JPH11322976A - ポリアミドフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリアミドフィルムの製造方法

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JPH11322976A
JPH11322976A JP10316980A JP31698098A JPH11322976A JP H11322976 A JPH11322976 A JP H11322976A JP 10316980 A JP10316980 A JP 10316980A JP 31698098 A JP31698098 A JP 31698098A JP H11322976 A JPH11322976 A JP H11322976A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイラインおよび白点が減少されて印刷性が
優れ、透明性およびスリップ性が優れるポリアミドフィ
ルムを提供する。 【解決手段】 本発明は、ポリアミド樹脂を重合すると
き、無機粒子と、末端調節剤として有機モノアミンおよ
び有機モノカルボン酸であってポリアミド樹脂100に
対して0.1 ないし5.0 重量%とを添加し、触媒としてマ
グネシウム化合物10ないし1000ppm を添加して重合し
た後、T−ダイ法またはインフレ−ション法で押出する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は溶融安定性が優れ、
外観が良好で、かつ透明性およびスリップ性が向上され
たポリアミドフィルムの製造方法に関するもので、更に
詳しくはラクタム類に重合物の末端調節剤として有機モ
ノアミンおよび有機モノカルボン酸を投入し、マグネシ
ウム化合物触媒の中で重合した後、Tーダイ法あるいは
インプレーション法にて製造することを特徴とする、外
観が優れ、透明性およびスリップ性が向上されたポリア
ミドフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドフィルムはガス遮断性と機械
的な性質および熱特性が他の材料に比べて優れて、食品
包装用として主に用いられているばかりでなく、印刷工
程にて単層フィルムで用いられるとか他の樹脂フィルム
と共に積層フィルムまたは他の材料のラミネートフィル
ムとして使われている。
【0003】一般的にポリアミドフィルムは通常ポリア
ミド重合物を適当な条件下で押出しして製造されるが、
ポリアミド樹脂を連続的に押出する場合、モノマーおよ
びオリゴマーのような揮発性物質が生じてダイ表面にく
っついて高温の空気の中で酸化し炭化物に変性する問題
点がある。また、ダイ表面に蓄積された炭化物は溶融さ
れたポリアミドの流れを妨害し、ポリアミド溶融物と混
合されてダイライン(die-line)を起こし、白点(fish
-eye)が増加してフィルムの外観が不良になり、フィル
ムの透明性およびスリップ性を悪化させる。
【0004】ポリアミドフィルムであって、透明性が不
良な場合にはフィルム上に均一に印刷することが難し
く、スリップ性が悪い場合には印刷を行うときフィルム
同士の付着現象、すなわち粘着(blocking )が生じて作
業を低下させ、多色にて印刷するときは印刷変形が生じ
られる。従って、ポリアミドフィルムの透明性とスリッ
プ性は、フィルムの生産性はもちろん品質と商品価値の
側面で重要な特性になる。
【0005】ポリアミドフィルムのスリップ性を向上さ
せるための方法として、日本特許53−45226号に
はポリエチレンを取り合わせる方法が記載されており、
日本特許54−4741号には表面活性が優れる無機粒
子と組み合わせる方法が提案されている。しかしなが
ら、ポリエチレンを配合する方法は従来の問題点である
フィルムの透明性を低下させる欠点があり、無機粒子と
組み合わせる方法はポリアミド樹脂の溶融安定性を悪化
させて白点という粒子形態の欠陥とダイラインとによ
り、外観が良好なフィルムを連続的に生産することが困
難な欠点がある。また、無機粒子と組み合わせる従来方
法において無機粒子としてケイ(珪)酸のみと組み合わ
せる場合、透明性とスリップ性は比較的良好なフィルム
が得られるが、ダイラインおよび白点が発生しやすい欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記の
ような問題点を解消することにあり、押出する時にダイ
ラインが生ぜず、白点が減少された、透明性およびスリ
ップ性が優れたポリアミドフィルムの製造方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はポリ
アミド樹脂の重合時に、無機粒子と、末端調節剤として
有機モノアミンおよび/または有機モノカルボン酸であ
ってポリアミド樹脂100に対して0.1 ないし5.0 重量
%とを添加し、触媒としてマグネシウム化合物10ない
