JPH11311861A - 改良されたオフセット印刷用版材 - Google Patents

改良されたオフセット印刷用版材

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JPH11311861A
JPH11311861A JP11847098A JP11847098A JPH11311861A JP H11311861 A JPH11311861 A JP H11311861A JP 11847098 A JP11847098 A JP 11847098A JP 11847098 A JP11847098 A JP 11847098A JP H11311861 A JPH11311861 A JP H11311861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価であって、耐刷性、非画像性ともに優れ
た親水性非画像層を有するオフセット印刷用の版材を提
供する。 【解決手段】 基材上に設けられた親水性非画像層が窒
素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分を有する架
橋親水性ポリマーからなり、該ポリマーが該ルイス塩基
部分と多価金属イオンとの相互作用によって三次元架橋
されているオフセット印刷用版材、および該オフセット
印刷用版材の親水性非画像層表面に親水性薄膜層を設け
たオフセット印刷版材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷版に
用いる版材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オフセット印刷版は、印刷時に
おいて湿し水供給手段から水は受理するがインキロール
からの油性インキを受理しない親水性非画像部と、イン
キロールからの油性インキを受理する親油性画像部とか
ら構成される。このような親水性非画像部と親油性画像
部とを発現する組み合わせは種々知られているが、一般
的なものとしては、表面を脱脂、機械もしくは化学的に
粗面化した後、陽極酸化し、さらに必要により水ガラス
処理等種々の表面処理を施したアルミニウムシート上に
親油性画像部を形成されたものが知られている。このよ
うな方法は例えば、米澤 輝彦著、「PS版概論」、印
刷学会、1993年、18−35頁に記載されている。
アルミニウムの代わりにスティール、ステンレススティ
ールを粗面化したものも知られている。前者のアルミシ
ートの場合、多用はされているものの、その製造設備が
大がかりであり、また原材料のアルミニウムが高価格で
あるという問題を抱えている。後者のスティールは安価
ではあるが錆びやすいという性質上、水を用いるオフセ
ット印刷には不向きであった。またアルミシートに比べ
重く作業性もよくなかった。ステンレススティールは錆
びの点では改良されたが、重量の点では依然問題を抱え
ている。
【0003】金属材料の他に、親水性非画像部を構成す
るものとして、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、酢
酸ビニル−クロトン酸共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体といった親水性ポリマーを架橋不溶化せしめた
ものが知られている。この場合、必要により、シリカ、
炭酸カルシウムといった無機顔料が加えられることがあ
る。さらに耐水化剤で補強される場合もある。これらの
ものは耐水性が不十分で耐刷性が乏しいか、耐刷性は有
するが非画像性が乏しいかの問題を抱えている。
【0004】また、電子写真オフセットマスターとして
知られている、酸化亜鉛と、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂、アルキッド樹脂などのバインダー樹脂とを用いて
表面層を形成し、電子写真方式によりトナーを融着して
画像部を形成したのち、トナーの付着していない表面を
リン酸、リン酸塩、フェロシアン化カリウム、フィチン
酸及び界面活性剤などを含有する不感脂化液(エッチ
液)により不感脂化処理を行って非画像部を形成するも
のが知られている。これらのものは非画像部、画像部と
も耐刷性の乏しいものであり軽印刷といった少量印刷部
数の用途に限られた。
【0005】金属材料以外で非画像部を形成する上記材
料の問題点を解決するための方法としてアクリルアミド
重合体を非架橋、架橋形態で使用する方法が各種提案さ
れている。例えば、特開昭48−83902号公報、特
開昭53−17406号公報、特開昭53−17407
号公報、特開昭53−17408号公報、特開昭54−
6602号公報、特開昭54−6603号公報に開示さ
れている。しかし、これらの方法では何れも耐水性が不
足しているか、基材適合性が極めて狭い等の問題があっ
た。さらにこの点を改良する目的でアクリルアミド、付
加重合性不飽和カルボン酸及びエポキシ基含有付加重合
性不飽和化合物を含む共重合体を用いて非画像部を構成
する平版印刷版が提案された(特開昭59−67097
号公報)。このものは架橋により耐刷性は発揮された
が、同一ポリマー中にカルボキシル基とエポキシ基を含
有するためこれらが反応してポリマー不溶化をもたらす
という貯蔵安定性上の問題を抱えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価であっ
て耐刷性、非画像性ともに優れた親水性非画像層を有す
るオフセット印刷に用いられる版材を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多価金属
イオンと、窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部
分との相互作用を利用して三次元架橋して得られる架橋
親水性ポリマーで親水性非画像層を形成することによっ
て、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成
するに到った。
【0008】すなわち、本発明は次の通りである。 (1) 基材上に設けられた親水性非画像層が、窒素、
酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分を有する架橋親
水性ポリマーからなり、該架橋親水性ポリマーが該ルイ
ス塩基部分と多価金属イオンとの相互作用によって三次
元架橋されていることを特徴とするオフセット印刷用版
材。 (2) 多価金属イオンが、マグネシウムイオン、アル
ミニウムイオン、カルシウムイオン、チタニウムイオ
ン、第一鉄イオン、コバルトイオン、銅イオン、ストロ
ンチウムイオン、ジルコニウムイオン、第一錫イオン、
第二錫イオンおよび鉛イオンから選ばれる少なくとも一
種である(1)記載のオフセット印刷用版材。 (3) 窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分
が、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミ
ノ基、トリアルキルアミノ基、イソウレイド基、イソチ
オウレイド基、イミダゾリル基、イミノ基、ウレイド
基、エピイミノ基、ウレイレン基、オキサモイル基、オ
キサロ基、オキサロアセト基、カルバゾイル基、カルバ
ゾリル基、カルバモイル基、カルボキシル基、カルボキ
シラト基、カルボイミドイル基、カルボノヒドラジド
基、キノリル基、グアニジノ基、スルファモイル基、ス
ルフィナモイル基、スルホアミノ基、セミカルバジド
基、セミカルバゾノ基、チオウレイド基、チオカルバモ
イル基、トリアザノ基、トリアゼノ基、ヒドラジノ基、
ヒドラゾ基、ヒドラゾノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒド
ロキシイミノ基、含窒素複素環、ホルムアミド基、ホル
ムイミドイル基、3−モルホリニル基、モルホリノ基か
ら選ばれる少なくとも一種である(1)又は(2)記載
のオフセット印刷用版材。 (4) 架橋親水性ポリマーが、炭素−炭素結合、また
は酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子の少なく
とも一種で結合された炭素原子および炭素−炭素結合か
ら形成され、且つ構造中に多価金属イオンと相互作用し
ている窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分を
有するポリマー、並びに該ポリマー構造中に、更にリン
酸基、スルホン酸基もしくはこれらの塩、水酸基、ポリ
