JPH11303607A - 蒸気タービン - Google Patents

蒸気タービン

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JPH11303607A
JPH11303607A JP10111166A JP11116698A JPH11303607A JP H11303607 A JPH11303607 A JP H11303607A JP 10111166 A JP10111166 A JP 10111166A JP 11116698 A JP11116698 A JP 11116698A JP H11303607 A JPH11303607 A JP H11303607A
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turbine
steam
pressure
low
casing
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正孝 菊地
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亨 高橋
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    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タービン高圧部、タービン中圧部およびタービ
ン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合わせた蒸
気タービンを提供する。 【解決手段】本発明に係る蒸気タービンは、タービンケ
ーシング40を二つに分割するとともに、二つに分割し
たタービンケーシング40を、さらにタービンケーシン
グ上半部46a,47aとタービンケーシング下半部4
6b,47bとに分割する一方、各タービンケーシング
下半部46b,47bを接続させる際、タービン低圧部
38から挿通させる締結部材51を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧タービン、中
圧タービン、および低圧タービンのうち、いずれか二つ
以上を組み合わせて一つのタービンケーシング内に収容
させた蒸気タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蒸気タービンは、その出力を増加
させるために、タービンケーシングを、高圧タービンケ
ーシング、中圧タービンケーシングおよび低圧タービン
ケーシングに区分けし、各ケーシング内にタービンノズ
ルおよびタービン動翼を備えたタービンロータ(タービ
ン軸)を収容して高圧タービン、中圧タービンおよび低
圧タービンを構成し、高、中、低の各タービンのタービ
ンロータを互に軸直結して列車状に配置させた、いわゆ
るパワートレインとして運転を行っていた。
【0003】高、中、低の各タービンをパワートレイン
として配置すると、蒸気タービンは、その出力の大小に
もよるが、少なくとも約30m以上にも及ぶ長スパンに
なるため、高圧タービン、中圧タービンおよび低圧ター
ビンのいずれか二つ以上を組み合わせて一つのケーシン
グ内に収容させてスパンを短くする、いわゆる高低圧一
体タイプまたは高中圧一体タイプのものが実現してい
る。
【0004】蒸気タービンを、高低圧一体タイプおよび
高中圧一体タイプのいずれかのタイプにすると、タービ
ンロータは、必然的に圧力、温度の異なる蒸気を扱わな
ければならなくなる。しかし、最近では、一つのタービ
ンロータに対し、熱処理条件を異ならしめて圧力、温度
の高い蒸気にさらされる部分に高温強度をもたせ、圧
力、温度の比較的低い蒸気にさらされる部分に引張り強
度および低温靭性をもたせた高低圧一体タービンロータ
または高中圧一体タービンロータが実現し、数多くの実
績を収めている。
【0005】また、最近の火力発電プラントでは、ひと
ころのコンベンショナル発電プラントに代ってガスター
ビンに蒸気タービンおよび排熱回収を組み合わせたコン
バインドサイクル発電プラントが数多く運用されてい
る。
【0006】このコンバインドサイクル発電プラントに
適用される蒸気タービンは、ガスタービンの現状の出力
100MWとの関係から100MW以上の出力のものを選定
する一方、蒸気圧力として100kg/cm2 、蒸気温度と
して500℃に設定するとともに、低圧タービンの最終
段落のタービン動翼を回転数3000rpm の50Hz地区
で36インチ以上の翼高にし、または回転数3600rp
m の60Hz地区で33.5インチ以上の翼高にして使用
されている。この場合、蒸気タービンは、ガスタービン
に軸直結させる、いわゆる一軸タイプにする関係上、高
低圧一体タイプまたは高中圧一体タイプを採用して軸ス
パンを短くし、設置面積を少なくさせている。
【0007】このように、コンベンショナル発電プラン
トに代って主流を占めつつあるコンバインドサイクル発
電プラントは、ガスタービンに蒸気タービンを軸直結さ
せた軸数を5軸系列以上にして合計出力1000MW以上
にするとともに、蒸気タービンを高低圧一体タイプまた
は高中圧一体タイプにし、5軸系列の設置面積をより一
層少なくさせて土地の有効活用を図っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近の火力発電プラン
トでは、コンバインドサイクル発電プラントに適用する
蒸気タービンを、高低圧一体タイプまたは高中圧一体タ
イプのいずれかを選定し、設置面積をより一層少なくさ
せているにしても、その構造上、いくつかの問題点があ
る。
【0009】(問題点1)例えば、高低圧一体タイプを
採用する蒸気タービンでは、図10に示すように、高低
圧一体タービンロータ1に備えたタービンノズル2およ
びタービン動翼3を組み合わせて段落4を構成し、この
段落4を蒸気の流れ方向に沿って多数段に形成し、多数
段に形成した段落4をタービンケーシング5に収容させ
る構成になっている。
【0010】タービンケーシング5は、鋳鋼製の高圧タ
ービンケーシング6と、鋼板製の低圧タービンケーシン
グ7とに区分けされ、低圧タービンケーシング7を高圧
タービンケーシング6に接続させる際、低圧蒸気入口8
の後流側に設けた高圧タービンケーシング用フランジ9
aと低圧タービンケーシング用フランジ9bとを、高圧
