JP3815589B2 - ゴムホースの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムホースの製造方法に関し、より詳細には、外周部分が金属リングによって補強されたゴムホースの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムホースは、その柔軟性からそれが連結するものの位置関係変化を一定量許容し、さらに連結するものの間に振動を伝達しないこと等から種々の用途に利用されている。とりわけゴムホースは自動車のエンジン周りの各機器間を連絡するために多用されており、例えば、ラジエターとエンジンとの連結やラジエターと冷却水ポンプとの連絡等に使用されている。ところがこのゴムホースは内部に負圧又は正圧が作用すると、その柔軟性からつぶれたり(大気圧によって)又は膨らんだりすることがあり、特に高温下においてその傾向が強くなる。このためこれらつぶれ又は膨らみを防止するため、種々の対策が検討されてきた。その中で、ゴムホースの外周面にほぼ接した状態の金属リングを設けることによって、ゴムホース内部に加えられる負圧又は正圧に対する強度(以後、それぞれ「耐正圧強度」及び「耐負圧強度」といい、両者を合わせて「耐正負圧強度」という。)を大幅に上昇させることができることが判明した。この作用としては、まず正圧がゴムホース内部に付加されるとゴムホースが膨張しようとするが、その際金属リングがゴムホースの外周面に当接してこれを防止する。一方、負圧がゴムホース内部に付加されるとゴムホースがつぶれようとするが、つぶれて扁平になるにはつぶれる方向とは垂直方向に突出しなければならず、この突出を金属リングがゴムホースの外周面に当接して阻止するので、ゴムホースはつぶれることができない。このようにゴムホースの外周面にほぼ接した状態の金属リングを設けるという極めて簡単な構成でありながら、高温下でも高い補強効果を維持し(金属製のリングであるので樹脂やゴムの耐熱性とは全く異なる)、ゴムホースを大型化したり、重量を大幅に増加させたり、そしてゴムホースの製造が困難になるといった問題もなく、安価なことからも極めて好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴムホースの外周面にほぼ接した状態に設けられた金属リングは、ゴムホースを使用している間にゴムホース長手方向に移動する可能性があり、それに伴って必要な補強箇所を金属リングが補強しなくなることで、ゴムホースの耐正負圧強度が低下するおそれがある。これを防止するためには、金属リングがゴムホースに対して移動しないように十分な強度で取り付ける必要がある。特に、ゴムホースがラジエターホース等のようなエンジン周辺部分に使用される場合、極めて高い信頼性が要求される反面、振動、熱及び燃料等にさらされる極めて厳しい条件下において確実に金属リングを取り付けた状態を維持し続けなければならない。
【0004】
そこで本発明では、ゴムホースの外周面にほぼ接した状態に設けられた金属リングをゴムホース外周面の所定位置に保持し続けることができるゴムホースの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(第一の本発明)
上記目的を達成するために、第一の本発明は、未加硫ゴムホースの外周部分に金属リングを巻着する第一工程と、該金属リングの上から該金属リングに密着し跨るように未加硫ゴムシートを該未加硫ゴムホースの該外周部分へ貼着し未加硫成形体を形成する第二工程と、該未加硫成形体に加硫処理を行う第三工程と、を含む、ゴムホースの製造方法である。こうすることで第三工程の加硫処理において未加硫ゴムシートが未加硫ゴムホースの外周部分と融合し両者の境界部分が消失するので、製品ゴムホースにおいては未加硫ゴムシートから形成された部分(以下、「シート部分」という。)と未加硫ゴムホースから形成された部分(以下、「ホース部分」という。)とがまるで一体物として最初から形成されたかのような構造をとる。このためシート部分とホース部分との間に挟み込まれた金属リングは、極めて強固に両者間で保持される。さらに、シート部分とホース部分とは完全に融合して両者間の境界が消失していることから、経時的にシート部分がホース部分から剥離して金属リングの保持が解かれるおそれもない。即ち、金属リングは、シート部分とホース部分との間に強固にかつ安定に保持される。なお、シート部分とホース部分と別に呼んでいるが、現実には両者の境界が存在しないので、ゴムホース(シート部分とホース部分とを含む)に金属リングが埋設されたかのような状態を形成する。
【0006】
通常、ゴムホースの製造方法は、原料ゴムをせん断力と高温によって可塑化し(素練り工程)、各種の配合薬品(分子間に架橋反応を起こさせるための硫黄、補強性を増すためのカーボンブラック等)を均一に混合し(混合工程)、必要に応じて他の材料(複合体としての強度を持たせるための繊維等)と共にほぼ完成品に近い形(ホース状)に仕上げ(成形工程)て未加硫ゴムホースを形成し、それが所望の完成品形状に保持されるように所定の形状を有するマンドレルをその内部に挿入された状態又は金型内に保持された状態で、熱と圧力とを加えて所定の形状にすると同時に架橋反応を起こさせ高弾性を与え(加硫工程)、最後にマンドレルからホースが抜き取られ又は金型からホースが取り出されることによって行われる。第一の本発明の方法(以下、「第一の本方法」という。)は、未加硫ゴムホースを得るまでは(成形工程までは)この従来の製造方法と同様であり、未加硫ゴムホースの加硫工程を利用するものである。また、第一の本方法に使用される未加硫ゴムホースを形成するゴム材料はいかなる未加硫ゴム材料であってもよく、例えば、EPDMゴムを例示することができる。
【0007】
第一の本方法の第一工程は、未加硫ゴムホースの外周部分に金属リングを巻着する。金属リングは、その内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に密着するものが好ましく、製品ゴムホースの強度を低下等させない範囲であればやや未加硫ゴムホースの外周部分にくい込むものでも構わない。第一の本方法によって製造されるゴムホースに高い耐正負圧強度を持たせるためには、未加硫ゴムホース本体部が形成する筒形状の外側側面を未加硫ゴムホースの長手方向に対して略垂直面内で一巡する方向に向かって金属リングが延びるように、金属リングが巻着されればよい。即ち、金属リングの周囲によって形成された面が未加硫ゴムホースの長手方向に対して垂直に近くなるように、金属リングは未加硫ゴムホースの外周部分に巻着されることが好ましい。こうすることでゴムホース内部へ正圧又は負圧が作用したとき、金属リングはそれぞれ引っぱり応力又は圧縮応力を受けるので金属リングは極めて高い補強効果を発揮することができ、高い耐正負圧強度を得ることができる。(金属リングの周囲によって形成された面が未加硫ゴムホースの長手方向に対して垂直から外れるほど、ゴムホース内部へ正圧又は負圧が加わった場合、金属リングによる補強効果は減少する)。金属リングの断面形状(金属リングをそのリング長手方向に対して垂直な切断面によって切断したときの形状をいう。例えば、角棒を円形環状に加工して形成された金属リングであれば、該金属リングの断面形状は四角形である。)は、金属リングに加わる応力等に応じて様々なものであってよく、円形、半円形、楕円形、半楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形及び八角形等の多角形等が例示できる。とりわけ、円形であれば金属リングの周囲のゴム部分を傷めることがなく、また幅広の長方形(金属リングが板材から形成された場合)であれば一定の幅をもってゴム部分を補強することができるので好ましい。また、未加硫ゴムホース1本に巻着される金属リングの本数は特に制限はなく、1本でもまた2本以上の複数本であっても構わない。なお、複数本の金属リングを使用する場合であれば、未加硫ゴムホースの長手方向に沿って密に配置する方が高い耐正負圧強度のゴムホースとすることができる。
