JP2004179573A - 素子内蔵基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁層から中空部内への水分の侵入を防ぐ素子内蔵基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】絶縁層5〜9と配線層10〜15とが積層された配線基板2内の中空部20に素子25が実装されており、中空部20に露出する絶縁層の表面、及び中空部20内面における絶縁層と配線層との境界を覆うようにして中空部20内面に疎水性材料の膜30が形成されている。更に、中空部20の上面(素子25の実装面に対向する面)は金属膜31で覆われている。
【選択図】 図4
【解決手段】絶縁層5〜9と配線層10〜15とが積層された配線基板2内の中空部20に素子25が実装されており、中空部20に露出する絶縁層の表面、及び中空部20内面における絶縁層と配線層との境界を覆うようにして中空部20内面に疎水性材料の膜30が形成されている。更に、中空部20の上面(素子25の実装面に対向する面)は金属膜31で覆われている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板内の中空部に素子が実装された素子内蔵基板及びその製造方法に関し、更に詳しくは、中空部内面に疎水性材料の膜を形成した素子内蔵基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾性表面波(SAW;Surface Acoustic Wave )素子などのように、機能面を直接封止材で覆うことができず、機能面側を中空にしなければならないような素子については、溶接封止やセラミックパッケージを用いて気密封止し、それを1つの部品として配線基板に表面実装していた。
【0003】
その場合の実装は配線基板の最外層表面だけに限られ、しかも素子がパッケージングされているため、本来の素子のサイズ(ベアチップのサイズ)よりも大きい実装面積が必要となる。しかし、最外層表面上の部品実装面積には限りがあり、近年の配線基板全体の小型化、高密度化実装への要求を満足できなくなってきている。
【0004】
そこで、より多くの部品の実装を可能とし、同時に配線基板の小型化を実現するものとして、配線基板の内部に中空部を形成して、その中空部に、パッケージングしていない素子(ベアチップ)を実装することが、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−112399号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、配線基板の絶縁層材料としてよく用いられる有機樹脂材料は吸湿性を有しており、特に、現在配線基板の絶縁層として広く用いられている、ガラス繊維に樹脂を含浸させたものでは、樹脂がガラス繊維の細部にまで含浸していないと空隙が生じ、この空隙に水分を吸湿しやすくなる。
更に有機樹脂材料は水分を透過しやすいため、特に高温高湿の環境で使用されると、絶縁層から中空部に水分が侵入し、素子の機能面に形成された配線などを腐食させるおそれがある。
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、その目的とするところは、中空部内への水分の侵入を防ぐ素子内蔵基板及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の素子内蔵基板は、少なくとも、素子が実装される中空部に露出する絶縁層の表面に疎水性材料の膜が形成されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の素子内蔵基板の製造方法は、絶縁層と配線層とを積層して配線基板を形成する工程と、配線基板内に中空部を形成する工程と、中空部の内面に疎水性材料の膜を形成する工程と、中空部に素子を実装する工程と、素子の実装された中空部を密閉する工程とを有することを特徴としている。
【0010】
中空部内面に形成された疎水性材料の膜によって、絶縁層から中空部内への水分の透過が遮断される。これにより、中空部内に実装された素子の高い信頼性を維持することができる。
【0011】
疎水性材料としては、例えば、SiN、SiC、DLC(diamond like carbon)、BN、AlN、TiN、SiONなどが挙げられる。この中でも、特に、緻密な膜を形成できるSiNは水分の透過阻止に優れている。
【0012】
疎水性材料の膜は、少なくとも中空部内に露出する絶縁層表面が覆われればよい。中空部内における素子の実装面には素子が接合される配線層が形成されているため、素子と配線層との電気的接続を可能とするため、素子の接合部には疎水性材料の膜が形成されないようにする。
【0013】
また、中空部内面において、絶縁層と配線層との間には微小な隙間を有し、その隙間も水分の侵入経路になる場合があるので、この隙間を覆うように疎水性材料の膜を形成することが望ましい。
【0014】
なお、金属膜にも疎水性があるので、中空部内においてベタ状に中空部内面を金属膜で被覆しても配線層間の短絡を起こす問題がない部分(例えば、素子の実装面と対向する面)に、金属膜を形成すれば、水分の侵入阻止に加えて、電磁波のシールド効果を持たせることができる。