タービンケーシング6側から挿通させる植込みボルト1
0により接続させている。
【0011】また、タービンケーシング5は、高圧ター
ビンケーシング6および低圧タービンケーシング7とも
に、一つのケーシングを上半部分と下半部分との半割れ
状に形成している。
【0012】このように、タービンケーシング5は、下
半部分の高圧タービンケーシング用フランジ9aと下半
部分の低圧タービンケーシング用フランジ9bとを互に
接続させる際、植込みボルト10を高圧タービンケーシ
ング6側から挿通させているので、低圧蒸気入口8が障
害になり、その作業に支障をきたし、作業員に多くの労
力を強いる問題点があった。
【0013】特に、最近のコンバインドサイクル発電プ
ラントは、ガスタービンおよび蒸気タービンの出力をと
もに増加させ、軸系列数を少なくさせて設置面積の縮小
化が求められている中で、これに伴って低圧蒸気入口8
の口径も大きくなる傾向にあるので、その接続作業にあ
たり、作業員をしてますます多くの労力を強いることに
なり、何らかの新たな改善策が必要とされていた。
【0014】(問題点2)従来、蒸気タービンは、図1
2に示すように、タービンケーシング5を外部ケーシン
グ11と内部ケーシング12との二重構造にするととも
に、例えば、二重構造の内部ケーシング12にタービン
高圧部13とタービン中圧部14とを備えた高中圧一体
タービンロータ15を収容させる一方、低圧タービンケ
ーシング16も上述と同様に、外部ケーシング16aと
内部ケーシング16bの二重構造にし、二重構造の内部
ケーシング16bに蒸気の流れを対向流に形成したター
ビン低圧部17a,17bを備えた低圧タービンロータ
18を収容させ、低圧タービンロータ18と高中圧一体
タービンロータ15とをカップリング19を介して接続
させていた。
【0015】また、他の別の蒸気タービンは、例えば、
図13に示すように、高中圧一体タービンロータ15を
上述と同様に二重構造の内部ケーシング12に収容させ
るとともに、低圧タービンケーシング16の内部ケーシ
ング16bに蒸気の流れを単流に形成したタービン低圧
部20を備えた低圧タービンロータ18に収容させてい
た。なお、図12および図13に示した低圧タービンケ
ーシング16は、ともにタービン排気室21をコーン状
の凹陥部22に形成し、復水器(図示せず)に接続させ
ている。
【0016】また、図12および図13で示した蒸気タ
ービンでは、高中圧一体タービンロータ15および低圧
タービンロータ18を、3個または4個のジャーナル軸
受23で軸支させて各タービンケーシング5,16のス
パンを長くし、一段落当りの熱落差(膨張仕事量)を比
較的低くさせ、余裕のある設計を行っていた。
【0017】しかし、最近のように、例えばコンバイン
ドサイクル発電プラントに適用する高低圧一体タイプの
蒸気タービンでは、供給される蒸気の圧力が高く、その
比容積が少なく、体積流量が少なくなっているので、タ
ービンノズル2およびタービン動翼3の翼高が従来に較
べて低くなっている。このため、タービンノズル2およ
びタービン動翼3を流れる蒸気流れには、従来に較べて
二次流れ損失が多くなっている。
【0018】例えば、タービン動翼3を通過する蒸気流
れは、図11に示すように、一方のタービン動翼3aの
腹側24の方が隣りのタービン動翼3bの背側25より
も圧力が高くなっている。このため、一方のタービン動
翼3aの前縁26に衝突した蒸気流れは、二次流れ渦S
F(流路渦)となって隣りのタービン動翼3bの背側2
5に流れる際、タービン駆動蒸気ST(主流)を巻込
み、タービン駆動蒸気STの流れを乱し、翼効率を低下
させる要因になっていた。
【0019】特に、タービン動翼3a,3bの翼高が低
くなると、蒸気流れは、タービン動翼3a,3bのチッ
プ(翼頂部)側およびルート(翼根元部)側に形成され
ている境界層の影響を受けて流れを悪くし、いわゆる二
次流れ損失の増加の要因になっていた。ちなみに、翼高
さと二次流れ損失との関係は、図14に示すように、翼
高が25mmよりも低いと、二次流れ損失が大きくなって
いることが認められている。
【0020】このように、高低圧一体タイプを採用する
蒸気タービンでは、従来に較べて二次流れ損失を増加さ
せ、翼効率を低下させる問題点があった。
【0021】(問題点3)従来、例えば、高中圧一体タ
イプを採用する蒸気タービンでは、供給される蒸気の圧
力・温度が高くなると、タービンケーシングに発生する
熱応力が高くなり、これに伴って上半部分と下半部分と
に分割されたタービンケーシングのフランジ(水平継
手)を互に締結させるボルトの締め付力も低くなり、蒸
気漏れの可能性もあるので、図15に示すように、ター
ビンケーシング5を、外部ケーシング11と内部ケーシ
ング12との二重構造にするとともに、内部ケーシング
12にタービン高圧部13およびタービン中圧部14を
備えた高中圧一体タービンロータ15を収容し、各ケー
シング11,12に発生する熱応力の緩和を図ってい
た。
【0022】しかし、最近のように、構造を簡素化させ
て低コスト化を図る高中圧一体タイプまたは高低圧一体
タイプを採用する蒸気タービンにおいては、タービンケ
ーシング5を二重構造にすること自体、高コスト化につ
ながり時代の要請に逆向する。このため、蒸気タービン
は、タービンケーシングの一重化が望まれているが、タ
ービンケーシングを一重化にした場合、上述の熱応力の
問題点や蒸気漏れの可能性がある。
【0023】したがって、高中圧一体タイプまたは高低
圧一体タイプを採用する蒸気タービンにおいては、ター
ビンケーシングを一重化する場合、上述の熱応力の緩和
や蒸気漏れ防止の対策を充分に考慮した改善策が必要と
される。
【0024】(問題点4)従来、例えば、タービン高圧
部を備えた高圧タービンロータと対向流配置のタービン
低圧部を備えた低圧タービンロータとを互に軸直結させ
た蒸気タービンには、図16に示すように、半割れ状の
高圧タービンケーシング上半部27と半割れ状の低圧タ
ービンケーシング上半部28との間にクロスオーバ管2
9を設け、タービン高圧部13で膨張仕事を終えたター
ビン排気をクロスオーバ管29を介して対向流配置のタ
ービン低圧部17a,17bに供給していた。
【0025】また、この種のタイプの蒸気タービンは、
蒸気加減弁30を収容する蒸気リード管31を高圧ター
ビンケーシング上半部27に連続一体に形成し、例えば
