JPH11310100A - エアバッグドア部を有する車両用内装部材 - Google Patents

エアバッグドア部を有する車両用内装部材

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JPH11310100A
JPH11310100A JP10119585A JP11958598A JPH11310100A JP H11310100 A JPH11310100 A JP H11310100A JP 10119585 A JP10119585 A JP 10119585A JP 11958598 A JP11958598 A JP 11958598A JP H11310100 A JPH11310100 A JP H11310100A
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airbag
airbag door
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用内装部材のエアバッグドア部と本体部
とを同一樹脂で成形した場合に、エアバッグドア部展開
時のヒンジ部の破損を防止する。 【解決手段】 インストルメントパネル10のエアバッ
グドア部20の前後方向略中央部と左右方向両端部には
ティア部24が形成されている。前方ドア部20Aと後
方ドア部20Bの各ティア部24側には第1ヒンジ25
が、エアバッグケース取付部側には第2ヒンジが26が
それぞれ形成されている。また、第1ヒンジ25の溝2
5Aが形成された部位の板厚が、第2ヒンジ26の溝2
6Aが形成された部位の板厚より薄肉とされており、エ
アバッグ袋体展開時には、第1ヒンジ25に続いて第2
ヒンジ26が折れ曲がりを開始するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアバッグ装置のド
ア部を車両用内装部材に設けたエアバッグドア部を有す
る車両用内装部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からエアバッグドア部を有するイン
ストルメントパネル、ドアトリム、センタピラーガーニ
ッシュ等の車両用内装部材が知られており、その一例が
特開平8−192666号公報に示されている。
【0003】この公報に開示されているエアバッグドア
部を有するインストルメントパネルでは、エアバッグド
ア用の開口部を有するインストルメントパネルの本体部
を熱可塑性樹脂で射出成形した後に、エアバッグドア部
(開口部)を熱可塑性エラストマーで射出成形する、所
謂2色成形(ダブルインジェクション成形)によって、
インストルメントパネルの本体部とエアバッグドア部と
が一体成形されている。また、一般に知られた構造とし
て、別体のエアバッグドア(熱可塑性エラストマーで射
出成形したもの)を後付けしたインストルメントパネル
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなエアバッグドア部を有するインストルメントパネル
において、エアバッグドア部の樹脂を本体部の樹脂と変
えることなく、インストルメントパネル全体を同一の硬
質樹脂材料で成形した場合には、本体部の樹脂の特性
上、本体部の樹脂の弾性率が、一般的に使用されるエア
バッグドア部の樹脂(TPO)の弾性率に対し6〜7
倍、引張強度で1.5〜2倍と高いため、エアバッグド
ア部に形成される展開用ヒンジ部の曲げ力が、特に極低
温時では高くなり、エアバッグドア部が展開し難くなる
と共に、ヒンジ部が展開時に破損することもある。
【0005】なお、ヒンジ部の樹脂厚を薄くし過ぎる
と、成形時の欠肉、ベコツキや変形が発生する。また、
このような不具合は、エアバッグドア部とインストルメ
ントパネルの本体部とを別々に成形した後に係止爪やビ
ス等によって一体としたインストルメントパネルのヒン
ジ部においても発生する。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、車両用内装部
材のエアバッグドア部と本体部とを同一樹脂で成形した
場合に、エアバッグドア部展開時のヒンジ部の破損を防
止できるエアバッグドア部を有する車両用内装部材を得
ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、本体部と同一の硬質樹脂材料で一体成形または別体
とされたエアバッグドア部を有する車両用内装部材であ
って、前記エアバッグドア部に形成され、エアバッグ袋
体展開時に開裂するティア部と、前記エアバッグドア部
のティア部側に形成され、エアバッグ袋体展開時に折れ
曲がる第1ヒンジと、前記エアバッグドア部のエアバッ
グケース取付部側に形成され、エアバッグ袋体展開時に
前記第1ヒンジに続いて折れ曲がる第2ヒンジと、前記
エアバッグドア部における、前記第2ヒンジよりエアバ
ッグケース取付部側に形成され、エアバッグ袋体展開時
に前記第2ヒンジに続いて順次折れ曲がる複数の補助ヒ
ンジと、のうちの少なくとも前記第1ヒンジと第2ヒン
ジとを有することを特徴とする。
【0008】従って、エアバッグ袋体展開時に、エアバ
ッグドア部が少なくとも第1ヒンジと、第1ヒンジに続
いて折れ曲がる第2ヒンジとで、2段階に折れ曲がりな
がら開く。この結果、エアバッグドアの開き度合を維持
しながら、曲げ部分の局部的な伸びを低減できるため、
エアバッグドアの曲げ開き時に生じ易いヒンジ部の破損
を防止できる。また、エアバッグドア部と本体部とが、
同一の硬質樹脂材料で一体成形または別体とされた車両
用内装部材において、ヒンジ部の樹脂厚を薄くし過ぎる
ことが無いため、外観品質が低下することも無い。
【0009】請求項2記載の本発明は、本体部と同一の
硬質樹脂材料で一体成形または別体とされた基材を有
し、基材の表面を、表皮または発泡層と表皮で覆ったエ
アバッグドア部を有する車両用内装部材であって、前記
エアバッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開時に
