JPH11334486A - 自動車内装材用発泡積層シート及び該成形体 - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シート及び該成形体

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JPH11334486A
JPH11334486A JP10145237A JP14523798A JPH11334486A JP H11334486 A JPH11334486 A JP H11334486A JP 10145237 A JP10145237 A JP 10145237A JP 14523798 A JP14523798 A JP 14523798A JP H11334486 A JPH11334486 A JP H11334486A
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foamed
resin
sheet
laminated
foam
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JP10145237A
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Inventor
Shuya Ozeki
修也 尾関
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の走行時の異音発生を改善した自動車
内装材発泡積層シート及び成形体を提供することにあ
る。 【解決手段】 耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シート
12の片面又は両面に、少なくとも熱可塑性樹脂からな
る非発泡層14,16が積層され、その積層された非発
泡層14,16の一方の表面(14)にエンボス処理1
8が施されたことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内装材用発泡積
層シートおよびそれを成形してなる自動車内装材用発泡
積層成形体に関し、さらに詳しくは走行中の異音の発生
を防止するのに適した自動車内装材用発泡積層シートお
よびそれを成形してなる自動車内装材用発泡積層成形体
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内装材は、軽量で断熱性が高く、
成形加工性が優れているという特徴に加えて、耐熱性も
求められる。特に、高温に長時間さらされるような用
途、たとえば天井材に用いた場合には、耐熱性が不十分
であると、内装材が自重で垂れ下がったり、変形したり
するなどの問題を発生することがある。
【0003】耐熱性を向上させるために、押出発泡成形
された変性PPEのコアと、そのコアの上下に熱プレス
成形により接着された変性PPEのフィルムとからな
り、車室天井に適合する所定形状の成形体として構成さ
れる自動車用ルーフライナーが提案されている(実開平
4−11162号公報)。この自動車用ルーフライナー
は、耐熱性が高い変性PPEを用いることにより、高温
下での変形や自重による垂れ下がりを改善するとされて
いるもので、近年、自動車内装材として、その耐熱性及
び軽量性により市場に出回っている。
【0004】一方、最近では自動車のエンジン音の低下
や車内の防音効果の向上に伴って、車内の静けさがクロ
ーズアップされてきている。ところが、上記した変性P
PEを用いた発泡積層シートなどの耐熱性を有する樹脂
発泡積層成形体においては、自動車の天井部に装着した
際、急カーブ走行等において異音が発生するという問題
があった。この問題を解決するために、ウレタン発泡シ
ートをあらかじめ発泡積層シートに積層したり、自動車
天井材の成形体加工時にクラフトテープ等を貼ったりし
て対応している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、いずれも作業が煩雑になったり、材料コスト
や製造コストのアップを引き起こすという課題があっ
た。そのため、これらに代わる方法の出現が待望されて
いるが、未だ満足し得る方法が提案されていないのが実
状である。
【0006】本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭
意研究をした結果、異音の発生は自動車が走行中に急カ
ーブを曲がる際に、車体を構成する鉄板やプラスチック
板と自動車の内装材(天井材)とが接触し擦れ合うこと
により発生する摩擦音であることをつきとめた。そこ
で、本発明者らは製造コストの増加を抑えつつ、自動車
内装材用発泡積層成形体が鉄板やプラスチック板と接触
しても、異音の発生を防止することのできる方法・構成
を研究し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動車内装
材用発泡積層シートの要旨とするところは、耐熱性樹脂
を基材樹脂とする発泡シートの片面又は両面に、少なく
とも熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層され、該積層
された非発泡層の一方の表面にエンボス処理が施された
ことにある。
【0008】また、かかる自動車内装材用発泡積層シー
トにおいて、前記エンボス処理の凹凸面における、該凸
と凹の高さの差を0.1〜1mmとしたことにある。
【0009】さらに、かかる自動車内装材用発泡積層シ
ートにおいて、前記発泡シートの基材樹脂である耐熱性
樹脂が、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂
であることにある。
【0010】さらに、かかる自動車内装材用発泡積層シ
ートにおいて、前記発泡シートの両面に積層された非発
泡層のうち、片面側の非発泡層の熱可塑性樹脂が変性P
PE系樹脂であり、他の片面側の非発泡層の熱可塑性樹
脂がポリスチレン(PS)系樹脂であることにある。
【0011】次に、本発明に係る自動車内装材用発泡積
層成形体の要旨とするところは、耐熱性樹脂を基材樹脂
とする発泡シートの片面又は両面に、熱可塑性樹脂から
なる非発泡層が積層され、且つ自動車の内装面の形状に
合わせて成形された発泡積層シートであって、該積層さ
れた非発泡層のうち自動車の車体側に接する一方の表面
にエンボス処理が施されていることにある。
