JPH1131759A - 吸湿保護膜を有する実装回路基板及び実装回路基板の吸湿保護膜形成方法 - Google Patents

吸湿保護膜を有する実装回路基板及び実装回路基板の吸湿保護膜形成方法

Info

Publication number
JPH1131759A
JPH1131759A JP18862197A JP18862197A JPH1131759A JP H1131759 A JPH1131759 A JP H1131759A JP 18862197 A JP18862197 A JP 18862197A JP 18862197 A JP18862197 A JP 18862197A JP H1131759 A JPH1131759 A JP H1131759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
film
protective film
circuit board
absorbing protective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18862197A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Akasaka
貴志 赤坂
Akihiko Okuhora
明彦 奥洞
Seiichi Miyai
清一 宮井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP18862197A priority Critical patent/JPH1131759A/ja
Publication of JPH1131759A publication Critical patent/JPH1131759A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防湿性を備え、しかも冷熱サイクルに対する
信頼性が確保される吸湿保護膜を有する実装回路基板及
び、実装回路基板の吸湿保護膜形成方法を提供する。 【解決手段】 異方性導電膜10を介してLSIベアチ
ップ11のフリップチップ実装が為された実装回路基板
2上の少なくとも異方性導電膜10の露出部分10a、
10bを覆う吸湿保護膜3を成膜させる。この吸湿保護
膜3はDLCコート層あるいは窒化シリコン層で構成さ
れ、その膜厚は500オングストローム以下に構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐吸湿性を有する
実装回路基板ならびに実装回路基板の吸湿保護方法に関
し、とりわけ異方性導電膜が搭載され、さらに耐吸湿性
を有する実装回路基板ならびに、異方性導電膜が搭載さ
れた実装回路基板の吸湿保護膜形成方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ノート型パソコンをはじめとして
様々な情報通信機器等が、薄型軽量の小型化・信号の高
速化といった技術革新の流れにある。この流れにあっ
て、半導体装置や電子部品の多ピン狭ピッチ領域への実
装をベアチップを用いて行う技術が強く要請されるに至
っている。
【0003】このような要請から、半導体チップの実装
方法としてマルチチップモジュールを構成する、フリッ
プチップ実装等が注目されている。このフリップチップ
実装における接続方法としては、以下のものが知られて
いる。
【0004】すなわち、半導体チップ接続パッド上に高
融点はんだによるバンプを形成し、実装配線板上にはん
だプリコートを行って接続するはんだフリップチップ
法、半導体チップ接続パッド上にAuスタッドバンプを
形成させ、Agペースト等の導電性ペーストをスタッド
バンプ上に適量転写した後、直接実装配線板上にマウン
ト接続する導電性樹脂フリップチップ法、あるいは、半
導体チップ接続パッド上にAuバンプを形成し、フイル
ム状の導電接着剤とりわけ異方性導電接着膜を介してフ
リップチップ実装を行うベアチップ実装技術等がある。
【0005】これらの内でも、異方性導電接着膜を介し
てフリップチップ実装を行うベアチップ実装技術は、は
んだバンプ間を接続するフリップチップ実装技術等に比
べ、より狭ピッチの接続を可能にするという特徴があ
る。さらに、封止工程・洗浄工程がなく簡便であるとい
う特徴を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
な技術において、異方性導電膜の接着力は吸湿すること
で弱くなり、吸湿に対する信頼性が低下するという問題
があった。そこで、例えば従前のはんだパンプ間を接続
するフリップチップ実装技術等において封止として用い
られていた樹脂を流用して、ベアチップを接続している
異方性導電膜をベアチップとともにポッティングする等
の構成で、異方性導電膜を覆って、外部の水分から遮断
する方法が提案された。
【0007】しかしながら、このような封止用樹脂によ
って被覆を設ける構成では、その一方において吸湿に対
する信頼性は高くなるものの、他方においてベアチップ
やサブストレートとは熱膨張係数の異なる物質が新たに