開裂するティア部と、前記エアバッグドア部のティア部
側に形成され、エアバッグ袋体展開時に折れ曲がる第1
ヒンジと、前記エアバッグドア部のエアバッグケース取
付部側に形成され、エアバッグ袋体展開時に前記第1ヒ
ンジに続いて折れ曲がる第2ヒンジと、前記エアバッグ
ドア部における、前記第2ヒンジよりエアバッグケース
取付部側に形成され、エアバッグ袋体展開時に前記第2
ヒンジに続いて順次折れ曲がる複数の補助ヒンジと、の
うちの少なくとも前記第1ヒンジと第2ヒンジとを有す
ることを特徴とする。
【0010】従って、エアバッグ袋体展開時に、エアバ
ッグドア部が少なくとも第1ヒンジと、第1ヒンジに続
いて折れ曲がる第2ヒンジとで、2段階に折れ曲がりな
がら開く。この結果、エアバッグドアの開き度合を維持
しながら、曲げ部分の局部的な伸びを低減できるため、
表皮インサート、表皮貼り込み、発泡タイプの車両用内
装部材においても、エアバッグドアの曲げ開き時に生じ
易いドアヒンジ部の破損を防止できる。
【0011】請求項3記載の本発明は、請求項1または
請求項2に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装
部材において、少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジは、
所定の前後幅にわたって所定板厚の薄肉部として形成さ
れ、且つ該薄肉部の前後幅の中間に曲げポイントとなる
溝が設定されており、第1ヒンジの溝部の板厚が第2ヒ
ンジの溝部の板厚より薄いことを特徴とする。
【0012】従って、請求項1または請求項2に記載の
内容に加えて、第1ヒンジの溝部の板厚が第2ヒンジの
溝部の板厚より薄いため、確実に第1ヒンジ、第2ヒン
ジの順に折れ曲がる。また、エアバッグドア部の曲げポ
イントに溝を形成したので、曲げ部分の表面展開長をか
せぎ、実質伸び率を小さくできるため、エアバッグ袋体
展開時の曲げによるヒンジ部の破損を有効に防止でき
る。
【0013】請求項4記載の本発明は、請求項3に記載
のエアバッグドア部を有する車両用内装部材において、
第1ヒンジと第2ヒンジは同板厚とされており、第1ヒ
ンジの溝部の全長が第2ヒンジの溝部の全長より長いこ
とを特徴とする。
【0014】従って、請求項3に記載の内容に加えて、
第1ヒンジの溝部の全長が第2ヒンジの溝部の全長より
長いため、確実に第1ヒンジ、第2ヒンジの順に折れ曲
がる。
【0015】請求項5記載の本発明は、請求項3に記載
のエアバッグドア部を有する車両用内装部材において、
第1ヒンジの溝部の板厚T1が第2ヒンジの溝部の板厚
T2より厚く、且つ板厚T1、板厚T2、第1ヒンジの
溝部の全長S1及び第2ヒンジの溝部の全長S2の関係
を、S1(T2)3 >S2(T1)3 に設定したことを
特徴とする。
【0016】従って、請求項1または請求項2に記載の
内容に加えて、第1ヒンジの溝部の板厚T1が第2ヒン
ジの溝部の板厚T2より厚い場合においても、確実に第
1ヒンジ、第2ヒンジの順に折れ曲がる。
【0017】請求項6記載の本発明は、請求項1または
請求項2に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装
部材において、前記ティア部の中央部を挟む前記エアバ
ッグドア部の両側もしくは片側の部位に形成され、エア
バッグ袋体展開時に前記エアバッグドア部を突き上げる
突き上げ手段を有することを特徴とする。
【0018】従って、請求項1または請求項2に記載の
内容に加えて、エアバッグ袋体展開時にエアバッグ袋体
から衝撃荷重が、突き上げ手段によりティア部中央に集
中し、ティア部中央からスムーズに破断する。この結
果、ティア部の板厚が厚くても容易に破断させることが
できるため、展開性能と外観品質(インビジブル化)と
の両立を図ることが可能である。また、ティア部が先に
破断するため、エアバッグドア部のヒンジ部の負担を軽
減できる。さらに、エアバッグドア部を剛性の高い硬質
材料で構成できるので、べこつき感や変形も防止でき
る。
【0019】請求項7記載の本発明は、請求項1または
請求項2に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装
部材において、少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジは、
縦方向ティアラインに接続もしくは近接していることを
特徴とする。
【0020】従って、請求項1または請求項2に記載の
内容に加えて、縦方向ティアラインの開裂進行に伴っ
て、確実に第1ヒンジから先に曲げ開かれる。
【0021】請求項8記載の本発明は、請求項3に記載
のエアバッグドア部を有する車両用内装部材において、
少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジの一部に、前記曲げ
ポイントとなる溝を持たない薄肉部を有することを特徴
とする。
【0022】従って、請求項3に記載の内容に加えて、
溝を持たない薄肉部によって、エアバッグ袋体の膨張初
期における剪断力による少なくとも第1ヒンジ及び第2
ヒンジの破損を防止できる。また、溝を持たない薄肉部
によって、第1ヒンジ及び第2ヒンジの各溝により射出
成形時に板厚が絞られることによる樹脂流動低下を防止
できる。
【0023】請求項9記載の本発明は、本体部と同一の
硬質樹脂材料で一体成形または別体とされたエアバッグ
ドア部を有する車両用内装部材であって、前記エアバッ
グドア部に形成され、エアバッグ袋体展開時に開裂する
ティア部と、該ティア部を構成する縦方向ティアライン
の両端部に形成された肉厚急変部と、を有することを特
徴とする。
【0024】従って、エアバッグ袋体展開時に、縦方向
ティアラインの両端部に形成された肉厚急変部により、
ティアラインに沿った開裂を縦方向ティアラインの両端
部において確実に停止させることができるため、エアバ
ッグドア部におけるヒンジ部の破損を防止できる。
