JPH11333880A - 複合成形品およびその製造方法 - Google Patents

複合成形品およびその製造方法

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JPH11333880A
JPH11333880A JP14575998A JP14575998A JPH11333880A JP H11333880 A JPH11333880 A JP H11333880A JP 14575998 A JP14575998 A JP 14575998A JP 14575998 A JP14575998 A JP 14575998A JP H11333880 A JPH11333880 A JP H11333880A
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resin
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浩次 原田
Koji Goshoo
幸司 五所尾
Hideshi Asada
英志 浅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】断熱性能が高く、部分的に補強されて良好な外
観を有する複合成形品とこの複合成形品を容易に製造す
ることができる製造方法を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】熱可塑性樹脂発泡シートからなるを略容器
本体2形状の予備成形品5にして射出金型4内の所定位
置にセットした状態で、射出金型4内へ溶融樹脂を射出
して予備成形品5の壁面の一部に沿って中実の樹脂フレ
ーム2を一体成形する複合成形品の製造方法において、
予備成形品5がで形成されているとともに、予備成形品
5の樹脂フレーム形成部によって囲まれる部分に、樹脂
フレーム形成部の端縁に沿うように予備成形品の他の部
分より肉厚が薄い薄肉部23が形成されている構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合成形品および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、カップ形状,どんぶり形状、
弁当トレー形状のものに使用されている断熱機能を有す
る容器(以下、「断熱容器」と記す)としては、断熱性
に優れた発泡樹脂シートに補強のために特定の非発泡樹
脂フィルムを1層以上積層した積層シートを真空成形し
て得られた複合成形品が一般的である。
【0003】しかし、従来の断熱容器は、上述のよう
に、真空成形法によって成形されるようになっているた
め、部分的な強度補強をすることができない。すなわ
ち、発泡樹脂シートの全面にわたって非発泡樹脂フィル
ムを積層したものを用いざるを得ず、容器全体の厚みが
どうしても必要以上に厚くなりコストアップなどの問題
がある。
【0004】一方、成形品本体である容器本体の壁面に
沿って部分的に補強用の樹脂フレームを一体に設ける方
法として、容器本体の展開形状に撃ち抜いた紙を主材と
するブランク板を、紙が加湿された状態で射出金型内に
入れて容器本体形状の予備成形体としたのち、熱可塑性
樹脂(プラスチック)を射出して、予備成形体の側壁面
の一部や開口部周縁に沿うように樹脂フレームを設ける
ようになっている複合成形品の製造方法(特公昭60−
37771号公報参照)や、中実の熱可塑性樹脂製の容
器本体を射出金型にセットし、鍔部を容器本体の開口部
周縁に射出成形によって一体成形する複合成形品の製造
方法(特開昭64−84842号公報)等のように樹脂
フレームを容器本体の一部に射出成形によって形成する
方法が既に提案されている。
【0005】しかしながら、前者の方法で得られた複合
成形品は、成形品本体が紙を主材とした材料で形成され
ているため、紙と樹脂とを分離させることが困難で、リ
サイクル性に問題があり、後者の方法で得られた複合成
形品は、容器本体およびフレームが何れも熱可塑性樹脂
で形成されているので、リサイクル性に問題がないが、