【0008】
金属リングは、その全周にわたって連続したものでもよいが、未加硫ゴムホースの外周部分の所定位置に金属リングを容易に巻着できることからは、その一部が切断されているものを使用することが好ましい。即ち、金属リングの内周が未加硫ゴムホースの外周部分よりも十分大きくなるように金属リングの切断部分を広げた状態で(例えば、手で把持して)未加硫ゴムホースの外周部分の所定位置まで金属リングを移動させることができるので(その後、該切断部分を閉じて金属リングを未加硫ゴムホースの外周部分へ巻着する)、極めて第一工程を迅速かつ円滑に進めることができる。金属リングがその全周にわたって連続している場合には、未加硫ゴムホースの端部から外周部分所定位置まで金属リングを移動させることが難しく(金属リングの内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に密着する場合では、両者が密接した状態で金属リングを移動させなければならない。また、金属リングが未加硫ゴムホースの外周部分にややくい込む場合であれば金属リングの移動は非常に困難である。なお、未加硫ゴムホースが先細り形状を有する場合であれば連続した金属リングであっても問題ない場合もある。)、第一工程を困難にする場合があるからである。一部が切断された金属リングは、その切断部分が弱くなるので、切断部分でリングが重なり合うようにしてもよい。即ち、金属リングの切断された一端と他端との間で金属リングが重なり合うようにすれば、リングの周に沿って見たときに完全にリングがとぎれる部分がなくなるので強度低下を小さくすることができる。切断された一端と他端との間の重なる距離は特に限定されないが、通常10mm〜200mm程度とされればよく、好ましくは30mm〜100mm程度とされる。
【0009】
金属リングを形成する材料は、製品ゴムホースを十分な強度で補強できるものであれば特に限定されないが、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム、チタン、マグネシウム等の金属材料を使用することができる。とりわけ鋼材は、高い強度や経済性を有し信頼性も高いことから好適に使用されることができる。中でもばね弾性を有するばね鋼(例えば、硬鋼線)を使用すれば、第一工程を円滑に行うことができる(金属リングの内周を一時的に変形させて第一工程を行うことができる)と共に、製品ゴムホースに大きな力が加わって金属リングが変形した場合でも該力が除去されると元の形状へと復元するので極めて好ましい。
【0010】
第一の本方法の第二工程は、金属リングの上から金属リングに密着し跨るように未加硫ゴムシートを未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着し未加硫成形体を形成する。第一工程において、未加硫ゴムホースの外周部分に巻着された金属リングの上から未加硫ゴムシートを未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着する。未加硫ゴムシートは、未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着された状態で加硫処理(第三工程)されたとき、未加硫ゴムホースの外周部分と十分融合し一体化する材質で形成されることが好ましく、最も好ましくは未加硫ゴムホースの外周部分と同一の材質で形成される。また、未加硫ゴムシートの貼着は金属リングに密着し跨るように行われる。未加硫ゴムシートが金属リングに密着した状態にされることで、製品ゴムホースにおいてシート部分によって金属リングが遊びのない状態で確実に保持される。また未加硫ゴムシートが金属リングに跨るように貼着されることで、製品ゴムホースにおいてシート部分が金属リングを両側から確実に保持する。なお、ここにいう「跨るように」とは、未加硫ゴムシートが金属リングに対して両側部分で未加硫ゴムホースの外周部分へ貼着された状態をいう。さらに、未加硫ゴムシートが貼着される部分は、金属リングの一部又は全部のいずれであってもよいが、金属リングの保持を確実ならしめるためには金属リングの全部(金属リングの全周)に貼着されることが好ましい。未加硫ゴムシートの厚みは、あまり大きいと製品ゴムホースが大型化すると共に製品ゴムホースの柔軟性が減少し、あまり小さいとシート部分に加わる力に耐えられなかったり金属リングを十分な強度で保持できないので、これら両条件を満足する範囲とされることが望ましく、通常1〜3mm程度とされる。
【0011】
第一の本方法の第三工程は、第二工程によって形成された未加硫成形体に加硫処理を行う。加硫処理は従来からのものと同様に行うことができる。加硫処理を開始すると、未加硫ゴム(未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースとのいずれも)は最初の段階で大幅に軟化するのでこのとき未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースとが完全に融合する。その後、加硫処理が進行し分子間に架橋が形成されることで両者は硬化し、製品ゴムホースとなる。このため製品ゴムホースにおいてはシート部分とホース部分とが完全に融合した状態となるので、両者間に存在する金属リングは確実に保持され、製品ゴムホースが長時間使用されることによってシート部分がホース部分から剥離し金属リングの保持が解かれる問題は発生しない。
【0012】
第二工程で形成される未加硫成形体を第三工程で加硫反応させる際、製品ゴムホースが所望形状になるように未加硫成形体の形状を保持する必要がある。この形状保持は、種々の方法で行うことができ、例えば、所定の形状を有するマンドレルを未加硫成形体のホース形状内部に挿入して未加硫成形体をマンドレルに沿った形状とすることや、未加硫成形体を中型(ホース形状内部に配置される)と外型とで挟み込むことによって行うことができる。中でも、マンドレルを未加硫成形体の内部へ挿入することは容易かつ確実に未加硫成形体の形状を所望のものに保持することができるので既に広く行われている。即ち、この場合は、所定の形状を有するマンドレルを未加硫ゴムホースの内部へ少なくとも第三工程よりも前に挿入するマンドレル挿入工程を、第一の本方法はさらに含む。なお、マンドレル挿入工程は、第一工程の前に行われても(もちろん未加硫ゴムホース形成後である)、第一工程と第二工程との間に行われても、さらに第二工程と第三工程との間に行われてもよい。しかしながら未加硫ゴムホース内部へマンドレルを容易に挿入することができる点からは第一工程の前に行うことが好ましい。
【0013】
第一工程及び/又は第二工程において、金属リングの外面に接着剤を塗布するようにしてもよい。こうすることで未加硫ゴムホースと金属リングとの間及び第二工程において貼着される未加硫ゴムシートと金属リングとの間を接着剤によってより強力に結合させることができ、製品ゴムホースにおいてもホース部分と金属リングとの間及びシート部分と金属リングとの間が強力に結合するので、製品ゴムホースの強度や耐久性を大幅に向上させることができる。使用可能な接着剤は、ゴムホースの材質に応じ、加硫前に塗布することで加硫後に金属とゴムとを接着することができるものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、未加硫ゴムホースが未加硫のEPDMゴムによって形成されている場合、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製のCHEMLOK(登録商標)の品番205を下塗り接着剤として用い、同社製のCHEMLOK(登録商標)の品番236を上塗り接着剤として用いることができる。ここで同社製CHEMLOK(登録商標)の品番205は、汎用プライマー、NBR用接着剤として用いられるもので、灰色、固形分22.0〜26.0%、粘度85〜165cps、比重0.92〜0.97、引火点17.0℃、希釈剤MIBK、MEKの基本性状を有する(いずれも同社カタログより引用)。