JPH11333942A - ゴムホースの製造方法 - Google Patents

ゴムホースの製造方法

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JPH11333942A
JPH11333942A JP20861898A JP20861898A JPH11333942A JP H11333942 A JPH11333942 A JP H11333942A JP 20861898 A JP20861898 A JP 20861898A JP 20861898 A JP20861898 A JP 20861898A JP H11333942 A JPH11333942 A JP H11333942A
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unvulcanized
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ゴムホースの外周面に接して設けられた金属
リングを所定位置に保持できるゴムホースの製造方法を
提供する。 【解決手段】 未加硫ゴムホース11の外周に金属リン
グ33を巻着する工程と、金属リング33に密着し跨る
ように未加硫ゴムシート61を貼着して未加硫成形体6
3を形成する工程と、未加硫成形体63を加硫処理する
工程を含むゴムホースの第一の製造方法と、金属リング
33がゴムホース本体部へ接着されるように、金属リン
グ33と、加硫されることでゴムホース本体部となる未
加硫ゴムホース11の一方又は両方に接着剤を付着させ
る接着剤付着工程と、未加硫ゴムホース11の外周部分
に金属リング33を巻着して巻着成形体を形成するリン
グ巻着工程と、巻着成形体に加硫処理を行う加硫工程と
を含むゴムホースの第二の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムホースの製造
方法に関し、より詳細には、外周部分が金属リングによ
って補強されたゴムホースの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムホースは、その柔軟性からそれが連
結するものの位置関係変化を一定量許容し、さらに連結
するものの間に振動を伝達しないこと等から種々の用途
に利用されている。とりわけゴムホースは自動車のエン
ジン周りの各機器間を連絡するために多用されており、
例えば、ラジエターとエンジンとの連結やラジエターと
冷却水ポンプとの連絡等に使用されている。ところがこ
のゴムホースは内部に負圧又は正圧が作用すると、その
柔軟性からつぶれたり(大気圧によって)又は膨らんだ
りすることがあり、特に高温下においてその傾向が強く
なる。このためこれらつぶれ又は膨らみを防止するた
め、種々の対策が検討されてきた。その中で、ゴムホー
スの外周面にほぼ接した状態の金属リングを設けること
によって、ゴムホース内部に加えられる負圧又は正圧に
対する強度(以後、それぞれ「耐正圧強度」及び「耐負
圧強度」といい、両者を合わせて「耐正負圧強度」とい
う。)を大幅に上昇させることができることが判明し
た。この作用としては、まず正圧がゴムホース内部に付
加されるとゴムホースが膨張しようとするが、その際金
属リングがゴムホースの外周面に当接してこれを防止す
る。一方、負圧がゴムホース内部に付加されるとゴムホ
ースがつぶれようとするが、つぶれて扁平になるにはつ
ぶれる方向とは垂直方向に突出しなければならず、この
突出を金属リングがゴムホースの外周面に当接して阻止
するので、ゴムホースはつぶれることができない。この
ようにゴムホースの外周面にほぼ接した状態の金属リン
グを設けるという極めて簡単な構成でありながら、高温
下でも高い補強効果を維持し(金属製のリングであるの
で樹脂やゴムの耐熱性とは全く異なる)、ゴムホースを
大型化したり、重量を大幅に増加させたり、そしてゴム
ホースの製造が困難になるといった問題もなく、安価な
ことからも極めて好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゴムホ
ースの外周面にほぼ接した状態に設けられた金属リング
は、ゴムホースを使用している間にゴムホース長手方向
に移動する可能性があり、それに伴って必要な補強箇所
を金属リングが補強しなくなることで、ゴムホースの耐
正負圧強度が低下するおそれがある。これを防止するた
めには、金属リングがゴムホースに対して移動しないよ
うに十分な強度で取り付ける必要がある。特に、ゴムホ
ースがラジエターホース等のようなエンジン周辺部分に
使用される場合、極めて高い信頼性が要求される反面、
振動、熱及び燃料等にさらされる極めて厳しい条件下に
おいて確実に金属リングを取り付けた状態を維持し続け
なければならない。
【0004】そこで本発明では、ゴムホースの外周面に
ほぼ接した状態に設けられた金属リングをゴムホース外
周面の所定位置に保持し続けることができるゴムホース
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(第一の本発明)上記目
的を達成するために、第一の本発明は、未加硫ゴムホー
スの外周部分に金属リングを巻着する第一工程と、該金
属リングの上から該金属リングに密着し跨るように未加
硫ゴムシートを該未加硫ゴムホースの該外周部分へ貼着
し未加硫成形体を形成する第二工程と、該未加硫成形体
に加硫処理を行う第三工程と、を含む、ゴムホースの製
造方法である。こうすることで第三工程の加硫処理にお
いて未加硫ゴムシートが未加硫ゴムホースの外周部分と
融合し両者の境界部分が消失するので、製品ゴムホース
においては未加硫ゴムシートから形成された部分(以
下、「シート部分」という。)と未加硫ゴムホースから
形成された部分(以下、「ホース部分」という。)とが
まるで一体物として最初から形成されたかのような構造
をとる。このためシート部分とホース部分との間に挟み
込まれた金属リングは、極めて強固に両者間で保持され
る。さらに、シート部分とホース部分とは完全に融合し
て両者間の境界が消失していることから、経時的にシー
ト部分がホース部分から剥離して金属リングの保持が解
かれるおそれもない。即ち、金属リングは、シート部分
とホース部分との間に強固にかつ安定に保持される。な
お、シート部分とホース部分と別に呼んでいるが、現実
には両者の境界が存在しないので、ゴムホース(シート
部分とホース部分とを含む)に金属リングが埋設された
かのような状態を形成する。
【0006】通常、ゴムホースの製造方法は、原料ゴム
をせん断力と高温によって可塑化し(素練り工程)、各
種の配合薬品(分子間に架橋反応を起こさせるための硫
黄、補強性を増すためのカーボンブラック等)を均一に
混合し(混合工程)、必要に応じて他の材料(複合体と
しての強度を持たせるための繊維等)と共にほぼ完成品
に近い形(ホース状)に仕上げ(成形工程)て未加硫ゴ
ムホースを形成し、それが所望の完成品形状に保持され
るように所定の形状を有するマンドレルをその内部に挿
入された状態又は金型内に保持された状態で、熱と圧力
とを加えて所定の形状にすると同時に架橋反応を起こさ
せ高弾性を与え(加硫工程)、最後にマンドレルからホ
ースが抜き取られ又は金型からホースが取り出されるこ
とによって行われる。第一の本発明の方法(以下、「第
一の本方法」という。)は、未加硫ゴムホースを得るま
では(成形工程までは)この従来の製造方法と同様であ
り、未加硫ゴムホースの加硫工程を利用するものであ
る。また、第一の本方法に使用される未加硫ゴムホース
を形成するゴム材料はいかなる未加硫ゴム材料であって
もよく、例えば、EPDMゴムを例示することができ
る。
【0007】第一の本方法の第一工程は、未加硫ゴムホ
ースの外周部分に金属リングを巻着する。金属リング
は、その内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に密着
するものが好ましく、製品ゴムホースの強度を低下等さ
せない範囲であればやや未加硫ゴムホースの外周部分に
くい込むものでも構わない。第一の本方法によって製造
されるゴムホースに高い耐正負圧強度を持たせるために
は、未加硫ゴムホース本体部が形成する筒形状の外側側
面を未加硫ゴムホースの長手方向に対して略垂直面内で
一巡する方向に向かって金属リングが延びるように、金
属リングが巻着されればよい。即ち、金属リングの周囲
によって形成された面が未加硫ゴムホースの長手方向に