ボイラ等の蒸気発生器から供給された蒸気を、蒸気加減
弁30により負荷に応じて流量制御させてタービン高圧
部13に供給していた。
【0026】また、この種の構造の蒸気タービンは、定
期検査の際、高圧タービンケーシング上半部27および
低圧タービンケーシング上半部28を開放することにな
っている。
【0027】しかし、クロスオーバ管29や蒸気リード
管30を、高圧タービンケーシング上半部27に設けて
いると、定期検査の際、管フランジ部分の保温撤去工
事、管フランジのボルト取り外し工事、クロスオーバ管
29の取り外し工事、またはこれらの修復工事を行わな
ければならず、定期検査期間が長くなり、これに伴って
起動運転スケジュールに支障をきたす等の問題点があっ
た。特に、蒸気リード管30は、高圧・高温の蒸気に直
接さらされているために、管フランジのボルトやナット
に焼付けが多く、取り外しの際、作業員に長時間の労力
を強いていた。
【0028】したがって、高低一体タイプまたは高中圧
一体タイプを採用する最近の蒸気タービンには、定期検
査の際、短時間で定期検査でき、点検後の起動運転をよ
り一層早めることのできる構造上の改善策が求められて
いた。
【0029】(問題点5)従来、例えば、高中圧一体タ
イプと低圧タービンとを組み合わせた蒸気タービンで
は、図12および図13に示すように、高中圧一体ター
ビンロータ15と低圧タービンロータ18とをカップリ
ング19を介して互に軸直結させ、各タービンロータ1
5,18を軸支するジャーナル軸受23を4個または3
個にし、軸系の剛性を高めていた。
【0030】また、例えば、高低圧一体タイプを採用す
る蒸気タービンでも、図17に示すように、タービン高
圧部13、タービン中圧部14およびタービン低圧部2
0を備えた高、中、低圧一体タービンロータ32を基礎
台33a,33bに載設したジャーナル軸受34a,3
4bで軸支させ、軸系の剛性に余裕をもたせていた。な
お、この種のタイプの蒸気タービンは、タービン低圧部
20のタービン排気室21をコーン状の凹陥部22に形
成し、ジャーナル軸受34bの設置場所を確保してい
る。
【0031】一般に、蒸気タービンは、供給される蒸気
の圧力、温度が高くなってその出力が増加すると、ター
ビンノズルおよびタービン動翼を組み合わせた段落を増
やして対応させるため、タービンロータの軸受スパンが
長くなる傾向にある。このため、一つの軸にタービン高
圧部13、タービン中圧部14およびタービン低圧部2
0を備えた高中低圧一体タービンロータ32では、軸受
スパンが長くなり、軸受スパンをSとし、高中低圧一体
タービンロータ32の軸径をDo とすると、軸受スパン
に対する軸径比S/Do が大きくなるのにつれて、軸の
剛性が低くなり、この種の軸系の固有値、例えば危険速
度が低くなり、軸振動の発生の可能性が高くなる。
【0032】特に、蒸気圧力として100kg/cm2 、蒸
気温度として500℃、出力として100MW以上、ター
ビン低圧部20の最終段落のタービン動翼を、回転数3
000rpm の50Hz地区で36インチ以上の翼高にし、
または回転数3600rpm の60Hz地区で33.5イン
チ以上の翼高にすることを設計要項とする、例えばコン
バインドサイクル発電プラントに適用する蒸気タービン
では、軸受スパンが長くなった高中低圧一体タービンロ
ータ32に長翼を採用したことによる付加重量が加わっ
て危険速度がますます低くなり、とりわけ二次危険速度
が定格回転速度に近づき、離調が難しくなる問題点があ
った。
【0033】(問題点6)図12,図13および図17
で示した従来のタービン低圧部17a,17b,20の
タービン排気室21は、ジャーナル軸受23,34bの
設置場所を確保するために、コーン状の凹陥部22に形
成したものであるが、コーン状の凹陥部22に形成する
と、膨張仕事を終えたタービン低圧部17a,17b,
20からのタービン排気がケーシング壁面35に衝突
し、タービン排気損失を増加させる問題点があった。こ
の場合、タービン排気室21をコーン状の凹陥部22の
形状を維持させたままタービン排気損失を低く抑えるに
は、タービン排気がケーシング壁面35に衝突するまで
に流速が充分に低くなるように、タービン排気室21の
軸方向長さを確保する必要がある。
【0034】しかし、タービン排気室21の軸方向長さ
を充分に確保すると、高中圧一体タービンロータ15ま
たは高中低圧一体タービンロータ32の軸受スパンがま
すます長くなり、軸系の剛性が低下し、これに伴う軸系
の固有値、例えば危険速度が低下し、軸振動の発生の要
因になる。軸振動の発生防止の点から軸径を太くするこ
とも考えられるが、蒸気漏洩やラビリンスとの接触によ
るラビング問題がある。
【0035】このように、従来のタービン排気室21に
は、その形状をコーン状の凹陥部22に形成していると
いくつかの問題点があり、ジャーナル軸23,34bの
設置場所を確保しつつ新たな形状の改善を必要としてい
た。
【0036】本発明は、上記の事情に基づいてなされた
もので、例えば高中低圧一体タービンロータを収容させ
る高中圧一体タービンケーシングと低圧タービンケーシ
ングとの接続作業の際、その作業改善を図った蒸気ター
ビンを提供することを目的とする。
【0037】また、本発明の他の目的は、タービン駆動
蒸気の圧力・温度が高くなり、タービン動翼の翼高が従
来に較べて低くなったことに伴う二次流れ損失の増加を
低く抑える蒸気タービンを提供することにある。
【0038】また、本発明の他の別の目的は、例えば、
高低圧一体タービンロータまたは高中圧一体タービンロ
ータを収容するタービンケーシングの一重化にあたり、
そのタービンケーシングの半割れ状の上半部分と下半部
分とに分割し、分割した上半部分と下半部分との接続面
をボルトにより接続させる際、ボルトの締め付け力の強
化を図った蒸気タービンを提供することにある。
【0039】また、本発明の他の別の目的は、定期検査
の際、タービンケーシングの取り外し工事を容易に行う
ことができるように図った蒸気タービンを提供すること
にある。
【0040】また、本発明の他の別の目的は、軸振動の
発生を低く抑えた蒸気タービンを提供することにある。
【0041】また、本発明の他の別の目的は、タービン
排気室のタービン排気損失を低く抑えた蒸気タービンを
提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蒸気タービ
