JPH11333517A - 金属箔の巻き取り方法及び巻き取り装置 - Google Patents

金属箔の巻き取り方法及び巻き取り装置

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JPH11333517A
JPH11333517A JP8207599A JP8207599A JPH11333517A JP H11333517 A JPH11333517 A JP H11333517A JP 8207599 A JP8207599 A JP 8207599A JP 8207599 A JP8207599 A JP 8207599A JP H11333517 A JPH11333517 A JP H11333517A
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JP
Japan
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roll
wrinkle
metal foil
winding
winding angle
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Application number
JP8207599A
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English (en)
Inventor
Takeshi Miyata
武志 宮田
Tsutomu Matsubara
務 松原
Yasuhiro Yamaguchi
裕弘 山口
Akinobu Kamimaru
秋信 神丸
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属箔の巻き取り装置におけるしわの発生を容
易に回避する。 【解決手段】しわ伸ばしロール3aを、ピストン3bを
直線方向に伸縮するシリンダ3cを介してピストン3b
の移動軌跡と垂直方向に移動する台車3dに固定し、こ
れらをしわ伸ばしロール3aがテンションリール2の回
転軸と直交する平面内で鋼板Sの長手方向に沿って移動
可能な位置に配置する。制御装置10において、鋼板S
の板厚t,板幅Lをもとに、しわの発生を回避可能なし
わ伸ばしロール3aへの鋼板Sの目標巻き付け角度θ*
を算出し、これと、ピストン3bのストローク量,台車
3dの移動量等から算出した実際の巻き付け角度Θとが
一致するように、シリンダ3c,台車3dを駆動してし
わ伸ばしロール3aの位置を調整する。巻き取り中は、
コイル径の変化等に応じて自動的にしわ伸ばしロール3
aの位置調整が行われるからオペレータの手を煩わすこ
となく容易にしわの発生が回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延した金属箔等
をコイル状に巻き取りながら製造する設備等における金
属箔の巻き取り方法及び巻き取り装置に関し、特に、板
厚0.3〔mm〕以下のステンレス鋼や銅等の金属箔を
巻き取る、巻き取り方法及び巻き取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属箔をコイル状に巻き取りながら製造
する設備(例えば圧延設備)においては、金属箔に張力
を付加しながら巻き取るようにしているため、デフレク
タロールとテンションリール(巻き取りリール)との間
ですじ伸びが発生し、このすじ伸び部分がコイル状に巻
き取られるときに、例えば図8に示すように、折れた状
態で巻き取られてしまうため、しわになってしまう。
【0003】このようにテンションリールへの巻き取り
途中でしわが発生してしまうと、これを除去する必要が
あるため、設備を一旦停止させる必要があり、生産性を
低下させる上に、しわの部分を切り捨てることによって
歩留の低下をも招いてしまう。また、生産性の観点で
は、小単重のコイルを多数生産するよりも大単重のコイ
ルを少数生産するほうがコイルハンドリングの負荷が小
さくなるという点で有利であるが、しわ発生によりしわ
の部分を除去することによって、コイルを分割してしま