対して垂直に近くなるように、金属リングは未加硫ゴム
ホースの外周部分に巻着されることが好ましい。こうす
ることでゴムホース内部へ正圧又は負圧が作用したと
き、金属リングはそれぞれ引っぱり応力又は圧縮応力を
受けるので金属リングは極めて高い補強効果を発揮する
ことができ、高い耐正負圧強度を得ることができる。
(金属リングの周囲によって形成された面が未加硫ゴム
ホースの長手方向に対して垂直から外れるほど、ゴムホ
ース内部へ正圧又は負圧が加わった場合、金属リングに
よる補強効果は減少する)。金属リングの断面形状(金
属リングをそのリング長手方向に対して垂直な切断面に
よって切断したときの形状をいう。例えば、角棒を円形
環状に加工して形成された金属リングであれば、該金属
リングの断面形状は四角形である。)は、金属リングに
加わる応力等に応じて様々なものであってよく、円形、
半円形、楕円形、半楕円形、三角形、四角形、五角形、
六角形、七角形及び八角形等の多角形等が例示できる。
とりわけ、円形であれば金属リングの周囲のゴム部分を
傷めることがなく、また幅広の長方形(金属リングが板
材から形成された場合)であれば一定の幅をもってゴム
部分を補強することができるので好ましい。また、未加
硫ゴムホース1本に巻着される金属リングの本数は特に
制限はなく、1本でもまた2本以上の複数本であっても
構わない。なお、複数本の金属リングを使用する場合で
あれば、未加硫ゴムホースの長手方向に沿って密に配置
する方が高い耐正負圧強度のゴムホースとすることがで
きる。
【0008】金属リングは、その全周にわたって連続し
たものでもよいが、未加硫ゴムホースの外周部分の所定
位置に金属リングを容易に巻着できることからは、その
一部が切断されているものを使用することが好ましい。
即ち、金属リングの内周が未加硫ゴムホースの外周部分
よりも十分大きくなるように金属リングの切断部分を広
げた状態で(例えば、手で把持して)未加硫ゴムホース
の外周部分の所定位置まで金属リングを移動させること
ができるので(その後、該切断部分を閉じて金属リング
を未加硫ゴムホースの外周部分へ巻着する)、極めて第
一工程を迅速かつ円滑に進めることができる。金属リン
グがその全周にわたって連続している場合には、未加硫
ゴムホースの端部から外周部分所定位置まで金属リング
を移動させることが難しく(金属リングの内周部分が未
加硫ゴムホースの外周部分に密着する場合では、両者が
密接した状態で金属リングを移動させなければならな
い。また、金属リングが未加硫ゴムホースの外周部分に
ややくい込む場合であれば金属リングの移動は非常に困
難である。なお、未加硫ゴムホースが先細り形状を有す
る場合であれば連続した金属リングであっても問題ない
場合もある。)、第一工程を困難にする場合があるから
である。一部が切断された金属リングは、その切断部分
が弱くなるので、切断部分でリングが重なり合うように
してもよい。即ち、金属リングの切断された一端と他端
との間で金属リングが重なり合うようにすれば、リング
の周に沿って見たときに完全にリングがとぎれる部分が
なくなるので強度低下を小さくすることができる。切断
された一端と他端との間の重なる距離は特に限定されな
いが、通常10mm〜200mm程度とされればよく、
好ましくは30mm〜100mm程度とされる。
【0009】金属リングを形成する材料は、製品ゴムホ
ースを十分な強度で補強できるものであれば特に限定さ
れないが、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アル
ミニウム、チタン、マグネシウム等の金属材料を使用す
ることができる。とりわけ鋼材は、高い強度や経済性を
有し信頼性も高いことから好適に使用されることができ
る。中でもばね弾性を有するばね鋼(例えば、硬鋼線)
を使用すれば、第一工程を円滑に行うことができる(金
属リングの内周を一時的に変形させて第一工程を行うこ
とができる)と共に、製品ゴムホースに大きな力が加わ
って金属リングが変形した場合でも該力が除去されると
元の形状へと復元するので極めて好ましい。
【0010】第一の本方法の第二工程は、金属リングの
上から金属リングに密着し跨るように未加硫ゴムシート
を未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着し未加硫成形体を
形成する。第一工程において、未加硫ゴムホースの外周
部分に巻着された金属リングの上から未加硫ゴムシート
を未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着する。未加硫ゴム
シートは、未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着された状
態で加硫処理(第三工程)されたとき、未加硫ゴムホー
スの外周部分と十分融合し一体化する材質で形成される
ことが好ましく、最も好ましくは未加硫ゴムホースの外
周部分と同一の材質で形成される。また、未加硫ゴムシ
ートの貼着は金属リングに密着し跨るように行われる。
未加硫ゴムシートが金属リングに密着した状態にされる
ことで、製品ゴムホースにおいてシート部分によって金
属リングが遊びのない状態で確実に保持される。また未
加硫ゴムシートが金属リングに跨るように貼着されるこ
とで、製品ゴムホースにおいてシート部分が金属リング
を両側から確実に保持する。なお、ここにいう「跨るよ
うに」とは、未加硫ゴムシートが金属リングに対して両
側部分で未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着された状態
をいう。さらに、未加硫ゴムシートが貼着される部分
は、金属リングの一部又は全部のいずれであってもよい
が、金属リングの保持を確実ならしめるためには金属リ
ングの全部(金属リングの全周)に貼着されることが好
ましい。未加硫ゴムシートの厚みは、あまり大きいと製
品ゴムホースが大型化すると共に製品ゴムホースの柔軟
性が減少し、あまり小さいとシート部分に加わる力に耐
えられなかったり金属リングを十分な強度で保持できな
いので、これら両条件を満足する範囲とされることが望
ましく、通常1〜3mm程度とされる。
【0011】第一の本方法の第三工程は、第二工程によ
って形成された未加硫成形体に加硫処理を行う。加硫処
理は従来からのものと同様に行うことができる。加硫処
理を開始すると、未加硫ゴム(未加硫ゴムシートと未加
硫ゴムホースとのいずれも)は最初の段階で大幅に軟化
するのでこのとき未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホース
とが完全に融合する。その後、加硫処理が進行し分子間
に架橋が形成されることで両者は硬化し、製品ゴムホー
スとなる。このため製品ゴムホースにおいてはシート部
分とホース部分とが完全に融合した状態となるので、両
者間に存在する金属リングは確実に保持され、製品ゴム
ホースが長時間使用されることによってシート部分がホ
ース部分から剥離し金属リングの保持が解かれる問題は
発生しない。
【0012】第二工程で形成される未加硫成形体を第三
工程で加硫反応させる際、製品ゴムホースが所望形状に
なるように未加硫成形体の形状を保持する必要がある。
この形状保持は、種々の方法で行うことができ、例え
ば、所定の形状を有するマンドレルを未加硫成形体のホ
ース形状内部に挿入して未加硫成形体をマンドレルに沿
った形状とすることや、未加硫成形体を中型(ホース形
状内部に配置される)と外型とで挟み込むことによって
行うことができる。中でも、マンドレルを未加硫成形体
の内部へ挿入することは容易かつ確実に未加硫成形体の
形状を所望のものに保持することができるので既に広く
行われている。即ち、この場合は、所定の形状を有する
マンドレルを未加硫ゴムホースの内部へ少なくとも第三
工程よりも前に挿入するマンドレル挿入工程を、第一の
本方法はさらに含む。なお、マンドレル挿入工程は、第
一工程の前に行われても(もちろん未加硫ゴムホース形
成後である)、第一工程と第二工程との間に行われて
も、さらに第二工程と第三工程との間に行われてもよ
い。しかしながら未加硫ゴムホース内部へマンドレルを
容易に挿入することができる点からは第一工程の前に行
うことが好ましい。
【0013】第一工程及び/又は第二工程において、金
属リングの外面に接着剤を塗布するようにしてもよい。
こうすることで未加硫ゴムホースと金属リングとの間及
び第二工程において貼着される未加硫ゴムシートと金属