オキシエチレン基等の親水性官能基を少なくとも一種含
有するポリマーの群から選ばれる少なくとも一種である
(1)、(2)又は(3)記載のオフセット印刷用版
材。 (5) (1)、(2)、(3)又は(4)のオフセッ
ト印刷用版材の親水性非画像層の表面に、さらに親水性
薄膜用ポリマーからなる薄膜層を設けてなるオフセット
印刷版材。 (6) 親水性薄膜用ポリマーが、酸素、窒素、硫黄お
よびリンからなるヘテロ原子の少なくとも一種で結合さ
れた炭素原子および炭素−炭素結合から形成されるポリ
マー、炭素−炭素結合または酸素、窒素、硫黄およびリ
ンからなるヘテロ原子の少なくとも一種で結合された炭
素原子および炭素−炭素結合から形成され、構造中にリ
ン酸基、スルホン酸基もしくはこれらの塩、水酸基、ポ
リオキシエチレン基等の親水性官能基を少なくとも一種
含有するポリマー、炭素−炭素結合または酸素、窒素、
硫黄およびリンからなるヘテロ原子の少なくとも一種で
結合された炭素原子および炭素−炭素結合から形成さ
れ、構造中に窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基
部分を有するポリマー、並びにこのルイス塩基部分を有
するポリマー構造中に更にリン酸基、スルホン酸基もし
くはこれらの塩、水酸基、ポリオキシエチレン基等の親
水性官能基を少なくとも一種含有するポリマーの群から
選ばれる少なくとも1種である(5)記載のオフセット
印刷版材。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
オフセット印刷用版材において、親水性非画像層を構成
する架橋親水性ポリマーは、ルイス塩基部分と多価金属
イオンとの相互作用により三次元架橋されている。この
親水性非画像層は、乾燥された状態では高い表面自由エ
ネルギー状態にあるために、最初に接触した物質と強く
相互作用する性質を有している。即ち、初めに水を与え
た後にオフセット印刷を行えば水を強く引きつけて強力
な非画像性を発揮するが、逆に初めにインキ等の油性成
分を与えると、それらを強く引きつけるため、オフセッ
ト印刷を行うと、この油性成分が与えられた領域は画像
として印刷される。本発明は、この性質を利用すること
で、後で詳述するように親水性非画像層を形成した後
に、その上に種々の方法で画像を形成することが可能と
なったものである。
【0010】また、この乾燥された親水性非画像層は環
境中の油性成分に対しても極めて敏感であることから、
該非画像層の上に更に親水性のポリマー(以下、親水性
薄膜用ポリマーという。)からなる薄膜層を設けること
によって、外部から飛来する油性の汚れ原因物質の受容
を抑制し、印刷初期の汚れを大きく減少させることがで
きる。実用的には乾燥した版を提供する場合が大多数で
あることも鑑みれば、該薄膜層を布設することは大いに
有用である。この場合、該薄膜層を設けた親水性非画像
層は、外部から飛来する油性汚れ原因物質は受容しない
が、後述するような方法で高濃度に画像形成物質を該薄
膜層表面に与えた場合には溶解、融解、あるいは濃度勾
配によって下層の親水性非画像層に達し、画像を形成し
うる。
【0011】本発明における三次元架橋構造を有する架
橋親水性ポリマーとしては、炭素−炭素結合から構成さ
れるポリマー、または酸素、窒素、硫黄、リンからなる
ヘテロ原子の少なくとも一種で結合された炭素原子およ
び炭素−炭素結合から構成されるポリマー、即ち、ポリ
(メタ)アクリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポ
リウレタン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)
アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエ
ステル系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル
系、多糖類系等もしくはそれらの複合系のポリマーであ
って、該構造中に窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス
塩基部分を有し、該ルイス塩基部分と多価金属イオンと
の相互作用によって網目化されたポリマー、並びに炭素
−炭素結合から構成されるポリマー、または酸素、窒
素、硫黄、リンからなるヘテロ原子の少なくとも一種で
結合された炭素原子および炭素−炭素結合から構成され
るポリマー、即ち、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリ
オキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキシ開環付
加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)ア
クリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ
アミン系、ポリビニル系、多糖類系等もしくはそれらの
複合系のポリマーであって、構造中に水酸基、リン酸
基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン基等の親水性官
能基を一種以上含有し、更に構造中にルイス塩基部分と
多価金属イオンとの相互作用によって網目化されたポリ
マーが挙げられる。
【0012】該架橋親水性ポリマー形成に用いられる親
水性ポリマーの分子量としては1000〜100万、好
ましくは3万〜50万程度のものである。この範囲より
低分子量であると親水性非画像層自体の脆弱化を招き、
また、この範囲より高分子量であると画像形成が妨害さ
れて所定の効果が発現しないことがある。本発明におい
て架橋親水性ポリマーは、多価金属イオンと相互作用し
ているルイス塩基部分以外に、該作用に与かっていない
ルイス塩基部分、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、そ
のアルカリ金属塩、そのアルカリ土類金属塩あるいはそ
のアミン塩のいずれかを有する、又はこれらを組み合わ
せたセグメントを繰り返し有するものが好ましく、さら
にこれらの親水性官能基と主鎖セグメントの一部にポリ
オキシエチレン基を有するものは親水性が高くより好ま
しい。これらに加えて架橋親水性ポリマーの主鎖もしく
は側鎖にウレタン結合もしくはウレア結合を有するもの
は、親水性のみならず非画像部の耐刷性も向上するので
特に好ましい。
【0013】架橋親水性ポリマーの多価金属イオンによ
る三次元架橋構造は、後述する方法によって画像形成前
後のいずれにおいて形成されてもよく、画像形成時に多
価金属イオンによる三次元架橋構造をとっていないもの
も用いることができる。しかし、取扱い時の傷付け防
止、およびサーマルヘッドを用いて画像形成する場合、
熱溶融した親水層成分がサーマルヘッドへ付着するのを
防止する観点からは、印字前に三次元架橋構造を形成し
終えている方が好ましい。
【0014】本発明において未架橋親水性ポリマーと
は、多価金属イオンとルイス塩基部分との相互作用によ
る三次元架橋構造を有していない、架橋親水性ポリマー
の前段階のものをいう。該未架橋親水性ポリマーにおい
て、後述する種々の三次元架橋方法による三次元架橋構
造を有していても構わない。また、本発明において多価
金属イオンとルイス塩基部分との相互作用による三次元
架橋構造を有していない、オフセット印刷用版材の前の
段階のものをオフセット印刷用原版材という。
【0015】上記の親水性官能基の架橋親水性ポリマー
中の割合は、前述の主鎖セグメントの種類と使用する親
水性官能基の種類により、それぞれの試料について次に
記載する方法で実験的に適宜求めていけばよい。すなわ
ち、本発明の架橋親水性ポリマーの親水性は、基材上に
架橋親水性ポリマーを含んでなるオフセット印刷用版材
または未架橋親水性ポリマーを含んでなるオフセット印
刷用原版材を形成し、後述する方法で画像の形成と印刷
試験を行い、印刷用紙へのインキの付着の有無、あるい
は、印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度差(例えば、
大日本スクリーン製造(株)製、反射濃度計DM40
0)で評価する、又は水−ケロシンを用いた水中油滴法
接触角測定法(例えば、協和界面科学製接触角計、型式
CA−A)でケロシンが試料に付着するか否かで評価す
る。
【0016】前者の方法で評価する場合、肉眼で観察
し、インキ汚れが認められなければ可、認められれば不
可とするか、印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度差が
