JPH11316319A - 光ファイバ取付方法 - Google Patents

光ファイバ取付方法

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JPH11316319A
JPH11316319A JP35787298A JP35787298A JPH11316319A JP H11316319 A JPH11316319 A JP H11316319A JP 35787298 A JP35787298 A JP 35787298A JP 35787298 A JP35787298 A JP 35787298A JP H11316319 A JPH11316319 A JP H11316319A
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ferrule
adhesive
pressing member
face
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健一郎 大塚
Tomohiko Ueda
知彦 上田
Toshiaki Kakii
俊昭 柿井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光ファイバをフェルールに固定さ
せる際の作業の効率化及び確実性を図るようにした光フ
ァイバ取付方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明による光ファイバ取付方法は、光
ファイバ3の先端部分の外面又はフェルール1の光ファ
イバ位置決め孔4内の少なくとも一方に、接着剤Rを塗
布した後に、光ファイバ3をフェルール1の光ファイバ
位置決め孔4内に挿入する工程と、フェルール1の光接
続口5内又はその周囲に、接着剤Rより粘性の高い物質
Kを配置させる工程と、フェルール1の前端面1aに光
ファイバ押当て部材20を当接させる工程と、光ファイ
バ3の先端面3aと光ファイバ押当て部材20とを当接
させる工程とを備えた方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェルールに光フ
ァイバを固定するために適用される光ファイバ取付方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術を適用する
フェルール100としては、図26(a)に示すような
ものがある。このフェルール100は、その内部を貫通
する4本の光ファイバ位置決め孔101を有すると共
に、その中央に接着剤充填窓102をもっている。この
ようなフェルール100の後端から、図26(b)に示
すように、テープ状の光ファイバ心線103の各光ファ
イバ104を各光ファイバ位置決め孔101内に挿入さ
せる。その状態で、図26(c)に示すように、接着剤
充填窓102内に接着剤を充填させて、フェルール10
0に各光ファイバ104を固定する。そして、接着剤の
硬化後、図26(d)に示すように、フェルール100
の前端面100aを端面研磨し、フェルール100から
出た光ファイバ104を除去しながら、各光ファイバ1
04の先端面をフェルール100の前端面100aに揃
え、光ファイバ104をフェルール100に取り付ける
作業が完了する。このような作業は、現地で必要に応じ
て行われる取付作業である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光ファイバ取付方法は次のような課題が存在していた。
すなわち、光ファイバ104を現地でフェルール100
に取り付けるにあたって、光ファイバ104をフェルー
ル100に接着固定した後、光ファイバ104の先端面
を鏡面状にし、しかも不揃い量を解消させるため、フェ
ルール100の前端面100aの精密な研磨工程を必要
とする。従って、現地での作業効率が悪く、しかも大掛
かりな研磨装置を常に携帯していなければならないとい
う不都合がある。また、特開平9−304657号公報
には、フェルール同士を端面合わせした状態で光ファイ
バを挿入し、その後、接着剤によって光ファイバとフェ
ルールとを固定させる技術が開示されているが、後から
接着剤を塗布するために、光ファイバのまわりに十分な
接着剤が行き渡らないという問題点があった。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、特に、光ファイバをフェルールに固定さ
せる際の作業の効率化及び確実性を図るようにした光フ
ァイバ取付方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
光ファイバ取付方法は、フェルールの前端面に形成した
光接続口からフェルールの内部に向けて延びる光ファイ
バ位置決め孔内に、光ファイバを挿入固定させる光ファ
イバ取付方法において、光ファイバの先端部分の外面又
はフェルールの光ファイバ位置決め孔内の少なくとも一
方に、接着剤を塗布した後に、光ファイバをフェルール
の光ファイバ位置決め孔内に挿入する工程と、フェルー
ルの光接続口内又はその周囲に、接着剤より粘性の高い
物質を配置させる工程と、フェルールの前端面に光ファ
イバ押当て部材を当接させる工程と、光ファイバの先端
面と光ファイバ押当て部材とを当接させる工程とを備え
たことを特徴とする。
【0006】この光ファイバ取付方法において、光ファ
イバ位置決め孔内に差し込まれた光ファイバの先端部分
に付着している接着剤が、粘性の高い物質に接触するこ
とにより、接着剤の排除現象を引き起こすことを見出し
た。そこで、光ファイバの先端部分をこの物質内に潜り
