JP2001011148A - エステル系エラストマーの製造方法及びエステル系エラストマー - Google Patents

エステル系エラストマーの製造方法及びエステル系エラストマー

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JP2001011148A
JP2001011148A JP11187628A JP18762899A JP2001011148A JP 2001011148 A JP2001011148 A JP 2001011148A JP 11187628 A JP11187628 A JP 11187628A JP 18762899 A JP18762899 A JP 18762899A JP 2001011148 A JP2001011148 A JP 2001011148A
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Japan
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ester
polyester
elastomer
polyether
isocyanate compound
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JP11187628A
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Hirotake Matsumoto
弘丈 松本
Akihiro Niki
章博 仁木
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
Akihiko Fujiwara
昭彦 藤原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードセグメント成分とソフトセグメント成
分のブロック性が高く、柔軟性と高温での機械的特性、
とりわけ高温での耐へたり性に優れたエステル系エラス
トマーの製造方法及びエステル系エラストマーを提供す
る。 【解決手段】 短鎖ポリエステル成分及び長鎖ポリエス
テル成分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエステ
ル成分が50〜95重量%であり、前記長鎖ポリエステ
ル成分が50〜5重量%であるポリエステル系共重合体
(A)、ポリエーテル(B)及びイソシアネート化合物
(C)を溶融混合して反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性と高温での
機械的特性、特に高温における耐へたり性に優れたエス
テル系エラストマーの製造方法及びエステル系エラスト
マーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への意識の高まりから、
様々な産業分野においてリサイクル可能な素材へ代替し
ようとする動きが加速している。ゴム素材としては熱可
塑性エラストマー(TPE)が古くから注目されてお
り、自動車、各種工業等の分野において、様々な用途で
用いられるようになっている。
【0003】その中で、ポリエステル系エラストマー
(TPEE)は機械的強度、耐熱性、耐摩耗性、耐屈曲
疲労性等に優れており、自動車分野を中心として幅広い
産業分野で用いられている。ところが、TPEEには、
硬度が通常のゴム領域よりも高く柔軟性に欠ける、
大変形時・高温時の圧縮永久ひずみが大きく耐へたり性
に欠けるといった欠点があり、その改良が望まれてい
る。
【0004】TPEEに柔軟性を付与する場合、物理的
架橋を担うハードセグメント成分の割合を減らすことが
必要である。しかしながら、その場合例えば特開平2−
88632号公報で開示されているような従来技術で
は、ハードセグメント成分のブロック性が低下し、その
結果、融点が低下し高温での機械的特性が低下するとい
う問題点があった。また耐へたり性についても、例えば
特開昭52−121699号公報には重合度を上げるこ
とによって改良する技術が開示されているが限界があ
り、柔軟性と両立させることは不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分のブ
ロック性が高く、柔軟性と高温での機械的特性、とりわ
け高温での耐へたり性に優れたエステル系エラストマー
の製造方法及びエステル系エラストマーを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のエステル系エラ
ストマーの製造方法は、一般式(1)で表される短鎖ポ
リエステル成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエ
ステル成分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエス
テル成分が50〜95重量%であり、前記長鎖ポリエス
テル成分が50〜5重量%であるポリエステル系共重合
体(A)、一般式(3)で表される繰り返し単位から構
成されるポリエーテル(B)及びイソシアネート化合物
(C)を溶融混合して反応させるエステル系エラストマ