一種類積載されることになるため、これによって冷熱サ
イクルに対する信頼性が低下するという不都合の生じる
ことが実験で確認されている。
【0008】また、樹脂によるポッティングでは実装済
み回路基板上の必要な一部分だけを選択的に被覆するの
に不適当であるという欠点があった。
【0009】本発明は前記のような従来技術における問
題点を解決するためなされたもので、部分的あるいは全
体的に吸湿防止対策を要する実装済み回路基板の当該部
分あるいは全部についてDLC(Diamond Li
ke Carbon)コート等の吸湿保護膜を成膜する
ことにより吸湿を軽減し、さらに吸湿保護膜をオングス
トロームオーダーの薄膜で構成することにより、冷熱サ
イクルに対する信頼性に優れる吸湿保護膜を有する実装
回路基板を提供し、さらにこれら吸湿保護膜の形成方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明の請求項1に係る吸湿保護膜を有する実装回路
基板は、異方性導電膜を介してベアチップのフリップチ
ップ実装が為された実装回路基板において、前記実装回
路基板上の少なくとも前記異方性導電膜の露出部分を覆
う吸湿保護膜が成膜されたことを特徴とする。
【0011】前記の構成によれば、とりわけ吸湿保護が
要求される異方性導電膜の露出部分が吸湿保護膜によっ
て覆われる結果、吸湿保護膜による水分の遮断によって
異方性導電膜の吸湿が防止される。
【0012】本発明の請求項2に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項1記載のものにおいて、前記
吸湿保護膜がDLCコート層であることを特徴とする。
【0013】前記の構成によれば、ダイヤモンド状炭素
(Diamond Like Carbon)による被
膜が形成されることで、水分の確実な遮断がなされる。
【0014】本発明の請求項3に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項2記載のものにおいて、前記
DLCコートによる吸湿保護膜の膜厚を、10nm以上
1μm以下に構成したことを特徴とする。
【0015】前記の構成によれば、ダイヤモンド状炭素
による被膜形成で水分の確実な遮断がなされ、かつ薄い
膜厚形成によって熱膨張により発生する応力の影響が軽
減される。
【0016】本発明の請求項4に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項1記載のものにおいて、前記
吸湿保護膜が窒化シリコン層であることを特徴とする。
【0017】前記の構成によれば、窒化シリコン層によ
る被膜が形成されることで硬度が確保され、かつ、確実
な水分の遮断がなされる。
【0018】本発明の請求項5に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項4記載のものにおいて、前記
窒化シリコン層による吸湿保護膜の膜厚を10nm以上
1μm以下に構成したことを特徴とする。
【0019】前記の構成によれば、窒化シリコンによる
被膜形成で水分の確実な遮断がなされ、また硬度が確保
され、かつ薄い膜厚形成によって熱膨張により発生する
応力の影響が軽減される。
【0020】本発明の請求項6に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、異方性導電膜を介してベアチップ
のフリップチップ実装が為された実装回路基板上に、吸
湿保護膜を少なくとも前記異方性導電膜の露出部分を覆
うように形成させることを特徴とする。
【0021】前記の構成によれば、吸湿保護膜が異方性
導電膜の露出部分を覆うように形成され、よって異方性
導電膜が水分から遮断される。
【0022】本発明の請求項7に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、請求項6記載のものにおいて、前
記吸湿保護膜をDLCコート層により形成することを特
徴とする。
【0023】前記の構成によれば、水分の確実な遮断が
可能なDLCコート層の形成がなされる。
【0024】本発明の請求項8に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、請求項7記載のものにおいて、前
記DLCコート層の膜厚を、10nm以上1μm以下に
成膜させることを特徴とする。
【0025】前記の構成によれば、水分の確実な遮断が
可能であり、かつ薄い膜厚により、熱膨張により発生す
る応力の影響が軽減されるDLCコート層の成膜がなさ
れる。
【0026】本発明の請求項9に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、請求項6記載のものにおいて、前
記吸湿保護膜を窒化シリコン層により形成することを特
徴とする。
【0027】前記の構成によれば、硬度が確保され、か
つ水分の確実な遮断が可能な窒化シリコン層の形成がな
される。
【0028】本発明の請求項10に係る実装回路基板の