リングとの間を接着剤によってより強力に結合させるこ
とができ、製品ゴムホースにおいてもホース部分と金属
リングとの間及びシート部分と金属リングとの間が強力
に結合するので、製品ゴムホースの強度や耐久性を大幅
に向上させることができる。使用可能な接着剤は、ゴム
ホースの材質に応じ、加硫前に塗布することで加硫後に
金属とゴムとを接着することができるものであれば特に
制限なく使用することができる。例えば、未加硫ゴムホ
ースが未加硫のEPDMゴムによって形成されている場
合、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド
社製のCHEMLOK(登録商標)の品番205を下塗
り接着剤として用い、同社製のCHEMLOK(登録商
標)の品番236を上塗り接着剤として用いることがで
きる。ここで同社製CHEMLOK(登録商標)の品番
205は、汎用プライマー、NBR用接着剤として用い
られるもので、灰色、固形分22.0〜26.0%、粘
度85〜165cps、比重0.92〜0.97、引火
点17.0℃、希釈剤MIBK、MEKの基本性状を有
する(いずれも同社カタログより引用)。また同社製C
HEMLOK(登録商標)の品番236は、汎用接着
剤、上塗りとして用いられるもので、黒色、固形分1
7.0〜21.0%、粘度350〜550cps、比重
1.00〜1.06、引火点22.0℃、希釈剤トルエ
ン、キシレンの基本性状を有する(いずれも同社カタロ
グより引用)。なお、ここにいう「金属リングの外面に
接着剤を塗布する」とは、第二工程で形成される未加硫
成形体において金属リングの外面に接着剤が塗布されて
いれば足り、必ずしも接着剤を金属リング外面に直接塗
布することを要するものではなく、例えば、第一工程に
おいて金属リングがこれから巻着される未加硫ゴムホー
スの部分に接着剤を塗布しておいてその後金属リングを
該部分に巻着することや、第二工程においてこれから貼
着される未加硫ゴムシートのうち、金属リングと接触す
る部分に接着剤を塗布しておいてその後該部分が金属リ
ングに接触するように未加硫ゴムシートを貼着すること
を含む。なお、ここにいう「塗布」とは、接着剤を付着
させる行為全般を意味し、従って塗りつけ(刷毛、ロー
ラー等いかなるものを使用してもよい)、噴霧、浸漬等
の全てを含む。
【0014】未加硫ゴムシートが貼着された未加硫形成
体の外周部に嵌着されることによって適当な緊縮力を該
未加硫ゴムシートに与える帯状の嵌着物体であって第三
工程完了後に該外周部より取り外し可能な嵌着物体を、
該外周部に嵌着する嵌着物体嵌着工程を、第二工程と第
三工程との間にさらに含むようにしてもよい。これは嵌
着物体が未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースとを密着
させる緊縮力を未加硫ゴムシートに与えることで、加硫
処理の初期段階において未加硫ゴムシートと未加硫ゴム
ホースとが軟化した際、一層両者が密接し融合するよう
に作用する。特に、未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホー
スとの間に一定の厚さを有する金属リングが挟み込まれ
ているので、両者を密着させ融合させるには嵌着物体を
該外周部に嵌着し未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホース
とを締めつけることが好ましい。嵌着物体としては、未
加硫ゴムシートが貼着された未加硫形成体の外周部に嵌
着されることによって適当な緊縮力を該未加硫ゴムシー
トに与え、第三工程完了後に該外周部より取り外し可能
なものであれば特に制限なく使用することができるが、
ゴム等によって形成された弾性体バンド、包帯、鋼製
(ステンレス鋼を含む)のばね板によって形成された金
属製バンド等を例示することができる。とりわけシリコ
ンゴムによって形成された弾性体バンドを嵌着物体とし
て用いることは、該外周部をその周囲から均一に締めつ
けると共に、該外周部への着脱が容易(伸縮自在である
ので力を加えることで容易に引き伸ばされ、力を取り除
くことで縮む)であることから好ましい。この場合、ゴ
ムホースをマンドレルの蛇腹部に沿わせるためにやや小
さい径のゴム状弾性体をゴム原管の外周に嵌着させた
後、加硫反応させる方法として既に本出願人が特許出願
した技術を応用して用いるものである(平成3年特許出
願公告第74900号)。該弾性体バンドの内周長さ
(弾性体バンドに力が加わっていない場合の内周長さ)
は、未加硫ゴムシートが貼着された未加硫形成体の外周
部の外周長さよりも小さいものでなければ、該外周部に
嵌着された弾性体バンドが緊縮力(弾性体バンドが引き
伸ばされたとき縮もうとして生じる力)を生じ得ない。
通常、製品ゴムホースとなったときの外周長さよりも5
〜25%程度小さい該内周長さを有するように弾性体バ
ンドは形成される。なお、弾性体バンドの緊縮力は、あ
まり小さいと加硫工程において未加硫ゴムシートと未加
硫ゴムホースと金属リングとを密着させ一体化させるこ
とができず、一方あまり大きいと未加硫ゴムシートと未
加硫ゴムホースを過大に変形させ製品ゴムホースの強度
低下等を招くので、これら両条件を満足する範囲とされ
ることが好ましく、この範囲の緊縮力が本発明にいう
「適当な緊縮力」である。さらに、嵌着物体は未加硫形
成体の加硫工程において変質等しない材質によって形成
されたものでなければならない。
【0015】(第二の本発明)上記目的を達成するため
に、第二の本発明は、ゴムホース本体部の外周部分に巻
着された金属リングによって補強されたゴムホースの製
造方法であって、金属リングがゴムホース本体部へ接着
されるように、金属リングと、加硫されることでゴムホ
ース本体部となる未加硫ゴムホースと、のうち一方又は
両方に接着剤を付着させる接着剤付着工程と、未加硫ゴ
ムホースの外周部分に金属リングを巻着し巻着成形体を
形成するリング巻着工程と、巻着成形体に加硫処理を行
う加硫工程と、を含む、ゴムホースの製造方法である。
こうすることで接着剤によって金属リングがゴムホース
本体部へ接着され強固に固定されるので、経時的に金属
リングの保持(固定)が解かれるおそれもない。即ち、
金属リングは、ゴムホース本体部の外周部分の所定位置
に保持(固定)し続けられる。
【0016】第二の本発明の方法(以下、「第二の本方
法」という。)は、第一の本方法と同じく、未加硫ゴム
ホースを得るまでは(成形工程までは)従来の製造方法
と同様に行われる。第二の本方法に使用される未加硫ゴ
ムホースを形成するゴム材料はいかなる未加硫ゴム材料
であってもよく、例えば、未加硫のEPDMゴムを例示
列挙することができる。また、第二の本方法において使
用される金属リングは、ゴムホース本体部の外周部分に
沿って巻着されるものであればいずれのものであっても
よいが、金属リングによる補強効果及び金属リングとゴ
ムホース本体部との接着性を考慮すると、金属リングの
内周部分がゴムホース本体部の外周部分に密着するもの
が好ましく(もちろん接着層は介在してもよい)、ゴム
ホース本体部の強度を低下等させない範囲であればやや
ゴムホース本体部の外周部分にくい込むものでも構わな
い。第二の本方法においては、金属リングはゴムホース
本体部へ接着によって固定されるので、特に、両者間の
強固かつ確実な接着が要求される。これら両者間の接着
を強固かつ確実ならしめるためには、加硫工程におい
て、金属リングと未加硫ゴムホースと(接着される部分
同士)を十分な力で当接させておくこと、即ち、金属リ
ング内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に押しつけ
られるようにすればよく、例えば、第一の本方法におい
て使用した嵌着物体(ゴム等によって形成された弾性体
バンド、包帯、鋼製(ステンレス鋼を含む)のばね板に
よって形成された金属製バンド等を含む。)を加硫工程
中に金属リング外周部分へ嵌着することによって行われ
てもよい。しかしながら、工程数や使用物品を増加させ
ることなく簡単かつ確実に金属リング内周部分が未加硫
ゴムホースの外周部分に押しつけられるようにするに
は、金属リング自身の締め付け力を利用すればよい。即
ち、力を加えない状態で金属リングの内周部分が未加硫
ゴムホースの外周部分(金属リングが巻着される外周部
分)よりもやや小さく(通常、金属リングの内周部分が
未加硫ゴムホースの外周部分に対して、相似比が約0.
