JPH11325329A - 管状成形体 - Google Patents

管状成形体

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JPH11325329A
JPH11325329A JP10133756A JP13375698A JPH11325329A JP H11325329 A JPH11325329 A JP H11325329A JP 10133756 A JP10133756 A JP 10133756A JP 13375698 A JP13375698 A JP 13375698A JP H11325329 A JPH11325329 A JP H11325329A
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JP
Japan
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polyester
weight
polyether
copolymer
parts
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JP10133756A
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English (en)
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Hirotake Matsumoto
弘丈 松本
Akihiro Niki
章博 仁木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードセグメント成分とソフトセグメント成
分のブロック性が高く、柔軟性と高温での機械的特性、
とりわけ高温での耐クリープ性に優れた管状成形体を提
供する。 【解決手段】 一般式(1)で表される短鎖ポリエステ
ル成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成
分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエステル成分
が50〜95重量%、前記長鎖ポリエステル成分が50
〜5重量%であるポリエステル系共重合体(A)と、一
般式(3)で表される繰り返し単位から構成されるポリ
エーテル(B)とのブロック共重合体であって、ポリエ
ステル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)は、一
般式(4)又は一般式(5)を構成単位とするイソシア
ネート成分(C)によって結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性と高温での
機械的特性、特に高温における耐クリープ性に優れた管
状成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ホース、チューブ等に代表されるエラス
トマーの管状成形体は、日用品、自動車、機械等多くの
分野で使用されており、例えば、自動車、自動二輪車等
のサスペンション、ステアリング、駆動系等の駆動部を
保護するために、等速ジョイントブーツ、ラックアンド
ピニオンブーツ、ストラットサスペンションブーツ等の
蛇腹部を有するカバーブーツが用いられている。
【0003】このカバーブーツが使用される駆動部等の
機械部品は、作動性をよくするためにグリース等の作動
油が使用されていることが多いため、カバーブーツの内
表面にはこの作動油が付着し易く、そのため、カバーブ
ーツの材料には耐油性が要求される。さらに、作動油の
シール性を保持するための耐クリープ性や、カバーブー
ツを機械部品へ装着し易くするための柔軟性等が要求さ
れる。
【0004】従来より、カバーブーツ等の管状成形体の
材料として、クロロプレン等のゴムが使用されてきた。
しかしながら、ゴムは架橋工程を必要とするのでプロセ
スが複雑となり、また耐久性に劣るため、近年は耐熱性
及び柔軟性に優れ、かつ成形が容易な熱可塑性エラスト
マーが使用され始めている。
【0005】これらの中でも、ポリエステル系エラスト
マー(TPEE)は機械的強度、耐熱性、耐摩耗性、耐
屈曲疲労性等に優れており、自動車分野を中心として幅
広い産業分野で用いられている。ところが、TPEEに
は、硬度が通常のゴムよりも高く柔軟性に欠けるため装
着時の作業性が著しく劣るという欠点があり、その改良
が望まれている。
【0006】上記TPEEに柔軟性を付与する場合は、
物理的架橋を担うハードセグメント成分の割合を減らす
ことが必要であり、このような方法が、例えば特開平2
−88632号公報で提案されている。しかしながら、
この方法では、ハードセグメント成分のブロック性が低
下するため、融点が低下し高温での機械的特性、特に耐
クリープ性が低下するという問題点があった。
【0007】さらに、例えば特開平9−194704号
公報には、ポリエステルエラストマーに対して、特定量
の有機イソシアネート化合物とシリコーン化合物とを溶
融混合して得られる、自動車用等速ジョイントブーツ用
樹脂組成物が提案されている。しかしながら、この樹脂
組成物をカバーブーツ用樹脂組成物として使用するには
柔軟性が不足し、より一層の柔軟性を付与する必要があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分のブ