吸湿保護膜形成方法は、請求項9記載のものにおいて、
前記窒化シリコン層の膜厚を、10nm以上1μm以下
に成膜させることを特徴とする。
【0029】前記の構成によれば、硬度が確保され、水
分の確実な遮断が可能であり、かつ薄い膜厚により、熱
膨張により発生する応力の影響が軽減される窒化シリコ
ン層の成膜がなされる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べ
る実施形態は、この発明の好適な具現例の一部であり、
技術構成上好ましい種々の限定が付されているが、この
発明の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限定
する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるもの
ではない。
【0031】本発明の吸湿保護膜を有する実装回路基板
は、部分的あるいは全体的に吸湿防止対策を要する実装
済み回路基板の少なくとも一部分に、発水性、絶縁性の
優れたDLCコート等の吸湿保護膜を成膜させることに
より吸湿特性を改善し、しかも該吸湿保護の膜厚を、冷
熱サイクル下において発生する熱応力による回路基板へ
の影響を軽減可能とする程度に薄い薄膜とすることで、
信頼性を確保する構成としたものである。
【0032】図1は、本発明の第1実施形態に係る吸湿
保護膜を有する実装回路基板の模式断面図である。図1
に示されるように、本発明の第1実施形態に係る吸湿保
護膜を有する実装回路基板1は、異方性導電膜10を介
してLSIベアチップ11のフリップチップ実装が為さ
れた実装回路基板2の表面に、DLCコート等の吸湿保
護膜3を成膜して構成する。
【0033】コア基材である実装回路基板2表面には導
体配線2aが設けられ、一方、LSIベアチップ11に
は電極11aが設けられ、これらは介在する異方性導電
膜10により電気的接続がなされる。異方性導電膜10
は同時に、その有する接着力により、LSIベアチップ
11を実装回路基板2表面に積層接着して機械的に接合
させる。なおLSIベアチップ11の電極11aには、
防錆ならびに接触抵抗低減の目的でAuバンプ(図示さ
れない)が設けられることがある。
【0034】ところで異方性導電膜10はその端部にお
いて、露出部分10a、10bが存在している。こうし
た露出部分10a、10bは外気にさらされることによ
り吸湿して、その導電特性や接着特性を劣化させ易い。
【0035】そこで本発明の構成では、吸湿保護膜3を
少なくとも異方性導電膜10のこれら露出部分10a、
10bを覆い封じる領域に成膜させる。これにより、異
方性導電膜10の露出部分10a、10bを防湿するこ
とができる。
【0036】このような吸湿保護膜3は、DLC被膜
(DLCコート)あるいは窒化シリコン被膜(SiNコ
ート)によるものが好ましい。
【0037】DLCコートは、ダイヤモンド状炭素(D
iamond Like Carbon)の被膜であ
り、軟質金属に対する凝着性と耐摩耗性に代表される優
れたトライボロジー特性を備え、広く金型・治工具・摺
動部品に広範囲に適用されている密着性の高い硬質薄膜
である。
【0038】DLCコートは、一般的に高真空中で炭化
水素ガス(C2 2 、CH4 、C66 など)をプラズ
マ放電によりイオン化し、この炭化水素イオンを、異方
性導電膜を介してフリップチップ実装済みの基板に印加
した負のバイアス電圧により加速衝突させ成膜させる。
【0039】このDLCコートは、濃度によって撥水
性、絶縁性をコントロールできるため、たとえば実装後
の回路基板にマスク等を施さずにDLCコートしても、
配線の絶縁特性を維持したままで、実装回路基板の所望
する部分あるいは実装回路基板全面に耐吸湿特性を付与
することができる。
【0040】また、DLCコートは金等のように表面が
酸化していない金属には被膜を形成させないため、部品
を実装するランド等に予め金めっき等を施せば、部品実
装前のコートも可能である。
【0041】ところで、LSIベアチップ11等の電子
部品は通電により一般的に発熱するから、周囲の構成部
材にも熱伝達されて昇温するが、各構成部材によって熱
膨張係数が異なるから、この結果接合界面において応力
が発生する。
【0042】とりわけ、電子機器の作動と停止が反復さ
れる使用条件では、チップ昇温と冷却が反復されるか
ら、各構成部材の膨張と収縮も反復されることになり、
接合界面においてクラックの発生や剥離といった不都合
が生じるおそれがさらに増大する。
【0043】このような熱膨張係数の差に基づく応力発
生は、構成部材が厚く形成されている場合に特に顕著と
なることが確認されている。そこで本発明では、前記吸
湿保護膜3の膜厚を薄く形成させることによって、熱膨
張/収縮にともなう応力特性を改善させるものである。
【0044】ところで、吸湿保護膜3の膜厚が厚い場合
は水分の遮断特性は改善されるが、一方において前記の
ように熱応力特性が劣化する。逆に、膜厚を薄くすると
熱応力特性は改善されるが、一方において耐候性が劣化
することになる。加えて、膜厚が薄い場合、表面からの