【0025】請求項10記載の本発明は、本体部と同一
の硬質樹脂材料で一体成形または別体とされた基材を有
し、基材の表面を、表皮または発泡層と表皮で覆ったエ
アバッグドア部を有する車両用内装部材であって、前記
エアバッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開時に
開裂するティア部と、該ティア部を構成する縦方向ティ
アラインの両端部に形成された肉厚急変部と、を有する
ことを特徴とする。
【0026】従って、エアバッグ袋体展開時に、縦方向
ティアラインの両端部に形成された肉厚急変部により、
ティアラインに沿った開裂を縦方向ティアラインの両端
部において確実に停止させることができる。このため、
表皮インサート、表皮貼り込み、発泡タイプの車両用内
装部材においても、エアバッグドア部におけるヒンジ部
の破損を防止できる。
【0027】請求項11記載の本発明は、請求項9また
は請求項10に記載のエアバッグドア部を有する車両用
内装部材において、前記縦方向ティアラインの両端部に
形成された肉厚急変部は、ティア部板厚よりも薄い薄肉
部と、該薄肉部に連続した厚肉部と、を備えたことを特
徴とする。
【0028】従って、請求項9または請求項10に記載
の内容に加えて、車両用内装部材の一般板厚を大きくす
ることなく、肉厚急変部の板厚差を大きく設定できるた
め、ヒンジの破損をより確実に防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のエアバッグドア部を有す
る車両用内装部材の第1実施形態を図1〜図4に従って
説明する。
【0030】なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢
印UPは車両上方方向を示す。
【0031】図1に示される如く、車両の車室内に設け
られている車両用内装部材としてのいインストルメント
パネル10には、助手席側の内方にエアバッグ装置12
が配設されている。このエアバッグ装置12のエアバッ
グケース14は、図示を省略したインストルメントパネ
ル・リインフォースメントに固定されており、エアバッ
グケース14内には、インフレータ16及び折り畳んだ
状態でエアバッグ袋体18が収納されている。
【0032】また、インストルメントパネル10のエア
バッグケース14と略対向する部位はエアバッグドア部
20となっており、インストルメントパネル10のエア
バッグドア部20以外の部位は本体部22となってい
る。これらのエアバッグドア部20と本体部22は、硬
質樹脂としてのTSOP[エラストマー(ゴム)とPP
(ポリプロピレン)をブロイ化(相乗効果が期待できる
高分子多成分系材料を造る技術)し、さらにタルクを加
えて複合強化したもので、耐衝撃性と剛性を有し、流動
性が良く薄肉製品に適した低比重PP樹脂、例えば、曲
げ弾性率1500〜3000MPa]やPP系樹脂、PC
/ABS系樹脂、PC/AES系樹脂、PC/ASA系
樹脂、PC/ASiS系樹脂、変性PPO系樹脂、PC
/PBT系樹脂、ABS系樹脂、AES系樹脂、ASA
系樹脂、ASiS系樹脂、PC系樹脂、ASG系樹脂、
TPO系樹脂、TPE系樹脂、TPU系樹脂、PC/変
性PS系樹脂等で構成されている。
【0033】エアバッグ装置12は、図示しない機械的
又は電気的な加速度センサ等によって車両の急減速を検
出すると、エアバッグケース14内のインフレータ16
が作動して、エアバッグケース14内に折り畳まれて収
容されているエアバッグ袋体18をインストルメントパ
ネル10のエアバッグドア部20へ向けて膨張させる。
エアバッグ袋体18は、インストルメントパネル10の
エアバッグドア部20を押圧してエアバッグドア部20
を開裂させ車室内に展開するようになっている。なお、
エアバッグ装置12としては、従来公知の一般的構成を
適用できるため、本実施形態ではエアバッグ装置12の
詳細な説明は省略する。
【0034】図4に示される如く、エアバッグドア部2
0の前後方向略中央部と左右方向両端部には、薄肉とさ
れたティア部24が形成されている。このティア部24
は、横方向ティアラインを構成する中央部24Aと、左
右一対の縦方向ティアラインを構成する両側部24B、
24Cからなる平面視でH形状とされており、エアバッ
グ袋体展開時にエアバッグドア部20は前後に両開きし
てエアバッグ袋体が車室内に展開する構成となってい
る。
【0035】図2に示される如く、エアバッグドア部2
0のティア部24の断面はV字状となっている。また、
エアバッグドア部20には、ティア部24の中央部24
Aを挟む車両前後方向両側の部位に突き上げ手段として
の突起28、30が下方へ向けて突出されており、これ
らの突起28、30は、エアバッグドア部20と一体成
形されている。このため、エアバッグ袋体展開時には、
展開するエアバッグ袋体が、突起28、30の下面28
A、30Aに当接して、突起28、30を上方(図2の
矢印A方向)に押圧するようになっている。
【0036】なお、図示を省略したが、突起28、30
は車両前後方向に延びる幅狭のリブと車幅方向に延びる
幅狭のリブとで格子状に形成されている。これらのリブ
の幅は、エアバッグドア部20の肉厚の1/2以下に設
定されており、ヒケを防止するようになっている。突起
28、30の幅と長さは、図4に示すエアバッグドア部
20の前方ドア部20Aと後方ドア部20Bの各全幅W
と全長Lの5%〜20%程度にそれぞれ設定されてい
る。このため、エアバッグドア部20は、突起28、3
0により幅方向、及び長さ方向への撓みが、極端に損な
われることがなく、エアバッグ袋体展開時にエアバッグ
ドア部20が幅方向、及び長さ方向へ撓むことによっ
て、ティア部24の中央部24Aから確実に開裂するよ
うになっている。
【0037】図2に示される如く、前方ドア部20Aの
ティア部24側には第1ヒンジ25が形成されている。
この第1ヒンジ25は所定の前後幅W1にわたって所定
板厚の薄肉部として形成され、且つ薄肉部の前後幅の中