込ませるようにすると、光ファイバを、光ファイバ位置
決め孔内で接着剤により確実に接着固定させつつ、光の
出射面又は入射面をなす光ファイバの先端面において、
接着剤が排除された状態が簡単に作り出されることにな
る。従って、このような方法を利用すると、光ファイバ
の先端面に接着剤を残すことなく、光ファイバの先端面
を、フェルールの前端面から僅かに出したり、僅かに引
っ込めたりする構造を、簡単かつ確実に実現させること
ができる。更に、光ファイバ押当て部材に光ファイバの
先端面を当接させることにより、光ファイバの先端面の
位置出しを簡単かつ確実なものとする。特に、光ファイ
バが複数本ある場合、各光ファイバの先端面を光ファイ
バ押当て部材にそれぞれ当接させた状態で、各光ファイ
バを光ファイバ位置決め孔内で接着固定させることがで
き、それらの先端面を確実に整列させることができる。
【0007】請求項2記載の光ファイバ取付方法におい
て、フェルールの前端面と光ファイバ押当て部材の光フ
ァイバ押当て面との少なくとも一方に、粘性の高い物質
を配置させておくと好ましい。
【0008】このような方法を採用した場合、光ファイ
バの先端面を、粘性の高い物質に確実に接触させること
ができ、光ファイバを、光ファイバ位置決め孔内で接着
剤により確実に接着固定させつつ、光の出射面又は入射
面をなす光ファイバの先端面においては、接着剤が排除
された状態を簡単かつ確実に作り出すことができる。
【0009】請求項3記載の光ファイバ取付方法におい
て、フェルールの光ファイバ位置決め孔内に光ファイバ
を挿入する前に、光ファイバ押当て部材をフェルールの
前端面に当接させ、その後、光ファイバの先端面を光フ
ァイバ押当て部材に突き当てると好ましい。
【0010】このような方法を採用した場合、フェルー
ルと光ファイバ押当て部材とを当接させた状態にしてお
くことで、光ファイバ押当て部材に光ファイバの先端面
を押し当てながらの光ファイバ挿入作業が実行され、そ
の結果、光ファイバ押当て部材による光ファイバの先端
面の位置決めを簡単かつ確実なものとする。特に、光フ
ァイバが複数本ある場合、各光ファイバの先端面を光フ
ァイバ押当て部材にそれぞれ当接させた状態で、各光フ
ァイバを光ファイバ位置決め孔内で接着固定させること
ができ、それらの先端面を確実に整列させることができ
る。
【0011】請求項4記載の光ファイバ取付方法におい
て、フェルールの光ファイバ位置決め孔内に光ファイバ
を挿入した後に、光ファイバ押当て部材をフェルールの
前端面に当接させると共に光ファイバ押当て部材を光フ
ァイバの先端面に突き当てると好ましい。
【0012】このような方法を採用した場合、光ファイ
バをフェルールの光ファイバ位置決め孔内に挿入させ、
フェルールの前端面と光ファイバの先端面とをほぼ同位
置にした状態で、光ファイバ押当て部材を光ファイバの
先端面に突き当てることにより、光ファイバの先端面の
接着剤が除去され、また、光ファイバ押当て部材による
光ファイバの先端面の位置決めを簡単かつ確実なものと
する。
【0013】請求項5記載の光ファイバ取付方法におい
て、接着剤の硬化後に、物質を除去すると好ましい。こ
の場合、PC(Physical Contact)型の光コネクタの組
立てを可能にする。
【0014】請求項6記載の光ファイバ取付方法におい
て、物質は、ゲル状のものであると好ましい。この場
合、汎用性のあるゲル状の物質(例えば、シリコン系の
潤滑剤)の利用が可能となる。
【0015】請求項7記載の光ファイバ取付方法におい
て、物質は屈折率整合剤であると好ましい。この場合、
光ファイバ同士の光接続の利用にも供される。
【0016】請求項8記載の光ファイバ取付方法におい
て、光ファイバを複数本にして、光ファイバ押当て部材
の光ファイバ押当て面に対して、光ファイバの各先端面
を、整列荷重をもって押圧させると好ましい。
【0017】このような方法を採用した場合、複数本の
光ファイバの先端面を光ファイバ押当て面にそれぞれ押
し当てた状態を作り出すことができ、各光ファイバの先
端面を確実に一列に整列させることができる。
【0018】請求項9記載の光ファイバ取付方法におい
て、接着剤を光ファイバに付着させる前に、光ファイバ
の先端面を放電加工によりエッジ除去処理すると好まし
い。
【0019】このような方法を採用した場合、光ファイ
バの先端を電気的に丸めることで、光ファイバを、フェ
ルールの光ファイバ位置決め孔内に挿入させ易くなり、
しかも、光ファイバ位置決め孔内での光ファイバの先端
面の欠け防止に寄与し、作業の迅速化が図れるだけでな
く、PC型コネクタの場合にはPCし易くなる。
【0020】請求項10記載の光ファイバ取付方法にお
いて、接着剤を光ファイバに付着させる前に、光ファイ
バの先端面を研磨加工によりエッジ除去処置すると好ま
しい。
【0021】このような方法を採用した場合、光ファイ
バの先端を機械的に丸めることで、光ファイバを、フェ
ルールの光ファイバ位置決め孔内に挿入させ易くなり、
しかも、光ファイバ位置決め孔内での光ファイバの先端
面の欠け防止に寄与し、作業の迅速化が図れるだけでな
く、PC型コネクタの場合にはPCし易くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による光
ファイバ取付方法の好適な実施形態について詳細に説明
する。
【0023】図1は、本発明に係る光ファイバ取付方法
を適用するフェルール及び光ファイバ心線を示す斜視図
である。同図に示すフェルール1は、ジルコニア(セラ
ミック)、ガラス、結晶化ガラス又は樹脂等で略直方体
に形成され、光コネクタ(例えばMTコネクタ)の一部