また同社製CHEMLOK(登録商標)の品番236は、汎用接着剤、上塗りとして用いられるもので、黒色、固形分17.0〜21.0%、粘度350〜550cps、比重1.00〜1.06、引火点22.0℃、希釈剤トルエン、キシレンの基本性状を有する(いずれも同社カタログより引用)。なお、ここにいう「金属リングの外面に接着剤を塗布する」とは、第二工程で形成される未加硫成形体において金属リングの外面に接着剤が塗布されていれば足り、必ずしも接着剤を金属リング外面に直接塗布することを要するものではなく、例えば、第一工程において金属リングがこれから巻着される未加硫ゴムホースの部分に接着剤を塗布しておいてその後金属リングを該部分に巻着することや、第二工程においてこれから貼着される未加硫ゴムシートのうち、金属リングと接触する部分に接着剤を塗布しておいてその後該部分が金属リングに接触するように未加硫ゴムシートを貼着することを含む。なお、ここにいう「塗布」とは、接着剤を付着させる行為全般を意味し、従って塗りつけ(刷毛、ローラー等いかなるものを使用してもよい)、噴霧、浸漬等の全てを含む。
【0014】
未加硫ゴムシートが貼着された未加硫形成体の外周部に嵌着されることによって適当な緊縮力を該未加硫ゴムシートに与える帯状の嵌着物体であって第三工程完了後に該外周部より取り外し可能な嵌着物体を、該外周部に嵌着する嵌着物体嵌着工程を、第二工程と第三工程との間にさらに含むようにしてもよい。これは嵌着物体が未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースとを密着させる緊縮力を未加硫ゴムシートに与えることで、加硫処理の初期段階において未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースとが軟化した際、一層両者が密接し融合するように作用する。特に、未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースとの間に一定の厚さを有する金属リングが挟み込まれているので、両者を密着させ融合させるには嵌着物体を該外周部に嵌着し未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースとを締めつけることが好ましい。嵌着物体としては、未加硫ゴムシートが貼着された未加硫形成体の外周部に嵌着されることによって適当な緊縮力を該未加硫ゴムシートに与え、第三工程完了後に該外周部より取り外し可能なものであれば特に制限なく使用することができるが、ゴム等によって形成された弾性体バンド、包帯、鋼製(ステンレス鋼を含む)のばね板によって形成された金属製バンド等を例示することができる。とりわけシリコンゴムによって形成された弾性体バンドを嵌着物体として用いることは、該外周部をその周囲から均一に締めつけると共に、該外周部への着脱が容易(伸縮自在であるので力を加えることで容易に引き伸ばされ、力を取り除くことで縮む)であることから好ましい。この場合、ゴムホースをマンドレルの蛇腹部に沿わせるためにやや小さい径のゴム状弾性体をゴム原管の外周に嵌着させた後、加硫反応させる方法として既に本出願人が特許出願した技術を応用して用いるものである(平成3年特許出願公告第74900号)。該弾性体バンドの内周長さ(弾性体バンドに力が加わっていない場合の内周長さ)は、未加硫ゴムシートが貼着された未加硫形成体の外周部の外周長さよりも小さいものでなければ、該外周部に嵌着された弾性体バンドが緊縮力(弾性体バンドが引き伸ばされたとき縮もうとして生じる力)を生じ得ない。通常、製品ゴムホースとなったときの外周長さよりも5〜25%程度小さい該内周長さを有するように弾性体バンドは形成される。なお、弾性体バンドの緊縮力は、あまり小さいと加硫工程において未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースと金属リングとを密着させ一体化させることができず、一方あまり大きいと未加硫ゴムシートと未加硫ゴムホースを過大に変形させ製品ゴムホースの強度低下等を招くので、これら両条件を満足する範囲とされることが好ましく、この範囲の緊縮力が本発明にいう「適当な緊縮力」である。さらに、嵌着物体は未加硫形成体の加硫工程において変質等しない材質によって形成されたものでなければならない。
【0015】
(第二の本発明)
上記目的を達成するために、第二の本発明は、ゴムホース本体部の外周部分に巻着された金属リングによって補強されたゴムホースの製造方法であって、金属リングがゴムホース本体部へ接着されるように、金属リングと、加硫されることでゴムホース本体部となる未加硫ゴムホースと、のうち一方又は両方に接着剤を付着させる接着剤付着工程と、未加硫ゴムホースの外周部分に金属リングを巻着し巻着成形体を形成するリング巻着工程と、巻着成形体に加硫処理を行う加硫工程と、を含む、ゴムホースの製造方法である。こうすることで接着剤によって金属リングがゴムホース本体部へ接着され強固に固定されるので、経時的に金属リングの保持(固定)が解かれるおそれもない。即ち、金属リングは、ゴムホース本体部の外周部分の所定位置に保持(固定)し続けられる。
【0016】
第二の本発明の方法(以下、「第二の本方法」という。)は、第一の本方法と同じく、未加硫ゴムホースを得るまでは(成形工程までは)従来の製造方法と同様に行われる。第二の本方法に使用される未加硫ゴムホースを形成するゴム材料はいかなる未加硫ゴム材料であってもよく、例えば、未加硫のEPDMゴムを例示列挙することができる。また、第二の本方法において使用される金属リングは、ゴムホース本体部の外周部分に沿って巻着されるものであればいずれのものであってもよいが、金属リングによる補強効果及び金属リングとゴムホース本体部との接着性を考慮すると、金属リングの内周部分がゴムホース本体部の外周部分に密着するものが好ましく(もちろん接着層は介在してもよい)、ゴムホース本体部の強度を低下等させない範囲であればややゴムホース本体部の外周部分にくい込むものでも構わない。第二の本方法においては、金属リングはゴムホース本体部へ接着によって固定されるので、特に、両者間の強固かつ確実な接着が要求される。これら両者間の接着を強固かつ確実ならしめるためには、加硫工程において、金属リングと未加硫ゴムホースと(接着される部分同士)を十分な力で当接させておくこと、即ち、金属リング内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に押しつけられるようにすればよく、例えば、第一の本方法において使用した嵌着物体(ゴム等によって形成された弾性体バンド、包帯、鋼製(ステンレス鋼を含む)のばね板によって形成された金属製バンド等を含む。)を加硫工程中に金属リング外周部分へ嵌着することによって行われてもよい。しかしながら、工程数や使用物品を増加させることなく簡単かつ確実に金属リング内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に押しつけられるようにするには、金属リング自身の締め付け力を利用すればよい。即ち、力を加えない状態で金属リングの内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分(金属リングが巻着される外周部分)よりもやや小さく(通常、金属リングの内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に対して、相似比が約0.85〜約0.95程度となるようにする。)なるような金属リングを使用すればよい(金属リングは一部が切断されたものを使用する。)。こうすれば未加硫ゴムホースの外周部分に巻着され広げられた金属リング自身が、加硫工程中、自らの内周部分を未加硫ゴムホースの外周部分に押しつけることになるので好ましい。特に、金属リングが、後述のばね鋼(例えば、硬鋼線)によって形成されている場合であれば、十分な力で自らの内周部分を未加硫ゴムホースの外周部分へ押しつけ続けるので極めて強固かつ確実な接着ができるので好ましい。金属リングの断面形状(金属リングをそのリング長手方向に対して垂直な切断面によって切断したときの形状をいう。例えば、角棒を円形環状に加工して形成された金属リングであれば、該金属リングの断面形状は四角形である。)は、金属リングに加わる応力等に応じて様々なものであってよく、円形、半円形、楕円形、半楕円形、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形及び八角形等を含む。)等が例示できる。中でも、四角形特に長方形(正方形を含む。)であれば、一定の断面形状を有するパイプをその長手方向に対して垂直な面によって切断することによって容易に製造することができ好ましい。
