JPH11320591A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JPH11320591A
JPH11320591A JP13704798A JP13704798A JPH11320591A JP H11320591 A JPH11320591 A JP H11320591A JP 13704798 A JP13704798 A JP 13704798A JP 13704798 A JP13704798 A JP 13704798A JP H11320591 A JPH11320591 A JP H11320591A
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thermoplastic sheet
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cut
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観がよくしかも製造コストも低い、開口を
有する積層体の製造方法を提供する。 【解決手段】 表皮20となる熱可塑性シート20mを
基材21の開口と対応する輪郭形状の下型凹部11aを
形成した下型10の上面11を覆うように載せ、下型凹
部上側の熱可塑性シート上に基材の開口と対応する輪郭
形状のブロック19を載せ、基材となる熱可塑性板材2
1mを熱可塑性シートとブロック上に載せる。基材の開
口と対応する輪郭形状の環状の押切り刃18を下面16
に設けた上型15を下型に接近させて熱可塑性シートと
熱可塑性板材を下型と上型の間に充填成形すると共に熱
可塑性板材の押切り刃18よりも内側となる切除部分2
1maだけを切断する。熱可塑性シートと熱可塑性板材
を取り出し、ブロック及び切除部分を分離除去し、表皮
を開口の縁部裏側に巻き込み接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開口を有する板状
の基材を表皮により覆ってなる積層体を製造する方法、
特に基材と表皮を同時に成形するこの種の積層体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばポケット部のための開口を設けた
自動車のドアトリムのようなこの種の積層体を製造する
には、基材と表皮を同時に成形する第1の方法と、予め
成形した基材の表面に表皮を接着する第2の方法とがあ
る。第1の方法では、下型の上に加熱軟化させたシート
状の表皮素材を置き、その上に加熱軟化させた基材素材
を載せ、上型によりスタンピング成形して開口のない積
層体を製造した後、切削などにより開口を形成する。第
2の方法では、開口を有する基材を予め成形し、その表
面に接着剤を塗布してから加熱軟化させた表皮を真空成
形により接着し、開口内側の表皮を巻き込み代を残して
切り取り、この巻き込み代部分を開口の裏側に巻き込み
接着して仕上げる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の方法では、
スタンピング成形の際に基材と表皮は全面においてしっ
かり接着されており、開口形成の際には基材と表皮を同
時に切断することになるので、開口の内縁に基材の切り
口が露出して外観が低下するという問題がある。第2の
方法では、開口内縁の切り口は表皮により覆われるので
外観は向上するが、基材の成形と表皮の成形接着が別工
程で行われているので設備及び加工工数が増大し、製造
コストが上昇するという問題がある。本発明はこのよう
な問題を解決して、外観がよくしかも製造コストも低い
この種の積層体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る積層体の製造方法は、開口を有する板状の基材を表皮
により覆ってなる積層体を製造する方法に関するもので
あり、表皮となる熱可塑性シートを加熱軟化させたもの
を基材の開口と対応する位置にそれと対応する輪郭形状
の下型凹部を形成した下型の上面を覆うように載せ、下