ロック性が高く、柔軟性と高温での機械的特性、とりわ
け高温での耐クリープ性に優れた管状成形体を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の管状成形体は、
一般式(1)で表される短鎖ポリエステル成分及び一般
式(2)で表される長鎖ポリエステル成分の繰り返しか
ら構成され、前記短鎖ポリエステル成分が50〜95重
量%、前記長鎖ポリエステル成分が50〜5重量%であ
るポリエステル系共重合体(A)と、一般式(3)で表
される繰り返し単位から構成されるポリエーテル(B)
とのブロック共重合体であって、ポリエステル系共重合
体(A)及びポリエーテル(B)は、一般式(4)又は
一般式(5)を構成単位とするイソシアネート成分
(C)によって結合されており、ポリエステル系共重合
体(A)100重量部に対して、ポリエーテル(B)5
0〜500重量部及びイソシアネート成分(C)10〜
100重量部を含有するエステル系エラストマーからな
ることを特徴とする。
【0010】本発明で使用されるポリエステル系共重合
体(A)は、一般式(1)で表される短鎖ポリエステル
成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成分
の繰り返しから構成される。
【0011】
【化2】
【0012】一般式(1)及び(2)中、R1 は炭素数
2〜8のアルキレン基を示し、R2は、一般式−R−O
−(式中、Rはそれぞれ独立して炭素数2〜8のアルキ
レン基を示す)で表される繰り返し単位から構成され
る、数平均分子量500〜5000の成分を示す。
【0013】上記な共重合体(A)としては、例えば、
テレフタル酸ジメチルエステル、低分子量ジオール及び
ポリエーテルを反応させることによって得られる公知の
ポリエーテルエラストマーが使用可能である。
【0014】上記ポリエステル系共重合体(A)を構成
する低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、これ
らは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されても
よい。
【0015】上記ポリエステル系共重合体(A)を構成
するポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリ
コール、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,
2−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール、ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、機械的特性、耐候性に優れる点でポリ
テトラメチレングリコールが好ましく、市販品として
は、BASF社製「PTHF」、三菱化学社製「PTM
G」等が例示される。
【0016】上記ポリエーテルの数平均分子量は、50
0〜5000が好ましく、より好ましくは500〜20
00である。数平均分子量が500未満の場合は、得ら
れるポリエステル系共重合体(A)のブロック性が低下
して融点が低くなり、エステル系エラストマーの高温で
の機械強度が低くなる。また、数平均分子量が5000
を超える場合は、ポリエーテル(B)との相溶性が低い
ためエステル系エラストマーの重合度が上がらず、十分
な強度のエラストマーが得られない。
【0017】上記ポリエステル系共重合体(A)は公知
の方法によって重合することが可能であり、具体的に
は、テレフタル酸ジメチルエステルをポリエーテル及び
過剰の低分子量ジオールとともに触媒の存在下で200
℃に加熱してエステル交換反応を行い、これに引き続い
て、減圧下240℃において重縮合反応を行うことによ
り、ポリエステル系共重合体(A)を得ることができ
る。
【0018】上記ポリエステル系共重合体(A)の構成
成分中、短鎖ポリエステル成分の占める割合は50〜9
5重量%であり、好ましくは70〜90重量%である。
短鎖ポリエステル成分が50重量%未満の場合は、ポリ
エステル系共重合体(A)の融点が低く、エステル系エ
ラストマーの高温での機械強度に悪影響を与える。ま
た、95重量%を超える場合は、後述のポリエーテル
(B)との相溶性が低いため、得られるエステル系エラ
ストマーの重合度が上がらず、十分な強度のものが得ら
れない。
【0019】上記ポリエーテル(B)は、一般式(3)
で表される繰り返し単位から構成される。このようなポ
リエーテルとしては、上記ポリエステル系共重合体
(A)を構成するポリエーテルで説明したものと同様の
ものが挙げられる。
【0020】
【化3】
【0021】式中、R3 は炭素数2〜8のアルキレン基
を示す。
【0022】本発明のエステル系エラストマーは、上記
ポリエステル系共重合体(A)とポリエーテル(B)と
の共重合体であって、ポリエステル系共重合体(A)及
びポリエーテル(B)は、一般式(4)又は一般式
(5)を構成単位とするイソシアネート成分(C)によ
って結合されたものである。
【0023】
【化4】
【0024】式中、R4 は炭素数2〜15のアルキレン
基又はフェニレン基を示す。
【0025】上記イソシアネート成分(C)によって結
合されたエステル系エラストマーを得るには、上記ポリ