として利用されるものである。このフェルール1の内部
において、その前部には4本の光ファイバ位置決め孔4
が形成され、各光ファイバ位置決め孔4は、テープ状の
光ファイバ心線2(以下「テープ心線」という)の先端
部から露出させた4本(4心)の光ファイバ3をそれぞ
れ挿入させて位置決めさせるためのものであり、125
μmの径の光ファイバ3に対して126μm〜127μ
mの径を有している。各光ファイバ位置決め孔4は、フ
ェルール1の前端面1aから一直線状に且つ平行に延在
し、光ファイバ位置決め孔4の前端開口は、光接続口5
として形成されている。そして、フェルール1の内部に
おいて、その後部には、光ファイバを外部から導入させ
るための光ファイバ導入口6が設けられている。
【0024】さらに、光ファイバ導入口6と光ファイバ
位置決め孔4との間には、接着剤を収容させるための光
ファイバ接着用凹部7が設けられ、この凹部7の頂部に
は、接着剤を流し込むための矩形の開口をなす接着剤充
填窓8が形成されている。そして、凹部7の底面7aに
は、その全長に亙って延在する4本の光ファイバ整列溝
9が形成され、各光ファイバ整列溝9は、光ファイバ位
置決め孔4の延長上に位置し、光ファイバ位置決め孔4
と光ファイバ導入口6との間に延在している。更に、各
光ファイバ整列溝9は、断面C字状に形成され、光ファ
イバ位置決め孔4と同一の径をもって延在する(図14
参照)。そして、フェルール1の前端面1aにおいて、
4個の光接続口5の両側には、ガイドピン(図示せず)
を挿入させるためのガイドピン挿入孔10が形成されて
いる。
【0025】そこで、図2及び図3に示すように、フェ
ルール1の光ファイバ導入口6から挿入させた光ファイ
バ3は、光ファイバ整列溝9に沿った状態で光ファイバ
位置決め孔4内に配置される。この場合、光ファイバ3
の先端面3aは、図3及び図4に示すように、フェルー
ル1の前端面1aに対して5μm〜10μm程度後退さ
せるように引き込ませて、光接続口5内に埋没する。ま
た、この光接続口5内には、フェルール1の前端面1a
から50μm〜100μm程度の領域長をもって、粘性
の高い物質の一例としてシリコン系のマッチンググリー
スと呼ばれている屈折率整合剤Kが満たされている。
【0026】よって、光ファイバ3の先端面3aは屈折
率整合剤K内に埋没し、光ファイバ3の周囲において、
屈折率整合剤Kの存在する部分に接着剤Rは存在せず、
屈折率整合剤Kの存在しない部分に接着剤Rが存在す
る。従って、接着剤Rの存在する部分で光ファイバ3
は、光ファイバ位置決め孔4内に接着固定されることに
なり、光の出射面又は入射面をなす光ファイバ3の先端
面3aにおいては、屈折率整合剤Kが付着するのみで、
接着剤Rの付着はない。なお、前述した50〜100μ
mは例示であり、非接着領域は小さい方が好ましいが、
500μm程度であってもよい。また、屈折率整合剤K
も例示であり、粘性の高い物質として例えばシリコン系
の潤滑剤であってもよい。
【0027】このような構成をもつ光コネクタCの利点
として、光ファイバ3の先端面3aの形状に依存せず、
CATS等の高速切替えを可能にしたMTコネクタへの
適用が簡便になる。すなわち、光ファイバ3の先端面3
aの切断加工精度や研磨加工精度を上げる必要がなく、
フェルール1に光ファイバ3を取り付ける作業時間の短
縮に大きく寄与する。また、光接続口5から光ファイバ
3の先端面3aが突出しないことに起因して、その取り
扱い時に作業者が光ファイバ3の先端面3aに不用意に
触れることがない。
【0028】さらに、フェルール1に光ファイバ3を固
定する際の最終工程に、フェルール1の前端面1aを精
密研磨するような工程を必要とせず、作業時間の大幅な
短縮に寄与し、しかも、研磨時に発生する光ファイバ3
の先端面3aの欠けをも防止する。なお、フェルール1
の前端面1aと光ファイバ3の先端面3aとが同位置で
あり、屈折率整合剤Kが光接続口5内に無い場合もあ
る。
【0029】また、図2及び図3に示すように、凹部7
内に充填された接着剤Rによって光ファイバ3は、フェ
ルール1に強固に固定されることになる。また、光ファ
イバ心線3に嵌め込まれたゴム製のブーツ11をフェル
ール1の光ファイバ導入口6に差し込むことで、光ファ
イバ心線2の折れ曲がりを防止している。
【0030】このような構成の光コネクタCを実現させ
るための本発明に係る光ファイバ取付方法の一実施形態
について説明する。
【0031】この方法を行うにあたって、図5に示すよ
うに、ジルコニア(セラミック)、ガラス、結晶化ガラ
ス又は樹脂等からなる略直方体形状の光ファイバ押当て
部材20を準備する。この光ファイバ押当て部材20の
前面は、フェルール1の前端面1aに当接する平坦なフ
ェルール突き当て面20aを有している。このフェルー
ル突き当て面20aには、フェルール1の光ファイバ位
置決め孔4内に挿入させるための円柱状の位置決め凸部
21が、光ファイバ位置決め孔4の数に対応して横一列
に4本並設されている。そして、各位置決め凸部21の
先端には、横一列に揃えられた円形の光ファイバ押当て
面21aが設けられ、各光ファイバ押当て面21aは、
フェルール突き当て面20aから例えば5μm程度突出
する。また、位置決め凸部21の両側には、フェルール
1の各ガイドピン挿入孔10に対応するガイドピン挿入
孔22がそれぞれ設けられている。このような構成の光
ファイバ押当て部材20を作業前に予め準備しておく。
【0032】そこで、先ず、図6に示すように、ゴム製
のブーツ11に光ファイバ心線2を差し込み、光ファイ
バ心線2の先端部分から所定長の被覆部Fを加熱式リム
ーバ等により除去し、4本の光ファイバ3を露出させた