型凹部の上側となる熱可塑性シート上に基材の開口と対
応する輪郭形状のブロックを載置した後に基材となる熱
可塑性板材を加熱軟化させたものを熱可塑性シートとブ
ロック上に載せ、下型の上面と対応する上型の下面の基
材の開口と対応する位置にそれと対応する輪郭形状の環
状の押切り刃を設けた上型を押切り刃の切刃の先端が熱
可塑性シートに達する位置まで接近させて熱可塑性シー
トと熱可塑性板材の押切り刃よりも外側の部分を下型の
上面と上型の下面の間に充填成形すると共に熱可塑性板
材の押切り刃よりも内側となる切除部分だけを熱可塑性
シート及び熱可塑性板材の残りの部分から切断し、熱可
塑性シート及び熱可塑性板材を冷却硬化させて下型及び
上型から取り出した後にブロック及び熱可塑性板材の切
除部分を分離除去し、表皮の開口内部分を巻き込み代を
残して切断して残った巻き込み部分を基材の開口の縁部
裏側に接着することを特徴とするものである。下型及び
上型から取り出した状態では、冷却硬化された熱可塑性
板材の切除部分は大部分がブロックにより表皮の開口内
部分から離隔されているので、この切除部分及びブロッ
クは表皮の開口内部分から容易に分離除去される。
【0005】前項の発明の加熱軟化させた熱可塑性シー
トは、ブロックを載置する前に下型の上面に吸引密着す
ることが好ましい。
【0006】前項及び前前項の発明は、上型の下面には
基材の開口と対応する位置にそれと対応する輪郭形状の
上型凹部を形成し、押切り刃は上型凹部の内周面に沿っ
て設けることが好ましい。
【0007】また、本発明による積層体の製造方法は、
開口を有する板状の基材を表皮により覆ってなる積層体
を製造する方法に関するものであり、表皮となる熱可塑
性シートを加熱軟化させたものを下型の上面を覆うよう
に載せ、基材となる熱可塑性板材を加熱軟化させたもの
を熱可塑性シート上に載せ、下型の上面と対応する上型
の下面の基材の開口と対応する位置にそれと対応する輪
郭形状の環状の押切り刃を設けた上型を押切り刃の切刃
の先端が熱可塑性シートに達する位置まで接近させて熱
可塑性シートと熱可塑性板材の押切り刃よりも外側の部
分を下型の上面と上型の下面の間に充填成形し熱可塑性
板材の押切り刃よりも内側となる切除部分だけを押切り
刃により外側の部分から切断すると共に熱可塑性板材の
切除部分の上下の圧力を上側の方が小さくなるようにし
てこの切除部分を熱可塑性シートの押切り刃よりも内側
となる開口内部分から離隔させ、熱可塑性シート及び熱
可塑性板材を冷却硬化させて下型及び上型から取り出し
た後に熱可塑性板材の切除部分を分離除去し、表皮の開
口内部分を巻き込み代を残して切断して残った巻き込み
部分を基材の開口の縁部裏側に接着することを特徴とす
るものである。下型及び上型から取り出した状態では、
冷却硬化された熱可塑性板材の切除部分はその上下の圧
力差により表皮の開口内部分から離隔されているので、
この切除部分は表皮の開口内部分から容易に分離除去さ
れる。
【0008】前項の発明は、下型の上面には基材の開口
と対応する位置にそれと対応する輪郭形状の下型凹部を
形成すると共に上端が尖った注入管を下型凹部の底面か
ら起立させ、加熱軟化させた熱可塑性シートを下型の上
面に吸引密着することにより熱可塑性シートを穿孔して
それより上方に突出する注入管から熱可塑性シートの開
口内部分と熱可塑性板材の切除部分の間に気体を注入す
ることによりこの切除部分を熱可塑性シートの開口内部
分から離隔させることが好ましい。
【0009】前項及び前前項の発明は、上型の下面には
基材の開口と対応する位置にそれと対応する輪郭形状の
上型凹部を形成し、押切り刃は上型凹部の内周面に沿っ
て設け、上型凹部には吸引管路を開口し、この吸引管路
から上型凹部内部の空気を吸引することにより熱可塑性
板材の切除部分を熱可塑性シートの開口内部分から離隔
させることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】先ず本発明の積層体の製造方法を
自動車用ドアトリムに適用した場合の第1の実施の形態
を、図1〜図5により説明する。図4の断面図を示すよ