成形品本体の断熱性が乏しいと言う問題がある。一方、
上記公知の製造方法の紙あるいは中実の熱可塑性樹脂に
代えて、成形品本体部分を熱可塑性樹脂発泡体で形成す
ることも考えられるが、上記のような製造方法では、得
られる成形品の外観に問題がでる恐れがある。
【0006】すなわち、予備成形品を射出金型にセット
して樹脂フレームとなる熱可塑性樹脂を射出金型内に射
出すると、樹脂フレームの射出部分において、予備成形
品の樹脂フレームに接する部分が押しつぶされた状態
(高密度状態)となり、得られた複合成形品は、成形品
本体の樹脂フレームに接する面と反対側の面に窪みが生
じたりする問題がある。
【0007】また、射出された樹脂フレームとなる溶融
樹脂は、射出金型内で高温状態から冷却されるため、射
出後に徐々に熱収縮する。一方、予め射出金型内にセッ
トされた予備成形品は、低温である。したがって、予備
成形品が、溶融樹脂が冷却固化する際の熱収縮に追従せ
ず、得られる成形品の形状によっては、成形品本体に皺
が生じる恐れがある。この問題は、収縮率の高い結晶性
樹脂を射出成形に用いた場合に特に顕著である。
【0008】そこで、特公昭60−37771号公報で
は、予備成形体を構成する紙を予め加湿状態にしてお
き、予備成形体が乾燥されていく際の収縮によって射出
樹脂の収縮を吸収するようにしているが、予備成形体が
熱可塑性樹脂の場合、吸湿量が非常に小さいため、予備
成形体を加湿させると言う方法を採用できない。たと
え、吸湿性に優れた特殊な熱可塑性樹脂を採用したとし
ても、吸湿・乾燥の別工程が必要となり、生産性や設備
コストの面で問題が生じてくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、断熱性能が高く、部分的に補強されて良
好な外観を有する複合成形品とこの複合成形品を容易に
製造することができる製造方法を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明にかかる複合成形品
(以下、「請求項1の成形品」と記す)は、熱可塑性樹
脂発泡シートによって形成された成形品本体の壁面の一
部に沿って射出成形により熱可塑性樹脂からなる中実の
樹脂フレームが一体成形されている構成とした。請求項
1の成形品において、成形品の形状や用途は特に限定さ
れないが、たとえば、カップ形状,どんぶり形状、弁当
トレー形状の容器が挙げられる。
【0011】一方、請求項2に記載の発明にかかる複合
成形品の製造方法(以下、「請求項2の製造方法」と記
す)は、シート状材料を略成形品本体形状の予備成形品
にして射出金型内の所定位置にセットした状態で、射出
金型内へ溶融樹脂を射出して予備成形品の壁面の一部に
沿って中実の樹脂フレームを一体成形する複合成形品の
製造方法において、予備成形品が熱可塑性樹脂発泡シー
トで形成されているとともに、予備成形品の樹脂フレー
ムの一体成形される部分が、0.4〜1.3mmの厚み
で、0.1〜0.5g/ccの密度となっている構成とし
た。
【0012】請求項3に記載の発明にかかる複合成形品
の製造方法(以下、「請求項3の製造方法」と記す)
は、上記請求項2の製造方法において、熱可塑性樹脂発
泡シートとして0.4〜1.3mmの厚みで、0.1〜
0.5g/ccの密度のものを用いるようにした。
【0013】請求項4に記載の発明にかかる複合成形品
の製造方法(以下、「請求項4の製造方法」と記す)
は、シート状材料を略成形品本体形状の予備成形品にし
て射出金型内の所定位置にセットした状態で、射出金型
内へ溶融樹脂を射出して予備成形品の壁面の一部に沿っ
て中実の樹脂フレームを一体成形する複合成形品の製造
方法において、予備成形品が熱可塑性樹脂発泡シートで
形成されているとともに、予備成形品の樹脂フレーム形
成部によって囲まれる部分に、樹脂フレーム形成部の端
縁に沿うように予備成形品の他の部分より肉厚が薄い薄
肉部が形成されている構成とした。
【0014】請求項5に記載の発明にかかる複合成形品
の製造方法(以下、「請求項5の製造方法」と記す)
は、請求項3の製造方法において、射出金型の閉合時