状態でアルコール等で被覆屑を拭き取る。そして、各光
ファイバ3をカッタ等で一列に揃えるように所定の長さ
に切断した後、図7に示すように、放電加工により光フ
ァイバ3の先端面3aのエッジ除去処理を行う。これ
は、フェルール1に光ファイバ3を挿入させる際に、光
ファイバ3がフェルール1に接触することで起こる端面
欠けを無くすことと、挿入作業の迅速化を目的としてい
る。しかも、PC型コネクタの場合にはPCし易くな
る。なお、これと同等なエッジ処理としては、図8に示
すように、光ファイバ3の先端面3aを、研磨ロータ2
3や手作業により機械的に処理してもよい。
【0033】次に、図9に示すように、フェルール1の
前端面1aにグリース状のシリコン系の屈折率整合剤K
を塗布し、この場合、各光接続口5とその周囲5aに屈
折率整合剤Kを配置させる。このときの屈折率整合剤K
は、数十μm程度の薄さで広げられている。なお、屈折
率整合剤Kは、突出する4本の位置決め凸部21の表面
を覆うように、光ファイバ押当て部材20のフェルール
突き当て面20aに塗布してもよい。
【0034】その後、光ファイバ押当て部材20の各ガ
イドピン挿入孔22内にガイドピンPを差し込んだ状態
で、ガイドピンPの突出部分をフェルール1のガイドピ
ン挿入孔10(図1参照)内に挿入させる。そして、ガ
イドピンPの誘導により、光ファイバ押当て部材20の
各位置決め凸部21をフェルール1の各光ファイバ位置
決め孔4内に挿入させながら、光ファイバ押当て部材2
0のフェルール突き当て面20aをフェルール1の前端
面1aに押し当てる。
【0035】その結果、光ファイバ押当て部材20のフ
ェルール突き当て面22とフェルール1の前端面1aと
の間に屈折率整合剤Kが介装され、このとき、光接続口
5内には、前端面1aから所定の領域をもって屈折率整
合剤Kが装填されることになる。また、屈折率整合剤K
を光接続口5の周囲5aに配置させる結果として、光接
続口5から漏れ出た接着剤Rがフェルール1の前端面1
aに付着し難くなる。なお、この状態を維持するため
に、図示しないクリップによりフェルール1と光ファイ
バ押当て部材20とを両側から挟み込み固定させてもよ
い。
【0036】その後、図10に示すように、フェルール
1の光ファイバ導入口6から光ファイバ3を挿入し、各
光ファイバ位置決め孔4内に光ファイバ3をそれぞれ挿
入させる。この挿入工程前において、光ファイバ3の先
端部分に接着剤Rを塗布しても、光ファイバ位置決め孔
4内に接着剤Rを塗布してもいずれの場合であってもよ
い。そして、光ファイバ位置決め孔4内に接着剤Rを充
填させる際、空気層(気泡)等を巻き込まないような注
意が必要である。これは、空気の混入により、光ファイ
バ3とフェルール1との接着強度が長期的にみると劣化
したり、気泡部分と光ファイバ3とフェルール1との膨
張係数の違いが特性的に悪影響を及ぼすからである。ま
た、接着剤Rとしては、フェルール1の材質に応じたも
のが利用され、例えば、熱硬化型接着剤(エポキシ
系)、常温硬化型接着剤(エポキシ系)、紫外線硬化型
接着剤(UV系)、瞬間接着剤(シアノアクリレート
系)が利用される。接着剤Rの粘度は、1〜3000c
psのものを使用すると好適である。
【0037】そして、図12に示すように、各位置決め
凸部21の光ファイバ押当て面21aに各光ファイバ3
の先端面3aが当たる程度まで、光ファイバ心線2を前
進させる。その結果、光ファイバ3の先端面3aは、フ
ェルール1の前端面1aに対して5μm程度(位置決め
凸部21の突出量分)引込むように後退し、光接続口5
内に埋没する。さらに、接続口5内は、シリコン系の屈
折率整合剤Kで満たされており、光ファイバ3の先端面
3aは屈折率整合剤K内に完全に埋没することになる。
そして、光ファイバ3の周囲において、屈折率整合剤K
の存在する部分には接着剤Rが存在せず、屈折率整合剤
Kの存在しない部分には接着剤Rが存在することにな
る。従って、光ファイバ位置決め孔4内において、屈折
率整合剤Kの存在する部分以外に接着剤Rを充填させる
ことができる。
【0038】このような現象は、接着剤Rの粘度に対し
て屈折率整合剤Kの粘度がかなり高いことや屈折率整合
剤Kに含まれる油分に起因するものである。そこで、図
11(a)に示すように、フェルール1の光接続口5内
に配置させる屈折率整合剤Kに向けて光ファイバ3を差
し込むと、図11(b)に示すように、接着剤Rを塗布
した光ファイバ3の先端面3aが屈折率整合剤Kに突き
当たり、さらに光ファイバ3を押し込み続けると、図1
1(c)に示すように、光ファイバ3の接着剤Rが屈折
率整合剤Kによって後退させられるような接着剤排除現
象を起こすからである。従って、光ファイバ3の先端面
3aを屈折率整合剤K内に潜り込ませるようにすると、
光の出射面又は入射面をなす光ファイバ3の先端面3a
においては、接着剤Rが排除された状態が簡単に作り出
されることになる。さらに、屈折率整合剤Kの油分は、
光ファイバ3と接着剤Rの間に入り込みながら、非接着
領域を拡大していく働きがある。
【0039】このとき、光ファイバ3の先端面3aに
は、切断時に発生する数μm程度の不揃いが発生してい
ることから、この不揃いによる光接続損失を除去するた
め、各先端面3aを一列に整列させる必要が生じる。そ
こで、図13に示すように、ベース板24上にフェルー
ル1及び光ファイバ位置決め部材20を固定し、ベース
板24上で前後に摺動させ得るファイバホルダ25によ
って、光ファイバ心線2の被覆部Fを保持した状態で、
後方から加圧し、全ての光ファイバ3の先端面3aが位
置決め凸部21の光ファイバ押当て面21aに当たるよ
うな整列荷重(4本の光ファイバ3に対して例えば20