ンは、上記目的を達成するために、請求項1に記載した
ように、タービン高圧部、タービン中圧部およびタービ
ン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合わせて備
えたタービンロータを、タービンケーシングに収容させ
た蒸気タービンにおいて、上記タービンケーシングを二
つに分割させるとともに、二つに分割させた各タービン
ケーシングを、さらにタービンケーシング上半部とター
ビンケーシング下半部とに分割させる一方、上記各ター
ビンケーシング下半部を接続させる際、上記タービン低
圧部側から挿通させる締結部材を備えたものである。
【0043】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項2に記載したように、各タービ
ンケーシング上半部を接続させる締結部材を、タービン
高圧部側およびタービン低圧部側のいずれか一方の側か
ら挿通させたものである。
【0044】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項3に記載したように、締結部材
は、植込みボルトであることを特徴とするものである。
【0045】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項4に記載したように、タービン
高圧部、タービン中圧部およびタービン低圧部のうち、
少なくとも二つ以上を組み合わせるとともに、各タービ
ン高、中、低圧部の少なくとも二つ以上にタービンノズ
ルとタービン動翼とを組み合わせた段落を備えたタービ
ンロータを、タービンケーシングに収容させた蒸気ター
ビンにおいて、蒸気上流側の上記段落に部分通気通路を
形成したものである。
【0046】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項5に記載したように、部分通気
通路を、タービンロータの中心に座標軸を置き、反時計
方向廻りに第1象限、第2象限、第3象限、第4象限に
区分けしたとき、第1象限と第4象限とを結ぶ角度の範
囲に形成したものである。
【0047】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項6に記載したように、部分通気
通路を形成する段落におけるタービンノズルおよびター
ビン動翼の翼高を、25mm以上に設定したものである。
【0048】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項7に記載したように、タービン
高圧部、タービン中圧部およびタービン低圧部のうち、
少なくとも二つ以上を組み合わせて備えたタービンロー
タを、タービンケーシングに収容させた蒸気タービンに
おいて、上記タービンケーシングを二つに分割させると
ともに、二つに分割させた各タービンケーシングを、さ
らにタービンケーシング上半部とタービンケーシング下
半部とに分割させる一方、上記タービンケーシング上半
部のフランジおよび上記タービンケーシング下半部のケ
ーシングの少なくとも一方に、蒸気通路を形成したもの
である。
【0049】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項8に記載したように、タービン
高圧部、タービン中圧部およびタービン低圧部のうち、
少なくとも二つ以上を組み合わせて備えたタービンロー
タを、タービンケーシングに収容させた蒸気タービンに
おいて、上記タービンケーシングを二つに分割させると
ともに、二つに分割させた各タービンケーシングを、さ
らにタービンケーシング上半部とタービンケーシング下
半部とに分割させる一方、上記タービンケーシング下半
部に蒸気入口を設置したものである。
【0050】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項9に記載したように、蒸気入口
は、高圧蒸気入口と低圧蒸気入口とであることを特徴と
するものである。
【0051】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項10に記載したように、タービ
ン高圧部、タービン中圧部およびタービン低圧部のう
ち、少なくとも二つ以上を組み合わせて備えたタービン
ロータを、タービンケーシングに収容させた蒸気タービ
ンにおいて、上記タービンロータの両端を軸支する軸受
箱に収容された高圧側ジャーナル軸受および低圧側ジャ
ーナル軸受のうち、いずれか一方を基礎台から離してオ
ーバハングさせ、軸受スパンを短くすることを特徴とす
るものである。
【0052】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項11に記載したように、基礎台
から離してオーバハングするジャーナル軸受は、低圧側
ジャーナル軸受であることを特徴とするものである。
【0053】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項12に記載したように、タービ
ン高圧部、タービン中圧部およびタービン低圧部のう
ち、少なくとも二つ以上を組み合わせて備えたタービン
ロータを、タービンケーシングに収容させた蒸気タービ
ンにおいて、上記タービンケーシングの蒸気出口側にタ
ービン排気室を備え、このタービン排気室に低圧側ジャ
ーナル軸受に対峙させて凹陥部を形成し、この凹陥部を
上記低圧側ジャーナル軸受に向って凸状の湾曲面および
疑似湾曲面のいずれか一方に形成したものである。
【0054】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項13に記載したように、疑似湾
曲面は、湾曲面と直線面とを結ぶ角度または直線面同士
を結ぶ角度を140゜以上に設定したものである。
【0055】本発明に係る蒸気タービンは、上記目的を
達成するために、請求項14に記載したように、タービ
ン高圧部、タービン中圧部およびタービン低圧部のうち
少なくとも二つ以上を組み合わせるとともに、各タービ
ン高、中、低圧部の少なくとも二つ以上にタービンノズ
ルとタービン動翼とを組み合わせた段落を備えたタービ
ンロータを、タービンケーシングに収容させた蒸気ター
ビンにおいて、上記タービン高圧部に、蒸気圧力100
kg/cm2 以上、蒸気温度500℃以上の蒸気を供給して
