JP2000212407A - エステル系エラストマ― - Google Patents

エステル系エラストマ―

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JP2000212407A
JP2000212407A JP11018797A JP1879799A JP2000212407A JP 2000212407 A JP2000212407 A JP 2000212407A JP 11018797 A JP11018797 A JP 11018797A JP 1879799 A JP1879799 A JP 1879799A JP 2000212407 A JP2000212407 A JP 2000212407A
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ester
polyether
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Hirotake Matsumoto
弘丈 松本
Akihiro Niki
章博 仁木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードセグメント成分とソフトセグメント成
分のブロック性が高く、柔軟性と高温での機械的特性、
とりわけ高温での圧縮永久ひずみと耐屈曲疲労性に優れ
たエステル系エラストマーを提供する。 【解決手段】 エステル系エラストマーが、ポリエステ
ル系共重合体(A)とポリエーテル(B)とのブロック
共重合体であって、23℃における貯蔵弾性率が4×1
7 〜4×108 Paである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性と高温での
機械的特性、特に高温における圧縮永久ひずみに優れた
エステル系エラストマーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への意識の高まりから、
様々な産業分野においてリサイクル可能な素材への代替
の動きが加速されている。ゴム素材としては熱可塑性エ
ラストマー(TPE)が古くから注目されており、自動
車、各種工業等の分野において、様々な用途で用いられ
るようになっている。
【0003】その中で、ポリエステル系エラストマー
(TPEE)は機械的強度、耐熱性、耐摩耗性、耐屈曲
疲労性等に優れており、自動車分野を中心として幅広い
産業分野で用いられている。ところが、TPEEには、
硬度が通常のゴムよりも高く柔軟性に欠ける、大変
形時・高温時の圧縮永久ひずみが大きく耐へたり性に欠
けるといった欠点があり、その改良が望まれている。
【0004】TPEEに柔軟性を付与する場合、物理的
架橋を担うハードセグメント成分の割合を減らすことが
必要であり、このような方法が、例えば特開平2−88
632号公報で提案されている。しかしながら、ハード
セグメント成分のブロック性が低下し、その結果、融点
が低下し高温での機械的特性が低下するという問題点が
あった。耐へたり性についても、その重合度を上げるこ
とによって改良する技術が、例えば特開昭52−121
699号公報に開示されているが限界があり、耐へたり
性と柔軟性とを両立させることは不可能であった。
【0005】また、TPEEの主用途である自動車分野
においては耐久性のさらなる向上が望まれており、その
中でも特に耐屈曲疲労性の向上が望まれているが、材料
面からの改良は進んでいない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分のブ
ロック性が高く、柔軟性と高温での機械的特性、とりわ
け高温での圧縮ひずみと耐屈曲疲労性に優れたエステル
系エラストマーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のエステル系エラ
ストマーは、一般式(1)で表される短鎖ポリエステル
成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成分
の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエステル成分が
50〜95重量%であり、前記長鎖ポリエステル成分が
50〜5重量%であるポリエステル系共重合体(A)
と、一般式(3)で表される繰り返し単位から構成され
るポリエーテル(B)とのブロック共重合体であって、
上記ポリエステル系共重合体(A)及びポリエーテル
(B)は一般式(4)又は(5)で表されるイソシアネ
ート成分(C)によって結合されており、23℃におけ
る貯蔵弾性率が4×107 〜4×108 Paであること
を特徴とする。
【0008】本発明のエステル系エラストマーは、23
℃における貯蔵弾性率が4×107〜4×108 Paで
ある。上記23℃における貯蔵弾性率が、4×107
aより小さくなると機械的強度が低下し、4×108
aより大きくなると柔軟性が低下するため、いずれの場
合も十分な耐屈曲疲労性が得られない。
【0009】上記貯蔵弾性率は、粘弾性スペクトロメー
ター(例えば、レオメトリックサイエンティフィックエ
フィー社製「RSA−II」)によって測定される。尚、
上記貯蔵弾性率は、0.5mm厚×3mm幅の試験片を
使用して、測定温度−100〜200℃、昇温速度3℃
/分、周波数1.6Hzの条件下で測定される。
【0010】本発明で用いられるれるポリエステル系共
重合体(A)は、一般式(1)で表される短鎖ポリエス
テル成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル
成分の繰り返しから構成される。
【0011】 −CO−R0 −CO−O−R1 −O− ・・・・(1) −CO−R0 −CO−O−R2 − ・・・・(2)
【0012】式中、R0 は炭素数6〜12の2価の炭化
水素基を示し、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基を示
し、R2 は−R−O−(式中、Rは炭素数2〜8のアル
キレン基を示す)で表される繰り返しから構成され、数
平均分子量が500〜5000である成分を示す。
【0013】上記ポリエステル系共重合体(A)として
は、例えば、芳香族ジカルボン酸及びそのエステル形成
誘導体、低分子量ジオール並びにポリエーテルを反応さ
せることによって得られる公知のポリエステルエラスト
マーが使用可能である。
【0014】上記芳香族ジカルボン酸としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、
テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、オルソ
フタル酸ジメチル、ナフタレンジカルボン酸ジメチル、
パラフェニレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられ、こ
れらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されて
もよい。
【0015】上記低分子量ジオールとしては、例えば、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙
げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。
【0016】上記ポリエーテルとしては、例えば、ポリ
エチレングリコール、ポリ1,3−プロピレングリコー
ル、ポリ1,2−プロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等が
挙げられる。中でも、機械的特性、耐侯性に優れる点か
らポリテトラメチレングリコールが好ましく、ポリテト
ラメチレングリコールの市販品としては、例えば、BA
SF社製「PTHF」、三菱化成社製「PTMG」等が
挙げられる。
【0017】上記ポリエーテルは、数平均分子量500
〜5,000のものを用いることが好ましく、より好ま
しくは、数平均分子量500〜2,000のものであ
る。数平均分子量が500未満では、得られるポリエス
テル系共重合体(A)のブロック性が低下して融点が低
くなり、エステル系エラストマーの高温での機械強度が
低くなる。また、数平均分子量が5,000を超える場
合は、ポリエーテル(B)との相溶性が低いためエステ
ル系エラストマーの重合度が上がらず、十分な強度のエ
ステル系エラストマーが得られない。
【0018】上記ポリエステル系共重合体(A)の構成
成分中、短鎖ポリエステル成分の占める割合は50〜9
5重量%であり、好ましくは70〜90重量%である。
短鎖ポリエステル成分が50重量%未満の場合は、ポリ
エステル系共重合体(A)の融点が低く、エステル系エ
ラストマーの高温での機械強度に悪影響を与える。ま
た、95重量%を超える場合は、後述のポリエーテル
(B)との相溶性が低いため、得られるエステル系エラ
ストマーの重合度が上がらず、十分な強度のものが得ら
れない。
【0019】上記ポリエステル系共重合体(A)は公知
の方法によって重合することが可能である。具体的に
は、芳香族ジカルボン酸及びそのエステル形成誘導体を
ポリエーテル及び過剰の低分子量ジオールと共に触媒の
存在下で200℃に加熱してエステル交換反応を行い、
引き続いて、減圧下240℃で重縮合反応を行うことに
より、ポリエステル系共重合体(A)を得ることができ
る。
【0020】本発明で用いられるポリエーテル(B)
は、一般式(3)で表される繰り返しから構成される。
このようなポリエーテル(B)としては、例えば、上記
ポリエステル系共重合体(A)を構成するものと同様の
ポリエーテルが好適に用いられる。
【0021】 −R3 −O− ・・・・(3) 式中、R3 は炭素数2〜8のアルキレン基を示す。
【0022】上記イソシアネート成分(C)によって結
合されたエステル系エラストマーを得るには、上記ポリ
エステル系共重合体(A)及びポリエーテル(B)と、
一般式OCN−R4 −NCO(式中、R4 は炭素数2〜
15のアルキレン基、フェニレン基、又は、メチレン基
とフェニレン基とが結合したものを示す)で表されるジ
イソシアネート化合物とを反応させればよい。
【0023】上記ポリエステル系共重合体(A)及びポ
リエーテル(B)は、通常、両末端に水酸基を有する
が、両末端の一部にカルボキシル基を有してもよい。こ
のとき、ジイソシアネート化合物と反応する末端官能基
が両方とも水酸基の場合は一般式(4)で表されるイソ
シアネート成分(C)を、一方が水酸基でもう一方がカ
ルボキシル基の場合は一般式(5)で表されるイソシア
ネート成分(C)を用いることが好ましい。
【0024】 −O−CO−NH−R4 −NH−CO−O− ・・(4) −CO−NH−R4 −NH−CO−O− ・・・・(5) 式中、R4 は炭素数2〜15のアルキレン基、フェニレ
ン基、又は、メチレン基とフェニレン基とが結合したも
のを示す。
【0025】尚、上記ポリエステル系共重合体(A)の
末端官能基がカルボキシル基の場合は、一般式−CO−
NH−R4 −NH−CO−(式中、R4 は炭素数2〜1
5のアルキレン基、フェニレン基、又は、メチレン基と