ーの製造方法であって、前記ポリエステル系共重合体
(A)を、ポリエステル系共重合体(A)、ポリエーテ
ル(B)及びイソシアネート化合物(C)の合計量に対
して10〜60重量%含有させ、イソシアネート化合物
(C)に含まれるイソシアネート基と、ポリエステル系
共重合体(A)及びポリエーテル(B)に含まれる該イ
ソシアネート基と反応しうる活性水素を有する基との当
量比を0.9〜1.05とすることを特徴とする。
【0007】本発明で用いられるポリエステル系共重合
体(A)は、一般式(1)で表される短鎖ポリエステル
成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成分
の繰り返しから構成される。
【0008】 −CO−R1 −CO−O−R2 −O− ・・・・(1) −CO−R1 −CO−O−R3 − ・・・・(2)
【0009】式中、R1 は炭素数6〜12の2価の芳香
族炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜8のアルキレン
基を示し、R3 は、−R−O−(式中、Rは炭素数2〜
8のアルキレン基を示す)で表される繰り返しから構成
され、数平均分子量が500〜5000である成分を示
す。
【0010】上記ポリエステル系共重合体(A)の構成
成分中、短鎖ポリエステル成分の占める割合は50〜9
5重量%であり、好ましくは70〜90重量%である。
短鎖ポリエステル成分が50重量%未満の場合は、ポリ
エステル系共重合体(A)の融点が低く、エステル系エ
ラストマーの高温での機械強度に悪影響を与える。ま
た、95重量%を超える場合は、後述のポリエーテル
(B)との相溶性が低いため、得られるエステル系エラ
ストマーの重合度が上がらず、十分な強度のものが得ら
れない。
【0011】上記ポリエステル系共重合体(A)として
は、例えば、テレフタル酸ジメチルエステル、低分子量
ジオール及びポリエーテルを反応させることによって得
られる公知のポリエーテルエラストマーが使用可能であ
る。
【0012】上記ポリエステル系共重合体(A)を構成
する低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、これ
らは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されても
よい。
【0013】上記ポリエステル系共重合体(A)を構成
するポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリ
コール、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,
2−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール、ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられ、中
でも、機械的特性、耐侯性に優れる点でポリテトラメチ
レングリコールが好ましい。ポリテトラメチレングリコ
ールの市販品としては、例えば、BASF社製「PTH
F」、三菱化学社製「PTMG」等が挙げられる。
【0014】上記ポリエーテルは、数平均分子量500
〜5000のものを用いることが好ましく、より好まし
くは、数平均分子量500〜2000のものである。数
平均分子量が500未満では、得られるポリエステル系
共重合体(A)のブロック性が低下して融点が低くな
り、エステル系エラストマーの高温での機械強度が低く
なる。また、数平均分子量が5000を超える場合は、
後述のポリエーテル(B)との相溶性が低いためエステ
ル系エラストマーの重合度が上がらず、十分な強度のエ
ステル系エラストマーが得られない。
【0015】上記ポリエステル系共重合体(A)は公知
の方法によって重合することが可能である。具体的に
は、テレフタル酸ジメチルエステルをポリエーテル及び
過剰の低分子量ジオールと共に触媒の存在下で200℃
に加熱してエステル交換反応を行い、引き続いて、減圧
下240℃で重縮合反応を行うことにより、ポリエステ
ル系共重合体(A)を得ることができる。
【0016】本発明で用いられるポリエーテル(B)
は、一般式(3)で表される繰り返しから構成される。
−R4 −O− ・・・・(3) 式中、R4 は炭素数2〜8のアルキレン基を示す。
【0017】上記ポリエーテル(B)としては、例え
ば、上記ポリエステル系共重合体(A)を構成するもの
と同様のポリエーテルが好適に用いられる。
【0018】本発明で用いられるイソシアネート化合物
(C)としては、特にその構造は限定されないが、イソ
シアネート化合物1分子当たりの平均イソシアネート基
数が2.0〜2.2の範囲にあるものが好ましい。
【0019】上記平均イソシアネート基数2.0のイソ
シアネート化合物としては、例えば、4,4'-ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート;1,2−エチレ
ンジイソシアネート、1,3−プロピレンジイソシアネ
ート、1,4−ブタンジイソシアネート、1,6−ヘキ
サメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサン
ジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加した
4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族
ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0020】また、上記1分子当たりの平均イソシアネ
ート基数が2.2を超えるイソシアネート化合物を使用
する場合は、例えば、平均イソシアネート基数が2.0
であるイソシアネート化合物と混合することにより、1
分子当たりの平均イソシアネート基数が2.0〜2.2
の範囲となるようにすることが好ましい。
【0021】1分子当たりの平均イソシアネート基数が
2.0を超えるイソシアネート化合物としては、ポリメ
リックMDIが代表的であり、市販品としては、例え
ば、日本ポリウレタン社製「ミリオネートMR200」
(平均イソシアネート基数2.8)が挙げられる。その
他の平均イソシアネート基数が2.0を超えるイソシア
ネート化合物としては、トリフェニルメタントリイソシ
アネート(平均イソシアネート基数3.0)、トリス
(イソシアネートフェニル)チオホスフェート(平均イ
ソシアネート基数3.0)、ヘキサメチレントリイソシ
アネート(平均イソシアネート基数3.0)等が挙げら
れる。
【0022】本発明の製造方法では、上記ポリエステル
系共重合体(A)、ポリエーテル(B)及びイソシアネ
ート化合物(C)を溶融混合して反応させることによっ
て、エステル系エラストマーが得られる。
【0023】上記ポリエステル系共重合体(A)の含有
量は、ポリエステル系共重合体(A)、ポリエーテル
(B)及びイソシアネート化合物(C)の合計量に対し
て10〜60重量%となされる。含有量が、10重量%
より少なくなるとエステル系エラストマーに十分な機械
的強度が付与されず、60重量%より多くなるとエステ
ル系エラストマーに十分な柔軟性が付与されない。
【0024】また、上記イソシアネート化合物(C)に
含まれるイソシアネート基と、ポリエステル系共重合体
(A)及びポリエーテル(B)に含まれて該イソシアネ
ート基と反応しうる活性水素を有する基との当量比は
0.9〜1.05の範囲となされる。ここでいう当量比
とは、〔イソシアネート基〕/〔イソシアネート基と反
応しうる活性水素を有する基〕を表し、イソシアネート
基と反応しうる活性水素を有する基としては、水酸基及
びカルボン酸残基等の酸基が挙げられる。
【0025】上記当量比が、0.9未満になるとエステ
ル系エラストマーの分子量が低下して十分な機械強度が
得られず、1.05より大きくなるとエステル系エラス
トマー中に不安定なアロハネート基又はビューレット基
のような副生成物が多くなり、経時的な物性低下が著し
くなる。好ましくは0.95〜1.01である。この場
合、アロハネート基又はビューレット基が生成しにく
く、かつ、得られるエラストマーの分子量も大きくな
り、物性も優れたものとなる。
【0026】上記当量比の計算において、上記イソシア
ネート化合物(C)におけるイソシアネート価は、メー
カー保障値をそのまま使用し、ポリエーテル(B)にお
ける水酸基価ならびに酸価についても、メーカー保障値
をそのまま使用した。また、上記ポリエステル系共重合
体(A)については、以下の方法で水酸基価ならびに酸
価を求めた。 酸価:試料をベンジルアルコール/クロロホルム混合溶
媒に溶解させた後、フェノールレッド指示薬を用いて中
和滴定を行い酸価を求めた。 水酸基価:試料と無水コハク酸をニトロベンゼン/ピリ
ジン混合溶媒に溶解して10時間反応させ後反応液をメ
タノールで再沈させ、得られた反応生成物について上記
と同様にして酸価測定を行い、水酸基価とした。
【0027】上記溶融混合には、一軸又は二軸押出機を
用いることが好ましく、撹拌、混合のよさを考慮する
と、押出機の中でも同方向回転型二軸押出機又は異方向
回転型二軸押出機を用いることがより好ましく、さらに
好ましくは同方向回転かみ合い型二軸押出機である。
【0028】溶融混合温度は、180〜260℃が好ま
しく、より好ましくは200〜240℃である。溶融混
合温度が、180℃未満になるとポリエステル系共重合
体(A)が溶融しないため反応が困難であり、260℃
を超えるとポリエーテル(B)及びイソシアネート化合
物(C)が分解し、強度が十分なエステル系エラストマ
ーを得ることができない。
【0029】本発明の製造方法において、まず、ポリエ
ステル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)を溶融
混合した後、イソシアネート化合物(C)を供給して溶
融混合し反応させることが好ましく、ポリエステル系共
重合体(A)とポリエーテル(B)との混合物が溶融し
均一な状態になった後で、上記イソシアネート化合物
(C)を供給することがより好ましい。ここで均一な状
態とは、溶融した混合物が透明になっている状態をい
う。このような透明な状態は、ポリエステル系共重合体
(A)の融点よりも十分高い温度、好ましくは180℃
以上、より好ましくは200℃以上で5秒間以上溶融混
合することによって得られる。