0gを後方から与えるような荷重)を加える。
【0040】これによって、光ファイバ3の先端面3a
は、図14に示すように、強制的に一列に揃えられるこ
とになる。この場合、各光ファイバ3の圧縮量を吸収さ
せる必要から、図15に示すように、光ファイバ整列溝
9を断面C字状にし、その上部には、光ファイバ3の直
径より小さな幅をもつスリット状開口9aが形成される
と好適である。このような開口9aを設けることで、光
ファイバ3の飛び出しを防止し、光ファイバ整列溝9内
への接着剤Rの流入を可能にする。
【0041】その後、図16に示すように、各光ファイ
バ3とフェルール1との接着性を高めるため、フェルー
ル1の光ファイバ接着用凹部7内にエポキシ系の熱硬化
型接着剤Rを充填させる。この状態で、図示しない加熱
装置によってフェルール1を適度に加熱して接着剤Rを
硬化させる。この最終工程において、フェルール1及び
光ファイバ3は、膨張収縮(特に、樹脂製のフェルール
1の膨張収縮が大きい)によってその寸法が多少変化す
るが、光ファイバ3の先端面3aを予め引き込ませてあ
るので、光ファイバ3の先端面3aがフェルール1の前
端面1aから突出することはない。
【0042】そして、図17に示すように、光ファイバ
押当て部材20をフェルール1から外すことにより、フ
ェルール1に対する光ファイバ心線2の組付け作業が完
了する。この場合、フェルール1の前端面1aを精密研
磨するような工程を必要とせず、作業時間の大幅な短縮
に寄与し、しかも、研磨時に発生する光ファイバ3の先
端面3aの欠けをも防止される。また、各光ファイバ3
の先端面3aを一列に確実に整列させることが可能とな
る(図14参照)。なお、接着剤Rとして紫外線硬化型
接着剤や常温硬化型接着剤を用いることで、フェルール
1や光ファイバ3の膨張収縮を阻止することが可能とな
る。さらに、屈折率整合剤Kが用途上不要である場合、
接着剤Rの硬化後に屈折率整合剤Kを洗浄等により除去
することもある。これは、PC型光コネクタの組立てを
可能にする。
【0043】本発明に係る光ファイバ取付方法の他の実
施形態としては、図示しないが、フェルール1の光ファ
イバ位置決め孔4内に、接着剤Rを塗布した光ファイバ
3を挿入させる。このとき、フェルール1の前端面1a
と光ファイバ3の先端面3aとをほぼ同位置にすると、
フェルール1の光接続口5から余剰な接着剤Rが略完全
に排出され、フェルール1の光接続口5から漏れ出た余
剰な接着剤Rを綿棒等によって拭き取る。この接着剤R
がフェルール1の前端面1aに残ったまま硬化すると、
その除去作業を余儀なくされ、光コネクタの組立て効率
を悪化させる虞れがある。このように、光ファイバ3を
光ファイバ位置決め孔4内に挿入させて仮固定した状態
で、フェルール1の前端面1aに光ファイバ押当て部材
20のフェルール突き当て面20aを当接させてもよ
い。
【0044】このとき、光ファイバ押当て部材20の位
置決め凸部21によって、光ファイバ3の先端面3aは
押し戻されるように強制的に後退させられ、光接続口5
内に入り込みつつ屈折率整合剤K内で光ファイバ3の先
端面3aが位置決めされることになる。なお、フェルー
ル1に光ファイバ押当て部材20を組付ける前におい
て、光ファイバ押当て部材20の光ファイバ押当て面2
1aに屈折率整合剤Kが載るようにして、フェルール突
き当て面20aに屈折率整合剤Kを予め塗布させておく
か、フェルール1の前端面1aに屈折率整合剤Kを予め
塗布させておくかのいずれかであるが、勿論、両部材1
及び20に屈折率整合剤Kを塗布しておいてもよい。
【0045】次に、光ファイバ押当て部材の種々の変形
例について説明する。
【0046】図18に示すように、光ファイバ押当て部
材30の端面の中央には、光ファイバ押当て面31がフ
ェルール突き当て面30aと同一面をなすように形成さ
れている。従って、図19に示すように、光ファイバ押
当て面31に光ファイバ3の先端面3aを突き当てるこ
とで、光ファイバ3の先端面3aをフェルール1の前端
面1aに揃えることが可能となる。さらに、屈折率整合
剤Kが用途上不要である場合、接着剤Rの硬化後に屈折
率整合剤Kを洗浄等により除去することもある。なお、
符号32はガイドピン挿入孔である。
【0047】また、図20に示すように、光ファイバ3
の先端面3aをフェルール1の前端面1aから突出させ
ることもある。そこで、図21に示すように、光ファイ
バ押当て部材40の端面の中央には、フェルール突き当
て面40aから横溝状に陥没させるようにした光ファイ
バ受入れ凹部41が形成され、横方向に延びる光ファイ
バ受入れ凹部41の底面が光ファイバ押当て面41aと
なる。従って、図22に示すように、光ファイバ押当て
面41aに光ファイバ3の先端面3aを突き当てること
で、光ファイバ3の先端面3aをフェルール1の前端面
1aから所定量(例えば1〜2μm程度)突出させるこ
とが可能となる。この突出量は光ファイバ受入れ凹部4
1の深さに対応する。このように、光ファイバ3をフェ
ルール1から突出させる構成は、単心に用いられるSC
型やMU型光コネクタなどに適しており、さらに、前述
した放電加工を施して先端面3aに丸み付けを行うこと
が効果的である。しかしながら、この場合でも、光ファ
イバ心線2に所定の整列荷重を加えることで、4本の光
ファイバ3の先端面3aをフェルール1から突出させた
ままの状態で、一列に整列させることもできる。さら
に、屈折率整合剤Kが用途上不要である場合、接着剤R
の硬化後に屈折率整合剤Kを洗浄等により除去すること
もある。なお、符号42はガイドピン挿入孔である。
【0048】同様に、図23に示すように、光ファイバ