水分子などの浸透通過、すなわちパーミアビリティの劣
化という問題も発生する。
【0045】したがって本発明の構成においては、前記
各特性を勘案して、これらのトレードオフによって最適
な膜厚が決定される。例えば、前記のDLCコートある
いはSiNコートの場合、使用環境や接合材質などにも
よるが、一例として10nm以上1μm以下程度に膜厚
を形成させることが好ましい。また、40nm以上50
0nm以下に膜厚を形成させることが更に好ましい。
【0046】以下、本発明の吸湿保護膜の形成方法の実
施の形態を述べる。図2は、本発明の第2実施形態とし
て、DLCによる吸湿保護膜の形成方法の一実施例を示
す模式図である。
【0047】同図に示されるように、本実施形態では原
料の炭化水素ガスとして気化したベンゼン50を用い、
プラズマ源として熱フィラメント51とリフレクタ52
とアノード53との3極構造からなる直流放電イオン源
54を利用して、イオンプレーティング法に基づき被成
膜物である実装回路基板(以下、基板と略記する)55
にDLC膜を成膜する。
【0048】また、図示されていないが、適切なマスク
パターンを用いて被成膜物を部分的にマスキングするこ
とにより、基板55の所望部分のみにDLC膜を成膜さ
せることが可能である。例えば、基板55上に搭載され
て一部分が露出している異方性導電膜の露出部分を含
み、該露出部分よりも広い範囲の開口を有するマスクパ
ターンを適用することにより、異方性導電膜の露出部分
を選択的に覆うDLC膜を成膜させることが可能にな
る。
【0049】また、形成されたDLC膜の膜厚はイオン
プレーティング装置の操業条件を調節することにより制
御可能であり、熱膨張係数の差による発生応力を低減さ
せるのに適切な膜厚、好ましくは10nm以上1μm以
下、さらに好ましくは40nm以上500nm以下に制
御される。
【0050】図3は、本発明の第3実施形態として、D
LCによる吸湿保護膜の形成方法の他の実施例としてR
Fスパッタリングによる成膜を示す模式図である。
【0051】同図に示されるように、本実施形態ではR
F電極60を用いて加速した気体イオン61(アルゴン
ガスイオン)を高速でターゲットである固体炭素源62
を叩き、発生した活性状態の炭素原子によって基板63
上にDLC被膜を形成させる。
【0052】また、形成されたDLC膜の膜厚はRFス
パッタリング装置の操業条件を調節することにより制御
可能であり、熱膨張係数の差による発生応力を低減させ
るのに適切な膜厚、好ましくは10nm以上1μm以
下、さらに好ましくは40nm以上500nm以下に制
御される。
【0053】このRFスパッタリングにより、とりわけ
水素を含まないDLC膜の形成が可能になる。なお、こ
のような水素を排除したDLC膜の形成には、RFスパ
ッタリングの他にも電子ビーム蒸発、陰極アーク放電を
利用することもできる。
【0054】図4は、本発明の第4実施形態として、D
LCによる吸湿保護膜の形成方法の他の実施例としてイ
オンビームスパッタによる成膜を示す模式図である。
【0055】同図に示されるように、本実施形態ではイ
オンガン70とアシストガン71がターゲット72に対
して斜に配置される。イオンガン70によるイオンの発
生は、図示されない熱陰極電子衝撃型のイオン源や、冷
陰極放電、低電圧アーク放電(いずれも図示されない)
が適用される。
【0056】イオンガン70から発生したイオンビーム
は斜方向でターゲット72に入射し、活性状態の炭素原
子を発生させ、この炭素原子に基づいて基板73上にD
LC被膜を形成させる。一方アシストガン71は、スパ
ッタされた正イオンのターゲットへの逆流や、負イオン
およびγ電子の加速等の制御に寄与する。
【0057】なお、前記と同様に、適切なマスクパター
ン(図示されない)を用いて被成膜物を部分的にマスキ
ングすることにより、基板73の所望部分のみにDLC
膜を成膜させることが可能である。例えば、基板73上
に搭載されて一部分が露出している異方性導電膜の露出
部分を含み、該露出部分よりも広い範囲の開口を有する
マスクパターンを適用することにより、異方性導電膜の
露出部分を選択的に覆うDLC膜を成膜させることが可
能になる。
【0058】また、成膜されたDLC膜の膜厚はイオン
ビームスパッタ装置の操業条件を調節することにより制
御可能であり、熱膨張係数の差による発生応力を低減さ
せるのに適切な膜厚、好ましくは10nm以上1μm以
下、さらに好ましくは40nm以上500nm以下に制
御される。
【0059】図5は、本発明の第5実施形態として、R
Fスパッタリングによる窒化シリコン(SiN)の吸湿
保護膜の形成方法を示す模式図である。
【0060】同図に示されるように、本実施形態ではR
F電極80を用いて加速し、Ar(アルゴン)ガスと窒
素ガスの混合気体をプラズマ化した気体イオン81を高
速でシリコンターゲット82に衝突させ、発生した活性
状態のシリコン原子および原子状窒素によって基板83
上にSiNx(x=1.0〜1.3)の膜をスパッタ成
膜させる。
【0061】成膜されたSiNx(x=1.0〜1.