【0030】上記以外の混合方法、例えば、上記
(A)、(B)及び(C)成分を同時に供給して溶融混
合する方法では、(A)、(B)及び(C)成分の反応
性の違いから不均一な反応が起こり、十分な機械的強度
を有するエステル系エラストマーが得られない。また、
ポリエステル系共重合体(A)とイソシアネート化合物
(C)とを混合した後でポリエーテル(B)を供給して
溶融混合する方法や、ポリエーテル(B)とイソシアネ
ート化合物(C)とを混合した後でポリエステル系共重
合体(A)を供給して溶融混合する方法では、同様に十
分な機械的強度を有するエステル系エラストマーが得ら
れない。
【0031】上記イソシアネート化合物(C)の供給前
後で、異なる溶融混合温度とすることが好ましい。即
ち、イソシアネート化合物(C)を供給する前のポリエ
ステル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)の溶融
混合温度は、200〜260℃が好ましく、より好まし
くは220〜250℃である。また、イソシアネート化
合物(C)を供給した後の溶融混合温度は、120〜2
00℃が好ましく、より好ましくは160〜200℃で
ある。
【0032】上記イソシアネート化合物(C)を供給す
る前の溶融混合温度が200℃未満になると、ポリエス
テル系共重合体(A)とポリエーテル(B)との溶融混
合が不十分となり均一な混合状態が得られないため、エ
ステル系エラストマーが得られない。また、上記イソシ
アネート化合物(C)を供給する前の溶融混合温度が2
60℃を超えると、ポリエステル系共重合体(A)やポ
リエーテル(B)の分解が起こり、ブロック性の高いエ
ステル系エラストマーが得られない。
【0033】上記イソシアネート化合物(C)を供給し
た後の溶融混合温度が120℃未満になると、ポリエス
テル系共重合体(A)が結晶化してポリエーテル(B)
の均一な混合状態が得られないため、エステル系エラス
トマーが得られない。また、上記イソシアネート化合物
(C)を供給した後の溶融混合温度が200℃を超える
と、ポリエステル系共重合体(A)においてエステル交
換反応が起こり、得られるエステル系エラストマーのブ
ロック性が低下する。
【0034】上記溶融混合温度の制御は、通常、反応容
器の温度設定によって行うことができる。特に、押出機
を用いて溶融混合を行う場合は、押出機のシリンダー温
度によって制御可能である。
【0035】本発明の製造方法においては、上記ポリエ
ステル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)と、ジ
イソシアネート化合物(C)との溶融混合時に触媒を用
いることができる。上記触媒としては、例えば、ジアシ
ル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサイ
ド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、錫
ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリエチレン
アミン、ジエチレンアミン、トリエチルアミン、ナフテ
ン酸金属塩、オクチル酸金属塩、トリイソブチルアルミ
ニウム、テトラブチルチタネート、酢酸カルシウム、二
酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン等が挙げられ、こ
れらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されて
もよい。
【0036】また、安定剤が使用されてもよく、安定剤
としては、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−〔3−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−
プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等
のヒンダードフェノール系酸化防止剤;トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリ
ルホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p
−ノニルフェニル)ホスファイト、ジミリスチル3,
3'-チオジプロピオネート、ジステアリル3,3'-チオ
ジプロピオネート、ペンタエリスチリルテトラキス(3
−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,
3'-チオジプロピオネート等の熱安定剤などが挙げられ
る。
【0037】本発明の製造方法では、製造時又は製造後
に実用性を損なわない範囲で、繊維、無機充填剤、難燃
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩
等の添加剤を添加してもよい。
【0038】上記繊維としては、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊
維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維
