JPH11301168A - 直液式筆記具 - Google Patents
直液式筆記具Info
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- JPH11301168A JPH11301168A JP10131375A JP13137598A JPH11301168A JP H11301168 A JPH11301168 A JP H11301168A JP 10131375 A JP10131375 A JP 10131375A JP 13137598 A JP13137598 A JP 13137598A JP H11301168 A JPH11301168 A JP H11301168A
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- ink tank
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ペン先側からのインキ漏出の十分な抑止性と、
ペン先からの十分なインキ吐出性とを同時に満足する直
液式筆記具を提供する。 【解決手段】ペン先2とインキタンク3との間に多孔質
材料よりなるインキ吸蔵体4を設ける。前記インキ吸蔵
体4と前記インキタンク3との間に、その両者間を連通
させる連通孔51を備える隔壁5を設ける。前記隔壁5
に、インキタンク3からペン先2へインキを供給する棒
状のインキ誘導部材6を貫装させる。前記インキ吸蔵体
4の後端部に毛細管力を増強させる縮径部41を設け
る。
ペン先からの十分なインキ吐出性とを同時に満足する直
液式筆記具を提供する。 【解決手段】ペン先2とインキタンク3との間に多孔質
材料よりなるインキ吸蔵体4を設ける。前記インキ吸蔵
体4と前記インキタンク3との間に、その両者間を連通
させる連通孔51を備える隔壁5を設ける。前記隔壁5
に、インキタンク3からペン先2へインキを供給する棒
状のインキ誘導部材6を貫装させる。前記インキ吸蔵体
4の後端部に毛細管力を増強させる縮径部41を設け
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直液式筆記具に関す
る。さらに詳細には、ペン先とインキタンクとの間に多
孔質材料よりなるインキ吸蔵体を設けた直液式筆記具に
関する。尚、本発明で「前」とはペン先方向を指し、
「後」とはインキタンク方向を指す。
る。さらに詳細には、ペン先とインキタンクとの間に多
孔質材料よりなるインキ吸蔵体を設けた直液式筆記具に
関する。尚、本発明で「前」とはペン先方向を指し、
「後」とはインキタンク方向を指す。
【0002】
【従来の技術】<実公昭56−33739号公報>
従来、実公昭56−33739号公報には、「軸筒の先
端に筆記体を止着し、該筆記体の後部と当接する毛管作
用を有するインキ吸蔵体を軸筒内面との間に外気と連通
する通気路が存しうるよう軸筒内に装着し、該インキ吸
蔵体の後端に圧縮部材を取り付けて、該取り付け部にお
けるインキ吸蔵体の毛管間隙を密になし、このインキ吸
蔵体の後端部と軸筒後部内に設けたインキタンクとを連
絡孔により連通せしめた筆記具。」が開示されている。
従来、実公昭56−33739号公報には、「軸筒の先
端に筆記体を止着し、該筆記体の後部と当接する毛管作
用を有するインキ吸蔵体を軸筒内面との間に外気と連通
する通気路が存しうるよう軸筒内に装着し、該インキ吸
蔵体の後端に圧縮部材を取り付けて、該取り付け部にお
けるインキ吸蔵体の毛管間隙を密になし、このインキ吸
蔵体の後端部と軸筒後部内に設けたインキタンクとを連
絡孔により連通せしめた筆記具。」が開示されている。
【0003】しかし、前記実公昭56−33739号公
報の筆記具は、インキタンクからのインキをインキ吸蔵
体に一旦、吸収させ、その吸収したインキをペン先より
消費する、いわゆる中綿式筆記具である。そのため、前
記公報の筆記具は、インキタンク内のインキがインキ誘
導部材等を介してダイレクトにペン先に供給されないこ
とから、ペン先からのインキ吐出量が不足し、筆跡が薄
くなったり、筆跡がかすれがちであり、長期にわたって
滑らかな書き味が得られない。
報の筆記具は、インキタンクからのインキをインキ吸蔵
体に一旦、吸収させ、その吸収したインキをペン先より
消費する、いわゆる中綿式筆記具である。そのため、前
記公報の筆記具は、インキタンク内のインキがインキ誘
導部材等を介してダイレクトにペン先に供給されないこ
とから、ペン先からのインキ吐出量が不足し、筆跡が薄
くなったり、筆跡がかすれがちであり、長期にわたって
滑らかな書き味が得られない。
【0004】<実公昭37−12939号公報> ま
た、実公昭37−12939号公報には、インキ筒内
に、インキ貯蔵部(本願のインキタンクに相当)と、該
インキ貯蔵部前方のフェルト屑または綿が充填された充
填室(本願のインキ吸蔵体に相当)と、該充填室とイン
キ貯蔵部とを区切る、小孔(本願の連通孔に相当)が穿
設された座板(本願の隔壁に相当)とを設け、前記座板
及び充填室に、樹脂加工を施した細長のフェルト(本願
のインキ誘導部材に相当)を貫装させた万年筆型フェル
トペンが開示されている。
た、実公昭37−12939号公報には、インキ筒内
に、インキ貯蔵部(本願のインキタンクに相当)と、該
インキ貯蔵部前方のフェルト屑または綿が充填された充
填室(本願のインキ吸蔵体に相当)と、該充填室とイン
キ貯蔵部とを区切る、小孔(本願の連通孔に相当)が穿
設された座板(本願の隔壁に相当)とを設け、前記座板