に、予備成形品の樹脂フレーム形成部に隣接する部分を
可動型と固定型との間で挟圧して薄肉部を形成するよう
にした。請求項6に記載の発明にかかる複合成形品の製
造方法(以下、「請求項6の製造方法」と記す)は、請
求項4あるいは請求項5の製造方法において、薄肉部の
厚みと他の部分の厚みとの比を0.2〜0.7:1にし
た。
【0015】請求項7に記載の発明にかかる複合成形品
の製造方法(以下、「請求項7の製造方法」と記す)
は、請求項4〜請求項6のいずれかの製造方法におい
て、薄肉部の幅Wが3.41×L ×ε/N(但し、L は
予備成形品の壁面の一部を囲む樹脂フレーム形成用キャ
ビティの最大辺の長さ、εは射出樹脂の収縮率、Nは最
大辺の長さL 間内に含まれる薄肉部の数)以上とした。
【0016】本発明において使用される熱可塑性樹脂と
しては、特に限定されないが、たとえば、ポリプロピレ
ン,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリエチレン,
ポリエチレンテレフタレート、生分解性樹脂等が挙げら
れる。また、成形品本体および樹脂フレームに使用され
る熱可塑性樹脂は、異種のものでも構わないが、リサイ
クル性を考慮すると同種のものを用いることが好まし
い。
【0017】予備成形品は、シート状材料である熱可塑
性樹脂発泡シートを予め成形品本体の展開形状に打ち抜
き、この展開物を射出金型内で略成形品本体形状に組み
立てて得る方法や、熱可塑性樹脂発泡シートを真空成形
機にセットして予め略成形品本体形状に予備成形して得
る方法等によって得ることができる。
【0018】請求項4の製造方法において、薄肉部の厚
みと他の部分の厚みとの比は、請求項5の製造方法のよ
うに、0.2〜0.7:1であることが好ましいが、よ
り好ましくは、0.2〜0.5:1である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1〜図3は本発明
にかかる複合成形品の1つの実施の形態である容器をあ
らわしている。
【0020】図1に示すように、この容器1は、成形品
本体としての容器本体2と、樹脂フレーム3とを備えて
いる。樹脂フレーム3は、後述するように射出成形によ
って成形されていて、図1〜図3に示すように、容器本
体2の底の周縁に沿う底部枠状部31と、上部開口縁に
沿って設けられた鍔状部32と、容器本体2の底面の中
心軸で直交して容器本体2の底部を受ける底部受部33
と、底部受部33から鍔状部32まで延出して容器本体
2の側壁を支持する側壁支持部34とを備えている。
【0021】容器本体2は、0.1〜0.5g/ccの均等
な密度の熱可塑性樹脂発泡シートから成形されていると
ともに、底部の底部枠状部31および底部受部33よっ
て囲まれた部分に容器本体2の内側に凹む4つの凹み部
21を備えている。各凹み部21は、底部枠状部31お
よび底部受部33の端縁に沿ってそれぞれ他の部分(以
下、「厚肉部」と記す)22より肉厚が薄くなった薄肉
部23を備えている。
【0022】厚肉部22は、0.4〜1.3mmの均等な
厚みになっていて、薄肉部23は、その厚みが厚肉部2
2の厚みの20〜70%になっている。また、薄肉部2
3の幅Wは、3.41×L ×ε/N(但し、L は予備成
形品5の壁面の一部を囲む樹脂フレーム形成用キャビテ
ィの最大辺の長さ、εは射出樹脂の収縮率、Nは最大辺
の長さL 間内に含まれる薄肉部の数であって、この容器
1では2)以上となっている。
【0023】この容器1は、以下のようにして製造する
ことができる。まず、図4(a)に示すように、0.1
〜0.5g/ccの均等な密度、0.4〜1.3mmの均等な
厚みの熱可塑性樹脂発泡シートを用いて略容器本体形状
に真空成形等により予備成形した予備成形体5を射出金
型4内にセットしたのち、射出金型4を閉合する。
【0024】この射出金型4の閉合により、予備成形体
5が、容器1の薄肉部23に当たる部分が固定型41と
可動型42との間に挟圧着されて、その厚みが予備成形
体5の他の部分の20〜70%の厚みで、幅Wが、3.
