がボルスタプレート３の上
面よりも上方まで上昇したとき、移動プレート４（およ
び圧型８）をボルスタプレート３の上面よりも上方へ持
ち上げてローラ上を滑らせプレス機外へ搬出させること
ができるようになっている。一方、12はベッド１の前方
から図外の圧型８保管場所まで敷設されたレールであ
る。このレール12上には自走式の移動台車14が設けられ
ている。移動台車14には移動台車14に設けられた図示を
省略した駆動手段に駆動されて走行し、その一端部を前
記移動プレート４のフック５に係合させて移動プレート
４ごと圧型８をローラ付リフタ10上から移動台車14上へ
移載したり、また逆に移動台車14に載せて保管場所から
搬送してきた交換用の圧型８（および移動プレート４）
をローラ付リフタ10上へ移載する移動用チェーン15が設
けられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来のプレス用圧型交換装置
にあっては、プレス機と圧型保管場所との間の長い距離
に亘ってレール12を敷設するとともに、このレール12上
を自走する移動台車14を設けて、この移動台車14に圧型
８を乗せて搬送し、圧型８の交換を行なっていた。その
ため、レール12を敷設したり、自走式の移動台車14を設
けたりして設備費が高くなるという問題点があった。ま
た、圧型８の保管場所を変更した場合にはレール12を敷
設し直さなければならず、更に、プレス加工を行なう際
に移動台車14を退避させるための場所も必要であるとい
う問題点もあった。

また、実開昭４９−７３０７３号、実開昭５０−３２６
６９号公報で開示されているような移動ボルスタ自体に
駆動装置等を設けなければならず設備も複雑で費用も多
大なものとなる。

（問題点を解決するための手段および作用） この考案は、このような従来の問題点に着目してなされ
たもので、ボルスタプレートに走行用の車輪を取付ける
とともにこのボルスタプレートに圧型を直接取付けて、
移動台車を利用することなしにプレス機のベッドに設け
られた駆動手段によってボルスタプレートごと圧型をプ
レス機内に搬入したりプレス機から搬出したりすること
ができるようにし、プレス機と圧型保管場所との間はク
レーン等を利用して圧型を搬送することにより、上記問
題点を解決するものである。