うに、本発明により成形されるドアトリムは、肉厚がほ
ゞ一定で剛性のある基材21の外表面を柔軟な表皮20
により覆ったものであり、その一部には深い絞り部のア
ームレスト部Rが一体的に形成されている。このドアト
リムの基材21の下部にはポケットのための開口Bが形
成され、その内周縁部は表皮20により巻き込み処理さ
れている。例えば縦横の寸法が約600mm×900mmの
ドアトリムの場合、各部の肉厚は基材21が2.3〜
6.0mm、表皮20が4.45mm以下、従ってドアトリ
ム全体で6.75〜10.45mm以下である。
【0011】先ず図1〜図3により、この第1の実施の
形態に使用する成形装置の説明をする。この成形装置
は、下部の固定側型支持部材(図示省略)に取り付けら
れる下型10と、上部の可動側型支持部材(図示省略)
に取り付けられる上型15(図3参照)を備えている。
下型10の上側にはドアトリムの表皮20の表面と対応
する形状の上面11が形成され、その外側には外方に延
びる外周面11cが形成されている。下型10の上面1
1には、ドアトリムの基材21の開口Bと対応する位置
にそれと対応する輪郭形状の下型凹部11aが形成さ
れ、下型凹部11aの全外周には内外側とも傾斜した凸
縁11bが形成されている。下型10内には真空ポンプ
と真空タンクと開閉弁からなる真空源13に接続された
吸引管路12が設けられ、この吸引管路12から分岐さ
れた多数の細管路12a(図では一部のみを示す)の他
端は上面11のほゞ全面に分布して開口されている。
【0012】上型15は下型10に対し上方から接近離
隔可能であり、図1及び図2は上型15が画面外に離隔
された状態を示し、図3は最接近状態を示している。下
型10の上面11とほゞ対応する形状の上型15の下面
16には、下型10の外周面11cと対応する外周面1
6bが形成され、ドアトリムの基材21の開口Bと対応
する位置にはそれと対応する輪郭形状の上型凹部16a
が形成され、この上型凹部16aの内周面に沿っては環
状の押切り刃18が形成されている。図3に示す最接近
状態における上下両型10,15の各面11,16の間
の隙間は、外周面11c,16b及び押切り刃18内の
部分を除きドアトリムの厚さと同じである。またこの最
接近状態においては、押切り刃18下縁の切刃18aの
先端は、例えば0.4〜0.6mmの隙間をおいて下型
凹部11a外周の凸縁11bの頂上付近(図示の例では
頂上の多少外側としてある)と向かい合うようになって
いる。上型15には上型凹部16a内を外気に連通する
逃し孔17が設けられている。
【0013】基材21となる熱可塑性板材21mは、ポ
リプロピレンと木粉を混合し加熱圧縮して板状としたも
の(混合比率は重量比で例えば50:50、厚さは例え
ば2.5mm)である。熱可塑性板材21mは、基材2
1の容積(開口B内の容積を含む)よりもやや大きい容
積となるように予め切断しておくものとする。基材21
の表面に接着されて表皮20となる熱可塑性シート20
mは、柔軟な熱可塑性樹脂の緻密なソリッド層よりなる
薄いシート状の表面層20e(例えば厚さ0.35mmの
塩化ビニルシート等)の裏面に、弾性に富んだシート状
の合成樹脂発泡体(例えば厚さ2〜3mmのポリプロピレ
ン発泡体シート)よりなる発泡層20fをラミネート接
着したものである。熱可塑性シート20mの表面層20
eの表面には、意匠的効果を高めるために皮革模様など
のしぼが形成されている。
【0014】次に以上に述べた第1の実施の形態による
製造方法を、図1〜図3により説明する。先ず前述のよ
うな熱可塑性シート20mを、表面層20e側が下向き
となるように外周部を保持枠25の間に挟むことにより
保持し、遠赤外線ヒータ等により加熱(例えば120
℃)して軟化させる。そして保持枠25を下降させて熱
可塑性シート20mの外周部を下型10の外周面11c
上に当接させ、真空源13からの負圧を吸引管路12及
び細管路12aを通して熱可塑性シート20mの下側に
与えることにより、図1の二点鎖線20Aに示すよう
に、熱可塑性シート20mを下型10の上面11及び外