い、小単重のコイルを多数作ってしまうという問題点も
ある。
【0004】従来、このようなしわの発生を回避するた
めに、例えば特開昭63−268502号公報或いは特
開平1−289509号公報等に記載されているよう
に、例えばテンションリールの直近の位置等にしわ伸ば
しロールを設置してしわ発生を防止する方法が提案され
ている。また、特開平1−245917号公報に記載さ
れているように、しわ伸ばしロールを移動可能に設置
し、一定の押しつけ力で金属箔に押しつけながら巻き取
る方法等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記しわ伸
ばしロールは、巻き取った金属箔コイルと巻き取られる
金属箔との接点により近い位置で金属箔に押しつけるほ
ど、しわ伸ばし効果が得られる。しかしながら、前述の
特開昭63−268502号公報や特開平1−2895
09号公報に記載されるような、特定の位置にしわ伸ば
しロールを設置する方法では、金属箔を巻き取るにした
がってコイルは巻き太っていくため、コイル単重の小さ
い製品しか製造できない。コイルとしわ伸ばしロールと
を離し過ぎると、例えば板厚30〔μm〕,板幅100
0〔mm〕程度の極薄且つ広幅の金属箔の巻き取りを行
う場合には、完全にしわの発生を防止することができな
いという問題がある。
【0006】一方、前記特開平1−245917号公報
に記載された方法によれば、常にしわ伸ばしロールを最
適位置に調整することが可能であるため、上述のような
特開昭63−268502号公報や特開平1−2895
09号公報における問題はないが、しわ伸ばしロールの
押しつけ力の決定が煩わしいという問題がある。すなわ
ち、板厚,板幅等の条件が変わる毎に、数回の通板を行
って適度な押しつけ力を決定する必要があり、効率が悪
いという問題がある。
【0007】そこで、この発明は上記従来の未解決の問
題に着目してなされたものであり、金属箔をコイル状に
巻き取る際のしわの発生を容易に回避することの可能
な、金属箔の巻き取り方法及び巻き取り装置を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る金属箔の巻き取り方法は、
デフレクタロールに案内された金属箔をしわ伸ばしロー
ルで押圧しながら巻き取りリールに巻き取る金属箔の巻
き取り方法において、前記金属箔のしわ伸ばしロールへ
の巻き付け角度が、しわの発生を防止可能な目標巻き付
け角度となるように、前記しわ伸ばしロールの位置を制
御することを特徴としている。
【0009】この請求項1に係る発明によれば、デフレ
クタロールと巻き取りリールとの間に設けられているし
わ伸ばしロールへの金属箔の巻き付け角度を、板厚,板
幅等に基づいて算出されたしわの発生を防止可能な巻き
付け角度となるように、前記しわ伸ばしロールの位置を
制御するようにしたので、しわの発生が容易に回避され
る。
【0010】また、本発明の請求項2に係る金属箔の巻
き取り装置は、金属箔を巻き取る巻き取りリールとデフ
レクタロールとの間に、前記金属箔を押圧するしわ伸ば
しロールを備えた金属箔の巻き取り装置であって、前記
しわ伸ばしロールを所定の位置に移動する移動手段と、
しわの発生を防止可能な前記しわ伸ばしロールへの前記
金属箔の目標巻き付け角度と実際の巻き付け角度とが一
致するように前記移動手段を駆動して、前記しわ伸ばし
ロールの位置制御を行う位置制御手段と、を備えること
を特徴としている。
【0011】この請求項2に係る発明によれば、金属箔
を巻き取る巻き取りリールとデフレクタロールとの間
に、通板中の金属箔を押圧するしわ伸ばしロールが設け
られ、このしわ伸ばしロールは移動手段によって移動可
能に配設されている。そして、例えば金属箔の板厚或い
は板幅等に基づいて算出された、しわの発生を防止可能
なしわ伸ばしロールへの金属箔の目標巻き付け角度と実
際の巻き付け角度とが一致するように、位置制御手段に
より移動手段が制御されて、しわ伸ばしロールの位置が
制御される。
【0012】したがって、巻き取りを行う金属箔に応じ
た目標巻き付け角度を設定すれば、金属箔の諸元に応じ
