JPH11317310A - ノイズフィルタ - Google Patents

ノイズフィルタ

Info

Publication number
JPH11317310A
JPH11317310A JP13740898A JP13740898A JPH11317310A JP H11317310 A JPH11317310 A JP H11317310A JP 13740898 A JP13740898 A JP 13740898A JP 13740898 A JP13740898 A JP 13740898A JP H11317310 A JPH11317310 A JP H11317310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic body
case
noise filter
divided
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13740898A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ninomiya
光司 二宮
Naohiro Kanazawa
直弘 金澤
Masuo Kato
益生 加藤
Kazuo Tokari
和夫 戸苅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FDK Corp filed Critical FDK Corp
Priority to JP13740898A priority Critical patent/JPH11317310A/ja
Publication of JPH11317310A publication Critical patent/JPH11317310A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ除去能力が良好で、歩留まりが良好と
なるノイズフィルタを提供すること 【解決手段】 一面が開放されたケース部11,ケース
部12の内部に、コアホルダ42を介して、個別に形成
された分割磁性体40を複数配置している。分割磁性体
の接合面には電線溝22が形成されており、係る電線溝
内によって形成される空間に電線30が配置される。分
割磁性体は、従来のノイズフィルタにおける磁性体より
も短いので、たとえ同一角度で接合面が傾斜しても、両
端での厚みの差は小さくなる。よって、対向する分割磁
性体の接合面を密着して接合したとしても、対向する分
割磁性体の電線溝同士によって構成される孔部の径は、
電線を挿入可能な大きさが確保できる。その結果、たと
え傾斜した分割磁性体を用いても、電線の周囲に閉磁路
を確保できるので、係る電線のノイズ除去を良好に行う
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子装置の電線に
使用されるノイズフィルタに関し、より具体的には、電
子装置の電線に後付けで装着されてその電線から発生す
るノイズや他の電子装置で発生して電線に流れ込むノイ
ズを吸収するノイズフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電線に装着されるノイズフィルタ
としては、環状のフェライト等の磁性体に電線を挿入す
ることにより、その電線を流れるノイズ電流を磁性体に
て吸収するようにしたものが知られている。
【0003】係る電線に後付けで装着されるタイプの電
線用ノイズフィルタとしては、電線を通す部分を円柱状
に除いて円管状のフェライトを軸方向に等分に2分割し
てケースの中に収め、そのケースで磁性体ごと電線の一
部を挟み込むように設置されるノイズフィルタが知られ
ている。
【0004】上記した従来のノイズフィルタについて、
図5を用いてさらに詳しく説明する。同図に示すよう
に、一面が開放されたケース部1とケース部2は、内部
にノイズ吸収用のフェライト等の磁性体を収納可能とな
っている。そして、それら両ケース部1,2はヒンジ部
3を介して接続され、これによりケース部1とケース部
2を開いたり閉じたりできるようになっている。
【0005】また、ケース部1,2の長手方向両側面開
放側には、半円弧状の切り欠き部からなる電線取出穴4
が形成されている。この電線取出穴4は、ケース部1と
ケース部2を閉じた時に円形状の開口部となり、電線3
0が挿入可能とするようになる。さらに、この半円弧状
の電線取出穴4の内周面には、突起9が設けられてい
る。これにより、ケース1とケース2により電線が挟み
込まれた場合に、係る突起9が電線30の被覆に他の部