し1000ppm を添加して重合した後、押出することを特徴
とするポリアミドフィルムの製造方法に関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下で本発明を詳細に説明すると
下記の通りである。本発明のポリアミド樹脂の重合に用
いられるモノマ−はラクタム類またはω−アミノ酸類が
好ましく、ラクタム類としては、ε−カプロラクタム、
カプリルラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリド
ン、α−ピペリドン等が好ましく、ω−アミノ酸類とし
ては6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9
−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸等が好まし
い。
【0009】本発明のスリップ性の向上の為に添加され
る無機粒子としては湿式ケイ(珪)酸または乾式ケイ
(珪)酸いずれも可能であり、BET 法により比表面積が
50m3/g以上であり、JIS K5101 規定によって測定された
吸油量が50ml/g以上であることが好ましく、樹脂100
重量部に対して0.1ないし0.2重量部を、マグネシウム化
合物と有機モノアミンおよび/または有機モノカルボン
酸と共に使用する。
【0010】また、本発明でスリップ性および熱安定性
を強化させるために触媒剤として用いられるマグネシウ
ム化合物は酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ヨウ
化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、塩化マグ
ネシウムからなる群から1種以上が選ばれ、ポリアミド
に対して10ないし1000ppm 使用する。マグネシウム化
合物の添加量が10ppm 未満であればダイライン抑制効果
が不足し、1000ppm を超える場合にはダイラインの発生
は無いがフィルムの物性が低下する問題点がある。
【0011】本発明において用いられるモノアミンおよ
びカルボン酸は、触媒として単独にマグネシウム化合物
を使用するときに発生しうる重合粘度の低下および不均
一化を防止するためにポリアミド鎖構造の両末端の安定
剤として添加されるものであり、有機モノアミンとして
はブチルアミン、イソプロピルアミン、ヘキシルアミ
ン、オキチルアミン、ドデシルアミン、ベンジルアミ
ン、シクロヘキシルアミン等が好ましく、モノカルボン
酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロイン酸、
カプリン酸、安息香酸等が好ましい。
【0012】また、前記で上述したモノアミンおよびモ
ノカルボン酸の添加方法は、ケイ(珪)酸とマグネシウ
ム化合物から選ばれた1種と、ポリアミドに対して0.1
ないし5.0 重量%の割合で上述したモノアミンから選ば
れた1種とを重合段階で共に添加する方法、モノアミン
の代わりにモノカルボン酸をケイ酸およびマグネシウム
化合物と共に重合する方法、ケイ酸及びマグネシウム化
合物にモノアミンおよびモノカルボン酸双方を添加して
重合する方法が好ましい。モノアミンおよびモノカルボ
ン酸の添加量が0.1 重量%未満であれば重合粘度の不均
一現象が改良されず、5.0 重量%を超える場合にはダイ
ライン現象と重合粘度低下によるフィルムの物性が低下
される。
【0013】また、有機モノアミンおよびモノカルボン
酸を重合工程に添加するため、適宜な量のモノ酸あるい
はモノアミンをマグネシウム化合物の存在下で重合する
ことができてポリマ−チップ(chip)と製膜フィルムの
ポリマ−粘度変化値(Dhrel)が0.5 以下で容易に抑制
され、ポリマ−の反応速度を増加させるばかりでなく、
製膜工程の中で実質的な反応平衡に到達して、均一化
し、良好な物性が得られる。
【0014】ここで、ポリマ−の粘度変化値(Dhrel)
とスリップ性および透明性との関係について調べると、
溶融押出のための十分な変性効果を得る為には下記の式
によって示すことができる押出後のポリマ−粘度変化値
(Dhrel)が、約0.5 以下であることが要求される。Dhr
el=(ポリマ−チップと98%黄酸から製造された1%
溶液−黄酸の相対粘度)−(フィルムと98%黄酸から
製造された1%溶液−黄酸の相対粘度)高粘度のポリマ
−を使う場合とか、前記の条件を満足しない場合には押
出機で滞留時間の途中に実質的に平衡に到達せず、押出
するときモノマ−、オリゴマーの多量発生とともに生じ
るダイライン現象と変性によるフィルムの白点が多量に
発生して、フィルムの外観が不良になり、スリップ性の
低下により印刷性が優れたフィルムの製造が難しくな
る。
【0015】本発明では、前記のような成分の外に、フ
ィルムの潤滑性をもっと高める為に重合から得られたポ
リアミド樹脂にエチレンビスステラミド(Ethylenebisst
eramide:EBS)を添加してフィルムを製造することがで