エステル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)と、
ジイソシアネート化合物 (C')とを反応させればよい。
上記ポリエステル系共重合体(A)及びポリエーテル
(B)は、通常、両末端に水酸基を有するが、末端基の
一部にカルボキシル基を有するものであってもよい。
【0026】通常、上記ジイソシアネート化合物 (C')
と反応する上記ポリエステル系共重合体(A)及びポリ
エーテル(B)の両末端とも水酸基の場合は、一般式
(4)を構成単位とするジイソシアネート化合物 (C')
によって結合され、一方が水酸基でもう一方がカルボキ
シル基の場合は、一般式(5)を構成単位とするジイソ
シアネート化合物 (C')によって結合される。
【0027】上記ジイソシアネート化合物 (C')は、同
一分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物であ
れば、その構造は特に限定されず、生成したエステル系
エラストマーの流動性を保つ範囲で3個以上のイソシア
ネート基を有する化合物を用いてもよい。
【0028】上記ジイソシアネート化合物 (C')として
は、例えば、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシア
ネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート;1,2−エチレンジイソシアネート、1,
3−プロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3
−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、水素添加した4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げ
られる。
【0029】上記エステル系エラストマーは、ポリエス
テル系共重合体(A)100重量部、ポリエーテル
(B)50〜500重量部及びイソシアネート成分
(C)10〜100重量部を構成成分とする。上記ポリ
エーテル(B)の量が、50重量部未満ではエステル系
エラストマーは十分な柔軟性が得られず、500重量部
を超えると十分な機械的強度が得られない。好ましく
は、100〜300重量部である。
【0030】上記イソシアネート成分(C)の量が、1
0重量部未満ではエステル系エラストマーは高分子量体
にならないため機械的強度が低くなり、100重量部を
超えるとエステル系エラストマーは柔軟性に劣ったもの
となる。好ましくは、30〜70重量部である。
【0031】本発明においては、上記ポリエステル系共
重合体(A)、ポリエーテル(B)及びジイソシアネー
ト化合物 (C')は、押出機を用いて溶融混合することに
より反応させることができる。押出温度は180〜26
0℃が好ましく、より好ましくは200〜240℃であ
る。押出温度が180℃未満であると、ポリエステル系
共重合体(A)が溶融しないため反応が困難となって、
高分子量のポリマーを得ることができず、260℃を超
えると、ポリエステル系共重合体(A)及びジイソシア
ネート化合物 (C')が分解し、充分な強度のポリマーを
得ることができない。
【0032】上記ポリエステル系共重合体(A)、ポリ
エーテル(B)及びジイソシアネート化合物 (C')との
溶融混合時に触媒を用いることができる。上記触媒とし
ては、例えば、ジアシル第一錫、テトラアシル第二錫、
ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジメ
チル錫マレート、錫ジオクタノエート、錫テトラアセテ
ート、トリエチレンアミン、ジエチレンアミン、トリエ
チルアミン、ナフテン酸金属塩、オクチル酸金属塩、ト
リイソブチルアルミニウム、テトラブチルチタネート、
酢酸カルシウム、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモ
ン等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二
種以上が併用されてもよい。
【0033】上記エステル系エラストマーには、安定剤
が使用されてよく、安定剤としては、例えば、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9
−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1
−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン等のヒンダードフェノール系酸
化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2−t−ブ
チル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、ジミリスチル3,3'-チオジプロピオネート、
ジステアリル3,3'-チオジプロピオネート、ペンタエ
リスチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ジトリデシル3,3'-チオジプロピオネート等の
熱安定剤などが挙げられる。
【0034】さらに、上記エステル系エラストマーに
は、製造時又は製造後に実用性を損なわない範囲で、繊