等の無機繊維;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられ
る。上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられる。上記
難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等が挙げられ
る。
【0039】上記紫外線吸収剤としては、例えば、p−
tert−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2'-カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−
トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げられる。
【0040】上記帯電防止剤としては、例えば、N,N
−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキル
アリルスルホネート、アルキルスルファネート等が挙げ
られる。上記無機物としては、例えば、硫酸バリウム、
アルミナ、酸化珪素等が挙げられる。上記高級脂肪酸塩
としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0041】本発明で得られるエステル系エラストマー
には、その他の熱可塑性樹脂、ゴム成分を混合してその
性質を改質して使用してもよい。上記熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられ
る。
【0042】上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPD
M)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴム、ウレタンゴム、オレフィン系熱可塑性
エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ
系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラスト
マー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0043】上記エステル系エラストマーは、一般に用
いられるプレス成形、押出成形、射出成形、ブロー成形
等の成形法によって成形体を得ることができる。成形温
度はエステル系エラストマーの融点、成形方法によって
異なるが160〜260℃が好ましい。成形温度が、1
60℃未満であると、エステル系エラストマーの流動性
が低いので均一な成形体が得られず、260℃を超える
と、エステル系エラストマーが分解し、強度が充分な成
形体を得ることができない。
【0044】上記エステル系エラストマーを用いて得ら
れた成形体は、例えば、自動車部品、電気・電子部品、
工業部品、スポーツ用品、メディカル用品等に好適に用
いられる。
【0045】上記自動車部品としては、例えば、等速ジ
ョイントブーツ、ラックアンドオピニオヨンブーツ等の
ブーツ類;ボールジョイントシール;安全ベルト部品;
バンパーフェイシア;エンブレム;モール等が挙げられ
る。上記電気・電子部品としては、例えば、電線被覆
材、ギア類、ラバースイッチ、メンブレンスイッチ、タ
クトスイッチ、O−リング等が挙げられる。上記工業部
品としては、例えば、油圧ホース、コイルチューブ、シ
ール材、パッキン、Vベルト、ロール、防振制振材料、
ショックアブソーバー、カップリング、ダイヤフラム等
が挙げられる。
【0046】上記スポーツ用品としては、例えば、靴
底、球技用ボール等が挙げられる。上記メディカル用品
としては、例えば、メディカルチューブ、輸血パック、
カテーテル等が挙げられる。さらに、上記用途の他、弾
性繊維、弾性シート、複合シート、ホットメルト接着
剤、他の樹脂とのアロイ用素材等としても好適に用いる
ことができる。
【0047】
【作用】本発明の製造方法によって得られるエステル系
エラストマーは、短鎖ポリエステル成分によって形成さ
れる結晶が架橋点を構成することにより、エラストマー
としての特性を示す。特に、上記エステル系エラストマ
ーは、分子中に短鎖ポリエステル成分リッチな部分とポ
リエーテル成分リッチな部分とから構成されており、従
来の同程度の柔軟性を示すエステル系エラストマーより
も短鎖ポリエステル成分が結晶化し易く、その結果、強
固な架橋点が形成され、高温での機械的特性に優れたエ
ラストマーとなる。さらに、ポリエーテル成分リッチな
部分が存在することにより架橋点間分子量が増大する結
果、柔軟性に富んだエラストマーとなる。
【0048】さらに、イソシアネート化合物(C)に含
まれるイソシアネート基と、ポリエステル共重合体
(A)及びポリエーテル(B)に含まれてイソシアネー
ト基と反応しうる活性水素を有する基との当量比を制御
することによって、エステル系エラストマー中に不安定
なアロハネート基又はビューレット基のような副反応生
成物が生成するのを抑制することができるので、経時的
な物性低下が小さいエステル系エラストマーが得られ