85〜約0.95程度となるようにする。)なるような
金属リングを使用すればよい(金属リングは一部が切断
されたものを使用する。)。こうすれば未加硫ゴムホー
スの外周部分に巻着され広げられた金属リング自身が、
加硫工程中、自らの内周部分を未加硫ゴムホースの外周
部分に押しつけることになるので好ましい。特に、金属
リングが、後述のばね鋼(例えば、硬鋼線)によって形
成されている場合であれば、十分な力で自らの内周部分
を未加硫ゴムホースの外周部分へ押しつけ続けるので極
めて強固かつ確実な接着ができるので好ましい。金属リ
ングの断面形状(金属リングをそのリング長手方向に対
して垂直な切断面によって切断したときの形状をいう。
例えば、角棒を円形環状に加工して形成された金属リン
グであれば、該金属リングの断面形状は四角形であ
る。)は、金属リングに加わる応力等に応じて様々なも
のであってよく、円形、半円形、楕円形、半楕円形、多
角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形及び八
角形等を含む。)等が例示できる。中でも、四角形特に
長方形(正方形を含む。)であれば、一定の断面形状を
有するパイプをその長手方向に対して垂直な面によって
切断することによって容易に製造することができ好まし
い。
【0017】金属リングの外面(金属リングの形状を規
定する全ての面をいう。従って、外周面と内周面とのい
ずれも含まれる。)のうち多くの部分がゴムホース本体
部と接している方が、金属リングはより強固に接着され
るので好ましい。従って、巻着成形体において、金属リ
ングの断面周囲のうち未加硫ゴムホースの外周部分に接
している部分の長さが、該断面周囲の全周囲長さに対し
て25%以上であることが好ましく、より好ましくは3
5%以上であり、最も好ましくは40%以上とする(な
お、金属リングの断面形状が四角形でありその4辺のう
ち1辺が未加硫ゴムホースの外周部分に接していればこ
の割合は50%以上となることはないが、例えば、該1
辺を波線によって置換すれば50%を超える場合も生じ
うる。しかしながら、該割合の上限は通常50%程度で
ある。)。前述のように長方形の断面形状を有する金属
リングを使用した場合には、該長方形を規定する4辺の
うち長辺が未加硫ゴムホースの外周部分に接するように
すれば、該割合が大きくなるので好ましい。なお、ここ
にいう「接する」とは、金属リングと未加硫ゴムホース
との間に接着剤層(接着剤によって形成された層をい
う。)が介在している場合(接着剤層によって金属リン
グと未加硫ゴムホースとが直接接していない場合)も含
むものとする。
【0018】金属リングは、その全周にわたって連続し
たものでもよいが、リング巻着工程において未加硫ゴム
ホースの外周部分の所定位置に金属リングを容易に巻着
できることからは、その一部が切断されているものを使
用してもよい。即ち、一部が切断された金属リングを使
用する場合、金属リングの内周が未加硫ゴムホースの外
周部分よりも十分大きくなるように金属リングの切断部
分を広げた状態で(例えば、手で把持して)未加硫ゴム
ホースの外周部分の所定位置まで金属リングを移動させ
ることができるので(その後、該切断部分を閉じて金属
リングを未加硫ゴムホースの外周部分へ巻着する)、極
めてリング巻着工程を迅速かつ円滑に進めることができ
る。金属リングがその全周にわたって連続している場合
には、未加硫ゴムホースの端部から外周部分所定位置ま
で金属リングを移動させることが難しく(金属リングの
内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に密着する場合
では、両者が密接した状態で金属リングを移動させなけ
ればならず困難である。また、金属リングが未加硫ゴム
ホースの外周部分にややくい込む場合であれば金属リン
グの移動は極めて困難である。なお、未加硫ゴムホース
が先細り形状を有する場合であれば連続した金属リング
であっても問題ない場合もある。)、リング巻着工程を
困難にする場合があるからである。
【0019】金属リングを形成する材料は、ゴムホース
本体部を十分な強度で補強できるものであれば特に限定
されないが、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含む)、ア
ルミニウム、チタン、マグネシウム等の金属材料を使用
することができる。とりわけ鋼材は、高い強度や経済性
を有し信頼性も高いことから好適に使用されることがで
きる。中でもばね弾性を有するばね鋼(例えば、硬鋼
線)を使用すれば、リング巻着工程を円滑に行うことが
できる(前述のように金属リングの内周を一時的に変形
(拡大)させてリング巻着工程を行うことができる。)
と共に、ゴムホースに大きな力が加わって金属リングが
変形した場合でも該力が除去されると元の形状へと復元
するので極めて好ましい。
【0020】第二の本方法は、接着剤付着工程が行われ
る。接着剤付着工程は、金属リングがゴムホース本体部
へ接着されるように、金属リングと、加硫されることで
ゴムホース本体部となる未加硫ゴムホースと、のうち一
方又は両方に接着剤を付着する。使用可能な接着剤は、
ゴムホース本体部の材質(未加硫ゴムホースの材質)に
応じ、加硫前に付着させることで加硫後に、金属リング
を形成している金属とゴムホース本体部を形成している
ゴムとを接着することができるものであれば特に制限な
く使用することができる。例えば、未加硫ゴムホースが
未加硫のEPDMゴムによって形成されている場合(ゴ
ムホース本体部がEPDMゴムによって形成される場
合)、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッ
ド社製のCHEMLOK(登録商標)の品番205を下
塗り接着剤として用い、同社製のCHEMLOK(登録
商標)の品番236を上塗り接着剤として用いることが
でき(いずれの接着剤についても第一の本方法の説明の
中で説明したものと同じ)、これら接着剤により形成さ
れる接着層により金属リングを高強度及び高信頼性で固
定することができる。接着剤を付着させる位置は、金属
リングがゴムホース本体部へ接着されるような位置であ
れば特に限定されないが、接着剤によって形成される接
着層が金属リングとゴムホース本体部とに跨るような位
置とされることが好ましい。従って、通常、金属リング
の内周が未加硫ゴムホースの外周部分に面し又は接する
こととなる位置及びその近傍となる位置に接着剤が付着
されることが好ましい。なお、ここにいう「金属リング
と、加硫されることでゴムホース本体部となる未加硫ゴ
ムホースと、のうち一方又は両方に接着剤を付着する」
とは、金属リングにのみ接着剤を付着させる場合(例え
ば、上記のロード・ファー・イースト・インコーポレイ
テッド社製のCHEMLOK(登録商標)の品番205
を下塗り接着剤として、同社製のCHEMLOK(登録
商標)の品番236を上塗り接着剤として用いる場合で
あれば、金属リングの内周にのみこれらの接着剤を塗布
しておいてもよい。)、未加硫ゴムホースにのみ接着剤
を付着させる場合、そして金属リングと未加硫ゴムホー
スとの両方に接着剤を付着させる場合のいずれの場合も
含む。さらに、必要位置に接着剤を付着させることがで
きるものであれば、リング巻着工程完了後に、接着剤を
付着させてもよい(例えば、金属リング内周と未加硫ゴ
ムホース外周との間に毛管現象を利用して接着剤を付着
させるような場合等)。ここにいう「付着」とは、接着
剤を付着させる行為全般を意味し、従って塗布(刷毛、
ローラー等いかなるものを使用してもよい)、噴霧、浸
漬等の全てを含む。
【0021】第二の本方法は、リング巻着工程が行われ
る。リング巻着工程は、未加硫ゴムホースの外周部分に
金属リングを巻着し巻着成形体を形成する。第二の本方
法によって製造されるゴムホースに高い耐正負圧強度を
持たせるためには、ゴムホース本体部が形成する筒形状
の外側側面をゴムホース本体部の長手方向に対して略垂
直面内で一巡する方向に向かって金属リングが延びるよ
うに、金属リングが巻着されればよい。こうすることで
ゴムホース内部へ正圧又は負圧が作用したとき、金属リ
ングはそれぞれ引っぱり応力又は圧縮応力を受けるので
金属リングは極めて高い補強効果を発揮することがで
き、高い耐正負圧強度を得ることができる。このように
するには未加硫ゴムホースが形成する筒形状の外側側面
を未加硫ゴムホースの長手方向に対して略垂直面内で一
巡する方向に向かって金属リングが延びるように、金属
リングを巻着すればよい。また、未加硫ゴムホース1本
に巻着される金属リングの本数は特に制限はなく、1本
でもまた2本以上の複数本であっても構わない。なお、
複数本の金属リングを使用する場合であれば、未加硫ゴ
ムホースの長手方向に沿って密に配置する方が高い耐正
