JP3807306B2 - クロマトデータ処理装置、クロマトデータ処理方法、及びクロマトグラフ分析装置 - Google Patents
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Description
液体クロマトグラフなどのクロマトグラフィー技術に係り、特にデータ処理の方法に関する。
背景技術
液体クロマトグラフ分析装置やガスクロマトグラフ分析装置などのクロマトグラフィーにおいては、測定対象の試料をカラムを通過させることで成分毎に分離を行い、分離された成分を光度計などのクロマトグラフ用検出器によって、経過時間毎の出力値を検出する。
クロマトグラフ用検出器から出力される信号は、時間間隔が数百ms程度の時系列データとして記録される。これが、縦軸に信号強度,横軸に保持時間を持ついわゆるクロマトグラムである。一般に、信号強度は一定時間(時刻tj)毎にデジタル値Ijに変換され、データ処理が行われる。
第3図に、生体液アミノ酸分析を行って得たクロマトグラムを例示する。
第3図で示されるように、保持時間23〜34(min)の間には、Gly(グリシン)からTyr(チロシン)までの11成分のピークが非常に密集して存在している。この様な場合、従来であれば、各ピーク間の極小点、いわゆる“谷”から垂線をおろす垂直分割の方法を用いて面積・定量計算を行っていた。しかしこの方法は、ピークの重なりが強いほど数十%の誤差を生じ、不正確な結果を生む。従って、この様な状態のクロマトグラムをより高精度に定量分析したい場合は、分析時間を伸ばし、分離度を向上するのが一般的であった。
また、ピークの重なりが強いときであっても分析時間を伸ばさずに定量計算を行うために、数値解析を用いてデータ処理的に定量計算を行うことも試みられている。例えば、非線形最小二乗法を用いる方法である。
非線形最小二乗法を用いる場合、一成分のピークをフィッティングするために、独立したパラメータを最低3つ(A:面積,tR:保持時間、σ:標準偏差)変数として使用する。従って、複数の成分のピークをフィッティングするためには、成分(i)についてそれぞれAi,tRi,σiの3つのパラメータを求めることが必要となる。
非線形最小二乗法を使用する従来例として、特開平6−324029号公報や特開昭63−151851号公報がある。
これらの例では、クロマトグラム上の重なりピークは、ガウシアン関数、或いは非対称なピークを表現できるEMG関数(指数関数的に修飾されたガウシアン:Exponentially Modified Gaussian)等の波形関数を用いてカーブ・フィッティングすることが開示されている。これらの例に示されるように、非線形最小二乗法を用いることで、重なりピークを個々のピーク波形に分解することができ、個々のピーク成分に対応するピーク面積等のピークサイズが得られ、定量計算を行える。
発明の開示
しかし、非線形最小二乗法を用いた従来例では、ピーク波形の分解は2つまた3つ程度の重なりピークを対象としており、それ以上の重なりピークを分解することは行われていない。
これは通常、非線形最小二乗法のカーブ・フィッティングによってでピーク波形の分解を行う場合は、ピーク成分数が3,4,5・・・と多くなればなるほど、フィッティング処理が収束しづらくなる、あるいはピーク分解が正しく行われない(誤差が大きくなる)、といった現象が生じてしまうためである。
例えば、第3図のクロマトグラムの場合、GlyからTyrまでの11成分を一度にフィッティングしようとすると、11×3の33個のパラメータを1回で決定しなければならない。これは非線形の最小二乗法にとっては非常に困難な計算処理となり、解くためには様々な工夫が必要となる。 従って、クロマトグラフ上に数多くの重なりピークが存在する場合、非線形最小二乗法を用いてカーブ・フィッティングを行おうとすると、測定者が、一々2,3ピーク分の収束可能と思われる計算領域(タイムウインドウ)を指定してやらなければならず、非常に手間がかかる上、人の手により領域が決定されるため、計算結果の信頼性にも問題があった。
本発明の目的は、複数の重なりピークが存在するクロマトグラムに対しても非線形最小二乗法を用いたカーブ・フィッティングを容易に行うことができるクロマトグラフ装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の特徴は、測定対象試料がカラムによって分離され、当該分離された試料を検出して得られるクロマトグラムのデータ処理を行うクロマトデータ処理装置において、前記クロマトグラムの複数のピークが存在する任意の時間領域に対して、時間領域の早い方或いは時間領域の遅い方より一つのピーク毎にフィッティング処理を行い、当該処理が行われたピークを前記任意の時間領域中のクロマトグラムから減算することにより、クロマトグラムの複数のピークを分解することである。