てしわの発生を防止可能な位置に、自動的にしわ伸ばし
ロールが移動され、しわの発生が容易に回避されること
になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は、本発明における金属箔の巻き取り装置
の一例を示す概略構成図であって、20段ゼンジミア型
往復式圧延機に適用したものである。図中、Sは金属箔
としての鋼板であって、例えば板厚50〔μm〕,板幅
1000〔mm〕,コイル長12000〔m〕のフェラ
イト系ステンレス鋼である。鋼板Sは圧延されながら図
1において左側に進み、デフレクタロール1に案内され
てテンションリール2に巻き取られ、コイルKとなる。
【0014】前記デフレクタロール1とテンションリー
ル2との間には、鋼板Sを押圧し、且つ、鋼板Sの長手
方向に沿って移動可能なしわ伸ばし装置3が設けられて
いる。このしわ伸ばし装置3は、鋼板Sを押圧するしわ
伸ばしロール3aと、これを回転可能に支持する支持フ
レームが連結されたピストン3bをテンションリール2
と直交する平面内で直線方向(X軸方向)に伸縮可能に
支持するシリンダ3cと、このシリンダ3cが固定され
且つ前記テンションリール2の回転軸と直交する平面内
でピストン3bの移動軌跡と垂直方向(Y軸方向)に移
動可能な台車3dとから構成され、この台車3dは鋼板
Sの長手方向に沿って移動するようになっている。そし
て、ピストン3bの移動軌跡と水平面とがなす角をαと
すると、ピストン3bのストローク長及び台車3dの位
置を制御することによって、水平面となす角度がαとな
るX軸とこれと直行するY軸とを含む平面であり且つテ
ンションリール2と直行する平面内で、しわ伸ばしロー
ル3aが自由に移動できるようになっている。
【0015】なお、ピストン3bの移動軌跡と水平面と
がなす角度αは、任意であるが、なるべく、鋼板Sをし
わ伸ばしロール3aが垂直に押しつける角度に近い方が
好ましい。そして、前記シリンダ3c及び台車3dは、
制御装置10により駆動制御されるようになっている。
【0016】ここで、シリンダ3c及び台車3dが移動
手段に対応し、制御装置10が位置制御手段に対応して
いる。前記制御装置10では、例えばオペレータによっ
て入力された通板する鋼板Sの板厚,板幅をもとに、し
わ伸ばしロール3aへの鋼板Sの巻き付け角度の目標値
である目標巻き付け角度θ* を算出し、実際の巻き付け
角度Θと目標巻き付け角度θ* とが一致するように、シ
リンダ3c及び台車3dを駆動制御してしわ伸ばしロー
ル3aの位置制御を行う。望ましくは、実際の巻き付け
角度Θと目標巻き付け角度θ* とが、θ* ≦Θ≦θ*
20〔度〕となるようにロール3aの位置制御を行う。
これは、巻き付け角度を大きくすると金属箔に反りとい
う品質不適合が発生するためである。
【0017】図2及び図3は、目標巻き付け角度θ*
算出方法の説明に供する説明図であって、鋼板Sがしわ
伸ばしロール3aに接している状態を表す。ここで、鋼
板Sの板幅をL〔mm〕,しわ伸ばしロール3aと接触
している鋼板Sの長さ(ロール接触長)をa〔mm〕と
すると、aは次式(1)で表される。なお、θは巻き付
け角度〔度〕,r3 はしわ伸ばしロール3aと接触して
いる鋼板S部分の半径〔mm〕(=しわ伸ばしロール3
aの半径)である。
【0018】 a=2πr3 ・θ/360 ……(1) せん断応力による座屈応力σc〔kgf/mm2 〕は、次式(2)で表される 。 σc=Ks・σe ……(2) Ks=5.34+4×(a/L)2 σe=K・(π2 E)/{12(1−ν2 )・a2 }・t2 (平板の座屈の式) σe=K・E・(t/r3 )・ [3(1−ν2 )]1/2 ×(θ/360) (円筒殻の座屈の式) K=f(Z)=α×Z+β Z=(1−ν2 1/2 ・L2 /(r3 ・t) なお、上記式中、Ksはせん断座屈係数,σeは座屈限
界応力〔kgf/mm 2 〕,Kは軸圧縮座屈係数,Eは
鋼板Sのヤング率〔kgf/mm2 〕,νは鋼板のポア
ソン比,Lは鋼板Sの板幅〔mm〕,tは鋼板Sの板厚
〔mm〕,Zは形状係数であり、その形状は、しわ伸ば