負圧強度のゴムホースとすることができる。
【0022】第二の本方法は、加硫工程が行われる。加
硫工程は、リング巻着工程によって形成された巻着成形
体に加硫処理を行う。加硫処理は、ゴムの種類等に応じ
て従来からのものと同様に行うことができる。なお、必
要に応じて加硫工程を行う前に、接着剤を乾燥させるた
め巻着成形体を乾燥させてもよい。乾燥はいかなる方法
で行っても良く、例えば、高温下で行っても、また室温
で行ってもよい。
【0023】リング巻着工程で形成される巻着成形体を
加硫工程で加硫反応させる際、製品ゴムホースが所望形
状になるように巻着成形体の形状を保持する必要があ
る。この形状保持は、種々の方法で行うことができ、例
えば、所定の形状を有するマンドレルを巻着成形体の未
加硫ゴムホースの内部に挿入して巻着成形体をマンドレ
ルに沿った形状とすることや、巻着成形体を中型(未加
硫ゴムホース内部に配置される)と外型(巻着成形体を
外周面から包囲する)とで挟み込むことによって行うこ
とができる。中でも、所定形状のマンドレルを未加硫ゴ
ムホースの内部へ挿入することは容易かつ確実に巻着成
形体の形状を所望のものに保持することができるので既
に広く行われている。即ち、この場合は、所定の形状を
有するマンドレルを未加硫ゴムホースの内部へ少なくと
も加硫工程よりも前に挿入するマンドレル挿入工程を、
第二の本方法はさらに含む。なお、マンドレル挿入工程
は、接着剤付着工程の前に行われても(もちろん未加硫
ゴムホース形成後である)、接着剤付着工程とリング巻
着工程との間に行われても、さらにリング巻着工程と加
硫工程との間に行われてもよい。
【0024】第一及び第二の本方法によって製造された
ゴムホースは、厳しい条件下であっても金属リングをゴ
ムホースの所定位置に保持し続けることができるので、
極めて高い耐久性及び信頼性を有する。このため本方法
によって製造されたゴムホースは、種々の目的に使用さ
れることができるが、とりわけ自動車のラジエターホー
スとして好適に使用されることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づき図面を参照して詳述するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。なお、第一の本方法と第二の本方法
とに分けて、実施形態を説明する。
【0026】(第一の本方法の実施形態)図1は、一実
施例の第一の本方法に使用される未加硫ゴムホースを示
す斜視図である。図1を参照して、未加硫ゴムホース1
1は円柱形の筒内部13を有する。筒内部13は、未加
硫ゴムホース11の両底面部分に形成された開口15、
17によって筒外部19と連通している。未加硫ゴムホ
ース11は、従来からゴムホースを製造する際に行って
いた周知方法によって製造すればよい(例えば、前述の
ように素練り工程、混合工程、成形工程等を経て製造す
ればよい。)。本実施形態では、未加硫ゴムホース11
は未加硫のEPDMゴムを用いた押出成形法によって形
成された。また、図1には示していないが、未加硫ゴム
ホース11を補強するための繊維(例えば、糸や布等)
を未加硫ゴムホース11の壁部21に練り込んだり、繊
維を含む層を壁部21に沿って埋め込むように設けたも
のでもよい。さらに、壁部21の内側部分に異質材料に
よって形成された層(例えば、ポリアミドの薄膜層)を
設けたようなものでもよい。なお、図1には円筒形の未
加硫ゴムホース11を示しているが、必ずしも円筒であ
る必要はなく楕円筒形や角筒形等であってもよく、蛇腹
部分を有するものであってもよい。
【0027】次に、未加硫ゴムホース11の内側(筒内
部13)へ所定形状を有するマンドレルを挿入する。図
2は、マンドレル23を未加硫ゴムホース11の内部に
挿入するマンドレル挿入工程が完了したところを示す断
面図である。マンドレル23はその長手方向に対して垂
直な切断面において円形の断面形状を有し、一端25
と、他端27と、一端25と他端27との間の屈曲部2
9とを有し(マンドレル23は円筒を軸方向途中で屈曲
させた形状を有する)、他端27は支持物31へ固定さ
れている。なお、本実施例の場合、未加硫ゴムホース1
1を、マンドレル23に対して一端25側から他端27
側へ移動させることでマンドレル23を未加硫ゴムホー
ス11の内部に挿入したが、マンドレル23を未加硫ゴ
ムホース11に対して移動させて行っても、また両者を
共に移動させて行ってもよい。未加硫ゴムホース11
は、その内部にマンドレル23を挿入されることによっ
て、製品ゴムホースの形状に固定されている。
【0028】図3は、本実施例に使用する一例の金属リ
ング33を示す上面図であり、図4は図3のX−X断面
図であり、図5は図3の矢印Aの方向から金属リング3
3を見たところを示す図である。図3乃至図5を参照し
て、金属リング33は一端35と他端37との間で切断
されており、全周にわたって連続していない。金属リン
グ33は一端35と他端37との間の部分で重なり合い
部分39を有しており、重なり合い部分39では図4及
び図5に示すように上下方向に金属リング33の一部が
重なり合っている。重なり合い部分39は金属リング3
3の周に沿って約40mmとされており、それは全周の
約20%となっている。金属リング33の断面形状は円
形をしている(図4の断面部分を参照されたい)。金属
リング33は、ばね弾性を有するばね鋼である硬鋼線に
よって形成されている。
【0029】図6は、他の一例の金属リング41を示す
上面図であり、図7は図6のY−Y断面図であり、図8
は図6の矢印Bの方向から金属リング41を見たところ
を示す図である。図6乃至図8を参照して、金属リング
41は一端43と他端45との間で切断されており、全
周にわたって連続していない。金属リング41は一端4
3と他端45との間の部分で重なり合い部分47を有し
ており、重なり合い部分47では図6及び図7に示すよ
うに一方が他方を巻き込むように金属リング41の一部
が重なり合っている。重なり合い部分47は金属リング
41の周に沿って約40mmとされており、それは全周
の約20%となっている。金属リング41の断面形状は
幅広の長方形をしている(図7の断面部分を参照された
い)。金属リング41は、金属リング33と同じ材質の
板材によって形成されている。
【0030】図9は、本実施例の第一工程を示す断面図
である(図2と同じ断面を示している)。図9を参照し
て、図3乃至図5に示された金属リング33を未加硫ゴ
ムホース11の外周部分に巻着する第一工程を示してい
る。金属リング33を未加硫ゴムホース11の外周部分
の所定位置51へ移動するために、未加硫ゴムホース1
1の外周部分に接触しないように広げられた金属リング
33aが示されている(いかなる方法で広げられても良
いが、例えば、一端35と他端37とを手で把持して広
げてもよい)。この状態の金属リング33aを所定位置
51へと移動し、金属リング33aを広げている力を取
り除いて、未加硫ゴムホース11の外周部分の所定位置
51に金属リング33が巻着されている(金属リング3
3はばね弾性を有する材料によって形成されているので
金属リング33aを広げている力を取り除けば元の形状
に戻る)。金属リング33の断面のうちマンドレル23
の図中右側に位置するものが2本示されているのは、金
属リング33が重なり合った部分の断面が示されている
ことによる。なお、これ以外の方法、例えば金属製の線
状部材(リング状になっていない)を単に未加硫ゴムホ
ース11の外周部分の所定位置51へ巻き付けることに
よって行うこともできる。さらに、金属リング33の外
面に接着剤を塗布した後、金属リング33を未加硫ゴム
ホース11の外周部分に巻着してもよい。
【0031】図10は、本実施例の第二工程を示す断面
図である(図2及び図9と同じ断面を示している)。図
10を参照して、未加硫ゴムシート61が、金属リング
33の上から金属リング33に密着し跨るように未加硫
ゴムホース11の外周部分へ貼着されている。これによ
って未加硫ゴムホース11と金属リング33と未加硫ゴ
ムシート61とによって未加硫成形体63が形成されて
いる。未加硫ゴムシート61は、未加硫ゴムホース11
と同じ材料によって形成されている。なお、未加硫ゴム
シート61が金属リング33に「密着する」とは、図1
0のように加硫ゴムシート61が金属リング33の一部
に密着していれば足る。また、未加硫ゴムシート61が
金属リング33に「跨る」とは、図10の断面のように
金属リング33の両側(図10では上下)において未加
硫ゴムシート61が未加硫ゴムホース11の外周部分へ
貼着されている状態をいう。また、未加硫ゴムシート6
1は、それによって形成されるシート部分69(図13
参照)が十分な強度で金属リング33を保持できるよう