なお、本発明の課題,作用、及び効果については後述する発明を実施するための形態の欄で詳しく説明する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例を説明する。
第2図は、本発明が適用される液体クロマトグラフの装置概要図である。まず、制御部5からの指示により送液ポンプ2によって溶離液1をカラム3に対して送液する。送液ポンプ2とカラム3の間には試料供給部8があり、試料が備えられたサンプラ7から制御部5の指示により試料が溶離液に対して供給される。試料はカラム3により分離され、UV検出器等の検出器4で検出される。検出されたデータであるクロマトグラムは、制御部5に送られ、データ解析が成され、結果がディスプレイ6上に表示され、またはプリンタ9で印刷される。
次に、検出の結果として、第3図のクロマトグラムが得られた場合の制御部95におけるデータ処理について説明する。
本実施例においては、主に以下の手順でクロマトグラムのデータ処理が行われる。
ステップ1:フィッティングをする時間区間の指定
ステップ2:重み付けパターンの選択
ステップ3:フィッティング方向の選択
ステップ4:フィッティング実行ボタンのクリック
ステップ5:結果の表示出力
第1図は、上記のクロマトグラムのデータ処理の詳細な工程を示すものである。本実施例では、2成分ずつフィッティング処理を行う例で説明する。
まず、得られた検出結果の内、フィッティングを行うクロマトグラムを選出し、処理を開始する(100)。ここで、変数i=1とする。
次に、フィッティング処理の対象となる保持時間の区間(タイムウインドウ)を設定する(101)。ここでは、第4図のクロマトグラムの中で、GlyからTyrまでの11成分のピーク群を対象として設定する。
タイムウインドウの設定は、第4図に示すように、ディスプレイ96上に表示されたクロマトグラムの時間軸をカーソルによりドラッグすることにより、タイムウインドウを設定する。あるいは、表示されたクロマトグラムのピークGlyとTyrをピックし、フィッティング開始ピークと終了ピークを選択することもできる。また直接、開始および終了の時間入力する方法も採れる。
次に、フィッティング計算に使用する波形関数を設定する。波形関数としては、例えば、“ガウシアン”または“EMG”かを選択する。この選択は、ディスプレイ96上に第5図に示すダイアログボックスから使用する波形関数を選択することによって行われる。
本実施例は2成分ずつフィッティングしていくものであるが、フィッティング方向の前方ピーク、つまり、第1ピークの波形をより正確に決定するために、第2ピークの波形以降の信号の影響を小さくする必要がある。このため次に、第6図(a)に示すような重み付け関数の設定を行う(103)。
重み付け関数は、2つのピークそれぞれに対する重み付けを示したものである。第6図(a)の例は、が、第1ピークのピークスタート時刻21からピークエンド(谷)時刻23までを重みw=1とし、第2ピークのピークスタート(谷)時刻23からピークエンド(谷)時刻25までは、重みwに直線的勾配をつけ、1から0まで落とした例である。尚、この重み付け関数は、種々様々なものが採用でき、以下に例を示す。
第6図(b):曲線的勾配にしたもの。第6図(c):S字的曲線勾配にしたもの。第6図(d):第1ピークスタート点から第2ピークエンド点までを直線的勾配にしたもの。第6図(e):第2ピークエンド点にも重みを0.5掛けたもの。第6図(f):第2ピーク極大点から第2ピークエンド点までを直線的勾配にしたもの。第6図(g):第1ピークの左半分をより重視し、第1ピーク極大点から第2ピークエンド点までを直線的勾配にしたもの。第1ピークエンド点(第2ピークスタート点)で重みを0.5掛けるようにする。第6図(h):第1ピークエンド点(第2ピークスタート点)から第2ピークエンド点まで重み0.5をフラットに掛けたもの。第6図(i):重み付けをしない場合に等価のもの。
具体的には、第7図に示すダイアログボックスをディスプレイ96上に表示させ、重み付けパターンを選択することにより設定する。ここで、任意設定を選択し、“オプション”ボタンを押すことで、第6図に示す上記の各種のパターン関数形グラフを設定できる。第6図の各種パターンは、予め制御部5内のハードディスク等の記憶装置に格納されており、第7図のダイアログボックスで指定されることで、容易に記憶装置から読み出して処理に使用することができる。
次に、フィッティングの計算を行う方向を決定する(104)。
つまり、第3図の例で言えば、前方(Gly側)から処理を行っていくか、後方(Tyr側)から行っていくかを決定する。具体的には、第7図のダイアログボックスで、設定を行う。
以下は、Gly側から処理を行っていく例で説明する。