【0012】また、かかる自動車内装材用発泡積層成形
体において、前記自動車内装材用発泡積層成形体が天井
材であることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る自動車内装材
用発泡積層シートおよび自動車内装材用発泡積層成形体
の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1(a) (b) に示すように、自動車内装材
用発泡積層シート10は、耐熱性樹脂を基材樹脂とする
発泡シート12の両面(同図(a) )又は片面(同図(b)
)に、少なくとも熱可塑性樹脂からなる非発泡層1
4,16が積層されるとともに、その積層された非発泡
層14,16の一方(14)の表面にエンボス処理18
が施されて構成されている。
【0015】耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シート1
2の製造方法としては、2種以上のモノマーからなる共
重合樹脂または2種以上のモノマーからなる混合樹脂、
及び各種の添加剤を加えた樹脂を押出機により溶融・混
練し、高温高圧下で発泡剤を圧入し、発泡最適温度に調
節して低圧帯(通常大気中)に押出し、発泡させた後、
マンドレル等によってシート状に成形する方法が好適で
ある。しかし、この製造方法に限定されず、当業者に知
られているいずれの方法をも採用し得る。発泡シート1
2は、1種又は2種以上の発泡層を複数積層してシート
状にしたものであってもよい。
【0016】また、発泡シート12の基材樹脂として使
用される耐熱性樹脂は、耐熱性を有するとして当業者に
知られるいずれの樹脂をも用いることができる。例示す
れば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等
の耐熱ポリスチレン樹脂;ポリスチレンあるいは耐熱ポ
リスチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)とのブ
レンド体、共重合体等の変性ポリフェニレンエーテル系
樹脂;ポリカーボネート樹脂;およびポリブチレンテレ
フタレートやポリエチレンテレフタレートで例示される
ポリエステル樹脂などである。これらの樹脂は、2種以
上を用いることもできる。この中でも、変性ポリフェニ
レンエーテル(PPE)系樹脂を発泡シートの基材樹脂
として使用すると、耐熱性および剛性等の品質に優れて
いるうえに、加工性および製造が容易である点で好まし
い。
【0017】PPEとしては、例えば、ポリ(2,6−
ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−
メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、
ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテ
ル)、 ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−
エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェ
ニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−
n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2
−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,
4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニ
レン−1,4−エーテル)等が挙げられ、これらは単独
又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0018】また、スチレンあるいはスチレン系単量体
としては、特に限定されないが、例えばスチレン、α−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロ
ルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、
エチルスチレン等が挙げられ、これらは単独又は2種以
上組み合わせて用いられる。
【0019】ポリフェニレンエーテル、あるいは(ポ
リ)スチレンのいずれも、それぞれと重合可能な化合
物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート等を1種又は2種以上
と重合させ得る。
【0020】発泡シート12の製造において使用される
発泡剤としてはブタン、プロパン、ペンタン、塩化メチ
ル、ジクロロメタン、クロロフロロメタン、ジクロロエ
タン、ジクロロジフロロエタン等の炭化水素、ハロゲン
化炭化水素等が挙げられ、またそれらを組み合わせて使
用しても良い。基材樹脂である耐熱性樹脂の軟化温度
(ガラス転移温度Tg)と発泡剤の発泡温度を考慮し
て、発泡剤が選定されるのが好ましい。また、発泡シー
ト12の基材樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、耐衝
撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料等が
添加されて用いられる。
【0021】耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シート1
2として、特に限定されないが、例えば、PPE(ポリ
フェニレンエーテル)25〜70重量部とPS(ポリス
チレン)30〜75重量部からなるPPE系樹脂とPS
系樹脂の混合樹脂、またはPPEとスチレンとの共重合
体を基材樹脂として、その基材樹脂に発泡剤を添加し押
出発泡させて得られる変性ポリフェニレン系樹脂シート
を用いることができる。より好ましくは、基材樹脂は、
PPE30〜65重量部とPS70〜35重量部からな
り、特に好ましくは、PPE35〜60重量部とPS6
5〜40重量部からなるのがよい。PPE系樹脂の割合
が25重量部より小さいと、耐熱性が劣る傾向があり、
PPE系樹脂の割合が70重量部より大きいと、加熱流
動時の粘度が上昇し、発泡成形が困難となる場合があ
る。
【0022】発泡シート12は、例えば、厚みが1〜5
mm、発泡倍率が3〜20倍、セル径が0. 05〜0.