な幅(図10では、未加硫ゴムシート61の上下方向の
寸法)を有するようにされる。さらに、本実施例の場合
は、未加硫ゴムシート61は、未加硫ゴムホース11の
外周部分の全周にわたって連続的に貼着されているが、
必ずしも全周にわたって貼着される必要はなく、その一
部に貼着されてもよい。
【0032】図11は、嵌着物体嵌着工程を示す断面図
である(図10と同じ断面を示している)。未加硫ゴム
シート61が貼着された、未加硫成形体63の外周部に
弾性体バンド65が嵌着されている。弾性体バンド65
は、該外周部の外周長さに比して約80%の内周長さと
2mmの厚みを有する、シリコンゴムによって形成され
た弾力に富んだバンドである。弾性体バンド65を該外
周部に嵌着することで緊縮力が未加硫ゴムシート61に
与えられ、未加硫ゴムシート61が金属リング33と未
加硫ゴムホース11へ一層強く密着される。なお、弾性
体バンド65を該外周部に嵌着すること(嵌着物体嵌着
工程)は必ずしも必須ではない。
【0033】その後、第三工程として図11に示された
未加硫成形体63に加硫処理を行った後、弾性体バンド
65を取り外し、さらにゴムホースをマンドレル23か
ら抜き取って製品ゴムホースが完成された。加硫処理
は、従来からの加硫処理と同様に行った(150℃で3
0分間保持した)。この加硫処理の初期段階において未
加硫ゴムシート61と未加硫ゴムホース11とが軟化し
た際、弾性体バンド65の緊縮力によって未加硫ゴムシ
ート61が金属リング33と未加硫ゴムホース11とに
完全に密着し、未加硫ゴムシート61と未加硫ゴムホー
ス11とが融合した。図12に製品ゴムホース67の断
面図を示す。図12を参照して、製品ゴムホース67の
所定位置には金属リング33が埋設された状態で極めて
強固に保持されている。図13は、金属リング33が埋
設された、製品ゴムホース67の部分の拡大断面図であ
り、切断面は図12と同じ面である(即ち、図12の部
分拡大図になっている)。図13を参照して、製品ホー
ス67は、シート部分69(未加硫ゴムシート61から
形成された部分)とホース部分71(未加硫ゴムホース
11から形成された部分)を有し、金属リング33はシ
ート部分69とホース部分71とによって取り囲まれて
いる。なお、未加硫ゴムシート61と未加硫ゴムホース
11との境界部分73は製品ゴムホース67においては
完全に消失しており、現実にはシート部分69とホース
部分71との明確な区別はできず両者が一体として最初
から形成されたかのような構造をとっている。このた
め、経時的にシート部分69がホース部分71から剥離
して金属リング33の保持が解かれるおそれがなく、信
頼性、耐久性及び強度等が極めて高い製品ゴムホース6
7を得ることができた。従って、厳しい条件(高温、振
動、燃料や水等の付着、埃)下において極めて高い信頼
性や耐久性が求められる自動車のラジエターホースとし
て好適に使用可能であることが判明した。
【0034】図14は、本実施例の方法によって製造し
たゴムホースの耐負圧性を評価したグラフである。図1
4を参照して、評価に用いたゴムホースは内径が66m
mの円筒状の形状を有しており、肉厚が6mmのものを
使用した。太さが3mmの丸棒によって形成された金属
リングを複数用い、製品ゴムホースの長手方向に沿った
隣接する金属リングの間の距離(以下、「ピッチ」とい
う。単位mm)をグラフ横軸にとり、製品ゴムホース内
部に加えられ該製品ゴムホースにつぶれを生じたときの
減圧度(常圧では0とする。以下、「減圧度」という。
単位mmHg)をグラフ縦軸にとった。最初に金属リン
グを使用しないときの減圧度を測定したところほぼ−8
0mmHgであったが、図14から明らかなようにピッ
チを小さくするにつれて減圧度は大きくなり(数字は負
の数字であるので次第に小さくなり)、金属リングを密
に配置することは減圧度を上昇させるために極めて効果
的であることが確認された。第一の本方法によれば、金
属リングを確実に固定することができるので、不意にピ
ッチが変化して(金属リングが移動して)製品ゴムホー
スの耐負圧性(耐正圧性も同様)が低下する問題は発生
し得ず、極めて高い信頼性及び耐久性を有するゴムホー
スを製造することができる。
【0035】(第二の本方法の実施形態)一実施例の第
二の本方法に使用される未加硫ゴムホースを準備する。
未加硫ゴムホースは加硫されることでゴムホース本体部
となる。ここでは第一の本方法に使用された、図1に示
された未加硫ゴムホース11(未加硫のEPDMゴム
製)を使用する。未加硫ゴムホース11を補強するため
の繊維(例えば、糸や布等)を未加硫ゴムホース11の
壁部21に練り込んだり、繊維を含む層を壁部21に沿
って埋め込むように設けたり、壁部21の内側部分に異
質材料によって形成された層(例えば、ポリアミドの薄
膜層)を設けてもよいことは前述の通りである。さら
に、未加硫ゴムホース11のごとく円筒形状である必要
は必ずしもなく、楕円筒形や角筒形等であってもよく、
蛇腹部分を有するものであってもよい。
【0036】次に、第一の本方法と同様に、未加硫ゴム
ホース11の内側(筒内部13)へ所定形状を有するマ
ンドレルを挿入する。これは、第一の本方法におけるマ
ンドレル挿入工程と同様に行われればよく、図2に示し
たようにマンドレル23が未加硫ゴムホース11の内部
に挿入される。
【0037】図15は、一実施例の第二の本方法に使用
される金属リング101を示す斜視図であり、図16は
金属リング101の上面図(図15中の矢印Eの方向か
ら見たもの)であり、図17は図16のP−P断面図で
ある(図15乃至図17のいずれも図示しない手によっ
て一端103と他端105との間を広げた状態を示して
いる。)。図15乃至図17を参照して、金属リング1
01について説明する。金属リング101は、軸方向長
さ(図中では幅Wによって示している)が短い円筒形の
側面の一部を軸方向と平行方向に切り取った形状を有し
ている。即ち、金属リング101の一部が切断されてお
り、金属リング101は、切断された一端103と他端
105とを有している。一端103と他端105との間
には隙間107が形成されている。なお、図示しない手
によって一端103と他端105との間を広げず金属リ
ング101に力を加えなければ、隙間107はほとんど
存在せず、一端103と他端105とはほぼ接した状態
になっており、このとき金属リング101の内周面11
1は直径約70mmの円柱側面形状を形成している)。
金属リング101の断面形状(図17の断面形状に同じ
であり、金属リング101は周に沿った全ての部分にお
いて図17に示された断面形状と同じ断面形状を有す
る。)は、細長い長方形(幅Wと同じ長さの長辺と厚さ
Tと同じ長さの短辺とを有し、角部がやや丸められてい
る。)をしており、金属リング101の内周面111側
の長辺109部分が未加硫ゴムホースの外周部分に接す
ることになる。金属リング101はばね鋼である硬鋼線
によって形成されている。ここで金属リング101の幅
Wはあまり小さいとゴムホース本体部にうまく接着され
ず、またあまり大きいと製造されたゴムホースの柔軟性
等を害するので、これら両条件を満足する範囲とされる
ことが好ましい。通常、幅Wは、好ましくは3mm以上
とされ、より好ましくは5mm以上とされ、最も好まし
くは10mm以上とされ、そして、好ましくは30mm
以下とされ、より好ましくは25mm以下とされ、最も
好ましくは15mm以下とされる。金属リング101の
厚さTはあまり小さいとゴムホース本体部を十分補強で
きず、またあまり大きいと金属リング101のばね定数
が大きくなりすぎたり重量が大幅に増加するので、これ
ら両条件を満足する範囲とされることが好ましい。通
常、厚さTは、好ましくは0.3mm以上とされ、より
好ましくは0.35mm以上とされ、最も好ましくは
0.4mm以上とされ、そして、好ましくは1.0mm
以下とされ、より好ましくは0.8mm以下とされ、最
も好ましくは0.6mm以下とされる。
【0038】次に、接着剤付着工程として、図15乃至
図17に示された金属リング101の内周面111に接
着剤を付着させる。接着剤としては、ロード・ファー・
イースト・インコーポレイテッド社製のCHEMLOK
(登録商標)の品番205を下塗り接着剤として用い、
同社製のCHEMLOK(登録商標)の品番236を上
塗り接着剤として使用した。接着剤は、図示しない刷毛
によって金属リング101の内周面111全面にむらな
く十分に塗布された(塗布された接着剤の厚みは、下塗
り接着剤と上塗り接着剤ともに各々約10ミクロンであ
った。)。図18は、金属リング101の内周面111
全面に接着剤層113が形成されたところ(接着剤付着
工程が完了したところ)を示す上面図(図16と同じ位
置から見たところを示す。)である。塗布された接着剤