及び充填室に、樹脂加工を施した細長のフェルト(本願
のインキ誘導部材に相当)を貫装させた万年筆型フェル
トペンが開示されている。
【0005】前記実公昭37−12939号公報の筆記
具は、インキタンクとペン先とをインキ誘導部材によっ
てインキ吸蔵体を介さずダイレクトに接続した直液式筆
記具であるため、ペン先からのインキ吐出性は良好であ
るとしても、インキ吸蔵体全体の毛細管力が均一である
ため、ペン先下向き状態で長時間保管しておくと、イン
キ吸蔵体の前部にインキが集中しがちであり、落下等の
衝撃時やキャップの取り外し時にインキが外部に漏出す
るおそれがある。
具は、インキタンクとペン先とをインキ誘導部材によっ
てインキ吸蔵体を介さずダイレクトに接続した直液式筆
記具であるため、ペン先からのインキ吐出性は良好であ
るとしても、インキ吸蔵体全体の毛細管力が均一である
ため、ペン先下向き状態で長時間保管しておくと、イン
キ吸蔵体の前部にインキが集中しがちであり、落下等の
衝撃時やキャップの取り外し時にインキが外部に漏出す
るおそれがある。
【0006】その上、前記実公昭37−12939号公
報の筆記具は、インキ吸蔵体前部にインキを集中させや
すいことばかりか、インキ誘導部材外面とインキ吸蔵体
内面との接触が不安定であるため、温度変化等によって
インキタンク内が減圧状態になったとき、インキ吸蔵体
前部のインキがインキタンク内にスムーズに戻らず、イ
ンキ吸蔵体前部にインキを残留させたまま、インキタン
ク内に空気を取り込みやすい。その結果、インキタンク
内の空気の膨張・収縮が繰り返されると、インキ吸蔵体
前部の残留インキが次第に増加し、最後にはペン先側よ
りインキを漏出させてしまうおそれがある。
報の筆記具は、インキ吸蔵体前部にインキを集中させや
すいことばかりか、インキ誘導部材外面とインキ吸蔵体
内面との接触が不安定であるため、温度変化等によって
インキタンク内が減圧状態になったとき、インキ吸蔵体
前部のインキがインキタンク内にスムーズに戻らず、イ
ンキ吸蔵体前部にインキを残留させたまま、インキタン
ク内に空気を取り込みやすい。その結果、インキタンク
内の空気の膨張・収縮が繰り返されると、インキ吸蔵体
前部の残留インキが次第に増加し、最後にはペン先側よ
りインキを漏出させてしまうおそれがある。
【0007】<特表平6−510491号公報> さ
らに、特表平6−510491号公報には、毛管状供給
管(本願のインキ誘導部材に相当)を毛管状貯液器(本
願のインキ吸蔵体に相当)と直接接触させ、該毛管状供
給管を隔壁の開口(本願の中心孔に相当)に嵌合させ、
該開口を塞ぎ、該開口に嵌合させた毛管状供給管によっ
て、空気とインキの交替作用をさせる空隙(本願の連通
孔に相当)を形成した直液式筆記具が開示されている。
らに、特表平6−510491号公報には、毛管状供給
管(本願のインキ誘導部材に相当)を毛管状貯液器(本
願のインキ吸蔵体に相当)と直接接触させ、該毛管状供
給管を隔壁の開口(本願の中心孔に相当)に嵌合させ、
該開口を塞ぎ、該開口に嵌合させた毛管状供給管によっ
て、空気とインキの交替作用をさせる空隙(本願の連通
孔に相当)を形成した直液式筆記具が開示されている。
【0008】一般に、前記空隙(即ち連通孔)は、イン
キタンクとインキ吸蔵体との間のインキ及び空気の流通
を、その大きさにより規制するものであり、空気とイン
キのやりとりをする上で、高い寸法精度が要求される箇
所である。
キタンクとインキ吸蔵体との間のインキ及び空気の流通
を、その大きさにより規制するものであり、空気とイン
キのやりとりをする上で、高い寸法精度が要求される箇
所である。
【0009】もし、前記連通孔の大きさが過度に大きい
場合、その毛細管力が弱くなり、インキタンク減圧時、
インキ吸蔵体からインキタンクへのスムーズなインキの
戻りが阻害され、インキ吸蔵体にインキを残留させたま
ま、外部空気をインキタンク内に取り込み、インキタン
ク内の減圧状態を解消させてしまう。そして、インキタ
ンクの内圧が上昇すると、インキ保持部では溢出インキ
を十分保持できず、ペン先側よりインキが漏出するおそ
れがある。
場合、その毛細管力が弱くなり、インキタンク減圧時、
インキ吸蔵体からインキタンクへのスムーズなインキの
戻りが阻害され、インキ吸蔵体にインキを残留させたま
ま、外部空気をインキタンク内に取り込み、インキタン
ク内の減圧状態を解消させてしまう。そして、インキタ
ンクの内圧が上昇すると、インキ保持部では溢出インキ
を十分保持できず、ペン先側よりインキが漏出するおそ
れがある。
【0010】一方、前記連通孔の大きさが過度に小さい
場合、その毛細管力が強くなり、減圧状態のインキタン
ク内への空気侵入が抑止されて円滑な空気交替性が阻害
され、その結果、インキタンク内の減圧状態が解消され
ず、インキ消費を開始してから次第に、ペン先からのイ
ンキ吐出量が不足し、筆跡が薄くなる。
場合、その毛細管力が強くなり、減圧状態のインキタン
ク内への空気侵入が抑止されて円滑な空気交替性が阻害
され、その結果、インキタンク内の減圧状態が解消され
ず、インキ消費を開始してから次第に、ペン先からのイ
ンキ吐出量が不足し、筆跡が薄くなる。
【0011】したがって、前記特表平6−510491
号公報の直液式筆記具は、インキ誘導部材が多孔質材や
繊維質材からなるため、隔壁の中心孔に嵌合したインキ
誘導部材中の複数の空隙サイズが広くばらつき、その中
でも最も大きい空隙が、通気作用をする本願の連通孔と
なる。
号公報の直液式筆記具は、インキ誘導部材が多孔質材や
