JP3351113B2 - 加飾体を備えた積層体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

加飾体を備えた積層体の製造方法及び製造装置

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JP3351113B2 JP20370394A JP20370394A JP3351113B2 JP 3351113 B2 JP3351113 B2 JP 3351113B2 JP 20370394 A JP20370394 A JP 20370394A JP 20370394 A JP20370394 A JP 20370394A JP 3351113 B2 JP3351113 B2 JP 3351113B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材の表面の一部に薄
い加飾体を固着してその部分を覆い、基材の表面の残部
に薄い表皮を固着して同残部を覆うように形成した、車
両のドアトリムや内装材、建物の内装材、家具の外装材
などに使用する加飾体を備えた積層体の製造方法及び製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば図5に示すような基材上に加飾体
11及び表皮12を積層してなるドアトリムの従来の製
造工程を、図6の(a)〜(d)により説明すれば次の通りで
ある。なお図6は図5の線X−Xに沿った断面に相当す
る図である。図6の(a) に示すように、ドアトリムの基
材10には、パイル織物等のファブリックよりなる加飾
体11を設ける部分の外周縁に沿って、木目込み用溝部
10aが設けられている。先ず基材10の全表面に接着
剤を吹き付けなどにより塗布しある程度乾燥させてか
ら、(b) に示すように加飾体11を接着する。次いで表
皮12となる合成樹脂シートを軟化するまで加熱して基
材10上にかぶせ、(c) に示すように、真空成形により
基材10及び加飾体11上に密着させ、木目込み用溝部
10aとほゞ一致したカッタ19により木目込み用溝部
10aに沿って表皮12を切断する。基材10上に塗布
した接着剤により表皮12は基材10に接着されるが、
加飾体11には接着されないので、加飾体11上の不要
部分12bは容易に除去され、また表皮12のはみ出し
部分12aを切除すれば、(d) に示すようなドアトリム
Aが完成する。加飾体11と表皮12の境界部分は、カ
ッタ19により木目込み用溝部10a内に木目込みされ
る。なお図6は、細部を見やすくするために、ドアトリ
ムの大きさに比して各部の肉厚を誇張して示してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術
は、基材10に対する加飾体11の接着、真空成形によ
る基材10への表皮12の接着、カッタ19による木目
込み用溝部10aに沿った表皮12の切断、不要部分1
2bの除去、及びはみ出し部分12aの切除など多くの
工程及び各工程に使用する型等の多くの装置が必要であ
り、また表皮12の素材は予めシート状に成形したもの
を使用する必要があるので、製造コストが増大するとい
う問題がある。また加飾体11として起毛したパイル織
物を使用する場合には、真空成形の際に加熱された表皮
12の素材により加飾体11の表面が押圧されて毛倒れ
が生じるという不都合がある。
【0004】本発明はこのような各問題を解決すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による加飾体を備
えた積層体の製造方法は、積層体の基材の裏面のほゞ全
面に当接する支持面を有しこの支持面を介して基材を支
持した基材側成形型と積層体の表皮の表面に対応する形
状の成形面を有する表皮側成形型が離隔された状態にお
いて、基材側成形型内に形成されて支持面の表皮と対応
する部分に開口する第1樹脂供給通路及びこれに対応し
て基材に形成した孔を通して同基材の表面上に溶融状態
の合成樹脂を供給すると共に、基材側成形型内に形成さ
れて複数の細い第2分岐路を介して複数箇所において支
持面の加飾体と対応する部分に開口する第2樹脂供給通
路及び各第2分岐路に対応して基材に形成した複数の小
