JPH11316199A - 半導体検出器のx線スペクトルのピーク強度計算方法 - Google Patents
半導体検出器のx線スペクトルのピーク強度計算方法Info
- Publication number
- JPH11316199A JPH11316199A JP10123569A JP12356998A JPH11316199A JP H11316199 A JPH11316199 A JP H11316199A JP 10123569 A JP10123569 A JP 10123569A JP 12356998 A JP12356998 A JP 12356998A JP H11316199 A JPH11316199 A JP H11316199A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】半導体検出器で測定されたX線スペクトルのピ
ーク強度を、余分な時間をかけることなく正確に求め
る。 【解決手段】X線スペクトルSPの低エネルギ側の裾野
に現れるテール成分が存在する領域に対して繰り返し平
滑化を行ってテール曲線Taを求め、この曲線Taをテ
ール領域でのバックグラウンドとし、そのテール曲線T
aを含んだバックグラウンドBGをX線スペクトルSP
から差し引くことによってピークのみのスペクトルを求
め、そのピークのみのフィッティングによりピーク強度
を求める。
ーク強度を、余分な時間をかけることなく正確に求め
る。 【解決手段】X線スペクトルSPの低エネルギ側の裾野
に現れるテール成分が存在する領域に対して繰り返し平
滑化を行ってテール曲線Taを求め、この曲線Taをテ
ール領域でのバックグラウンドとし、そのテール曲線T
aを含んだバックグラウンドBGをX線スペクトルSP
から差し引くことによってピークのみのスペクトルを求
め、そのピークのみのフィッティングによりピーク強度
を求める。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギ分散型蛍
光X線分析装置(EDXRF)、EDX−EPMA、S
EM−EDXなどに使用される半導体検出器のX線スペ
クトルのピーク強度(面積)を計算する方法に関する。
光X線分析装置(EDXRF)、EDX−EPMA、S
EM−EDXなどに使用される半導体検出器のX線スペ
クトルのピーク強度(面積)を計算する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体検出器で測定したX線のスペクト
ルは、主に、X線ピーク、ピークの低エネルギ側の裾野
に現れるテール、バックグラウンドの3つの成分に分け
られる(図3参照)。テール成分は、検出器表面の不感
層での電荷収集の不完全さが原因となって発生する、半
導体検出器特有の成分である。
ルは、主に、X線ピーク、ピークの低エネルギ側の裾野
に現れるテール、バックグラウンドの3つの成分に分け
られる(図3参照)。テール成分は、検出器表面の不感
層での電荷収集の不完全さが原因となって発生する、半
導体検出器特有の成分である。
【0003】半導体検出器を用いた分析装置では、通
常、データ処理装置を用いてX線スペクトルの波形解析
処理(ピーク検出・バックグラウンド推定・テール推定
・ピークフィッティング)を行って統計的ノイズや他の
成分を除き、X線ピーク強度を算出する。すなわち、バ
ックグラウンドを差し引いたX線スペクトルに対してピ
ーク検出を行い、検出したピークに対してピークモデル
(例えばガウス関数)をフィッティングし、その結果か
ら強度を算出する。このような計算法において、テール
成分は、その形状を表す関数を含めたピークモデルでピ
ークと同時にフィッティングして、大きさを推定すると
いった方法が用いられる。しかしながら、計算時間がか
かるため、テール推定を行わないこともしばしばある。
常、データ処理装置を用いてX線スペクトルの波形解析
処理(ピーク検出・バックグラウンド推定・テール推定
・ピークフィッティング)を行って統計的ノイズや他の
成分を除き、X線ピーク強度を算出する。すなわち、バ
ックグラウンドを差し引いたX線スペクトルに対してピ
ーク検出を行い、検出したピークに対してピークモデル
(例えばガウス関数)をフィッティングし、その結果か
ら強度を算出する。このような計算法において、テール
成分は、その形状を表す関数を含めたピークモデルでピ
ークと同時にフィッティングして、大きさを推定すると
いった方法が用いられる。しかしながら、計算時間がか
かるため、テール推定を行わないこともしばしばある。