繊維質材からなるため、隔壁の中心孔に嵌合したインキ
誘導部材中の複数の空隙サイズが広くばらつき、その中
でも最も大きい空隙が、通気作用をする本願の連通孔と
なる。
【0012】そのため、インキ吸蔵体にインキを残留さ
せることにより生じるペン先からのインキ漏出事故のな
いよう、連通孔となる最も大きい空隙を小さく設定する
には、前記空隙サイズのばらつきを考慮すると、予め、
中心孔のインキ誘導部材の毛細間隙をかなり密にする必
要がある。その結果、連通孔の毛細管力が強くなり過
ぎ、減圧状態のインキタンク内に外部空気が容易には取
り込まれず、インキ消費開始から次第にペン先からのイ
ンキ吐出性を低下させる。
せることにより生じるペン先からのインキ漏出事故のな
いよう、連通孔となる最も大きい空隙を小さく設定する
には、前記空隙サイズのばらつきを考慮すると、予め、
中心孔のインキ誘導部材の毛細間隙をかなり密にする必
要がある。その結果、連通孔の毛細管力が強くなり過
ぎ、減圧状態のインキタンク内に外部空気が容易には取
り込まれず、インキ消費開始から次第にペン先からのイ
ンキ吐出性を低下させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
課題を解決するものであって、ペン先側からのインキ漏
出の十分な抑止性と、ペン先からの十分なインキ吐出性
とを同時に満足する直液式筆記具を提供しようとするも
のである。
課題を解決するものであって、ペン先側からのインキ漏
出の十分な抑止性と、ペン先からの十分なインキ吐出性
とを同時に満足する直液式筆記具を提供しようとするも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】(概要) 本発明は、ペ
ン先2とインキタンク3との間に多孔質材料よりなるイ
ンキ吸蔵体4を設け、前記インキ吸蔵体4と前記インキ
タンク3との間に、その両者間を連通させる連通孔51
を備える隔壁5を設けた直液式筆記具1であって、前記
隔壁5に、インキタンク3からペン先2へインキを供給
する棒状のインキ誘導部材6を貫装させると共に、前記
インキ吸蔵体4の後端部に毛細管力を増強させる縮径部
41を設けたこと(請求項1)を要件とする。
ン先2とインキタンク3との間に多孔質材料よりなるイ
ンキ吸蔵体4を設け、前記インキ吸蔵体4と前記インキ
タンク3との間に、その両者間を連通させる連通孔51
を備える隔壁5を設けた直液式筆記具1であって、前記
隔壁5に、インキタンク3からペン先2へインキを供給
する棒状のインキ誘導部材6を貫装させると共に、前記
インキ吸蔵体4の後端部に毛細管力を増強させる縮径部
41を設けたこと(請求項1)を要件とする。
【0015】前記請求項1の直液式筆記具1は、縮径部
41によってインキ吸蔵体4の後端部の毛細管力が増強
される。それにより、ペン先2を下向きにしたとして
も、インキ吸蔵体4の後端部(即ち縮径部41)に常に
インキを集中させ、そこにインキタンク3減圧時の空気
侵入を抑止するインキバリアを形成することができる。
41によってインキ吸蔵体4の後端部の毛細管力が増強
される。それにより、ペン先2を下向きにしたとして
も、インキ吸蔵体4の後端部(即ち縮径部41)に常に
インキを集中させ、そこにインキタンク3減圧時の空気
侵入を抑止するインキバリアを形成することができる。
【0016】さらに、前記請求項1の直液式筆記具1
は、前記縮径部41及び隔壁5に、インキタンク3から
ペン先2へインキを供給する棒状のインキ誘導部材6を
貫装させた構成によって、インキタンク3内のインキを
ペン先2へ、インキ吸蔵体4を介さず、毛細管力の強く
インキ誘導機能に優れたインキ誘導部材6を介して供給
することができ、ペン先2から潤沢なインキが途切れる
ことなく連続的に吐出され、筆跡が薄くなったり筆跡が
かすれることがなく、滑らかな筆記感が得られる。
は、前記縮径部41及び隔壁5に、インキタンク3から
ペン先2へインキを供給する棒状のインキ誘導部材6を
貫装させた構成によって、インキタンク3内のインキを
ペン先2へ、インキ吸蔵体4を介さず、毛細管力の強く
インキ誘導機能に優れたインキ誘導部材6を介して供給
することができ、ペン先2から潤沢なインキが途切れる
ことなく連続的に吐出され、筆跡が薄くなったり筆跡が
かすれることがなく、滑らかな筆記感が得られる。
【0017】(連通孔) また、前記請求項1の直液式
筆記具1において、前記連通孔51が、0.03mm〜
0.15mmの溝幅Sを備えた長孔であること(請求項
2)が好ましい。
筆記具1において、前記連通孔51が、0.03mm〜
0.15mmの溝幅Sを備えた長孔であること(請求項
2)が好ましい。
【0018】前記連通孔51は、隔壁5に軸方向に貫通
されるものであり、前記連通孔51を介して縮径部41
とインキタンク3とが連通されている。前記連通孔51
は、インキタンク3とインキ吸蔵体4との間のインキ及
び空気を流通させる、インキと空気の交替路であり、そ
の大きさ(即ち毛細管力)によりインキ及び空気の流通
を規制するものである。
されるものであり、前記連通孔51を介して縮径部41
とインキタンク3とが連通されている。前記連通孔51
は、インキタンク3とインキ吸蔵体4との間のインキ及
び空気を流通させる、インキと空気の交替路であり、そ
の大きさ(即ち毛細管力)によりインキ及び空気の流通
を規制するものである。
【0019】前記連通孔51の形状は、横断面が円形状
でもよいが、長孔(例えば曲線状又は直線状の細長い溝
形状又はスリット形状)にすることによって、毛細管力