によって、金属リング101の内周面111全面にほぼ
均一厚みの接着剤層113が形成されている。なお、図
18には、1層の接着剤層113として示されている
が、実際は下塗り接着剤層と上塗り接着剤層とが形成さ
れている。ここでは接着剤を刷毛によって塗布したが、
その外周面に接着剤が付着されたローラーの該外周面を
接触させることや、接着剤を噴霧することや、容器中に
貯留された接着剤中へ浸漬すること等によって接着剤を
金属リング101の内周面111に付着させてもよい。
また、ここでは金属リング101にのみ接着剤を付着さ
せたが、未加硫ゴムホース11にのみ接着剤を付着させ
ても、また金属リング101と未加硫ゴムホース11と
の両方に接着剤を付着させてもよい。
【0039】接着剤付着工程の後、リング巻着工程が行
われる。図19はリング巻着工程を示す側面図であり、
マンドレル23に外嵌された未加硫ゴムホース11の外
周部分121に、接着剤が付着された金属リング101
を巻着し巻着成形体を形成するところを示している。金
属リング101を未加硫ゴムホース11の外周部分12
1の所定位置へ移動させるために、未加硫ゴムホース1
1の外周部分121に接触しないように広げられた金属
リング101aが示されている(いかなる方法で広げら
れても良いが、例えば、一端103と他端105とを手
で把持して広げてもよい)。この状態の金属リング10
1aを未加硫ゴムホース11の外周部分121の所定位
置へと移動させ、金属リング101aを広げている力を
取り除いて、未加硫ゴムホース11の外周部分121の
所定位置に金属リング101を巻着させる(金属リング
101はばね弾性を有する材料(ばね鋼である硬鋼線)
によって形成されているので金属リング101aを広げ
ている力を取り除けば元の形状に戻る)。なお、金属リ
ング101が巻着される、外周部分121の所定位置の
直径(未加硫ゴムホース11が形成する円筒外周面の直
径)は、約76mmであった。このため力を加えない状
態での金属リング101の内周面111(内周部分)
は、金属リング101が巻着される、未加硫ゴムホース
11の外周部分121よりもやや小さい(金属リング1
01の内周面111(内周部分)は未加硫ゴムホース1
1の外周部分121(金属リングが巻着される外周部
分)に対して、相似比は70/76=0.92であっ
た。)。
【0040】図20は、図19に示されたリング巻着工
程によって形成された巻着成形体131を示す側面図で
ある(図19と同じ位置から見たところを示してい
る。)。図21は、図20のQ−Q断面図である。図2
0と図21を参照して、巻着成形体131について説明
する。巻着成形体131は未加硫ゴムホース11と金属
リング101とによって構成されている。マンドレル2
3に未加硫ゴムホース11が外嵌されている。未加硫ゴ
ムホース11の外周部分121に金属リング101が巻
着されている。金属リング101は、互いに約20mm
離れた一端103と他端105との間に形成された隙間
107の部分を除いて未加硫ゴムホース11の外周部分
121に接し取り囲んでいる。なお、未加硫ゴムホース
11の外周部分121に巻着され広げられた金属リング
101は、自らの内周面111(内周部分)を未加硫ゴ
ムホース11の外周部分121に押しつけている。隙間
107は、製造されたゴムホースが使用される際に一端
103と他端105とが衝突等して金属リング101が
ゴムホース本体部から剥離等しないために設けられてい
る。従って、一端103と他端105との間の距離(即
ち、隙間107、今回は20mm)はあまり小さいと一
端103と他端105との衝突等をうまく回避できず、
またあまり大きいと金属リング101の補強効果が小さ
くなるので、これら両条件を満足する範囲内とされるこ
とが好ましい。通常、該距離は、好ましくは5mm以上
とされ、より好ましくは10mm以上とされ、最も好ま
しくは15mm以上とされ、そして好ましくは40mm
以下とされ、より好ましくは30mm以下とされ、最も
好ましくは25mm以下とされる。未加硫ゴムホース1
1が形成する筒形状の外側側面(外周部分121)を未
加硫ゴムホース11の長手方向135(金属リング10
1が巻着された部分における長手方向をいう。)に対し
て略垂直面137(ここではQ−Q断面と一致してい
る。)内で一巡する方向(図21において方向139)
に向かって金属リング101が延びるように、金属リン
グ101が巻着されている。なお、未加硫ゴムホース1
1の外周部分121と金属リング101との間には、接
着剤によって形成された接着剤層が存在するが、ここで
は図示していない。
【0041】図22は、図21のR−R断面(金属リン
グ101をそのリング長手方向に対して垂直な面)に沿
って、図20に示された巻着成形体131を切断したと
ころの金属リング101の近傍を示す部分断面図である
(即ち、図22は、金属リング101をそのリング長手
方向に対して垂直な切断面によって切断したところを示
している。)。図22を参照して、巻着成形体131に
ついて説明する。マンドレル23に未加硫ゴムホース1
1が外嵌されている。未加硫ゴムホース11の外周部分
121に金属リング101が巻着されている。未加硫ゴ
ムホース11の外周部分121と金属リング101との
間には、接着剤によって形成された接着剤層141が介
在している。接着剤層141は下塗り接着剤と上塗り接
着剤とによって形成されている。金属リングの断面形状
(金属リングをそのリング長手方向に対して垂直な切断
面によって切断したときの形状)は、細長い長方形(幅
Wと同じ長さの長辺と厚さTと同じ長さの短辺とを有
し、角部が若干丸められている。)をしている。細長い
長方形の周囲のうち、長辺が未加硫ゴムホース11の外
周部分に接している(金属リング101と未加硫ゴムホ
ース11との間に接着剤層141が介在しており、接着
剤層141によって金属リング101と未加硫ゴムホー
ス11とが直接接していないが、このような状態も本発
明にいう「接する」場合に含む。)。ここに、巻着成形
体131において、金属リング101の断面周囲の全周
囲長さは(2W+2T)であり(角部が若干丸められて
いることは無視する)、金属リング101の断面周囲の
うち未加硫ゴムホース11の外周部分に接している部分
の長さはWであるので、金属リング101の断面周囲の
うち未加硫ゴムホース11の外周部分に接している部分
の長さ(W)が金属リング101の断面周囲の全周囲長
さ((2W+2T))に対する比率は(W/(2W+2
T))となる。ここにW=12mmとされT=0.6m
mとされているので、該比率(W/(2W+2T))×
100=47.6%となり、40%以上になっている
(かつ50%以下である。)。
【0042】次いで加硫工程を行う。加硫工程は、リン
グ巻着工程によって形成された巻着成形体131に加硫
処理を行う。なお、必要に応じて加硫工程を行う前に、
接着剤を乾燥させるための乾燥工程を設けてもよい。加
硫処理は、従来からの加硫処理と同様に行った(未加硫
ゴムホース11が未加硫のEPDMゴムによって形成さ
れているので、150℃で30分間、加硫反応させ
た。)。ここに、力を加えない状態での金属リング10
1の内周面111(内周部分)は、金属リング101が
巻着される、未加硫ゴムホース11の外周部分121よ
りもやや小さくなる金属リング101を使用したので、
未加硫ゴムホース11の外周部分121に巻着され広げ
られた金属リング101は、自らの内周面111(内周
部分)を未加硫ゴムホース11の外周部分121に加硫
工程中、十分な力で押しつけ続けていたので(金属リン
グ101はばね鋼によって形成されている)、極めて強
固かつ確実な接着が達成された。その後、マンドレル2
3から加硫されたゴムホースが抜き取られ、第二の本方
法によってゴムホースが完成された。図23は完成され
たゴムホース151を示す側面図であり、図24は、ゴ
ムホース151と金属リング101との接着部分を示す
部分断面図である(図22と同じ断面によって切断され
ている。)。図23及び図24を参照して、完成された
ゴムホース151について説明する。ゴムホース本体部
161の外周部分163に金属リング101が巻着され
ている。図22において存在した接着剤層141は接着
層166になっている。金属リング101は強固かつ確
実にゴムホース本体部161へ接着され固定されてい
る。このため、経時的に金属リング101の固定が解か
れるおそれがなく、信頼性、耐久性及び強度等が極めて
高いゴムホース151を得ることができた。従って、ゴ
ムホース151は、厳しい条件(高温、振動、燃料や水
等の付着、埃)下において極めて高い信頼性や耐久性が
求められる自動車のラジエターホースとして好適に使用