3)膜の膜厚はRFスパッタリング装置の操業条件を調
節することにより制御可能であり、熱膨張係数の差によ
る発生応力を低減させるのに適切な膜厚、好ましくは1
0nm以上1μm以下、さらに好ましくは40nm以上
500nm以下に制御される。
【0062】さらに前記実施形態と同様に、適切なマス
クパターン(図示されない)を用いて基板83を部分的
にマスキングすることにより、基板83の所望部分のみ
にSiN膜を成膜させることが可能である。例えば、基
板83上に搭載されて一部分が露出している異方性導電
膜の露出部分を含み、該露出部分よりも広い範囲の開口
を有するマスクパターンを適用することにより、異方性
導電膜の露出部分を選択的に覆うSiN膜を成膜させる
ことが可能になる。
【0063】なお、本発明の吸湿保護膜については、発
水性、絶縁性に優れた薄膜であれば特に限定されず、前
述したDLC膜あるいはSiN膜以外の堆積膜なども適
用が可能である。
【0064】上述のように本発明によれば、異方性導電
膜を介してフリップチップ実装済みの実装回路基板等に
DLCコート等の撥水性、絶縁性に優れた吸湿保護膜を
成膜することによって、吸湿に対する信頼性が高く、ま
た、オングストロームオーダーあるいはナノメートルオ
ーダーの薄膜により冷熱サイクルに対する信頼性も維持
可能な実装基板を供給することができる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
に係る吸湿保護膜を有する実装回路基板は、異方性導電
膜を介してベアチップのフリップチップ実装が為された
実装回路基板上の少なくとも異方性導電膜の露出部分を
覆う吸湿保護膜が成膜された構成とするものであるか
ら、とりわけ吸湿保護が要求される異方性導電膜の露出
部分を吸湿保護膜によって覆う結果、吸湿保護膜が水分
を遮断して、異方性導電膜の吸湿による接着特性などの
劣化を極めて効果的に防止できる。
【0066】本発明の請求項2に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項1記載のものにおいて、吸湿
保護膜をDLCコート層で構成するから、ダイヤモンド
状炭素による被膜により水分を確実な遮断することが可
能になる。
【0067】本発明の請求項3に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項2記載のものにおいて、DL
Cコートによる吸湿保護膜の膜厚を10nm以上1μm
以下に構成するものであるから、ダイヤモンド状炭素に
よる被膜形成で水分を確実に遮断でき、かつ形成される
膜厚を薄くすることによって熱膨張により発生する応力
の影響を軽減させることが可能になる。
【0068】本発明の請求項4に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項1記載のものにおいて、吸湿
保護膜を窒化シリコン層で構成するものであるから、硬
度特性にすぐれる窒化シリコン層被膜が形成されること
で硬度を確保でき、かつ、確実な水分の遮断が可能にな
る。
【0069】本発明の請求項5に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板は、請求項4記載のものにおいて、窒化
シリコン層による吸湿保護膜の膜厚を10nm以上1μ
m以下に構成するものであるから、窒化シリコンによる
被膜形成で水分を確実に遮断でき、また硬度が確保で
き、かつ形成される膜厚を薄くすることによって熱膨張
により発生する応力の影響を軽減させることが可能にな
る。
【0070】本発明の請求項6に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、異方性導電膜を介してベアチップ
のフリップチップ実装が為された実装回路基板上に、吸
湿保護膜を少なくとも前記異方性導電膜の露出部分を覆
うように形成させるものであるから、吸湿保護膜が異方
性導電膜の露出部分を覆うように形成でき、よって異方
性導電膜を水分から遮断可能な吸湿保護膜を形成させる
ことが可能になる。
【0071】本発明の請求項7に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、請求項6記載のものにおいて、吸
湿保護膜をDLCコート層により形成するものであるか
ら、水分の確実な遮断が可能なDLCコート層を実装回
路基板の、とりわけ水分遮断が必要な異方性導電膜の露
出部分上に、これを覆うように形成させることが可能に
なる。
【0072】本発明の請求項8に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、請求項7記載のものにおいて、前
記DLCコート層の膜厚を10nm以上1μm以下に成
膜させるものであるから、水分の確実な遮断が可能にな
り、かつ薄い膜厚により、熱膨張により発生する応力の
影響を軽減できるDLCコート層を成膜させることが可
能になる。
【0073】本発明の請求項9に係る実装回路基板の吸
湿保護膜形成方法は、請求項6記載のものにおいて、吸
湿保護膜を窒化シリコン層により形成させるものである
から、窒化シリコンによって硬度を確保でき、かつ水分
の確実な遮断が可能な窒化シリコン層を成膜させること
が可能になる。
【0074】本発明の請求項10に係る実装回路基板の
吸湿保護膜形成方法は、請求項9記載のものにおいて、
窒化シリコン層の膜厚を好ましくは10nm以上1μm
以下、さらに好ましくは40nm以上500nm以下に
成膜させるものであるから、硬度を確保でき、水分の確
実な遮断が可能であり、かつ薄い膜厚により、熱膨張に
より発生する応力の影響を軽減できる窒化シリコン層を
成膜させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る吸湿保護膜を有す