分より強くはまりこんで、電線30の動きやずれを抑制
するようになっている。
【0006】さらに各ケース部1,2の底面(奥面)に
は、バネ部5を設け、後述する磁性体21に電線の中心
軸方向への力を付勢し、磁性体21が面接触するように
している。
【0007】また、ケース部1,2の長手方向両側面の
開放側内面には、取付爪6が設けられており、この取付
爪6によって後述する磁性体21がケース部1とケース
部2に入れられた時に、磁性体21に接触してケース部
1やケース部2から脱落するのを防ぐようになってい
る。
【0008】さらに、ケース部1のヒンジ部3と対向す
る辺には係止爪7が設けられ、この係止爪7と係止する
係止部8がケース部2のヒンジ部3と対向する辺に設け
られている。そして、両ケース部1,2を閉じた状態で
それら係止爪7と係止部8とをはめ合わせることによ
り、ケース部1とケース部2は箱状に固定される。
【0009】一方、磁性体21は、フェライト等の磁性
材料で形成され、全体的な形状としては、筒状体を2分
割した形状からなる。つまり各磁性体21の接合面側中
央には、軸方向に延びるようにして電線溝22が形成さ
れている。そして、この電線溝22は、ノイズフィルタ
として設置された場合に電線30を通すための空孔とな
る部分であり、電線30の直径よりも内径がやや広い管
となるように形成される。
【0010】しかも、磁性体21の接合面は研磨されて
おり、2つの磁性体21を接合する際に、精度良く密着
できるようしている。そして、各磁性体21の接合面が
研磨されていることから、上記バネ部5により中心に向
けて付勢された両磁性体21の接合面は隙間なく密着す
るので、軸周りに閉磁路が構成されるため、ノイズ除去
の特性を良好にしている。
【0011】さらに、図示の例では磁性体21の接合面
の長手方向両端縁には、取付凹部23が設けられてお
り、この取付凹部23に、上記したケース部1,2に設
けられた取付爪6が係合されて磁性体21がケース部1
やケース部2から脱落しないようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のノイズフィルタでは、例えば磁性体21を軸方
向に対して斜めに研磨してしまうと、磁性体21の軸方
向両端の厚さが異なる。一例を示すと、図6(A)に示
すように仮に厚い方の端部の肉厚をHとし、軸方向の長
さをLとする。そして、傾斜角度がαのときに(1/
3)Hだけ薄くなるものとする。この時、傾斜角度が同
一とすると、軸方向の長さLが長いほど薄くなる量が大
きくなり、両端での厚さの差が拡大される。
【0013】すると、同図(B)に示すように、斜めに
研磨した2つの磁性体21を、その接合面同士を面接触
させると、電線溝22によって形成される肉厚の薄い方
の開口径が狭くなり、電線溝22を挿入することができ
なくなってしまう。その結果、接合面同士を接触させる
ことができず、係る領域では、電線の周囲に閉磁路が形
成されないので、ノイズ除去の能力が低下してしまう。
【0014】また、仮にその狭くなった開口径を電線の
径より大きくしようとすると、多端側の開口径はさらに
大きくなり、ノイズフィルタが大型化してしまうばかり
でなく、他端側では、電線の周囲から磁性体21が離れ
てしまうため、ノイズ除去の能力が減少してしまう。
【0015】しかも、厚さの差が拡大されると、同図
(B)に示すように、両磁性体21の接合面を接触させ
た状態では、バネ部5の先端が離れ、係るバネ部5の弾
性力によりしっかりと磁性体21を保持することができ
なくなる。よって、磁性体の接合面が軸方向に対して大
きく傾斜した場合には、ノイズフィルタは不良品として
処分されるので、歩留まりが低下してしまう。
【0016】さらに、磁性体21が係止爪6と取付凹部
23との係止により脱落しないようになっているだけで
あるので、仮にノイズフィルタの取り付け時や取り外し
時に応力がかかり、取付爪6が軸方向外側に移動して取
付凹部23との接触面積が少なくなって保持力が減少す
ることにより磁性体21がケース部1,2から外れてし
まうおそれがある。また、従来のノイズフィルタでは、
電線を固定する部分(突起9)がノイズフィルタの匡体
の電線の取り出し口周辺に集中して行われていたので、
電線の被覆を傷つけやすかった。
【0017】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、ノイズ除去能力が良好で、歩留まりが良好となるノ
イズフィルタを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係るノイズフィルタでは、電子装置に接