【0004】なお、バックグラウンドは、X線スペクト
ル全体に繰り返し平滑化(例えばSavitzky-Golay法)を
行うか、あるいはオペレータらが指定した点数を結ぶな
どの方法で求めるのが一般的である。
ル全体に繰り返し平滑化(例えばSavitzky-Golay法)を
行うか、あるいはオペレータらが指定した点数を結ぶな
どの方法で求めるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ピーク強度
計算法において、ピーク検出の際にテール成分が推定さ
れていないと、テール領域中の本来ノイズであるもの
を、その高さにテール成分を含めてしまうが故に、十分
な大きさを持つとしてピークと判断してしまうという問
題がある。また、本来ピークであるものについても、そ
の高さにテール成分が含まれるので高さが不正確になる
という問題がある。
計算法において、ピーク検出の際にテール成分が推定さ
れていないと、テール領域中の本来ノイズであるもの
を、その高さにテール成分を含めてしまうが故に、十分
な大きさを持つとしてピークと判断してしまうという問
題がある。また、本来ピークであるものについても、そ
の高さにテール成分が含まれるので高さが不正確になる
という問題がある。
【0006】すなわち、図4に示すように、X線スペク
トルは実際には滑らかではなく、多少の凹凸があり、こ
のためテール成分を推定しないと、ノイズ及びテー
ル領域中のピークの双方とも、本来の高さa,A(スペ
クトルとテールの差)ではなく、高さb,B(スペクト
ルとバックグラウンドの差;b>a,B>A)と評価し
てしまい、ノイズをピークとするというような誤検出が
起こり、またテール領域中のピークの高さが不正確にな
る。その結果として、ピーク強度の計算値が不正確にな
る。
トルは実際には滑らかではなく、多少の凹凸があり、こ
のためテール成分を推定しないと、ノイズ及びテー
ル領域中のピークの双方とも、本来の高さa,A(スペ
クトルとテールの差)ではなく、高さb,B(スペクト
ルとバックグラウンドの差;b>a,B>A)と評価し
てしまい、ノイズをピークとするというような誤検出が
起こり、またテール領域中のピークの高さが不正確にな
る。その結果として、ピーク強度の計算値が不正確にな
る。
【0007】一方、テールの推定にテール形状関数を含
めたピークモデルのフィッティングを行うと、図5に示
すように、ピークのみのモデルの場合に比べて、フィッ
ティング領域が広くなるため、変数が多くなって計算時
間が長くなるという問題がある。このためテール推定を
実施しないこともしばしばあるが、その場合は、先に述
べたようにピーク強度の値が不正確になる。
めたピークモデルのフィッティングを行うと、図5に示
すように、ピークのみのモデルの場合に比べて、フィッ
ティング領域が広くなるため、変数が多くなって計算時
間が長くなるという問題がある。このためテール推定を
実施しないこともしばしばあるが、その場合は、先に述
べたようにピーク強度の値が不正確になる。
【0008】本発明はそのような実情に鑑みてなされた
もので、半導体検出器で測定されたX線スペクトルのピ
ーク強度を、余分な時間をかけることなく正確に求める
ことが可能な計算方法の提供を目的とする。
もので、半導体検出器で測定されたX線スペクトルのピ
ーク強度を、余分な時間をかけることなく正確に求める
ことが可能な計算方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のピーク強度計算方法は、X線スペクトルの
低エネルギ側の裾野に現れるテール成分が存在する領域
に対して繰り返し平滑化を行ってテール曲線を求め、こ
の曲線をテール領域でのバックグラウンドとし、そのテ
ール曲線を含んだバックグラウンドをX線スペクトルか
ら差し引くことによってピークのみのスペクトルを求
め、そのピークのみのフィッティングによりピーク強度
を求めることによって特徴づけられる。
め、本発明のピーク強度計算方法は、X線スペクトルの
低エネルギ側の裾野に現れるテール成分が存在する領域
に対して繰り返し平滑化を行ってテール曲線を求め、こ
の曲線をテール領域でのバックグラウンドとし、そのテ
ール曲線を含んだバックグラウンドをX線スペクトルか
ら差し引くことによってピークのみのスペクトルを求
め、そのピークのみのフィッティングによりピーク強度
を求めることによって特徴づけられる。
【0010】本発明のピーク強度計算方法によれば、テ
ール成分が存在する領域に対して繰り返し平滑化を行っ