維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を添加してもよい。
【0035】上記繊維としては、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊
維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維
等の無機繊維;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられ
る。上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられる。上記
難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等が挙げられ
る。
【0036】上記紫外線吸収剤としては、例えば、p−
tert−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2'-カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−
トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げられる。
【0037】上記帯電防止剤としては、例えば、N,N
−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキル
アリルスルホネート、アルキルスルファネート等が挙げ
られる。上記無機物としては、例えば、硫酸バリウム、
アルミナ、酸化珪素等が挙げられる。上記高級脂肪酸塩
としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0038】上記エステル系エラストマーには、その他
の熱可塑性樹脂、ゴム成分を混合してその性質を改質し
て使用してもよい。上記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられる。
【0039】上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPD
M)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴム、ウレタンゴム、オレフィン系熱可塑性
エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化
ビニル系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エ
ラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げら
れる。
【0040】本発明の管状成形体としては、例えば、図
1に側面図を示したカバーブーツが挙げられる。このカ
バーブーツ1は、少なくとも1部に蛇腹部2を有するも
のであって、その全体が蛇腹部2から形成されたもので
あってもい。
【0041】上記カバーブーツを得る方法としては、例
えば、押出成形、射出成形、ブロー成形等の一般的な成
形法を用いることができる。これらの中でも特に、押出
ブロー成形機を用いた押出成形が好適である。
【0042】押出成形を行う場合は、一軸又は二軸押出
機を用いることができる。押出成形では、バレルの温度
コントロールが重要であるため、ヒーターが3つの領域
以上に分割された押出機の使用が好ましく、冷却システ
ムを具備するものがより好ましい。スクリューは、L/
D=20〜25のものが好ましい。さらに、成形中の分
解を防ぐために、エステル系エラストマーを十分乾燥し
た後成形することが好ましい。成形温度は、エステル系
エラストマーの融点等によって異なるが、一般にバレル
のホッパー側を170〜240℃、中間部、先端部を1
80〜265℃、ダイ温度を170〜250℃に設定す
ることが好ましい。
【0043】射出成形を行う場合は、成形中の分解反応
を防止するために、設定温度が高くならないように注意
し、シリンダー内の滞留時間が短くなるように設定す
る。成形温度は、エステル系エラストマーの融点等によ
って異なるが、一般にシリンダーのホッパー側を170
〜240℃、中間部、ノズル部分を180〜265℃、
金型温度を20〜80℃に設定することが好ましい。
【0044】また、ブロー成形を行う場合の条件は、押
出成形や射出成形に準ずる。
【0045】
【作用】通常、異なるポリマー成分は相溶性は不十分で
あるため、互いに反応させることは困難であるが、本発
明においては、ハードセグメントである短鎖ポリエステ
ル成分にソフトセグメントであるポリエーテルを共重合
させて得られたポリエステル系共重合体と、ソフトセグ
メント成分であるポリエーテルとを反応させて用いるこ
とによって、相溶性が向上し、互いの反応が極めて向上
することが明らかになった。この結果、ハードセグメン
ト成分とソフトセグメント成分とのブロック性の高いエ
ステル系エラストマーが生成し、管状成形体として良好
な特性を示す。
【0046】本発明で使用されるエステル系エラストマ
ーにおいては、短鎖ポリエステル成分によって形成され
る結晶が架橋点を構成することによりエラストマーとし
ての特性を示す。本エラストマーは、分子中にハードセ
グメントリッチな部分とソフトセグメントリッチな部分