41×L ×ε/N以上の薄肉部23が射出金型4内部で
形成される。そして、図4(b)に示すように、この予
備成形体5をセットした射出金型4の樹脂フレーム用キ
ャビティ45内に熱可塑性樹脂発泡シートと同種の熱可
塑性樹脂を溶融状態にして射出し、図5および図6
(a)に示すように、予備成形体5に沿って未収縮の樹
脂フレーム3´が一体成形された成形体1´を得る。
【0025】このようにして得られた成形体1´を射出
金型4から取り出し、冷却固化させて容器1を得る。
【0026】すなわち、射出金型4から取り出された成
形体1´は、未収縮の樹脂フレーム3´部分が冷却に伴
って収縮するため、この樹脂フレーム3´部分の収縮に
伴って特に予備成形体5の底部において、底部枠状部3
1´および底部受部33´に囲まれた部分が内側に向か
って収縮しようとする力を受けるが、底部枠状部31´
および底部受部33´の縁部に沿って薄肉部23が設け
られているので、底部枠状部31´および底部受部33
´に囲まれた部分が、図5(b)に示すように、この薄
肉部23の両側端縁部で座屈して予備成形体5の内側に
凹んで凹み部21が形成されるようになっている。
【0027】この製造方法は、以上のように、予備成形
体5の未収縮の樹脂フレーム3´部分の底部枠状部31
´および底部受部33´の端縁に沿う部分に予め薄肉部
23が設けられていて、樹脂フレーム3´部分の冷却時
の収縮によって薄肉部23の両側縁部で座屈して巧く凹
み部21が形成される。しかも、薄肉部23の幅Wが
3.41×L ×ε/2以上であるので、凹み部21に皺
等が全く発生しない。すなわち、幅Wが3.41×L ×
ε/2以上であれば、皺等が全く発生しない理由を詳し
く説明すると、以下のようになる。
【0028】まず、図5に示すように、予備成形品5の
壁面の一部を囲む樹脂フレーム成形用キャビティの最大
辺の長さ(射出金型4内での樹脂フレーム部分の最大ス
バン)L とし、射出金型4から取り出された成形体1´
の収縮後の樹脂フレームの最大辺の長さをL ´とした
時、L ´は、以下の式(1)で求められる。 L ´=L (1−ε)・・・(1)となる。
【0029】言いかえると、収縮量ΔL は、以下の式
(2)で求められる。 ΔL =L −L ´=L ×ε・・・(2) そして、皺が生じないようにするためには、この収縮量
ΔL を、薄肉部23の座屈により吸収しなければならな
い。
【0030】したがって、座屈による底部枠状部31´
および底部受部33´によって囲まれた部分の収縮幅
は、以下の式(3)で表される。 2(W−W´)=L ×ε・・・(3)
【0031】一方、W´は、以下の式(4)で求めるこ
とができる。 W´=W× cosθ ・・・(4) そして、(4)式を(3)式に代入すると、 W=1/(1− cosθ)×1×2・・・(5)
【0032】また、実験により、底部枠状部31´およ
び底部受部33´によって囲まれた部分の薄肉部23の
座屈角度θは、15〜45°に全て収まることがわかっ
ている。したがって、1− cosθが最小になるθ=45
°を式(5)に代入すると、W=3.41×L ×ε/2
となり、幅Wが3.41×L ×ε/2以上であれば、皺
等が全く発生しないことがわかる。
【0033】また、予備成形体5は、薄肉部23以外の
部分が、0.4〜1.3mmの厚みで、0.1〜0.5g/
ccの密度であるので、樹脂フレーム成形時の射出圧によ
って樹脂フレーム3が一体成形される部分が押しつぶれ
さることが少なく、樹脂フレーム3の射出側と反対側の
面、すなわち、容器本体2の内面に凹み等が生じること
がない。
【0034】さらに、予備成形体5が発泡体であるた
め、発泡体の弾性力によって予備成形体5が射出金型4
の内壁面にしっかりと密着する。したがって、射出され
た樹脂が樹脂フレーム3用のキャビティ部分からはみ出
ることがなく、ばり等もない。また、薄肉部23の厚み
を厚肉部22の20〜70%としたので、未収縮の樹脂
フレーム3´の収縮によって、薄肉部23がその端縁で
確実に座屈する。すなわち、設計寸法とおりの容器1を
確実に得られる。
【0035】本発明にかかる複合成形品およびその製造