てテール曲線を求め、その曲線をテール成分が存在する
領域のバックグラウンドとして用いているので、テール
領域でのノイズをピークとする誤検出をなくすことがで
きる。またピーク高さを正確に求めることができる。し
かも、テール成分についてフィッティングを行う必要が
なく、ピークについてのフィッティングだけでよいの
で、余分な計算時間をかけることなく、ピーク強度を算
出できる。
ール成分が存在する領域に対して繰り返し平滑化を行っ
てテール曲線を求め、その曲線をテール成分が存在する
領域のバックグラウンドとして用いているので、テール
領域でのノイズをピークとする誤検出をなくすことがで
きる。またピーク高さを正確に求めることができる。し
かも、テール成分についてフィッティングを行う必要が
なく、ピークについてのフィッティングだけでよいの
で、余分な計算時間をかけることなく、ピーク強度を算
出できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、以下、図面に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0012】まず、本発明を適用するエネルギ分散型蛍
光X線分析装置の概略構成を、図1を参照しつつ説明す
る。
光X線分析装置の概略構成を、図1を参照しつつ説明す
る。
【0013】図1のX線分析装置は、測定系として試料
室1及び試料台2と、その試料台2に設置された被測定
試料3にX線を照射するX線管4と、半導体(EDX)
検出器5を備え、X線管4から発した1次X線によって
被測定試料3を励起し、これにより発生した特性X線を
半導体検出器5で検出するように構成されている。
室1及び試料台2と、その試料台2に設置された被測定
試料3にX線を照射するX線管4と、半導体(EDX)
検出器5を備え、X線管4から発した1次X線によって
被測定試料3を励起し、これにより発生した特性X線を
半導体検出器5で検出するように構成されている。
【0014】半導体検出器5からの出力信号は、前置増
幅器6及び比例増幅器(波形整形回路)7で増幅・波形
整形され、さらにA/D変換器8によってデジタル信号
に変換された後、マルチチャンネルアナライザ(MC
A)9を経てデータ処理装置10に取り込まれる。デー
タ処理装置10では、半導体検出器5からの検出信号に
基づいて、被測定試料3のX線スペクトル(横軸:チャ
ンネル、縦軸:強度(図2参照))を求め、そのX線ス
ペクトルの波形解析処理を行ってピーク強度を算出す
る。そして、求めたピーク強度値を基に被測定試料3の
定性・定量分析を行う。
幅器6及び比例増幅器(波形整形回路)7で増幅・波形
整形され、さらにA/D変換器8によってデジタル信号
に変換された後、マルチチャンネルアナライザ(MC
A)9を経てデータ処理装置10に取り込まれる。デー
タ処理装置10では、半導体検出器5からの検出信号に
基づいて、被測定試料3のX線スペクトル(横軸:チャ
ンネル、縦軸:強度(図2参照))を求め、そのX線ス
ペクトルの波形解析処理を行ってピーク強度を算出す
る。そして、求めたピーク強度値を基に被測定試料3の
定性・定量分析を行う。
【0015】次に、データ処理装置10での波形解析処
理(バックグラウンド推定・ピーク検出・テール推定・
ピーク強度算出)を、図2を参照しつつ以下に詳しく説
明する。なお、本実施の形態においては、X線スペクト
ルのピークはガウス関数で近似できるものする。また、
ガウス関数の幅(標準偏差):σはピーク位置の関数と
して計算できるものとする。
理(バックグラウンド推定・ピーク検出・テール推定・
ピーク強度算出)を、図2を参照しつつ以下に詳しく説
明する。なお、本実施の形態においては、X線スペクト
ルのピークはガウス関数で近似できるものする。また、
ガウス関数の幅(標準偏差):σはピーク位置の関数と
して計算できるものとする。
【0016】まず、測定スペクトルSPにスムージング
を施した後、バックグラウンドBGを、先に述べた方法
つまりスペクトル全体に繰り返し平滑化を行うか、ある
いはスペクトル上に指定した数点を結ぶなどの方法によ
り求める。
を施した後、バックグラウンドBGを、先に述べた方法
つまりスペクトル全体に繰り返し平滑化を行うか、ある
いはスペクトル上に指定した数点を結ぶなどの方法によ
り求める。
【0017】次いで、求めたバックグラウンドBGを測
定スペクトルSPから差し引き、残ったスペクトルに対
してピーク検出を行う。そのピーク検出は、スペクトル
の2次微分(平滑化微分法)を取り、その値がゼロとな