0.01未満を可、0.01以上を不可とする。後者の
方法で評価する場合、新聞印刷のように低粘度インキを
使用する印刷版向けには、試料の上記接触角が約150
度より大きいことが必要であり、さらには160度以上
が好ましい。印刷前に練ってから使用する高粘度インキ
を使用する印刷版向けには、約135度より大きいこと
が必要である。
【0017】本発明においては、親水性非画像層表面に
親水性薄膜用ポリマーからなる薄膜層(以下、親水性薄
膜層という。)を設けることが好ましい。該親水性薄膜
用ポリマーとしては、架橋親水性ポリマー形成に用いら
れる親水性ポリマーと同種類のポリマーを使用すること
ができるが、多価金属イオンによる三次元架橋は必要で
はないので、架橋親水性ポリマーで必須とされる窒素、
酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分は必須ではな
い。
【0018】親水性薄膜用ポリマーとしては、酸素、窒
素、硫黄、リンからなるヘテロ原子の少なくとも一種で
結合された炭素原子および炭素−炭素結合から構成され
るポリマー、即ち、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリ
オキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキシ開環付
加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)ア
クリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ
アミン系、ポリビニル系、多糖類系等もしくはそれらの
複合系のポリマー;炭素−炭素結合から構成されるポリ
マー、または酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原
子の少なくとも一種で結合された炭素原子および炭素−
炭素結合から構成されるポリマー、即ち、ポリ(メタ)
アクリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタ
ン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル
酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖
類系等もしくはそれらの複合系のポリマーであって、該
構造中に水酸基、リン酸基、スルホン酸基、ポリオキシ
エチレン基等の親水性官能基を一種以上含有するポリマ
ー;炭素−炭素結合から構成されるポリマー、または酸
素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子の少なくとも
一種で結合された炭素原子および炭素−炭素結合から構
成されるポリマー、即ち、ポリ(メタ)アクリレート
系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキ
シ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ
(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系等もしく
はそれらの複合系のポリマーであって、該構造中に窒
素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分を有するポ
リマー;並びに炭素−炭素結合から構成されるポリマ
ー、または酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子
の少なくとも一種で結合された炭素原子および炭素−炭
素結合から構成されるポリマー、即ち、ポリ(メタ)ア
クリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン
系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸
系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系
等もしくはそれらの複合系のポリマーであって、構造中
に水酸基、リン酸基、スルホン酸基、ポリオキシエチレ
ン基等の親水性官能基を一種以上含有し、更に構造中に
ルイス塩基部分を有するポリマーが挙げられる。
【0019】ただし、親水性非画像層との親和性・接着
性や、残留する多価金属イオン発生薬剤を化学的にトラ
ップする効果を考慮すると、該架橋親水性ポリマーと同
種のルイス塩基部分およびリン酸基、スルホン酸基、ポ
リオキシエチレン基等の親水性官能基を有するポリマー
が好ましい。該親水性薄膜用ポリマーの分子量としては
1000〜100万、望ましくは3000〜10万程度
のものが好ましい。この範囲より低分子量であると親水
層自体の脆弱化を招き、また、この範囲より高分子量で
あると画像形成が妨害されて所定の効果が発現しないこ
とがある。
【0020】本発明において、ルイス塩基部分と多価金
属イオンとの相互作用を発現させて親水性非画像層を形
成し、更に該非画像層表面に親水性薄膜層を布設する具
体的態様は次の通りである。即ち、ルイス塩基部分を構
造中に含む未架橋親水性ポリマーと、後述するような、
オフセット印刷版に必要な他の成分とを混合してドープ
を調製し、基材上に塗布、乾燥し、本発明でいうオフセ
ット印刷用原版材を得ることができる。しかる後に、多
価金属イオンを発生せしめるような水溶液あるいは有機
溶媒溶液へのオフセット印刷用原版材の浸漬や、該溶液
のオフセット印刷用原版材への塗布や噴霧によって外部
より多価金属イオンを供給すると、多価金属イオンとル
イス塩基部分との相互作用によって三次元架橋が形成さ
れ、本発明でいうオフセット印刷用版材を得ることがで
きる。さらに、この版に親水性薄膜層を設けると、本発
明でいうオフセット印刷版材を得ることができる。
【0021】親水性非画像層表面に親水性薄膜層を設け
る方法としては、親水性薄膜用ポリマーの水溶液あるい
は有機溶媒溶液を親水性非画像層表面にバーコータやブ
レードコータなどで塗布、あるいはスプレーで噴霧、あ
るいはオフセット印刷用版材を親水性ポリマー溶液に浸
漬する方法がある。水溶液あるいは有機溶媒溶液から多
価金属イオンを供給した直後の版の親水性非画像層は鋭
利な力に対しては脆弱になっていることもあるので、非
接触的に親水性薄膜用ポリマーの液を供給することが好
ましく、この点においてはスプレー方式か浸漬方式が好
ましい。
【0022】用いられる親水性薄膜用ポリマーの水溶液
あるいは有機溶媒溶液の濃度としては、0.01重量%
〜50重量%が好ましく、0.1重量%〜10重量%の
範囲がより好ましい。この範囲より低濃度では親水性非
画像層表面に存在する薄膜材の量が少なすぎて、親水性
非画像層表面の保護あるいは残留多価金属イオン発生薬
剤の化学的トラップが十分に行われない場合がある。ま
た、この範囲より高濃度では、薄膜材の量が多すぎて、
画像形成を妨げることがある。本発明において、親水性
非画像層表面に設ける親水性ポリマー薄膜層の厚みは
0.01〜10μmであり、0.1〜1μmが好まし
い。
【0023】また、上記オフセット印刷用原版材に画像
を形成後、多価金属イオンを発生せしめるような水溶液
あるいは有機溶媒溶液によって上記の方法で外部より多
価金属イオンを供給し、その後に親水性非画像層表面に
親水性薄膜層を設けることにより、オフセット印刷版を
得ることもできる。多価金属イオンを供給した後に、版
面に存在する過剰の薬剤を除去する必要があれば、適当
な洗液で洗浄を行ってもよい。洗液としては水のほかに
塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸の稀薄水溶液、界面活性剤
稀薄溶液のほか有機溶剤を使用することもできる。洗浄
は多価金属イオンを供給した直後に行うことが好まし
い。
【0024】また、親水性薄膜層の形成は、多価金属イ
オン供給あるいは洗浄後直ちに行うことが好ましい。該
薄膜層を親水性非画像層表面に設ける前に乾燥させる
と、外部からの油分付着や、残存薬剤の変質などによっ
て汚れが発生し、本発明の効果が十分に得られないこと
がある。本発明において、上述の多価金属イオンとルイ
ス塩基部分との相互作用による三次元架橋方法と、後述
する種々の三次元架橋方法の一種類以上を併用してもよ
い。また、本発明の親水性ポリマーは必要に応じ、後述
する種々のその他の成分を含んでいてもよい。
【0025】本発明の多価金属イオンは、上述したよう