【0017】
金属リングの外面(金属リングの形状を規定する全ての面をいう。従って、外周面と内周面とのいずれも含まれる。)のうち多くの部分がゴムホース本体部と接している方が、金属リングはより強固に接着されるので好ましい。従って、巻着成形体において、金属リングの断面周囲のうち未加硫ゴムホースの外周部分に接している部分の長さが、該断面周囲の全周囲長さに対して25%以上であることが好ましく、より好ましくは35%以上であり、最も好ましくは40%以上とする(なお、金属リングの断面形状が四角形でありその4辺のうち1辺が未加硫ゴムホースの外周部分に接していればこの割合は50%以上となることはないが、例えば、該1辺を波線によって置換すれば50%を超える場合も生じうる。しかしながら、該割合の上限は通常50%程度である。)。前述のように長方形の断面形状を有する金属リングを使用した場合には、該長方形を規定する4辺のうち長辺が未加硫ゴムホースの外周部分に接するようにすれば、該割合が大きくなるので好ましい。なお、ここにいう「接する」とは、金属リングと未加硫ゴムホースとの間に接着剤層(接着剤によって形成された層をいう。)が介在している場合(接着剤層によって金属リングと未加硫ゴムホースとが直接接していない場合)も含むものとする。
【0018】
金属リングは、その全周にわたって連続したものでもよいが、リング巻着工程において未加硫ゴムホースの外周部分の所定位置に金属リングを容易に巻着できることからは、その一部が切断されているものを使用してもよい。即ち、一部が切断された金属リングを使用する場合、金属リングの内周が未加硫ゴムホースの外周部分よりも十分大きくなるように金属リングの切断部分を広げた状態で(例えば、手で把持して)未加硫ゴムホースの外周部分の所定位置まで金属リングを移動させることができるので(その後、該切断部分を閉じて金属リングを未加硫ゴムホースの外周部分へ巻着する)、極めてリング巻着工程を迅速かつ円滑に進めることができる。金属リングがその全周にわたって連続している場合には、未加硫ゴムホースの端部から外周部分所定位置まで金属リングを移動させることが難しく(金属リングの内周部分が未加硫ゴムホースの外周部分に密着する場合では、両者が密接した状態で金属リングを移動させなければならず困難である。また、金属リングが未加硫ゴムホースの外周部分にややくい込む場合であれば金属リングの移動は極めて困難である。なお、未加硫ゴムホースが先細り形状を有する場合であれば連続した金属リングであっても問題ない場合もある。)、リング巻着工程を困難にする場合があるからである。
【0019】
金属リングを形成する材料は、ゴムホース本体部を十分な強度で補強できるものであれば特に限定されないが、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム、チタン、マグネシウム等の金属材料を使用することができる。とりわけ鋼材は、高い強度や経済性を有し信頼性も高いことから好適に使用されることができる。中でもばね弾性を有するばね鋼(例えば、硬鋼線)を使用すれば、リング巻着工程を円滑に行うことができる(前述のように金属リングの内周を一時的に変形(拡大)させてリング巻着工程を行うことができる。)と共に、ゴムホースに大きな力が加わって金属リングが変形した場合でも該力が除去されると元の形状へと復元するので極めて好ましい。
【0020】
第二の本方法は、接着剤付着工程が行われる。接着剤付着工程は、金属リングがゴムホース本体部へ接着されるように、金属リングと、加硫されることでゴムホース本体部となる未加硫ゴムホースと、のうち一方又は両方に接着剤を付着する。使用可能な接着剤は、ゴムホース本体部の材質(未加硫ゴムホースの材質)に応じ、加硫前に付着させることで加硫後に、金属リングを形成している金属とゴムホース本体部を形成しているゴムとを接着することができるものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、未加硫ゴムホースが未加硫のEPDMゴムによって形成されている場合(ゴムホース本体部がEPDMゴムによって形成される場合)、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製のCHEMLOK(登録商標)の品番205を下塗り接着剤として用い、同社製のCHEMLOK(登録商標)の品番236を上塗り接着剤として用いることができ(いずれの接着剤についても第一の本方法の説明の中で説明したものと同じ)、これら接着剤により形成される接着層により金属リングを高強度及び高信頼性で固定することができる。接着剤を付着させる位置は、金属リングがゴムホース本体部へ接着されるような位置であれば特に限定されないが、接着剤によって形成される接着層が金属リングとゴムホース本体部とに跨るような位置とされることが好ましい。従って、通常、金属リングの内周が未加硫ゴムホースの外周部分に面し又は接することとなる位置及びその近傍となる位置に接着剤が付着されることが好ましい。なお、ここにいう「金属リングと、加硫されることでゴムホース本体部となる未加硫ゴムホースと、のうち一方又は両方に接着剤を付着する」とは、金属リングにのみ接着剤を付着させる場合(例えば、上記のロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製のCHEMLOK(登録商標)の品番205を下塗り接着剤として、同社製のCHEMLOK(登録商標)の品番236を上塗り接着剤として用いる場合であれば、金属リングの内周にのみこれらの接着剤を塗布しておいてもよい。)、未加硫ゴムホースにのみ接着剤を付着させる場合、そして金属リングと未加硫ゴムホースとの両方に接着剤を付着させる場合のいずれの場合も含む。さらに、必要位置に接着剤を付着させることができるものであれば、リング巻着工程完了後に、接着剤を付着させてもよい(例えば、金属リング内周と未加硫ゴムホース外周との間に毛管現象を利用して接着剤を付着させるような場合等)。ここにいう「付着」とは、接着剤を付着させる行為全般を意味し、従って塗布(刷毛、ローラー等いかなるものを使用してもよい)、噴霧、浸漬等の全てを含む。
【0021】
第二の本方法は、リング巻着工程が行われる。リング巻着工程は、未加硫ゴムホースの外周部分に金属リングを巻着し巻着成形体を形成する。第二の本方法によって製造されるゴムホースに高い耐正負圧強度を持たせるためには、ゴムホース本体部が形成する筒形状の外側側面をゴムホース本体部の長手方向に対して略垂直面内で一巡する方向に向かって金属リングが延びるように、金属リングが巻着されればよい。こうすることでゴムホース内部へ正圧又は負圧が作用したとき、金属リングはそれぞれ引っぱり応力又は圧縮応力を受けるので金属リングは極めて高い補強効果を発揮することができ、高い耐正負圧強度を得ることができる。このようにするには未加硫ゴムホースが形成する筒形状の外側側面を未加硫ゴムホースの長手方向に対して略垂直面内で一巡する方向に向かって金属リングが延びるように、金属リングを巻着すればよい。また、未加硫ゴムホース1本に巻着される金属リングの本数は特に制限はなく、1本でもまた2本以上の複数本であっても構わない。なお、複数本の金属リングを使用する場合であれば、未加硫ゴムホースの長手方向に沿って密に配置する方が高い耐正負圧強度のゴムホースとすることができる。
