JPH11307930A - 基板およびその製造方法 - Google Patents

基板およびその製造方法

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JPH11307930A
JPH11307930A JP11508398A JP11508398A JPH11307930A JP H11307930 A JPH11307930 A JP H11307930A JP 11508398 A JP11508398 A JP 11508398A JP 11508398 A JP11508398 A JP 11508398A JP H11307930 A JPH11307930 A JP H11307930A
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thermosetting resin
metal powder
substrate
conductive
metal
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JP11508398A
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Osamu Suzuki
理 鈴木
Michinori Komagata
道典 駒形
Kenichi Suzuki
憲一 鈴木
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Namics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路基板に、抵抗が低く、接続の信頼性が高
い層間導電路を形成させた基板の製造方法、および基板
を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂、該熱硬化性樹脂の硬化温
度で溶融する金属を少なくとも一部として含む導電性フ
ィラー、およびフラックス作用を有する成分を含む導電
ペーストを、基板のホールに充填する工程;加熱により
該熱硬化性樹脂を硬化させるとともに、上記の金属粉末
を溶融させる工程;ならびに溶融した金属を固化させる
工程をこの順序で含む方法によって、層間に導電路を形
成した、基板の製造方法;ならびにそのような方法によ
って得られた基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面回路基板や多
層回路基板のような回路基板の、スルーホールおよびバ
イアホールのようなホールに、導電ペーストを充填して
層間導電路を形成した基板の製造方法に関し、またその
ような方法によって製造された基板に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高性能化、小型化に伴い、基
板の両面に回路を形成したり、回路基板を多層化して集
積密度を上げることが行われている。両面回路基板およ
び多層回路基板には、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、芳
香族アミド不織布強化エポキシ樹脂、ガラス繊維強化フ
ェノール樹脂、ポリスルホンなどの、FR4またはFR
5の基準に合致する硬質基板、およびフレキシブル基板
がある。これらの両面回路基板および多層基板におい
て、層間に導電路を設けるために、基板を貫通するスル
ーホールおよび/または層間バイアホールを設けて、こ
れらのホールの壁面にメッキを行うなどの方法により、
層間に導電路を形成することが行われている。
【0003】ホールの壁面をメッキして層間導電路を形
成させる方法では、メッキ工程に伴う廃水処理が必要に
なるほか、このようにして層間導電路を形成させた多層
回路基板をヒートサイクル試験にかけると、メッキ層の
耐熱衝撃性が低いので破断する。この傾向は、ホールの
孔径が小さくなるほど著しい。
【0004】そこで、これらのスルーホールおよび/ま
たはバイアホールに、導電ペーストを充填して硬化させ
ることにより、層間導電路を形成させることが行われて
いる。導電ペーストとしては、銅、銀、金、ニッケル、
パラジウムなどや、それら相互の合金である導電性金属
からなる導電性フィラーを、未硬化の熱硬化性樹脂に分
散させたものが用いられる。しかしながら、このような
導電ペーストによる層間導電路の形成では、充填物中の
導電性フィラー相互の点接触によって導電性が得られる
ため、高い抵抗値を有する層間導電路しか得られない。
【0005】特に回路密度の高い回路基板では、これら
のホールの径が小さくなり、それに充填するために導電
ペーストの見掛け粘度を下げる必要があるので、そのた
めに導電性フィラーの量を下げたり、粒子径の大きい導