その出力を100MW以上にするとともに、上記タービン
低圧部の最終段落のタービン動翼を、回転数3000rp
m の場合で、その翼高を36インチ以上にし、回転数3
600rpm の場合でその翼高を33.5インチにしたも
のである。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る蒸気タービン
の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説
明する。
【0057】図1は、本発明に係る蒸気タービンの第1
実施形態を示す概略組立断面図である。なお、本実施形
態は、(問題点1)に対応するものである。
【0058】本実施形態に係る蒸気タービンは、蒸気圧
力として100kg/cm2 以上、蒸気温度として500℃
以上、出力として100MW以上、タービン低圧部の最終
段落のタービン動翼を、回転数3000rpm の50Hz地
区で36インチ以上の翼高にし、または回転数3600
rpm の60Hz地区で33.5インチ以上の翼高にするこ
とを設計要項とする、例えばコンバインドサイクル発電
プラントに適用される。
【0059】この蒸気タービンは、例えば、高中低圧一
体タイプに適用したもので、タービン高圧部36、ター
ビン中圧部37およびタービン低圧部38を、一つの高
中低圧一体タービンロータ(タービン軸)39にまとめ
てタービンケーシング40に収容させたものである。高
中低圧一体タービンロータ39は、タービンノズル41
とタービン動翼42とを組み合わせて段落43を構成
し、この段落43を蒸気の流れ方向に沿って多段落に形
成し、多段落に形成した段落43をタービンケーシング
40に収容させる構成になっている。
【0060】また、高中低圧一体タービンロータ39
は、その両端部を、基礎台44a,44bに載設するジ
ャーナル軸受45a,45bにより軸支されている。
【0061】一方、タービンケーシング40は、高中圧
一体タービンケーシング46と低圧タービンケーシング
47とに区分けされ、高中圧一体タービンケーシング4
6側にタービン低圧部38に低圧蒸気を供給する低圧蒸
気入口48を備えている。
【0062】また、高中圧一体タービンケーシング46
と低圧タービンケーシング47とは、ともに軸線0を境
に半割れ状のタービンケーシング上半部46a,47a
とタービンケーシング下半部46b,47bとに分割す
るとともに、各上下半部46a,47a,…に高中圧一
体タービンケーシング用フランジ49と低圧タービンケ
ーシング用フランジ50を備えている。
【0063】また、各下半部46b,47bの高中圧一
体タービンケーシング用フランジ49と低圧タービンケ
ーシング用フランジ50を接続させる場合、本実施形態
では、タービン低圧部38側から挿通する植込みボルト
51により接続させる構成になっている。なお、各上半
部46a,47aの高中圧一体タービンケーシング用フ
ランジ49と低圧タービンケーシング用フランジ50を
接続させる場合、植込みボルト51をタービン低圧部3
8またはタービン中圧部37のいずれの側から挿通させ
てもよい。
【0064】このように、本実施形態では、各タービン
ケーシング下半部46b,47bの高中圧一体タービン
ケーシング用フランジ49と低圧タービンケーシング用
フランジ50とを接続させる植込みボルト51をタービ
ン低圧部38側から挿通させたので、蒸気タービンの出
力が増加し、これに伴って低圧蒸気入口48の口径が大
きくなっても障害物がなくなり、その接続作業の際、作
業員の労力を軽減させることができ、植込みボルト51
の増締めを確実に行うことができ、蒸気漏れを確実に防
止することができる。
【0065】図2は、本発明に係る蒸気タービンの第2
実施形態を示す概略部分断面図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一または対応する部分には同一符号
を付す。また、本実施形態は、(問題点2)に対応する
ものである。
【0066】本実施形態に係る蒸気タービンは、タービ
ンノズル41とタービン動翼42を組み合わせた段落4
3のうち、翼高Hの低い段落に、その環状方向に沿って
一部を開口し、残りを閉塞させる部分通気通路(パーシ
ャルアークアドミッション)52を形成したものであ
る。
【0067】本実施形態は、蒸気タービンに供給される
蒸気圧力・蒸気温度が高くなると、その体積流量が減少
し、設計の際、タービンノズル41およびタービン動翼
42の翼高Hが低くなり、これに伴ってタービンノズル
41およびタービン動翼42を通過する蒸気の流れに二
次流れ損失が増加することに着目したもので、段落43
のうち、蒸気流れの上流側段落に部分通気通路(パーシ
ャルアークアドミッション)52を形成し、タービンノ
ズル41およびタービン動翼42の翼高Hを25mm以上
としたものである。なお、蒸気流れの下流側段落は、タ
ービンノズル41およびタービン動翼42の翼高が25
mm以上になっているので、全周通気通路(フルアークア
ドミッション)に形成される。
【0068】部分通気通路52は、図3に示すように、
高中低圧一体タービンロータ39の中心Oに座標軸を置
き、反時計方向廻りに第1象限、第2象限、第3象限お
よび第4象限に区分けしたとき、時計方向廻りにその部
分通気通路角αを第1象限から第4象限に至る範囲に設
定される。なお、環状に形成した残りの段落43は、盲
板53で塞がれる。
【0069】このように、本実施形態では、タービンノ
ズル41およびタービン動翼42の翼高Hを25mm以上
になるよう蒸気流れの上流側の段落43を部分通気通路
52に形成し、設計に必要な体積流量を確保させたの
で、安定した蒸気流量を確保することができ、蒸気の二
次流れ損失を低く抑えることができる。
【0070】また、本実施形態では、部分通気通路52
の部分通気通路角αを、時計方向廻りの第1象限から第
4象限に至るまでの範囲に設定し、蒸気の押圧力Fs
高中低圧一体タービンロータ39のタービンケーシング
下半部側に向って与えるようにしたので、高中低圧一体
タービンロータ39を比較的安定状態に維持させること
ができる。
【0071】図4は、本発明に係る蒸気タービンの第3
実施形態を示す部分断面図である。なお、第1実施形態
の構成部品と同一または対応する部分には同一符号を付
す。また、本実施形態は、(問題点3)に対応するもの
である。