の確実な設定が可能となり、製造上有利となる。
でもよいが、長孔(例えば曲線状又は直線状の細長い溝
形状又はスリット形状)にすることによって、毛細管力
の確実な設定が可能となり、製造上有利となる。
【0020】また、本願では、前記連通孔51を、空隙
ばらつきの大きい多孔質材等からは形成せず、隔壁5
(非多孔質体)により形成したことによって、適正な大
きさ(即ち適正な毛細管力)に正確に設定できる。
ばらつきの大きい多孔質材等からは形成せず、隔壁5
(非多孔質体)により形成したことによって、適正な大
きさ(即ち適正な毛細管力)に正確に設定できる。
【0021】前記連通孔51の溝幅Sが0.03mmよ
り小さい場合、連通孔51の毛細管力が過度に強くなる
ため、減圧状態のインキタンク3内に外部より空気がス
ムーズに取り込まれず、その結果、インキタンク3内の
減圧状態が解消されず、ペン先2からのインキ吐出量が
不足し、筆跡がかすれるおそれがある。
り小さい場合、連通孔51の毛細管力が過度に強くなる
ため、減圧状態のインキタンク3内に外部より空気がス
ムーズに取り込まれず、その結果、インキタンク3内の
減圧状態が解消されず、ペン先2からのインキ吐出量が
不足し、筆跡がかすれるおそれがある。
【0022】一方、連通孔51の溝幅Sが0.15mm
より大きい場合、連通孔51の毛細管力が過度に弱くな
るため、インキ吸蔵体4内の大部分のインキがインキタ
ンク3内に戻る以前に、外部空気が減圧状態のインキタ
ンク3内に抵抗なく容易に入ってしまい、インキ吸蔵体
4内にインキを残留させがちである。
より大きい場合、連通孔51の毛細管力が過度に弱くな
るため、インキ吸蔵体4内の大部分のインキがインキタ
ンク3内に戻る以前に、外部空気が減圧状態のインキタ
ンク3内に抵抗なく容易に入ってしまい、インキ吸蔵体
4内にインキを残留させがちである。
【0023】さらに、前記溝幅Sは、より一層、外部よ
り空気をインキタンク3内へスムーズに取り込むことが
可能となり、且つ、インキ吸蔵体4内でのインキ残留の
抑止が可能な点で、0.04mm〜0.1mmの範囲が
好ましく、さらに好ましくは前記作用効果を確実にする
点で、0.04mm〜0.07mmの範囲が有効であ
る。
り空気をインキタンク3内へスムーズに取り込むことが
可能となり、且つ、インキ吸蔵体4内でのインキ残留の
抑止が可能な点で、0.04mm〜0.1mmの範囲が
好ましく、さらに好ましくは前記作用効果を確実にする
点で、0.04mm〜0.07mmの範囲が有効であ
る。
【0024】(縮径部) また、前記請求項1又は2の
直液式筆記具1において、前記縮径部41内面と前記イ
ンキ誘導部材6外面とを密接させてなること(請求項
3)が好ましい。
直液式筆記具1において、前記縮径部41内面と前記イ
ンキ誘導部材6外面とを密接させてなること(請求項
3)が好ましい。
【0025】それにより、インキタンク3減圧時の縮径
部41内のインキを、連通孔51のみならず、縮径部4
1と密接するインキ誘導部材6を通じてインキタンク3
内に、空気を巻き込むことなく連続的に戻すことがで
き、インキ吸蔵体4のペン先2側にインキを多量に残留
させず、インキ漏出事故を未然に防ぐことができる。
部41内のインキを、連通孔51のみならず、縮径部4
1と密接するインキ誘導部材6を通じてインキタンク3
内に、空気を巻き込むことなく連続的に戻すことがで
き、インキ吸蔵体4のペン先2側にインキを多量に残留
させず、インキ漏出事故を未然に防ぐことができる。
【0026】前記縮径部41は、インキ吸蔵体4の後端
部外周面を径方向(具体的には径方向内方又は外方)に
圧縮変形させることにより形成される。それによって、
インキ吸蔵体4の後端部(縮径部41)は、前方の他の
部分よりも毛細間隙の間隙幅が小さくなり、前方の他の
部分よりも毛細管力が強く設定される。具体的には、前
記縮径部41の平均毛細管力は、連通孔51の平均毛細
管力と同程度に設定されることが好ましい。それによ
り、より一層、減圧状態のインキタンク3内への空気の
取り込みが円滑になると共に、インキ吸蔵体4でのイン
キの残留を十分抑止できる。
部外周面を径方向(具体的には径方向内方又は外方)に
圧縮変形させることにより形成される。それによって、
インキ吸蔵体4の後端部(縮径部41)は、前方の他の
部分よりも毛細間隙の間隙幅が小さくなり、前方の他の
部分よりも毛細管力が強く設定される。具体的には、前
記縮径部41の平均毛細管力は、連通孔51の平均毛細
管力と同程度に設定されることが好ましい。それによ
り、より一層、減圧状態のインキタンク3内への空気の
取り込みが円滑になると共に、インキ吸蔵体4でのイン
キの残留を十分抑止できる。
【0027】(隔壁) 前記隔壁5は、インキタンク3
とインキ吸蔵体4の収容部とを仕切る非多孔質材料より
なるものであり、インキタンク3とインキ吸蔵体4とを
連通する連通孔51と、インキ誘導部材6が貫装される
中心孔52とを備えると共に、その前面はインキ吸蔵体
4後端面(即ち縮径部41)を軸方向に圧接支持する。
前記隔壁5前面が縮径部41と接触しているため、連通
孔51と縮径部41とがインキ流通可能になるよう接続
されている。
とインキ吸蔵体4の収容部とを仕切る非多孔質材料より
なるものであり、インキタンク3とインキ吸蔵体4とを
連通する連通孔51と、インキ誘導部材6が貫装される
中心孔52とを備えると共に、その前面はインキ吸蔵体
4後端面(即ち縮径部41)を軸方向に圧接支持する。
前記隔壁5前面が縮径部41と接触しているため、連通
孔51と縮径部41とがインキ流通可能になるよう接続