フェニレン基とが結合したものを示す)で表されるジイ
ソシアネート化合物によって結合される部分も少量含ま
れると考えられる。
【0026】上記ジイソシアネート化合物としては、同
一分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物であ
ればその構造は特に限定されず、生成したエステル系エ
ラストマーの流動性を保つ範囲で3個以上のイソシアネ
ート基を有する化合物を用いてもよい。
【0027】上記ジイソシアネート化合物としては、例
えば、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート;1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−
プロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シ
クロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水素添加した4,4'-ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられ
る。
【0028】本発明のエステル系エラストマーは、ポリ
エステル系共重合体(A)、ポリエーテル(B)及びイ
ソシアネート成分(C)を溶融混合することによって得
られる。上記ポリエーテル(B)の配合量は、ポリエス
テル系共重合体(A)100重量部に対して10〜10
0重量部が好ましく、より好ましくは50〜100重量
部である。また、上記イソシアネート成分(C)の配合
量は、ポリエステル系共重合体(A)100重量部に対
して10〜50重量部が好ましく、より好ましくは15
〜35重量部である。
【0029】上記ポリエーテル(B)の配合量が10重
量部未満では、23℃での貯蔵弾性率が4×108 Pa
より大きくなりエステル系エラストマーの柔軟性が低下
するため、十分な耐屈曲疲労性が得られない。また、上
記ポリエーテル(B)の配合量が100重量部を超える
と、23℃での貯蔵弾性率が4×107 Paより小さく
なり機械的強度が低下するため、十分な耐屈曲疲労性が
得られない。
【0030】上記イソシアネート成分(C)の配合量
が、10重量部未満ではエステル系エラストマーが高分
子量体にならず、23℃での貯蔵弾性率が4×107
aより小さくなり機械的強度が低下するため、十分な耐
屈曲疲労性が得られない。また、上記イソシアネート成
分(C)の配合量が、50重量部を超えるとイソシアネ
ート成分(C)の反応により架橋が生成し溶融流動性が
低下する。
【0031】上記ポリエステル系共重合体(A)、ポリ
エーテル(B)及びイソシアネート化合物(C)の反応
に押出機を用いることができる。押出機を用いる場合は
押出温度180〜260℃が好ましく、より好ましくは
200〜240℃である。押出温度が、180℃未満に
なるとポリエステル系共重合体(A)が溶融しないため
反応が困難となり、260℃を超えるとポリエステル系
共重合体(A)及びイソシアネート成分(C)が分解
し、十分な強度のエステル系エラストマーが得られなく
なる。
【0032】上記イソシアネート化合物(C)は、ポリ
エステル系共重合体(A)とポリエーテル(B)との混
合物が溶融し均一な状態になった後で供給することが好
ましい。ここで均一な状態とは、溶融した混合物が透明
になっている状態をいう。このような透明な状態は、ポ
リエステル系共重合体(A)の融点よりも十分高い温
度、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃
以上で5秒間以上溶融混合することによって得られる。
【0033】上記以外の混合方法、例えば、上記ポリエ
ステル系共重合体(A)、ポリエーテル(B)及びイソ
シアネート化合物(C)を同時に供給して混合する方法
では、(A)、(B)及び(C)の反応性の違いから不
均一は反応が起こり、十分な機械的強度を有するエステ
ル系エラストマーが得られない。
【0034】また、上記ポリエステル系共重合体(A)
とイソシアネート化合物(C)とを混合した後で、ポリ
エーテル(B)を供給して溶融混合する方法;ポリエー
テル(B)とイソシアネート化合物(C)とを混合した
後で、ポリエステル系共重合体(A)を供給して溶融混
合する方法では、同様に十分な機械的強度を有するエス
テル系エラストマーが得られない。
【0035】上記押出機は、撹拌、混合のよさを考慮す
ると、同方向回転型二軸押出機又は異方向回転型二軸押
出機がより好ましく、さらに好ましくは同方向回転かみ
合い型二軸押出機である。上記溶融混合温度の制御は、
押出機のシリンダー温度によって制御可能である。
【0036】上記ポリエステル系共重合体(A)及びポ
リエーテル(B)と、ジイソシアネート化合物(C)と
の溶融混合時に触媒を用いることができる。上記触媒と
しては、例えば、ジアシル第一錫、テトラアシル第二
錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、
ジメチル錫マレート、錫ジオクタノエート、錫テトラア
セテート、トリエチレンアミン、ジエチレンアミン、ト
リエチルアミン、ナフテン酸金属塩、オクチル酸金属
塩、トリイソブチルアルミニウム、テトラブチルチタネ
ート、酢酸カルシウム、二酸化ゲルマニウム、三酸化ア
ンチモン等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよ
く、二種以上が併用されてもよい。
【0037】本発明のエステル系エラストマーには、安