間に曲げポイントとなる溝25Aが設定されており、溝
25Aの板厚T1は、前方ドア部20Aの一般部の板厚
Tより薄肉とされている。なお、溝25Aの両端はティ
ア部24の両側部24B、24C(図4参照)の前端に
接続もしくはその近傍まで達している。
【0038】また、前方ドア部20Aのエアバッグケー
ス取付部側には第2ヒンジ26が第1ヒンジ25と略平
行に形成されている。この第2ヒンジ26は、所定の前
後幅W2にわたって所定板厚の薄肉部として形成され、
且つ薄肉部の前後幅の中間に曲げポイントとなる溝26
Aが設定されており、第1ヒンジ25の溝25Aが形成
された部位の板厚T1は、第2ヒンジ26の溝26Aが
形成された部位の板厚T2より薄肉(T1<T2)とさ
れている。なお、溝26Aの両端はティア部24の両側
部24B、24C(図4参照)に接続されている。
【0039】また、溝25Aと溝26Aとの間の距離
は、所定の距離L1−L2に設定されており、図3に示
される如く、第1ヒンジ25と第2ヒンジ26との双方
の開き角θ1、θ2が90°〜120°に開いた状態を
維持できるようになっている。なお、後方ドア部20B
にも同様に第1ヒンジ25及び第2ヒンジ26が形成さ
れている。
【0040】従って、エアバッグドア部20は、エアバ
ッグ展開時、膨張するエアバッグ袋体18によって押圧
されると、ティア部24に沿って開裂し、開裂した前方
ドア部20Aと後方ドア部20Bとが、第1ヒンジ25
及び第2ヒンジ26を中心に回動して、エアバッグ袋体
18を車室内へ展開可能とする開口が形成されるように
なっている。この際、第1ヒンジ25の溝25Aが形成
された部位の板厚T1が、第2ヒンジ26の溝26Aが
形成された部位の板厚T2より薄肉(T1<T2)とさ
れているため、第1ヒンジ25に続いて第2ヒンジ26
が折れ曲がりを開始するようになっている。
【0041】次に、本発明の第1実施形態の作用を説明
する。
【0042】本実施形態では、エアバッグ袋体展開時
に、展開するエアバッグ袋体18が、突起28、30の
下面28A、30Aに当接して、突起28、30を上方
(図2の矢印A方向)押圧する。このため、エアバッグ
袋体18から瞬間的に衝撃荷重が突起28、30に作用
し、ティア部24の中央部24Aからスムーズに開裂す
る。
【0043】この際、本実施形態では、図3に示される
如く、エアバッグ袋体展開時に、エアバッグドア部20
の前方のドア部20Aと後方のドア部20Bとが、それ
ぞれ第1ヒンジ25と第2ヒンジ26にて2段階に折れ
曲がりながら開く。また、本実施形態では、第1ヒンジ
25と第2ヒンジ26との曲げポイントに溝25A、2
6Aを形成し、第1ヒンジ25の溝25Aが形成された
部位の板厚T1を、第2ヒンジ26の溝26Aが形成さ
れた部位の板厚T2より薄肉(T1<T2)としたた
め、第1ヒンジ25に続いて第2ヒンジ26が折れ曲が
りを開始する。この結果、エアバッグドア部20の前方
のドア部20Aと後方のドア部20Bとの開き度合を維
持しながら、曲げ部分S1、S2の局部的な伸びを低減
できる。
【0044】また、本実施形態では、第1ヒンジ25と
第2ヒンジ26との曲げポイントに溝25A、26Aを
形成したため、曲げ部分S1、S2の表面展開長をかせ
ぎ、基材の実質伸び率を小さくできる。
【0045】従って、エアバッグドア部20の前方のド
ア部20Aと後方のドア部20Bの曲げ開き時に生じ易
い、曲げ部分S1、S2の破損を防止できる。また、ヒ
ンジ部の破損を防止するため、従来使用していた補強部
材が不要となり、コストダウン及び軽量化が可能にな
る。
【0046】また、本実施形態では、第1ヒンジ25の
溝25A及び第2ヒンジ26の溝26Aの各両端部がそ
れぞれティア部24の両側部24B、24C(図4参
照)に接続もしくはその近傍まで達しているため、ティ
ア部24の両側部24B、24Cの開裂進行に伴って、
確実に第1ヒンジ25から先に曲げ開かれる。
【0047】また、本実施形態では、突起28、30に
より、ティア部24の板厚が厚くても容易に開裂させる
ことができるため、展開性能と外観品質(インビジブル
化)との両立を図ることが可能である。また、エアバッ
グドア部20を剛性の高い硬質材料で構成できるので、
べこつき感や変形も防止できる。
【0048】なお、本実施形態では、図4に示される如
く、ティア部24を平面視でH形状に形成したが、ティ
ア部24の形状はこれに限定されず、例えば、コ字状等
の他の形状でも良い。
【0049】また、本実施形態では、第1ヒンジ25の
溝25A及び第2ヒンジ26の溝26Aの各両端部が、
それぞれティア部24の両側部24B、24C(図4参
照)に接続もしくはその近傍まで達しているがこれに代
えて、図5に示される如く、第1ヒンジ25及び第2ヒ
ンジ26の一部に曲げポイントとなる溝25A、26A
を持たない薄肉部40を有する構成としても良い。この
構成とした場合には、薄肉部40によって、エアバッグ
袋体の膨張初期における剪断力による第1ヒンジ25及
び第2ヒンジ26の破損を防止できる。また、薄肉部4
0によって、2列となった第1ヒンジ25の溝25Aと
第2ヒンジ26の溝26Aにより射出成形時に板厚が絞
られることによる樹脂流動低下を防止できる。
【0050】次に、本発明のエアバッグドア部を有する
車両用内装部材の第2実施形態を図6に従って説明す
る。
【0051】なお、第1実施形態と同一部材については
同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】図6に示される如く、本実施形態では、イ
ンストルメントパネル10におけるエアバッグドア部2
0の基材と、本体部22の基材とが同一の硬質樹脂材料
で一体成形されており、この一体成形された基材42の
表面(意匠面)には、インサート成形または貼り込み成
形より例えば、PVC、TPO、ファブリック等から成
る表皮44が配設されている。
【0053】なお、表皮44の裏面(基材)側、或いは
表面側には、基材42のティア部24に沿って、例え