電性フィラーを用いると、ますます該フィラー相互の接
触が減って抵抗値が高くなる。
【0006】一方、ホールに導電ペーストを充填して硬
化させた基板に、回路を形成するためにメッキを施す
と、ヒートサイクルテストにより、硬化した導電ペース
トとメッキ層との境界に亀裂を生ずる。また、メッキの
代わりに、銅箔を用いて熱プレスする方法では、銅箔と
硬化した導電ペーストとの間の接着力が弱く、ヒートサ
イクルテストおよび耐湿試験によって剥離する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、両面
回路基板または多層回路基板のような回路基板の、スル
ーホールやバイアホールに導電ペーストを充填して、抵
抗値が低く、銅箔への接着性が優れ、接続の信頼性が高
い層間導電路を形成させた基板の製造方法、およびその
ようにして得られた基板を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために研究を重ねた結果、熱硬化性樹脂に
組み合わせる導電性フィラーの少なくとも一部として、
該熱硬化性樹脂の硬化温度で溶融する金属粉末、または
そのような該低融点金属で被覆された金属粉末を、フラ
ックス作用を有する成分とともに用い、該硬化温度で該
粉末を、溶融させることによって、その目的を達成でき
ることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明の基板の製造方法は、 (1)(A)熱硬化性樹脂; (B)該熱硬化性樹脂に組み合わせる金属粉末の少なく
とも一部として、該熱硬化性樹脂の硬化温度で溶融する
金属粉末か、該金属で表面が被覆された金属粉末を含む
導電性フィラー;および (C)フラックス作用を有する成分を含む導電ペースト
を、基板のホールに充填する工程; (2)該熱硬化性樹脂の硬化温度で上記の金属粉末を溶
融させるとともに、該熱硬化性樹脂を硬化させる工程;
ならびに (3)溶融した金属を固化させる工程をこの順序で含む
方法によって、層間に導電路を形成した製造方法であ
り;本発明の基板は、上記の方法によって層間に導電路
を形成した基板である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、両面回路基板と
は、1個の基板の両面に回路を形成させて、その間に、
基板を貫通して少なくとも1個の導電路を形成させたも
のであり、多層回路基板とは、少なくとも2層の基板か
らなり、基板の間に形成させた回路を含めて多層の回路
を含み、回路間に基板を貫通して少なくとも1個の導電
路を形成させたものである。
【0011】本発明において導電ペーストを充填する両
面回路基板または多層回路基板のホールは、層間に導電
路を形成させるためのものであり、該基板全体を貫通す
るスルーホールであっても、一部の層間を貫通するバイ
アホールであってもよい。ホールの孔径は特に限定され
ないが、通常100〜500μm である。回路を形成さ
せる基板材料としては、FR4、FR5の基準に合致す
る、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、芳香族アミド不織布
強化エポキシ樹脂、ガラス繊維強化フェノール樹脂など
が例示される。これらは、通常、プリプレグ状でドリル
のような穿孔工具またはレーザービームによりホールを
形成されて、導電ペーストの充填に供される。
【0012】本発明の基板の製造方法において、導電路
を形成する方法の工程(1)は、(A)未硬化の熱硬化
性樹脂、(B)少なくとも一部が該熱硬化性樹脂の硬化
温度で溶融する金属粉末、またはこのような低融点金属
で被覆された金属粉末である導電性フィラー、および
(C)フラックス作用を有する成分を含む導電ペースト
を、基板のホールに充填する工程である。充填は、スク
リーン印刷、孔版印刷、ピン転写などの方法によって行
うことができる。
【0013】本発明によって導電ペーストに用いられる
(A)成分は、未硬化状態の熱硬化性成樹脂であり、
(B)成分中の低融点金属粉末の溶融温度と同じ温度ま
たはそれより高い温度で硬化するものが用いられる。具
体的には、(A)成分としては、通常130〜300
℃、好ましくは150〜220℃の硬化温度を有するも
のが用いられる。(A)成分は、エポキシ樹脂に見られ
るように、モノマー性の化合物でもよく、また反応性希
釈剤を含有していてもよい。さらに、必要に応じて硬化
剤および/または硬化促進剤を含有してもよい。後述の
(B)成分との量比における(A)成分の量としては、
これらを包含する量を用いる。また、これらの硬化剤お
よび/または硬化促進剤には、後述の(C)成分の作用
を有するものも包含される。