周面11cに吸引密着させる。そして下型凹部11aの
上側となる熱可塑性シート20m上に開口Bと対応する
輪郭形状のブロック19を載置する。ブロック19は例
えばアルミニウム製で、その輪郭形状は、図3に示すよ
うに、上型15の押切り刃18下縁の切刃18aの先端
内面の輪郭形状よりも多少小さく、高さは50〜60mm
である。
【0015】次いで、前述のように予め切断した熱可塑
性板材21mを遠赤外線ヒータ等により加熱(例えば1
20℃)して軟化させたものを、図2に示すように熱可
塑性シート20mとブロック19上に載せ、上型15を
下型10に向けて下降させる。図3及び図5に示す最接
近位置まで上型15を下降させれば、押切り刃18下縁
の切刃18aの先端は熱可塑性シート20mに達して熱
可塑性板材21mの押切り刃18よりも内側となる切除
部分21maだけを熱可塑性シート20m及び熱可塑性
板材21mの残りの部分から切断し、上型15の外周面
16bが下型10の外周面11c上の熱可塑性シート2
0mに当接して、熱可塑性シート20mと熱可塑性板材
21mの押切り刃18よりも外側の部分を下型10の上
面11と上型15の下面16の間に充填成形し、熱可塑
性シート20mと熱可塑性板材21mmは一体的に接着
される。この最接近状態では、押切り刃18の切刃18
aは熱可塑性シート20mの発泡層20fを撓めあるい
は一部切断することもあるが、表面層20eを切断する
ことはない。なお、熱可塑性板材21mの切除部分21
maは押切り刃18の内面に沿った狭い幅Cの範囲内で
熱可塑性シート20mと接着される。上型凹部16a内
に閉じこめられた空気は逃し孔17から外部に排出され
る。
【0016】熱可塑性シート20m及び熱可塑性板材2
1mが冷却硬化してから上型15を上昇させて、一体的
に結合された表皮20及び基材21を取り出す。基材2
1の切除部分21maとブロック19は前述のように幅
Cにおいて表皮20に接着されているが、この幅Cはわ
ずかであるので、表皮20の表面層20eを介してハン
マーなどによりブロック19を叩くことにより、幅Cに
おける接着は外れて切除部分21maとブロック19は
除去され、図4に示す半製品となる。この状態では表皮
20は図4の二点鎖線に示すような形状であるが、表皮
20の開口内部分20aと外周部20bを巻き込み代を
残して符号Xの位置で切断し、残った巻き込み部分20
c,20dを、実線で示すように基材21の開口B及び
外周の縁部裏側に巻き込み接着すれば、基材21の開口
B及び外周の切り口が表皮20により覆われたドアトリ
ムが完成する。なお、ドアトリムの取付構造によって
は、基材21の外周の切り口は必ずしも表皮20を巻き
込み接着して覆う必要はない。
【0017】以上に述べた第1の実施の形態によれば、
開口Bを有する基材21の成形と表皮20の成形接着が
ただ1組の下型10及び上型15内でなされる同一工程
で行われるので、設備及び加工工数が減少して製造コス
トは低下する。冷却硬化された熱可塑性板材21mの切
除部分21maは、周囲における狭い幅Cの範囲内で熱
可塑性シート20mと接着されているだけで大部分がブ
ロック19により表皮20の開口内部分20aから離隔
されており、この切除部分21ma及びブロック19は
表皮20の開口内部分20aから容易に分離除去できる
ので表皮20の巻き込み部分20cが傷むことはなく、
従って表皮20の開口B内周の巻き込み処理部分の外観
も向上する。
【0018】この第1の実施の形態では加熱軟化させた
熱可塑性シート20mを下型10の上面11に吸引密着
させているので、熱可塑性シート20m上へのブロック
19の位置決め載置は容易である。また、押切り刃18
は上型15の下面16に形成した上型凹部16aの内周
面に沿って設けてあるので、熱可塑性シート20m上へ
のブロック19の突出量を大きくすることができ、熱可
塑性シート20m上へのブロック19の載置作業が容易
になる。
【0019】次に図6に示す第2の実施の形態の説明を
する。この第2の実施の形態では、熱可塑性板材21m
の切除部分21maを表皮20の開口内部分20aから