（実施例） 以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第６図は、この考案の一実施例を示す図であ
る。まず構成を説明すると、21は全体の図示を省略した
プレス機のベッドであり、22はスライドである。23はベ
ッド21上に載置され、ベッド21に設けられたクランパ
（固定手段）24によって位置決め固定されたボルスタプ
レートである。このボルスタプレート23には走行用車輪
25付きの支持脚26が取付けられている。すなわち、ボル
スタプレート23は、地面上を走行する車輪25により支持
される一端部を型搬出側に有し、プレス機ベッド21上に
載置されて後述の圧型29を支持している。27は、ボルス
タプレート23上に位置決め固定された下型である。28
は、第１図においてはスライド22から取外されて下型27
に重ね合された状態となっているが、通常使用時には下
型27と対向してスライド22に取付けられ、スライド22の
昇降に伴なって下型27に接近離隔し、ワークをプレス成
形する上型である。この上型28と前記下型27が組合さっ
て１組の圧型29を構成している。レール31はベッド21の
前方の床面に敷設された前記車輪25用の短いレールであ
る。33はベッド21に設けられてボルスタプレート23の下
方に位置するローラ付リフタ（昇降手段）である。この
ローラ付リフタ33は、第４図(a)、(b)に詳示するよう
に、圧油入口50から油圧室51に圧油を圧入排出すること
により、ピストン52を介してローラ53付ベース54が昇降
するようになっている。ローラ53はベース54の上面より
も上方に突出しており、ベース54が下降限位置にあると
きはローラ53はボルスタプレート23の下面に当接してい
ないが、ベース54が上昇限位置を取ったときローラ53は
ボルスタプレート23の下面に当接してボルスタプレート
23をベッド21上から滑動可能に持ち上げるようになって
いる。このローラ付リフタ33は、第２図に示すように互
いに平行に所定間隔離隔して複数本設けられている。56
ａ、56ｂ、56ｃ、56ｄは、ボルスタプレート23の走行方
向に延在するように、かつ、折り曲げ可能に、ベッド21
の型搬出側に設けられ、後述の前記駆動手段47によりボ
ルスタプレート23が型外に走行するとき、ボルスタプレ
ート23を案内するとともにボルスタプレート23の型搬出
側の反対側の端部を支持する案内支持手段である。各案
内支持手段56ａ、56ｂ、56ｃ、56ｄはその長手方向の途
中部分が第６図に示すようにヒンジ構造になっており、
ヒンジ構造のピン57を中心として横方向に直角に折れ曲
るようになっている。そして、この案内支持手段56ａ、
56ｂ、56ｃ、56ｄは不使用時には第２図に仮想線で示す
ように折り曲げられている。案内支持手段56ａ、56ｂは
その上面にボルスタプレート23を滑動させるためのロー
ラ55を有しており、案内支持手段56ｃ、56ｄは後述する
連結金具43、44のローラ43ａ、44ａと係合してボルスタ
プレート23を案内するようになっている。前記ベッド21
には、前記レール31の延在方向と直角の方向に延在する
駆動軸35が図示を省略して軸受によって軸支されてお
り、この駆動軸35の両端および中央部にはスプロケット
36、37、38が取付けられている。39はベッド21に設けら
れた正逆回転可能な駆動用モータであり、このモータ39
の出力軸に取付けられたスプロケットと駆動軸35のスプ
ロケット38との間には無端のチェーン40が掛け回されて
いる。41、42はチェーンであり、43、44は第５図(a)、
(b)に示すようにそれぞれボルスタプレート23に取付け
られ、ローラ43ａ、44ｂで前記案内支持手段56ｃ、56ｄ
に沿って走行可能な連結金具である。チェーン41の一端
は連結金具43に連結され、チェーン42の一端は連結金具
44に連結されている。また、一方のチェーン41は、駆動
軸35の一端のスプロケット36と、ベッド21に設けられた
自由回転可能なスプロケット45と、に掛け回されてお
り、他方のチェーン42は駆動軸35他端のスプロケット37
と、ベッド21に設けられて前記スプロケット45と対をな
す自由回転可能なスプロケット46と、に掛け回されてい
る。この結果、モータ39を駆動することによって、チェ
ーン40、スプロケット38、駆動軸35、スプロケット36、
37、45、46を介してチェーン41、42が走行駆動される。
そして、このチェーン41、42によって連結金具43、44を
介してボルスタプレート23が駆動され、案内手段56ｃ、
56ｄに案内されつつローラ付リフタ33のローラ53および
案内支持手段56ａ、56ｂのローラ55上をレール31の延在
方向に滑動する。前記駆動軸35、スプロケット36、37、
38、モータ39、チェーン40、41、42、連結金具43、44、
スプロケット45、46は組合さりボルスタプレート23の駆
動手段47を構成している。