【0022】
第二の本方法は、加硫工程が行われる。加硫工程は、リング巻着工程によって形成された巻着成形体に加硫処理を行う。加硫処理は、ゴムの種類等に応じて従来からのものと同様に行うことができる。なお、必要に応じて加硫工程を行う前に、接着剤を乾燥させるため巻着成形体を乾燥させてもよい。乾燥はいかなる方法で行っても良く、例えば、高温下で行っても、また室温で行ってもよい。
【0023】
リング巻着工程で形成される巻着成形体を加硫工程で加硫反応させる際、製品ゴムホースが所望形状になるように巻着成形体の形状を保持する必要がある。この形状保持は、種々の方法で行うことができ、例えば、所定の形状を有するマンドレルを巻着成形体の未加硫ゴムホースの内部に挿入して巻着成形体をマンドレルに沿った形状とすることや、巻着成形体を中型(未加硫ゴムホース内部に配置される)と外型(巻着成形体を外周面から包囲する)とで挟み込むことによって行うことができる。中でも、所定形状のマンドレルを未加硫ゴムホースの内部へ挿入することは容易かつ確実に巻着成形体の形状を所望のものに保持することができるので既に広く行われている。即ち、この場合は、所定の形状を有するマンドレルを未加硫ゴムホースの内部へ少なくとも加硫工程よりも前に挿入するマンドレル挿入工程を、第二の本方法はさらに含む。なお、マンドレル挿入工程は、接着剤付着工程の前に行われても(もちろん未加硫ゴムホース形成後である)、接着剤付着工程とリング巻着工程との間に行われても、さらにリング巻着工程と加硫工程との間に行われてもよい。
【0024】
第一及び第二の本方法によって製造されたゴムホースは、厳しい条件下であっても金属リングをゴムホースの所定位置に保持し続けることができるので、極めて高い耐久性及び信頼性を有する。このため本方法によって製造されたゴムホースは、種々の目的に使用されることができるが、とりわけ自動車のラジエターホースとして好適に使用されることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、第一の本方法と第二の本方法とに分けて、実施形態を説明する。
【0026】
(第一の本方法の実施形態)
図1は、一実施例の第一の本方法に使用される未加硫ゴムホースを示す斜視図である。図1を参照して、未加硫ゴムホース11は円柱形の筒内部13を有する。筒内部13は、未加硫ゴムホース11の両底面部分に形成された開口15、17によって筒外部19と連通している。未加硫ゴムホース11は、従来からゴムホースを製造する際に行っていた周知方法によって製造すればよい(例えば、前述のように素練り工程、混合工程、成形工程等を経て製造すればよい。)。本実施形態では、未加硫ゴムホース11は未加硫のEPDMゴムを用いた押出成形法によって形成された。また、図1には示していないが、未加硫ゴムホース11を補強するための繊維(例えば、糸や布等)を未加硫ゴムホース11の壁部21に練り込んだり、繊維を含む層を壁部21に沿って埋め込むように設けたものでもよい。さらに、壁部21の内側部分に異質材料によって形成された層(例えば、ポリアミドの薄膜層)を設けたようなものでもよい。なお、図1には円筒形の未加硫ゴムホース11を示しているが、必ずしも円筒である必要はなく楕円筒形や角筒形等であってもよく、蛇腹部分を有するものであってもよい。
【0027】
次に、未加硫ゴムホース11の内側(筒内部13)へ所定形状を有するマンドレルを挿入する。図2は、マンドレル23を未加硫ゴムホース11の内部に挿入するマンドレル挿入工程が完了したところを示す断面図である。マンドレル23はその長手方向に対して垂直な切断面において円形の断面形状を有し、一端25と、他端27と、一端25と他端27との間の屈曲部29とを有し(マンドレル23は円筒を軸方向途中で屈曲させた形状を有する)、他端27は支持物31へ固定されている。なお、本実施例の場合、未加硫ゴムホース11を、マンドレル23に対して一端25側から他端27側へ移動させることでマンドレル23を未加硫ゴムホース11の内部に挿入したが、マンドレル23を未加硫ゴムホース11に対して移動させて行っても、また両者を共に移動させて行ってもよい。未加硫ゴムホース11は、その内部にマンドレル23を挿入されることによって、製品ゴムホースの形状に固定されている。
【0028】
図3は、本実施例に使用する一例の金属リング33を示す上面図であり、図4は図3のX−X断面図であり、図5は図3の矢印Aの方向から金属リング33を見たところを示す図である。図3乃至図5を参照して、金属リング33は一端35と他端37との間で切断されており、全周にわたって連続していない。金属リング33は一端35と他端37との間の部分で重なり合い部分39を有しており、重なり合い部分39では図4及び図5に示すように上下方向に金属リング33の一部が重なり合っている。重なり合い部分39は金属リング33の周に沿って約40mmとされており、それは全周の約20%となっている。金属リング33の断面形状は円形をしている(図4の断面部分を参照されたい)。金属リング33は、ばね弾性を有するばね鋼である硬鋼線によって形成されている。
【0029】
図6は、他の一例の金属リング41を示す上面図であり、図7は図6のY−Y断面図であり、図8は図6の矢印Bの方向から金属リング41を見たところを示す図である。図6乃至図8を参照して、金属リング41は一端43と他端45との間で切断されており、全周にわたって連続していない。金属リング41は一端43と他端45との間の部分で重なり合い部分47を有しており、重なり合い部分47では図6及び図7に示すように一方が他方を巻き込むように金属リング41の一部が重なり合っている。重なり合い部分47は金属リング41の周に沿って約40mmとされており、それは全周の約20%となっている。金属リング41の断面形状は幅広の長方形をしている(図7の断面部分を参照されたい)。金属リング41は、金属リング33と同じ材質の板材によって形成されている。
【0030】
図9は、本実施例の第一工程を示す断面図である(図2と同じ断面を示している)。図9を参照して、図3乃至図5に示された金属リング33を未加硫ゴムホース11の外周部分に巻着する第一工程を示している。金属リング33を未加硫ゴムホース11の外周部分の所定位置51へ移動するために、未加硫ゴムホース11の外周部分に接触しないように広げられた金属リング33aが示されている(いかなる方法で広げられても良いが、例えば、一端35と他端37とを手で把持して広げてもよい)。この状態の金属リング33aを所定位置51へと移動し、金属リング33aを広げている力を取り除いて、未加硫ゴムホース11の外周部分の所定位置51に金属リング33が巻着されている(金属リング33はばね弾性を有する材料によって形成されているので金属リング33aを広げている力を取り除けば元の形状に戻る)。金属リング33の断面のうちマンドレル23の図中右側に位置するものが2本示されているのは、金属リング33が重なり合った部分の断面が示されていることによる。なお、これ以外の方法、例えば金属製の線状部材(リング状になっていない)を単に未加硫ゴムホース11の外周部分の所定位置51へ巻き付けることによって行うこともできる。さらに、金属リング33の外面に接着剤を塗布した後、金属リング33を未加硫ゴムホース11の外周部分に巻着してもよい。
【0031】