定剤が使用されてよく、安定剤としては、例えば、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−
1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5,5]ウンデカン等のヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2−
t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホ
スファイト、ジミリスチル3,3'-チオジプロピオネー
ト、ジステアリル3,3'-チオジプロピオネート、ペン
タエリスチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)、ジトリデシル3,3'-チオジプロピオネート
等の熱安定剤などが挙げられる。
【0038】本発明のエステル系エラストマーには、製
造時又は製造後に実用性を損なわない範囲で、繊維、無
機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機
物、高級脂肪酸塩等の添加剤を添加してもよい。
【0039】上記繊維としては、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊
維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維
等の無機繊維;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられ
る。上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられる。上記
難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等が挙げられ
る。
【0040】上記紫外線吸収剤としては、例えば、p−
tert−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2'-カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−
トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げられる。
【0041】上記帯電防止剤としては、例えば、N,N
−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキル
アリルスルホネート、アルキルスルファネート等が挙げ
られる。上記無機物としては、例えば、硫酸バリウム、
アルミナ、酸化珪素等が挙げられる。上記高級脂肪酸塩
としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0042】本発明で得られるエステル系エラストマー
には、その他の熱可塑性樹脂、ゴム成分を混合してその
性質を改質して使用してもよい。上記熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられ
る。
【0043】上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPD
M)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴム、ウレタンゴム、オレフィン系熱可塑性
エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ
系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラスト
マー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0044】上記エステル系エラストマーは、一般に用
いられるプレス成形、押出成形、射出成形、ブロー成形
等の成形法によって成形体とすることができる。成形温
度はエステル系エラストマーの融点、成形方法によって
異なるが160〜280℃が好ましい。成形温度が、1
60℃未満であると、エステル系エラストマーの流動性
が低いので均一な成形体が得られず、280℃を超える
と、エステル系エラストマーが分解し、強度が充分な成
形体を得ることができない。
【0045】本発明のエステル系エラストマーを用いて
得られた成形体は、例えば、自動車部品、電気・電子部
品、工業部品、スポーツ用品、メディカル用品等に好適
に用いられる。
【0046】上記自動車部品としては、例えば、等速ジ
ョイントブーツ、ラックアンドオピニオヨンブーツ等の
ブーツ類;ボールジョイントシール;安全ベルト部品;
バンパーフェイシア;エンブレム;モール等が挙げられ
る。上記電気・電子部品としては、例えば、電線被覆
材、ギア類、ラバースイッチ、メンブレンスイッチ、タ
クトスイッチ、O−リング等が挙げられる。上記工業部
品としては、例えば、油圧ホース、コイルチューブ、シ
ール材、パッキン、Vベルト、ロール、防振制振材料、
ショックアブソーバー、カップリング、ダイヤフラム等
が挙げられる。
【0047】上記スポーツ用品としては、例えば、靴
底、球技用ボール等が挙げられる。上記メディカル用品
としては、例えば、メディカルチューブ、輸血パック、
カテーテル等が挙げられる。さらに、上記用途の他、弾
性繊維、弾性シート、複合シート、ホットメルト接着
剤、他の樹脂とのアロイ用素材等としても好適に用いる
ことができる。
【0048】
【作用】本発明のエステル系エラストマーは、ハードセ
グメント成分である短鎖ポリエステルにソフトセグメン