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0050】ポリエステル系共重合体(A)の合成 テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジ
オール102重量部、数平均分子量が約1000のポリ
テトラメチレングリコール(BASF社製「PTFH1
000」)48重量部、並びに、触媒としてテトラブチ
ルチタネート0.3重量部、安定剤として1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.3重量部
及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト0.3重量部を加え、反応系を窒素下、200℃
で3時間保ちエステル交換反応を行った。上記エステル
交換反応の進行は留出するメタノール分量を計量するこ
とにより確認した。エステル交換反応進行後、20分間
で240℃まで昇温し、減圧操作を行った。重合系は2
0分で2mmHg以下の減圧度に達した。この状態で2
0分間重縮合反応を行った結果、白色のポリエステル系
共重合体(A)160重量部が得られた。このポリエス
テル系共重合体(A)について、上述の方法により酸価
及び水酸基価を求めたところ、それぞれ5.0(μeq
/g)及び200(μeq/g)であった。
【0051】(実施例1)上記ポリエステル系共重合体
(A)100重量部、表1に示した酸価及び水酸基価の
ポリテトラメチレングリコール(B)(BASF社製
「PTHF1000」)150重量部、並びに、表1に
示したイソシアネート価の4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート(C)41重量部を、二軸押出機(ベル
ストルフ社製L/D=40)に供給してシリンダー温度
を全て220℃に設定して溶融混合し、エステル系エラ
ストマーのペレットを得た。得られたペレットをプレス
成形(プレス温度230℃)することにより、2mm厚
のエステル系エラストマーシートを得た。
【0052】(実施例2)4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート(C)の使用量を38重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にしてエステル系エラストマー
のペレットを得た後、このペレットを実施例1と同様に
してプレス成形することにより2mm厚のエステル系エ
ラストマーシートを得た。
【0053】(実施例3)上記ポリエステル系共重合体
(A)100重量部、表1に示した酸価ならびに水酸基
価のポリテトラメチレングリコール(B)(BASF社
製「PTHF1000」)80重量部、及び、表1に示
したイソシアネート価の4,4'-ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(C)23重量部を、二軸押出機(ベルス
トルフ社製L/D=40)に供給してシリンダー温度を
全て220℃に設定して溶融混合し、エステル系エラス
トマーのペレットを得た。得られたペレットを実施例1
と同様にしてプレス成形することにより2mm厚のエス
テル系エラストマーシートを得た。
【0054】(比較例1)4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート(C)の使用量を35重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にしてエステル系エラストマー
のペレットを得た後、このペレットを実施例1と同様に
してプレス成形することにより2mm厚のエステル系エ
ラストマーシートを得た。
【0055】(比較例2)4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート(C)の使用量を44重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にしてエステル系エラストマー
のペレットを得た後、このペレットを実施例1と同様に
してプレス成形することにより2mm厚のエステル系エ
ラストマーシートを得た。
【0056】(比較例3)上記ポリエステル系共重合体
(A)100重量部、表1に示した酸価ならびに水酸基
価のポリテトラメチレングリコール(B)(BASF社
製「PTHF1000」30重量部、及び、表1に示し
たイソシアネート価の4,4'-ジフェニルメタンジイソ
シアネート(C)10重量部を、二軸押出機(ベルスト
ルフ社製L/D=40)に供給してシリンダー温度を全
て220℃に設定して溶融混合し、エステル系エラスト
マーのペレットを得た。得られたペレットを実施例1と
同様にしてプレス成形することにより2mm厚のエステ
ル系エラストマーシートを得た。
【0057】
【表1】
【0058】上記実施例及び比較例で得られたエステル
系エラストマーシートについて下記項目の評価を行い、
その結果を表2に示した。 (1)ガラス転移温度(Tg)、融点 示差走査熱量計(DSC)(ティーエーインスツルメン
ト社製「DSC2920」)を用いて、昇温速度10℃