ば、薄肉加工されたティア部46が形成されており、表
皮44は基材42の表面(意匠面)を覆っている。
【0054】従って、本実施形態では、エアバッグ袋体
展開時に、第1実施形態と同様に基材42がティア部2
4に沿って開裂すると共に、表皮44もティア部46か
ら開裂し、第1実施形態と同様な効果が得られる。
【0055】なお、表皮インサート成形の場合、図7
(A)に示される単層の表皮44以外に、図7(B)に
示される2層(表皮単層+発泡層)の表皮44、図7
(C)に示される3層(表皮単層+発泡層+裏地層)の
表皮44を使用しても良い。
【0056】また、貼り込み成形の場合、図8(A)に
示される単層の表皮44以外に、図8(B)に示される
フォーム層48付きの表皮44を使用しても良い。
【0057】次に、本発明のエアバッグドア部を有する
車両用内装部材の第3実施形態を図9に従って説明す
る。
【0058】なお、第2実施形態と同一部材については
同一符号を付してその説明を省略する。
【0059】図9に示される如く、本第3実施形態で
は、基材42と表皮44との間に、例えば、ウレタンフ
ォームから成る発泡層50が一体発泡されている。
【0060】従って、本実施形態では、エアバッグ袋体
展開時に、第1実施形態と同様に基材42がティア部2
4の中央部24Aから開裂すると共に、発泡層50と表
皮44も開裂し、第1実施形態と同様な効果が得られ
る。
【0061】なお、前記第1〜第3実施形態では、第1
ヒンジ25と第2ヒンジ26との2つのヒンジを形成し
たが、第2ヒンジ26に続いて順次折れ曲がる第3ヒン
ジ以降の複数のヒンジを設けた構成としても良い。
【0062】次に、本発明のエアバッグドア部を有する
車両用内装部材の第4実施形態を図10〜図13に従っ
て説明する。
【0063】なお、第1実施形態と同一部材については
同一符号を付してその説明を省略する。
【0064】図12に示される如く、本実施形態では、
ティア部24が形成された左右一対の縦方向ティアライ
ンを構成する両側部24B、24Cの前後両端部間にそ
れぞれ薄肉とされたヒンジ部52が形成されており、テ
ィア部24の両側部24B、24Cの前後両端部には、
それぞれ平面視で矩形状の肉厚急変部54が形成されて
いる。また、ティア部24の両側部24B、24Cの各
ドア部外側には、両側部24B、24Cに沿って全周に
リブ56が配設されている。
【0065】図11に示される如く、リブ56はエアバ
ッグドア部20の裏面側に突出しており、本体部22の
エアバッグドア周辺部を補強することでエアバッグドア
部20の変形等を防止している。
【0066】図10に示される如く、肉厚急変部54
は、ティア部24の側部24Cの板厚N1と同じ板厚N
1とされた薄肉部54Aと、ティア部24の側部24C
の板厚N1よりも厚い板厚N2とされた厚肉部54B
と、を縦壁部54Cで連結した構成となっている。な
お、肉厚急変部54は、ティア部24の側部24Bにお
いても、同様になっている。
【0067】従って、本実施形態では、エアバッグドア
部20が展開する際に、ティア部24の両側部24B、
24Cの前後両端部に形成された肉厚急変部54の縦壁
部54Cにおいて、ティア部24の両側部24B、24
Cの開裂が停止する。この結果、ティア部24の両側部
24B、24Cの開裂による亀裂の進展がエアバッグド
ア部20におけるヒンジ部52等に至るのを効果的に阻
止できるため、ヒンジ部52の破損を防止できる。
【0068】次に、本発明のエアバッグドア部を有する
車両用内装部材の第5実施形態を図13及び図14に従
って説明する。
【0069】なお、第4実施形態と同一部材については
同一符号を付してその説明を省略する。
【0070】図14に示される如く、本実施形態では、
肉厚急変部54がティア部24の側部24Cより深く、
断面矩形状に形成されている。
【0071】図13に示される如く、肉厚急変部54
は、ティア部24の側部24Cの板厚N1より薄くされ
た板厚N3の薄肉部54Aと、この薄肉部54Aとティ
ア部24の側部24Cとを連結する第1の縦壁部54B
と、ティア部24の側部24Cの板厚N1より厚くされ
た板厚N4の厚肉部54Cと、薄肉部54Aと厚肉部5
4Cと連結する第2の縦壁部54Dとで構成されてい
る。なお、肉厚急変部54は、ティア部24の側部24
Bにおいても、同様になっている。
【0072】従って、本実施形態では、エアバッグドア
部20の一般板厚N5より薄い板厚N4(N4<N5)
内で、肉厚急変部54を設定できる。この結果、エアバ
ッグドア部20の一般板厚N5を厚くすることなく、テ
ィアライン端部の板厚差を大きく設定できるので、肉厚
急変部54の縦壁部54Dにおいて、ティア部24の両
側部24B、24Cの開裂が停止する。この結果、ティ
ア部24の両側部24B、24Cの開裂による亀裂の進
展がエアバッグドア部20におけるヒンジ部52等に至
るのを効果的に阻止できるため、ヒンジ部52の破損を
防止できる。
【0073】なお、第4及び第5実施形態では、図12
に示される如く、ティア部24の両側部24B、24C
の両端部に肉厚急変部54を形成したが、これに代え
て、図15(A)に示される如く、ティア部24の両側
部24B、24Cの前後両端部に互いに接近する方向へ
屈曲した枝部24Dを形成し、これらの枝部24Dの先
端に肉厚急変部54を形成しても良い。この場合には、
枝部24Dを形成したことで、エアバッグドア部20の
ヒンジ部における折れ曲がりが容易になり、開き角が大
きくなる。従って、図15(B)に示される如く、特
に、乗員側に開く、エアバッグドア部20の後方のドア
部20Bにおいて、枝部24Dを形成することが好まし
い。
【0074】また、第4及び第5実施形態では、図4に
示される如く、ティア部24をH形状としたが、これに
代えて、図15(C)に示される如く、ティア部24を
コ字形状とし、両側部24B、24Cの端部に肉厚急変
部54を形成した構成としても良い。また、図15
(D)に示される如く、ティア部24の両側部24B、
24Cの前端部に互いに接近する方向へ屈曲した枝部2