以上でフィッティング処理に必要な条件の設定は終了である。
そこで、第7図のダイアログボックスで“OK”ボタンが選択されると、第8図に示すようなダイアログボックスが表示され、“実行”ボタンを押すことにより、フィッティングの計算処理が開始される。
計算処理が開始されると、まず、設定されたタイムウインドウ内のピーク数を検出し、Imaxとする(106)。
具体的には、設定されたタイムウインドウ内での変極点を検出し、極大点と極小点を求め、極大点をピークの頂点、極小点をピークの終点及び始点とすることで、各ピークの区間を定義する。このとき求められたピークの谷(極小点)と各点が存在する保持時間が関連付けて記憶される。
次に、Imaxとiとの差分を求める(107)。ここで、差分が3成分以上であると、工程107へ進む。
工程107で、差分3以上であると判断されたときは、工程103で設定された重み付け関数の幅が、工程105で検出されたピークの谷に合わせて調整される(108)。
第9図に、第1回目のフィッティング処理の領域が設定されたイメージを示す。重み付け関数の幅は、第9図に示すようなフィッティング領域の幅に合わせて調節される。
次に、フィッティング方向の前方2成分に対してフィッティング処理が行われる(109)。
以下に、フィッティングの具体的処理について説明する。
フィッティングのための波形関数f(t)には、前述のように、ガウシアンないしEMGが用いられる。まず、ガウシアンを用いた場合の例を数式1に示す。
【数式1】
ここでat+bはベースラインを表す。本実施例では、2つの成分ずつのフィッティング処理を行うため、上記の数式1となるが、非線形の最小二乗法の能力さえ確保できれば、3成分に増やすことも可能である。もちろんEMGへの拡張も可能である。数式2に数式1の一つのgi(t)をEMGへ置き換える場合の例を示す。
【数式2】
最小二乗法は、次の数式3のS1、または数式4のS2を最小にするように各フィッティングパラメータAi,tRi,σi,τiを決定する。ここで、Ijは測定クロマトグラムの信号強度、jは時刻tjを表す添え字、Nは時間区間のデータ点数である。S1及びS2は、何れを使用しても良い。
【数式3】
【数式4】
ここで得られた数式1のf(t)中のtRの小さな(即ち、保持時間の早い方)gi(t)が第1ピークGlyにあたり、第1成分波形が決定する(110)。
次に、オリジナルの測定クロマトグラムから第1成分波形g1(t)を減算し、Glyを切り取ったクロマトグラムを作成する(111)。第10図にGlyを切り取ったクロマトグラムのイメージを示す。尚、ベースラインat+bは、ピーク波形に影響を与えないために、減算しないほうが望ましい。
次に、変数iをインクリメントし、工程107に戻る。
以下、第1ピークのフィッティングの時と同様の手順で、AlaとCitを対象としてフィッティングを行い、第2ピークAlaに該当する第2成分波形を決定する。
この後、後方末端の2成分のLeu(ロイシン)とTyrが残った状態になるまで、順次Ala,Cit・・・と減算により切り出していき、残り2成分となったところで(i=2)、工程112に移行し、重み付けを行わずに、2成分のピークフィッティングを行い、最後の2成分のピーク波形を決定する(114)。そして、オリジナルクロマトグラムからこの2成分のピーク波形を減算し(115)、処理を終了する。
上記の一連の処理により、タイムウインドウ内の全てのピーク波形の分解が実行されたことになる。また、上記処理によれば、全てのピーク波形を切り出された残りのクロマトグラムがベースラインとなり、ベースラインも同時に求められたこととなる。
上記処理が終了すると、上記処理によって得られた各ピーク毎のパラメータを用いて定量計算(例えば濃度)が行われる。そして、計算結果として、以下の第11図のような表示が、ディスプレイ96上にピーク毎(成分毎)になされる。
ここで、各成分毎のパラメータは、上記処理によって不確かさ(ばらつき)が得られるため、この不確かさに基づき、定量値に対しても不確かさを算出することができる。
この定量値の不確かさが計算可能な点も、本実施例の特徴である。尚、定量値の不確かさを求める計算方法は、誤差伝播の式に従う。
また、フィッティングの優劣をこの定量値の不確かさの大きさで判定可能である(不確かさが小さい方が優れているといえる。)。例えば、この不確かさは、後述する前後方両端からフィッティングを行った場合の重なる部分の計算結果の優劣判定に使用できる。
本発明では、上記ピーク切り出しを行いながらピークの分解を行っていく上記処理を「シークェンシング」と呼び、このシークェンシングを行うクロマトデータ処理装置を「クロマト ピーク シークェンサ」と呼ぶ。