続された電源線路または信号線路となる電線の一部の外
周部を囲むようにして配置される一対の半割筒型の磁性
体と、その磁性体をそれぞれ収納する2分割された一対
のケース部とを備えたノイズフィルタであって、前記一
対のケース部は、開閉可能に連結されるとともに、閉塞
した状態を保持する機構を有するとともに、その一対の
ケース部の軸方向両端面の開放側中央に前記電線の挿入
を許容する電線取出穴を設け、前記磁性体は、軸方向に
配置された複数の分割磁性体により構成され、前記分割
磁性体は、接合面側の中央に軸方向に延びる電線溝を有
し、前記ケース部内に配置された前記分割磁性体は、そ
れぞれの電線溝の軸方向が一致するとともに、対向する
分割磁性体同士の接合面が接触して個々に閉磁路を構成
するようにした(請求項1)。
【0019】請求項1に記載するように、1つのケース
部に対し複数の分割磁性体を実装するため、1個の分割
磁性体の長さは短くてすむ。従って、たとえ接合面が軸
方向に対して傾斜したとしても、軸方向両端における厚
みの差は少なくてすむ。よって、対向する分割磁性体の
接合面を合わせて接合しても、分割磁性体に形成された
電線溝の両端の径は広くなるので、係る電線溝内に電線
を配置することができる。つまり、各分割磁性体は電線
に接触した状態で接合することができるので、電線周囲
に形成される閉磁路の面積が大きくなり、ノイズ除去の
能力が良好となる。
【0020】また、複数の分割磁性体を個々にケース部
の開放面側に付勢する構造としては、例えば各分割磁性
体の設置位置にバネ等の弾性体を配置する手法をとるこ
とができる他、各種の機構をとることとができる。そし
て、請求項2に規定するように、前記一対のケース部の
少なくとも一方の底面に、両端が前記底面に連結された
帯状の板バネを設け、その板バネにより前記複数の分割
磁性体が独立して前記ケース部の開放面側に押されるよ
うに構成すると、1つのバネにより複数の分割磁性体を
付勢することができ、しかも、板バネが軸方向の各部で
適宜に弾性変形することから(図3参照)、各分割磁性
体に対して、その寸法形状に応じて付勢できるので好ま
しい。
【0021】また、複数の分割磁性体をケース部内に固
定する構造として各種のものを用いることができるが、
例えば請求項3に記載するように、前記ケース部に収納
された前記複数の分割磁性体は、軸方向に延びるととも
に、一括して跨ぐようにして配置されたコアホルダによ
り固定されるようにし、そのコアホルダは、前記電線溝
に接触するとともに、両端が前記ケース部の軸方向両端
近傍に形成された取付孔(実施の形態ではケース部の底
面に設けたが、側面に設けてももちろん良い)に結合す
ることにより、前記磁性体を固定するように構成する
と、簡単かつ確実に固定できるので好ましい。
【0022】すなわち、このように構成すると、ケース
部に分割磁性体を挿入した状態で開放側より固定部材を
取り付けるが、この時、固定部材は分割磁性体の軸方向
を跨ぐようにして装着され、その両端部で取付孔と接合
されて固定される。よって、分割磁性体がケース部から
外れる方向には固定部材が横たわるように位置してお
り、その進路を遮断しているので分割磁性体がケース部
から離脱することは可及的に抑制される。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜図4は、本発明に係るノイ
ズフィルタの好適な一実施の形態を示している。すなわ
ち、図1は全体斜視図を示し、図2は各パーツを示して
いる。そして、図3,図4は取り付けた状態を示してい
る。なお、図5に示した従来品と対応する部分について
は、同一符号を付している。
【0024】本実施の形態でも、図1に示すように一面
が開放された矩形箱状のケース部11とケース部12が
ヒンジ部3を介して連結され、開閉可能となっている。
そして、それらはポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ABS樹脂、または、ポリカーボネー
ト樹脂等の高分子材料等による一体成形により製造する
ようにしている。
【0025】そして、両ケース部11,12を閉じた際
に係止爪7と係止爪8をはめることにより、閉じた状態
を保持するようにしている。また、各ケース部11,1
2の底面には、バネ部5を一体に形成しており、このバ
ネ部5の弾性力を利用して磁性体21を電線30の中心
軸方向へ付勢するようになっている。なお、それら係止
爪7,係止部8並びにバネ部5も、一体成形によりケー
ス部11,12と同時に形成される。
【0026】但し、バネ部5は、図示のように一体的に