3mm、独立気泡率が70%以上であることが好まし
い。発泡シート12の厚みが1mm未満の場合は強度、
断熱性に劣り自動車内装材として適当でない。また、発
泡シート12の厚みが5mmを越える場合、成形加熱時
に熱がシートの厚み方向の中心部まで伝わり難く、その
ため十分な加熱が行えず成形性が悪くなる。また、充分
な加熱を行うべく加熱時間を長くすると、発泡層表面の
セルの破泡等が生じ、良好な製品が得られ難い。さら
に、発泡倍率が3倍未満の場合、柔軟性に劣り曲げ等に
よる破損が生じ易く、また軽量なものが得られない。発
泡倍率が20倍を越えると強度、成形性に劣る傾向があ
る。セル径が0.05mm未満の場合は充分な強度が得
られず、セル径が0.3mmを越える場合は、断熱性に
劣る傾向がある。また、独立気泡率が70%未満の場合
は、断熱性、剛性に劣るとともに成形加熱時の2次発泡
倍率を得難くなり、成形性に劣る傾向がある。
【0023】このようにして得られた発泡シート12に
非発泡層14,16を積層する方法としては、あらかじ
めフィルム状に成形した非発泡層14,16を、発泡成
形された発泡シート12の表面に熱ロール等により接着
する方法や、多層押出金型を用いて,発泡シート12用
の基材樹脂と非発泡層14,16用の樹脂を共押出積層
する方法等が挙げられる。好ましくは、あらかじめ発泡
成形された発泡シート12の表面に、押出機から供給さ
れる可塑化状態にある非発泡層14,16を冷却ローラ
ーなどによって積層・固着する方法が採用される。特
に、発泡層の発泡シート成形と非発泡層の押出をインラ
イン中で行い、その後に積層する方法が特に好ましい。
【0024】非発泡層14,16に使用される熱可塑性
樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、変性PPE系樹
脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリエチレン(P
E)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系
樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂等が挙げられる。
発泡シート12の基材樹脂として、変性PPE系樹脂を
用いた場合は、発泡シート12との接着性から、非発泡
層14,16の熱可塑性樹脂としてはPS系、耐熱PS
系、変性PPE系樹脂が好適である。耐熱PS系樹脂と
しては、スチレンとカルボキシル基含有モノマーとの共
重合体が挙げられ、例えばスチレン−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体
や、それらの共重合体とポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンオキサイドなどの重合体とのブレン
ド体が挙げられる。
【0025】非発泡層14,16の樹脂には、必要に応
じて、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止
剤、顔料、充填剤等を単独又は2種以上組み合わせて添
加することができる。非発泡層14,16は発泡シート
12の両面又は片面に積層され得る。非発泡層14,1
6の厚みは約50〜300μmが好ましい。厚みが50
μm未満の場合には発泡シート12との積層時の接着安
定性に劣り、厚みが300μmを越える場合には発泡積
層シート10の成形性に劣る傾向がある。
【0026】本発明の自動車内装材用発泡積層シート1
0には、必要に応じて表皮材20が設けられる。用いら
れる表皮材20の具体例としては、従来自動車内装材と
して用いられるものが使用できる。例えば、織布や不織
布が用いられるが、これらには、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポ
リアクリロニトリル、モダアクリル(例えば鐘淵化学工
業株式会社製「カネカロン(登録商標)」などの合成樹
脂や、羊毛、木綿等の天然素材のものや、それらを適宜
組み合わせたものが使用できる。このような表皮材20
に、必要に応じて、更にウレタンフォームや、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフォームか
らなる発泡層を単層または複層で積層したものが使用で
きる。
【0027】表皮材20の接着方法としては、あらかじ
め表皮材20に接着剤22を接着してあるものを発泡積
層シート10に熱ロール等を用いて接着する方法、発泡
積層シート10に表皮材20を仮止めし加熱成形時に成
形と接着を同時に行う方法、接着剤22を発泡積層シー
ト10にバインダーラミネーションする方法や、あらか
じめフィルム状に成形された接着剤22を熱ラミネーシ
ョン法等により積層した発泡積層シート10に表皮材2
0を熱ロールを用いて接着する方法、接着剤22を発泡
積層シート10に積層する際に表皮材20を同時に接着
する方法等が挙げられる。
【0028】表皮材20を発泡積層シート10に設ける
際に接着剤22を用いる場合、使用される接着剤として
は、熱可塑性接着剤、ホットメルト接着剤、ゴム系接着
剤、熱硬化性接着剤、モノマー反応型接着剤、無機系接