に、主として水溶液や有機溶媒溶液などの溶液を介して
オフセット印刷用原版材あるいは画像を形成したオフセ
ット印刷用原版材の外部より供給される。即ち、該多価
金属イオンを発生せしめる金属塩類は、水溶液や有機溶
媒溶液としてマグネシウムイオン、アルミニウムイオ
ン、カルシウムイオン、チタニウムイオン、第一鉄イオ
ン、コバルトイオン、銅イオン、ストロンチウムイオ
ン、ジルコニウムイオン、第一錫イオン、第二錫イオ
ン、鉛イオンの金属イオンあるいは金属錯イオンの一種
以上を発生せしめるものがあれば良いが、水や、塩酸、
硫酸、硝酸などの鉱酸の水溶液や、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ水溶液など
に溶解して多価金属イオンあるいは多価金属錯イオンの
一種以上を発生せしめるものが好ましい。
【0026】金属塩類の具体例を以下に例示すると、塩
化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化アルミニウ
ム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、臭化第一鉄、塩化コ
バルト、臭化コバルト、塩化第二銅、臭化第二銅、塩化
ストロンチウム、臭化ストロンチウム、塩化第一錫、塩
化第二錫などの金属ハロゲン化物、硝酸マグネシウム、
硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸第一鉄、硝酸
コバルト、硝酸銅、硝酸ストロンチウム、硝酸鉛等の硝
酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一
鉄、硫酸コバルト、硫酸チタン、硫酸銅等の硫酸塩、酢
酸カルシウム、酢酸ジルコニウム、酢酸銅、酢酸鉛等の
酢酸塩などの他、炭酸ジルコニウムアンモン、フェロシ
アン化鉄、フェリシアン化鉄なども用いられる。中でも
酢酸ジルコニウム、塩化第一錫、塩化第二錫が特に好ま
しい。
【0027】多価金属イオンを含む溶液の濃度は金属の
種類やカウンタ−アニオンの種類によって変わりうる
が、塩の濃度として好ましくは0.01〜50重量%、
更に好ましくは0.2〜20重量%である。これら多価
金属イオンの供給によって、該多価金属イオンと相互作
用して三次元架橋構造を形成する親水性ポリマー中のル
イス塩基部分の量は、多価金属イオン供給前に存在した
ルイス塩基部分の総数の10〜100モル%が好まし
く、60〜100モル%がより好ましい。
【0028】次に本発明における、多価金属イオンと三
次元架橋構造を形成する親水性ポリマー中のルイス塩基
部分の相互作用による三次元架橋形成の具体的態様の例
を述べる。即ち(メタ)アクリル酸、そのアルカリ金属
塩もしくはそのアミン塩、イタコン酸、そのアルカリ金
属塩もしくはそのアミン塩、(メタ)アクリルアミド、
N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメ
チロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミンの如き
ルイス塩基部分を有する親水性モノマーを必須とし、更
に、必要に応じて3−ビニルプロピオン酸、そのアルカ
リ金属塩もしくはそのアミン塩、ビニルスルホン酸、そ
のアルカリ金属塩もしくはそのアミン塩、2−スルホエ
チル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシ
ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、アリルアミンのハロゲン化水素酸塩等のスルホン酸
基、リン酸基、アミノ基の塩、水酸基、およびエーテル
基などの親水性基を有する親水性モノマーから選ばれる
一種以上を用いて、少なくとも窒素、酸素および硫黄か
ら選ばれる1種を含むルイス塩基部分を有する親水性ホ
モあるいはコポリマーを合成する。これに、後述するよ
うな、オフセット印刷版に必要な他の成分を混合し、適
当な溶媒に分散および/または溶解してドープを調製す
る。また、例えば、カルボキシメチルセルロース、ゼラ
チン、カゼイン、アルギン酸誘導体のようなルイス塩基
部分を含む天然高分子に後述するような、平版印刷版に
必要な他の成分を混合し、適当な溶媒に分散および/ま
たは溶解してドープを調製してもよい。これを、支持体
上に塗布、乾燥し、本発明でいうオフセット印刷用原版
材を得ることができる。
【0029】しかる後に、多価金属イオンを発生せしめ
るような水溶液あるいは有機溶媒溶液へのオフセット印
刷用原版材の浸漬や、該溶液のオフセット印刷用原版材
への噴霧、あるいは塗工によって外部より多価金属イオ
ンを供給すると、多価金属イオンとルイス塩基部分との
相互作用が発現して三次元架橋が形成され、本発明でい
うオフセット印刷用版材を得ることができる。また、こ
の親水性非画像層表面に、親水性薄膜用ポリマーの溶液
を浸漬あるいは噴霧などの方法で与えて親水性薄膜層を
設けると、本発明でいうオフセット印刷版材を得ること
ができる。
【0030】また、該オフセット印刷用原版材に画像形
成後、外部より多価金属イオンを、該イオンを発生せし
めるような水溶液ないしは有機溶媒溶液によって同上の
方法で供給し、その後に親水性非画像層表面に親水性薄
膜層を設けると、同上の機構によって、オフセット印刷
版を得ることができる。本発明の架橋親水性ポリマーに
は、これまで説明してきた多価金属イオンとルイス塩基
との相互作用による三次元架橋法に加えて、以下に示す
ような三次元架橋法の一種類以上を併用することもでき
るし、また、以下に示すような方法で三次元架橋された
ポリマーの一種類以上を架橋親水性ポリマーとして併用
してもよい。
【0031】即ち、カルボキシル基、アミノ基もしくは
それらの塩、水酸基およびエポキシ基などの官能基を有
する親水性ポリマーは、これらの官能基を利用し、ビニ
ル基、アリル基、(メタ)アクリル基等のエチレン付加
重合性不飽和基あるいはシンナモイル基、シンナミリデ
ン基、シアノシンナミリデン基,p−フェニレンジアク
リレート基等の環形成基を導入した不飽和基含有ポリマ
ーを得ることができる。これに、必要により、該不飽和
基と共重合し得る単官能、多官能モノマーと後述の重合
開始剤と無機充填剤、および必要に応じて後述の滑剤と
を加え、適当な溶媒に溶解し、ドープを調製する。これ
を支持体上に塗布し乾燥後あるいは乾燥を重ねて三次元
架橋させる。
【0032】水酸基、アミノ基およびカルボキシル基な
どの活性水素を含有する親水性ポリマーは、イソシアネ
ート化合物あるいはブロックポリイソシアネート化合物
および後述の他の成分と共に活性水素非含有溶剤中に添
加しドープを調合し、支持体に塗布し乾燥後或いは乾燥
を兼ねて反応させ三次元架橋させる。親水性ポリマーの
共重合成分としてグリシジル(メタ)アクリレートなど
のグリシジル基、(メタ)アクリル酸などのカルボキシ
ル基あるいはアミノ基を有するモノマーを用いることが
できる。グリシジル基を有する親水性バインダーポリマ
ーは、架橋剤として1,2−エタンジカルボン酸、アジ
ピン酸などのα,ω−アルカンもしくはアルケンジカル
ボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、トリメ
リット酸等のポリカルボン酸、1,2−エタンジアミ
ン、ジエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、α,
ω−ビス−(3−アミノプロピル)−ポリエチレングリ
コルエーテル等のポリアミン化合物、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テ
トラエチレングリコール等のオリゴアルキレンまたはポ
リアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ペンタエリストール、ソルビトール等のポリ
ヒドロキシ化合物を用い、これらとの開環反応を利用し
て三次元架橋することができる。
【0033】カルボキシル基またはアミノ基を有する親
水性ポリマーは、架橋剤として、エチレンまたはプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンま
たはポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル等のポリエポキシ
化合物を用いたエポキシ開環反応等を利用して三次元架
橋するこができる。
【0034】親水性ポリマーが、セルロース誘導体など
の多糖類、ポリビニルアルコールもしくはその部分鹸化
物、グリシドールホモもしくはコポリマー、あるいはこ