る実装回路基板の模式断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る、DLCによる吸
湿保護膜の形成方法を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る、DLCによる吸
湿保護膜の形成方法としてRFスパッタリングによる成
膜を示す模式図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る、DLCによる吸
湿保護膜の形成方法としてイオンビームスパッタによる
成膜を示す模式図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係る、RFスパッタリ
ングによる窒化シリコン(SiN)の吸湿保護膜の形成
方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1…本発明に係る吸湿保護膜を有する実装回路基板、2
…実装回路基板、2a…導体配線、3…吸湿保護膜、1
0…異方性導電膜、10a…露出部分、10b…露出部
分、11…LSIベアチップ、11a…電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異方性導電膜を介してベアチップのフリ
    ップチップ実装が為された実装回路基板において、 前記実装回路基板上の少なくとも前記異方性導電膜の露
    出部分を覆う吸湿保護膜が成膜されたことを特徴とする
    吸湿保護膜を有する実装回路基板。
  2. 【請求項2】 前記吸湿保護膜がDLCコート層である
    ことを特徴とする請求項1記載の吸湿保護膜を有する実
    装回路基板。
  3. 【請求項3】 前記DLCコート層の膜厚を、10nm
    以上1μm以下に構成したことを特徴とする請求項2記
    載の吸湿保護膜を有する実装回路基板。
  4. 【請求項4】 前記吸湿保護膜が窒化シリコン層である
    ことを特徴とする請求項1記載の吸湿保護膜を有する実
    装回路基板。
  5. 【請求項5】 前記SiN層の膜厚を、10nm以上1
    μm以下に構成したことを特徴とする請求項4記載の吸
    湿保護膜を有する実装回路基板。
  6. 【請求項6】 異方性導電膜を介してベアチップのフリ
    ップチップ実装が為された実装回路基板上に、吸湿保護
    膜を少なくとも前記異方性導電膜の露出部分を覆うよう
    に形成させることを特徴とする実装回路基板の吸湿保護
    膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記吸湿保護膜をDLCコート層により
    形成することを特徴とする請求項6記載の実装回路基板
    の吸湿保護膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記DLCコート層の膜厚を、10nm
    以上1μm以下に成膜させることを特徴とする請求項7
    記載の実装回路基板の吸湿保護膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記吸湿保護膜を窒化シリコン層により
    形成することを特徴とする請求項6記載の実装回路基板
    の吸湿保護膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記窒化シリコン層の膜厚を、510
    nm以上1μm以下に成膜させることを特徴とする請求
    項9記載の実装回路基板の吸湿保護膜形成方法。
JP18862197A 1997-07-14 1997-07-14 吸湿保護膜を有する実装回路基板及び実装回路基板の吸湿保護膜形成方法 Pending JPH1131759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18862197A JPH1131759A (ja) 1997-07-14 1997-07-14 吸湿保護膜を有する実装回路基板及び実装回路基板の吸湿保護膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18862197A JPH1131759A (ja) 1997-07-14 1997-07-14 吸湿保護膜を有する実装回路基板及び実装回路基板の吸湿保護膜形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1131759A true JPH1131759A (ja) 1999-02-02

Family

ID=16226897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18862197A Pending JPH1131759A (ja) 1997-07-14 1997-07-14 吸湿保護膜を有する実装回路基板及び実装回路基板の吸湿保護膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1131759A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007227609A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Seiko Epson Corp 半導体装置および半導体装置の製造方法
WO2009069421A1 (ja) * 2007-11-28 2009-06-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. 弾性波装置