4Dを形成し、これらの枝部24Dの先端に肉厚急変部
54を形成しても良い。
【0075】また、第4及び第5実施形態における肉厚
急変部54は、図6〜図8に示される様な、基材42の
表面(意匠面)に表皮44が配設されているインストル
メントパネル、または、図9に示される如く、基材42
と表皮44との間に発泡層50が一体発泡されているイ
ンストルメントパネルにも適用可能である。
【0076】また、図16に示される如く、同板厚とさ
れた第1ヒンジ25と第2ヒンジ26において、第1ヒ
ンジ25の溝部25Aの全長(S1=S2+S3+S
4)が第2ヒンジ26の溝部26Aの全長(S5=S6
+S7+S8)より長く、設定することで、確実に第1
ヒンジ25、第2ヒンジ26の順に折れ曲がる構成とし
ても良い。さらに、第1ヒンジ25の溝部25Aの板厚
T1が、第2ヒンジ26の溝部26Aの板厚T2より厚
い場合には、板厚T1、板厚T2、第1ヒンジ25の溝
部25Aの全長S1及び第2ヒンジ26の溝部26Aの
全長S5の関係を、S1(T2)3 >S2(T1)3
設定することで、確実に第1ヒンジ25、第2ヒンジ2
6の順に折れ曲がる構成としても良い。
【0077】以上に於いては、本発明を特定の実施形態
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは明らかである。例えば、
エアバッグ袋体展開時に第2ヒンジ26に続いて順次折
れ曲がる第3ヒンジ、第4ヒンジ等の補助ヒンジを、エ
アバッグドア部20における第2ヒンジ26より取付部
側の部位に形成した構成としても良い。また、インスト
ルメントパネル10のエアバッグドア部20と本体部2
2とを別部材とした構成としても良い。また、ティア部
24の断面形状は、V字形状の他にU字状等の他の形状
にしても良い。また、本発明のエアバッグドア部を有す
る車両用内装部材はインストルメントパネルの他にドア
トリム、センタピラーガーニッシュ、ハンドルパッド等
にも適用可能である。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の本発明は、本体部と同一
の硬質樹脂材料で一体成形または別体とされたエアバッ
グドア部を有する車両用内装部材であって、エアバッグ
ドア部に形成され、エアバッグ袋体展開時に開裂するテ
ィア部と、エアバッグドア部のティア部側に形成され、
エアバッグ袋体展開時に折れ曲がる第1ヒンジと、エア
バッグドア部のエアバッグケース取付部側に形成され、
エアバッグ袋体展開時に第1ヒンジに続いて折れ曲がる
第2ヒンジと、エアバッグドア部における、第2ヒンジ
よりエアバッグケース取付部側に形成され、エアバッグ
袋体展開時に第2ヒンジに続いて順次折れ曲がる複数の
補助ヒンジと、のうちの少なくとも前記第1ヒンジと第
2ヒンジとを有するため、エアバッグドア部展開時のヒ
ンジ部の破損を防止できるという優れた効果を有する。
【0079】請求項2記載の本発明は、本体部と同一の
硬質樹脂材料で一体成形または別体とされた基材を有
し、基材の表面を、表皮または発泡層と表皮で覆ったエ
アバッグドア部を有する車両用内装部材であって、エア
バッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開時に開裂
するティア部と、エアバッグドア部のティア部側に形成
され、エアバッグ袋体展開時に折れ曲がる第1ヒンジ
と、エアバッグドア部のエアバッグケース取付部側に形
成され、エアバッグ袋体展開時に第1ヒンジに続いて折
れ曲がる第2ヒンジと、エアバッグドア部における、第
2ヒンジよりエアバッグケース取付部側に形成され、エ
アバッグ袋体展開時に第2ヒンジに続いて順次折れ曲が
る複数の補助ヒンジと、のうちの少なくとも前記第1ヒ
ンジと第2ヒンジとを有するため、基材の表面が、表皮
または発泡層と表皮で覆われたエアバッグドア部を有す
る車両用内装部材において、エアバッグドア部展開時の
ヒンジ部の破損を防止できるという優れた効果を有す
る。
【0080】請求項3記載の本発明は、請求項1または
請求項2に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装
部材において、少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジは、
所定の前後幅にわたって所定板厚の薄肉部として形成さ
れ、且つ該薄肉部の前後幅の中間に曲げポイントとなる
溝が設定されており、第1ヒンジの溝部の板厚が第2ヒ
ンジの溝部の板厚より薄いため、請求項1または請求項
2に記載の効果に加えて、確実に第1ヒンジ、第2ヒン
ジの順に折れ曲がるという優れた効果を有する。また、
エアバッグ袋体展開時の曲げによるヒンジ部の破損を有
効に防止できるという優れた効果を有する。
【0081】請求項4記載の本発明は、請求項3に記載
のエアバッグドア部を有する車両用内装部材において、
第1ヒンジと第2ヒンジは同板厚とされており、第1ヒ
ンジの溝部の全長が第2ヒンジの溝部の全長より長いた
め、請求項3に記載の効果に加えて、確実に第1ヒン
ジ、第2ヒンジの順に折れ曲がるという優れた効果を有
する。
【0082】請求項5記載の本発明は、請求項3に記載
のエアバッグドア部を有する車両用内装部材において、
第1ヒンジの溝部の板厚T1が第2ヒンジの溝部の板厚
T2より厚く、且つ板厚T1、板厚T2、第1ヒンジの
溝部の全長S1及び第2ヒンジの溝部の全長S2の関係
を、S1(T2)3 >S2(T1)3 に設定したため、
請求項3に記載の効果に加えて、確実に第1ヒンジ、第
2ヒンジの順に折れ曲がるという優れた効果を有する。
【0083】請求項6記載の本発明は、請求項1または
請求項2に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装
部材において、ティア部の中央部を挟むエアバッグドア
部の両側もしくは片側の部位に形成され、エアバッグ袋
体展開時に前記エアバッグドア部を突き上げる突き上げ
