JPH11222082A - 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材用発泡積層成形体。 - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材用発泡積層成形体。

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JPH11222082A
JPH11222082A JP2311998A JP2311998A JPH11222082A JP H11222082 A JPH11222082 A JP H11222082A JP 2311998 A JP2311998 A JP 2311998A JP 2311998 A JP2311998 A JP 2311998A JP H11222082 A JPH11222082 A JP H11222082A
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JP
Japan
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sheet
laminated sheet
nonwoven fabric
foamed
resin
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JP2311998A
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English (en)
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Manabu Ouchi
学 大内
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中に異音を発生しないような自動車内装
材用発泡積層シートおよびそれを用いた自動車内装材用
発泡積層成形体を提供することを目的とする。 【解決手段】 耐熱性の基材樹脂からなる発泡シートの
両面または片面に、非発泡層を積層した発泡積層シート
のいずれかの面の少なくとも一部に不織布を設ける。こ
の発泡積層シートに治具を取り付ける場合、不織布が、
発泡積層シートの表面上に間隙を有するように点在させ
た接着剤を介して積層される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内装材用発泡積
層シートおよびそれを成形してなる自動車内装材用発泡
積層成形体に関し、さらに詳しくは走行中の異音の発生
を防止する自動車内装材用発泡積層シートおよびそれを
成形してなる自動車内装材用発泡積層成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内装材は、軽量で断熱性が高く、
成形加工性が優れているという特徴に加えて、耐熱性も
求められる。高温に長時間さらされるような用途に用い
た場合には、耐熱性が不十分であると、内装材が自重で
垂れ下がったり、変形したりするなどの問題を発生する
事があるからである。
【0003】耐熱性を向上させるために、変性PPE系
樹脂などの耐熱性を有する樹脂の発泡層の両面に変性P
PE系樹脂などの非発泡層のフィルムを積層した発泡積
層シートを用いた自動車天井材等が提案されている(実
開平4−11162号公報)。この自動車天井材は、耐
熱性が高い変性PPE系樹脂などの樹脂を用いることに
より、高温下での変形や自重による垂れ下がりを改善す
るとされているもので、近年、自動車内装材として、そ
の耐熱性及び軽量性により市場に出回っている。
【0004】一方、最近では自動車のエンジン音の低下
や車内の防音効果の向上に伴って、車内の静けさがクロ
ーズアップされてきている。ところが、上記した変性P
PE系樹脂発泡積層シートなどの耐熱性を有する樹脂発
泡積層シートにおいては、自動車に装着した際、急カー
ブ走行時において異音が発生するという問題があった。
この問題を解決するために、ウレタン発泡シートをあら
かじめ発泡積層シートに積層したり、自動車天井材の成
形加工時にクラフトテープ等を貼ったりして対応してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、いずれも作業が煩雑になったり、材料コスト
や製造コストのアップを引き起こす。そのため、これら
に代わる方法の出現が待望されているが、未だ満足し得
る方法が提案されていないのが実状である。
【0006】本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭
意研究の結果、異音の発生は自動車が走行中に急カーブ
を曲がる際に、車体を構成する鉄板やプラスチック板と
自動車の内装材の室外側表面とが接触し擦れ合うことに
より発生する摩擦音であることをつきとめ、耐熱性樹脂
発泡積層シートの、鉄板やプラスチック板と接触する基
材表面に、不織布を設けることにより、製造コストの増
加を抑えつつ、異音の発生が防止されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動車内装
材用発泡積層シートの要旨とするところは、耐熱性樹脂
を基材樹脂とする発泡シートの両面または片面に、熱可
塑性樹脂からなる非発泡層を積層した発泡積層シートに
おいて、該発泡積層シートのいずれか一方の面の少なく
とも一部に不織布を設けたことにある。
【0008】かかる自動車内装材用発泡シートにおい