から構成されており、従来同程度の柔軟性を示すエステ
ル系エラストマーよりも短鎖ポリエステル成分が結晶化
し易く、その結果、強固な架橋点が形成され、高温での
機械特性に優れ、管状成形体に適したエラストマー材料
となる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0048】(実施例1)テレフタル酸ジメチル100
重量部、1,4−ブタンジオール102重量部、数平均
分子量が約1000のポリテトラメチレングリコール
(BASF社製「PTHF1000」)48重量部、触
媒としてテトラブチルチタネート0.3重量部、安定剤
として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ0シベンジル)
ベンゼン0.3重量部、及び、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト0.3重量部を加え
て、反応系を窒素下、200℃で3時間保ち、エステル
交換反応を行った。上記エステル交換反応の進行は留出
するメタノール分量を計量することにより確認した。エ
ステル交換反応進行後、20分間で240℃まで昇温し
減圧操作を行った。減圧操作により重合系は20分間で
2mmHg以下の減圧度に達した。この状態で20分間
重縮合反応を行った結果、白色のポリエステル系共重合
体(a1)160重量部が得られた。
【0049】このポリエステル系共重合体(a1)100
重量部、数平均分子量が約1000のポリテトラメチレ
ングリコール(b)110重量部、及び、4,4'-ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(c)36重量部を、二
軸押出機(ベルストルフ社製L/D=40)を用いて2
20℃で混練(滞留時間200秒間)し、エステル系エ
ラストマーのペレットを得た。得られたペレットをプレ
ス成形(プレス温度230℃)することにより、2mm
厚のシートを得た。
【0050】上記で得られたエステル系エラストマーペ
レット100重量部に対して、熱安定剤として3,9−
ビス−{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1
−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン0.2重量部、及び、ペンタエ
リスチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)0.32重量部を混合し、押出ブロー成形機を用い
て図1に示したカバーブーツを成形した。押出ブロー成
形機の成形温度は、金型温度を230〜240℃、バレ
ル部分のホッパー側を215〜220℃、中間部、先端
部を230〜235℃にそれぞれ設定した。得られたカ
バーブーツは、図1において、H1 =93mm、H2
30mm、蛇腹部分の、最大山径=105mm、最小山
径=70mm、最大谷径=72mm、最小谷径=50m
m、平均厚み=1.3mmであった。
【0051】(実施例2)数平均分子量が約1000の
ポリテトラメチレングリコール(BASF社製「PTH
F1000」)28重量部を用いた以外は、実施例1と
同様の方法によってポリエステル系共重合体(a2)14
0重量部を得た。このポリエステル系共重合体(a2)1
00重量部、数平均分子量が約1000のポリテトラメ
チレングリコール(b)(BASF社製「PTHF10
00」)110重量部、及び、4,4'-ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(c)42重量部から、実施例1と
同様にしてエステル系エラストマーのペレットを得た
後、プレス成形(プレス温度230℃)により2mm厚
のシートを得た。さらに、このペレットを使用して実施
例1と同様の条件で押出ブロー成形することにより、実
施例1と同サイズのカバーブーツを作製した。
【0052】(比較例1)テレフタル酸ジメチル100
重量部、1,4−ブタンジオール102重量部、数平均
分子量が約1000のポリテトラメチレングリコール
(BASF社製「PTHF1000」)170重量部、
触媒としてテトラブチルチタネート0.3重量部、安定
剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.3重量部、及び、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト0.3重量部を加え、
反応系を窒素下、200℃で3時間保ち、エステル交換
反応を行った。エステル交換反応の進行は留出するメタ
ノール分量を計量することにより確認した。エステル交
換反応進行後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操
作を行った。重合系は20分で2mmHg以下の減圧度
に達した。この状態で6時間重縮合反応を行った結果、
白色のエステル系エラストマー283重量部が得られ
た。このエステル系エラストマーを使用し、実施例1と
同様にプレス成形して2mm厚のシートを得た。さら
に、上記エステル系エラストマーを、金型温度170〜
185℃、バレル部分のホッパー側160〜170℃、
中間部、先端部を170〜180℃に設定してブロー押
出成形することにより、実施例1と同サイズのカバーブ
ーツを作製した。
