JPH11324380A - 機械式立体駐車設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 格納層を多層に設け、かつエレベータを高速
化した場合でも、入出庫部での入出庫時間を十分に短く
することができ、装置の円滑性を高めることができる機
械式立体駐車設備を提供する。 【解決手段】 入出庫バース１、格納層３、昇降路４及
びエレベータ５を備え、車２を載せたパレット６をエレ
ベータに載せ、エレベータが昇降路を昇降して所定の格
納層で停止し、パレットを格納層に格納する機械式立体
駐車設備において、入出庫バース１を上下方向に複数設
ける。複数の入出庫バースの同時利用により、バースへ
の車の入出庫や、バース内での人の乗降り等を並行して
行うことができ、入出庫部全体でのサイクルタイムを短
縮し、装置の円滑性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、格納層を多層に設
け、エレベータにより格納層に車を格納する機械式立体
駐車設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】モータリゼーションの発展に伴い、駐車
場不足が大きくクローズアップされ、特に都市部におけ
る大規模な駐車場の整備が要望され、従来から種々の機
械式立体駐車設備が提案されている。

【０００３】図４は、機械式立体駐車設備の１つである
エレベータ式駐車装置の模式図である。この図におい
て、１は入出庫バース、２は車両、３は駐車棚、４は昇
降路、５はエレベータ（搬機）、６はパレット、７はパ
レット移載装置であり、エレベータ５が昇降路４を昇降
して所定の棚３で停止し、パレット移載装置７によりパ
レット６を横行させて、車２を載せたパレット６（実車
パレット）を所定の棚３に格納し、或いは車の載ってい
ないパレット６（空パレット）をバース１に移動するよ
うになっている。なお、バース１、昇降路４、及び車の
格納庫を備えた他の形式の機械式立体駐車設備、例えば
地下で水平に走行する台車を有するいわゆるシャトルパ
ーキングも同様である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図４に示した機械式立
体駐車設備を４基組み合わせ、地下深くまで多層に格納
層（駐車棚又は格納庫）を設置した大規模機械式立体駐
車設備は、例えば、図５に模式的に示すようになる。こ
の場合に、４基の設備を田の字状に配置し、それぞれの
エレベータ５の片側又は両側にバース１を設け、バース
とエレベータ間はパレット移載装置で移載するようにす
ることが、従来から検討されている。

【０００５】しかし、図５に例示した大規模駐車設備で
は、地下の格納層（駐車棚３）と入出庫部を結ぶ昇降路
４の片側又は両側に１つづつしか入出庫部（バース１）
がないため、格納層３を多層（例えば１０段以上）に
し、かつエレベータ５を高速化した場合に、入出庫部で
の入出庫時間に全体の制約されて、入出庫のサイクルタ
イムが長くなり、装置の円滑性が低下する問題点があっ
た。

【０００６】また、４基の設備を田の字状に配置する場
合に、前後の機器のバースを同一の向きに設けると、例
えば別のバースのパレット上を通過して車を入出庫せざ
るを得ない等の問題が生じる（安全上、認められていな
い）。このため、通常、昇降路４の片側だけにバースが
制限され、バース数が半減するため、入出庫部での入出
庫時間が更に長くなり、装置の円滑性が更に低下する問
題点があった。

【０００７】更に、地下深く（例えば深さ約５０ｍ）ま
で多層に格納層３を設置する場合には、駐車設備を格納
するコンクリート製の円筒状筐体の内径をできるだけ小
さくすることが、建設設備の低減のために要望される。

【０００８】本発明は上述した種々の問題点を解決する
ために創案されたものである。すなわち、本発明の目的
は、格納層を多層に設け、かつエレベータを高速化した
場合でも、入出庫部での入出庫時間を十分に短くするこ
とができ、装置の円滑性を高めることができる機械式立
体駐車設備を提供することにある。また、本発明の別の
目的は、駐車設備を格納するコンクリート製の円筒形筐
体の内径を小さくすることができる機械式立体駐車設備
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、入出庫
バース（１）、格納層（３）、昇降路（４）、及びエレ
ベータ（５）を備え、車（２）を載せたパレット（６）
をエレベータに載せ、エレベータが昇降路を昇降して所
定の格納層で停止し、パレットを格納層に格納する機械
式立体駐車設備において、入出庫バース（１）を上下方
向に複数設けたことを特徴とする機械式立体駐車設備が
提供される。