手段を有するため、請求項1または請求項2に記載の効
果に加えて、展開性能と外観品質との両立を図ることが
できるという優れた効果を有する。また、ヒンジ部の負
担を軽減できるという優れた効果を有する。請求項7記
載の本発明は、請求項1または請求項2に記載のエアバ
ッグドア部を有する車両用内装部材において、少なくと
も第1ヒンジと第2ヒンジは、縦方向ティアラインに接
続もしくは近接しているため、請求項1または請求項2
に記載の効果に加えて、確実に第1ヒンジから先に曲げ
開かれるという優れた効果を有する。
【0084】請求項8記載の本発明は、請求項3に記載
のエアバッグドア部を有する車両用内装部材において、
少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジの一部に、前記曲げ
ポイントとなる溝を持たない薄肉部を有するため、請求
項3に記載の効果に加えて、エアバッグ袋体の膨張初期
における剪断力によるヒンジ破損を防止できるという優
れた効果を有する。また、樹脂流動低下を防止できると
いう優れた効果を有する。
【0085】請求項9記載の本発明は、本体部と同一の
硬質樹脂材料で一体成形または別体とされたエアバッグ
ドア部を有する車両用内装部材であって、エアバッグド
ア部に形成され、エアバッグ袋体展開時に開裂するティ
ア部と、ティア部を構成する縦方向ティアラインの両端
部に形成された肉厚急変部と、を有するため、エアバッ
グドア部展開時のヒンジ部の破損を防止できるという優
れた効果を有する。
【0086】請求項10記載の本発明は、本体部と同一
の硬質樹脂材料で一体成形または別体とされた基材を有
し、基材の表面を、表皮または発泡層と表皮で覆ったエ
アバッグドア部を有する車両用内装部材であって、エア
バッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開時に開裂
するティア部と、ティア部を構成する縦方向ティアライ
ンの両端部に形成された肉厚急変部と、を有するため、
基材の表面が、表皮または発泡層と表皮で覆われたエア
バッグドア部を有する車両用内装部材において、エアバ
ッグドア部展開時のヒンジ部の破損を防止できるという
優れた効果を有する。
【0087】請求項11記載の本発明は、請求項9また
は請求項10に記載のエアバッグドア部を有する車両用
内装部材において、縦方向ティアラインの両端部に形成
された肉厚急変部は、ティア部板厚よりも薄い薄肉部
と、該薄肉部に連続した厚肉部と、を備えたため、請求
項9または請求項10に記載の効果に加えて、ヒンジ部
の破損をより確実に防止できるという優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4の1−1線に沿った拡大断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るエアバッグドア部
を有する車両用内装部材の要部を示す拡大側断面図であ
る。
【図3】本発明の第1実施形態に係るエアバッグドア部
を有する車両用内装部材の要部のエアバッグドア部展開
状態を示す拡大側断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るエアバッグドア部
を有する車両用内装部材としてのインストルメントパネ
ルを示す車両斜め後方から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例に係るエアバッ
グドア部を有する車両用内装部材のエアバッグドア部裏
面を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るエアバッグドア部
を有する車両用内装部材の図1に対応する側断面図であ
る。
【図7】(A)〜(C)は本発明に係るエアバッグドア
部を有する車両用内装部材の表皮インサート成形による
表皮を示す断面図である。
【図8】(A)及び(B)は本発明に係るエアバッグド
ア部を有する車両用内装部材の貼り込み成形による表皮
を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るエアバッグドア部
を有する車両用内装部材の図1に対応する側断面図であ
る。
【図10】図12の10−10線に沿った拡大断面図で
ある。
【図11】図12の11−11線に沿った拡大断面図で
ある。
【図12】本発明の第4実施形態に係るエアバッグドア
部を有する車両用内装部材のエアバッグドア部裏面を示
す平面図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るエアバッグドア
部を有する車両用内装部材の図10に対応する側断面図
である。
【図14】本発明の第5実施形態に係るエアバッグドア
部を有する車両用内装部材の図11に対応する側断面図
である。
【図15】(A)〜(D)は本発明の第4実施形態の変
形例に係るエアバッグドア部を有する車両用内装部材の
エアバッグドア部裏面におけるティア部と肉厚急変部の
位置関係を示す概略平面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るエアバッグドア
部を有する車両用内装部材のエアバッグドア部裏面を示
す平面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(車両用内装部材) 12 エアバッグ装置 16 インフレータ 18 エアバッグ袋体 20 インストルメントパネルのエアバッグドア部 20A 前方ドア部 20B 後方ドア部 22 インストルメントパネルの本体部 24 ティア部 24A ティア部の中央部(横方向ティアライン) 24B ティア部の両側部(縦方向ティアライン) 24C ティア部の両側部(縦方向ティアライン) 25 第1ヒンジ 25A 第1ヒンジの溝 26 第2ヒンジ 26A 第2ヒンジの溝 28 突起(突き上げ手段) 40 薄肉部 42 基材 44 表皮 50 発泡層 54 肉厚急変部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体部と同一の硬質樹脂材料で一体成形