て、上記不織布が、目付10〜50g/m2 のスパンボ
ンドシートであることにある。
【0009】かかる自動車内装材用発泡積層シートにお
いて、上記不織布が、発泡積層シートの表面上に間隙を
有するように点在させたホットメルト剤を介して積層さ
れることにある。
【0010】かかる自動車内装材用発泡積層シートにお
いて、上記ホットメルト剤が、パウダー状のホットメル
ト剤であることにある。
【0011】本発明の自動車内装材用発泡積層成形体
は、上記のいずれかの自動車内装材用発泡積層シート
を、上記不織布が積層された面を自動車の室外側に向け
て、室内の形状に合わせて成形してなることにある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の自動車内装材用発泡積層
シートおよび自動車内装材用発泡積層成形体を図面に基
づいて説明する。
【0013】図1(a)(b)および(c)は、それぞ
れ本発明の自動車内装材用発泡積層シートの例の断面図
である。図1(a)では、耐熱性樹脂を基材樹脂とする
発泡シート10の片面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡
層12を積層した発泡シートにおいて、非発泡層表面に
不織布16を設けてなる。不織布16は、接着層14を
介して設けられ得る。図1(b)は、耐熱性樹脂を基材
樹脂とする発泡シート10の片面に、熱可塑性樹脂から
なる非発泡層12を積層した発泡シートにおいて、発泡
層表面に不織布16を設けてなる。不織布16は、接着
層14を介して設けられ得る。図1(c)は、耐熱性樹
脂を基材樹脂とする発泡シート10の両面に、熱可塑性
樹脂からなる非発泡層12を積層した発泡シートにおい
て、片方の非発泡層表面に不織布16を設けてなる。不
織布16は、接着層14を介して設けられ得る。
【0014】本発明において使用される前記耐熱性樹脂
を基材樹脂とする発泡シートの製造方法としては、2種
以上のモノマーからなる共重合樹脂または2種以上のモ
ノマーからなる混合樹脂、及び各種の添加剤を加えた樹
脂を押出機により溶融・混練し、高温高圧下で発泡剤を
圧入し、発泡最適温度に調節して低圧帯(通常大気中)
に押出した後、マンドレル等によってシート状に成形す
る方法が好適であるが、これに限定されず、当業者に知
られているいずれの方法をも採用し得る。
【0015】本発明の発泡シートの基材樹脂として使用
される耐熱性樹脂は、耐熱性を有するとして当業者に知
られるいずれの樹脂をも用いることができる。例示すれ
ば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の
耐熱ポリスチレン樹脂;ポリスチレンあるいは耐熱ポリ
スチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)とのブレ
ンド体、共重合体等の変性ポリフェニレンエーテル系樹
脂;ポリカーボネート樹脂;およびポリブチレンテレフ
タレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポ
リエステル樹脂などである。これらの樹脂は、2種以上
を用いることもできる。この中でも、変性ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂を発泡シートの基材樹脂として使用す
ると、耐熱性および剛性等の品質に優れているうえに、
加工性および製造が容易である点で好ましい。発泡シー
トは、2種以上の発泡層を積層してシート状にしたもの
であってもよい。
【0016】PPEとしては、例えば、ポリ(2,6−
ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−
メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、
ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテ
ル)、 ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−
エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェ
ニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−
n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2
−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,
4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニ
レン−1,4−エーテル)等が挙げられ、これらは単独
又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0017】本発明に用いられ得るスチレンあるいはス
チレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば
スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メ
チルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、これらは
単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0018】ポリフェニレンエーテル、あるいは(ポ