【0072】本実施形態に係る蒸気タービンは、例えば
高中低圧一体タイプに適用したもので、タービンノズル
41とタービン動翼42とを組み合わせた段落43を備
えた高中低圧一体タービンロータ39を収容する高中圧
一体タービンケーシング46および低圧タービンケーシ
ング47のうち、高中圧一体タービンケーシング46の
タービンケーシング上半分46aおよびタービンケーシ
ング下半部46bのフランジ(水平継手)54a,54
bの少なくとも一方に、蒸気通路55を形成し、この蒸
気通路55にタービン高圧部36から抽気した蒸気を流
すことによりタービンケーシング上半部46aのフラン
ジ54aおよびタービンケーシング下半部46bのフラ
ンジ54bを冷却してその強度を維持させるとともに、
タービンケーシング上半部46aとタービンケーシング
下半部46bとを接続させるボルトの強度維持を図った
ものである。
【0073】このように、本実施形態では、タービンケ
ーシング上半部46aのフランジ54aおよびタービン
ケーシング下半部46bのフランジ54bの少なくとも
一方に蒸気通路55を形成し、各フランジ54a,54
bおよびボルト56を冷却してその強度を高い状態に維
持させたので、タービンケーシング上半部46aおよび
タービンケーシング下半部46bの一重化ケーシングに
しても充分に対処することができ、各フランジ54a,
54bのすき間からの蒸気漏れを確実に防止することが
できる。
【0074】したがって、本実施形態によれば、高中圧
一体タービンケーシング46を一重化することができる
ので、その重量を軽減してコンパクトにすることがで
き、そのコストを軽減することができる。
【0075】図5は、本発明に係る蒸気タービンの第4
実施形態を示す概略組立断面図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一または対応する部分には同一符号
を付す。また、本実施形態は、(問題点4)に対応する
ものである。
【0076】本実施形態に係る蒸気タービンは、例えば
高低一体タイプに適用したもので、タービンノズル41
とタービン動翼42とを組み合わせた段落43を備えた
高低圧一体タービンロータ57を収容する高圧タービン
ケーシング58および低圧タービン47において、二分
割したタービンケーシング上半部46a,47aおよび
タービンケーシング下半部46b,47bのうち、ター
ビンケーシング下半部46b,47bのそれぞれに高圧
蒸気入口59および低圧蒸気入口48を設置したもので
ある。
【0077】このように、本実施形態では、タービンケ
ーシング下半部46b,47bのそれぞれに高圧蒸気入
口59および低圧蒸気入口48を設置したので、定期検
査の際、タービンケーシング上半部46a,47aを容
易に取り外すことができ、その取り外し作業の軽減化の
下、定期検査期間を短くすることができる。
【0078】図6は、本発明に係る蒸気タービンの第5
実施形態を示す概略組立断面図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一または対応する部品には同一符号
を付す。また、本実施形態は、(問題点5)に対応する
ものである。
【0079】本実施形態に係る蒸気タービンは、例えば
高中低圧一体タイプに適用したもので、高中低圧一体タ
ービンケーシング60にタービン高圧部36、タービン
中圧部37およびタービン低圧部38を備えた高中低圧
一体タービンロータ39を収容する一方、高中低圧一体
タービンロータ39の両端のうち、タービン高圧部36
側の高中低圧一体タービンロータ39の一端を、基礎台
61aに載設した高圧軸受箱62に収容した高圧側ジャ
ーナル軸受63に軸支させ、タービン低圧部38側の高
中低圧一体タービンロータ39の一端を、基礎台61b
に載設した低圧軸受箱64に収容した低圧側ジャーナル
軸受65に軸支させるとともに、低圧軸受箱64をター
ビン排気室66のコーン状に形成した凹陥部67に当接
させ、低圧側ジャーナル軸受65を基礎台61bから離
してオーバハングさせ、図17に示した従来の軸受スパ
ンよりも短くさせたものである。
【0080】このように、本実施形態では、高中低圧一
体タービンロータ39の一端を軸支する低圧側ジャーナ
ル軸受65を基礎台61bから離してオーバハングさ
せ、高圧側ジャーナル軸受63と低圧側ジャーナル軸受
65との軸受スパンを短くさせたので、軸系の剛性を高
くして軸振動を低く抑えることができ、蒸気タービンに
安定運転を行わせることができる。
【0081】図7は、本発明に係る蒸気タービンの第6
実施形態を示す概略組立断面図である。なお、第1実施
形態および第5実施形態の構成部品と同一または対応す
る部分には同一符号を付す。また、本実施形態は、(問
題点6)に対応するものである。
【0082】本実施形態に係る蒸気タービンは、例えば
高中低圧一体タイプに適用するもので、タービン排気室
66の凹陥部67を、低圧軸受箱64に向って凸条の曲
率Rの湾曲面67aに形成したものである。なお、ター
ビン排気室66の凹陥部67は、図8に示すように、曲
率Rの湾曲面67a(投影面の長さdに相当)と直線面
67b(投影面の長さcに相当)、67cとを結ぶ角度
φ1 ,φ2 を140゜以上にしても良く、また、図9に
示すように、隣り合う直線面67b,67cの角度θi
(i=1,2,3,…)が140゜以上の直線の連続と
して結んでも良い。この場合、タービン排気室66の凹
陥部67の隣り合う面同士が形成する角度φ1 ,φ2
たはθi は、140゜以下にするとその角度でタービン
排気の流れに剥離が生じて排気損失を増加させるので、
140゜以上にすることが適正値である。
【0083】このように、本実施形態では、タービン排
気室66の凹陥部67を低圧軸受箱64に向って湾曲面
67aまたは疑似湾曲面に形成したので、排気損失の抑
制化と相まって従来のコーン状の凹陥部67に較べて軸
受スパンを短くすることができ、軸系の剛性を高めるこ
とができ、蒸気タービンに安定運転を行わせることがで
きる。
【0084】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係る蒸気
タービンは、例えば高中低圧一体タービンロータを収容
するタービンケーシングを高中圧一体タービンケーシン
グと低圧タービンケーシングとに分割し、さらに各ター
ビンケーシングをタービンケーシング上半部とタービン