押当て部材50の端面の中央には、フェルール突き当て
面50aから縦溝状に陥没させるようにした光ファイバ
受入れ凹部51が形成され、この光ファイバ受入れ凹部
51は、ガイドピン挿入孔52の間に位置すると共に、
光ファイバ位置決め孔4の配列幅を少なくとももってい
る。そして、光ファイバ受入れ凹部51の底面が光ファ
イバ押当て面51aになっている。この場合も、前述と
同様に、光ファイバ3の先端面3aをフェルール1の前
端面1aから所定量(例えば1〜2μm程度)突出させ
ることが可能となる。この突出量は光ファイバ受入れ凹
部51の深さに対応する。
【0049】本発明は、前述した種々の実施形態に限定
されるものではなく、前述した屈折率整合剤Kは、粘性
の高い物質の一例であり、他にもシリコン系の潤滑剤な
どがある。また、本発明に係る光ファイバ取付方法の適
用範囲は、MT型の光コネクタばかりでなく、その他の
型式の多心用光コネクタや、SC型やMU型などの単心
用光コネクタにも及ぶことは、言うまでもない。
【0050】ここで、本発明に係る光ファイバ取付方法
を単心用光コネクタの製作に適用する場合について説明
する。
【0051】図24に示すように、フェルール60は、
ジルコニア(セラミック)、ガラス、結晶化ガラス、樹
脂等のいずれかで略円筒状に形成され、光コネクタ(例
えばSCコネクタ、MUコネクタ)のプラグ59内で利
用されるものである。図25及び図26に示すように、
このフェルール60の内部には、一本の光ファイバ位置
決め孔4が形成され、光ファイバ位置決め孔4は、光フ
ァイバ心線62の先端部から露出させた光ファイバ61
を挿入させるためのものであり、125μmの径の光フ
ァイバ61に対して126〜127μmの径を有してい
る。光ファイバ位置決め孔4は、フェルール60の前端
面60aから一直線状に延在し、光ファイバ位置決め孔
4の前端開口は、光接続口63として形成されている。
そして、フェルール60の内部において、その後部に
は、光ファイバ61を外部から挿入させるための光ファ
イバ導入口64が設けられている。
【0052】そこで、図26及び図27に示すように、
フェルール60の光ファイバ導入口64から挿入させた
光ファイバ61は、光ファイバ位置決め孔4内に配置さ
れる。この場合、光ファイバ61の先端面61aは、フ
ェルール60の前端面60aに対して1μmから2μm
程度突き出して位置決めされる。また、光接続口63内
には、フェルール60の前端面60aから50μm〜1
00μm程度の領域長さDをもって、空気層が介在す
る。この空気層の後方は接着剤Rによって、光ファイバ
61はフェルール60に固定される。
【0053】このような構成を実現させるための光ファ
イバ取付け方法の一例を説明する。
【0054】この方法を行うにあたって、図28及び図
29に示すように、ジルコニア(セラミック)、ガラ
ス、結晶化ガラス又は樹脂等からなり、フェルール60
と同径の略円柱形状の光ファイバ押当て部材65を準備
する。この光ファイバ押当て部材65の前面には、フェ
ルール60の前端面60aに当接する平坦なフェルール
突当て面65aを有している。このフェルール突当て面
65aの中央には、円柱状の光ファイバ受入れ凹部66
が、光ファイバ位置決め孔4の光接続口63に対応して
設けられている。光ファイバ受入れ凹部66は、光接続
口63より大径で形成されると共に、フェルール突当て
面65aから例えば1〜2μm程度引き込ませている。
【0055】そこで、図30に示すように、光ファイバ
心線62の先端部分から所定長さの被覆部Fをリムーバ
等により除去し、光ファイバ61を露出させた状態でア
ルコール等で被覆屑を拭き取る。そして、光ファイバ6
1をカッタ等で所定の長さに切断した後、図31に示す
ように、放電加工により光ファイバ61の前端面61a
の丸み付け処理を行う。これは、フェルール60に光フ
ァイバ61を挿入させる際に、光ファイバ61がフェル
ール60に接触することで起こる端面欠けを無くすこと
と、挿入作業の迅速化を目的としている。しかも、PC
型コネクタの場合にはPCし易くなる。なお、これと同
等なエッジ処理としては、図32に示すように、光ファ
イバ61の先端面61を、研磨ロータ67や手作業によ
り機械的に処理してもよい。
【0056】次に、光ファイバ受入れ凹部66内にグリ
ース状のシリコン系屈折率整合剤Kが入り込むように、
光ファイバ押当て部材65のフェルール突当て面65a
に屈折率整合剤Kを塗布する。この場合、屈折率整合剤
Kの厚さは数十μm程度とする。その後、フェルール6
0の光ファイバ位置決め孔4内に接着剤Rを充填するか
又は光ファイバ61の表面に接着剤Rを塗布した状態
で、フェルール60の光ファイバ位置決め孔4内に空気
(気泡)等を巻き込まないようにして、光ファイバ61
を光ファイバ位置決め孔4内に挿入する。空気を巻き込
んで取付けてしまった場合、光ファイバ61とフェルー
ル60との接着強度が長期的にみると劣化したり、ま
た、気泡部分と各材質の膨張係数の違いで特性的に悪影
響を及ぼすことが予想される。利用される接着剤Rとし
ては、フェルール60の材質にもよるが、例えば、熱硬
化型接着剤(エポキシ系)、常温硬化型接着剤(エポキ
シ系)、紫外線硬化型接着剤(UV系)、瞬間接着剤
(シアノアクリレート系)が適切である。接着剤Rの粘
度は、1〜3000cpsのものを使用すると好適であ
る。
【0057】そして、挿入後の光ファイバ61の先端面
61aを、フェルール60の前端面60aと略同じ位置
に仮固定し、フェルール60の光接続口63から漏れ出
た余剰な接着剤Rを綿棒等で拭き取る。この接着剤Rを
残したままにしておくと、フェルール60の周囲や前端