【0014】(A)成分としては、エポキシ樹脂、オキ
セタン樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂
などが例示され、1種でも、2種以上を用いてもよい。
【0015】エポキシ樹脂としては、分子中に2個以上
のオキシラン環を有するものが用いられ、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン型エポキシ樹脂、ダイマー酸のような二塩基酸のグ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂
など;ならびに反応性希釈剤としても用いられるエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリ
シジルエーテルなどが例示され、導電ペーストに流動性
を与えることから、常温で液状の樹脂が好ましいが、常
温で固体の樹脂であっても、他の液状樹脂と併用した
り、反応性希釈剤を用いたりして、(A)成分全体とし
て常温で液状であればよい。反応性希釈剤としては、分
子中に1〜3個のオキシラン環を有し、ビニル基やメタ
クリル基が存在してもよい、比較的低分子量の液状エポ
キシ化合物が用いられる。
【0016】硬化剤としては、エポキシ樹脂のオキシラ
ン環を開環させる化合物が用いられ、無水フタル酸、ト
リメリト酸無水物、ピロメリト酸無水物、テトラヒドロ
フタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、
ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタ
ル酸無水物、メチルナジック酸無水物のような酸無水
物;シュウ酸、マレイン酸、リンゴ酸のような多価カル
ボン酸;ピペリジン、トリエチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミンのような第二お
よび第三アミン類:ポリアミド;ノボラック型フェノー
ル樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリルフェノール
樹脂のようなフェノール樹脂などが例示される。これら
のうち、後述の(C)成分の作用を有することから、酸
無水物、多価カルボン酸およびフェノール樹脂が好まし
い。
【0017】必要に応じて用いられる硬化促進剤として
は、上記の開環反応を促進する触媒作用を有するものが
用いられ、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−
4−メチルイミダゾールのようなイミダゾール類;オク
チルアミン酢酸塩、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.
0〕ウンデセン−7のオクタン酸塩、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2−エチルヘ
キサン酸塩のような有機酸アミン塩;三フッ化ホウ素モ
ノエチルアミン錯体のような三フッ化ホウ素アミン錯
体;ジシアンジアミド;ジフェニルヨードニウムヘキサ
フルオロアンチモン塩、トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモン塩、テトラフェニルアンモニウム
ヘキサフルオロアンチモン塩、テトラフェニルホスホニ
ウムヘキサフルオロアンチモン塩のようなオニウム塩な
どが例示される。これらのうち、後述の(C)成分の作
用を有することから、有機酸アミン塩が好ましいが、硬
化剤として(C)成分の作用を有するものを用いる場合
には、所望の硬化特性を得るために、他の硬化促進剤を
用いてもよい。
【0018】オキセタン樹脂としては、分子中に2個以
上のオキセタン環を有するものが用いられ、硬化促進剤
としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモン塩、テトラフェニルホスホニウムヘキサフルオ
ロアンチモン塩のようなオニウム塩などが用いられる。
【0019】シアネートエステル樹脂としては、モノマ
ー性の化合物を包含して、分子中に2個以上のシアナト
基を有する芳香族化合物が用いられ、1,1−ビス(4
−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(4−シア
ナトフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2,2−ビス(4−シアナトフェニル)
プロパン、ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェ
ニル)メタン、1,3−ビス〔2−(4−シアナトフェ