形成する必要はなく、例えば別途用意した板バネなどを
装着するようにしてもよい。また、バネ部5を両ケース
部11,12に設けると、各ケース部11,12に装着
した磁性体21は、両側から中央に向かって付勢される
ため、接合面も中央になるので好ましいが、一方のみに
バネ部を設けてもよい。そのようにしても、両磁性体2
1同士の接合面を密着させることができる。
【0027】さらに、本形態では、バネ部5の形状を、
図5に示す従来例と相違して、図2(C)に模式的に示
したように1枚の帯状の板バネを用い、その両端を底面
に連結するとともに中央をケース部11,12の開放面
側に凸になるようにしている。
【0028】そして、本形態にも両ケース部11,12
の長手方向両側面の開放側中央に半円弧状の切り欠き部
からなる電線取出穴14を設けているが、その内周面に
は従来のように突起9は設けていない。
【0029】さらに、各ケース部11,12の底面の長
手方向両端近傍、つまり、帯状のバネ部5の両端の外側
に、矩形状に開口した取付孔10を形成している。この
取付孔10は、後述するコアホルダ42をケース部11
やケース部12に固定するようになっている。
【0030】一方、各ケース部11,12内に装着する
磁性体21は、フェライト等の磁性材料で形成され、接
合面中央部に軸方向に延びる半円状の断面形状を有する
電線溝22が形成されている。そして、各ケース部1
1,12を閉じた状態ではそれぞれに実装された2つの
磁性体21が接合されて、筒状体が形成される。この
時、電線溝22により形成される空間形状は、円柱状と
なり、その内径は、装着する電線30の外径よりも一回
り大きくしている。
【0031】また、磁性体21の外周部は、電線の回り
で磁束が回せるように磁性材料の厚みがあれば形状的に
は大きくしてもよい。よって、本形態ではケース部1
1,12の内面形状に合わせて形成し、装着状態での安
定性を確保している。
【0032】さらに、磁性体21は、軸方向に分割し、
本形態では3個の分割磁性体40をケース部11,12
にそれぞれ直列にならべて装着している。このように軸
方向に分割し、複数個の分割磁性体40を実装するのが
本発明の特徴である。そして、ケース部11に配置され
た各分割磁性体40と、ケース部12の内部に配置され
た各分割磁性体40とは、それぞれ対向するように配置
されており、対向する分割磁性体40同士で閉磁路を構
成する。
【0033】さらに、製造の便宜を考慮すると、各分割
磁性体40は同一形状とするのが好ましいので、従来の
磁性体21と同一の長さLを確保する場合には、本形態
における各分割磁性体40の長さはL/3となる。この
ように全体として所定の長さを確保すれば、軸方向に分
割してもノイズ除去の効果は変わらない。つまり、ノイ
ズ除去のためには電線30の軸周りに閉磁路が形成され
るのが重要であり、軸方向には必ずしも連続していなく
ても問題がないからである。
【0034】さらにまた、本形態では各電線溝22の最
奥部に、軸方向に延びる凹溝24を形成している。この
凹溝24は、その両端が分割磁性体40の長手方向両端
面に達している。そして、この凹溝24内に帯板状のコ
アホルダ42を装着している。そして、凹溝24の内周
面形状とコアホルダ42の外周面形状は略一致してお
り、コアホルダ42の露出表面と電線溝22の内周面と
はほぼ連続した面を形成するようになっている。
【0035】さらに、コアホルダ42の長さは、3つの
分割磁性体40の長手方向の長さ(L/3)を合わせた
長さLとほぼ同じで若干長く設定している。しかもその
両端は、磁性体21の側面に沿って折曲されており、先
端は外側に向けて突出する取付爪44となっている。そ
して、その取付爪44が、ケース部11,12に設けた
取付孔10に挿入固定されるようになっている。つま
り、磁性体21(3個の分割磁性体40)をケース部1
1,12内に挿入配置した状態でコアホルダ42を凹溝
24内に装着するとともに、取付爪44を取付孔10に
係止することにより、磁性体21をケース部11,12
に脱落不能に固定するようにしている。
【0036】しかも、コアホルダ42は、磁性体21の
長手方向にわたって接触し保持し、磁性体21がケース
部11,12から離脱する方向には、それを遮るように
してコアホルダ42が横断配置されているので、たとえ
3つに分割されていたとしても確実に磁性体21の離脱
が防止される。さらには、コアホルダ42が磁性体21
の凹溝24内に符合されているので、磁性体21が短手
方向に移動するのが抑制される。その結果、両ケース部
11,12に装着された磁性体21の短手方向の相対位
置が位置決め固定されることになる。よって、接触面積