しロール3aと接触している鋼板S部の円筒殻である。
また、前記α,βは定数であり、この定数α,βは材料
によって異なっており、数回の実験で決定することがで
きる。
【0019】また、σeとして、平板の座屈の式を使用
すればよいが、鋼板Sの、しわ伸ばしロール3aで押さ
えられている部位は、正確には円筒の一部を形成してい
るから、円筒殻の座屈の式を使って精度を向上させるよ
うにしてもよい。圧延張力σy〔kgf〕によって働く
せん断応力σx〔kgf〕は、次式(3)で表される。
なお、式中のγは最大せん断力を求めるときの値であっ
て、γ=0.5である。
【0020】 σx=γ×σy ……(3) 鋼板Sがしわ伸ばしロール3aを押す力σs〔kgf〕
は、次式(4)で表される。 σs=2・cos{(180−θ)/2}・σy ……(4) 摩擦力σmは、次式(5)で表される。なお、式中のμ
は摩擦係数である。
【0021】 σm=μ・σs ……(5) したがって、次式(6)を満足するように、鋼板Sの巻
き取りを行えば、しわが発生しないことになる。 σx−σm<σc ……(6) 図4は、前記(6)式を満足するようなしわ伸ばしロー
ル3aへの鋼板Sの目標巻き付け角度θ* を算出した一
例を示したものであり、図4(a)は、板幅960〔m
m〕の金属箔を巻き取る場合において、板厚t〔mm〕
と目標巻き付け角度θ* 〔度〕との対応を表したもので
ある。図4(b)は、板厚0.05〔mm〕の金属箔を
巻き取る場合において、板幅L〔mm〕と目標巻き付け
角度θ*〔度〕との対応を表したものである。
【0022】したがって、例えば板幅960〔mm〕,
板厚0.06〔mm〕の鋼板Sの巻き取りを行う場合に
は、図4(a)から目標巻き付け角度θ* は27〔度〕
以上であればよいから、例えば目標巻き付け角度θ*
してθ* =32〔度〕と設定すればよい。これは、しわ
伸ばしロールの位置制御精度,制御周期等,レベルによ
っては多少のずれが生じることが考えられるので、安全
を考慮して、+5〔度〕の値としている。また、シリン
ダの押し付け力等設備能力の許す限り大きく差をつけて
もよい。
【0023】図5は、しわ伸ばしロール3aへの鋼板S
の実際の巻き付け角度Θの検出方法の説明に供する説明
図である。図中、点Aは既にテンションリール2に巻き
取られた鋼板Sとこれから巻き取られる鋼板Sとの接点
を表し、また、B〜Dは鋼板Sとしわ伸ばしロール3a
ないしデフレクタロール1との接点を表す。また、M 1
(j,k)は台車3dの初期位置等基準位置を表し、M
2 (m,n)は台車3dの位置を表し、M3 (p,q)
はしわ伸ばしロール3aの回転中心の位置を表す。ま
た、Oはテンションリール2の回転中心を表し、Tはデ
フレクタロール1の回転中心を表す。そして、点O,M
1 ,Tは固定点であり、M2 ,M3 はシリンダ3c及び
台車3dの移動に伴い変動する点である。また、点A〜
Dは巻き取りによるコイル半径Rやしわ伸ばしロール3
aの回転中心M3 の位置変化に応じて随時変化する点で
ある。
【0024】前記しわ伸ばしロール3aの回転中心M3
は、ピストン3bが伸縮することによって水平方向に対
して角度αの方向に直線移動し、また、台車3dが移動
することにより鋼板Sに沿って移動する。よって、点M
2 は点M3 の軌跡に対して垂直方向に移動する。また、
点M2 と点M1 との間の距離、つまり、台車3dの移動
量をL12,点M2 とM3 との間の距離、つまり、ピスト
ン3bのストローク量をL23とすると、しわ伸ばしロー
ル3aへの鋼板Sの実際の巻き付け角度Θ(図中∠BM
3 C)は、次式(7)により算出される。
【0025】 tanΘ=F−F′ ……(7) なお、FはA−Bの傾きを表し、F′はC−Dの傾きを表し、それぞれ次式( 8),(9)で表される。 F=tan { sin-1[(R+r3)/(p2 +q2 )1/2] +tan -1(q/p)} tan -1(q/p)<0 ……(8) F′=tan ( sin-1W+tan -1Z) ……(9) W=(r1 −r3 )/{(x−p)2 +(y−q2 )}1/2] Z=(y−q)/(x−p) ここで、Rはテンションリール2のコイル半径,r3