れらを含む場合には、これらが含有する水酸基を利用
し、前述の架橋反応し得る官能基を導入し、前述の方法
により三次元架橋できる。ポリオキシエチレングリコー
ル等の水酸基をポリマー末端に有するポリオールまたは
アミノ基をポリマー末端に有するポリアミンと2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートと
から合成した親水性ポリウレタン前駆体に、エチレン付
加重合性不飽和基または環形成基を導入して親水性ポリ
マーとし、前述の方法で三次元架橋できる。
【0035】上記合成された親水性ポリウレタン前駆体
が、イソシアネート基末端を有する場合は、グリセロー
ルモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、N−モノメチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリル酸、桂皮酸および桂皮アルコール等の
活性水素を有する化合物と反応させて三次元架橋する。
親水性ポリウレタン前駆体が水酸基あるいはアミノ基末
端を有する場合は、(メタ)アクリル酸、グリシジル
(メタ)アクリレートおよび2−イソシアネートエチル
(メタ)アクリレートなどと反応させ三次元架橋する。
【0036】親水性ポリマーが、多塩基酸とポリオー
ル、多塩基酸とポリアミンとから形成されるポリマーの
場合は、それらを支持体に塗布後、加熱により三次元架
橋化させる。親水性ポリマーが、カゼイン、グルー、ゼ
ラチン等の場合は、それらの水溶性コロイド形成化合物
を加熱により三次元架橋させて網目構造を形成してもよ
い。
【0037】さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートおよびビニルアルコールなどの水酸基含有モ
ノマー、アリルアミンから合成したホモもしくはコポリ
マー、部分鹸化ポリビニルアルコール、セルロース誘導
体などの多糖類、グリシドールホモもしくはコポリマー
等の、水酸基やアミノ基を含有する親水性ポリマーと一
分子中に二個以上の酸無水基を有する多塩基酸無水物と
を反応させ、三次元架橋した親水性ポリマーを形成する
こともできる。この反応で用いる多塩基酸無水物として
は、エチレングリコール−ビス−アンヒドロ−トリメリ
テート、グリセロール−トリス−アンヒドロトリメリテ
ート、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5
−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン、3,
3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカル酸二無
水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水
物等を例示できる。親水性ポリマーが、末端にイソシア
ネート基を有するポリウレタンとポリアミンまたはポリ
オール等の活性水素含有化合物とから形成される場合に
は、それらの化合物と後述の他の成分とを溶剤中に溶解
もしくは分散させ、基材上に塗布して溶剤を除去した
後、キュアリングし三次元架橋させることもできる。こ
の場合、親水性はポリウレタンおよび活性水素含有化合
物のいずれか、もしくは両方のセグメント、または側鎖
に親水性官能基を導入することにより付与すればよい。
親水性を発現するセグメント、官能基としては上記記載
の中から適宜選択すればよい。
【0038】本発明において用いられるポリイソシアネ
ート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が例示でき
る。
【0039】塗布工程前後のハンドリング時、イソシア
ネート基が変化するのを防ぐことを目的に、イソシアネ
ート基を公知の方法でブロック化(マスク化)しておく
のが好ましい場合もある。たとえば、岩田敬治著「プラ
スチック材料講座ポリウレタン樹脂」日刊工業新聞社
刊(1974)、頁51−52、岩田敬治著「ポリウレ
タン樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(198
7)、頁98、419、423、499、等に記載され
た方法に従い、酸性亜硫酸ナトリウム、芳香族2級アミ
ン、3級アルコール、アミド、フェノール、ラクタム、
複素環化合物、ケトオキシム等を使用し、ブロック化す
ることができる。中でも、イソシアネート再生温度が低
い、例えばマロン酸ジエチルやアセト酢酸エチルなどが
好ましい。
【0040】前述の非ブロック化あるいはブロック化ポ
リイソシアネートの何れかに付加重合性不飽和基を導入
し、架橋の強化や親油性成分との反応に利用してもよ
い。以上述べた中で、架橋親水性ポリマーとしては、
(メタ)アクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはその
アミン塩、イタコン酸、そのアルカリ金属塩もしくはそ
のアミン塩、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メ
タ)アクリルアミド、アリルアミンの如きルイス塩基部
分を有する親水性モノマーを必須とし、更に、必要に応
じて3−ビニルプロピオン酸、そのアルカリ金属塩もし
くはそのアミン塩、ビニルスルホン酸、そのアルカリ金
属塩もしくはそのアミン塩、2−スルホエチル(メタ)
アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルア
ミンのハロゲン化水素酸塩等のスルホン酸基、リン酸
基、アミノ基の塩、水酸基、およびエーテル基などの親
水性基を有する親水性モノマーから選ばれる一種以上を
用いて合成された、少なくとも窒素、酸素および硫黄か
ら選ばれる1種を含むルイス塩基部分を有する親水性ホ
モあるいはコポリマーを、前述のように多価金属イオン
とルイス塩基部分との相互作用と、それ以外の方法で三
次元架橋させたものが好ましい。
【0041】本発明の架橋親水性ポリマー形成に用いら
れる親水性ポリマーは、下記の単官能モノマー、多官能
モノマーを併用させてもよい。具体的には、山下晋三、
金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(198
1)、加藤清視著「紫外線硬化システム」総合技術セン
ター刊(1989)、加藤清視編「UV・EB硬化ハン
ドブック(原料編)」高分子刊行会(1985)、赤松
清監修「新・感光性樹脂の実際技術」シーエムシー、頁
102−145、(1987)等に記載されているN,
N′−メチレンビスアクリルアミド、(メタ)アクリロ
イルモルホリン、ビニルピリジン、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノネオペンチル(メ
タ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ダイ
アセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、パラスチレンスルホン酸もしくはその塩、
メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート(PEGの数平均分子量400)、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの
数平均分子量1000)、ブトキシエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジ
メチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PE
Gの数平均分子量400)、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量60
0)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
(PEGの数平均分子量1000)、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート(PPG数平均分子量
400)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタク
リロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニ
ル]プロパンまたはそのアクリレート体、β−(メタ)
アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、