ト成分であるポリエーテルを共重合させることによって
得られるポリエステル系共重合体(A)と、ソフトセグ
メント構成成分であるポリエーテル(B)とを用いるこ
とによって、相溶性が向上するため反応性が優れるもの
と推定される。この結果、ハードセグメント成分とソフ
トセグメント成分とのブロック性の高いエステル系エラ
ストマーが得られる。
【0049】また、短鎖ポリエステル成分によって形成
される結晶が架橋点を構成することにより、エラストマ
ーとしての特性を示す。特に、上記エステル系エラスト
マーは、分子中に短鎖ポリエステル成分リッチな部分と
ポリエーテル成分リッチな部分とから構成されており、
従来の同程度の柔軟性を示すエステル系エラストマーよ
りも短鎖ポリエステル成分が結晶し易くなるため、強固
な架橋点が形成され、高温での機械的特性に優れたエラ
ストマーとなる。さらに、特定の貯蔵弾性率を有するた
め、機械的強度と屈曲変形に対する変形追随性とのバラ
ンスが向上し、耐屈曲疲労性に優れたエラストマーとな
る。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0051】ポリエステル系共重合体(A)の調製 テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジ
オール102重量部、数平均分子量約1,000のポリ
テトラメチレングリコール(BASF社製「PTFH1
000」)48重量部、触媒としてテトラブチルチタネ
ート0.3重量部、安定剤として1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.3重量部、及び、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト0.3重量部を加え、反応系を窒素下、200℃で3
時間保ち、エステル交換反応を行った。上記エステル交
換反応の進行は留出するメタノール分量を計量すること
により確認した。エステル交換反応進行後、20分間で
240℃まで昇温し、減圧操作を行った。重合系は20
分で2mmHg以下の減圧度に達した。この状態で20
分間重縮合反応を行った結果、白色のポリエステル系共
重合体(A)160重量部が得られた。
【0052】(実施例1)ポリエステル系共重合体
(A)100重量部、数平均分子量約1000のポリテ
トラメチレングリコール(B)(BASF社製「PTF
H1000」)80重量部、及び、4,4'-ジフェニル
メタンジイソシアネート(C)25重量部を、二軸押出
機(ベルストルフ社製 L/D=40)を用いてシリン
ダー温度を全て220℃に設定して溶融混合(滞留時間
230秒)し、エステル系エラストマーのペレットを得
た。得られたペレットをプレス成形(プレス温度230
℃)することにより、2mm厚のエステル系エラストマ
ーシートを得た。尚、原料の供給は、ポリエステル系共
重合体(A)とポリテトラメチレングリコール(B)を
押出機の原料供給口から、4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート(C)を第4シリンダーに設けた注入口
から供給した。
【0053】(実施例2)ポリテトラメチレングリコー
ル(B)の使用量を55重量部及び4,4'-ジフェニル
メタンジイソシアネート(C)の使用量を20重量部と
したこと以外は、実施例1と同様にして2mm厚のエス
テル系エラストマーシートを得た。
【0054】(実施例3)ポリテトラメチレングリコー
ル(B)の使用量を20重量部及び4,4'-ジフェニル
メタンジイソシアネート(C)の使用量を15重量部と
したこと以外は、実施例1と同様にして2mm厚のエス
テル系エラストマーシートを得た。
【0055】(比較例1)エステル系エラストマーとし
て東レ・デュポン社製「ハイトレル4047」を用い
て、プレス温度230℃でプレス成形して2mm厚のエ
ステル系エラストマーシートを得た。
【0056】(比較例2)エステル系エラストマーとし
て東レ・デュポン社製「ハイトレル4275JB」を用
いて、プレス温度230℃でプレス成形して2mm厚の
エステル系エラストマーシートを得た。
【0057】(比較例3)ポリエステル系共重合体
(A)100重量部、数平均分子量約1,000のポリ
テトラメチレングリコール(B)(BASF社製「PT
FH1000」)150重量部、及び、4,4'-ジフェ
ニルメタンジイソシアネート40重量部を、二軸押出機
(ベルストルフ社製 L/D=40)を用いてシリンダ
ー温度を全て220℃に設定して溶融混合(滞留時間2
30秒)し、エステル系エラストマーのペレットを得
た。得られたペレットをプレス成形(プレス温度230
℃)することにより、2mm厚のエステル系エラストマ
ーシートを得た。
【0058】(比較例4)ポリエステル系共重合体
(A)100重量部、数平均分子量約1,000のポリ
テトラメチレングリコール(B)(BASF社製「PT
FH1000」)5重量部、及び、4,4'-ジフェニル
メタンジイソシアネート5重量部を、二軸押出機(ベル
ストルフ社製 L/D=40)を用いてシリンダー温度
を全て220℃に設定して溶融混合(滞留時間230
秒)し、エステル系エラストマーのペレットを得た。得
られたペレットをプレス成形(プレス温度230℃)す
ることにより、2mm厚のエステル系エラストマーシー
トを得た。
【0059】上記実施例及び比較例で得られたエステル
系エラストマーシートについて下記項目の評価を行い、
その結果を表1に示した。 (1)貯蔵弾性率 レオメトリックサイエンティフィックエフィー社製粘弾