孔を通して同基材の表面上の複数箇所に少量の溶融状態
の合成樹脂を供給する。次いで加飾体を基材の小孔が形
成された部分上にセットした後、基材側成形型と表皮側
成形型を基材の表面と成形面の間隔が表皮の厚さに対応
する値となる最接近位置まで移動させて、複数の小孔か
ら基材の表面上に供給された少量の溶融状態の合成樹脂
により加飾体を基材上に各小孔の位置において点状に接
着するすると共に、加飾体の外側となる基材の表面と成
形面の間に形成される空間内に溶融状態の合成樹脂を充
填して基材を覆う表皮を形成する。加飾体は、前述のよ
うに基材の小孔が形成された部分上にセットする代わり
に、基材側成形型と表皮側成形型が離隔された状態にお
いて基材の表面の加飾体により覆われる一部と対応する
表皮側成形型の表面の一部に加飾体を当接して保持し、
また同状態において基材側成形型内に形成された第1樹
脂供給通路及びこれに対応して基材に形成した孔を通し
て同基材の表面上に溶融状態の合成樹脂を供給すると共
に、基材側成形型内に形成された第2分岐路及び第2樹
脂供給通路と第2分岐路に対応して基材に形成した複数
の小孔を通して基材の表面上の複数箇所に少量の溶融状
態の合成樹脂を供給するようにしてもよい。
【0006】本発明による加飾体を備えた積層体の製造
装置は、積層体の基材の裏面のほゞ全面に当接する支持
面を有する基材側成形型と、積層体の表皮の表面に対応
する形状の成形面を有し基材側成形型に対し接近離隔可
能に設けられて基材の表面と成形面との間隔が表皮の厚
さに対応する最接近位置まで移動可能な表皮側成形型
と、基材側成形型内に形成されて支持面の表皮と対応す
る部分に開口する第1樹脂供給通路と、基材側成形型内
に形成されて複数の細い第2分岐路を介して複数箇所に
おいて支持面の加飾体と対応する部分に開口する第2樹
脂供給通路と、第1樹脂供給通路に溶融状態の合成樹脂
を供給する第1樹脂供給装置と、第2樹脂供給通路に少
量の溶融状態の合成樹脂を供給する第2樹脂供給装置を
備えたものである。
【0007】
【作用】本発明による製造方法では、基材を支持した基
材側成形型と成形面を有する表皮側成形型が離隔された
状態において、基材の表皮と対応する部分の表面上には
基材側成形型内に形成された第1樹脂供給通路及び基材
に形成した孔を通して溶融状態の合成樹脂が供給され、
基材の加飾体と対応する部分の表面上の複数箇所には基
材側成形型内に形成された第2樹脂供給通路、複数の細
い第2分岐路及び基材に形成した複数の小孔を通して少
量の溶融状態の合成樹脂が供給される。次いで加飾体を
基材の小孔が形成された部分上にセットした後、基材側
成形型と表皮側成形型は基材の表面と成形面との間隔が
基材上に成形すべき表皮の厚さに対応する値となる最接
近位置まで移動され、複数の小孔から基材の表面上に供
給された少量の溶融状態の合成樹脂により加飾体は基材
に点状に接着され、孔から基材の表面上に供給された溶
融状態の合成樹脂は基材の表面と成形面の間に形成され
る空間内に充填されて表皮が形成される。あるいはま
た、加飾体は、前述のように基材の小孔が形成された部
分上にセットする代わりに、基材側成形型と表皮側成形
型が離隔された状態において基材の表面の加飾体により
覆われる一部と対応する表皮側成形型の表面の一部に当
接して保持され、また同状態において基材の表皮と対応
する部分の表面上には基材側成形型内に形成された第1
樹脂供給通路及び基材に形成した孔を通して溶融状態の
合成樹脂が供給され、基材の加飾体と対応する部分の表
面上の複数箇所には基材側成形型内に形成された第2樹
脂供給通路、複数の細い第2分岐路及び基材に形成した
複数の小孔を通して少量の溶融状態の合成樹脂が供給さ
れる。次いで基材側成形型と表皮側成形型は基材の表面
と成形面との間隔が基材上に成形すべき表皮の厚さに対
応する値となる最接近位置まで移動され、複数の小孔か
ら基材の表面上に供給された少量の溶融状態の合成樹脂
により加飾体は基材に点状に接着され、孔から基材の表
面上に供給された溶融状態の合成樹脂は基材の表面と成
形面の間に形成される空間内に充填されて表皮が形成さ
れる。
【0008】本発明による製造装置では、基材として第
1樹脂供給通路の支持面への開口と対応する孔及び複数