【0015】
また、絶縁層から中空部に侵入する水分を阻止できても、密閉後の中空部内に水分が含まれているとこれが素子の機能面に影響するおそれがあるので、中空部内を不活性ガスで充填した状態で中空部が配線基板の外部から密閉されるようにするのが好ましい。具体的には、中空部の密閉工程を、不活性ガス雰囲気中で行うことで実現できる。
【0016】
また、疎水性材料の膜の形成方法としては、配線基板に熱負荷を与えないスパッタリング法が好ましい。配線基板に熱負荷が生じると、疎水性材料に亀裂が生じ、その亀裂からの水分の侵入を許すおそれがある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図4は、第1の実施の形態による素子内蔵基板1の要部断面図を示す。素子内蔵基板1は、複数の絶縁層5〜9と、複数の配線層10〜15とが交互に積層された配線基板2内に、素子25がベアチップの状態で実装されて構成される。
【0019】
素子25は例えば弾性表面波素子(SAW素子)であり、配線基板2内に形成された中空部20に、その機能面を下に向けたフェイスダウン方式で実装されている。素子25は複数の導電性バンプ(例えば、はんだバンプ、金スタッドバンプ等)25aを介して、絶縁層5の上面に形成され中空部20内に露出する配線層11に電気的に接続されている。素子25と実装面との間に介在される導電性バンプ25aによって、素子25の機能面と実装面との間の間隙が確保されている。
【0020】
中空部20の上側内面を除く部分には疎水性材料の膜30が形成されている。中空部20の側内面は全面が疎水性材料の膜30で覆われている。中空部20の下側内面は素子25の実装面であるため、導電性バンプ25aが接合される部分を避けて疎水性材料の膜30が形成されている。したがって、中空部20の下側内面に形成された疎水性材料の膜30は部分的に開口が形成された形状となっている。中空部20の上側内面は全面が金属膜(絶縁層8の下面に形成されたベタ状の配線層)31で覆われている。
【0021】
この結果、中空部20の全ての内面は疎水性材料の膜30及び配線層31、11で覆われ、中空部20の内面には絶縁層が露出していない。水分を吸湿し且つ透過しやすい樹脂材料で構成されることの多い絶縁層が中空部20と通じていないということは、絶縁層から中空部20内への水分の侵入を防いで、素子25の機能面を水分から保護することができ、機能面に形成されたすだれ状電極などの腐食を防止することができる。
【0022】
更に、以上のことにより、絶縁層の吸湿性や水分透過性を考慮しなくて済む材料選択が行え、絶縁層として用いる材料の選択自由度が高くなる。
【0023】
また、中空部20の上側内面はベタ状の金属膜31で覆われているので、外部から中空部20内に入ってくる電磁ノイズを抑制することができる。あるいは、素子25から輻射される電磁ノイズが中空部20外へ出て他の素子などに悪影響を与えることを抑制できる。
また、金属材料でなる膜は一般に疎水性に優れているので、金属膜31によって、中空部20の上面側にある絶縁層8からの中空部20内への水分の侵入も阻止できる。
【0024】
また、絶縁層と配線層との間(境界)に形成される微小な隙間も水分の侵入経路になる場合があるが、本実施の形態では、その隙間も疎水性材料の膜30で覆われている。具体的には、実装面に形成された配線層11とその下の絶縁層5との段差部16を覆うようにして疎水性材料の膜30が形成されている。素子25の機能面の直下に位置する絶縁層5からの水分の侵入はわずかであっても機能面に与える影響は大きいので、絶縁層5と配線層11との間の隙間を疎水性材料の膜30で被覆することは非常に有効である。
【0025】
その他に、中空部20の側内面に存在する絶縁層6、7と配線層12との境界も疎水性材料の膜30が覆っている。更に、中空部20の側内面と実装面とで形成される角部に関しても、疎水性材料の膜30が、側内面から実装面に折れ曲がるようにしてその角部を覆っている。
【0026】
次に、図1〜図3を参照して、上記素子内蔵基板1の製造方法について説明する。
【0027】
(図1Aの工程)
先ず、例えばエポキシ樹脂などでなる基板(絶縁層)5の両面に、サブトラクティブ法あるいはアディティブ法などにより、所望の回路パターンにパターニングされた配線層10、11を形成して配線基板3を作製する。これと同様に、絶縁層6の両面に配線層12、13を有する配線基板4を作製する。そして、これら配線基板3、4を例えばプリプレグなどの接着性樹脂でなる接着層7を用いて互いに積層する。
【0028】
次いで、配線基板4及び接着層7を部分的に除去して凹所21を形成する。例えば、ドリルなどの研削工具を用いた機械的加工や、レーザ加工、エッチングなどの加工法により凹所21は形成される。この凹所21は後工程で実装される素子25を収容可能な大きさである。
【0029】
あるいは、予め凹所21の形成された接着層7及び配線基板4を、順に配線基板3の上に積層するようにしてもよい。
【0030】