β−(メタ)アクリロイルオキシエチハドロジェンサク
シネート、ポリエチレンまたはポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタント
リ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテト
ラ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、モノ(2−
アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートまた
はそのメタクリル体、グリセリンモノまたはジ(メタ)
アクリレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソ
シアヌレートまたはそのメタクリル体、N−フェニルマ
レイミド、N−(メタ)アクリルオキシコハク酸イミ
ド、N−ビニルカルバゾール、ジビニルエチレン尿素、
ジビニルプロピレン尿素等がある。
【0042】本発明の架橋親水性ポリマーにおいて、エ
チレン付加重合性不飽和基を用いて三次元架橋反応を行
うときは、公知の光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を
用いることが反応効率上好ましい。本発明において用い
られる光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン、ベ
ンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピル
エーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、キサント
ン、チオキサントン、クロロキサントン、アセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、ベンジル、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセ
トフェノン、(2−アクリロイルオキシエチル)(4−
ベンゾイルベンジル)ジメチル臭化アンモニウム、(4
−ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウム、
2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−
オン−メソクロライド、1−フェニル−1,2−プロパ
ンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、チオフェ
ノール、2−ベンゾチアゾールチオール、2−ベンゾオ
キサゾールチオール、2−ベンズイミダゾールチオー
ル、ジフェニルスルフィド、デシルフェニルスルフィ
ド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジベンジルスルフィ
ド、ジベンゾイルジスルフィド、ジアセチルジスルフィ
ド、ジボルニルジスルフィドジメトキシキサントゲンジ
スルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テ
トラメチルチウラムテトラスルフィド、ベンジルジメチ
ルジチオカーバメイトキノキサリン、1,3−ジオキソ
ラン、N−ラウリルピリジニウム等が例示できる。
【0043】これらの中から、製造工程で用いる光源の
波長領域に吸収を持ち、ドープを調製する際使用する溶
媒に溶解もしくは分散するものを適宜選択すればよい。
通常、使用する溶媒に溶解するものが反応効率が高く好
ましい。本発明で用いられる光カチオン重合開始剤とし
ては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、
芳香族スルホニウム塩等がある。この開始剤を用いると
きは、架橋反応種としてエポキシ基も併用できる。この
場合、前述のエポキシ基含有化合物を架橋剤もしくは、
親水性ポリマーとして用いるか、親水性ポリマーにエポ
キシ基を導入すればよい。
【0044】光二量化反応により三次元架橋させる場合
には、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン
等、該反応に一般的によく知られた各種増感剤も使用で
きる。上記以外にも、徳丸克巳他著「増感剤」、2章、
4章、講談社刊(1987)、加藤清視著「紫外線硬化
システム」総合技術センター刊、頁62−147(19
89)、ファインケミカル、Vol.20 No4、1
6(1991)に記載されている公知の重合開始剤も使
用できる。
【0045】上記重合開始剤の添加量は、ドープ中の溶
媒を除いた有効成分に対し、0.01重量%〜20重量
%の範囲で使用できる。0.01重量%より少ないと開
始剤の効果が発揮されず、20%重量より多いと、活性
光線の開始剤による自己吸収のため内部への光の到達が
不良となり所望する耐刷力を発揮することができなくな
ることがある。実用的には0.1〜10重量%の範囲で
開始剤の効果と非画像部の地汚れとのバランスで組成に
応じて決定するのが好ましい。
【0046】照射光源としては、メタルハライドラン
プ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ等公知
のものが使用できる。照射光源からの熱がカプセル破壊
の恐れがある場合、冷却しながら照射する必要がある。
本発明で用いられる熱重合開始剤としては、過酸化ベン
ゾイル、2,2−アゾビスイソブチルニトリル、過硫酸
塩−亜硫酸水素ナトリウム等の過酸化物、アゾ化合物、
レドックス開始剤といった公知のものが使用できる。使
用に際しては、マイクロカプセルを破壊する温度より低
温で反応させなければならない。熱重合開始剤の使用量
は、ドープ溶媒を除いた成分に対し、0.01〜10重
量%の範囲がよい。0.01重量%より少ないと硬化時
間が長くなりすぎ、10重量%より多いとドープ調合中
に生じる熱重合開始剤の分解によりゲル化が起こること
がある。効果と取扱い性を考慮すると、好ましくは、
0.1〜5重量%である。
【0047】本発明の親水性ポリマーの架橋度は、使用
するセグメントの種類、会合性官能基の種類と量等によ
り異なるが、要求される耐刷性に応じ決めていけばよ
い。まず、多価金属イオンとの相互作用に与るルイス塩
基部分の総量は、全モノマーユニットに対して1〜10
0%になるように設定するのが好ましく、更には50〜
100%がより好ましい。また、多価金属イオンとルイ
ス塩基部分との相互作用以外の架橋率、即ち架橋間分子
量は通常、500〜5万の範囲で設定される。500よ
り小さいと却って脆くなる傾向があり、耐刷性が損なわ
れ、5万を超えると湿し水で膨潤し、耐刷性が損なわれ
る場合もある。耐刷性および親水性の両者のバランスを
考慮すると、800〜3万程度が好ましく、さらには、
1000〜1万程度が好ましい。
【0048】親水性ポリマーおよび添加剤を溶解もしく
は分散させる溶剤としては、高沸点でなければ、水、ト
ルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、これらを主とした混合溶剤
等、大概の溶剤を使用することができる。溶解状態で塗
布するには水が好ましい。水を用いる場合でも、蒸発速
度制御上、水に溶解度を有する溶剤を少量添加してもよ
い。分散状態で塗布する際、分散安定化のために、ノニ
ルまたはオクチルフェノールのエチレンオキサイド付加
物、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、プ
ルロニック型洗剤等の公知の界面活性剤を少量併用する
こともできる。基材上に形成される未架橋親水性ポリマ
ー厚みは特に限定されないが、0.01μmないし10
0μmの範囲が適用される。通常は0.5μmないし1
0μmの範囲である。
【0049】基材には、耐刷性あるいは均一厚みのポリ
マー膜を得る上で必要によりアンカー層を設けたスティ
ール、アルミニウム、プラスチック、耐水性紙等のシー
トが用いられる。アンカー層はアクリル系、ウレタン
系、セルロース系、ポリアリルアミン系等の接着剤を塗
布することにより設けることが出来る。アンカー層の厚
みは、均一に設けられていれば特に制約はないが、平均
的に0.1〜3μmの範囲で塗布されていればよい。通
常は1μm前後で塗布される。
【0050】本発明の親水性非画像層を基材上に形成す
る塗布液には、非画像性を損なわない範囲で公知の染
料、シリカゲル、炭酸マグネシウムなどの顔料等の添加
剤を添加することが出来る。添加量は実際用いる印刷条