の第2分岐路の支持面への開口と対応する複数の小孔を
備えたものを使用する。基材を支持した基材側成形型と
成形面を有する表皮側成形型が離隔された状態におい
て、第1樹脂供給装置からの溶融状態の合成樹脂は基材
側成形型内に形成された第1樹脂供給通路及び基材に形
成した孔を通して基材の表皮と対応する部分の表面上に
供給され、第2樹脂供給装置からの少量の溶融状態の合
成樹脂は基材側成形型内に形成された第2樹脂供給通
路、複数の細い第2分岐路及び基材に形成した複数の小
孔を通して基材の加飾体と対応する部分の表面上の複数
箇所に供給される。基材側成形型と表皮側成形型が最接
近位置まで移動されれば、複数の小孔から基材の表面上
に供給された少量の溶融状態の合成樹脂により加飾体は
基材に点状に接着され、孔から基材の表面上に供給され
た溶融状態の合成樹脂は基材の表面と成形面の間に形成
される空間内に充填されて表皮が形成される。
【0009】
【実施例】先ず、本発明による加飾体を備えた積層体の
製造方法及び製造装置をドアトリムの製造に適用した場
合の第1実施例を、図1及び図2により説明する。本実
施例により製造される加飾体を備えた積層体の基材10
は、木材のチップまたは繊維に結合剤としてフェノール
樹脂を添加混合したものを多孔性となるようにホットプ
レス成形したものであり、図6(a) に示すように、加飾
体11が接着される部分と表皮12が形成される部分と
の境界の全周にわたり、ループ状に連続した木目込み用
溝部10aが設けられている。また表皮12を形成する
合成樹脂は、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂で
ある。なお図1及び図2は、細部を見やすくするため
に、ドアトリムの大きさに比して各部の肉厚を誇張して
示してある。
【0010】第1実施例の製造装置は、成形装置下部の
固定側型支持部材(図示省略)に取り付けられる下型
(基材側成形型)20と、成形装置の可動側型支持部材
(図示省略)に取り付けられる上型(表皮側成形型)2
5と、溶融状態の合成樹脂を注入する樹脂供給装置22
及び第2樹脂供給装置24(何れも先端の一部のみを示
す)を備えている。下型20の上面にはドアトリムAの
基材10の裏面と一致する形状の支持面20aが形成さ
れ、基材10をこの支持面20a全体で支持するように
なっている。
【0011】下型20には第1樹脂供給通路21及び第
2樹脂供給通路23が形成されている。第1樹脂供給通
路21は、木目込み用溝部10aに対応する溝部の外
側、すなわち表皮12と対応する部分において先端が下
型20の支持面20aに開口する複数の第1分岐路21
aを有しており、第1樹脂供給通路21には第1樹脂供
給装置22の先端が接合されて、溶融状態の合成樹脂が
供給される。基材10には各第1分岐路21aの先端に
対応する位置に孔10bが設けられ、第1樹脂供給装置
22から溶融状態で供給された表皮12を形成する合成
樹脂は、第1樹脂供給通路21、第1分岐路21a及び
孔10bを通って、二点鎖線12Aに示すように塊状に
基材10上に吐出される。
【0012】第2樹脂供給通路23は、木目込み用溝部
10aに対応する溝部の内側、すなわち加飾体11と対
応する部分において先端が下型20の支持面20aに開
口する多数の細い第2分岐路23aを有しており、第2
樹脂供給通路23には第2樹脂供給装置24の先端が接
合されて、溶融状態の合成樹脂が供給される。基材10
には各分岐路23aの先端に対応する位置に多数の小孔
10cが設けられ、第2樹脂供給装置24から供給され
る溶融状態の合成樹脂は第2樹脂供給通路23、第2分
岐路23a及び小孔10cを通って、二点鎖線12Bに
示すように小さい塊状で基材10上に吐出される。図示
は省略したが、第1及び第2樹脂供給通路21,23並
びにそれらの各分岐路21a,23aの回りには、保温
用のヒータが設けられている。
【0013】可動側型支持部材に取り付けられた上型2
5は下型20に対し上方から接近離隔可能であり、図1
は離隔状態を示し、図2は最接近状態を示している。上
型25の下面には、基材10の木目込み用溝部10aと
対応する形状の先端縁25cが下方に突出して形成さ
れ、先端縁25cの外側には基材10の表皮12の表面