きる。
【0016】本発明でポリアミドにマグネシウム化合物
とモノアミンおよび/またはモノカルボン酸を均一に分
散させるためには、ポリマ−チップといろいろな添加剤
を別のミキサ−あるいはブレンダ−へ予め混合投入する
方法、重合するとき投入する方法、または押出機へ直接
投入する方法いずれも用いることが可能であるが、上述
のように重合するとき投入することが分散の均一性の為
に一番好ましい。また、本発明によって製造されたポリ
アミド重合物はT−ダイ法あるいはインフレ−ション法
によりフィルムで製造されるが、これは常法であるので
詳細な説明は省略する。
【0017】
【実施例】本発明を以下の実施例を挙げて更に説明す
る。ただし、実施例に示した具体的な内容は本発明を制
限するものではなく、単なる例示に過ぎない。
【0018】実施例1〜7 カプロラクタム100重量部、ケイ酸0.2 重量部、水2
重量部および表1に示すように有機モノアミン、有機モ
ノカルボン酸およびマグネシウム化合物の組成を変化さ
せて重合反応機へ投入し、260℃で6時間重合させた
後、内圧を除去し、220torrの減圧下において4時間
程度反応させて一定の相対粘度を有するポリアミドが得
られた。各々の相対粘度を表1に示す。得られたポリア
ミドチップを抜き出して乾燥した後、EBS を各々のポリ
アミド樹脂に対して0.1 重量%添加した樹脂N1〜N7
を直径40mmφの押出機を使用して樹脂温度270℃、
冷却出口の温度40℃で厚さ25mmのフィルムを製膜
した。そして製膜開始4時間後のフィルムを使ってダイ
ラインの有無、白点の数を肉眼で観察して透明度および
スリップ性を評価する為に各々のヘ−ズ(haze)値と停
止摩擦係数を測定して表2に示した。
【0019】比較例1■3 カプロラクタム100重量部、ケイ酸0.2重量部、水
2重量部および表1に示すようにモノアミンあるいはモ
ノカルボン酸化合物を各各重合反応機へ投入して260
℃で6時間重合させた後220torrの減圧下で4時間程
度反応させて一定な相対粘度を有するポリアミドが得ら
れて各各の相対粘度を表1に示した。次いでEBS を添加
した樹脂N8〜N10を、実施例と同様な方法でフィル
ムを製造した後物性を測定して表2に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】物性測定方法 (1)ヘ−ズ:ヘ−ズメタ(東京電色(株))を使用し
て測定した。 (2)スリップ性:相対湿度65%、温度23℃の条件
で平行移動式により停止摩擦係数(ms)を測定した。 (3)ダイラインおよび白点:フィルムを300×30
0mmで断ち切ってその部分を肉眼で観察し、40mm以上
大きさの白点の数を測定した。
【0023】
【発明の効果】本発明のようにマグネシウム化合物とモ
ノアミンおよび/またはモノカルボン酸を共に使用する
ことにより、印刷性を低下させるダイラインの防止およ
び溶融安定性が改良されてフィルムの外観が良好とな
り、白点が減少して透明性およびスリップ性の向上で印
刷性が良好となり、物性が改良されたポリアミドフィル
ムが得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 77:00 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂の重合において、無機粒
    子と、末端調節剤として有機モノアミンおよび/または
    有機モノカルボン酸であってポリアミド樹脂100に対
    して0.1 ないし5.0 重量%とを添加し、触媒としてマグ
    ネシウム化合物10ないし1000ppmを添加して重合した
    後、押出することを特徴とするポリアミドフィルムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記有機モノアミンとしてはブチルアミ
    ン、イソプロピルアミン、ヘキシルアミン、オキチルア
    ミン、ドデシルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシ
    ルアミンからなる群から選ばれ、前記有機モノカルボン
    酸は酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリン
    酸、安息香酸からなる群から選ばれることを特徴とする
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マグネシウム化合物は酢酸マグネシ
    ウム、酸化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、ステア
    リン酸マグネシウム、塩化マグネシウムからなる群から
    1種以上選ばれることを特徴とする請求項1記載の製造
    方法。
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