また、各配線基板3、4及び接着層7の積層後(あるいは積層前であってもよい)、各配線層10、11、12、13間を接続するためのスルーホールが形成され、そのスルーホールにスルーホールめっき17が施される。更に、スルーホール内に、導電性あるいは絶縁性の充填材18が充填される。スルーホールの形成は、ドリル、レーザ、エッチングなどによって行われる。
【0031】
(図1Bの工程)
次いで、配線基板4及び凹所21の全面に、例えばスピンコータ法でレジスト膜を塗布した後、そのレジスト膜に露光及び現像を施し、所望のパターンにパターニングされたレジストパターン22を形成する。
【0032】
(図2Aの工程)
次いで、レジストパターン22をマスクとして、配線基板4及び凹所21の全面に疎水性材料の膜30を形成する。疎水性材料の膜30は、例えばSiN膜である。
【0033】
具体的には、Siをターゲットにして、窒素ガスの比率が10%〜50%(残りはアルゴンガス)の雰囲気中でスパッタリングを行うことによって、SiとNの比率を制御して、SiN膜の中でも最も疎水性に優れているSi3N4膜の屈折率(およそ2)を有する膜、あるいは屈折率2に近いSiN膜を形成する。すなわち、疎水性材料の膜30として、Si3N4膜、あるいはSi3N4膜の組成比に近いSiN膜が形成される。膜厚は、例えば0.5μm〜1μmほどである。
【0034】
Si3N4膜は、その構造が緻密なため水分を透過しにくい。更に、Si3N4の熱膨張率は常温〜1000℃までの平均で例えばアルミナの約1/3であるため、急加熱や急冷しても割れにくいという特長がある。
【0035】
(図2Bの工程)
次いで、レジストパターン22を剥離する。これは、レジストパターン22のみを溶解させる溶液を用いた。
【0036】
以上のようにして、凹所21内面の所望の箇所に疎水性材料の膜30が形成されるが、上記とは逆に、先ず凹所21内面の全面に疎水性材料の膜30を形成しておいて、その疎水性材料の膜30を残したい部分にエッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストをマスクとして不要な疎水性材料の膜30をエッチングにて除去するようにしてもよい。このエッチングの後、エッチングレジストは除去されて、所望の場所に疎水性材料の膜30が残る。
【0037】
疎水性材料の膜30の形成が完了すると、素子25を、その機能面を下にしたフェイスダウン方式で配線基板3上の実装面に実装する。素子25の機能面側には、複数の導電性バンプ25aが形成されており、それら導電性バンプ25aを、配線層11における疎水性材料の膜30で覆われていない部分に接合させる。したがって、配線層11上への素子25の実装(導電性バンプ25aと配線層11との接合)を可能にするため、凹所21における実装面上では、疎水性材料の膜30は選択的に開口されている。
【0038】
(図3の工程)
次いで、配線基板4に、配線基板19を積層して凹所21を密閉する。これにより、外部と気密及び液密に遮断された中空部20が形成される。なお、配線基板19は、例えばエポキシ樹脂などでなる2層の絶縁層8、9と所望の回路パターンにパターニングされた2層の配線層14、15が積層されてなる。また、中空部20の上側内面となるべき絶縁層8の下面には、ベタ状の金属膜(例えば銅箔)31が形成されている。金属膜31は配線基板2におけるグランド層として機能させるようにしてもよい。
【0039】
配線層14、15間はスルーホールめっき17により接続されている。スルーホール内には、導電性あるいは絶縁性の充填材18が充填されている。また、配線層13〜15間もスルーホールめっき17により接続され、スルーホール内には導電性あるいは絶縁性の充填材18が充填される。
【0040】
上記中空部20の密閉工程は、乾燥した窒素ガス雰囲気中で行われる。したがって、中空部20内は窒素ガスで充填されることになる。
【0041】
(図4の工程)
最後に、配線基板19、3の表面に露出する配線層15、10を保護するために絶縁性保護膜35a、35bが形成される。配線基板19、3の表面には、この後、他の素子を表面実装してもよく、絶縁性保護膜35a、35bは、その際のソルダレジストとしても機能する。
【0042】
以上の素子内蔵基板1の製造方法においては、疎水性材料の膜30をスパッタリング法で形成する(図2Aの工程)ので、配線基板3、4及び接着層7の加熱の必要がない。したがって、絶縁層5〜7の熱変形及びこれを起因として疎水性材料の膜30にクラック(亀裂)が生じることを防げる。
【0043】
更に、中空部20内は窒素ガスに置換されるので、疎水性材料の膜30によって中空部20内に侵入する水分を遮断することができることと合わせて、中空部20内を完全に水分の含まない雰囲気下にすることができ、素子25の高い信頼性を保持できる。なお、その他不活性ガスとして、アルゴンガスやヘリウムガスなどを中空部20内へ充填してもよい。
【0044】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0045】
図6に、第2の実施の形態による素子内蔵基板50の要部断面図を示す。本実施の形態の素子内蔵基板50では、中空部20の側内面及び上側内面にそれぞれベタ状の金属膜(例えば銅箔)52、51が形成されている点で上記第1の実施の形態と異なる。その他、構成及び得られる効果は第1の実施の形態と同様である。