着剤、天然物接着剤等が挙げられる。本発明の発泡積層
シート10の用途を考慮すれば、耐熱性の高い材質を用
いることが好ましい。接着が容易で且つ耐熱性の高い材
質である点でホットメルト接着剤が好適である。ホット
メルト接着剤としては、オレフィン系、ポリウレタン
系、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド
系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレンーブタ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体系樹脂を成
分としたものが挙げられ、オレフィン系樹脂が好まし
い。特に、変性オレフィン系樹脂が好ましい。これらは
単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】以上のようにして得られた耐熱性樹脂を基
材樹脂とする発泡シート12の片面又は両面に、少なく
とも熱可塑性樹脂からなる非発泡層14,16が積層さ
れた発泡積層シート10に形成された一方の非発泡層1
4の表面に次に説明するエンボス処理18を施した後、
所望の内装材の形状に成形して成形体が得られる。ある
いは同様に耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シート12
の片面又は両面に、少なくとも熱可塑性樹脂からなる非
発泡層14,16が積層された発泡積層シート10を所
望の内装材の形状に成形して成形体を得た後、又は成形
体の成形と同時に、一方の非発泡層14の表面にエンボ
ス処理18が施される。
【0030】すなわち、発泡積層シート10又は成形体
の片側面にエンボス処理18が施される。特に成形体に
エンボス処理されるのが好ましい。エンボス処理された
凹凸面の高さの差は、0.1〜1.0mmが好ましい。
凹凸の高さの差が0.1mm以下では、表面の平滑性に
より本発明の消音性が充分に発揮されず、凹凸の高さの
差が1mm以上の場合は、得られた成形体のエンボス処
理された面の反対面にそのエンボス処理の形状が観測さ
れることがあり、好ましくない。
【0031】発泡積層シート10にエンボス処理18を
施す方法としては、発泡シート12の表面に、押出機か
ら供給される可塑化状態にある非発泡層をエンボス加工
された冷却ローラーなどによって積層・固着する方法が
特に好ましい。エンボス処理18される面としては、積
層シート10の全面に施されるのが好ましい。たとえ
ば、図2及び図3に示すように、天井材24である場合
には、その天井材24の固定部分、すなわちアシストグ
リップ取り付け穴26、サンバイザー取り付け穴28、
ルームミラー取り付け穴30及び室内灯取り付け穴32
の箇所を除き、自動車天井部34に接触される部分とそ
の周辺にエンボス処理をするのが特に好ましい。
【0032】一方、発泡積層成形体にエンボス処理を施
す方法としては、あらかじめ所望の形状に成形する金型
の凹金型の表面にエンボス処理・加工をした物を用いる
のが特に好ましい。また同様に、エンボス処理される面
として、成形体の全面に施されるのが好ましい。また、
前述同様に、図2及び図3に示すように、天井材24で
ある場合には、その天井材24の固定部分、すなわちア
シストグリップ取り付け穴26、サンバイザー取り付け
穴28、ルームミラー取り付け穴30及び室内灯取り付
け穴32の箇所を除き、自動車天井部34に接触される
部分とその周辺にエンボス処理をするのが特に好まし
い。
【0033】このようにして得られた自動車内装材用発
泡積層シート10を自動車の内装、特に天井部に設ける
ために、成形する方法は、特に限定されない。例えば、
上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に積層シート10を
クランプして導き、成形に適した温度に加熱した後、温
度調節をした金型にて真空成形、圧空成形等や、フリー
ドローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッ
ジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ド
レープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、
プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成
形等にて成形する方法が挙げられる。いずれの場合であ
っても、得られた自動車内装材用発泡積層成形体のエン
ボス処理・加工された面を自動車の天井側に向けて取り
付けられる。
【0034】以上、本発明の実施形態を詳述したが、本
発明は上述の形態に限定されるものではない。
【0035】たとえば、特に発泡積層シート10あるい
は発泡積層成形体(24)が、変性PPE系樹脂を基材
樹脂とする発泡シート12の両面に、それぞれ熱可塑性
樹脂である変性PPE系樹脂からなる非発泡層16とP
S系樹脂からなる非発泡層14を積層した構成である場
合、PS系樹脂からなる非発泡層14の表面にエンボス
処理18を施すのが好ましい。
【0036】その他、本発明に係る自動車内装材用発泡
積層シート及びその成形体は自動車用の天井材に適用す