ケーシング下半部とに分割し、各タービンケーシングを
接続させる際、タービンケーシング下半部をタービン低
圧部から挿通させる植込みボルトで接続させたので、従
来に較べて障害物がなくなり、その接続作業の際、作業
員の労力を軽減させることができる。
【0085】また、本発明に係る蒸気タービンは、翼高
の低い段落に、部分通気通路を形成し、タービンノズル
およびタービン動翼の翼高を25mm以上にしたので、設
計に必要なタービン駆動蒸気の体積流量を確保すること
ができ、タービン駆動蒸気の二次流れ損失を低く抑える
ことができる。
【0086】また、本発明に係る蒸気タービンは、例え
ば高中圧一体タービンケーシングにおけるタービンケー
シング上半部およびタービンケーシング下半部のそれぞ
れのフランジの少なくとも一方に、蒸気通路を形成し、
各フランジおよび接続ボルトを冷却させたので、タービ
ンケーシング上半部およびタービンケーシング下半部の
熱応力を緩和させることができ、タービンケーシングを
一重化することができ、その重量を軽減させてコンパク
トにすることができる。
【0087】また、本発明に係る蒸気タービンは、例え
ば高低圧一体タービンロータを収容するタービンケーシ
ングを高圧タービンケーシングと低圧タービンケーシン
グとに分割し、さらに各タービンケーシングをタービン
ケーシング上半部とタービンケーシング下半部とに分割
し、各タービンケーシング下半部に高圧蒸気入口および
低圧蒸気入口を設けたので、従来に較べて障害物がなく
なり、定期検査の際、各タービンケーシングのタービン
ケーシング上半部を容易に開放させることができる。
【0088】また、本発明に係る蒸気タービンは、例え
ば高中低圧一体タービンロータの両端を軸支する高圧側
ジャーナル軸受および低圧側ジャーナル軸受のうち、少
なくともいずれか一方を基礎台から離してオーバハング
させ、軸受スパンを短くさせたので、軸系の剛性を高く
維持することができ、軸振動を低く抑えることができ
る。
【0089】また、本発明に係る蒸気タービンは、例え
ば高中低圧一体タービンケーシングにおけるタービン排
気室の凹陥部を、湾曲面または疑似湾曲面に形成したの
で、タービン排気損失を低く抑えることができ、軸受ス
パンの短縮化に伴う軸系の剛性を高めて蒸気タービンに
安定運転を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気タービンの第1実施形態を示
す概略組立断面図。
【図2】本発明に係る蒸気タービンの第2実施形態を示
す概略部分断面図。
【図3】図2のA−A矢視線に沿う切断断面図。
【図4】本発明に係る蒸気タービンの第3実施形態を示
す部分断面図。
【図5】本発明に係る蒸気タービンの第4実施形態を示
す概略組立断面図。
【図6】本発明に係る蒸気タービンの第5実施形態を示
す概略組立断面図。
【図7】本発明に係る蒸気タービンの第6実施形態を示
す概略組立断面図。
【図8】本発明に係る蒸気タービンの第6実施形態にお
ける第1変形例を示す概略組立断面図。
【図9】本発明に係る蒸気タービンの第6実施形態にお
ける第2変形例を示す概略組立断面図。
【図10】従来の蒸気タービンを示す概略組立断面図。
【図11】タービン動翼を流れる蒸気の二次流れを説明
する図。
【図12】高中圧一体タイプと双流タイプの低圧タービ
ンとを組み合わせた従来の蒸気タービンを示す概略組立
図。
【図13】高中圧一体タイプと単流タイプの低圧タービ
ンとを組み合わせた従来の蒸気タービンを示す概略組立
図。
【図14】二次流れ損失と翼高との関係を示す二次流れ
損失線図。
【図15】従来の高中圧一体タイプの蒸気タービンを示
す一部切欠き組立断面図。
【図16】従来の高低圧一体タイプの蒸気タービンを示
す一部切欠き組立斜視図。
【図17】高中低圧一体タイプの従来の蒸気タービンを
示す概略組立断面図。
【符号の説明】
1 高低圧一体タービンロータ 2 タービンノズル 3,3a,3b タービン動翼 4 段落 5 タービンケーシング 6 高圧タービンケーシング 7 低圧タービンケーシング 8 低圧蒸気入口 9a 高圧タービンケーシング用フランジ 9b 低圧タービンケーシング用フランジ 10 植込みボルト 11 外部ケーシング 12 内部ケーシング 13 タービン高圧部 14 タービン中圧部 15 高中圧一体タービンロータ 16 低圧タービンケーシング 16a 外部ケーシング 16b 内部ケーシング 17a,17b タービン低圧部 18 低圧タービンロータ 19 カップリング 20 タービン低圧部 21 タービン排気室 22 凹陥部 23 ジャーナル軸受 24 腹側 25 背側 26 前縁 27 高圧タービンケーシング上半部 28 低圧タービンケーシング上半部 29 クロスオーバ管 30 蒸気加減弁 31 蒸気リード管 32 高中低圧一体タービンロータ 33a,33b 基礎台 34a,34b ジャーナル軸受 35 ケーシング壁面 36 タービン高圧部 37 タービン中圧部 38 タービン低圧部 39 高中低圧一体タービンロータ 40 タービンケーシング 41 タービンノズル 42 タービン動翼 43 段落 44a,44b 基礎台 45a,45b ジャーナル軸受 46 高中圧一体タービンケーシング 46a,47a タービンケーシング上半部 46b,47b タービンケーシング下半部 47 低圧タービンケーシング 48 低圧蒸気入口 49 高中圧一体タービンケーシング用フランジ 50 低圧タービンケーシング用フランジ 51 植込みボルト 52 部分通気通路 53 盲板 54a,54b フランジ 55 蒸気通路 56 ボルト 57 高低圧一体タービンロータ 58 高圧タービンケーシング 59 高圧蒸気入口 60 高中低圧一体タービンケーシング 61a,61b 基礎台 62 高圧軸受箱 63 高圧側ジャーナル軸受 64 低圧軸受箱 65 低圧側ジャーナル軸受 66 タービン排気室 67 凹陥部 67a 湾曲面 67b,67c 直線面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01D 25/28 F01D 25/28 E

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービン高圧部、タービン中圧部および
    タービン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合わ