【0046】
すなわち、本実施の形態のように、中空部20の側内面に配線層が露出しない構成であれば、その側内面を金属膜52で被覆しても上下の配線層間を短絡させることがないので、中空部20の上側上面に加えて側内面にも金属膜52を形成している。実装面においては、導電性バンプ25aの接合部を除いて、疎水性材料の膜(例えば上記第1の実施の形態と同様SiN膜)53が形成されている。
【0047】
中空部20内で素子25は、実装面を除く3面方向からベタ状の金属膜51、52で囲まれる構成となるので、非常に優れた電磁ノイズのシールド効果が得られる。もちろん、金属膜51、52は疎水性にも優れているので、絶縁層側からの中空部20内への水分の侵入も阻止する。
【0048】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0049】
図5は、第3の実施の形態による素子内蔵基板40の要部断面図を示す。本実施の形態の素子内蔵基板40では、中空部20の上側内面に疎水性材料の膜41が形成されている点で上記第1の実施の形態と異なる。その他、構成及び得られる効果は第1の実施の形態と同様である。
【0050】
疎水性材料の膜41は、上記疎水性材料の膜30と同様に、例えばスパッタリング法にて絶縁層8の下面に形成されるSiN膜である。このように、中空部20内面の全て(素子25の接合部を除く)を疎水性材料の膜で被覆してもよい。
【0051】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0052】
図7に、第4の実施の形態による素子内蔵基板60の要部断面図を示す。本実施の形態の素子内蔵基板60では、素子25の機能面側の空間と、この機能面側の空間以外の中空部20内の空間とを気密に隔てる封止材61が素子25の側面周辺に形成されている点で上記第1の実施の形態と異なる。その他、構成及び得られる効果は第1の実施の形態と同様である。
【0053】
これにより、素子25の機能面の密閉性をより高いものとすることができると共に、導電性バンプ25aの保護も図れる。
あるいは、中空部20において、素子25の機能面側の空間以外の部分全てに封止材を充填させた構成としてもよい。
【0054】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0055】
上記疎水性材料の膜30、41の形成方法としては、スパッタリング法に限ることなく、例えばECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によっても、配線基板への加熱を必要としない常温にて緻密な膜形成を行うことができる。
【0056】
機能面側を中空にされて実装されるべき素子としては弾性表面波素子に限ることはなく、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子や水晶、更には、歪みや応力によって磁性薄膜の磁化方向を変えるようにした磁気機能素子などが挙げられる。
【0057】
素子25はフェイスダウンによる実装形態に限らず、ワイヤボンディング実装であってもよい。
【0058】
中空部20の形成方法としては、凹所を有しない平坦な配線基板上に素子を実装した後、その素子を収容可能な凹所が形成された配線基板を被せてもよい。もちろん、互いに凹所が形成された配線基板どうしを合わせてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、素子が実装される中空部に露出する絶縁層の表面を覆うように疎水性材料の膜が形成されるので、絶縁層から中空部内への水分の侵入を防ぐことができる。これにより、密閉性の要求される素子であってもその信頼性を損なわずに配線基板内に内蔵可能となり、素子内蔵基板全体の小型化及び高密度実装化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1の実施の形態による素子内蔵基板の製造工程を示す断面図である。
【図2】図1に続く製造工程を示す断面図である。
【図3】図2に続く製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の、第1の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【図5】本発明の、第3の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【図6】本発明の、第2の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【図7】本発明の、第4の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【符号の説明】