以上の説明は、前方末端からのフィッティング計算であったが、第7図のダイアログボックスでのフィッティング方向の設定により、後方末端からも実行できる。この場合は、第2ピークを示すg2(t)をクロマトグラムから減算し、また、重み付け関数の形状は左右逆転する。この順序であれば、第4図の場合Tyr,Leu,Ile(イソロイシン)の順に、保持時間の大きいものから切り出していける。
理想的には、前方後方どちらからフィッティングしていっても良いのだが、実際には、両端から最も重なりの程度の強いピークまでフィッティングを行うのが望ましい。このようなフィッティングを行う場合は、第7図のダイアログボックスで“自動判定”を選択する。
例えば、第3図のクロマトグラムの場合、LueとIleは重なりが強いため、GlyからCysthi(シスタチオニン)かIleまで前方シークェンシングを行い、LueかまたはIleまで後方シークェンシングを行う。こうすることにより、重なりの強いLueとIleに関しては、前方後方双方からのフィッティングの適合性を判断して、いずれかのフィッティング結果を採用・決定することができる。
ここで、適合性判断の指標には、上述のようにフィッティングパラメータAi,tRi,σi自体の不確かさ(ばらつき)を用いたり、または統計学的指標χ2や、χ2の収束率を見ている計算反復回数を用いることにより判断が可能となる。また、これらのパラメータを複数組合わせて判断を行えば、より総合的な判断もできる。いずれにしても、定量計算を目的とする場合、ピーク面積値Aiが正確に求まる必要があり、この不確かさが重視されるべきである。
(重み付け関数設定の他の実施例)
また、上記の工程102で設定する重み付け関数は、ダイアログボックス上で設定を行ったが、この他にも、第1表に示す表形式のプログラム設定や、第12図に示すクロマトグラムに重み付け関数を重ね合わせ表示して設定を行うグラフィカル設定でも設定可能である。
第1表の設定プログラムは、例として第6図(g)が設定された例を示している。測定者が、“重み値”と“形状”を入力することにより、重み付け関数が定義される。この第1表は、ディスプレィ上に表示される。
第12図は、ディスプレィ上のグロマトグラムに重み付け関数を重ねて表示しながら、設定する方法を示している。例えば、ノウド(節)31の周辺にポインティングデバイスによってカーソルを移動し、クリックして、特徴点の第1ピーク始点を表示させる。これで、ノウド31が確定する。ノウド31を移動したければピック後離す、いわゆるドラッギングも可能である。次に、ノウド32周辺をクリックし、ノウド31から垂直であり、重み1である点までドラッグし、ノウド32を確定する。ここで自動的にノウド31からノウド32までの垂直線が描かれ、決定する。同様にノウド33,34を決定し、重み付け関数を設定できる。重み付け関数を変更したければ、任意のノウドをクリックし、ハイライトを当て、変更設定を行う。また、ノウドの削除もできる。また、任意の場所をクリックすることで新規のノウドも追加可能である。ノウド間の線分を曲線にする場合は、目的の線分をクリックし、ハイライト(表示色変更)を当て、右クリックで属性の変更設定を行う。ここで、コンケイブ,コンヴェックス等の指定ができる。
(シークェンシングの他の実施例)
上記のシークェンシングの実施例は、一度測定を行い、クロマトグラムを得てしばらく後のデータ処理であるが、このシークェンシングの処理を、試料の測定と同時に処理することもできる。以下に、その場合の実施例の説明をする。
測定と同時のシークェンシングの処理は次のように進む。
ステップ1:フィッティングをする時間区間(タイムウインドウ)の設定
ステップ2:重み付け関数の設定
ステップ3:フィッティング方向の設定
ステップ4:試料の測定
ステップ5:フィッティング処理
ステップ6:結果の表示出力
ステップ1〜3では、第3表のように予めタイムプログラムとして測定前に設定を行う。タイムウインドウの設定は、フィッティング開始からフィッティング終了の時間設定で行う。またタイムウインドウの設定は、ピーク名で“Gly”から“Tyr”のように、フィッティング開始ピークと終了ピークを選択することもできる。
以上、本発明のクロマトピークシークェンサーによれば、いくつかの条件を設定するのみで、複数のピークが重なるクロマトグラムのフィッティングが自動的に実行できる。
また同時に高精度のベースラインの算出も行うことができる。高精度のベースライン決定機能を持っている面からも本発明のクロマトピークシークエンサは良好なデータ処理装置と考えられる。但し、ピーク波形をガウシアンやEMGに仮定してフィッティングするため、実際のピーク波形が著しくこれらの解析学的関数形より外れている場合は、注意を要する。このような場合、1成分毎の標準試料から孤立ピーク波形を得て、特定の波形関数を予め登録する必要がある。