されている。
【0028】また、前記隔壁5の中心孔52内面に、イ
ンキ誘導部材6外面を接触支持させ、前記インキ誘導部
材6を安定固定させることもできる。また、前記隔壁5
は、インキタンク3や軸筒7と一体に形成されてもよい
し、あるいは図1及び図5に示すようにインキタンク3
や軸筒7に対して別部材の取り付けによって構成されて
もよい。
ンキ誘導部材6外面を接触支持させ、前記インキ誘導部
材6を安定固定させることもできる。また、前記隔壁5
は、インキタンク3や軸筒7と一体に形成されてもよい
し、あるいは図1及び図5に示すようにインキタンク3
や軸筒7に対して別部材の取り付けによって構成されて
もよい。
【0029】(インキ吸蔵体) 前記インキ吸蔵体4
は、インキタンク3内の圧力変化に応じた溢出インキを
一時的に保持する機能を有するものである。インキタン
ク3内が加圧状態の場合(温度変化等によるインキタン
ク3の内圧が上昇した場合)、インキタンク3内のイン
キは連通孔51及びインキ誘導部材6を通じてインキ吸
蔵体4内に一時的に保持される。
は、インキタンク3内の圧力変化に応じた溢出インキを
一時的に保持する機能を有するものである。インキタン
ク3内が加圧状態の場合(温度変化等によるインキタン
ク3の内圧が上昇した場合)、インキタンク3内のイン
キは連通孔51及びインキ誘導部材6を通じてインキ吸
蔵体4内に一時的に保持される。
【0030】一方、インキタンク3内が減圧状態の場合
(温度変化等によるインキタンク3の内圧が減少した
り、あるいはペン先2からインキが消費された場合)、
インキ吸蔵体4内のインキは、連通孔51を通じてイン
キタンク3内に戻され、さらにインキタンク3内が減圧
状態にあると、インキ吸蔵体4内の大部分のインキがイ
ンキタンク3内に移行し、最後には空気が外部よりイン
キタンク3内に入り、その減圧状態が解消される。
(温度変化等によるインキタンク3の内圧が減少した
り、あるいはペン先2からインキが消費された場合)、
インキ吸蔵体4内のインキは、連通孔51を通じてイン
キタンク3内に戻され、さらにインキタンク3内が減圧
状態にあると、インキ吸蔵体4内の大部分のインキがイ
ンキタンク3内に移行し、最後には空気が外部よりイン
キタンク3内に入り、その減圧状態が解消される。
【0031】前記多孔質材料よりなるインキ吸蔵体4と
しては、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂
加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパ
ンチ加工体、合成樹脂の連続気泡体等を挙げることがで
きる。
しては、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂
加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパ
ンチ加工体、合成樹脂の連続気泡体等を挙げることがで
きる。
【0032】(インキ誘導部材) 前記インキ誘導部材
6は、少なくとも、その外周面より径方向外方に開口す
る軸方向のインキ導出路を備えるものならばよく、例え
ば繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、軸方向
のインキ導出溝を有する合成樹脂の押出成形体又は射出
成形体等、適宜採用される。ペン先2へインキを潤沢且
つ円滑に供給するには、少なくとも前記インキ誘導部材
6の毛細管力は、インキ吸蔵体4の縮径部41及び連通
孔51の毛細管力より強く設定される。
6は、少なくとも、その外周面より径方向外方に開口す
る軸方向のインキ導出路を備えるものならばよく、例え
ば繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、軸方向
のインキ導出溝を有する合成樹脂の押出成形体又は射出
成形体等、適宜採用される。ペン先2へインキを潤沢且
つ円滑に供給するには、少なくとも前記インキ誘導部材
6の毛細管力は、インキ吸蔵体4の縮径部41及び連通
孔51の毛細管力より強く設定される。
【0033】(ペン先) 前記ペン先2は、インキ誘導
部材6とインキ流通可能に接続され、インキ誘導部材6
から供給されたインキを紙面等の外部に吐出可能なもの
であればいずれであってもよく、例えば、繊維束の樹脂
加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成
樹脂の連続気泡体、合成樹脂の押出形成体、ボールペン
チップ、万年筆型板状ペン体、細管状ペン体等、挙げら
れる。また、ペン先2とインキ誘導部材6とを一部材で
構成し、インキ誘導部材6がペン先2を兼ねる構成であ
ってもよい。
部材6とインキ流通可能に接続され、インキ誘導部材6
から供給されたインキを紙面等の外部に吐出可能なもの
であればいずれであってもよく、例えば、繊維束の樹脂
加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成
樹脂の連続気泡体、合成樹脂の押出形成体、ボールペン
チップ、万年筆型板状ペン体、細管状ペン体等、挙げら
れる。また、ペン先2とインキ誘導部材6とを一部材で
構成し、インキ誘導部材6がペン先2を兼ねる構成であ
ってもよい。
【0034】(インキタンク) 前記インキタンク3
は、インキ吸蔵体4の縮径部41とインキ流通可能に接
続されていればよく、具体的には、インキ吸蔵体4を収
容する筒状体(例えば軸筒7、吸蔵体収容筒8、隔壁