方法は、上記の実施の形態に限定されない。上記の実施
の形態では、底部枠状部31および底部受部33に囲ま
れた部分にのみ樹脂フレーム3に沿って薄肉部23が設
けられていたが、必要に応じて他の部分にも設けるよう
にしても構わない。また、0.1〜0.5g/ccの均等な
密度、0.4〜1.3mmの均等な厚みの熱可塑性樹脂発
泡シートを用いた場合には、薄肉部を設けなくても構わ
ない。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0037】(実施例1〜8)以下の表1に示す厚みお
よび密度のポリプロピレン製発泡シートを真空成形機で
予備成形し、内径130mm、深さ50mmの容器本体形状
の予備成形体を得た。得られた予備成形体を射出成形機
の金型(型締力75トン)内にインサートし、ポリプロ
ピレンを樹脂フレーム形成用キャビティ内に射出し、図
1に示す容器を得た。
【0038】そして、得られた容器の樹脂フレーム形成
部に接する容器本体の内壁面の段差、段差部分の外観、
バリの有無を調べ、その結果を表1に合わせて示した。
なお、段差は、容器本体の側面中央部で厚みゲージによ
って測定し、n=5の平均とした。段差部分の外観評価
は、目視で行い、○が良好、△が少し目立つ、×がかな
り目立つをあらわすものとした。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例9)厚み1.0mmのポリプロピレ
ン(日本ポリオレフィン社)シートを真空成形機で予備
成形し、内径130mm、深さ50mmの容器本体形状の予
備成形体を得た。この予備成形体を薄肉部に当たる狭小
部のクリアランスaの図7に示すように、クリアランス
が0.4mm,キャビティ空間の全クリアランスbが6.
0mmの射出金型8内にインサートし、ポリプロピレンを
樹脂フレーム形成用キャビティ(クリアランス5.0m
m)内に射出して図1に示すような容器を得た。また、L
=107.8mm、ε=15/1000であった。
【0041】数日後得られた容器を観察したところ、容
器は、底部の樹脂フレームに囲まれた部分に、樹脂フレ
ームの端縁に沿って平行に射出金型8の閉合によって可
動型と固定型と狭小部で圧縮されて成形された、0.4
mmの薄肉部が形成されていて、この薄肉部の両端縁部が
座屈して底部の樹脂フレームに囲まれた部分が容器本体
の内側に凹んでいた。また、容器本体の厚肉部は平滑か
つ皺のない外観上優れたものであった。また、製品の反
りや歪みなども見られなかった。
【0042】(実施例10)金型に狭小部を設けなかっ
た、すなわち、薄肉部を設けずに樹脂フレームを射出成
形した以外は、実施例1と同様に容器を得た。数日後得
られた容器を観察したところ、容器は、容器本体の底面
に若干皺および反りが発生し、容器として少し安定性の
悪いものであった。
【0043】
【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明にかかる複合成形品は、断熱性能が高く、部分的に補
強されて良好な外観を有する。また、本発明にかかる複
合成形品の製造方法は、断熱性能が高く、部分的に補強
されて良好な外観を有する複合成形品を容易にかつ確実
に製造することができる。
【0044】特に請求項2の製造方法のようにすれば、
成形品本体の樹脂フレーム形成面と反対側の面に凹み等
が生じない。また、請求項4の製造方法のようにすれ
ば、未収縮の樹脂フレームが冷却によって熱収縮する際
に、予備成形体の樹脂フレームに囲まれた部分が薄肉部
の端縁部で座屈するため、不規則な皺等が発生しない。
【0045】請求項5の製造方法のようにすれば、予備
成形体がシール材として働くため、射出樹脂が樹脂フレ
ーム形成用キャビティから外側に漏れでず、ばりの発生
を防止することができる。請求項6の製造方法のように
すれば、薄肉部がその端縁部分で確実に座屈を生じ、設
計寸法とおりの成形品を確実に得られる。
【0046】請求項7の製造方法のようにすれば、薄肉
部に囲まれた厚肉部に皺を生じることなく、外観に優れ
た成形品をより確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合成形品の1つの実施の形態