面60aに付着した接着剤Rによって、フェルール60
が他の部材と接着しまうからである。
【0058】その後、図33に示すように、バネ性をも
って径方向への拡大を可能にした円筒状の金属製又はジ
ルコニア製の割スリーブ70の一開口側からフェルール
60を差し込み、割スリーブ70の他の開口側から光フ
ァイバ押当て部材65を差し込む。その結果、図34
(a)に示すように、割スリーブ70内で、フェルール
60の前端面60aに光ファイバ押当て部材65のフェ
ルール突当て面65aを押し当てる。そして、図34
(b)に示すように、光ファイバ61を前進させ、図3
5に示すように、光ファイバ受入れ凹部66の光ファイ
バ押当て面66aに光ファイバ61の先端面61aが突
き当たるまで光ファイバ心線62を前進させ続ける。そ
の結果、光ファイバ61の先端面61aは、フェルール
60の前端面60aに対して1〜2μm程度突き出した
状態となる。更に、光ファイバ受入れ凹部66内は屈折
率整合剤Kで満たされており、光ファイバ61の先端部
分は屈折率整合剤K内に完全に埋没することになる。そ
して、屈折率整合剤Kの存在する部分には接着剤Rが存
在しないことになる。
【0059】このような現象は、接着剤Rの粘度に対し
て屈折率整合剤Kの粘度がかなり高いことや屈折率整合
剤Kに含まれる油分に起因するものである。そこで、図
34(b)に示すように、光ファイバ61を前進させる
と、光ファイバ61に付着した接着剤Rが屈折率整合剤
Kによって後退させられるような接着剤排除現象を起こ
す。従って、光ファイバ61の先端面61aを屈折率整
合剤K内に潜り込ませるようにすると、光の出射面又は
入射面をなす光ファイバ61の先端面61aにおいて
は、接着剤Rが排除された状態が簡単に作り出されるこ
とになる。さらに、屈折率整合剤Kの油分は、光ファイ
バ位置決め孔4内に入り込みながら、非接着領域を拡大
していく働きがある。
【0060】このような作業が完了した後、割スリーブ
70からフェルール60及び光ファイバ押当て部材65
を引き抜くことで、フェルール60に対する光ファイバ
61の組付け作業は完了する(図36参照)。この場
合、フェルール60の前端面60aを精密研磨するよう
な工程を必要とせず、作業時間の大幅な短縮に寄与す
る。また、屈折率整合剤Kが用途上不要である場合、接
着剤Rの硬化後に屈折率整合剤Kを洗浄等により除去す
ることもある(図27参照)。これは、PC型光コネク
タの組立てを可能にする。
【0061】なお、フェルール60の前端面60aから
光ファイバ61の先端面61aを、5〜50μm程度埋
没させる場合には、図5に示すような位置決め凸部をも
った光ファイバ押当て部材を利用すると適切である。
【0062】
【発明の効果】本発明による光ファイバ取付方法は次の
ような効果をもっている。すなわち、フェルールの前端
面に形成した光接続口からフェルールの内部に向けて延
びる光ファイバ位置決め孔内に、光ファイバを挿入固定
させる光ファイバ取付方法において、光ファイバの先端
部分の外面又はフェルールの光ファイバ位置決め孔内の
少なくとも一方に、接着剤を塗布した後に、光ファイバ
をフェルールの光ファイバ位置決め孔内に挿入する工程
と、フェルールの光接続口内又はその周囲に、接着剤よ
り粘性の高い物質を配置させる工程と、フェルールの前
端面に光ファイバ押当て部材を当接させる工程と、光フ
ァイバの先端面と光ファイバ押当て部材とを当接させる
工程とを備えたことにより、光ファイバをフェルールに
固定させる際の作業の効率化及び確実性を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ取付方法に適用するフ
ェルール及び多心の光ファイバ心線を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のフェルールに多心の光ファイバ心線を取
り付けた状態を示す光コネクタの平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図3の要部拡大断面図である。
【図5】本発明に係る光ファイバ取付方法に適用する光
ファイバ押当て部材を示す斜視図である。
【図6】所定長さにカットされた光ファイバ心線を示す
平面図である。
【図7】光ファイバの放電加工状態を示す拡大図であ
る。
【図8】光ファイバの研磨加工状態を示す拡大図であ
る。
【図9】フェルールに光ファイバ押当て部材を組付ける
前の状態を示す平面図である。
【図10】フェルールに光ファイバ押当て部材を組付け
た後の状態を示す平面図である。
【図11】光ファイバに塗布した接着剤が屈折率整合剤
によって後退させられるような接着剤排除現象を示す拡
大断面図である。
【図12】フェルール内に光ファイバを挿入した状態を
示す要部拡大断面図である。
【図13】光ファイバ心線に整列荷重を加えた状態を示
す平面図である。
【図14】光ファイバの先端面が一列に整列した状態を
示す断面図である。
【図15】断面C字状の光ファイバ整列溝を示す拡大断
面図である。
【図16】フェルールに接着剤を充填した状態を示す平
面図である。
【図17】フェルールに光ファイバを取付完了した光コ
ネクタを示す平面図である。
【図18】光ファイバ押当て部材の他の変形例を示す斜
視図である。
【図19】図17の光ファイバ押当て部材を利用して、
光ファイバの先端面をフェルール内で位置決めさせた状
態を示す要部拡大断面図である。
【図20】フェルールから光ファイバの先端面を突出さ
せた状態を示す要部拡大断面図である。
【図21】光ファイバ押当て部材の更に他の変形例を示
す斜視図である。