1…素子内蔵基板、2…配線基板、5〜9…絶縁層、10〜15…配線層、17…スルーホールめっき、18…充填材、20…中空部、21…凹所、22…レジストパターン、25…素子、30…疎水性材料の膜、31…金属膜、40…素子内蔵基板、41…疎水性材料の膜、50…素子内蔵基板、51,52…金属膜、53…疎水性材料の膜、60…素子内蔵基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板内の中空部に素子が実装された素子内蔵基板及びその製造方法に関し、更に詳しくは、中空部内面に疎水性材料の膜を形成した素子内蔵基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾性表面波(SAW;Surface Acoustic Wave )素子などのように、機能面を直接封止材で覆うことができず、機能面側を中空にしなければならないような素子については、溶接封止やセラミックパッケージを用いて気密封止し、それを1つの部品として配線基板に表面実装していた。
【0003】
その場合の実装は配線基板の最外層表面だけに限られ、しかも素子がパッケージングされているため、本来の素子のサイズ(ベアチップのサイズ)よりも大きい実装面積が必要となる。しかし、最外層表面上の部品実装面積には限りがあり、近年の配線基板全体の小型化、高密度化実装への要求を満足できなくなってきている。
【0004】
そこで、より多くの部品の実装を可能とし、同時に配線基板の小型化を実現するものとして、配線基板の内部に中空部を形成して、その中空部に、パッケージングしていない素子(ベアチップ)を実装することが、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−112399号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、配線基板の絶縁層材料としてよく用いられる有機樹脂材料は吸湿性を有しており、特に、現在配線基板の絶縁層として広く用いられている、ガラス繊維に樹脂を含浸させたものでは、樹脂がガラス繊維の細部にまで含浸していないと空隙が生じ、この空隙に水分を吸湿しやすくなる。
更に有機樹脂材料は水分を透過しやすいため、特に高温高湿の環境で使用されると、絶縁層から中空部に水分が侵入し、素子の機能面に形成された配線などを腐食させるおそれがある。
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、その目的とするところは、中空部内への水分の侵入を防ぐ素子内蔵基板及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の素子内蔵基板は、少なくとも、素子が実装される中空部に露出する絶縁層の表面に疎水性材料の膜が形成されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の素子内蔵基板の製造方法は、絶縁層と配線層とを積層して配線基板を形成する工程と、配線基板内に中空部を形成する工程と、中空部の内面に疎水性材料の膜を形成する工程と、中空部に素子を実装する工程と、素子の実装された中空部を密閉する工程とを有することを特徴としている。
【0010】
中空部内面に形成された疎水性材料の膜によって、絶縁層から中空部内への水分の透過が遮断される。これにより、中空部内に実装された素子の高い信頼性を維持することができる。
【0011】
疎水性材料としては、例えば、SiN、SiC、DLC(diamond like carbon)、BN、AlN、TiN、SiONなどが挙げられる。この中でも、特に、緻密な膜を形成できるSiNは水分の透過阻止に優れている。
【0012】
疎水性材料の膜は、少なくとも中空部内に露出する絶縁層表面が覆われればよい。中空部内における素子の実装面には素子が接合される配線層が形成されているため、素子と配線層との電気的接続を可能とするため、素子の接合部には疎水性材料の膜が形成されないようにする。
【0013】
また、中空部内面において、絶縁層と配線層との間には微小な隙間を有し、その隙間も水分の侵入経路になる場合があるので、この隙間を覆うように疎水性材料の膜を形成することが望ましい。
【0014】
なお、金属膜にも疎水性があるので、中空部内においてベタ状に中空部内面を金属膜で被覆しても配線層間の短絡を起こす問題がない部分(例えば、素子の実装面と対向する面)に、金属膜を形成すれば、水分の侵入阻止に加えて、電磁波のシールド効果を持たせることができる。
【0015】
また、絶縁層から中空部に侵入する水分を阻止できても、密閉後の中空部内に水分が含まれているとこれが素子の機能面に影響するおそれがあるので、中空部内を不活性ガスで充填した状態で中空部が配線基板の外部から密閉されるようにするのが好ましい。具体的には、中空部の密閉工程を、不活性ガス雰囲気中で行うことで実現できる。
【0016】
また、疎水性材料の膜の形成方法としては、配線基板に熱負荷を与えないスパッタリング法が好ましい。配線基板に熱負荷が生じると、疎水性材料に亀裂が生じ、その亀裂からの水分の侵入を許すおそれがある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図4は、第1の実施の形態による素子内蔵基板1の要部断面図を示す。素子内蔵基板1は、複数の絶縁層5〜9と、複数の配線層10〜15とが交互に積層された配線基板2内に、素子25がベアチップの状態で実装されて構成される。
【0019】