るのが好ましいが、それに限定されるものではなく、各
種の車内の内装材に使用できるだけでなく、ボンネット
などの内側に防音のために配設される防音材としても使
用することができる。更に、本発明はその趣旨を逸脱し
ない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、
変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではないのは
言うまでもない。なお、本実施例における倍率、セル
径、独立気泡率の測定については、次の方法に従って行
った。
【0038】倍率は、JIS K 7112「プラスチ
ックの密度と比重の測定法」のA法(水中置換法による
測定方法)に準じて測定した見かけ密度の逆数である。
気泡の大きさ、すなわちセル径は、発泡体断面を透過型
電子顕微鏡にて観察し、発泡体の幅方向の数平均気泡径
を測定して求めた。独立気泡率は、マルチピクノメータ
(湯浅アイオニクス(株)社製)を用いて、ASTM
D2856に準じた方法で測定した。
【0039】実施例・比較例に用いた樹脂のPPE成分
・ゴム成分量を表1に示す。表1中のHIPSはハイイ
ンパクトポリスチレンを表す。
【0040】
【表1】
【0041】また、実施例・比較例に用いたその他の使
用材料を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】(実施例1)PPE樹脂成分40重量%,
PS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)
とPS樹脂(B)とを混合した混合樹脂100重量部に
対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso/
n=85/15)3重量部及びタルク0.32重量部を
押出機により混練した。樹脂温度を198℃にまで冷却
し、サーキュラーダイスにより押出し、厚み2.3m
m、倍率10倍、独立気泡率85%、セル径0.19m
m、目付け240g/m2 の発泡シートを得た。得られ
たシートをロール状に巻き取った。
【0044】得られた発泡シートを繰り出し、ハイイン
パクトポリスチレン(HIPS)(C)と耐衝撃性改良
剤(D)を混合した混合樹脂を溶融・混練しTダイを用
いて樹脂温度278℃で押出し発泡シートの片面に厚み
150μmの非発泡層を積層した。
【0045】このようにして得られた積層シートを繰り
出し、反対の発泡層上面に、PPE樹脂成分40重量
%,PS樹脂成分54重量%,ゴム成分6重量%となる
ようにPPE樹脂(A)とHIPS(C)と耐衝撃性改
良剤(D)を混合した混合樹脂を溶融・混練し、Tダイ
を用いて樹脂温度278℃で押出し、厚み150μmの
非発泡層を積層した。
【0046】さらに続けて、後から積層したPPE非発
泡層面に、表皮材(E)をホットメルトフィルム(F)
を介して仮止めした。表皮材、ホットメルトフィルムを
仮止めした面を凸形状の金型と接するように自動車内装
材用発泡積層シートの四方をクランプし加熱炉に入れ表
面温度155℃まで加熱し、金型の全面に凹凸の高さの
差を0.2mmにしたエンボス処理された凹形状の金型
と凸形状の金型を60℃に温調し、プラグ成形を行った
後、トリミング、パンチング加工を施し自動車天井材を
得た。次に、得られた自動車天井材を100mm×10
0mmに切り取り、治具を介して異音発生テストを行っ
た。
【0047】異音発生テスト及び総合評価については、
下記の方法で行った。 異音発生テスト:サンプル片に1kgの荷重を乗せた
後、プラスチック系(H)(I)・金属系(J)の板と
にサンプル片を滑らせて、異音発生の有無を聞き取っ
た。 総合評価:次の3段階で評価した。 ○:異音発生の防止策が容易に行える。 △:異音の発生が防止できるが、作業性・生産性、コス
ト等に問題が生じる。 ×:異音発生の防止策とならない。許容しうる成形体と
ならない。
【0048】異音発生テスト及び総合評価の結果を表3
に示す。
【0049】
【表3】
【0050】(実施例2)凹形状の金型表面の凹凸の高
さの差が1.0mm以外は、実施例1に記載の方法によ
り自動車天井材を得た。得られた自動車天井材を100
mm×100mmに切り取り、治具を介して異音発生テ
ストを行った。異音発生テストの結果を表3に示す。
【0051】(比較例1)凹形状の金型表面の凹凸の高
さの差がない、すなわちエンボス加工を施さなかった以
外は、実施例1に記載の方法により自動車天井材を得
た。得られた成形体を100mm×100mmに切り出
し、HIPS系樹脂非発泡層の面をプラスチック系
(H)(I)・金属系(J)の板に接触させて、異音発
生テストをおこなった。異音発生テストの結果を表3に
示す。
【0052】(比較例2)凹形状の金型表面の凹凸の高
さの差がない、すなわちエンボス加工を施さなかった以
外は、実施例1に記載の方法により自動車天井材を得
た。得られた成形体を100mm×100mmに切り出
し、HIPS系樹脂非発泡層の面にクラフトテープ
(G)を貼り付けし、治具を介して異音発生テストをお
こなった。異音発生テスト結果を表3に示す。クラフト
テープ貼り付け作業が煩雑になると共に、生産性(加工
手間)悪化が容易に推測された。