【図22】図20の光ファイバ押当て部材を利用して、
光ファイバの先端面をフェルールから突出させて位置決
めした状態を示す要部拡大断面図である。
【図23】光ファイバ押当て部材の更に他の変形例を示
す斜視図である。
【図24】本発明に係る光ファイバ取付方法を適用して
製作した光コネクタを示す斜視図である。
【図25】本発明に係る光ファイバ取付方法に適用する
フェルール及び単心の光ファイバ心線を示す斜視図であ
る。
【図26】図25のフェルールに単心の光ファイバ心線
を固定した状態を示す光コネクタの平面図である。
【図27】図26の要部拡大断面図である。
【図28】本発明に係る光ファイバ取付方法に適用する
光ファイバ押当て部材を示す斜視図である。
【図29】図28に示した光ファイバ押当て部材の断面
図である。
【図30】所定長さにカットされた光ファイバ心線を示
す平面図である。
【図31】光ファイバの放電加工状態を示す拡大図であ
る。
【図32】光ファイバの研磨加工状態を示す拡大図であ
る。
【図33】割スリーブを示す斜視図である。
【図34】フェルールに光ファイバ押当て部材を押し当
てた後の状態を示す拡大断面図である。
【図35】光ファイバ押当て部材に光ファイバの先端面
を押し当てた状態を示す断面図である。
【図36】割スリーブから引き抜かれたフェルールを示
す要部拡大断面図である。
【図37】従来の光ファイバ取付方法を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1,60…フェルール、1a,60a…フェルールの前
端面、3,61…光ファイバ、3a,61a…光ファイ
バの先端面、4…光ファイバ位置決め孔、5,63…光
接続口、20,30,40,50,65…光ファイバ押
当て部材、21a,31,41a,51a,66a…光
ファイバ押当て面、R…接着剤、K…屈折率整合剤(粘
性の高い物質)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェルールの前端面に形成した光接続口
    から前記フェルールの内部に向けて延びる光ファイバ位
    置決め孔内に、光ファイバを挿入固定させる光ファイバ
    取付方法において、 前記光ファイバの先端部分の外面又は前記フェルールの
    前記光ファイバ位置決め孔内の少なくとも一方に、接着
    剤を塗布した後に、前記光ファイバを前記フェルールの
    前記光ファイバ位置決め孔内に挿入する工程と、 前記フェルールの前記光接続口内又はその周囲に、前記
    接着剤より粘性の高い物質を配置させる工程と、 前記フェルールの前記前端面に光ファイバ押当て部材を
    当接させる工程と、 前記光ファイバの前記先端面と前記光ファイバ押当て部
    材とを当接させる工程とを備えたことを特徴とする光フ
    ァイバ取付方法。
  2. 【請求項2】 前記フェルールの前記前端面と前記光フ
    ァイバ押当て部材の光ファイバ押当て面との少なくとも
    一方に、粘性の高い前記物質を配置させておくことを特
    徴とする請求項1記載の光ファイバ取付方法。
  3. 【請求項3】 前記フェルールの前記光ファイバ位置決
    め孔内に前記光ファイバを挿入する前に、前記光ファイ
    バ押当て部材を前記フェルールの前記前端面に当接さ
    せ、その後、前記光ファイバの前記先端面を前記光ファ
    イバ押当て部材に突き当てることを特徴とする請求項1
    又は2記載の光ファイバ取付方法。
  4. 【請求項4】 前記フェルールの前記光ファイバ位置決
    め孔内に前記光ファイバを挿入した後に、前記光ファイ
    バ押当て部材を前記フェルールの前記前端面に当接させ
    ると共に前記光ファイバ押当て部材を前記光ファイバの
    前記先端面に突き当てることを特徴とする請求項1又は
    2記載の光ファイバ取付方法。
  5. 【請求項5】 前記接着剤の硬化後に、前記物質を除去
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載
    の光ファイバ取付方法。
  6. 【請求項6】 前記物質は、ゲル状のものであることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の光ファイ
    バ取付方法。
  7. 【請求項7】 前記物質は屈折率整合剤であることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の光ファイバ
    取付方法。
  8. 【請求項8】 前記光ファイバを複数本にして、前記光
    ファイバ押当て部材の前記光ファイバ押当て面に対し
    て、前記光ファイバの各先端面を、整列荷重をもって押
    圧させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項
    記載の光ファイバ取付方法。
  9. 【請求項9】 前記接着剤を前記光ファイバに付着させ
    る前に、前記光ファイバの前記先端面を放電加工により
    エッジ除去処理することを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか一項記載の光ファイバ取付方法。
  10. 【請求項10】 前記接着剤を前記光ファイバに付着さ
    せる前に、前記光ファイバの前記先端面を研磨加工によ
    りエッジ除去処置することを特徴とする請求項1〜8の
    いずれか一項記載の光ファイバ取付方法。
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