をあらわす容器の斜視図である。
【図2】図1の容器の底面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】図1の容器の製造方法を工程順にあらわす図で
あって、同図(a)は予備成形品を金型内にセットした
状態をあらわす断面図、同図(b)は樹脂フレーム形成
用キャビティに溶融樹脂を射出した状態をあらわす断面
図である。
【図5】金型内の成形体の底面図である。
【図6】樹脂フレーム部分の収縮の状態を説明する説明
図であって、同図(a)は収縮前の状態をあらわす要部
断面図、同図(b)は収縮後の状態をあらわす要部断面
図である。
【図7】実施例9に用いた射出金型の断面図である。
【符号の説明】
1 容器(複合成形品) 2 容器本体(成形品本体) 3 樹脂フレーム 4,8 射出金型 5 予備成形品 22 厚肉部(他の部分) 23 薄肉部 41 可動型 42 固定型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅田 英志 奈良県天理市森本町670番地 積水化成品 工業株式会社総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂発泡シートによって形成され
    た成形品本体の壁面の一部に沿って射出成形により熱可
    塑性樹脂からなる中実の樹脂フレームが一体成形されて
    いる複合成形品。
  2. 【請求項2】シート状材料を略成形品本体形状の予備成
    形品にして射出金型内の所定位置にセットした状態で、
    射出金型内へ溶融樹脂を射出して予備成形品の壁面の一
    部に沿って中実の樹脂フレームを一体成形する複合成形
    品の製造方法において、予備成形品が熱可塑性樹脂発泡
    シートで形成されているとともに、予備成形品の樹脂フ
    レームの一体成形される部分が、0.4〜1.3mmの厚
    みで、0.1〜0.5g/ccの密度となっていることを特
    徴とする複合成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂発泡シートが、0.4〜1.
    3mmの厚みで、0.1〜0.5g/ccの密度となっている
    請求項2に記載の複合成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】シート状材料を略成形品本体形状の予備成
    形品にして射出金型内の所定位置にセットした状態で、
    射出金型内へ溶融樹脂を射出して予備成形品の壁面の一
    部に沿って中実の樹脂フレームを一体成形する複合成形
    品の製造方法において、予備成形品が熱可塑性樹脂発泡
    シートで形成されているとともに、予備成形品の樹脂フ
    レーム形成部によって囲まれる部分に、樹脂フレーム形
    成部の端縁に沿うように予備成形品の他の部分より肉厚
    が薄い薄肉部が形成されていることを特徴とする複合成
    形品の製造方法。
  5. 【請求項5】射出金型の閉合時に、予備成形品の樹脂フ
    レーム形成部に隣接する部分を可動型と固定型との間で
    挟圧して薄肉部を形成する請求項4に記載の複合発泡成
    形品の製造方法。
  6. 【請求項6】薄肉部の厚みと他の部分の厚みとの比が
    0.2〜0.7:1である請求項4または請求項5に記
    載の複合成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】薄肉部の幅Wが3.41×L ×ε/N(但
    し、L は予備成形品の壁面の一部を囲む樹脂フレーム形
    成用キャビティの最大辺の長さ、εは射出樹脂の収縮
    率、Nは最大辺の長さL 間内に含まれる薄肉部の数)以
    上である請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の複
    合成形品の製造方法。
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