/分で測定を行った。 (2)表面硬度 JIS K 7251に準拠して23℃で表面硬度を測
定した。 (3)引張特性 JIS K 6301に準拠し、室温における引張強さ
及び引張伸びを測定した。 (4)圧縮永久歪み JIS K 6301に準拠して、100℃において圧
縮ひずみ量25%で測定し、耐へたり性を評価した。 (5)耐加水分解性 プレッシャークラッカー試験機を用いて120℃で72
時間浸漬した試験片について、JIS K 6301に
準拠して室温における引張強さを測定し、浸漬前の引張
強さに対する保持率を求めた。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明のエステル系エラストマーの製造
方法は、以上の構成であり、得られるエステル系エラス
トマーは短鎖ポリエステル成分のブロック性が高くなる
ため、柔軟性と高温での機械的特性とが同時に付与され
ており、特に高温での耐へたり性に優れる。さらに、得
られるエステル系エラストマーは、押出機等を用いて容
易に成形することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 昭彦 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J034 BA07 DA01 DA05 DB03 DB07 DB08 DF01 DF16 DF22 DG02 DG03 DG04 DG06 DH02 DH06 HA01 HA07 HA08 HB03 HB15 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC65 HC67 HC71 HC73 JA01 JA24 KA01 KB02 KC07 KC13 KC16 KC17 KC18 KC23 KD02 KD04 KD05 KD12 KE02 PA03 QA03 QB14 QB15 RA02 RA03 RA08 RA09 RA11 RA12 RA14 RA15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される短鎖ポリエステ
    ル成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成
    分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエステル成分
    が50〜95重量%であり、前記長鎖ポリエステル成分
    が50〜5重量%であるポリエステル系共重合体
    (A)、一般式(3)で表される繰り返し単位から構成
    されるポリエーテル(B)及びイソシアネート化合物
    (C)を溶融混合して反応させるエステル系エラストマ
    ーの製造方法であって、前記ポリエステル系共重合体
    (A)を、ポリエステル系共重合体(A)、ポリエーテ
    ル(B)及びイソシアネート化合物(C)の合計量に対
    して10〜60重量%含有させ、イソシアネート化合物
    (C)に含まれるイソシアネート基と、ポリエステル系
    共重合体(A)及びポリエーテル(B)に含まれる該イ
    ソシアネート基と反応しうる活性水素を有する基との当
    量比を0.9〜1.05とすることを特徴とするエステ
    ル系エラストマーの製造方法。 −CO−R1 −CO−O−R2 −O− ・・・・(1) −CO−R1 −CO−O−R3 − ・・・・(2) −R4 −O− ・・・・(3) 〔式中、R1 は炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素
    基を示し、R2 は炭素数2〜8のアルキレン基を示し、
    3 は、−R−O−(式中、Rは炭素数2〜8のアルキ
    レン基を示す)で表される繰り返しから構成され、数平
    均分子量が500〜5000である成分を示し、R4
    炭素数2〜8のアルキレン基を示す〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエステル系エラストマー
    の製造方法により得られてなるエステル系エラストマ
    ー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008149682A1 (ja) * 2007-06-07 2008-12-11 Asahi Glass Company, Limited 熱可塑性ポリウレタンを含む樹脂組成物およびホットメルト接着剤

Cited By (2)

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WO2008149682A1 (ja) * 2007-06-07 2008-12-11 Asahi Glass Company, Limited 熱可塑性ポリウレタンを含む樹脂組成物およびホットメルト接着剤
JP5381707B2 (ja) * 2007-06-07 2014-01-08 旭硝子株式会社 熱可塑性ポリウレタンを含む樹脂組成物およびホットメルト接着剤

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