ニル)プロパン−2−イル)ベンゼン、シアナト化フェ
ノールノボラックオリゴマーなど、およびそれらのシア
ナト基がトリアジン環を形成するように重合したプレポ
リマーが例示される。エポキシ樹脂と併用して、オクタ
ン酸コバルトのような有機酸金属塩などを用いて硬化さ
せることができる。
【0020】ポリイミド樹脂としては、ピロメリト酸二
無水物のような芳香族テトラカルボン酸無水物とm−フ
ェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンのような芳
香族ジアミンから得られる芳香族ポリイミド樹脂、およ
びビスマレイミド化合物とメチレンジアニリンから得ら
れるビスマレイミド樹脂などが例示され、単独で、また
はエポキシ樹脂との併用で用いられる。
【0021】これらの(A)成分は、硬化して得られる
硬化物のガラス転移点と基板材料のガラス転移点との差
が、30℃以内であるものが望ましい。
【0022】導電ペーストに用いられる(B)成分は、
導電性フィラーであり、その少なくとも一部が、(A)
成分の硬化温度で溶融しうるような低い融点を有する金
属(以下、低融点金属という)粉末である。このことに
より、ホールに充填された導電ペースト中の(B)成分
の少なくとも一部が、(A)成分の硬化温度で溶融し
て、(B)成分相互の良好な接触状態をもたらす。
【0023】このような金属粉末の融点は、130〜3
00℃が好ましく、150〜220℃がさらに好まし
い。また、硬化後の(A)成分のガラス転移点以上であ
ることが望ましい。130℃未満では、該融点以下のガ
ラス転移点を有する適切な基材や(A)成分の選択が困
難である。一方、融点が高くなるにつれて、該金属粉末
を溶融させるために高温に加熱する必要が生じ、基板の
熱劣化をもたらす。
【0024】上記の融点を有する金属としては、スズ、
インジウムのような金属のほか;スズ−鉛合金、スズ−
ビスマス合金、スズ−ビスマス−銀合金、スズ−インジ
ウム合金およびスズ−銀−銅合金のような合金が例示さ
れ、1種でも、2種以上を用いてもよい。これらのう
ち、廃棄により環境に影響を与えないことから、鉛を含
まないものが好ましい。
【0025】(B)成分には、上記の低融点金属粉末の
ほかに、導電性を有する高融点金属粉末が存在していて
もよい。これにより、溶融した低融点金属の固化の際の
収縮による残留応力を小さくすることができる。また、
導電性の高い高融点金属粉末を併用することにより、導
電路の導電性を高めることができる。高融点金属粉末と
しては、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムのような金
属;およびスズ−銅合金、スズ−亜鉛合金、銅−銀合金
のような合金が例示される。(B)成分中の低融点金属
粉末の割合は、(A)成分の硬化後に(B)成分相互の
良好な接触状態が得られ、優れた導電性を有する導電路
を形成することから、20〜100重量%が好ましく、
20〜80重量%がさらに好ましい。
【0026】また、上記の低融点金属粉末の代わりに、
高融点金属粉末の表面が低融点金属で被覆された金属粉
末を、導電性フィラーとして用いてもよい。その場合
も、該導電性フィラーに占める低融点金属の比は、用い
られる導電性フィラー全体として20重量%以上である
ことが好ましい。
【0027】(B)成分の粒子径は、調製された導電ペ
ーストの保存中に導電性フィラーが沈降せず、また導電
ペーストをホールに充填するのに適した作業性が得られ
ることから、1〜100μm が好ましく、1〜50μm
で、さらにホール孔径の1/50〜1/5の範囲である
ことが特に好ましい。
【0028】導電ペースト中の(A)成分と(B)成分
の比率は、(B)成分相互の良好な接触状態が得られる
ことから、重量比として20:80〜50:50の範囲
が好ましい。
【0029】本発明の導電ペーストに用いられる(C)
成分は、フラックス作用、すなわち金属の溶融を助け、
また金属酸化物の生成を防ぐ作用を有するもので、酸無
水物、多価カルボン酸、有機酸アミン塩、フェノール樹
脂などが挙げられ、1種でも、2種以上を用いてもよ
い。ここに挙げられたものは、いずれも(A)成分の硬
化剤または硬化促進剤として挙げられたものであり、そ
こに例示されたものを用いることができる。(A)成分
としてエポキシ樹脂を用いる場合、(C)成分として
は、樹脂の硬化剤としても優れている酸無水物が、特に
好ましい。(C)成分を用いることにより、(B)成分
中の低融点金属の溶融がより容易になり、また予期しな
かったことに、銅箔への接着性を増すことができる。
(C)成分の配合量は、その種類によっても異なるが、
(A)、(B)および(C)成分の合計量に対して0.