【0053】
【発明の効果】本発明の自動車内装材用発泡積層シート
及びその成形体は、少なくとも所望の箇所にエンボス処
理を施すだけで異音の発生を防止することができ、しか
も、成形体の製造上、なんら生産性を阻害することはな
い。したがって、従来のクラフトテープ積層方法に比較
して生産性が大幅に改善されるものである。また、生産
効率の向上及び原材料費低減による大幅なコスト競争力
の向上が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) 及び(b) は本発明に係る自動車内装材
用発泡積層シート又は成形体の要部拡大断面図である。
【図2】本発明の自動車内装材用発泡積層成形体を自動
車天井部に装着した状態を説明するための自動車の切欠
説明図である。
【図3】トリミング加工を施した自動車天井用内装材用
成形体の1例の平面説明図である。
【符号の説明】
10:自動車内装材用発泡積層シート 12:発泡シート 14,16:非発泡層 18:エンボス処理 20:表皮材 22:接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00 31:58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シート
    の片面又は両面に、少なくとも熱可塑性樹脂からなる非
    発泡層が積層され、該積層された非発泡層の一方の表面
    にエンボス処理が施されたことを特徴とする自動車内装
    材用発泡積層シート。
  2. 【請求項2】 前記エンボス処理の凹凸面における、該
    凸と凹の高さの差が0.1〜1mmであることを特徴とす
    る請求項1に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  3. 【請求項3】 前記発泡シートの基材樹脂である耐熱性
    樹脂が、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載す
    る自動車内装材用発泡積層シート。
  4. 【請求項4】 前記発泡シートの両面に積層された非発
    泡層のうち、片面側の非発泡層の熱可塑性樹脂が変性P
    PE系樹脂であり、他の片面側の非発泡層の熱可塑性樹
    脂がポリスチレン(PS)系樹脂であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する自動車内
    装材用発泡積層シート。
  5. 【請求項5】 耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シート
    の片面又は両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積
    層され、且つ自動車の内装面の形状に合わせて成形され
    た発泡積層シートであって、該積層された非発泡層のう
    ち自動車の車体側に接する一方の表面にエンボス処理が
    施されていることを特徴とする自動車内装材用発泡積層
    成形体。
  6. 【請求項6】 前記自動車内装材用発泡積層成形体が天
    井材であることを特徴とする請求項5に記載する自動車
    内装材用発泡積層成形体。
JP10145237A 1998-05-27 1998-05-27 自動車内装材用発泡積層シート及び該成形体 Withdrawn JPH11334486A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1177890A1 (en) * 2000-07-25 2002-02-06 Grupo Antolin Ingenieria, S.A. Procedure for obtaining a laminar composite with improved vibro-acoustic behaviour, product so obtained and auxiliary tool employed

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1177890A1 (en) * 2000-07-25 2002-02-06 Grupo Antolin Ingenieria, S.A. Procedure for obtaining a laminar composite with improved vibro-acoustic behaviour, product so obtained and auxiliary tool employed
ES2197726A1 (es) * 2000-07-25 2004-01-01 Antolin Grupo Ing Sa Procedimiento de obtencion de un composite laminar para mejorar el comportamiento vibro-acustico de superficies, producto asi obtenido y util auxiliar utilizado.

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