5、または縮径部材9等)と一体に形成する構成、ある
いは前記筒状体に取り付ける別部材(例えば、着脱自在
且つ交換可能なインキカートリッジ)の取り付けによる
構成等、挙げることができる。
は、インキ吸蔵体4の縮径部41とインキ流通可能に接
続されていればよく、具体的には、インキ吸蔵体4を収
容する筒状体(例えば軸筒7、吸蔵体収容筒8、隔壁
5、または縮径部材9等)と一体に形成する構成、ある
いは前記筒状体に取り付ける別部材(例えば、着脱自在
且つ交換可能なインキカートリッジ)の取り付けによる
構成等、挙げることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に従っ
て説明する。
て説明する。
【0036】<第1実施例> 図1〜図4に本発明の
第1実施例の直液式筆記具1を示す。本実施例の直液式
筆記具1は、主に、インキ吸蔵体4を内部に収容する吸
蔵体収容筒8と、該吸蔵体収容筒8を前部に設け且つそ
の後方に隔壁5を介してインキタンク3を形成した軸筒
7と、該軸筒7のインキ吸蔵体4内に軸方向に貫装さ
れ、後端をインキタンク3内に露出させ且つ前端をペン
先2として外部に突出させたインキ誘導部材6とからな
る。
第1実施例の直液式筆記具1を示す。本実施例の直液式
筆記具1は、主に、インキ吸蔵体4を内部に収容する吸
蔵体収容筒8と、該吸蔵体収容筒8を前部に設け且つそ
の後方に隔壁5を介してインキタンク3を形成した軸筒
7と、該軸筒7のインキ吸蔵体4内に軸方向に貫装さ
れ、後端をインキタンク3内に露出させ且つ前端をペン
先2として外部に突出させたインキ誘導部材6とからな
る。
【0037】(吸蔵体収容筒) 前記吸蔵体収容筒8
は、その前部でペン先2を保持し、その内部でインキ吸
蔵体4を収容する筒状体である。前記吸蔵体収容筒8の
後端部内面には、筒状の縮径部材9が固着され、吸蔵体
収容筒8後部の内径が小さく設定されている。
は、その前部でペン先2を保持し、その内部でインキ吸
蔵体4を収容する筒状体である。前記吸蔵体収容筒8の
後端部内面には、筒状の縮径部材9が固着され、吸蔵体
収容筒8後部の内径が小さく設定されている。
【0038】そして、前記吸蔵体収容筒8内に、合成樹
脂製繊維束(例えばポリエステル樹脂製の長手方向に引
き揃えられた繊維束)の熱融着加工体からなるインキ吸
蔵体4がその後端開口部より圧入される。この時、イン
キ吸蔵体4は、特に、その後端部が、前記縮径部材9に
よって、径方向内方に圧縮され、そこに縮径部41が形
成される。前記インキ吸蔵体4は、吸蔵体収容筒8に圧
入する以前は、直円筒状であり、均一な毛細間隙(即ち
均一な毛細管力)を備えている。そのため、インキ吸蔵
体4後端部の縮径部41は、圧縮変形によってインキ吸
蔵体4の他の部分より強い毛細管力を有する。
脂製繊維束(例えばポリエステル樹脂製の長手方向に引
き揃えられた繊維束)の熱融着加工体からなるインキ吸
蔵体4がその後端開口部より圧入される。この時、イン
キ吸蔵体4は、特に、その後端部が、前記縮径部材9に
よって、径方向内方に圧縮され、そこに縮径部41が形
成される。前記インキ吸蔵体4は、吸蔵体収容筒8に圧
入する以前は、直円筒状であり、均一な毛細間隙(即ち
均一な毛細管力)を備えている。そのため、インキ吸蔵
体4後端部の縮径部41は、圧縮変形によってインキ吸
蔵体4の他の部分より強い毛細管力を有する。
【0039】前記吸蔵体収容筒8は、その先細の前部に
て空気流通可能にペン先2を保持する。また、前記吸蔵
体収容筒8の内面には、リブ81が設けられ、インキ吸
蔵体4の前端を当接支持し、インキ吸蔵体4の脱落を防
止している。
て空気流通可能にペン先2を保持する。また、前記吸蔵
体収容筒8の内面には、リブ81が設けられ、インキ吸
蔵体4の前端を当接支持し、インキ吸蔵体4の脱落を防
止している。
【0040】(インキ誘導部材) 前記インキ吸蔵体4
の軸心には、合成樹脂製繊維(例えばポリエステル繊
維、アクリル繊維等)の樹脂加工体からなる棒状のイン
キ誘導部材6が、インキ吸蔵体4の前方から後方へ突き
刺し貫通させることによって取り付けられ、インキ誘導
部材6の外周面がインキ吸蔵体4の内周面と直接接触さ
れている。特に、インキ誘導部材6の外面は、インキ吸
蔵体4後端部の径方向外方から内方への圧縮変形よりな
る縮径部41によって、インキ吸蔵体4の後端部内面と
径方向に強く密接している。それにより、インキ吸蔵体
4とインキ誘導部材6のインキ接続を安定させるばかり
か、インキ誘導部材6の軸筒7前方からの脱落を防止で
きる。
の軸心には、合成樹脂製繊維(例えばポリエステル繊
維、アクリル繊維等)の樹脂加工体からなる棒状のイン
キ誘導部材6が、インキ吸蔵体4の前方から後方へ突き
刺し貫通させることによって取り付けられ、インキ誘導
部材6の外周面がインキ吸蔵体4の内周面と直接接触さ
れている。特に、インキ誘導部材6の外面は、インキ吸
蔵体4後端部の径方向外方から内方への圧縮変形よりな
る縮径部41によって、インキ吸蔵体4の後端部内面と
径方向に強く密接している。それにより、インキ吸蔵体
4とインキ誘導部材6のインキ接続を安定させるばかり
か、インキ誘導部材6の軸筒7前方からの脱落を防止で
きる。
【0041】また、前記インキ誘導部材6の後端は、硬
質な尖頭部材61が固着され、それにより、インキ吸蔵
体4への挿入性を向上させている。また、前記インキ誘
導部材6の前端は、適宜形状に形成され、ペン先2とし
て前方外部へ突出している。
質な尖頭部材61が固着され、それにより、インキ吸蔵