は所望の値をとれる。
【0037】電線30は、例えば電源線等の塩化ビニル
等の高分子材料で被覆された電線であり、電源線として
は、通常は所定の電圧と電流を供給するための導電媒体
としての電線であるが、その導電させる周波数に特に制
限はないので他の装置で発生したノイズ等も接続する装
置に伝えることがある。
【0038】本実施の形態では、3つの分割磁性体40
をそれぞれケース部11とケース部12に挿入し、コア
ホルダ42を各分割磁性体40の凹溝24に嵌合させな
がら押し込んでケース部11とケース部12の取付孔1
0に嵌合させることにより、各磁性体21をケース部1
1とケース部12に固定する。この状態で、電線30を
ケース部11とケース部12で挟み込むとともに、係止
爪7と係止部8でケース部11とケース部12を固定す
ることで、ケース部11とケース部12の中では、磁性
体21が電線の軸方向及び軸に対して直交する方向に固
定されて、半割された磁性体21を固定できる。
【0039】しかも、コアホルダ42により広範囲に電
線30が固定されるので、電線30の被覆を傷つけるこ
となく確実に電線30を固定することができる。このと
き、図1に示すように、コアホルダ42の表面に突起4
5を設け、その突起45で電線30をしっかり固定する
ようにしている。なおこのように突起45を必ずしも設
けなくてもよく、その場合にはコアホルダ42の全長に
わたって接触することになる。
【0040】ところで、各分割磁性体40の接合面を研
磨する際に斜めに研磨してしまうことがある。係る場合
であっても本形態では以下に示すような原理から対向す
る両分割磁性体40により電線30の軸周りに閉磁路を
形成することができ、確実にノイズを除去することがで
きる。
【0041】すなわち、まず本形態では、隣り合った分
割磁性体40がそれぞれ分離されているので、図3に示
すようにバネ部5によって、各分割磁性体40のそれぞ
れが別々に電線30の中心軸方向へ付勢される。
【0042】そして、分割磁性体40の接合面がコアの
軸に対して斜めに研磨されたとする。この時、傾斜角度
が図6に示す従来の問題点の説明と同一でαとすると、
図4(A)に示すように、1つの分割磁性体40におけ
る軸方向両端の厚みの差は、軸方向の長さが1/3にな
ったため、(1/9)Hに収まる。従って、分割磁性体
40が電線30に密着するように、対向する分割磁性体
40を接合面で接合した場合に、その対向する分割磁性
体40の電線溝22同士によって形成された孔部の径
は、従来のノイズフィルタのそれよりも小さくならない
ので、電線30は係る電線溝22内に配置することがで
きる。
【0043】従って、図4(A),(B)に示すよう
に、傾斜方向によって各分割磁性体40の姿勢が異なる
ものの、個々の分割磁性体40が、それぞれ独立してバ
ネ部5により中心軸側に付勢されるので、対向する分割
磁性体40の接合面同士は、それぞれ密着させることが
できる。このように、対向する分割磁性体40同士によ
って、電線30の周囲には閉磁路が形成されるので、係
る電線30のノイズ除去を良好に行うことができる。こ
れにより、本発明に係るノイズフィルタでは不良品の発
生率が減少され、歩留まりが良好となる。
【0044】さらに、このように各分割磁性体40の軸
方向の長さを短くすることから、研磨前の表面の凹凸の
差が少なくなり、研磨しなくても十分な接触面積を確保
する可能性が高くなる。また、仮に1組の分割磁性体4
0同士の接合では十分な接触面積がとれなくても、残り
の2組の分割磁性体40が各自に閉磁路をとることがで
きる。また、係る接合が不十分で、全体として使用を満
たさない場合であっても不十分な分割磁性体の組のみを
廃棄すればよく、残りの2組分はそのまま使用できるの
で、廃棄処分にする量も抑制される。その結果、研磨処
理をラフにしたり、なくすことができる。
【0045】なお、本実施の形態では、磁性体21に凹
溝24を設けたが、本発明はこれに限らず凹溝を形成し
ない場合にも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るノイズフィ
ルタでは、個々に形成された複数の分割磁性体を、ケー
ス部内に配置することによって、電線の周囲に閉磁路と
なるコアを構成しており、係る分割磁性体は、従来のノ
イズフィルタにおけるコアを形成する磁性体よりも小さ
いので、分割磁性体の接合面が軸方向に対して傾斜した
としても、従来のノイズフィルタにおける磁性体に生じ
る厚みの歪み(高低差)よりも小さくなる。よって、係
る接合面が傾斜した分割磁性体を用いて閉磁路が形成す