1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がさらに好
ましい。
【0030】本発明の導電ペーストには、さらに、シラ
ンカップリング剤、分散剤などを配合することができ
る。
【0031】導電ペーストは、上記の(A)、(B)お
よび(C)成分、ならびに必要に応じて配合される他の
成分を、三本ロール、らい解機、ニーダーのような混練
手段によって均一に混練することにより、調製できる。
【0032】工程(2)は、導電ペーストを加熱して、
該ペースト中の熱硬化性樹脂を硬化させるとともに、導
電性フィラーの少なくとも一部である低融点金属粉末、
および/または表面を低融点金属で被覆された金属粉末
の被覆層を溶融させる工程である。また、基板がプリプ
レグ状の場合には、その硬化も同時に行うことができ
る。該工程(2)は、通常、工程(1)で得られた、ホ
ールに導電ペーストを充填した基板の上下面に回路形成
用の銅箔を重ねる工程を経た後に実施される。すなわ
ち、上記に続いて、たとえば熱プレスを用いて加圧下に
加熱する。圧力は通常10〜200kg/cm2である。加熱
温度は、低融点金属の融点よりも僅かに下の、該金属の
表面が溶融しはじめる温度から、熱硬化樹脂の硬化温度
より若干高い温度までの間で任意であり、熱硬化性樹脂
の硬化温度と低融点金属の融点によっても異なるが、一
般に130〜300℃で、150〜230℃が好まし
い。
【0033】工程(3)は、工程(2)で溶融した低融
点金属を固化させる工程であり、放冷、または任意の手
段による冷却によって行うことができる。
【0034】このようにして、両面に銅箔を張り、基板
を貫通して導電路を設けた1層の基板が得られる。その
後、または上記の工程の間に常法により該銅箔をエッチ
ングして回路パターンを形成する。このようにして、両
面に回路を形成した単層の回路基板が得られる。
【0035】このようにして得られた両面回路基板に、
さらに、別途の工程(1)によって得られた、ホールに
導電ペーストを充填した基板を重ね、その外側表面に銅
箔を重ねて、工程(2)および(3)を繰返し実施し、
また必要に応じて銅箔のエッチング工程を挿入して、必
要な層数を得るまでこれを繰返すことにより、多層回路
基板が得られる。
【0036】本発明の基板は、このようにして層間に導
電路を形成させた両面回路基板または多層回路基板であ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明によって、両面回路基板および多
層回路基板のような回路基板に、抵抗値が低く、銅箔に
対する接着性が高く、接続の信頼性の高い層間導電路が
容易に形成される。本発明によればメッキ設備の必要が
なく、両面回路基板および多層回路基板のような回路基
板が合理的に得られ、その工業的価値は大きい。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部は重
量部を表し、組成の%は重量%を表す。また、粘度は2
5℃における粘度を示す。本発明は、これらの実施例に
よって限定されるものではない。
【0039】調製例 表1に示す組成により、各成分をニーダーで均一になる
まで混合して、樹脂組成物のR−1〜R−8を調製し
た。ただし、R−8は(C)成分を含有しない、比較の
ための樹脂組成物である。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1〜5 表2に示す組成により、調製例で調製した樹脂組成物
と、表2に示す融点と平均粒子径を有する低融点金属粉
末をニーダーで予備混合した後、三本ロールで均質に混
練して、それぞれの導電ペーストを調製した。
【0042】FR4の基準に合致する、プリプレグ状の
ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板の断面方向に貫通する
ように、ドリルを用いて孔径500μm のホールを1個
設けた。これに、孔版印刷によって、上記の導電ペース
トをそれぞれ充填した。ついで、該基板の上下を厚さ5
0μm の銅箔で挟み、50kg/cm2の圧力をかけて、表2
に示す温度と時間により、該導電ペーストに含まれる樹
脂およびプレプレグ状の基板を硬化させるとともに、該
導電ペーストに含まれる低融点金属を溶融させた。つい