離隔するのに、第1実施の形態のようなブロック19を
使用する代わりに、熱可塑性板材21mの切除部分21
maの上下の空間内の圧力を上側の方が小さくなるよう
にして行っている点が異なっているだけである。その他
の構成及び製造方法は第1の実施の形態と同じであるの
で、相違する部分についてのみ説明し、その他の部分は
同一部分に同一符号を付して示すのみとし、詳細な説明
は省略する。
【0020】図6に示すように、下型10の上面11に
形成した第1の実施の形態と同様な下型凹部11aの底
面中央からは上端が尖った注入管14を起立して固定
し、下型10には注入管14と連通する注入管路14a
を形成し、この注入管路14aにはエアコンプレッサと
圧縮空気タンクと開閉弁からなる圧縮空気源(図示省
略)が接続されている。上型15の下面16に形成する
上型凹部16aは第1の実施の形態のものと実質的に同
じであるが、上型凹部16aには真空源13と同様の真
空源(図示省略)に接続された吸引管路17aが開口さ
れている。
【0021】加熱軟化させた熱可塑性シート20mは、
第1の実施の形態と同様、下型10の上面11に吸引密
着されるが、その際に注入管14の尖った先端は熱可塑
性シート20mを穿孔し、それを突き抜けて上方に突出
する。そして第1の実施の形態と同様加熱軟化させた熱
可塑性板材21mを熱可塑性シート20m上に載せ、上
型15を下型10に向けて下降させる。上型15が最接
近位置近くまで下降したところで、注入管14及び注入
管路14aを介して圧縮空気源からの空気を熱可塑性シ
ート20mの開口内部分20maと熱可塑性板材21m
の切除部分21maの間に注入し、また吸引管路17a
を介して真空源により上型凹部16a内部の空気を吸引
することにより、熱可塑性板材21mの切除部分21m
aを熱可塑性シート20mの開口内部分20maから離
隔させる。そして熱可塑性シート20m及び熱可塑性板
材21mが冷却硬化してから上型15を上昇させて、一
体的に結合された表皮20及び基材21を取り出し、幅
C(図6参照)において表皮20に接着された切除部分
21maを除去すれば図4に示す半製品となる。そして
第1の実施の形態の場合と同様に、表皮20の開口内部
分20aと外周部20bを符号Xの位置で切断し、残っ
た巻き込み部分20c,20dを基材21の開口B及び
外周の縁部裏側に巻き込み接着すれば、基材21の開口
B及び外周の切り口が表皮20により覆われたドアトリ
ムが完成する。
【0022】この第2の実施の形態でも、第1の実施の
形態と同様、開口Bを有する基材21の成形と表皮20
の成形接着がただ1組の下型10及び上型15内でなさ
れる同一工程で行われるので、設備及び加工工数が減少
して製造コストは低下する。また冷却硬化された熱可塑
性板材21mの切除部分21maは、周囲における狭い
幅Cの範囲内で熱可塑性シート20mと接着されている
だけで、表皮20の開口内部分20aから容易に分離除
去できるので表皮20の巻き込み部分20cが傷むこと
はなく、従って表皮20の開口B内周の巻き込み処理部
分の外観も向上する。
【0023】この第2の実施の形態では、熱可塑性シー
ト20mの開口内部分20maと熱可塑性板材21mの
切除部分21maの間に空気を注入し、かつ上型凹部1
6a内部の空気を吸引することにより、熱可塑性板材2
1mの切除部分21maを熱可塑性シート20mの開口
内部分20maから離隔させているが、本発明は熱可塑
性シート20mの開口内部分20maと熱可塑性板材2
1mの切除部分21maの間に空気を注入するだけ、あ
るいは上型凹部16a内部の空気を吸引するだけとして
実施することも可能である。
【0024】
【発明の効果】以上に述べた何れの発明においても、開
口を有する基材の成形と表皮の成形接着が1組の成形型
内の同一工程で行われるので、設備及び加工工数を減少
させて製造コストを低下させることができる。
【0025】ブロックを用いた発明によれば、冷却硬化
された熱可塑性板材の切除部分は大部分がブロックによ
り表皮の開口内部分から離隔されており、この切除部分
及びブロックを表皮の開口内部分から容易に分離除去で