しわ伸ばしロール3aの半径,r1 はデフレクタロール
1の半径を表す。
【0026】テンションリール2のコイル半径R,点M
3 の座標(p,q),点M2 の座標(m,n)は、それ
ぞれ次式(10),(11),(12)で表される。 R=t・N =〔(π・D0 2 −2・t・LL 1/2 −π・D0 ……(10) (p,q)=(m−L23×cosα,n+L23×sinα)……(11) (m,n)=(j−L12×sinα,k+L12×cosα)……(12) なお、式中のNは巻き取りターン数,D0 はテンション
リール2のスリーブ外径,LL はテンションリール2に
巻き取られた鋼板Sの長さである巻き取り長(圧延長
さ)を表し、巻き取り長LL は例えば圧延速度と圧延時
間等とによって算出される。
【0027】したがって、上記式(10)〜(12)を
前記式(8)及び(9)に代入することによって、A−
Bの傾きF,C−Dの傾きF′を算出することができ、
これと前記(7)式とから、tanΘを算出することに
より、実際の巻き付け角度Θを算出することができる。
図6は制御装置10における処理手順の一例を示したも
のである。
【0028】制御装置10では、オペレータにより通板
する鋼板Sの板厚t及び板幅Lが入力されると(ステッ
プS1)、これらに基づいて上述のようにして目標巻き
付け角度θ* を算出する(ステップS2)。次に、例え
ばピストン3bのストローク量を検出する図示しないセ
ンサ,台車3dの移動量を検出する図示しないセンサか
ら検出したピストン3bのストローク量及び台車3dの
現在位置、或いは、シリンダ3c及び台車3dへの過去
の制御量から算出されるピストン3bのストローク量及
び台車3dの現在位置と、これらから検出されるしわ伸
ばしロール3aの回転中心の位置座標と、前記式(7)
〜(12)とに基づき、上述のようにして実際の巻き付
け角度Θを算出する(ステップS3)。
【0029】次いで、ステップS2で算出した目標巻き
付け角度θ* とステップS3で算出した実際の巻き付け
角度Θとが一致し得る、しわ伸ばしロール3aの位置座
標を算出する。これは、例えば台車3dの現在位置と目
標巻き付け角度θ* とから前記式(7)〜(12)に基
づき、ピストン3bのストローク量を算出し、その算出
したストローク量から算出する(ステップS4)。また
結果がでないときに台車3dの位置を仮位置としてずら
して再度演算を行う。
【0030】そして、この算出した位置に、しわ伸ばし
ロール3aを移動させるためのピストン3bのストロー
ク量及び台車3dの移動量を算出し、これに応じた制御
信号を生成して出力する(ステップS5)。これによっ
て、ピストン3bのストローク量及び台車3dの位置が
変化して、しわ伸ばしロール3aの位置が変化し、しわ
伸ばしロール3aへの鋼板Sの巻き付け角度が変化し
て、これが目標巻き付け角度θ* と一致するように制御
される。
【0031】そして、鋼板Sの巻き取りが全て終了する
までの間(ステップS6)、ステップS3〜S6の処理
を繰り返し行う。次に、上記実施の形態の動作を説明す
る。鋼板Sの巻き取りを行う場合、オペレータはまず、
制御装置10を操作して、巻き取りを行う鋼板Sの板厚
t,板幅Lを入力する。
【0032】制御装置10では、入力された板厚t,板
幅Lに基づいて目標巻き付け角度θ * を算出し、巻き取
りが開始されると、現在の巻き付け角度Θを算出する。
そして、目標巻き付け角度θ* と現在の巻き付け角度Θ
とが一致するように、ピストン3bのストローク量及び
台車3dの位置が制御されて、しわ伸ばしロール3aの
位置が制御される。
【0033】したがって、巻き取り中は、常に目標巻き
付け角度θ* と現在の巻き付け角度Θとが一致するよう
に制御され、目標巻き付け角度θ* は、鋼板Sでのしわ
の発生を回避可能な角度として設定された値であるか
ら、しわの発生を確実に回避することができる。また、
巻き取り中は逐次しわ伸ばしロール3aの位置を調整す
るようにしているから、コイル径が大きくなった場合で
も、オペレータの手を煩わすことなく、容易にしわの発