本発明によれば、複数の重なりピーク、特に3成分以上の重なりピークを有するクロマトグラムに対し、幾つかの設定条件を定義するのみで、容易にピークを分解することができる。これにより、定量分析,定性分析の精度を向上することができる。また、ベースラインの決定能力も向上する。更には、測定者のデータ処理に対する労力を大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のフィッティング処理を示すフローチャート図である。第2図は、クロマトグラフ装置の概略構成図である。第3図は、生体液アミノ酸分析法の70分間クロマトグラムである。第4図は、タイムウインドウを設定したクロマトグラムの表示例である。第5図は、波形関数を設定するダイアログボックスの表示例である。第6図は、重み付け関数の例である。第7図は、重み付け関数とフィッティング方向を選択するダイアログボックスの表示例である。第8図は、フィッティング処理の実行を指定するダイアログボックスの表示例である。第9図は、第1回目のフィッティング領域が設定されたイメージ図である。第10図は、1成分が切り出されたクロマトグラムのイメージ図である。第11図は、フィッティング結果の表示例である。第12図は、重み付け関数のグラフィカルな設定例を示す図である。
Claims (11)
- 測定対象試料がカラムによって分離され、当該分離された試料を検出して得られるクロマトグラムのデータ処理を行うクロマトデータ処理装置において、
前記クロマトグラムの複数のピークが存在する任意の時間領域に対して、時間領域の早い方或いは時間領域の遅い方よりピーク毎にフィッティング処理を行い、当該処理が行われたピークを前記任意の時間領域中のクロマトグラムから減算することにより、クロマトグラムの複数のピークを分解することを特徴とするクロマトデータ処理装置。 - 請求項1において、
前記フィッティング処理は、少なくとも面積,保持時間,標準偏差を算出することを特徴とするクロマトデータ処理装置。 - 請求項1において、
前記フィッティング処理は、任意の時間領域中の早い方及び遅い方の両端から開始していくことを特徴とするクロマトデータ処理装置。 - 請求項1において、
前記クロマトグラム中の全てのピークが減算された残りのデータをベースラインとすることを特徴とするクロマトデータ処理装置。 - 測定対象試料がカラムによって分離され、当該分離された試料を検出して得られるクロマトグラムのデータ処理方法において、
前記クロマトグラムの複数のピークが存在する任意の領域を指定するステップと、
前記指定された領域のクロマトグラムに対して、前方端或いは後方端よりピーク毎にフィッティング処理を行うステップと、
当該フィッティング処理が行われたピークを前記任意の領域中のクロマトグラムから減算するステップとを有することを特徴とするクロマトデータ処理方法。 - 請求項5において、
前記フィッティング処理は、少なくとも面積,保持時間,標準偏差を算出することを特徴とするクロマトデータ処理方法。 - 請求項5において、
フィッティング処理に使用する重み付け関数を設定するステップと、前記フィッティング処理の方向を設定するステップとを有することを特徴とするクロマトデータ処理方法。 - 測定対象試料を成分毎に分離する試料分離手段と、当該試料分離手段によって分離された試料を検出する検出手段と、当該検出手段の検出結果を得てデータ処理を行うデータ処理手段と、データ処理結果を表示する表示手段とを備えるクロマトグラフ分析装置において、
前記データ処理手段は、前記検出手段の検出結果として得られたクロマトグラムの少なくとも3成分のピークが存在する任意の保持時間領域を指定する手段と、前記指定された保持時間領域の前方端或いは後方端の何れからフィッティング処理を行うかを指定する手段と、当該フィッティング処理で使用する重み付け関数及び波形関数を指定する手段とを有し、フィッティング処理が終了したピークを前記任意の保持時間領城中のクロマトグラムから減算していき、且つ各ピーク毎のフィッティング処理結果を前記表示手段に表示することを特徴とするクロマトグラフ分析装置。 - 請求項8において、
前記フィッティング処理は、少なくとも面積,保持時間,標準偏差を算出することを特徴とするクロマトグラフ分析装置。 - 請求項8において、
前記任意の保持時間領域の指定と、前記フィッティング処理の方向の指定と、
前記重み付け関数の指定は、前記表示手段に表示されるダイアログボックスによって行われることを特徴とするクロマトグラフ分析装置。 - 請求項10において、
前記重み付け関数は、前記表示手段上で、クロマトグラムと共に重ね合わせ表示され、且つ、任意に変更され得ることを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
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