    または別体とされたエアバッグドア部を有する車両用内
    装部材であって、 前記エアバッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開
    時に開裂するティア部と、 前記エアバッグドア部のティア部側に形成され、エアバ
    ッグ袋体展開時に折れ曲がる第1ヒンジと、 前記エアバッグドア部のエアバッグケース取付部側に形
    成され、エアバッグ袋体展開時に前記第1ヒンジに続い
    て折れ曲がる第2ヒンジと、 前記エアバッグドア部における、前記第2ヒンジよりエ
    アバッグケース取付部側に形成され、エアバッグ袋体展
    開時に前記第2ヒンジに続いて順次折れ曲がる複数の補
    助ヒンジと、 のうちの少なくとも前記第1ヒンジと第2ヒンジとを有
    することを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用
    内装部材。
  2. 【請求項2】 本体部と同一の硬質樹脂材料で一体成形
    または別体とされた基材を有し、基材の表面を、表皮ま
    たは発泡層と表皮で覆ったエアバッグドア部を有する車
    両用内装部材であって、 前記エアバッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開
    時に開裂するティア部と、 前記エアバッグドア部のティア部側に形成され、エアバ
    ッグ袋体展開時に折れ曲がる第1ヒンジと、 前記エアバッグドア部のエアバッグケース取付部側に形
    成され、エアバッグ袋体展開時に前記第1ヒンジに続い
    て折れ曲がる第2ヒンジと、 前記エアバッグドア部における、前記第2ヒンジよりエ
    アバッグケース取付部側に形成され、エアバッグ袋体展
    開時に前記第2ヒンジに続いて順次折れ曲がる複数の補
    助ヒンジと、 のうちの少なくとも前記第1ヒンジと第2ヒンジとを有
    することを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用
    内装部材。
  3. 【請求項3】 少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジは、
    所定の前後幅にわたって所定板厚の薄肉部として形成さ
    れ、且つ該薄肉部の前後幅の中間に曲げポイントとなる
    溝が設定されており、第1ヒンジの溝部の板厚が第2ヒ
    ンジの溝部の板厚より薄いことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のエアバッグドア部を有する車両用
    内装部材。
  4. 【請求項4】 第1ヒンジと第2ヒンジは同板厚とされ
    ており、第1ヒンジの溝部の全長が第2ヒンジの溝部の
    全長より長いことを特徴とする請求項3に記載のエアバ
    ッグドア部を有する車両用内装部材。
  5. 【請求項5】 第1ヒンジの溝部の板厚T1が第2ヒン
    ジの溝部の板厚T2より厚く、且つ板厚T1、板厚T
    2、第1ヒンジの溝部の全長S1及び第2ヒンジの溝部
    の全長S2の関係を、S1(T2)3 >S2(T1)3
    に設定したことを特徴とする請求項3に記載のエアバッ
    グドア部を有する車両用内装部材。
  6. 【請求項6】 前記ティア部の中央部を挟む前記エアバ
    ッグドア部の両側もしくは片側の部位に形成され、エア
    バッグ袋体展開時に前記エアバッグドア部を突き上げる
    突き上げ手段を有することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装
    部材。
  7. 【請求項7】 少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジは、
    縦方向ティアラインに接続もしくは近接していることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアバッグ
    ドア部を有する車両用内装部材。
  8. 【請求項8】 少なくとも第1ヒンジと第2ヒンジの一
    部に、前記曲げポイントとなる溝を持たない薄肉部を有
    することを特徴とする請求項3記載のエアバッグドア部
    を有する車両用内装部材。
  9. 【請求項9】 本体部と同一の硬質樹脂材料で一体成形
    または別体とされたエアバッグドア部を有する車両用内
    装部材であって、 前記エアバッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開
    時に開裂するティア部と、 該ティア部を構成する縦方向ティアラインの両端部に形
    成された肉厚急変部と、 を有することを特徴とするエアバッグドア部を有する車
    両用内装部材。
  10. 【請求項10】 本体部と同一の硬質樹脂材料で一体成
    形または別体とされた基材を有し、基材の表面を、表皮
    または発泡層と表皮で覆ったエアバッグドア部を有する
    車両用内装部材であって、 前記エアバッグドア部に形成され、エアバッグ袋体展開
    時に開裂するティア部と、 該ティア部を構成する縦方向ティアラインの両端部に形
    成された肉厚急変部と、 を有することを特徴とするエアバッグドア部を有する車
    両用内装部材。
  11. 【請求項11】 前記縦方向ティアラインの両端部に形
    成された肉厚急変部は、ティア部板厚よりも薄い薄肉部
    と、該薄肉部に連続した厚肉部と、を備えたことを特徴
    とする請求項9または請求項10に記載のエアバッグド
    ア部を有する車両用内装部材。
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