生を回避することができる。
【0034】また、自動的にしわ伸ばしロール3aの位
置を調整することができるから、小単重或いは大単重の
コイルに係わらず、オペレータは鋼板Sの板厚t,板幅
Lを入力するだけで、容易にしわの発生を回避すること
ができる。また、板厚t,板幅Lに応じて自動的にしわ
伸ばしロール3aの位置調整が行われるから、板厚t,
板幅Lの変更にも容易に対応することができる。
【0035】よって、鋼板Sのしわの発生を回避するこ
とができるから、生産性の低下を防止することができ、
また、歩留りの低下を回避することができる。なお、上
記実施の形態においては、目標巻き付け角度θ* と、実
際の巻き付け角度Θとが一致するように、しわ伸ばしロ
ール3aの位置制御を行うようにした場合について説明
したが、例えば、目標巻き付け角度θ* を実現すること
の可能な、鋼板Sがしわ伸ばしロール3aに接していな
い自由部分の鋼板Sの長手方向の長さを算出し、これを
実現し得る位置にしわ伸ばしロール3aを移動させるよ
うにしてもよい。
【0036】また、上記実施の形態においては、移動手
段としてシリンダ3c及び台車3dを適用し、これらに
よってしわ伸ばしロール3aの位置を移動させるように
した場合について説明したが、これに限らず、例えばボ
ールネジを組み合わせることによってしわ伸ばしロール
3aを移動させるようにしてもよく、要は、X軸及びY
軸を含む平面内で、しわ伸ばしロール3aを自由に移動
させることが可能な移動手段であれば、適用することが
できる。
【0037】また、上記実施の形態においては、コイル
半径Rを、例えば圧延速度と圧延時間等とによって算出
した巻き取り長LL に基づいて算出するようにした場合
について説明したが、これに限るものではなく、例えば
コイル半径Rを検出するセンサを設けるようにしてもよ
い。また、コイル半径Rは、圧延速度と圧延時間とに基
づいて一義的に決まるから、例えば圧延時間に対するコ
イル半径Rの変化を圧延速度毎に対応させてマップとし
て記憶しておき、このマップに基づいてコイル半径Rを
検出するようにしてもよい。
【0038】また、コイル半径Rと、ピストン3bのス
トローク量及び台車3dの位置との対応は一義的に決ま
るとみなすことができるから、この場合にも、コイル半
径Rと、ピストン3bのストローク量及び台車3dの位
置とを対応させてマップとして記憶しておき、このマッ
プに基づいてピストン3bのストローク量及び台車3d
の位置を検出するようにしてもよい。
【0039】さらに、コイル半径Rは圧延時間に応じて
一義的に決まるから、圧延時間とピストン3bのストロ
ーク量及び台車3dの位置とを対応させてマップとして
記憶しておき、圧延時間に応じて、ピストン3bのスト
ローク量及び台車3dの位置を制御することによりしわ
伸ばしロール3aの位置制御を行うようにしてもよい。
【0040】また、上記実施の形態においては、本発明
による金属箔の巻き取り装置を圧延ラインに適用した場
合について説明したが、圧延設備に限るものではなく、
焼鈍設備,酸洗設備等、金属箔をコイル状に巻き取る設
備に適用することも可能である。また、上記実施の形態
においては、デフレクタロール1とテンションリール2
との間に、しわ伸ばしロール3aを一つ設けた場合につ
いて説明したが、複数のしわ伸ばしロールを設けるよう
にしてもよく、この場合には、各しわ伸ばしロールにお
いて上記と同様にして目標巻き取り角度θ* を設定し、
これと実際の巻き取り角度Θとが一致するようにしわ伸
ばしロールの位置を制御するようにすればよい。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。この実施
例では、本発明における金属箔の巻き取り装置を20段
ゼンジミア型往復式圧延機に適用し、板厚50〔μ
m〕,板幅960〔mm〕,コイル長12000〔m〕
のフェライト系ステンレス鋼を、圧延張力20〔kg/
mm2 〕の条件下で圧延しながら巻き取った。
【0042】なお、この条件下における目標巻き付け角
度θ* は、図4(a)から31度以上である。また、テ
ンションリール2に外径660〔mm〕のスリーブを挿