可能であることが判明した。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、第
一の本方法によれば、ゴムホースを補強する金属リング
が、完全に融合したシート部分とホース部分とによって
包み込まれるので極めて強固に固定(保持)され、経時
的にシート部分がホース部分から剥離して金属リングの
保持が解かれるおそれがない。このため第一の本方法に
よって製造されたゴムホースは、金属リングを所定位置
に固定(保持)し続けることができ、信頼性、耐久性及
び強度等において極めて優れたゴムホースとすることが
できる。また、金属リングがゴムホース外周面において
むき出しにならない(シート部分によって被われる)の
で、美感にも優れる。
【0044】第二の本方法によれば、ゴムホースを補強
する金属リングが、接着剤によってゴムホース本体部へ
接着され強固に固定されるので、経時的に金属リングの
固定(保持)が解かれるおそれもない。このため第二の
本方法によって製造されたゴムホースは、金属リングを
所定位置に固定(保持)し続けることができ、信頼性、
耐久性及び強度等において極めて優れたゴムホースとす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の第一の本方法に使用される未加硫ゴ
ムホースを示す斜視図である。
【図2】第一の本方法において、マンドレルを未加硫ゴ
ムホースの内部に挿入するマンドレル挿入工程が完了し
たところを示す断面図である。
【図3】本実施例に使用する一例の金属リングを示す上
面図である(第一の本方法)。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】図3の矢印Aの方向から金属リングを見たとこ
ろを示す図である。
【図6】他の一例の金属リングを示す上面図である(第
一の本方法)。
【図7】図6のY−Y断面図である。
【図8】図6の矢印Bの方向から金属リングを見たとこ
ろを示す図である。
【図9】本実施例の第一工程を示す断面図である(第一
の本方法)。
【図10】本実施例の第二工程を示す断面図である(第
一の本方法)。
【図11】嵌着物体嵌着工程を示す断面図である(第一
の本方法)。
【図12】製品ゴムホースの断面図である(第一の本方
法)。
【図13】金属リングが埋設された、製品ゴムホースの
部分の拡大断面図である(第一の本方法)。
【図14】本実施例の方法によって製造したゴムホース
の耐負圧性を評価したグラフである(第一の本方法)。
【図15】一実施例の第二の本方法に使用される金属リ
ングを示す斜視図である。
【図16】図15に示された金属リングの上面図であ
る。
【図17】図16のP−P断面図である。
【図18】図15乃至17に示した金属リングの内周面
全面に接着剤層が形成されたところ(接着剤付着工程が
完了したところ)を示す上面図である(第二の本方
法)。
【図19】第二の本方法のリング巻着工程を示す側面図
である。
【図20】第二の本方法のリング巻着工程によって形成
された巻着成形体を示す側面図である。
【図21】図20のQ−Q断面図である。
【図22】図21のR−R断面に沿って、図20に示さ
れた巻着成形体を切断したところの金属リング近傍を示
す部分断面図である。
【図23】第二の本方法によって完成されたゴムホース
を示す側面図である。
【図24】ゴムホースと金属リングとの接着部分を示す
部分断面図である。
【符号の説明】
11 未加硫ゴムホース 13 筒内部 15、17 開口 19 筒外部 21 壁部 23 マンドレル 25 マンドレルの一端 27 マンドレルの他端 29 マンドレルの屈曲部 31 支持物 33、41 金属リング 33a 広げられた金属リング 35、43 金属リングの一端 37、45 金属リングの他端 39、47 金属リングの重なり合い部分 51 所定位置 61 未加硫ゴムシート 63 未加硫成形体 65 弾性体バンド 67 製品ゴムホース 69 シート部分 71 ホース部分 73 境界部分 101 金属リング 101a 広げられた金属リング 103 金属リングの一端 105 金属リングの他端 107 金属リングの一端と他端との間
の隙間 109 長辺 111 金属リングの内周面 113 接着剤層 121 未加硫ゴムホースの外周部分 131 巻着成形体 135 長手方向 137 略垂直面 139 方向 141 接着剤層 151 完成されたゴムホース 161 ゴムホース本体部 163 ゴムホース本体部の外周部分 166 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:06 105:24 B29L 23:00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未加硫ゴムホースの外周部分に金属リング
    を巻着する第一工程と、該金属リングの上から該金属リ
    ングに密着し跨るように未加硫ゴムシートを該未加硫ゴ
    ムホースの該外周部分へ貼着し未加硫成形体を形成する
    第二工程と、該未加硫成形体に加硫処理を行う第三工程
    と、を含む、ゴムホースの製造方法。
  2. 【請求項2】所定の形状を有するマンドレルを該未加硫
    ゴムホースの内部へ少なくとも該第三工程よりも前に挿
    入するマンドレル挿入工程を、さらに含むものである、
    請求項1に記載のゴムホースの製造方法。
  3. 【請求項3】該金属リングの一部が切断されているもの
    である、請求項1又は2に記載のゴムホースの製造方
    法。
  4. 【請求項4】該金属リングの切断された一端と他端との
    間で、該金属リングが重なり合っているものである、請
    求項3に記載のゴムホースの製造方法。
  5. 【請求項5】該金属リングが、ばね弾性を有するばね鋼
    によって形成されているものである、請求項1乃至4の
    いずれかに記載のゴムホースの製造方法。
  6. 【請求項6】該第一工程及び/又は該第二工程において
    該金属リングの外面に接着剤が塗布されるものである、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のゴムホースの製造方
    法。
  7. 【請求項7】該未加硫ゴムシートが貼着された該未加硫
    形成体の外周部に嵌着されることによって適当な緊縮力
    を該未加硫ゴムシートに与える帯状の嵌着物体であって
    該第三工程完了後に該外周部より取り外し可能な嵌着物
    体を、該外周部に嵌着する嵌着物体嵌着工程を、該第二
    工程と該第三工程との間にさらに含むものである、請求
    項1乃至6のいずれかに記載のゴムホースの製造方法。
  8. 【請求項8】ゴムホース本体部の外周部分に巻着された
    金属リングによって補強されたゴムホースの製造方法で
    あって、 該金属リングが該ゴムホース本体部へ接着されるよう
    に、該金属リングと、加硫されることで該ゴムホース本
    体部となる未加硫ゴムホースと、のうち一方又は両方に
    接着剤を付着させる接着剤付着工程と、 該未加硫ゴムホースの外周部分に該金属リングを巻着し
    巻着成形体を形成するリング巻着工程と、 該巻着成形体に加硫処理を行う加硫工程と、を含む、ゴ
    ムホースの製造方法。
  9. 【請求項9】所定の形状を有するマンドレルを該未加硫
    ゴムホースの内部へ少なくとも該加硫工程よりも前に挿
    入するマンドレル挿入工程を、さらに含むものである、
    請求項8に記載のゴムホースの製造方法。
  10. 【請求項10】該巻着成型体において、該金属リングの
    断面周囲のうち該未加硫ゴムホースの外周部分に接して
    いる部分の長さが、該断面周囲の全周囲長さに対して2
    5%以上である、請求項8又は9に記載のゴムホースの
    製造方法。
  11. 【請求項11】該金属リングの断面形状が長方形であ
    り、該長方形の長辺が該未加硫ゴムホースの該外周部分
    に接しているものである、請求項8乃至10のいずれか
    に記載のゴムホースの製造方法。
  12. 【請求項12】該金属リングの一部が切断されているも
    のである、請求項8乃至11のいずれかに記載のゴムホ
    ースの製造方法。
  13. 【請求項13】該金属リングが、ばね弾性を有するばね
    鋼によって形成されているものである、請求項8乃至1
    2のいずれかに記載のゴムホースの製造方法。
  14. 【請求項14】該ゴムホースが、自動車のラジエターホ
    ースとして使用されるものである、請求項1乃至13の
    いずれかに記載のゴムホースの製造方法。
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