件で印刷して非画像性が維持される範囲で設定すれば良
い。これらを含む塗布液中の親水性物質、架橋剤及び添
加剤等の合計の含有率は、塗布すべき基材若しくはアン
カー層を設けた基材(以下、支持体と称す。)や塗布方
法により異なるが、一般に0.5ないし80重量%の範
囲が適当である。
【0051】このようにして調合した塗布液を基材に塗
布、乾燥した後に、架橋処理を施す。架橋処理は印刷前
のどの段階で行ってもよく、塗布装置との連携具合や画
像部形成手段に応じ設定することが出来る。通常は塗布
乾燥後、架橋処理を施す。熱架橋を採用する場合、塗布
後に乾燥加熱を行い実施することも出来る。多価金属イ
オンとルイス塩基部分の相互作用による三次元架橋は、
塗布乾燥後、あるいは塗布乾燥後に他手段による架橋を
行った後に行う。即ち、該処理を行い、その後に多価金
属イオンを発生せしめるような水溶液あるいは有機溶媒
溶液へ、この得られたオフセット印刷用原版材を浸漬す
る、又は該水溶液あるいは有機溶媒溶液をオフセット印
刷用原版材に塗布あるいは噴霧することによって多価金
属イオンを供給して、多価金属イオンとルイス塩基部分
との相互作用による三次元架橋を形成し、本発明のオフ
セット印刷用版材を得る。その後に親水性薄膜用ポリマ
ーの溶液に浸漬する、又は塗布あるいは噴霧することに
よって親水性非画像層表面に親水性薄膜層を形成して、
本発明のオフセット印刷版材を得ることができる。表面
平滑性を高める必要があれば、塗布・乾燥後、もしくは
親水性ポリマーの三次元架橋化反応後にカレンダー処理
を行えばよい。特に高度の平滑性が必要なら塗布・乾燥
後に行うのが好ましい。
【0052】本発明のオフセット印刷用版材およびオフ
セット印刷版材は、該版材の親水性非画像層上に親油性
画像部を形成し、一方親水性非画像部を親水性非画像層
で構成することによってオフセット印刷版として使用す
るものである。架橋されていないオフセット印刷用原版
材を用いた場合は、上記したように印刷前の何れかの段
階で架橋処理する。
【0053】以下にオフセット印刷用版材またはオフセ
ット印刷版材上に親油性画像部を形成し、オフセット印
刷版を作成する方法を示す。 1) 基材上に設けた親水性非画像層上にポジタイプ
(光照射された領域が可溶化)もしくはネガタイプ(光
照射された領域が不溶化)の公知の感光層を設け、画像
担体フィルムを介し画像形成露光を行うかディジタルデ
ータに基づきレーザで直接露光描画し、現像液で溶解す
る感光層を除去し親水性非画像層を露出させ親水性非画
像部を形成する。現像処理で除去されなかった感光層は
親油性画像部を形成する。こうしてオフセット印刷版が
作成される。 2) 基材上に設けた親水性非画像層上に熱硬化性の親
油性感熱層を設け、レーザで画像描画露光を行い、未硬
化部分を洗い出し除去し親水性非画像層を露出させ非画
像部を形成し、硬化層は親油性画像部となる。こうして
オフセット印刷版が作成される。 3) 基材上に設けた親水性非画像層上に親油層を設
け、レーザで親油層上に描画し非画像相当領域親油層を
レーザでアブレイジョンさせ下層の親水性非画像層を露
出させ非画像部を形成する。アブレイジョンされなかっ
た領域は親油性画像部となる。光硬化性親油層を用い、
アブレイジョン前には架橋させずアブレイジョン後に全
面露光してアブレイジョンに要するエネルギーを低くさ
せ、かつ描画後の露光により親油層の機械的強度を向上
することも出来る。こうしてオフセット印刷版が作成さ
れる。 4) 基材上に設けた親水性非画像層上に直接、イン
キ、塗料を用い、描画、印刷、転写、タイプすることに
より親油性画像部を形成し、オフセット印刷版を作成す
ることが出来る。さらに具体的には、インキジェット方
式で画像描画する方法、昇華性材料もしくは熱溶融性材
料を用い転写層としたテープあるいはシートを介し、レ
ーザもしくはサーマルヘッドで熱転写する方法がある。
熱溶融性材料として感光性材料を用いた場合、転写され
た部分を全面露光することにより画像部を強化出来、耐
刷性を著しく向上させることが可能である。 5) 基材上に設けた親水性非画像層上に電子写真方式
でトナーを熱融着させ親油性画像部を形成しオフセット
印刷版とすることも出来る。
【0054】本発明のオフセット印刷用版材および印刷
版材は通常のオフセット印刷の他にショートラン印刷、
さらには校正印刷の用途にも使用できる。校正印刷版作
成は画像担体フィルムを介したアナログ露光方式と画像
データをディジタル信号のまま直接描画する方式があ
る。最近ではフィルムを出力しないダイレクトディジタ
ル方式が注目されている。本方式にも本発明のオフセッ
ト印刷用版材および印刷版材は効果的である。
【0055】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例をもってさら
に具体的に説明する。文中、注意書きがない限り部は重
量部であり、%は重量%である。
【0056】
【実施例1】(1)オフセット印刷版材の作成 陽極酸化を施したアルミニウム板(厚さ0.24cm、
310mm×458mm)上に、ポリアクリル酸(ジュ
リマーAC10MP、日本純薬(株)製、数平均分子
量:8×104)の10重量%水溶液をバーコーター
(ロッド16番)で塗布し、一晩室温で風乾しオフセッ
ト印刷用原版材を得た(未架橋親水性ポリマー層の厚み
は4.2μmであった。)。次に、この版を塩化第二錫
五水和物(東京化成(株)製)の5%水溶液1.5リッ
トル中に3分間浸漬後、精製水(和光純薬(株)製)1
リットルを用いて1分間水洗した。更に、これをポリア
クリル酸(ジュリマーAC10P、日本純薬(株)製、
数平均分子量:5×103)の0.5%水溶液中に1分
間浸漬した後、垂直に立てて24時間室温で風乾してオ
フセット印刷版材を作成した。親水性薄膜層の厚みは
0.3μmであった。なお、親水性薄膜層の厚みは、フ
ィルム厚み測定機((株)セイコー製 「計太郎」)で
測定したオフセット印刷用原版材とオフセット印刷版材
の厚みの差より求めた。 (2)印刷版の作成及び印刷 特公昭49−34041号公報記載の実施例1に準拠し
て製造した、ポリアクリル酸−スチレン共重合体にグリ
シジルメタクリレートをカルボキシル基に対し、68モ
ル%付加させて得られる側鎖に不飽和基を有するアクリ
ル樹脂100部、モノマーとしてテトラメチロールメタ
ンテトラメタクリレート25部、光重合開始剤として
1,2−ベンズアントラキノン0.9部、ベンゾインメ
チルエーテル0.1部とからなる感光性樹脂を、(1)
で得られたオフセット印刷版材にバーコーターを用い
て、乾燥塗布後の厚みが1.5g/m2 となるように塗
布して感光層を設けた。次いで、この感光層面にネガフ
ィルムを密着させ、約1m離したところから水冷式高圧
水銀灯で90秒間露光した後、リン酸ナトリウム1部、
メタノール10部、水100部の割合から成る現像液で
現像し未露光部の感光層を除去して、親水性非画像部と
親油性画像部を形成しオフセット印刷版を作成した。得
られた印刷版をオフセット印刷機(ハマダ611XL
A)に装着し、湿し水(富士写真フィルム株(製),E
U−3、100倍希釈)、インキ(大日本インキ工業
(株)製、GEOS−G)を用い上質紙に印刷したとこ
ろ、非画像部の汚れもなく、1万枚の印刷物を得ること
が出来た。
【0057】
【実施例2】実施例1のポリアクリル酸(AC10M
P)をポリアクリルアミド(数平均分子量:3×1
5 )に替えた他は、実施例1と同様にしてオフセット
印刷版の作成と印刷評価を行った。未架橋親水性ポリマ
ー層の厚みは4.5μm、親水性薄膜層の厚みは0.2
μmであった。印刷の結果、非画像部の汚れもなく、1
万枚の印刷物を得ることが出来た。
【0058】
【実施例3】実施例1の塩化第二錫五水和物を酢酸ジル
コニウムに替えた他は、実施例1と同様にしてオフセッ
ト印刷版の作成と印刷評価を行った。未架橋親水性ポリ
マー層の厚みは4.3μm、親水性ポリマー薄膜層の厚
みは0.2μmであった。印刷の結果、非画像部の汚れ
もなく、1万枚の印刷物を得ることが出来た。
【0059】
【実施例4】(1)親水性ポリマーの合成 セパラブルフラスコ中にアクリル酸248.5部、トル
エン2000部を計量し、室温で攪拌しながらアゾビス
イソブチロニトリル(以下、AIBNと略記する。)
2.49部をトルエン24.9部に溶解し、徐々に滴下
し加えた。その後、60℃に昇温し3時間攪拌した。生
成して沈殿した重合体を濾過しトルエン約2リットルで
洗浄し、80度で大凡乾燥した後、さらに恒量になるま
で真空乾燥し一次ポリマー235部を得た(GPC法に
よる数平均分子量:6×104)。次いで、セパラブル
フラスコ中に蒸留水355部中に、一次ポリマー35.