入し、半径75〔mm〕,ロール長さ1300〔mm〕
のしわ伸ばしロール3aを用いた。図7は、しわ伸ばし
ロール3aの位置を変更しながら圧延した時の、しわ伸
ばしロールの巻き付け角度θとしわが発生するまでの圧
延長さとの関係を示したものである。条件2及び3に示
すように、巻き付け角度θを30〜35〔度〕程度の間
で変化させた場合には、巻き付け角度θが30〔度〕付
近となった時点でしわが発生するが、条件1に示すよう
にしわ伸ばしロール3aの巻き付け角度θを32〜38
〔度〕に保ちながら巻き取ると、しわを発生させずに、
12000〔m〕まで巻き取ることができることを確認
でき、大単重のコイルでも安定に製造することができる
ことを確認できた。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る金属
箔の巻き取り方法及び巻き取り装置によれば、しわの発
生を防止可能な、しわ伸ばしロールへの金属箔の目標巻
き付け角度と、実際の巻き付け角度とが一致するよう
に、しわ伸ばしロールの位置を制御するようにしたか
ら、巻き取りを行う金属箔に応じた目標巻き付け角度を
設定するだけで、金属箔のコイル径の変化、或いは板
厚,板幅の変化等に係わらず、しわの発生を容易に回避
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における金属箔の巻き取り装置の一例を
示す概略構成図である。
【図2】目標巻き付け角度θ* の算出方法の説明に供す
る説明図である。
【図3】目標巻き付け角度θ* の算出方法の説明に供す
る説明図である。
【図4】目標巻き付け角度θ* の一例である。
【図5】実際の巻き付け角度Θの算出方法の説明に供す
る説明図である。
【図6】制御装置での処理手順の一例を示すフローチャ
ートである。
【図7】巻き付け角度Θの設定条件を変えて巻き取りを
行った場合の、しわが発生するまでの圧延距離を示す実
験結果である。
【図8】しわの発生に供する説明図である。
【符号の説明】
1 デフレクタロール 2 テンションリール 3 しわ伸ばし装置 3a しわ伸ばしロール 3b ピストン 3c シリンダ 3d 台車 10 制御装置 S 鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 裕弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 神丸 秋信 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフレクタロールに案内された金属箔を
    しわ伸ばしロールで押圧しながら巻き取りリールに巻き
    取る金属箔の巻き取り方法において、 前記金属箔のしわ伸ばしロールへの巻き付け角度が、し
    わの発生を防止可能な目標巻き付け角度となるように、
    前記しわ伸ばしロールの位置を制御することを特徴とす
    る金属箔の巻き取り方法。
  2. 【請求項2】 金属箔を巻き取る巻き取りリールとデフ
    レクタロールとの間に、前記金属箔を押圧するしわ伸ば
    しロールを備えた金属箔の巻き取り装置であって、 前記しわ伸ばしロールを所定の位置に移動する移動手段
    と、しわの発生を防止可能な前記しわ伸ばしロールへの
    前記金属箔の目標巻き付け角度と実際の巻き付け角度と
    が一致するように前記移動手段を駆動して、前記しわ伸
    ばしロールの位置制御を行う位置制御手段と、を備える
    ことを特徴とする金属箔の巻き取り装置。
JP8207599A 1998-03-26 1999-03-25 金属箔の巻き取り方法及び巻き取り装置 Pending JPH11333517A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100798099B1 (ko) * 2001-08-23 2008-01-28 주식회사 포스코 냉연강판 코일의 권취장치 및 그 방법

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