きるので表皮の巻き込み部分が傷むことはなく、従って
表皮による開口内周の巻き込み処理部分の外観も向上す
る。
【0026】前項の発明で加熱軟化させた熱可塑性シー
トを下型の上面に吸引密着させたものによれば、熱可塑
性シート上へのブロックの載置が容易となる。
【0027】前項及び前前項の発明で上型の下面に形成
した上型凹部の内周面に沿って押切り刃を設けたものに
よれば、熱可塑性シート上へのブロックの突出量を大き
くできるので、ブロックの取り扱いが容易になる。
【0028】熱可塑性板材の切除部分をその上下の圧力
差により表皮の開口内部分から離隔するようにした発明
によれば、ブロックを用いたものと同様、冷却硬化され
た熱可塑性板材の切除部分は大部分が表皮の開口内部分
から離隔されているので、表皮による開口内周の巻き込
み処理部分の外観も向上する。
【0029】前項の発明で下型の上面に下型凹部を形成
し、上端が尖った注入管を下型凹部の底面から起立さ
せ、加熱軟化させた熱可塑性シートを下型の上面に吸引
密着させたものによれば、注入管から注入される気体に
より熱可塑性板材の切除部分を表皮の開口内部分から確
実に離隔できるので、この切除部分を表皮の開口内部分
から一層容易かつ確実に分離除去することができる。
【0030】前項及び前前項の発明で上型の下面に形成
した上型凹部の内周面に沿って押切り刃を設け、上型凹
部に吸引管路を開口したものによっても、上型凹部内の
空気を吸引することにより熱可塑性板材の切除部分を表
皮の開口内部分から確実に離隔できるので、この切除部
分を表皮の開口内部分から一層容易かつ確実に分離除去
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による積層体の製造方法の第1の実施
形態で、熱可塑性シートを下型の上面に吸引密着する状
態を示す断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態で、熱可塑性シートを吸
引密着した下型上にブロックと熱可塑性板材を載せた状
態を示す断面図である。
【図3】 図2に示すように熱可塑性シート、ブロック
及び熱可塑性板材を載せた下型に上型を最接近させた状
態を示す断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態により製造された積層体
の断面図である。
【図5】 図3の要部を示す部分拡大断面図である。
【図6】 本発明による積層体の製造方法の第2の実施
形態の、図5に相当する部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10…下型、11…上面、11a…下型凹部、14…注
入管、15…上型、16…下面、16a…上型凹部、1
7a…吸引管路、18…押切り刃、18a…切刃、19
…ブロック、20…表皮、20a…開口内部分、20c
…巻き込み部分、20m…熱可塑性シート、20ma…
開口内部分、21…基材、21m…熱可塑性板材、21
ma…切除部分、B…開口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口を有する板状の基材を表皮により覆
    ってなる積層体を製造する方法において、前記表皮とな
    る熱可塑性シートを加熱軟化させたものを前記基材の開
    口と対応する位置にそれと対応する輪郭形状の下型凹部
    を形成した下型の上面を覆うように載せ、前記下型凹部
    の上側となる前記熱可塑性シート上に前記基材の開口と
    対応する輪郭形状のブロックを載置した後に前記基材と
    なる熱可塑性板材を加熱軟化させたものを前記熱可塑性
    シートとブロック上に載せ、前記下型の上面と対応する
    上型の下面の前記基材の開口と対応する位置にそれと対
    応する輪郭形状の環状の押切り刃を設けた上型を前記押
    切り刃の切刃の先端が前記熱可塑性シートに達する位置
    まで接近させて前記熱可塑性シートと熱可塑性板材の前
    記押切り刃よりも外側の部分を前記下型の上面と前記上