に対応する形状の成形面25aが形成され、先端縁25
cの多少内側には上型25の上面に達する逃げ孔26が
形成されている。下型20と上型25の外周部には、表
皮12の平面輪郭形状に沿って外向段部20b及び内向
段部25bが形成され、図2に示すように、この両段部
20b,25bは、最接近状態では多少の隙間をおいて
互いに嵌合される。
【0014】次に第1実施例の製造方法を、図1及び図
2に示す製造装置を用いて説明する。下型20及び上型
25は、予め50〜80℃の温度に調節され、基材10
は裏面全体を下型20の支持面20aに当接させて下型
20上にセットされ、図1に示すように上型25を下型
20から上方に離隔した状態で、第1樹脂供給装置22
からの溶融状態(180〜200℃)の合成樹脂は、第
1樹脂供給通路21、第1分岐路21a及び孔10bを
通って、二点鎖線12Aに示すように木目込み用溝部1
0aの外側となる基材10上に塊状に吐出される。孔1
0bからの合成樹脂の吐出量は、成形すべき表皮12の
容積と同じまたはそれを僅かに越える程度となるよう
に、第1樹脂供給装置22の吐出圧、第1樹脂供給通路
21及び第1分岐路21aの寸法並びに供給通路の一部
に設ける弁(図示省略)などにより制御される。
【0015】同様に第2樹脂供給装置24からの溶融状
態の合成樹脂は第2樹脂供給通路23、第2分岐路23
a及び小孔10cを通って、二点鎖線12Bに示すよう
に木目込み用溝部10aの内側となる基材10上に吐出
される。小孔10cからの合成樹脂の吐出量は、基材1
0上に加飾体11が押圧された場合に、小孔10c付近
のみに広がって基材10と加飾体11が点状に接着さ
れ、全面的に広がることがない程度の少量となるよう
に、第2樹脂供給装置24の吐出圧、第2樹脂供給通路
23及び第2分岐路23aの寸法並びに供給通路の一部
に設ける弁などにより制御される。
【0016】次いで加飾体11を、木目込み用溝部10
aに外周部を一致させて基材10上にセットし、上型2
5が下型20に向かって下降される。下型20及び上型
25外周部の外向段部20b及び内向段部25bは互い
に嵌合される程度まで上型25が上型25に接近すれ
ば、木目込み用溝部10a外側の基材10上に孔10b
から塊状に吐出された溶融状態の合成樹脂12Aが上型
25の成形面25aに当たって基材10の表面と成形面
25aの間に押し広げられるようになる。上型25が更
に下降して上型25の先端縁25cが基材10の木目込
み用溝部10aに入るようになれば、加飾体11は外周
部が押し下げられて基材10上に軽く押圧され、これに
より小孔10cから基材10上に吐出された溶融状態の
合成樹脂12Bは小孔10c付近に広がって基材10と
加飾体11が点状に接着される。
【0017】そして図2に示すように基材10の表面と
成形面25aとの間隔が基材10上に成形すべき表皮1
2の厚さに対応する値となる最接近位置まで上型25が
下型20に対し下降すれば、溶融状態の合成樹脂12A
は基材10の表面と上型25の間の空間内の加飾体11
より外側の部分に圧縮充填され、溶融状態の合成樹脂は
多孔性の基材10の表面の多数の隙間内に含浸されて基
材10と一体結合された表皮12を形成する。加飾体1
1の外周縁はこの表皮12を形成する溶融状態の合成樹
脂により基材10に接着されるが、先端縁25cに遮ら
れて加飾体11上に入り込むことはなく、少量の余分の
合成樹脂は互いに嵌合された段部20b,25bの隙間
から薄いバリとして排出される。そして形成された表皮
12が取扱い可能な程度まで硬化する所定温度以下とな
ってから上型25を上昇させて、完成されたドアトリム
Aを取り出す。木目込み用溝部10a内に入った先端縁
25cにより押圧されていた加飾体11の外周部は、先
端縁25cが抜ければその弾性により元の形状近くまで
復元するので、加飾体11と表皮12の間の隙間は殆ど
なくなる。
【0018】この第1実施例では、加飾体11は裏側と
なる一部が溶融状態の合成樹脂により点状に加熱される
だけであり、しかも表面側から押圧されることがないの
で、加飾体11として表面側を起毛したパイル織物を使
用する場合でも毛倒れが生じるおそれはない。
【0019】次に図3及び図4に示す第2実施例の説明
をする。この第2実施例は、上型25下面の先端縁25