図10は、本実施例の第二工程を示す断面図である(図2及び図9と同じ断面を示している)。図10を参照して、未加硫ゴムシート61が、金属リング33の上から金属リング33に密着し跨るように未加硫ゴムホース11の外周部分へ貼着されている。これによって未加硫ゴムホース11と金属リング33と未加硫ゴムシート61とによって未加硫成形体63が形成されている。未加硫ゴムシート61は、未加硫ゴムホース11と同じ材料によって形成されている。なお、未加硫ゴムシート61が金属リング33に「密着する」とは、図10のように加硫ゴムシート61が金属リング33の一部に密着していれば足る。また、未加硫ゴムシート61が金属リング33に「跨る」とは、図10の断面のように金属リング33の両側(図10では上下)において未加硫ゴムシート61が未加硫ゴムホース11の外周部分へ貼着されている状態をいう。また、未加硫ゴムシート61は、それによって形成されるシート部分69(図13参照)が十分な強度で金属リング33を保持できるような幅(図10では、未加硫ゴムシート61の上下方向の寸法)を有するようにされる。さらに、本実施例の場合は、未加硫ゴムシート61は、未加硫ゴムホース11の外周部分の全周にわたって連続的に貼着されているが、必ずしも全周にわたって貼着される必要はなく、その一部に貼着されてもよい。
【0032】
図11は、嵌着物体嵌着工程を示す断面図である(図10と同じ断面を示している)。未加硫ゴムシート61が貼着された、未加硫成形体63の外周部に弾性体バンド65が嵌着されている。弾性体バンド65は、該外周部の外周長さに比して約80%の内周長さと2mmの厚みを有する、シリコンゴムによって形成された弾力に富んだバンドである。弾性体バンド65を該外周部に嵌着することで緊縮力が未加硫ゴムシート61に与えられ、未加硫ゴムシート61が金属リング33と未加硫ゴムホース11へ一層強く密着される。なお、弾性体バンド65を該外周部に嵌着すること(嵌着物体嵌着工程)は必ずしも必須ではない。
【0033】
その後、第三工程として図11に示された未加硫成形体63に加硫処理を行った後、弾性体バンド65を取り外し、さらにゴムホースをマンドレル23から抜き取って製品ゴムホースが完成された。加硫処理は、従来からの加硫処理と同様に行った(150℃で30分間保持した)。この加硫処理の初期段階において未加硫ゴムシート61と未加硫ゴムホース11とが軟化した際、弾性体バンド65の緊縮力によって未加硫ゴムシート61が金属リング33と未加硫ゴムホース11とに完全に密着し、未加硫ゴムシート61と未加硫ゴムホース11とが融合した。図12に製品ゴムホース67の断面図を示す。図12を参照して、製品ゴムホース67の所定位置には金属リング33が埋設された状態で極めて強固に保持されている。図13は、金属リング33が埋設された、製品ゴムホース67の部分の拡大断面図であり、切断面は図12と同じ面である(即ち、図12の部分拡大図になっている)。図13を参照して、製品ホース67は、シート部分69(未加硫ゴムシート61から形成された部分)とホース部分71(未加硫ゴムホース11から形成された部分)を有し、金属リング33はシート部分69とホース部分71とによって取り囲まれている。なお、未加硫ゴムシート61と未加硫ゴムホース11との境界部分73は製品ゴムホース67においては完全に消失しており、現実にはシート部分69とホース部分71との明確な区別はできず両者が一体として最初から形成されたかのような構造をとっている。このため、経時的にシート部分69がホース部分71から剥離して金属リング33の保持が解かれるおそれがなく、信頼性、耐久性及び強度等が極めて高い製品ゴムホース67を得ることができた。従って、厳しい条件(高温、振動、燃料や水等の付着、埃)下において極めて高い信頼性や耐久性が求められる自動車のラジエターホースとして好適に使用可能であることが判明した。
【0034】
図14は、本実施例の方法によって製造したゴムホースの耐負圧性を評価したグラフである。図14を参照して、評価に用いたゴムホースは内径が66mmの円筒状の形状を有しており、肉厚が6mmのものを使用した。太さが3mmの丸棒によって形成された金属リングを複数用い、製品ゴムホースの長手方向に沿った隣接する金属リングの間の距離(以下、「ピッチ」という。単位mm)をグラフ横軸にとり、製品ゴムホース内部に加えられ該製品ゴムホースにつぶれを生じたときの減圧度(常圧では0とする。以下、「減圧度」という。単位mmHg)をグラフ縦軸にとった。最初に金属リングを使用しないときの減圧度を測定したところほぼ−80mmHgであったが、図14から明らかなようにピッチを小さくするにつれて減圧度は大きくなり(数字は負の数字であるので次第に小さくなり)、金属リングを密に配置することは減圧度を上昇させるために極めて効果的であることが確認された。第一の本方法によれば、金属リングを確実に固定することができるので、不意にピッチが変化して(金属リングが移動して)製品ゴムホースの耐負圧性(耐正圧性も同様)が低下する問題は発生し得ず、極めて高い信頼性及び耐久性を有するゴムホースを製造することができる。
【0035】
(第二の本方法の実施形態)
一実施例の第二の本方法に使用される未加硫ゴムホースを準備する。未加硫ゴムホースは加硫されることでゴムホース本体部となる。ここでは第一の本方法に使用された、図1に示された未加硫ゴムホース11(未加硫のEPDMゴム製)を使用する。未加硫ゴムホース11を補強するための繊維(例えば、糸や布等)を未加硫ゴムホース11の壁部21に練り込んだり、繊維を含む層を壁部21に沿って埋め込むように設けたり、壁部21の内側部分に異質材料によって形成された層(例えば、ポリアミドの薄膜層)を設けてもよいことは前述の通りである。さらに、未加硫ゴムホース11のごとく円筒形状である必要は必ずしもなく、楕円筒形や角筒形等であってもよく、蛇腹部分を有するものであってもよい。
【0036】
次に、第一の本方法と同様に、未加硫ゴムホース11の内側(筒内部13)へ所定形状を有するマンドレルを挿入する。これは、第一の本方法におけるマンドレル挿入工程と同様に行われればよく、図2に示したようにマンドレル23が未加硫ゴムホース11の内部に挿入される。
【0037】
図15は、一実施例の第二の本方法に使用される金属リング101を示す斜視図であり、図16は金属リング101の上面図(図15中の矢印Eの方向から見たもの)であり、図17は図16のP−P断面図である(図15乃至図17のいずれも図示しない手によって一端103と他端105との間を広げた状態を示している。)。図15乃至図17を参照して、金属リング101について説明する。金属リング101は、軸方向長さ(図中では幅Wによって示している)が短い円筒形の側面の一部を軸方向と平行方向に切り取った形状を有している。即ち、金属リング101の一部が切断されており、金属リング101は、切断された一端103と他端105とを有している。一端103と他端105との間には隙間107が形成されている。なお、図示しない手によって一端103と他端105との間を広げず金属リング101に力を加えなければ、隙間107はほとんど存在せず、一端103と他端105とはほぼ接した状態になっており、このとき金属リング101の内周面111は直径約70mmの円柱側面形状を形成している)。金属リング101の断面形状(図17の断面形状に同じであり、金属リング101は周に沿った全ての部分において図17に示された断面形状と同じ断面形状を有する。)は、細長い長方形(幅Wと同じ長さの長辺と厚さTと同じ長さの短辺とを有し、角部がやや丸められている。)をしており、金属リング101の内周面111側の長辺109部分が未加硫ゴムホースの外周部分に接することになる。金属リング101はばね鋼である硬鋼線によって形成されている。ここで金属リング101の幅Wはあまり小さいとゴムホース本体部にうまく接着されず、またあまり大きいと製造されたゴムホースの柔軟性等を害するので、これら両条件を満足する範囲とされることが好ましい。通常、幅Wは、好ましくは3mm以上とされ、より好ましくは5mm以上とされ、最も好ましくは10mm以上とされ、そして、好ましくは30mm以下とされ、より好ましくは25mm以下とされ、最も好ましくは15mm以下とされる。金属リング101の厚さTはあまり小さいとゴムホース本体部を十分補強できず、またあまり大きいと金属リング101のばね定数が大きくなりすぎたり重量が大幅に増加するので、これら両条件を満足する範囲とされることが好ましい。通常、厚さTは、好ましくは0.3mm以上とされ、より好ましくは0.35mm以上とされ、最も好ましくは0.4mm以上とされ、そして、好ましくは1.0mm以下とされ、より好ましくは0.8mm以下とされ、最も好ましくは0.6mm以下とされる。