リ)スチレンのいずれも、それぞれと重合可能な化合
物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート等を1種又は2種以上
重合させ得る。
【0019】本発明の発泡シートの製造において使用さ
れる発泡剤としてはブタン、プロパン、ペンタン、塩化
メチル、ジクロロメタン、クロロフロロメタン、ジクロ
ロエタン、ジクロロジフロロエタン等の炭化水素、ハロ
ゲン化炭化水素等が挙げられ、またそれらを組み合わせ
て使用しても良い。本発明において使用される発泡シー
トの基材樹脂は、必要に応じて気泡調整剤、耐衝撃性改
良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料等を添加し
得る。
【0020】本発明の耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡
シートは、特に限定されないが、例えば、PPE25〜
70重量部とPS30〜75重量部からなるPPE系樹
脂とPS系樹脂の混合樹脂またはPPEとスチレンとの
共重合体を基材樹脂として、該基材樹脂に発泡剤を添加
し押出発泡させて得られる変性ポリフェニレン系樹脂シ
ートである。より好ましくは、基材樹脂は、PPE30
〜65重量部とPS70〜35重量部からなり、特に好
ましくは、PPE35〜60重量部とPS65〜40重
量部からなる。PPE系樹脂の割合が25重量部より小
さいと耐熱性が劣る傾向があり、PPE系樹脂の割合が
70重量部より大きいと、加熱流動時の粘度が上昇し、
発泡成形が困難となる場合がある。
【0021】シートは、例えば、厚みが1〜5mm、発
泡倍率が3〜20倍、セル径が0.05〜0. 3mm、
独立気泡率が70%以上であることが好ましい。発泡シ
ート厚みが1mm未満の場合は強度、断熱性に劣り自動
車内装材として適当でない。また発泡シート厚みが5m
mを越える場合、成形加熱時に熱がシートの厚み方向の
中心部まで伝わり難く、そのため十分な加熱が行えず成
形性が悪くなる。また、充分な加熱を行うべく加熱時間
を長くすると、発泡層表面のセルの破泡等が生じ、良好
な製品が得られ難い。発泡倍率が3倍未満の場合、柔軟
性に劣り曲げ等による破損が生じ易く、また軽量なもの
が得られない。20倍を越えると強度、成形性に劣る傾
向がある。セル径が0.05mm未満の場合は充分な強
度が得られず、0.3mmを越える場合は、断熱性に劣
る傾向がある。また、独立気泡率が70%未満の場合
は、断熱性、剛性に劣るとともに成形加熱時の2次発泡
倍率を得難くなり、成形性に劣る傾向がある。
【0022】このようにして得られた発泡シートに非発
泡層樹脂を積層する方法としては、あらかじめフィルム
状に成形した非発泡層樹脂を、発泡成形された発泡シー
トの表面に熱ロール等により接着する方法;多層押出金
型を用いて,発泡シート用の基材樹脂と非発泡層樹脂を
共押出積層する方法等が挙げられる。好ましくは、あら
かじめ発泡成形された発泡シートの表面に、押出機から
供給される可塑化状態にある非発泡層を冷却ローラーな
どによって積層・固着する方法が採用される。特に、発
泡層の発泡シート成形と非発泡層の押出をインライン中
で行い、その後に積層する方法が特に好ましい。
【0023】非発泡層に使用される熱可塑性樹脂として
は、ポリスチレン系樹脂、変性PPE系樹脂、ポリプロ
ピレン(PP)系樹脂、ポリエチレン(PE)系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリア
ミド(ナイロン)系樹脂等が挙げられる。発泡シートと
して、変性PPE系樹脂を用いた場合は、発泡シートと
接着性からPS系、耐熱PS系、変性PPE系樹脂が好
適である。耐熱PS系樹脂としては、スチレンとカルボ
キシル基含有モノマーとの共重合体が挙げられ、例えば
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリ
ル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチ
レン−イタコン酸共重合体や、それらの共重合体とポリ
スチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイ
ドなどの重合体とのブレンド体が挙げられる。
【0024】非発泡層の樹脂には、必要に応じて、耐衝
撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、充
填剤等を単独又は2種以上組み合わせて添加することが
できる。非発泡層は発泡シートの両面又は片面に積層さ
れ得る。非発泡層の厚みは、50〜300μmが好まし
い。50μmより薄い場合には発泡層との積層時の接着
安定性に劣り、300μmより厚い場合には天井材の成
形性に劣る傾向がある。
【0025】本発明において、発泡積層シート表面に設
けられる異音防止用の不織布は、原料繊維を、接着剤、
溶融繊維、あるいは機械的方法により接合させた布状物
であればいずれの種類でも用いられ得る。原料繊維の種
類も特に限定されず、合成繊維、半合成繊維、あるいは
天然繊維のいずれをも用いることができる。具体的に
は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイ
ロン)、ポリアクリロニトリル等の合成繊維や、羊毛、
木綿、セルロース等の天然繊維を使用することができる
が、中でもポリエステル繊維が好ましく、特に耐熱性の
高いポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。また
これらの繊維を単独で使用することも、2種以上を組み
合わせ使用することもできる。不織布の種類は、その製
造加工方法により、接合バインダー接着布、ニードルパ
ンチ布、スパンポンド布、スプレファイバー布、あるい
はステッチボンド布等が挙げられ、いずれの不織布も用
いることができる。このうち、長繊維フィラメントから
なるスパンポンド布が好ましい。フィラメントがけん縮
性があり、強度が高く、柔らかな風合いを有し、音を吸
収するのに都合がよい。不織布の目付としては、品質及
びコストを考慮すると、10〜50g/m2 の目付が好
ましく、20〜40g/m2 の目付は更に好ましい。1
0g/m2 以下では、不織布を設けた箇所において、発
泡積層シートの表面が部分的に露出し有効な異音防止効
果が示されないことがある。一方、50g/m2 以上で
は、不織布の成形の歪みによって、自動車内装材用発泡
積層シートの耐熱性が損なわれたり、コストが無駄に増
加したりする為、好ましくない。
【0026】本発明において、不織布は、発泡積層シー
トのいずれか一方の面の少なくとも一部に設けてあれば
よい。例えば、車体を構成する鉄板やプラスチック板に
直接接触する箇所にのみ不織布を発泡積層シートに設け
ることも可能であるし、発泡積層シートの片面の全部に
渡って不織布を積層することも可能である。本発明の不
織布を発泡積層シートに設ける方法としては、不織布ま
たは非発泡層あるいは発泡層にあらかじめ接着剤をコー
ティングしておき、布と非発泡層あるいは発泡層を熱ロ
ール等を用いて接着する方法、発泡積層シートに布及び
フイルム状接着剤を仮止めし加熱成型時に成形と同時に
接着を行う方法、発泡積層シートに仮止めし加熱成型時
に成形と接着を同時に行う方法、接着剤を発泡積層シー
トに積層する際に布を同時に接着する方法、ピンなどを
用いて物理的に止める方法等が挙げられる。
【0027】不織布を発泡積層シートに設ける際に、接
着剤を用いる場合、使用される接着剤としては、熱可塑
性接着剤、ホットメルト接着剤、ゴム系接着剤、熱硬化
性接着剤、モノマー反応型接着剤、無機系接着剤、天然
物接着剤等が挙げられる。本発明の発泡積層シートの用
途を考慮すれば、耐熱性の高い材質を用いることが好ま
しい。接着が容易な点で、耐熱性の高い材質を用い得る
点でホットメルト接着剤が好適である。ホットメルト接
着剤としては、オレフィン系、ポリウレタン系、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエス
テル系、熱可塑性ゴム系、スチレンーブタン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体系樹脂を成分としたもの
が挙げられ、オレフィン系樹脂が好ましい。特に、変性
オレフィン系樹脂が好ましい。これらは単独又は2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0028】特に好ましくは、図2に示すように、ホッ
トメルト剤の接着剤22を、発泡積層シート24の表面
25上に間隙を有するようにまばらに点在させ、それと
共に不織布26を発泡積層シート上の一部または全面に
供給し、熱ロールを用いて発泡積層シートに圧着して積
層させる方法が採用される。このとき、パウダー状のホ
ットメルト剤を用いることが特に好ましい。発泡積層シ
ート24は、図1において示される24と同一であり、
図1(a)、(b)、あるいは(c)のいずれの記載さ
れた態様の構成でもよい。
【0029】このようにして得られた自動車内装材用発
泡積層シートを自動車の内装、特に天井部に設けるため
に、成形する方法は、特に限定されない。例えば、上下
にヒーターを持つ加熱炉の中央に積層シートをクランプ
して導き、成形に適した温度に加熱した後、温度調節を
した金型にて真空成形、圧空成形等や、フリードローイ
ング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、
マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成
形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグア
シスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等にて
成形する方法が挙げられる。いずれの場合であっても、
自動車内装材用発泡積層シートの不織布の設けられた面
を自動車の室外側に向けて取り付け得るように成形され
る。
【0030】本発明の発泡積層シートおよび成形体は、
自動車の内装に用いられる。図3の自動車の要部断面説
明図に示すように、自動車内装用発泡積層シートから形
成された成形体30は、自動車の屋根32の室内側に取
り付けられる。不織布33が設けられた面を室外に近い
側に備え、その面に取り付け具等の治具38が取り付け
られる。成形体30は、図3に一例を表すように、不織
布33、接着層34、非発泡層35、発泡層36、およ
び表皮材が順次積層された構成であるが、発泡層36と
非発泡層35の構成は、限定されない。表皮材37は、
発泡積層シートを形成した後、その成形体の室内側の面
に接着するか、あるいは、表皮材37を発泡積層シート
に接着した後、成形することもでき、特に限定されな
い。
【0031】本発明の自動車内装材用発泡積層成形体に
は、図3に示されるように、必要に応じて表皮材を設け