cより内側の部分が第1実施例と相違するだけであるの
で、この相違点についてのみ説明する。
【0020】この第2実施例の製造装置では、上型25
下面の先端縁25cより内側の部分は、基材10の一部
を覆って固着される加飾体11の表面に対応する形状と
なっている。上型25に形成された吸引管路27は、先
端縁25cの内側において先端が下型20の下面に開口
する多数の細い細管27aを有している。これ以外の構
造は第1実施例と同一であるので、対応する部分に同一
の符号を付して示すだけとし、詳細な説明は省略する。
【0021】図3に示すように、加飾体11は上型25
の先端縁25c内側の下面に当接されて、吸引管路27
に与えられる負圧により吸引保持される点を除き、上記
第1実施例と同様、基材10をセットした下型20から
上型25を上方に離隔した状態で、第1樹脂供給装置2
2からの溶融状態の合成樹脂は二点鎖線12Aに示すよ
うに基材10上に塊状に吐出され、第2樹脂供給装置2
4からの溶融状態の合成樹脂は二点鎖線12Bに示すよ
うに基材10上に吐出される。そして上型25が下型2
0に向かって下降されれば、加飾体11は小孔10cか
ら吐出された溶融状態の合成樹脂12Bにより基材10
に点状に接着され、孔10bから吐出された溶融状態の
合成樹脂12Aは基材10の表面と上型25の間の空間
内のシールブロック30より外側の部分に圧縮充填され
て基材10と一体結合された表皮12が形成され、加飾
体11の外周縁はこの表皮12を介して基材10に接着
される。
【0022】この第2実施例では、最接近位置において
加飾体11は先端縁25cの間の上型25の下面により
押圧されるが、加飾体11は裏側となる一部が溶融状態
の合成樹脂により点状に加熱されるだけであるので加熱
の影響は少なく、加飾体11として表面側を起毛したパ
イル織物を使用する場合でも毛倒れが生じるおそれはな
い。なお上型25の下面に対する加飾体11の保持は、
図示のような負圧による吸引に限らず、上型25の下面
に接着したマジックテープの半片に加飾体11の起毛部
を係止し、あるいは粘着テープの使用などにより行うこ
とができる。
【0023】上記各実施例では、表皮12側に供給する
溶融状態の合成樹脂と加飾体11側に供給する溶融状態
の合成樹脂とを別個の樹脂供給装置22及び24により
供給するようにしているが、各樹脂供給通路21,23
及び各分岐路21a,23aの寸法並びにこれらの一部
に設ける弁を調整することにより、1個の樹脂供給装置
により表皮12側と加飾体11側に溶融状態の合成樹脂
を供給するようにすることも可能である。
【0024】また上記各実施例では、表皮12の素材は
ポリプロピレン樹脂を用いたが、塩化ビニール樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂等の熱可
塑性樹脂を、単独であるいは2種以上配合して使用して
もよい。また、基材10は木質系の多孔性成形品を用い
たが、硬質発砲ウレタン等の多孔性の樹脂成形品を用い
てもよく、あるいはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹
脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、またはこれらを繊維
や金属などで補強した複合材料など、任意の素材を使用
することができる。基材10に対する表皮12の熱溶着
性が悪い場合は、前述のように基材10を多孔性とし、
基材10表面の多数の隙間内に表皮12の素材を含浸さ
せてアンカー効果により基材10と表皮12の間の結合
性を高めてもよいし、変性オレフィンなどの表面改質剤
を基材10の表面に塗布して表皮12との濡れ性を改善
して結合性を高めてもよい。あるいはこの両者を組み合
わせて結合性を高めてもよい。
【0025】
【発明の効果】上述のように、本発明の製造方法によれ
ば、基材を支持した基材側成形型と表皮側成形型が離隔
された状態で第1樹脂供給通路及び第2樹脂供給通路か
ら溶融状態の合成樹脂を基材の表面上に供給し、次いで
加飾体を基材の小孔が形成された部分上にセットした
後、両成形型を最接近位置に接近させ、あるいはまた基
材側成形型と表皮側成形型が離隔された状態で表皮側成