【0038】
次に、接着剤付着工程として、図15乃至図17に示された金属リング101の内周面111に接着剤を付着させる。接着剤としては、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製のCHEMLOK(登録商標)の品番205を下塗り接着剤として用い、同社製のCHEMLOK(登録商標)の品番236を上塗り接着剤として使用した。接着剤は、図示しない刷毛によって金属リング101の内周面111全面にむらなく十分に塗布された(塗布された接着剤の厚みは、下塗り接着剤と上塗り接着剤ともに各々約10ミクロンであった。)。図18は、金属リング101の内周面111全面に接着剤層113が形成されたところ(接着剤付着工程が完了したところ)を示す上面図(図16と同じ位置から見たところを示す。)である。塗布された接着剤によって、金属リング101の内周面111全面にほぼ均一厚みの接着剤層113が形成されている。なお、図18には、1層の接着剤層113として示されているが、実際は下塗り接着剤層と上塗り接着剤層とが形成されている。ここでは接着剤を刷毛によって塗布したが、その外周面に接着剤が付着されたローラーの該外周面を接触させることや、接着剤を噴霧することや、容器中に貯留された接着剤中へ浸漬すること等によって接着剤を金属リング101の内周面111に付着させてもよい。また、ここでは金属リング101にのみ接着剤を付着させたが、未加硫ゴムホース11にのみ接着剤を付着させても、また金属リング101と未加硫ゴムホース11との両方に接着剤を付着させてもよい。
【0039】
接着剤付着工程の後、リング巻着工程が行われる。図19はリング巻着工程を示す側面図であり、マンドレル23に外嵌された未加硫ゴムホース11の外周部分121に、接着剤が付着された金属リング101を巻着し巻着成形体を形成するところを示している。金属リング101を未加硫ゴムホース11の外周部分121の所定位置へ移動させるために、未加硫ゴムホース11の外周部分121に接触しないように広げられた金属リング101aが示されている(いかなる方法で広げられても良いが、例えば、一端103と他端105とを手で把持して広げてもよい)。この状態の金属リング101aを未加硫ゴムホース11の外周部分121の所定位置へと移動させ、金属リング101aを広げている力を取り除いて、未加硫ゴムホース11の外周部分121の所定位置に金属リング101を巻着させる(金属リング101はばね弾性を有する材料(ばね鋼である硬鋼線)によって形成されているので金属リング101aを広げている力を取り除けば元の形状に戻る)。なお、金属リング101が巻着される、外周部分121の所定位置の直径(未加硫ゴムホース11が形成する円筒外周面の直径)は、約76mmであった。このため力を加えない状態での金属リング101の内周面111(内周部分)は、金属リング101が巻着される、未加硫ゴムホース11の外周部分121よりもやや小さい(金属リング101の内周面111(内周部分)は未加硫ゴムホース11の外周部分121(金属リングが巻着される外周部分)に対して、相似比は70/76=0.92であった。)。
【0040】
図20は、図19に示されたリング巻着工程によって形成された巻着成形体131を示す側面図である(図19と同じ位置から見たところを示している。)。図21は、図20のQ−Q断面図である。図20と図21を参照して、巻着成形体131について説明する。巻着成形体131は未加硫ゴムホース11と金属リング101とによって構成されている。マンドレル23に未加硫ゴムホース11が外嵌されている。未加硫ゴムホース11の外周部分121に金属リング101が巻着されている。金属リング101は、互いに約20mm離れた一端103と他端105との間に形成された隙間107の部分を除いて未加硫ゴムホース11の外周部分121に接し取り囲んでいる。なお、未加硫ゴムホース11の外周部分121に巻着され広げられた金属リング101は、自らの内周面111(内周部分)を未加硫ゴムホース11の外周部分121に押しつけている。隙間107は、製造されたゴムホースが使用される際に一端103と他端105とが衝突等して金属リング101がゴムホース本体部から剥離等しないために設けられている。従って、一端103と他端105との間の距離(即ち、隙間107、今回は20mm)はあまり小さいと一端103と他端105との衝突等をうまく回避できず、またあまり大きいと金属リング101の補強効果が小さくなるので、これら両条件を満足する範囲内とされることが好ましい。通常、該距離は、好ましくは5mm以上とされ、より好ましくは10mm以上とされ、最も好ましくは15mm以上とされ、そして好ましくは40mm以下とされ、より好ましくは30mm以下とされ、最も好ましくは25mm以下とされる。未加硫ゴムホース11が形成する筒形状の外側側面(外周部分121)を未加硫ゴムホース11の長手方向135(金属リング101が巻着された部分における長手方向をいう。)に対して略垂直面137(ここではQ−Q断面と一致している。)内で一巡する方向(図21において方向139)に向かって金属リング101が延びるように、金属リング101が巻着されている。なお、未加硫ゴムホース11の外周部分121と金属リング101との間には、接着剤によって形成された接着剤層が存在するが、ここでは図示していない。
【0041】
図22は、図21のR−R断面(金属リング101をそのリング長手方向に対して垂直な面)に沿って、図20に示された巻着成形体131を切断したところの金属リング101の近傍を示す部分断面図である(即ち、図22は、金属リング101をそのリング長手方向に対して垂直な切断面によって切断したところを示している。)。図22を参照して、巻着成形体131について説明する。マンドレル23に未加硫ゴムホース11が外嵌されている。未加硫ゴムホース11の外周部分121に金属リング101が巻着されている。未加硫ゴムホース11の外周部分121と金属リング101との間には、接着剤によって形成された接着剤層141が介在している。接着剤層141は下塗り接着剤と上塗り接着剤とによって形成されている。金属リングの断面形状(金属リングをそのリング長手方向に対して垂直な切断面によって切断したときの形状)は、細長い長方形(幅Wと同じ長さの長辺と厚さTと同じ長さの短辺とを有し、角部が若干丸められている。)をしている。細長い長方形の周囲のうち、長辺が未加硫ゴムホース11の外周部分に接している(金属リング101と未加硫ゴムホース11との間に接着剤層141が介在しており、接着剤層141によって金属リング101と未加硫ゴムホース11とが直接接していないが、このような状態も本発明にいう「接する」場合に含む。)。ここに、巻着成形体131において、金属リング101の断面周囲の全周囲長さは(2W+2T)であり(角部が若干丸められていることは無視する)、金属リング101の断面周囲のうち未加硫ゴムホース11の外周部分に接している部分の長さはWであるので、金属リング101の断面周囲のうち未加硫ゴムホース11の外周部分に接している部分の長さ(W)が金属リング101の断面周囲の全周囲長さ((2W+2T))に対する比率は(W/(2W+2T))となる。ここにW=12mmとされT=0.6mmとされているので、該比率(W/(2W+2T))×100=47.6%となり、40%以上になっている(かつ50%以下である。)。
【0042】