得る。用いられる表皮材としては、従来自動車内装材と
して用いられる表皮材、例えば、織布、不織布、等が挙
げられる。表皮材の基材としては、ポリエステル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(ナイロン)等
の合成樹脂屋、羊毛、木綿等の天然素材を使用すること
ができ、それらを組み合わせて使用することもできる。
【0032】表皮材の接着方法としては、あらかじめ表
皮材に接着剤を接着してあるものを発泡積層シートに熱
ロール等を用いて接着する方法、発泡積層シートに表皮
材を仮止めし加熱成形時に成形と接着を同時に行う方
法、接着剤を発泡積層シートにバインダーラミネーショ
ンする方法や、あらかじめフィルム状に成形された接着
剤を熱ラミネーション法等により積層した発泡積層シー
トに表皮材を熱ロールを用いて接着する方法、接着剤を
発泡積層シートに積層する際に表皮材を同時に接着する
方法等が挙げられる。
【0033】自動車内装用発泡積層シートの不織布が設
けられている側に治具を取り付ける方法は特に限定され
ないが、接着剤による固定が一般的であり、金具を使っ
て取付ける場合でも接着剤を併用し得る。図4に示すよ
うに、治具46は、不織布42の上から接着剤48を介
して、発泡積層シートに取り付けられる。同図(a)に
示すように、発泡積層シート40の表面41と不織布4
2の接着が、発泡積層シート40上に間隙を有するよう
にまばらに点在させたホットメルト剤44を介してなさ
れている場合、治具46の取り付けに用いる接着剤48
が、同図(b)に示すように、不織布42を透過して点
在するホットメルト剤44の間隙に入り込み、治具46
と発泡積層シート40とが接着層48を介してしっかり
と結合するので好ましい。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0035】なお、本発明における倍率、セル径、独立
気泡率の測定については、次の方法に従って行った。
【0036】倍率は、JIS K 7112「プラスチ
ックの密度と比重の測定法」のA法(水中置換法による
測定方法)に準じて測定した見かけ密度の逆数である。
【0037】気泡の大きさ、すなわちセル径は、発泡体
断面を透過型電子顕微鏡にて観察し、発泡体の幅方向の
数平均気泡径を測定して求めた。
【0038】独立気泡率は、マルチピクノメータ(湯浅
アイオニクス(株)社製)を用いて、ASTM D28
56に準じた方法で測定した。
【0039】実施例・比較例に用いた樹脂のPPE成分
・ゴム成分量を表1に、その他の使用成分を表2に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】(実施例1)PPE樹脂成分40重量%,
PS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)
とPS樹脂(C)とを混合した混合樹脂100重量部に
対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso/
n=85/15)3重量部及びタルク0.32重量部を
押出機により混練した。樹脂温度を198℃にまで冷却
し、サーキュラーダイスにより押出し、厚み2.6m
m、倍率10倍、独立気泡率85%、セル径0.19m
m、目付け240g/m2の発泡シートを得た。得られ
たシートはロール状に巻き取った。
【0043】得られた発泡シートを繰り出し、ハイイン
パクトポリスチレン(HIPS)(D)と耐衝撃性改良
剤(E)を混合した混合樹脂を溶融・混練しTダイを用
いて樹脂温度278℃で押出し発泡シートの片面に厚み
150μmの非発泡層を積層した。この積層シートの非
発泡層上にパウダー状ホットメルト剤(ヒロダイン製7
580P)を10g/m2 塗布するとともに、目付30
g/m2 のスパンポンドシート(旭化成(株)製 E0
1030)を供給し、150℃に加熱された熱ロールで
積層シートに圧着した。
【0044】このようにして得られた積層シートを繰り
出し、反対の発泡層上面に、PPE樹脂成分30重量
%,PS樹脂成分64重量%,ゴム成分6重量%となる
ようにPPE樹脂(B)とHIPS(D)と耐衝撃性改
良剤(E)を混合した混合樹脂を溶融・混練しTダイを
用いて樹脂温度278℃で押出し、厚み150μmの非
発泡層を積層した。
【0045】さらに続けて、後から積層した非発泡層面
に、表皮材(F)をホットメルトフィルム(G)を介し
て仮止めした。表皮材、ホットメルトフィルムを仮止め
した自動車内装材用発泡積層シートの四方をクランプし
加熱炉に入れ表面温度155℃まで加熱し、60℃に温
調した金型にてプラグ成形を行った後、トリミング、パ
ンチング加工を施し自動車天井材を得た。次に、得られ
た自動車天井材のスパンポンド面の上に加熱され軟化し
たホットメルト接着剤を介して治具を取り付け自動車に
装着し、走行テストを行った結果、異音の発生はなく、
天井材の落下はなく固定は安定していた。
【0046】(実施例2)積層シートの非発泡層上にパ
ウダー状ホットメルト剤(ヒロダイン社製 7580
P)を15g/m2塗布するとともに、目付30g/m
2のスパンポンドシート(旭化成(株)製 E0103
0)を供給し、150℃に加熱された熱ロールで積層シ
ートに圧着した以外は実施例1記載の方法により自動車
天井材を得た。得られた自動車天井材を自動車に取り付
け走行テストを行った結果、異音の発生はなく、天井材
の落下はなく固定は安定していた。
【0047】(比較例1)積層シートの非発泡層上に1