形型の表面の一部に加飾体を当接して保持すると共に第
1樹脂供給通路及び第2樹脂供給通路から溶融状態の合
成樹脂を基材の表面上に供給し、次いで両成形型を最接
近位置に接近させるという少数の工程だけで、基材の一
部を薄い加飾体で覆い同表面の残部を薄い表皮で覆った
加飾体を備えた積層体は完成されるので製造に必要な工
程数及びこれに使用する型などの装置が少なくなり、ま
た表皮の素材は予めシート状に成形したものを使用する
必要がないので、加飾体を備えた積層体の製造コストは
減少する。また加飾体は裏側となる一部が溶融状態の合
成樹脂により加熱されるだけであるので加熱の影響は少
なく、加飾体として表面側を起毛したパイル織物を使用
する場合でも毛倒れが生じるおそれはない。
【0026】また本発明の製造装置によれば、基材を支
持した基材側成形型と表皮側成形型を離隔した状態で第
1樹脂供給装置及び第2樹脂供給装置からの溶融状態の
合成樹脂を基材の表面上に供給してから、両成形型を最
接近位置に接近させるという1工程だけで、基材の一部
を薄い加飾体で覆い同表面の残部を薄い表皮で覆った加
飾体を備えた積層体は完成されるので、加飾体の接着及
び表皮の成形に要する型は1組で足り、また表皮の素材
は予めシート状に成形したものを使用する必要がないの
で、加飾体を備えた積層体の製造コストは減少する。ま
た加飾体は裏側となる一部が溶融状態の合成樹脂により
加熱されるだけであるので加熱の影響は少なく、加飾体
として表面側を起毛したパイル織物を使用する場合でも
毛倒れが生じるおそれはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による加飾体を備えた積層体の製造方
法及び製造装置の第1実施例を示す、上型と下型が離隔
された状態の断面図である。
【図2】 図1に示す第1実施例の上型が下型に対し最
接近位置まで下降した状態の断面図である。
【図3】 本発明による加飾体を備えた積層体の製造方
法及び製造装置の第2実施例を示す、上型と下型が離隔
された状態の断面図である。
【図4】 図3に示す第2実施例の上型が下型に対し最
接近位置まで下降した状態の断面図である。
【図5】 加飾体を備えたドアトリムの平面図である。
【図6】 従来技術による加飾体を備えたドアトリムの
製造工程の説明図である。
【符号の説明】
10…基材、10b…孔、10c…小孔、11…加飾
体、12…表皮、20…基材側成形型(下型)、20a
…支持面、21…第1樹脂供給通路、22…第1樹脂供
給装置、23…第2樹脂供給通路、23a…第2分岐
路、24…第2樹脂供給装置、25…表皮側成形型(上
型)、25a…成形面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 克彦 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラ コ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−220314(JP,A) 特開 平5−77273(JP,A) 特開 平5−208426(JP,A) 特開 平5−96556(JP,A) 特開 平2−206513(JP,A) 特開 昭64−85715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、その表面の一部に固着されてこ
    の部分を覆う薄い加飾体と、前記基材の表面の残部に固
    着されて同残部を覆う薄い表皮よりなる加飾体を備えた
    積層体の製造方法において、前記基材の裏面のほゞ全面
    に当接する支持面を有しこの支持面を介して前記基材を
    支持した基材側成形型と前記表皮の表面に対応する形状
    の成形面を有する表皮側成形型が離隔された状態におい
    て、前記基材側成形型内に形成されて前記支持面の前記
    表皮と対応する部分に開口する第1樹脂供給通路及びこ
    れに対応して前記基材に形成した孔を通して同基材の表
    面上に溶融状態の合成樹脂を供給すると共に、前記基材
    側成形型内に形成されて複数の細い第2分岐路を介して
    複数箇所において前記支持面の前記加飾体と対応する部