る点をピーク位置とする等の方法で行う。なお、本実施
の形態では、ノイズとピークとを区別するため、ピーク
位置でのバックグラウンドを差し引いたピーク高さが、
しきい値以上であるものをピークとする。
定スペクトルSPから差し引き、残ったスペクトルに対
してピーク検出を行う。そのピーク検出は、スペクトル
の2次微分(平滑化微分法)を取り、その値がゼロとな
る点をピーク位置とする等の方法で行う。なお、本実施
の形態では、ノイズとピークとを区別するため、ピーク
位置でのバックグラウンドを差し引いたピーク高さが、
しきい値以上であるものをピークとする。
【0018】次に、テール曲線を下記の〜の処理で
求める。 図2おいて測定スペクトルSPのテール領域の始点P
1 の位置をピーク位置から10σだけ低エネルギ側の位
置とする。また始点P1 の高さを、その位置でのバック
グラウンドBGの値とする。
求める。 図2おいて測定スペクトルSPのテール領域の始点P
1 の位置をピーク位置から10σだけ低エネルギ側の位
置とする。また始点P1 の高さを、その位置でのバック
グラウンドBGの値とする。
【0019】テール領域の終点P2 の位置をピーク位
置からσだけ低エネルギ側の位置とする。また、終点P
2 の高さを、その位置でのバックグラウンドの値と、ピ
ーク位置とピーク高さ・σで定まるガウス関数の高さ
の、終点P2 の位置での値との和とする。
置からσだけ低エネルギ側の位置とする。また、終点P
2 の高さを、その位置でのバックグラウンドの値と、ピ
ーク位置とピーク高さ・σで定まるガウス関数の高さ
の、終点P2 の位置での値との和とする。
【0020】始点P1 −終点P2 間の領域(テール領
域)の測定スペクトルに対して繰り返し平滑化を行って
曲線Ta′を求める。ただし、その平滑化処理には、始
点P1 ・終点P2 を含めず、その点の高さが変化しない
ような処理とする。
域)の測定スペクトルに対して繰り返し平滑化を行って
曲線Ta′を求める。ただし、その平滑化処理には、始
点P1 ・終点P2 を含めず、その点の高さが変化しない
ような処理とする。
【0021】平滑化で得られた曲線Ta′には一部ピ
ーク分が含まれているため、において終点高さを求め
たガウス関数分を曲線Ta′から差し引いて、終点P2
にて滑らかにバックグラウンドに接続するテール曲線T
aを得る。なお、始点P1 ではバックグラウンドBG上
の点を使用しているため、この始点P1 も滑らかにバッ
クグラウンドに接続している。
ーク分が含まれているため、において終点高さを求め
たガウス関数分を曲線Ta′から差し引いて、終点P2
にて滑らかにバックグラウンドに接続するテール曲線T
aを得る。なお、始点P1 ではバックグラウンドBG上
の点を使用しているため、この始点P1 も滑らかにバッ
クグラウンドに接続している。
【0022】ここで、ガウス関数が有意な値を取るの
は、ピーク位置から4σ程度のところであるので、テー
ル曲線Taを求める実際の計算は、ピーク位置から4σ
の位置から1σ(終点P2 )の位置まででよい。
は、ピーク位置から4σ程度のところであるので、テー
ル曲線Taを求める実際の計算は、ピーク位置から4σ
の位置から1σ(終点P2 )の位置まででよい。
【0023】テール曲線Taを始点P1 −終点P2 間
のバックグラウンドとする。なお、以上のようなテール
曲線Taを求める処理は、始点P1 −終点P2 間に、テ
ール成分が無視できない(一定の大きさ値以上の高さを
持つ)別のピークが存在する場合、そのピークの全てに
ついて行って、ピークとノイズとの区別を正確に行って
おく。
のバックグラウンドとする。なお、以上のようなテール
曲線Taを求める処理は、始点P1 −終点P2 間に、テ
ール成分が無視できない(一定の大きさ値以上の高さを
持つ)別のピークが存在する場合、そのピークの全てに
ついて行って、ピークとノイズとの区別を正確に行って
おく。
【0024】そして、本実施の形態においては、以上の
ようにして求めたテール曲線Taを含んだバックグラウ
ンドを用いて、その領域で検出したピーク高さを修正
し、ピーク検出のしきい値と比較し直す。このような処
理により、テール成分を含めたが故にピークと誤認した
ノイズを除くことができる。また、ピークが存在した場
合もテール成分を除いた正確なピーク高さを求めること
ができる。
ようにして求めたテール曲線Taを含んだバックグラウ
ンドを用いて、その領域で検出したピーク高さを修正
し、ピーク検出のしきい値と比較し直す。このような処
理により、テール成分を含めたが故にピークと誤認した