    せて備えたタービンロータを、タービンケーシングに収
    容させた蒸気タービンにおいて、上記タービンケーシン
    グを二つに分割させるとともに、二つに分割させた各タ
    ービンケーシングを、さらにタービンケーシング上半部
    とタービンケーシング下半部とに分割させる一方、上記
    各タービンケーシング下半部を接続させる際、上記ター
    ビン低圧部側から挿通させる締結部材を備えたことを特
    徴とする蒸気タービン。
  2. 【請求項2】 各タービンケーシング上半部を接続させ
    る締結部材を、タービン高圧部側およびタービン低圧部
    側のいずれか一方の側から挿通させたことを特徴とする
    請求項1に記載の蒸気タービン。
  3. 【請求項3】 締結部材は、植込みボルトであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の蒸気タービン。
  4. 【請求項4】 タービン高圧部、タービン中圧部および
    タービン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合わ
    せるとともに、各タービン高、中、低圧部の少なくとも
    二つ以上にタービンノズルとタービン動翼とを組み合わ
    せた段落を備えたタービンロータを、タービンケーシン
    グに収容させた蒸気タービンにおいて、蒸気上流側の上
    記段落に部分通気通路を形成したことを特徴とする蒸気
    タービン。
  5. 【請求項5】 部分通気通路を、タービンロータの中心
    に座標軸を置き、反時計方向廻りに第1象限、第2象
    限、第3象限、第4象限に区分けしたとき、第1象限と
    第4象限とを結ぶ角度の範囲に形成したことを特徴とす
    る請求項4に記載の蒸気タービン。
  6. 【請求項6】 部分通気通路を形成する段落におけるタ
    ービンノズルおよびタービン動翼の翼高を、25mm以上
    に設定したことを特徴とする請求項4に記載の蒸気ター
    ビン。
  7. 【請求項7】 タービン高圧部、タービン中圧部および
    タービン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合わ
    せて備えたタービンロータを、タービンケーシングに収
    容させた蒸気タービンにおいて、上記タービンケーシン
    グを二つに分割させるとともに、二つに分割させた各タ
    ービンケーシングを、さらにタービンケーシング上半部
    とタービンケーシング下半部とに分割させる一方、上記
    タービンケーシング上半部のフランジおよび上記タービ
    ンケーシング下半部のケーシングの少なくとも一方に、
    蒸気通路を形成したことを特徴とする蒸気タービン。
  8. 【請求項8】 タービン高圧部、タービン中圧部および
    タービン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合わ
    せて備えたタービンロータを、タービンケーシングに収
    容させた蒸気タービンにおいて、上記タービンケーシン
    グを二つに分割させるとともに、二つに分割させた各タ
    ービンケーシングを、さらにタービンケーシング上半部
    とタービンケーシング下半部とに分割させる一方、上記
    タービンケーシング下半部に蒸気入口を設置したことを
    特徴とする蒸気タービン。
  9. 【請求項9】 蒸気入口は、高圧蒸気入口と低圧蒸気入
    口とであることを特徴とする請求項8に記載の蒸気ター
    ビン。
  10. 【請求項10】 タービン高圧部、タービン中圧部およ
    びタービン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合
    わせて備えたタービンロータを、タービンケーシングに
    収容させた蒸気タービンにおいて、上記タービンロータ
    の両端を軸支する軸受箱に収容された高圧側ジャーナル
    軸受および低圧側ジャーナル軸受のうち、いずれか一方
    を基礎台から離してオーバハングさせ、軸受スパンを短
    くすることを特徴とする蒸気タービン。
  11. 【請求項11】 基礎台から離してオーバハングするジ
    ャーナル軸受は、低圧側ジャーナル軸受であることを特
    徴とする請求項10に記載の蒸気タービン。
  12. 【請求項12】 タービン高圧部、タービン中圧部およ
    びタービン低圧部のうち、少なくとも二つ以上を組み合
    わせて備えたタービンロータを、タービンケーシングに
    収容させた蒸気タービンにおいて、上記タービンケーシ
    ングの蒸気出口側にタービン排気室を備え、このタービ
    ン排気室に低圧側ジャーナル軸受に対峙させて凹陥部を
    形成し、この凹陥部を上記低圧側ジャーナル軸受に向っ
    て凸状の湾曲面および疑似湾曲面のいずれか一方に形成
    したことを特徴とする蒸気タービン。
  13. 【請求項13】 疑似湾曲面は、湾曲面と直線面とを結
    ぶ角度または直線面同士を結ぶ角度を140゜以上に設
    定したことを特徴とする請求項12に記載の蒸気タービ
    ン。
  14. 【請求項14】 タービン高圧部、タービン中圧部およ
    びタービン低圧部のうち少なくとも二つ以上を組み合わ
    せるとともに、各タービン高、中、低圧部の少なくとも
    二つ以上にタービンノズルとタービン動翼とを組み合わ
    せた段落を備えたタービンロータを、タービンケーシン
    グに収容させた蒸気タービンにおいて、上記タービン各
    部の少なくとも一つ以上に、蒸気圧力100kg/cm2
    上、蒸気温度500℃以上の蒸気を供給してその出力を
    100MW以上にするとともに、上記タービン低圧部の最
    終段落のタービン動翼を、回転数3000rpm の地区
    で、その翼高を36インチ以上にし、回転数3600rp
    m の地区で、その翼高を33.5インチにしたことを特
    徴とする請求項1、4、7、8、10または12に記載
    の蒸気タービン。
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