次に、作用を説明する。

プレス加工が終了した圧型29を他の圧型29と交換する場
合、まず上型28をスライド22から取外して下型27上に重
ね合せた後、クランパ24の作動を解除してボルスタプレ
ート23のベッド21への位置決め固定を解除する。次に、
折り曲げてある案内支持手段56ａ、56ｂ、56ｃ、56ｄを
真直に伸ばし、ローラ付リフタ33のベース54を上昇させ
てボルスタプレート23ごと圧型29をベッド21から持ち上
げる。次いで、駆動手段47のモータ39を作動させてチェ
ーン41、42および連結金具43、44を走行させ、ボルスタ
プレート23を案内支持手段56ｃ、56ｄで案内しつつロー
ラ付リフタ33のローラ53および案内支持手段56ａ、56ｂ
のローラ55上を滑動させるとともに、車輪25でレール31
上を走行させてプレス機外へと移動させる。ボルスタプ
レート23および圧型29がプレス機外へ移動したところで
モータ39を停止させる。このとき、ボルスタプレート23
の両端はそれぞれ車輪25および案内支持手段56ａ、56
ｂ、56ｃ、56ｄにより支持されている。次いで、下型27
をボルスタプレート23から取外した後圧型29全体を図示
しないクレーン等で吊り上げて圧型保管場所へと搬送す
る。次に、前記クレーン等で圧型保管場所からプレス機
まで搬送してきた新たな圧型29をプレス機外に出ている
ボルスタプレート23上に載置位置決めし、圧型29の下型
27をボルスタプレート23に固定する。そして、モータ39
を前記とは逆の方向に作動させると、圧型29を載置した
ボルスタプレート23は車輪25によってレール31上を走行
するとともに案内支持手段56ａ、56ｂのローラ55および
ローラ付リフタ33のローラ53上を滑動し、プレス機内へ
と移動する。ボルスタプレート23がプレス機内の所定位
置に達したところでモータ39を停止させ、伸ばしてあっ
た案内支持手段56ａ、56ｂ、56ｃ、56ｄを再び不使用位
置へと折り曲げる。次いで、ローラ付リフタ33のベース
54を下降させ、圧型29をボルスタプレート23ごとベッド
21上に載置した後、クランパ24によってボルスタプレー
ト23をベッド21上に位置決め固定する。次にプレス機の
スライド22を下降させ、このスライド22に圧型29の上型
28を取付けて圧型29の交換が完了する。

（考案の効果） 以上説明してきたようにこの考案によれば、ボルスタプ
レートに圧型を直接取付けて、移動台車を利用すること
なしにプレス機のベッドに設けられた駆動手段によって
ボルスタプレートごと圧型をプレス機内に搬入したりプ
レス機から搬出したりすることができるようにし、プレ
ス機と圧型保管場所との間はクレーン等を利用して圧型
を搬送するようにしたため、プレス機と圧型保管場所と
の間に長い距離に亘ってレールを敷設する必要がなく、
また、このレール上を自走する圧型搬送用の移動台車も
不要である。したがって、設備費を低減することができ
る。更に、移動台車の退避場所も不要となるとともに、
圧型交換時以外には案内支持手段を折り曲げることによ
って、その分のスペースを他に有効利用できるという効
果も有る。

また、設備の面でも前記したような移動ボルスタよりも
有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図はこの考案に係るプレス用圧型交換装
置の一実施例を示すもので、第１図はその概略正面図、
第２図は概略平面図、第３図は概略斜視説明図であり、
第４図(a)、(b)は第１図の装置におけるローラ付リフタ
を示すもので、(a)はその概略正面図、(b)はその昇降機
構部の拡大断面説明図、第５図(a)、(b)は第１図の装置
における連結金具を示すもので、(a)はその正面断面
図、(b)は(a)のＢ−Ｂ矢視断面図、第６図は第１図の装
置における案内手段のヒンジ構造部分の概略平面図、第
７図は従来のプレス用圧型交換装置の概略正面図であ
る。 ２１……プレス機のベッド、 ２３……ボルスタプレート、 ２４……クランパ（固定手段）、 ２５……車輪、 ２９……圧型、 ３３……ローラ付リフタ（昇降手段）、 ４７……駆動手段、 56ａ、56ｂ、56ｃ、56ｄ……案内支持手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】地面上を走行する車輪により支持される一
   端部を型搬出側に有し、プレス機のベッド上に載置され
   て圧型を支持するボルスタプレートと、該ベッドに設け
   られボルスタプレートを該ベッド上に固定する固定手段
   と、前記ベッドに設けられ、前記ボルスタプレートを滑
   動可能に支持するとともに前記ベッドから昇降させる昇
   降手段と、前記ベッドに設けられ、該昇降手段が持ち上
   げた前記ボルスタプレートを型外へ、また、型外のボル
   スタプレートを昇降手段上へと走行させる駆動手段と、
   前記ボルスタプレートの走行方向に延在するように、か
   つ、折り曲げ可能に、前記ベツドの型搬出側に設けら
   れ、前記駆動手段によりボルスタプレートが型外に走行
   するとき、ボルスタプレートを案内するとともにボルス
   タプレートの型搬出側の反対側の端部を支持する案内支
   持手段と、を具備してなることを特徴とするプレス用圧
   型交換装置。