次いで加硫工程を行う。加硫工程は、リング巻着工程によって形成された巻着成形体131に加硫処理を行う。なお、必要に応じて加硫工程を行う前に、接着剤を乾燥させるための乾燥工程を設けてもよい。加硫処理は、従来からの加硫処理と同様に行った(未加硫ゴムホース11が未加硫のEPDMゴムによって形成されているので、150℃で30分間、加硫反応させた。)。ここに、力を加えない状態での金属リング101の内周面111(内周部分)は、金属リング101が巻着される、未加硫ゴムホース11の外周部分121よりもやや小さくなる金属リング101を使用したので、未加硫ゴムホース11の外周部分121に巻着され広げられた金属リング101は、自らの内周面111(内周部分)を未加硫ゴムホース11の外周部分121に加硫工程中、十分な力で押しつけ続けていたので(金属リング101はばね鋼によって形成されている)、極めて強固かつ確実な接着が達成された。その後、マンドレル23から加硫されたゴムホースが抜き取られ、第二の本方法によってゴムホースが完成された。図23は完成されたゴムホース151を示す側面図であり、図24は、ゴムホース151と金属リング101との接着部分を示す部分断面図である(図22と同じ断面によって切断されている。)。図23及び図24を参照して、完成されたゴムホース151について説明する。ゴムホース本体部161の外周部分163に金属リング101が巻着されている。図22において存在した接着剤層141は接着層166になっている。金属リング101は強固かつ確実にゴムホース本体部161へ接着され固定されている。このため、経時的に金属リング101の固定が解かれるおそれがなく、信頼性、耐久性及び強度等が極めて高いゴムホース151を得ることができた。従って、ゴムホース151は、厳しい条件(高温、振動、燃料や水等の付着、埃)下において極めて高い信頼性や耐久性が求められる自動車のラジエターホースとして好適に使用可能であることが判明した。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、第一の本方法によれば、ゴムホースを補強する金属リングが、完全に融合したシート部分とホース部分とによって包み込まれるので極めて強固に固定(保持)され、経時的にシート部分がホース部分から剥離して金属リングの保持が解かれるおそれがない。このため第一の本方法によって製造されたゴムホースは、金属リングを所定位置に固定(保持)し続けることができ、信頼性、耐久性及び強度等において極めて優れたゴムホースとすることができる。また、金属リングがゴムホース外周面においてむき出しにならない(シート部分によって被われる)ので、美感にも優れる。
【0044】
第二の本方法によれば、ゴムホースを補強する金属リングが、接着剤によってゴムホース本体部へ接着され強固に固定されるので、経時的に金属リングの固定(保持)が解かれるおそれもない。このため第二の本方法によって製造されたゴムホースは、金属リングを所定位置に固定(保持)し続けることができ、信頼性、耐久性及び強度等において極めて優れたゴムホースとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の第一の本方法に使用される未加硫ゴムホースを示す斜視図である。
【図2】第一の本方法において、マンドレルを未加硫ゴムホースの内部に挿入するマンドレル挿入工程が完了したところを示す断面図である。
【図3】本実施例に使用する一例の金属リングを示す上面図である(第一の本方法)。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】図3の矢印Aの方向から金属リングを見たところを示す図である。
【図6】他の一例の金属リングを示す上面図である(第一の本方法)。
【図7】図6のY−Y断面図である。
【図8】図6の矢印Bの方向から金属リングを見たところを示す図である。
【図9】本実施例の第一工程を示す断面図である(第一の本方法)。
【図10】本実施例の第二工程を示す断面図である(第一の本方法)。
【図11】嵌着物体嵌着工程を示す断面図である(第一の本方法)。
【図12】製品ゴムホースの断面図である(第一の本方法)。
【図13】金属リングが埋設された、製品ゴムホースの部分の拡大断面図である(第一の本方法)。
【図14】本実施例の方法によって製造したゴムホースの耐負圧性を評価したグラフである(第一の本方法)。
【図15】一実施例の第二の本方法に使用される金属リングを示す斜視図である。
【図16】図15に示された金属リングの上面図である。
【図17】図16のP−P断面図である。
【図18】図15乃至17に示した金属リングの内周面全面に接着剤層が形成されたところ(接着剤付着工程が完了したところ)を示す上面図である(第二の本方法)。
【図19】第二の本方法のリング巻着工程を示す側面図である。
【図20】第二の本方法のリング巻着工程によって形成された巻着成形体を示す側面図である。
【図21】図20のQ−Q断面図である。
【図22】図21のR−R断面に沿って、図20に示された巻着成形体を切断したところの金属リング近傍を示す部分断面図である。
【図23】第二の本方法によって完成されたゴムホースを示す側面図である。
【図24】ゴムホースと金属リングとの接着部分を示す部分断面図である。
【符号の説明】
11 未加硫ゴムホース
13 筒内部
15、17 開口
19 筒外部
21 壁部
23 マンドレル
25 マンドレルの一端
27 マンドレルの他端
29 マンドレルの屈曲部
31 支持物
33、41 金属リング
33a 広げられた金属リング
35、43 金属リングの一端
37、45 金属リングの他端
39、47 金属リングの重なり合い部分
51 所定位置
61 未加硫ゴムシート
63 未加硫成形体
65 弾性体バンド
67 製品ゴムホース
69 シート部分
71 ホース部分
73 境界部分
101 金属リング
101a 広げられた金属リング
103 金属リングの一端
105 金属リングの他端
107 金属リングの一端と他端との間の隙間
109 長辺
111 金属リングの内周面
113 接着剤層
121 未加硫ゴムホースの外周部分
131 巻着成形体
135 長手方向
137 略垂直面
139 方向
141 接着剤層
151 完成されたゴムホース
161 ゴムホース本体部
163 ゴムホース本体部の外周部分
166 接着層

Claims (7)

  1. 未加硫ゴムホースの外周部分に金属リングを巻着する第一工程と、該金属リングの上から該金属リングに密着し跨るように未加硫ゴムシートを該未加硫ゴムホースの該外周部分へ貼着し未加硫成形体を形成する第二工程と、該未加硫成形体に加硫処理を行う第三工程と、を含む、ゴムホースの製造方法であって、
    該未加硫ゴムシートが貼着された該未加硫形成体の外周部に嵌着されることによって適当な緊縮力を該未加硫ゴムシートに与える帯状の嵌着物体であって該第三工程完了後に該外周部より取り外し可能な嵌着物体を、該外周部に嵌着する嵌着物体嵌着工程を、該第二工程と該第三工程との間にさらに含むものである、ゴムホースの製造方法。
  2. 所定の形状を有するマンドレルを該未加硫ゴムホースの内部へ少なくとも該第三工程よりも前に挿入するマンドレル挿入工程を、さらに含むものである、請求項1に記載のゴムホースの製造方法。
  3. 該金属リングの一部が切断されているものである、請求項1又は2に記載のゴムホースの製造方法。
  4. 該金属リングの切断された一端と他端との間で、該金属リングが重なり合っているものである、請求項3に記載のゴムホースの製造方法。
  5. 該金属リングが、ばね弾性を有するばね鋼によって形成されているものである、請求項1乃至4のいずれかに記載のゴムホースの製造方法。
  6. 該第一工程及び/又は該第二工程において該金属リングの外面に接着剤が塗布されるものである、請求項1乃至5のいずれかに記載のゴムホースの製造方法。
  7. 該ゴムホースが、自動車のラジエターホースとして使用されるものである、請求項1乃至6のいずれかに記載のゴムホースの製造方法。
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