【0053】(比較例2)数平均分子量が約1000の
ポリテトラメチレングリコール(BASF社製「PTH
F1000」)を全く用いなかったこと以外は、実施例
1と同様にしてポリエステル系共重合体110重量部を
得た。このポリエステル系共重合体100重量部、数平
均分子量が約1000のポリテトラメチレングリコール
(BASF社製「PTHF1000」)110重量部、
及び、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート42
重量部を、実施例1と同様にして220℃で混練した
が、エステル系エラストマーは得られなかった。
【0054】(比較例3)2mm厚のクロロプレンゴム
シートを使用して性能評価を行った。
【0055】上記実施例及び比較例で得られたシート及
びカバーブーツについて下記項目の性能評価を行い、そ
の結果を表1に示した。 (1)ガラス転移温度(Tg)、融点及び融解熱 示差走査熱量計(ティーエーインスツルメント社製「D
SC2920」)を用いて、昇温速度10℃/分で測定
を行った。
【0056】(2)表面硬度(JIS A) JIS K 6301に準拠して、A型バネにより23
℃で表面硬度を測定した。
【0057】(3)引張特性 JIS K 6301に準拠して、室温(23℃)にお
ける引張強さ及び引張伸びを測定した。
【0058】(4)圧縮永久歪み JIS K 6301に準拠して、100℃において圧
縮ひずみ量25%で測定し、耐へたり性を評価した。
【0059】(5)屈曲疲労性 JIS K 6301に準拠して、100℃において5
00万回の繰り返し変形を行った後、シート表面を目視
観察して亀裂の有無を確認した。
【0060】(6)密着保持性 カバーブーツにJIS3号油を充填し、図1のH1 側に
外径92mmの鉄製の栓を、H2 側に外径92mmの鉄
製の栓をそれぞれはめ込み、締めつけ金具で締めつける
ことによってカバーブーツの両側を密封した。次いで、
100℃のギアオーブン中で50日間放置した後室温に
冷却し、油の漏れの有無を目視により観察した。
【0061】
【表1】
【0062】実施例1及2と比較例1とを比較した場
合、実施例の表面硬度が低いにもかかわらず、結晶融
解に伴う融解熱が大きいこと、実施例の融点が高いこ
とから、実施例の短鎖エステル成分の結晶が強固なもの
であることわかる。さらに、実施例の、引張伸びが大
きく、圧縮永久歪みが小さく、しかも耐屈曲疲労性が優
れることから、実施例の方の架橋点間分子量が大きいも
のと推定される。以上の結果から、実施例においてブロ
ック性の高いエステル系エラストマーが得られたものと
考えられる。
【0063】
【発明の効果】本発明の管状成形体は、以上の構成であ
り、短鎖ポリエステル成分のブロック性が高いエステル
系エラストマーからなるため、柔軟性と高温での耐クリ
ープ性とが共に良好であり、柔軟性によって装着時の作
業性が向上し、高温での耐クリープ性が優れることによ
ってシール保持性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】カバーブーツを模式的に示した側面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される短鎖ポリエステ
    ル成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成
    分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエステル成分
    が50〜95重量%、前記長鎖ポリエステル成分が50
    〜5重量%であるポリエステル系共重合体(A)と、一
    般式(3)で表される繰り返し単位から構成されるポリ
    エーテル(B)とのブロック共重合体であって、ポリエ
    ステル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)は、一
    般式(4)又は一般式(5)を構成単位とするイソシア
    ネート成分(C)によって結合されており、ポリエステ
    ル系共重合体(A)100重量部に対して、ポリエーテ
    ル(B)50〜500重量部及びイソシアネート成分
    (C)10〜100重量部を含有するエステル系エラス
    トマーからなることを特徴とする管状成形体。 【化1】 〔式中、R1 ,R3 は炭素数2〜8のアルキレン基を示
    し、R2 は、一般式−R−O−(式中、Rはそれぞれ独
    立して炭素数2〜8のアルキレン基を示す)で表される
    繰り返し単位から構成される、数平均分子量500〜5
    000の成分を示し、R4 は炭素数2〜15のアルキレ
    ン基又はフェニレン基を示す〕
  2. 【請求項2】 少なくとも1部に蛇腹部を有するカバー
    ブーツであることを特徴とする請求項1記載の管状成形
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011504944A (ja) * 2007-11-21 2011-02-17 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. クラスe区分のケーブルおよびチューブ

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