体4への挿入性を向上させている。また、前記インキ誘
導部材6の前端は、適宜形状に形成され、ペン先2とし
て前方外部へ突出している。
【0042】(縮径部材) 前記縮径部材9は、筒状の
前部91が、吸蔵体収容筒8内に圧入され、インキ吸蔵
体4の後端部を縮径するのに利用され、筒状の後部92
が、インキタンク3内に突出し、インキ誘導部材6の後
端の尖頭部材61を保持している。前記筒状の後部92
には、インキタンク3とインキ誘導部材6を連通させ、
且つ、インキタンク3内と隔壁5後面とを連通させる横
孔92aが設けられている。また、前記筒状の前部91
と、前記筒状の後部92の間には、フランジ部93が連
設され、それが吸蔵体収容筒8の後端と軸筒7内面の段
部71とにより、軸方向に挟持されている。
前部91が、吸蔵体収容筒8内に圧入され、インキ吸蔵
体4の後端部を縮径するのに利用され、筒状の後部92
が、インキタンク3内に突出し、インキ誘導部材6の後
端の尖頭部材61を保持している。前記筒状の後部92
には、インキタンク3とインキ誘導部材6を連通させ、
且つ、インキタンク3内と隔壁5後面とを連通させる横
孔92aが設けられている。また、前記筒状の前部91
と、前記筒状の後部92の間には、フランジ部93が連
設され、それが吸蔵体収容筒8の後端と軸筒7内面の段
部71とにより、軸方向に挟持されている。
【0043】(隔壁) 前記隔壁5は、円板状非多孔質
体であり、前記縮径部材9内に圧入固着されている。図
1及び図3に示すように、前記縮径部材9の内面には複
数本(ここでは8本)の軸方向の溝が設けられ、前記縮
径部材9内面の溝を有する箇所に、前記隔壁5を圧入さ
せると、隔壁5外面と縮径部材9内面との間にスリット
状の連通孔51が形成される。前記連通孔51は、横断
面形状が、均一な溝幅Sを有する円弧状または長方形状
の長孔であり、その溝幅S(即ち径方向の溝幅)は、
0.04mm〜0.07mmに設定されている。また、
前記隔壁5の軸心には中心孔52が貫設され、そこにイ
ンキ誘導部材6が貫装されている。
体であり、前記縮径部材9内に圧入固着されている。図
1及び図3に示すように、前記縮径部材9の内面には複
数本(ここでは8本)の軸方向の溝が設けられ、前記縮
径部材9内面の溝を有する箇所に、前記隔壁5を圧入さ
せると、隔壁5外面と縮径部材9内面との間にスリット
状の連通孔51が形成される。前記連通孔51は、横断
面形状が、均一な溝幅Sを有する円弧状または長方形状
の長孔であり、その溝幅S(即ち径方向の溝幅)は、
0.04mm〜0.07mmに設定されている。また、
前記隔壁5の軸心には中心孔52が貫設され、そこにイ
ンキ誘導部材6が貫装されている。
【0044】<第2実施例> 図5及び図6に本発明の
第2実施例の直液式筆記具1を示す。本実施例の直液式
筆記具1は、主に、インキ吸蔵体4を内部に収容する吸
蔵体収容筒8と、該吸蔵体収容筒8を前部に設け且つそ
の後方に隔壁5を介してインキタンク3を形成した軸筒
7と、該軸筒7のインキ吸蔵体4内に軸方向に貫装さ
れ、後端をインキタンク3内に露出させ且つ前端をペン
先2として外部に突出させたインキ誘導部材6とからな
る。
第2実施例の直液式筆記具1を示す。本実施例の直液式
筆記具1は、主に、インキ吸蔵体4を内部に収容する吸
蔵体収容筒8と、該吸蔵体収容筒8を前部に設け且つそ
の後方に隔壁5を介してインキタンク3を形成した軸筒
7と、該軸筒7のインキ吸蔵体4内に軸方向に貫装さ
れ、後端をインキタンク3内に露出させ且つ前端をペン
先2として外部に突出させたインキ誘導部材6とからな
る。
【0045】(吸蔵体収容筒) 前記吸蔵体収容筒8
は、その前部でペン先2を保持し、その内部でインキ吸
蔵体4を収容する筒状体である。前記吸蔵体収容筒8の
後端部内面には、縮径部材9を兼ねる隔壁5が固着さ
れ、吸蔵体収容筒8後部の内径が小さく設定されてい
る。
は、その前部でペン先2を保持し、その内部でインキ吸
蔵体4を収容する筒状体である。前記吸蔵体収容筒8の
後端部内面には、縮径部材9を兼ねる隔壁5が固着さ
れ、吸蔵体収容筒8後部の内径が小さく設定されてい
る。
【0046】前記吸蔵体収容筒8内に、合成樹脂製繊維
束(例えばポリエステル樹脂製の長手方向に引き揃えら
れた繊維束)の熱融着加工体からなるインキ吸蔵体4が
その後端開口部より圧入される。この時、インキ吸蔵体
4は、特に、その後端部が、前記縮径部材9の前部91
によって、径方向外方に圧縮され、そこに縮径部41が
形成される。前記インキ吸蔵体4は、吸蔵体収容筒8に
圧入する以前は、直円筒状であり、均一な毛細間隙(即
ち均一な毛細管力)を備えている。そのため、インキ吸
蔵体4後端部の縮径部41は、圧縮変形によってインキ
吸蔵体4の他の部分より強い毛細管力を有する。
束(例えばポリエステル樹脂製の長手方向に引き揃えら
れた繊維束)の熱融着加工体からなるインキ吸蔵体4が
その後端開口部より圧入される。この時、インキ吸蔵体
4は、特に、その後端部が、前記縮径部材9の前部91
によって、径方向外方に圧縮され、そこに縮径部41が
形成される。前記インキ吸蔵体4は、吸蔵体収容筒8に
圧入する以前は、直円筒状であり、均一な毛細間隙(即
ち均一な毛細管力)を備えている。そのため、インキ吸
蔵体4後端部の縮径部41は、圧縮変形によってインキ
吸蔵体4の他の部分より強い毛細管力を有する。
【0047】また、前記吸蔵体収容筒8は、その先細の
前部にて空気流通可能にペン先2を保持する。また、前
記吸蔵体収容筒8の内面には、リブ81が設けられ、イ