るように接合したとしても、電線を配置する対向する電
線溝から構成される孔部の径は、従来のノイズフィルタ
における電線を配置する孔部の径よりも大きくなり、本
発明に係るノイズフィルタ内に電線を配置することがで
きる。よって、不良品の発生率が減少し、歩留まりが良
好となる。
【0047】さらに、このようにたとえ接合面が斜めで
あっても閉磁路が構成できるので、研磨処理自体も比較
的ラフに行ったり、研磨工程自体を削除することも可能
となり、生産効率も上昇する。
【0048】さらにまた、ノイズフィルタの匡体のケー
ス部に挿入した磁性体を、軸方向にわたるように押さえ
込むようにして装着するので、磁性体の離脱を抑制でき
る。また、磁性体に凹溝を設けた場合には、磁性体の位
置決めが容易になり、特性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノイズフィルタの好適な一実施の
形態を示す図である。
【図2】(A)は本発明に係るノイズフィルタの実施の
形態におけるコアホルダの構造を説明するための図であ
る(B)は本発明に係るノイズフィルタの実施の形態に
おける分割磁性体の構造を説明するための図である。
(C)は本発明に係るノイズフィルタの実施の形態にお
けるケース部の構造を説明するための図である。
【図3】本発明に係るノイズフィルタの一実施の形態の
構造を説明するための図である。
【図4】本発明の作用効果を説明するための図である。
【図5】従来技術のノイズフィルタを示す図である。
【図6】従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
5 バネ部 10 取付孔 11,12 ケース部 14 電線取出穴 22 電線溝 23 取付凹部 24 凹溝 30 電線 40 分割磁性体 42 コアホルダ 44 取付爪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸苅 和夫 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子装置に接続された電源線路または信
    号線路となる電線の一部の外周部を囲むようにして配置
    される一対の半割筒型の磁性体と、その磁性体をそれぞ
    れ収納する2分割された一対のケース部とを備えたノイ
    ズフィルタであって、 前記一対のケース部は、開閉可能に連結されるととも
    に、閉塞した状態を保持する機構を有するとともに、そ
    の一対のケース部の軸方向両端面の開放側中央に前記電
    線の挿入を許容する電線取出穴を設け、 前記磁性体は、軸方向に配置された複数の分割磁性体に
    より構成され、 前記分割磁性体は、接合面側の中央に軸方向に延びる電
    線溝を有し、 前記ケース部内に配置された前記分割磁性体は、それぞ
    れの電線溝の軸方向が一致するとともに、対向する分割
    磁性体同士の接合面が接触して個々に閉磁路を構成する
    ようにしたことを特徴とするノイズフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記一対のケース部の少なくとも一方の
    底面に、両端が前記底面に連結された帯状の板バネを設
    け、 その板バネにより前記複数の分割磁性体が独立して前記
    ケース部の開放面側に押されるように構成したことを特
    徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記ケース部に収納された前記複数の分
    割磁性体は、軸方向に延びるとともに、一括して跨ぐよ
    うにして配置されたコアホルダにより固定されるように
    し、 そのコアホルダは、前記電線溝に接触するとともに、両
    端が前記ケース部の軸方向両端近傍に形成された取付孔
    に結合することにより、前記磁性体を固定するものであ
    る請求項1または2に記載のノイズフィルタ。
JP13740898A 1998-05-06 1998-05-06 ノイズフィルタ Withdrawn JPH11317310A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13740898A JPH11317310A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 ノイズフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13740898A JPH11317310A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 ノイズフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11317310A true JPH11317310A (ja) 1999-11-16