ノイズを除くことができる。また、ピークが存在した場
合もテール成分を除いた正確なピーク高さを求めること
ができる。
【0025】さらに、以上のテール曲線Taとバックグ
ラウンドとを、スムージングを施した測定スペクトルか
ら差し引くことで、ピークのみのスペクトルを求めるこ
とができる。また、このようなテール曲線込みのバック
グラウンドを用いることで、ピークのみのモデルでフィ
ッティングを行うことができる。その結果、正確なピー
ク強度を、余分な時間をかけることなく求めることがで
きる。
ラウンドとを、スムージングを施した測定スペクトルか
ら差し引くことで、ピークのみのスペクトルを求めるこ
とができる。また、このようなテール曲線込みのバック
グラウンドを用いることで、ピークのみのモデルでフィ
ッティングを行うことができる。その結果、正確なピー
ク強度を、余分な時間をかけることなく求めることがで
きる。
【0026】ここで、以上の実施の形態では、測定スペ
クトルSPのテール領域の始点P1の位置を、ピーク位
置から10σだけ低エネルギ側の位置としているが、こ
れに限られることなく、そのテール領域の始点P1 は、
テールピークの影響が小さい領域の任意の点を採用して
もよい。また、テール領域の終点P2 の位置について
は、ピーク位置から低エネルギ側に0.5σ〜3σの範
囲が適当であるが、上記した実施の形態のように、ピー
ク位置からσだけ低エネルギ側の位置とすることが、よ
り正確なピーク強度を得る上で最も好ましい。
クトルSPのテール領域の始点P1の位置を、ピーク位
置から10σだけ低エネルギ側の位置としているが、こ
れに限られることなく、そのテール領域の始点P1 は、
テールピークの影響が小さい領域の任意の点を採用して
もよい。また、テール領域の終点P2 の位置について
は、ピーク位置から低エネルギ側に0.5σ〜3σの範
囲が適当であるが、上記した実施の形態のように、ピー
ク位置からσだけ低エネルギ側の位置とすることが、よ
り正確なピーク強度を得る上で最も好ましい。
【0027】なお、以上の実施の形態では、X線スペク
トルのピークをガウス関数で近似してピーク強度を求め
る計算法に本発明を適用した例を示しているが、本発明
はこれに限定されることなく、他の関数のピークモデル
を用いてピーク強度を求める計算法にも適用できる。
トルのピークをガウス関数で近似してピーク強度を求め
る計算法に本発明を適用した例を示しているが、本発明
はこれに限定されることなく、他の関数のピークモデル
を用いてピーク強度を求める計算法にも適用できる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のピーク強
度計算方法によれば、テール成分が存在する領域に対し
て繰り返し平滑化を行ってテール曲線を求め、この曲線
をテール領域でのバックグラウンドとし、そのテール曲
線を含んだバックグラウンドをX線スペクトルから差し
引くことによってピークのみのスペクトルを求めてピー
ク強度を得るので、テール領域でのピークとノイズを正
確に判定できるととともに、テール領域に存在するピー
ク高さを正確に求めることができる。その結果、X線ス
ペクトルのピーク強度を正確に求めることができる。し
かも、テール推定のためにフィッティングを行う必要が
なく、ピークについてのフィッティングのみを行えばよ
いので、正確なピーク強度を余分な計算時間を掛けるこ
となく求めることができる。
度計算方法によれば、テール成分が存在する領域に対し
て繰り返し平滑化を行ってテール曲線を求め、この曲線
をテール領域でのバックグラウンドとし、そのテール曲
線を含んだバックグラウンドをX線スペクトルから差し
引くことによってピークのみのスペクトルを求めてピー
ク強度を得るので、テール領域でのピークとノイズを正
確に判定できるととともに、テール領域に存在するピー
ク高さを正確に求めることができる。その結果、X線ス
ペクトルのピーク強度を正確に求めることができる。し
かも、テール推定のためにフィッティングを行う必要が
なく、ピークについてのフィッティングのみを行えばよ
いので、正確なピーク強度を余分な計算時間を掛けるこ
となく求めることができる。
【図1】本発明を適用するエネルギ分散型蛍光X線分析
装置の概略構成を示すブロック図である。
装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のX線スペクトルのピーク強度計算方法
の説明図である。
の説明図である。
【図3】半導体検出器で測定したX線スペクトルの例を