素子25は例えば弾性表面波素子(SAW素子)であり、配線基板2内に形成された中空部20に、その機能面を下に向けたフェイスダウン方式で実装されている。素子25は複数の導電性バンプ(例えば、はんだバンプ、金スタッドバンプ等)25aを介して、絶縁層5の上面に形成され中空部20内に露出する配線層11に電気的に接続されている。素子25と実装面との間に介在される導電性バンプ25aによって、素子25の機能面と実装面との間の間隙が確保されている。
【0020】
中空部20の上側内面を除く部分には疎水性材料の膜30が形成されている。中空部20の側内面は全面が疎水性材料の膜30で覆われている。中空部20の下側内面は素子25の実装面であるため、導電性バンプ25aが接合される部分を避けて疎水性材料の膜30が形成されている。したがって、中空部20の下側内面に形成された疎水性材料の膜30は部分的に開口が形成された形状となっている。中空部20の上側内面は全面が金属膜(絶縁層8の下面に形成されたベタ状の配線層)31で覆われている。
【0021】
この結果、中空部20の全ての内面は疎水性材料の膜30及び配線層31、11で覆われ、中空部20の内面には絶縁層が露出していない。水分を吸湿し且つ透過しやすい樹脂材料で構成されることの多い絶縁層が中空部20と通じていないということは、絶縁層から中空部20内への水分の侵入を防いで、素子25の機能面を水分から保護することができ、機能面に形成されたすだれ状電極などの腐食を防止することができる。
【0022】
更に、以上のことにより、絶縁層の吸湿性や水分透過性を考慮しなくて済む材料選択が行え、絶縁層として用いる材料の選択自由度が高くなる。
【0023】
また、中空部20の上側内面はベタ状の金属膜31で覆われているので、外部から中空部20内に入ってくる電磁ノイズを抑制することができる。あるいは、素子25から輻射される電磁ノイズが中空部20外へ出て他の素子などに悪影響を与えることを抑制できる。
また、金属材料でなる膜は一般に疎水性に優れているので、金属膜31によって、中空部20の上面側にある絶縁層8からの中空部20内への水分の侵入も阻止できる。
【0024】
また、絶縁層と配線層との間(境界)に形成される微小な隙間も水分の侵入経路になる場合があるが、本実施の形態では、その隙間も疎水性材料の膜30で覆われている。具体的には、実装面に形成された配線層11とその下の絶縁層5との段差部16を覆うようにして疎水性材料の膜30が形成されている。素子25の機能面の直下に位置する絶縁層5からの水分の侵入はわずかであっても機能面に与える影響は大きいので、絶縁層5と配線層11との間の隙間を疎水性材料の膜30で被覆することは非常に有効である。
【0025】
その他に、中空部20の側内面に存在する絶縁層6、7と配線層12との境界も疎水性材料の膜30が覆っている。更に、中空部20の側内面と実装面とで形成される角部に関しても、疎水性材料の膜30が、側内面から実装面に折れ曲がるようにしてその角部を覆っている。
【0026】
次に、図1〜図3を参照して、上記素子内蔵基板1の製造方法について説明する。
【0027】
(図1Aの工程)
先ず、例えばエポキシ樹脂などでなる基板(絶縁層)5の両面に、サブトラクティブ法あるいはアディティブ法などにより、所望の回路パターンにパターニングされた配線層10、11を形成して配線基板3を作製する。これと同様に、絶縁層6の両面に配線層12、13を有する配線基板4を作製する。そして、これら配線基板3、4を例えばプリプレグなどの接着性樹脂でなる接着層7を用いて互いに積層する。
【0028】
次いで、配線基板4及び接着層7を部分的に除去して凹所21を形成する。例えば、ドリルなどの研削工具を用いた機械的加工や、レーザ加工、エッチングなどの加工法により凹所21は形成される。この凹所21は後工程で実装される素子25を収容可能な大きさである。
【0029】
あるいは、予め凹所21の形成された接着層7及び配線基板4を、順に配線基板3の上に積層するようにしてもよい。
【0030】
また、各配線基板3、4及び接着層7の積層後(あるいは積層前であってもよい)、各配線層10、11、12、13間を接続するためのスルーホールが形成され、そのスルーホールにスルーホールめっき17が施される。更に、スルーホール内に、導電性あるいは絶縁性の充填材18が充填される。スルーホールの形成は、ドリル、レーザ、エッチングなどによって行われる。
【0031】
(図1Bの工程)
次いで、配線基板4及び凹所21の全面に、例えばスピンコータ法でレジスト膜を塗布した後、そのレジスト膜に露光及び現像を施し、所望のパターンにパターニングされたレジストパターン22を形成する。
【0032】
(図2Aの工程)
次いで、レジストパターン22をマスクとして、配線基板4及び凹所21の全面に疎水性材料の膜30を形成する。疎水性材料の膜30は、例えばSiN膜である。
【0033】
具体的には、Siをターゲットにして、窒素ガスの比率が10%〜50%(残りはアルゴンガス)の雰囲気中でスパッタリングを行うことによって、SiとNの比率を制御して、SiN膜の中でも最も疎水性に優れているSi3N4膜の屈折率(およそ2)を有する膜、あるいは屈折率2に近いSiN膜を形成する。すなわち、疎水性材料の膜30として、Si3N4膜、あるいはSi3N4膜の組成比に近いSiN膜が形成される。膜厚は、例えば0.5μm〜1μmほどである。