【００１０】本発明の構成によれば、車の乗り入れ部で
ある入出庫バース（１）を上下方向に複数（例えば２層
構造に）設けたので、格納層（駐車棚や格納庫）を多層
にし、かつエレベータを高速化した場合でも、複数の入
出庫バースの同時利用により、少なくともバースへの車
の入出庫や、バース内での人の乗降り等を並行して行う
ことができ、入出庫部全体でのサイクルタイムを短縮
し、装置の円滑性が高めることができる。すなわち、
車の乗り入れ部を２ケ所（又はそれ以上）にし、車の入
出庫を配分することによって車の入出庫にかかる時間を
削減することができ、これにより円滑性が高まる。また
短時間に大量に入出庫処理ができるので、利用者の待ち
時間を短縮し、心理的な信頼性を高めることができる。
更に、車と人の動線を容易に分離することができ、安
全性の向上が図れる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態を
図面を参照して説明する。なお、各図において共通する
部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図１は、本発明による機械式立体駐車設備の全体側面図
であり、図２は、図１のＡ−Ａ線における断面図であ
り、図３は、図１のＢ部拡大図である。なお、本発明の
機械式立体駐車設備はエレベータ式駐車設備や、その他
の形式の機械式立体駐車設備、例えば例えば地下で水平
に走行する台車を有するいわゆるシャトルパーキングに
同様に適用できる。

【００１２】図１及び図２に示すように、この機械式立
体駐車設備は、入出庫バース１、格納層３（駐車棚や格
納庫）、昇降路４、及びエレベータ５を備えている。な
おこの例では、このエレベータ式駐車装置を４基組み合
わせ、地下深くまで多層に格納層３を設置した大規模機
械式立体駐車設備が示されている。この構成により、各
機械式立体駐車設備において、車２を載せたパレット６
をエレベータ５に載せ、エレベータ５が昇降路４を昇降
して所定の格納層３で停止し、パレット６を格納層３に
格納することができる。

【００１３】また、図２に示すように、４基の機械式立
体駐車設備は、田の字状に配置され、かつ別のバースの
パレット上を通過して車が入出庫する必要がないよう
に、前後の機器のどちらかのみにバースが設けられてい
る。従って、各車は、４基の機械式立体駐車設備のいず
れの場合でも、常に前進で入出庫することができ、かつ
他の設備の車とは完全に分離された車線を通すことがで
きる。

【００１４】更に図３に示すように、各入出庫バース１
は上下方向に複数（この例では２層に）設けられてい
る。従って、図２に示したように、昇降路４の片側だけ
にバースを制限しても、複数の入出庫バース１で並行し
て入出庫作業ができるので、入出庫部での入出庫時間を
短縮し、装置の円滑性を高く維持することができる。

【００１５】すなわち、本発明の構成によれば、車の乗
り入れ部である入出庫バース１を上下方向に複数（例え
ば２層構造に）設けたので、格納層３を多層にし、かつ
エレベータ５を高速化した場合でも、複数の入出庫バー
ス１の同時利用により、少なくともバースへの車の入出
庫や、バース内での人の乗降り等を並行して行うことが
でき、入出庫部全体でのサイクルタイムを短縮し、装置
の円滑性が高めることができる。

【００１６】また、この構成により、４基の設備を田の
字状に配置する場合でも、左右の機器の間にバースを２
列に設けなくても（例えば１列のみでも）円滑性を高く
維持できるので、駐車設備を格納するコンクリート製の
円筒形筐体の内径を小さくすることができる。

【００１７】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の変更が可能である。例えば、本発明の機械式立体駐車
設備は、いわゆるエレベータ式駐車装置の他に、例えば
地下で水平に走行する台車を有するいわゆるシャトルパ
ーキングにも同様に適用できる。

【００１８】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば、車
の乗り入れ部を２ケ所（又はそれ以上）にし、車の入出
庫を配分することによって車の入出庫にかかる時間を削
減することができ、これにより円滑性が高まる。また短
時間に大量に入出庫処理ができるので、利用者の待ち時
間を短縮し、心理的な信頼性を高めることができる。更
に、車と人の動線を容易に分離することができ、安全
性の向上が図れる。

【００１９】従って、本発明の機械式立体駐車設備は、
格納層を多層に設け、かつエレベータを高速化した場合
でも、入出庫部での入出庫時間を十分に短くすることが
でき、装置の円滑性を高めることができる、等の効果を
有する。また、この構成により、駐車設備を格納するコ
ンクリート製の円筒形筐体の内径を小さくすることもで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による機械式立体駐車設備の全体側面図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図３】図１のＢ部拡大図である。

【図４】従来の機械式立体駐車設備の模式図である。

【図５】従来の大規模機械式立体駐車設備の模式図であ
る。

【符号の説明】

１ 入出庫バース ２ 車（車両） ３ 格納層（駐車棚） ４ 昇降路 ５ エレベータ ６ パレット ７ パレット移載装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入出庫バース（１）、格納層（３）、昇
   降路（４）、及びエレベータ（５）を備え、車（２）を
   載せたパレット（６）をエレベータに載せ、エレベータ
   が昇降路を昇降して所定の格納層で停止し、パレットを
   格納層に格納する機械式立体駐車設備において、 入出庫バース（１）を上下方向に複数設けたことを特徴
   とする機械式立体駐車設備。