50℃に加熱されたワックス・ホットメルト剤(ペトロ
ライト社製 ポリワックス500)を全面塗布し、目付
30g/m2のスパンポンドシート(旭化成(株)製
E01030)と積層シートをロール圧着した以外は実
施例1記載の方法により自動車天井材を得た。得られた
自動車天井材を自動車に取り付け走行テストを行った結
果、異音の発生は無かったが、高温下(85℃)でのテ
ストにおいて天井の落下には至らなかったものの簡単に
剥がれ、天井材固定の不安定さが認められた。
【0048】(比較例2)異音防止用の不織布を積層せ
ず実施例1記載の方法により自動車天井材を得た。得ら
れた自動車天井材を自動車に取り付け走行テストを行っ
た結果、天井材の落下はなく固定は安定していたもの
の、天井の鉄板と天井材の摩擦音が発生した。そこで、
クラフトテープ(I)を適当に貼るも異音を完全には抑
制することができなかった。また、作業が非常に煩雑で
あった。
【0049】(比較例3)積層シートの非発泡層上にホ
ットメルトフイルム(G)を150℃に加熱したロール
で圧着し、その直後に表皮材(F)を供給しロールで圧
着した以外は実施例1記載の方法により自動車天井材を
得た。得られた自動車天井材を自動車に取り付け走行テ
ストを行った結果、異音の発生は無かったが、天井の固
定が不安定で簡単に簡単に剥がれた。
【0050】
【発明の効果】本発明の異音発生の防止方法は、従来の
クラフトテープ積層方法に比較して生産性が大幅に改善
されるものである。また、生産効率の向上及び原材料費
低減による大幅なコスト競争力の向上が図れる方法であ
る。更に、本発明の方法においては、不織布取り付け方
法において発生すると考えられる固定用治具の接着不良
の問題も解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)、(b)、および(c)は、本発明
の自動車内装材用発泡積層シートの各態様の断面図であ
る。
【図2】図2は、発泡積層シート上に不織布を設ける為
の一態様を表す図である。
【図3】図3は、本発明の自動車内装材用発泡積層シー
トを取り付けた自動車の切欠説明図である。
【図4】図4は、本発明の自動車内装材用発泡積層シー
トの不織布を設けた面上に治具を取付ける前(a)と後
(b)の状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10,36;発泡シート 12,35;非発泡層 14,22,34,44;接着層 16,26,33,42;不織布 24,40;発泡積層シート 38,46;治具 48;(治具取り付け用)接着剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シートの
    両面または片面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積
    層した発泡積層シートにおいて、該発泡積層シートのい
    ずれか一方の面の少なくとも一部に不織布を設けたこと
    を特徴とする自動車内装材用発泡積層シート。
  2. 【請求項2】前記不織布が、目付10〜50g/m2
    スパンボンドシートであることを特徴とする、請求項1
    に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  3. 【請求項3】前記不織布が、発泡積層シートの表面上に
    間隙を有するように点在させたホットメルト剤を介して
    積層されることを特徴とする、請求項1または2に記載
    の自動車内装材用発泡積層シート。
  4. 【請求項4】前記ホットメルト剤が、パウダー状のホッ
    トメルト剤であることを特徴とする請求項3に記載の自
    動車内装材用発泡積層シート。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの自動車内装材用
    発泡積層シートを、前記不織布が積層された面を自動車
    の室外側に向けて、室内の形状に合わせて成形してなる
    ことを特徴とする自動車内装材用発泡積層成形体。
JP2311998A 1998-02-04 1998-02-04 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材用発泡積層成形体。 Pending JPH11222082A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005028593A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Sekisui Plastics Co Ltd 自動車内装材用積層シート及びこれを用いた自動車内装材
JP2013079468A (ja) * 2011-10-04 2013-05-02 Daihatsu Motor Co Ltd 車両用内装材
KR20190026364A (ko) * 2017-09-05 2019-03-13 주식회사 휴비스 폴리에스테르 수지를 포함하는 적층시트 및 이의 제조방법

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KR20190026364A (ko) * 2017-09-05 2019-03-13 주식회사 휴비스 폴리에스테르 수지를 포함하는 적층시트 및 이의 제조방법

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