【0034】
Si3N4膜は、その構造が緻密なため水分を透過しにくい。更に、Si3N4の熱膨張率は常温〜1000℃までの平均で例えばアルミナの約1/3であるため、急加熱や急冷しても割れにくいという特長がある。
【0035】
(図2Bの工程)
次いで、レジストパターン22を剥離する。これは、レジストパターン22のみを溶解させる溶液を用いた。
【0036】
以上のようにして、凹所21内面の所望の箇所に疎水性材料の膜30が形成されるが、上記とは逆に、先ず凹所21内面の全面に疎水性材料の膜30を形成しておいて、その疎水性材料の膜30を残したい部分にエッチングレジストを形成した後、そのエッチングレジストをマスクとして不要な疎水性材料の膜30をエッチングにて除去するようにしてもよい。このエッチングの後、エッチングレジストは除去されて、所望の場所に疎水性材料の膜30が残る。
【0037】
疎水性材料の膜30の形成が完了すると、素子25を、その機能面を下にしたフェイスダウン方式で配線基板3上の実装面に実装する。素子25の機能面側には、複数の導電性バンプ25aが形成されており、それら導電性バンプ25aを、配線層11における疎水性材料の膜30で覆われていない部分に接合させる。したがって、配線層11上への素子25の実装(導電性バンプ25aと配線層11との接合)を可能にするため、凹所21における実装面上では、疎水性材料の膜30は選択的に開口されている。
【0038】
(図3の工程)
次いで、配線基板4に、配線基板19を積層して凹所21を密閉する。これにより、外部と気密及び液密に遮断された中空部20が形成される。なお、配線基板19は、例えばエポキシ樹脂などでなる2層の絶縁層8、9と所望の回路パターンにパターニングされた2層の配線層14、15が積層されてなる。また、中空部20の上側内面となるべき絶縁層8の下面には、ベタ状の金属膜(例えば銅箔)31が形成されている。金属膜31は配線基板2におけるグランド層として機能させるようにしてもよい。
【0039】
配線層14、15間はスルーホールめっき17により接続されている。スルーホール内には、導電性あるいは絶縁性の充填材18が充填されている。また、配線層13〜15間もスルーホールめっき17により接続され、スルーホール内には導電性あるいは絶縁性の充填材18が充填される。
【0040】
上記中空部20の密閉工程は、乾燥した窒素ガス雰囲気中で行われる。したがって、中空部20内は窒素ガスで充填されることになる。
【0041】
(図4の工程)
最後に、配線基板19、3の表面に露出する配線層15、10を保護するために絶縁性保護膜35a、35bが形成される。配線基板19、3の表面には、この後、他の素子を表面実装してもよく、絶縁性保護膜35a、35bは、その際のソルダレジストとしても機能する。
【0042】
以上の素子内蔵基板1の製造方法においては、疎水性材料の膜30をスパッタリング法で形成する(図2Aの工程)ので、配線基板3、4及び接着層7の加熱の必要がない。したがって、絶縁層5〜7の熱変形及びこれを起因として疎水性材料の膜30にクラック(亀裂)が生じることを防げる。
【0043】
更に、中空部20内は窒素ガスに置換されるので、疎水性材料の膜30によって中空部20内に侵入する水分を遮断することができることと合わせて、中空部20内を完全に水分の含まない雰囲気下にすることができ、素子25の高い信頼性を保持できる。なお、その他不活性ガスとして、アルゴンガスやヘリウムガスなどを中空部20内へ充填してもよい。
【0044】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0045】
図6に、第2の実施の形態による素子内蔵基板50の要部断面図を示す。本実施の形態の素子内蔵基板50では、中空部20の側内面及び上側内面にそれぞれベタ状の金属膜(例えば銅箔)52、51が形成されている点で上記第1の実施の形態と異なる。その他、構成及び得られる効果は第1の実施の形態と同様である。
【0046】
すなわち、本実施の形態のように、中空部20の側内面に配線層が露出しない構成であれば、その側内面を金属膜52で被覆しても上下の配線層間を短絡させることがないので、中空部20の上側上面に加えて側内面にも金属膜52を形成している。実装面においては、導電性バンプ25aの接合部を除いて、疎水性材料の膜(例えば上記第1の実施の形態と同様SiN膜)53が形成されている。
【0047】
中空部20内で素子25は、実装面を除く3面方向からベタ状の金属膜51、52で囲まれる構成となるので、非常に優れた電磁ノイズのシールド効果が得られる。もちろん、金属膜51、52は疎水性にも優れているので、絶縁層側からの中空部20内への水分の侵入も阻止する。
【0048】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0049】
図5は、第3の実施の形態による素子内蔵基板40の要部断面図を示す。本実施の形態の素子内蔵基板40では、中空部20の上側内面に疎水性材料の膜41が形成されている点で上記第1の実施の形態と異なる。その他、構成及び得られる効果は第1の実施の形態と同様である。
【0050】