性スペクトロメーター「RSA−II」を使用して、23
℃で測定した。尚、貯蔵弾性率の測定は、0.5mm厚
×3mm幅の試験片を使用して、測定温度−100〜2
00℃、昇温速度3℃/分、周波数1.6Hz、ひずみ
0.001%の条件下で行った。 (2)ガラス転移温度(Tg)、融点 示差走査熱量計(ティーエーインスツルメント社製「D
SC2920」)を用いて、昇温速度10℃/分で測定
を行った。 (3)圧縮永久歪み JIS K 6301に準拠して、100℃において圧
縮ひずみ量25%で測定した。 (4)耐屈曲疲労性 JIS K 6301に準拠して、安田精機社製「デマ
ッチャー式屈曲亀裂試験機」を用いて、100℃で試験
を行い、48時間後の亀裂幅を測定した。尚、試験片と
して成形温度230℃で射出成形したサンプルを用い
た。 (5)引張特性 JIS K 6301に準拠し、室温における引張強さ
及び引張伸びを測定した。
【0060】
【表1】
【0061】本発明のエステル系エラストマーは、以上
の構成であり、特定の貯蔵弾性率を有することにより、
柔軟性と高温での機械的特性、とりわけ高温での圧縮永
久ひずみと耐屈曲疲労性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 69/44 C08G 69/44 C08L 71/02 C08L 71/02 77/12 77/12 Fターム(参考) 4J001 DA04 DB05 DC02 DC03 DC05 EE57A GA12 GB16 GC05 JA01 JA04 JA05 JB21 JB23 JC02 4J002 CK031 CK041 FD010 FD050 FD060 FD070 FD100 FD160 FD200 4J029 AA03 AB05 AC02 AD01 AD10 AE01 AE02 AE03 AE06 AE17 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA09 BA10 BF25 CB04A CB05A CB06A CB10A CC05A HA01 HB01 HB03A JC152 JE182 KD01 KD07 KE02 KE05 KH01 4J034 BA03 BA07 DA01 DB07 DF16 DF21 DF22 DH02 DH06 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC64 HC67 HC71 HC73 QB15 RA02 RA03 RA12 RA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される短鎖ポリエステ
    ル成分及び一般式(2)で表される長鎖ポリエステル成
    分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエステル成分
    が50〜95重量%であり、前記長鎖ポリエステル成分
    が50〜5重量%であるポリエステル系共重合体(A)
    と、一般式(3)で表される繰り返し単位から構成され
    るポリエーテル(B)とのブロック共重合体であって、
    上記ポリエステル系共重合体(A)及びポリエーテル
    (B)は一般式(4)又は(5)で表されるイソシアネ
    ート成分(C)によって結合されており、23℃におけ
    る貯蔵弾性率が4×107 〜4×108 Paであること
    を特徴とするエステル系エラストマー。 −CO−R0 −CO−O−R1 −O− ・・・・(1) −CO−R0 −CO−O−R2 − ・・・・(2) −R3 −O− ・・・・(3) −O−CO−NH−R4 −NH−CO−O− ・・(4) −CO−NH−R4 −NH−CO−O− ・・・・(5) 〔式中、R0 は炭素数6〜12の2価の炭化水素基を示
    し、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R2
    −R−O−(式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を
    示す)で表される繰り返しから構成され、数平均分子量
    が500〜5000である成分を示す。R3 は炭素数2
    〜8のアルキレン基を示し、R4 は炭素数2〜15のア
    ルキレン基、フェニレン基、又は、メチレン基とフェニ
    レン基とが結合したものを示す〕
  2. 【請求項2】 上記ポリエステル系共重合体(A)10
    0重量部に対して、上記ポリエーテル(B)10〜10
    0重量部及上記びイソシアネート成分(C)10〜50
    重量部が添加されてなることを特徴とする請求項1記載
    のエステル系エラストマー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003059994A1 (fr) * 2002-01-10 2003-07-24 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Polyester moule

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WO2003059994A1 (fr) * 2002-01-10 2003-07-24 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Polyester moule

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