    型の下面の間に充填成形すると共に前記熱可塑性板材の
    前記押切り刃よりも内側となる切除部分だけを前記熱可
    塑性シート及び熱可塑性板材の残りの部分から切断し、
    前記熱可塑性シート及び熱可塑性板材を冷却硬化させて
    前記下型及び上型から取り出した後に前記ブロック及び
    前記熱可塑性板材の切除部分を分離除去し、前記表皮の
    開口内部分を巻き込み代を残して切断して残った巻き込
    み部分を前記基材の開口の縁部裏側に接着することを特
    徴とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 加熱軟化させた前記熱可塑性シートは、
    前記ブロックを載置する前に前記下型の上面に吸引密着
    してなる請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記上型の下面には前記基材の開口と対
    応する位置にそれと対応する輪郭形状の上型凹部を形成
    し、前記押切り刃は前記上型凹部の内周面に沿って設け
    てなる請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 開口を有する板状の基材を表皮により覆
    ってなる積層体を製造する方法において、前記表皮とな
    る熱可塑性シートを加熱軟化させたものを下型の上面を
    覆うように載せ、前記基材となる熱可塑性板材を加熱軟
    化させたものを前記熱可塑性シート上に載せ、前記下型
    の上面と対応する上型の下面の前記基材の開口と対応す
    る位置にそれと対応する輪郭形状の環状の押切り刃を設
    けた上型を前記押切り刃の切刃の先端が前記熱可塑性シ
    ートに達する位置まで接近させて前記熱可塑性シートと
    熱可塑性板材の前記押切り刃よりも外側の部分を前記下
    型の上面と前記上型の下面の間に充填成形し前記熱可塑
    性板材の前記押切り刃よりも内側となる切除部分だけを
    前記押切り刃により前記外側の部分から切断すると共に
    前記熱可塑性板材の切除部分の上下の圧力を上側の方が
    小さくなるようにしてこの切除部分を前記熱可塑性シー
    トの前記押切り刃よりも内側となる開口内部分から離隔
    させ、前記熱可塑性シート及び熱可塑性板材を冷却硬化
    させて前記下型及び上型から取り出した後に前記熱可塑
    性板材の切除部分を分離除去し、前記表皮の開口内部分
    を巻き込み代を残して切断して残った巻き込み部分を前
    記基材の開口の縁部裏側に接着することを特徴とする積
    層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記下型の上面には前記基材の開口と対
    応する位置にそれと対応する輪郭形状の下型凹部を形成
    すると共に上端が尖った注入管を前記下型凹部の底面か
    ら起立させ、加熱軟化させた前記熱可塑性シートを前記
    下型の上面に吸引密着することにより前記熱可塑性シー
    トを穿孔してそれより上方に突出する前記注入管から前
    記熱可塑性シートの開口内部分と熱可塑性板材の切除部
    分の間に気体を注入することによりこの切除部分を前記
    熱可塑性シートの開口内部分から離隔させてなる請求項
    4に記載の積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記上型の下面には前記基材の開口と対
    応する位置にそれと対応する輪郭形状の上型凹部を形成
    し、前記押切り刃は前記上型凹部の内周面に沿って設
    け、前記上型凹部には吸引管路を開口し、この吸引管路
    から前記上型凹部内部の空気を吸引することにより前記
    熱可塑性板材の切除部分を前記熱可塑性シートの開口内
    部分から離隔させてなる請求項4または請求項5に記載
    の積層体の製造方法。
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