Family

ID=15197954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13740898A Withdrawn JPH11317310A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 ノイズフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11317310A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007007511A1 (ja) * 2005-07-07 2007-01-18 Murata Manufacturing Co., Ltd. フェライトシート
JP2009010637A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Toyo Networks & System Integration Co Ltd 電力線通信システム用結合器、結合器の組付け構造及び電力線通信システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007007511A1 (ja) * 2005-07-07 2007-01-18 Murata Manufacturing Co., Ltd. フェライトシート
US7834731B2 (en) 2005-07-07 2010-11-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Ferrite sheet
JP2009010637A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Toyo Networks & System Integration Co Ltd 電力線通信システム用結合器、結合器の組付け構造及び電力線通信システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7121742B2 (en) Optical module
CA2130251A1 (en) Electrical connector
JPH08213108A (ja) 接地バス付き電気コネクタ
US20030113070A1 (en) Optical fiber connector
GB2025158A (en) Electrical connector having filter contacts mounted in a removable filter module
JPH11317310A (ja) ノイズフィルタ
JP7313990B2 (ja) コネクタおよび接続方法
JP2001291547A (ja) 電気コネクタ
US6174171B1 (en) Electrical connector with pick-and-place member
WO2004063785A1 (ja) 光リセプタクル
JP2000031682A (ja) ノイズフィルタ
JP2000012333A (ja) ノイズフィルタ
JP2004146277A (ja) ランプソケット及びそれを用いる照明器具
JP3287046B2 (ja) マグネットプラグ及びその製造方法
JP3312645B2 (ja) 低挿入力コネクタ
JP3062422B2 (ja) 変換アダプター
US7275874B2 (en) Optical connector for connecting optical fibers to one another
JPH11121249A (ja) ノイズフィルタ
JP2003229202A (ja) 防塵カバー付コネクタ
JP2003115355A (ja) 本体へ挿脱される記憶媒体の本体への電気接続構造
JP2529986Y2 (ja) 信号線雑音防止装置
KR960000810Y1 (ko) 콘넥터 장치
JP2004191689A (ja) 接点ピン構造
KR200347875Y1 (ko) 리워크 툴 구조
JP3931684B2 (ja) マイクロホン用コネクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050802