JP2009231680A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Panasonic Corp 基板の表面処理方法および表面処理装置ならびに半導体パッケージの製造方法
JP2010212698A (ja) * 2010-04-01 2010-09-24 Sony Chemical & Information Device Corp 接続構造体及びその製造方法
KR101195463B1 (ko) * 2011-02-15 2012-10-30 에스케이하이닉스 주식회사 반도체 패키지 및 그 형성방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007227609A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Seiko Epson Corp 半導体装置および半導体装置の製造方法
WO2009069421A1 (ja) * 2007-11-28 2009-06-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. 弾性波装置
US8120230B2 (en) 2007-11-28 2012-02-21 Murata Manufacturing Co., Ltd. Acoustic wave device
JP2013034230A (ja) * 2007-11-28 2013-02-14 Murata Mfg Co Ltd 弾性波装置
JP5158092B2 (ja) * 2007-11-28 2013-03-06 株式会社村田製作所 弾性波装置
DE112008003117B4 (de) * 2007-11-28 2015-11-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Schallwellenvorrichtung
JP2009231680A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Panasonic Corp 基板の表面処理方法および表面処理装置ならびに半導体パッケージの製造方法
JP2010212698A (ja) * 2010-04-01 2010-09-24 Sony Chemical & Information Device Corp 接続構造体及びその製造方法
KR101195463B1 (ko) * 2011-02-15 2012-10-30 에스케이하이닉스 주식회사 반도체 패키지 및 그 형성방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7667336B2 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
US7135765B2 (en) Semiconductor device package and method of making the same
KR20000022830A (ko) 반도체 디바이스 및 그 제조 공정
JPH06204282A (ja) ハーメチックシール集積回路
JP2010518627A (ja) 回路素子用の保護膜及び該保護膜の作製方法
KR20000011717A (ko) 반도체장치의제조방법
KR20030023571A (ko) 반도체 칩 표면의 플라즈마 처리에 의한 접착 성능 개선방법
EP1722616A2 (en) Technique for defining a wettable solder joint area for an electronic assembly substrate
CN100521178C (zh) 具有利用底层填充材料安装的电子元件的电路板及其制造方法
US9093437B2 (en) Packaged vertical power device comprising compressive stress and method of making a packaged vertical power device
US20140151866A1 (en) Packaged Semiconductor Device with Tensile Stress and Method of Making a Packaged Semiconductor Device with Tensile Stress
JPH07161813A (ja) 半導体装置の製造方法
US7459342B2 (en) Manufacturing method of semiconductor device
JP7047893B2 (ja) 高周波モジュール
JPH1131759A (ja) 吸湿保護膜を有する実装回路基板及び実装回路基板の吸湿保護膜形成方法
US7843055B2 (en) Semiconductor device having an adhesion promoting layer and method for producing it
JP2930186B2 (ja) 半導体装置の実装方法および半導体装置の実装体
JP2004179573A (ja) 素子内蔵基板及びその製造方法
JP2001035869A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH1126335A (ja) 半導体装置
JP2010212698A (ja) 接続構造体及びその製造方法
JP5120004B2 (ja) 基板の表面処理方法および半導体パッケージの製造方法
JP2001068576A (ja) 気密封止型半導体装置
JPH0794639A (ja) 半導体装置及び製造方法
JPH02208033A (ja) 回路基板用セラミックス板