で、放冷して該低融点金属を固化させて、上下の銅箔お
よびそれをつなぐ導電路を有する基板を得た。いずれの
実施例においても、銅箔は、導電ペーストが硬化して得
られた導電路と強固に接着していた。
【0043】このようにして得られた基板の、上下の銅
箔の間の接続抵抗を測定した。ついで、基板を−50℃
で30分および125℃で30分を1サイクルとする冷
熱サイクルを500サイクル反覆するサイクルテストに
かけた後、再び接続抵抗を測定して、初期値との比を求
めた。その結果は、表2に示すとおりであった。
【0044】
【表2】
【0045】実施例6〜13 これらの実施例では、金属粉末として低融点合金と高融
点合金を併用した。ただし、実施例6および7において
は、銀粉または銅粉の表面をスズで被覆した金属粉末を
用いた。表3に示す組成の各成分を用いて、表3に示す
条件で、実施例1〜5に準じて同様の基板を得た。な
お、表3において、実施例6および7は、用いた金属粉
末の平均粒子径および該粉末中のスズの比率を示す。
【0046】いずれの実施例においても、銅箔は、導電
ペーストが硬化して得られた導電路と強固に接着してい
た。実施例1〜5と同様にして接続抵抗を求め、またヒ
ートサイクルテスト後の接続抵抗を求めた。その結果
は、表3に示すとおりであった。
【0047】
【表3】
【0048】比較例1 樹脂組成物として、(C)成分を含まないR−8を用
い、表4に示す組成と条件で、実施例1〜5と同様の実
験を行った。得られた基板を観察すると、導電路と銅箔
が接着しておらず、単に接触しているだけであり、剥離
可能であった。評価結果は表4に示すとおりであり、ヒ
ートサイクルテストにより、回路が開いていた。
【0049】比較例2 金属粉末として高融点金属のみを用い、表4に示す組成
と条件で、実施例1〜5と同様の実験を行った。したが
って、樹脂の硬化温度で金属粉末の溶融は起こらず、単
に金属粉末相互の接触によって導電性を保っていた。評
価結果は、表4に示すとおりであった。
【0050】
【表4】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(A)熱硬化性樹脂; (B)該熱硬化性樹脂に組み合わせる金属粉末の少なく
    とも一部として、該熱硬化性樹脂の硬化温度で溶融する
    金属粉末か、該金属で表面が被覆された金属粉末を含む
    導電性フィラー;および (C)フラックス作用を有する成分を含む導電ペースト
    を、基板のホールに充填する工程; (2)該熱硬化性樹脂の硬化温度で上記の金属粉末を溶
    融させるとともに、該熱硬化性樹脂を硬化させる工程;
    ならびに (3)溶融した金属を固化させる工程をこの順序で含む
    方法によって、層間に導電路を形成した基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 (A)と(B)の重量比が20:80〜
    50:50である、請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 (B)の粒子径が1〜100μm であ
    る、請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 (B)中の熱硬化樹脂の硬化温度で溶融
    する金属粉末の量が20〜100重量%である、請求項
    1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 (B)が熱硬化樹脂の硬化温度で溶融す
    る金属で表面を被覆された金属粉末である、請求項1記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記の低融点金属粉末の融点が150〜
    220℃である、請求項4または5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の方法によって、層間に導
    電路を形成した基板。
  8. 【請求項8】 両面回路基板である、請求項7記載の基
    板。
  9. 【請求項9】 多層回路基板である、請求項7記載の基
    板。
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