    分に開口する第2樹脂供給通路及び前記各第2分岐路に
    対応して前記基材に形成した複数の小孔を通して同基材
    の表面上の複数箇所に少量の溶融状態の合成樹脂を供給
    し、次いで前記加飾体を前記基材の前記小孔が形成され
    た部分上にセットした後、前記基材側成形型と表皮側成
    形型を前記基材の表面と前記成形面の間隔が前記表皮の
    厚さに対応する値となる最接近位置まで移動させて、前
    記複数の小孔から前記基材の表面上に供給された少量の
    溶融状態の合成樹脂により前記加飾体を前記基材上に前
    記各小孔の位置において点状に接着すると共に、前記加
    飾体の外側となる前記基材の表面と成形面の間に形成さ
    れる空間内に溶融状態の合成樹脂を充填して前記基材を
    覆う前記表皮を形成することを特徴とする加飾体を備え
    た積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 基材と、その表面の一部に固着されてこ
    の部分を覆う薄い加飾体と、前記基材の表面の残部に固
    着されて同残部を覆う薄い表皮よりなる加飾体を備えた
    積層体の製造方法において、前記基材の裏面のほゞ全面
    に当接する支持面を有しこの支持面を介して前記基材を
    支持した基材側成形型と前記表皮の表面に対応する形状
    の成形面を有する表皮側成形型が離隔された状態におい
    て前記基材の表面の前記加飾体により覆われる前記一部
    と対応する前記表皮側成形型の表面の一部に前記加飾体
    を当接して保持し、また同状態において前記基材側成形
    型内に形成されて前記支持面の前記表皮と対応する部分
    に開口する第1樹脂供給通路及びこれに対応して前記基
    材に形成した孔を通して同基材の表面上に溶融状態の合
    成樹脂を供給すると共に、前記基材側成形型内に形成さ
    れて複数の細い第2分岐路を介して複数箇所において前
    記支持面の前記加飾体と対応する部分に開口する第2樹
    脂供給通路及び前記各第2分岐路に対応して前記基材に
    形成した複数の小孔を通して同基材の表面上の複数箇所
    に少量の溶融状態の合成樹脂を供給し、次いで前記基材
    側成形型と表皮側成形型を前記基材の表面と前記成形面
    の間隔が前記表皮の厚さに対応する値となる最接近位置
    まで移動させて、前記複数の小孔から前記基材の表面上
    に供給された少量の溶融状態の合成樹脂により前記加飾
    体を前記基材上に前記各小孔の位置において点状に接着
    すると共に、前記加飾体の外側となる前記基材の表面と
    成形面の間に形成される空間内に溶融状態の合成樹脂を
    充填して前記基材を覆う前記表皮を形成することを特徴
    とする加飾体を備えた積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 基材と、その表面の一部に固着されてこ
    の部分を覆う薄い加飾体と、前記基材の表面の残部に固
    着されて同残部を覆う薄い表皮よりなる加飾体を備えた
    積層体の製造装置において、前記基材の裏面のほゞ全面
    に当接する支持面を有する基材側成形型と、前記表皮の
    表面に対応する形状の成形面を有し前記基材側成形型に
    対し接近離隔可能に設けられて前記基材の表面と前記成
    形面との間隔が前記表皮の厚さに対応する最接近位置ま
    で移動可能な表皮側成形型と、前記基材側成形型内に形
    成されて前記支持面の前記表皮と対応する部分に開口す
    る第1樹脂供給通路と、前記基材側成形型内に形成され
    て複数の細い第2分岐路を介して複数箇所において前記
    支持面の前記加飾体と対応する部分に開口する第2樹脂
    供給通路と、前記第1樹脂供給通路に溶融状態の合成樹
    脂を供給する第1樹脂供給装置と、前記第2樹脂供給通
    路に少量の溶融状態の合成樹脂を供給する第2樹脂供給
    装置を備えたことを特徴とする加飾体を備えた積層体の
    製造装置。
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