5部を溶解させた。乾燥空気をフラスコに流しながら、
グリシジルメタクリレート2.84部と2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール(以下、BHTと略記す
る。)0.1部とトリエチルベンジルアンモニウムクロ
ライド1部からなる液を滴下ロートからフラスコ内を攪
拌しながら30分間かけて添加した。添加終了後、徐々
に昇温し80℃で1時間攪拌した時点で所定の酸化にな
った。内容物を冷却し、アセトン中でポリマーを単離
し、さらにアセトンでポリマーを揉み洗いした。その
後、室温で真空乾燥し付加重合性不飽和基含有ポリマー
を得た(NMR法による付加重合性不飽和基導入率:
2.2%)。 (2)オフセット印刷版材の作成 実施例1と同様に、陽極酸化を施したアルミニウム板
(厚さ0.24cm、310mm×458mm)上に
(1)で合成した親水性ポリマーの10%水溶液:2
0.0部、(2−アクリロイルオキシエチル)(4−ベ
ンゾイルベンジル)ジメチル臭化アンモニウム2%水溶
液:1部の割合で配合し調製したドープをバーコーター
(ロッド16番)で塗布し、一晩室温で風乾しオフセッ
ト印刷用原版材を得た(未架橋親水性ポリマー層の厚み
は4.1μmであった。)。次に、この版材を塩化第二
錫五水和物(東京化成(株)製)の5%水溶液1.5リ
ットル中に3分間浸漬後、精製水(和光純薬(株)製)
1リットルを用いて1分間水洗した。更に、これをポリ
アクリル酸(ジュリマーAC10P、日本純薬(株)
製)の0.5%水溶液中に1分間浸漬した後、垂直に立
てて24時間室温で風乾してオフセット印刷版材を作成
した。親水性薄膜層の厚みは0.2μmであった。
(3)平版印刷版の作成及び印刷(2)で作成したオフ
セット印刷版材を用い、実施例1と同様にしてオフセッ
ト印刷版の作成と印刷評価を行った。印刷の結果、非画
像部の汚れもなく、1万枚の印刷物を得ることが出来
た。
【0060】
【比較例1】実施例1において、塩化第二錫五水和物5
%水溶液への浸漬、水洗、ポリアクリル酸(AC10
P)への浸漬、乾燥を行わなかった他は実施例1と同様
にしてオフセット印刷版材を作成し、印刷を行った。未
架橋親水性ポリマー層の厚みは4.1μmであった。そ
の結果、印刷100部程度で非画像部全面に汚れが発生
し、塗布層が剥離する現象が見られ、オフセット印刷版
としての性能は不十分であった。
【0061】
【発明の効果】本発明のオフセット印刷用版材を用いて
作成されたオフセット印刷版は、撥インキ性に優れ、通
常オフセット印刷で非画像部として使用される陽極酸化
されたアルミ支持体に匹敵する耐刷性の非画像性能を発
揮する。特に、通常の練りインキ使用印刷分野はもとよ
り、新聞用オフセットインキといった練りインキに比べ
遥かに低粘度のインキ使用印刷においても、良好な撥イ
ンキ性を発揮する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に設けられた親水性非画像層が、
    窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩基部分を有する
    架橋親水性ポリマーからなり、該架橋親水性ポリマーが
    該ルイス塩基部分と多価金属イオンとの相互作用によっ
    て三次元架橋されていることを特徴とするオフセット印
    刷用版材。
  2. 【請求項2】 多価金属イオンが、マグネシウムイオ
    ン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、チタニウ
    ムイオン、第一鉄イオン、コバルトイオン、銅イオン、
    ストロンチウムイオン、ジルコニウムイオン、第一錫イ
    オン、第二錫イオンおよび鉛イオンから選ばれる少なく
    とも一種である請求項1記載のオフセット印刷用版材。
  3. 【請求項3】 窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩
    基部分が、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキ
    ルアミノ基、トリアルキルアミノ基、イソウレイド基、
    イソチオウレイド基、イミダゾリル基、イミノ基、ウレ
    イド基、エピイミノ基、ウレイレン基、オキサモイル
    基、オキサロ基、オキサロアセト基、カルバゾイル基、
    カルバゾリル基、カルバモイル基、カルボキシル基、カ
    ルボキシラト基、カルボイミドイル基、カルボノヒドラ
    ジド基、キノリル基、グアニジノ基、スルファモイル
    基、スルフィナモイル基、スルホアミノ基、セミカルバ
    ジド基、セミカルバゾノ基、チオウレイド基、チオカル
    バモイル基、トリアザノ基、トリアゼノ基、ヒドラジノ
    基、ヒドラゾ基、ヒドラゾノ基、ヒドロキシアミノ基、
    ヒドロキシイミノ基、含窒素複素環、ホルムアミド基、
    ホルムイミドイル基、3−モルホリニル基、モルホリノ
    基から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2記
    載のオフセット印刷用版材。
  4. 【請求項4】 架橋親水性ポリマーが、炭素−炭素結
    合、または酸素、窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子
    の少なくとも1種で結合された炭素原子および炭素−炭
    素結合から形成され、且つ構造中に多価金属イオンと相
    互作用している窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス塩
    基部分を有するポリマー、並びに該ポリマー構造中に、
    更にリン酸基、スルホン酸基もしくはこれらの塩、水酸
    基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を少なくと
    も1種含有するポリマーの群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1、2又は3記載のオフセット印刷用版
    材。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4のオフセット印
    刷用版材の親水性非画像層の表面に、さらに親水性薄膜
    用ポリマーからなる薄膜層を設けてなるオフセット印刷
    版材。
  6. 【請求項6】 親水性薄膜用ポリマーが、酸素、窒素、
    硫黄およびリンからなるヘテロ原子の少なくとも一種で
    結合された炭素原子および炭素−炭素結合から形成され
    るポリマー、炭素−炭素結合または酸素、窒素、硫黄お
    よびリンからなるヘテロ原子の少なくとも一種で結合さ
    れた炭素原子および炭素−炭素結合から形成され、構造
    中にリン酸基、スルホン酸基もしくはこれらの塩、水酸
    基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を少なくと
    も一種含有するポリマー、炭素−炭素結合または酸素、
    窒素、硫黄およびリンからなるヘテロ原子の少なくとも
    一種で結合された炭素原子および炭素−炭素結合から形
    成され、構造中に窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス
    塩基部分を有するポリマー、並びにこのルイス塩基部分
    を有するポリマー構造中に更にリン酸基、スルホン酸基
    もしくはこれらの塩、水酸基、ポリオキシエチレン基等
    の親水性官能基を少なくとも一種含有するポリマーの群
    から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載のオフ
    セット印刷版材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010243517A (ja) * 2009-03-31 2010-10-28 Fujifilm Corp 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法

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