示す図である。
示す図である。
【図4】従来のピーク強度計算方法の問題点の説明図で
ある。
ある。
【図5】他のピーク強度計算方法の問題点の説明図であ
る。
る。
1 試料室 2 試料台 3 被測定試料 4 X線管 5 半導体検出器 6 前置増幅器 7 比例増幅器 8 A/D変換器 9 マルチチャンネルアナライザ 10 データ処理装置
Claims (1)
- 【請求項1】 半導体検出器で測定したX線スペクトル
のピーク強度を計算する方法であってあって、 X線スペクトルの低エネルギ側の裾野に現れるテール成
分が存在する領域に対して繰り返し平滑化を行ってテー
ル曲線を求め、この曲線をテール領域でのバックグラウ
ンドとし、そのテール曲線を含んだバックグラウンドを
X線スペクトルから差し引くことによってピークのみの
スペクトルを求め、そのピークのみのフィッティングに
よりピーク強度を求めることを特徴とする、半導体検出
器のX線スペクトルのピーク強度計算方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10123569A JPH11316199A (ja) | 1998-05-06 | 1998-05-06 | 半導体検出器のx線スペクトルのピーク強度計算方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10123569A JPH11316199A (ja) | 1998-05-06 | 1998-05-06 | 半導体検出器のx線スペクトルのピーク強度計算方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11316199A true JPH11316199A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=14863833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10123569A Pending JPH11316199A (ja) | 1998-05-06 | 1998-05-06 | 半導体検出器のx線スペクトルのピーク強度計算方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11316199A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012058146A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Jeol Ltd | X線検出システム |
KR20180011763A (ko) * | 2015-04-02 | 2018-02-02 | 소레크 뉴클리어 리서치 센터 | Xrf 마킹을 판독하는 장치와 방법 |
JP2019086455A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | 日本電子株式会社 | データ処理装置及びデータ処理方法 |
JP2020085565A (ja) * | 2018-11-20 | 2020-06-04 | 日本電子株式会社 | 表面分析装置および表面分析方法 |
-
1998
- 1998-05-06 JP JP10123569A patent/JPH11316199A/ja active Pending
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CN107735676A (zh) * | 2015-04-02 | 2018-02-23 | 索雷克核研究中心 | 用于读取x射线荧光标记的系统和方法 |
JP2018517148A (ja) * | 2015-04-02 | 2018-06-28 | ソレック ニュークリア リサーチ センター | X線蛍光標識を読み取るためのシステムおよび方法 |
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US10969351B2 (en) | 2015-04-02 | 2021-04-06 | Soreq Nuclear Research Center | System and method for reading x-ray-fluorescence marking |
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