疎水性材料の膜41は、上記疎水性材料の膜30と同様に、例えばスパッタリング法にて絶縁層8の下面に形成されるSiN膜である。このように、中空部20内面の全て(素子25の接合部を除く)を疎水性材料の膜で被覆してもよい。
【0051】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0052】
図7に、第4の実施の形態による素子内蔵基板60の要部断面図を示す。本実施の形態の素子内蔵基板60では、素子25の機能面側の空間と、この機能面側の空間以外の中空部20内の空間とを気密に隔てる封止材61が素子25の側面周辺に形成されている点で上記第1の実施の形態と異なる。その他、構成及び得られる効果は第1の実施の形態と同様である。
【0053】
これにより、素子25の機能面の密閉性をより高いものとすることができると共に、導電性バンプ25aの保護も図れる。
あるいは、中空部20において、素子25の機能面側の空間以外の部分全てに封止材を充填させた構成としてもよい。
【0054】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0055】
上記疎水性材料の膜30、41の形成方法としては、スパッタリング法に限ることなく、例えばECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によっても、配線基板への加熱を必要としない常温にて緻密な膜形成を行うことができる。
【0056】
機能面側を中空にされて実装されるべき素子としては弾性表面波素子に限ることはなく、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子や水晶、更には、歪みや応力によって磁性薄膜の磁化方向を変えるようにした磁気機能素子などが挙げられる。
【0057】
素子25はフェイスダウンによる実装形態に限らず、ワイヤボンディング実装であってもよい。
【0058】
中空部20の形成方法としては、凹所を有しない平坦な配線基板上に素子を実装した後、その素子を収容可能な凹所が形成された配線基板を被せてもよい。もちろん、互いに凹所が形成された配線基板どうしを合わせてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、素子が実装される中空部に露出する絶縁層の表面を覆うように疎水性材料の膜が形成されるので、絶縁層から中空部内への水分の侵入を防ぐことができる。これにより、密閉性の要求される素子であってもその信頼性を損なわずに配線基板内に内蔵可能となり、素子内蔵基板全体の小型化及び高密度実装化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1の実施の形態による素子内蔵基板の製造工程を示す断面図である。
【図2】図1に続く製造工程を示す断面図である。
【図3】図2に続く製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の、第1の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【図5】本発明の、第3の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【図6】本発明の、第2の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【図7】本発明の、第4の実施の形態による素子内蔵基板の要部断面図である。
【符号の説明】
1…素子内蔵基板、2…配線基板、5〜9…絶縁層、10〜15…配線層、17…スルーホールめっき、18…充填材、20…中空部、21…凹所、22…レジストパターン、25…素子、30…疎水性材料の膜、31…金属膜、40…素子内蔵基板、41…疎水性材料の膜、50…素子内蔵基板、51,52…金属膜、53…疎水性材料の膜、60…素子内蔵基板。
Claims (7)
- 絶縁層と配線層とが積層された配線基板内の中空部に素子が実装された素子内蔵基板であって、
少なくとも、前記中空部に露出する前記絶縁層の表面に疎水性材料の膜が形成されている
ことを特徴とする素子内蔵基板。 - 前記疎水性材料の膜は、前記中空部の内面における前記絶縁層と前記配線層との境界を覆っている
ことを特徴とする請求項1に記載の素子実装基板。 - 前記疎水性材料は窒化シリコンである
ことを特徴とする請求項1に記載の素子内蔵基板。 - 前記中空部内に不活性ガスが充填されている
ことを特徴とする請求項1に記載の素子実装基板。 - 絶縁層と配線層とを積層して配線基板を形成する工程と、
前記配線基板内に中空部を形成する工程と、
前記中空部の内面に疎水性材料の膜を形成する工程と、
前記中空部に素子を実装する工程と、
前記素子の実装された前記中空部を密閉する工程とを有する
ことを特徴とする素子内蔵基板の製造方法。 - 前記素子の実装された前記中空部を密閉する工程を不活性ガス雰囲気中で行う
ことを特徴とする請求項5に記載の素子内蔵基板の製造方法。 - 前記疎水性材料の膜をスパッタリング法で形成する
ことを特徴とする請求項5に記載の素子内蔵基板の製造方法。
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