ンキ吸蔵体4の前端を当接支持し、インキ吸蔵体4の脱
落を防止している。
前部にて空気流通可能にペン先2を保持する。また、前
記吸蔵体収容筒8の内面には、リブ81が設けられ、イ
ンキ吸蔵体4の前端を当接支持し、インキ吸蔵体4の脱
落を防止している。
【0048】(隔壁) 前記隔壁5は、筒状の前部91
とフランジ部93とが一体に連設されてなる。一方、前
記吸蔵体収容筒8の後端部内面には、図6に示すように
複数本(ここでは4本)の軸方向の溝が設けられ、前記
溝を有する箇所に、前記隔壁5のフランジ部93を圧入
させると、フランジ部93外面と吸蔵体収容筒8内面と
の間にスリット状の連通孔51が形成される。前記連通
孔51は、横断面形状が、均一な溝幅Sを有する円弧状
の長孔であり、その溝幅S(即ち径方向の溝幅)は、
0.04mm〜0.07mmに設定されている。また、
前記隔壁5の軸心には中心孔52が貫設され、そこに棒
状のインキ誘導部材6(例えば、ポリエステル繊維、ア
クリル繊維等の合成樹脂繊維の樹脂加工体)が貫装され
ている。
とフランジ部93とが一体に連設されてなる。一方、前
記吸蔵体収容筒8の後端部内面には、図6に示すように
複数本(ここでは4本)の軸方向の溝が設けられ、前記
溝を有する箇所に、前記隔壁5のフランジ部93を圧入
させると、フランジ部93外面と吸蔵体収容筒8内面と
の間にスリット状の連通孔51が形成される。前記連通
孔51は、横断面形状が、均一な溝幅Sを有する円弧状
の長孔であり、その溝幅S(即ち径方向の溝幅)は、
0.04mm〜0.07mmに設定されている。また、
前記隔壁5の軸心には中心孔52が貫設され、そこに棒
状のインキ誘導部材6(例えば、ポリエステル繊維、ア
クリル繊維等の合成樹脂繊維の樹脂加工体)が貫装され
ている。
【0049】(作用) 前記第1,第2実施例の直液式
筆記具1において、インキタンク3内のインキは、該イ
ンキタンク3の内圧上昇に伴いインキ吸蔵体4に溢出・
吸収される。前記溢出インキは、インキ吸蔵体4の後端
の縮径部41から該縮径部41前方のインキ吸蔵体4に
空気を介在させることなく連続的にに保持されている。
そのため、インキタンク3内の減圧時、インキ吸蔵体4
前部からインキタンク3へのインキのリターンバックを
空気の巻き込みを防止した途切れのない円滑なものにで
きる。
筆記具1において、インキタンク3内のインキは、該イ
ンキタンク3の内圧上昇に伴いインキ吸蔵体4に溢出・
吸収される。前記溢出インキは、インキ吸蔵体4の後端
の縮径部41から該縮径部41前方のインキ吸蔵体4に
空気を介在させることなく連続的にに保持されている。
そのため、インキタンク3内の減圧時、インキ吸蔵体4
前部からインキタンク3へのインキのリターンバックを
空気の巻き込みを防止した途切れのない円滑なものにで
きる。
【0050】
【発明の効果】本発明の直液式筆記具は、請求項1の構
成により、インキ吸蔵体前部のインキ残留を抑え、ペン
先側からのインキ漏出を防止すると同時に、ペン先から
の十分なインキ吐出量を得ることができる。
成により、インキ吸蔵体前部のインキ残留を抑え、ペン
先側からのインキ漏出を防止すると同時に、ペン先から
の十分なインキ吐出量を得ることができる。
【0051】本発明の直液式筆記具は、請求項2の構成
により、連通孔の毛細管力を所望の強さに設定でき、製
造上有利となり、ペン先側からのインキ漏出防止と、ペ
ン先からの十分なインキ吐出性とが、同時に、より一層
ばらつきなく満足される。
により、連通孔の毛細管力を所望の強さに設定でき、製
造上有利となり、ペン先側からのインキ漏出防止と、ペ
ン先からの十分なインキ吐出性とが、同時に、より一層
ばらつきなく満足される。
【0052】本発明の直液式筆記具は、請求項3の構成
により、インキタンク減圧時の縮径部内のインキを、連
通孔のみならず、縮径部と密接するインキ誘導部材を通
じてインキタンク内に、空気を巻き込むことなく連続的
に戻すことができ、インキ吸蔵体前部にインキを残留さ
せず、インキ漏出事故を未然に防ぐことができる。
により、インキタンク減圧時の縮径部内のインキを、連
通孔のみならず、縮径部と密接するインキ誘導部材を通
じてインキタンク内に、空気を巻き込むことなく連続的
に戻すことができ、インキ吸蔵体前部にインキを残留さ
せず、インキ漏出事故を未然に防ぐことができる。
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線拡大断面図である。
【図4】図1のC−C線拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図6】図5のD−D線拡大断面図である。
1 直液式筆記具 2 ペン先 3 インキタンク 4 インキ吸蔵体 41 縮径部 5 隔壁 51 連通孔 52 中心孔 6 インキ誘導部材 61 尖頭部材 7 軸筒 71 段部 8 吸蔵体収容筒 81 リブ 9 縮径部材 91 前部 92 後部 92a 横孔 93 フランジ部 S 連通孔の溝幅
Claims (3)
- 【請求項1】ペン先(2)とインキタンク(3)との間
に多孔質材料よりなるインキ吸蔵体(4)を設け、前記
インキ吸蔵体(4)と前記インキタンク(3)との間
に、その両者間を連通させる連通孔(51)を備える隔
壁(5)を設けた直液式筆記具であって、前記隔壁
(5)に、インキタンク(3)からペン先(2)へイン
キを供給する棒状のインキ誘導部材(6)を貫装させる
と共に、前記インキ吸蔵体(4)の後端部に毛細管力を
増強させる縮径部(41)を設けたことを特徴とする直
液式筆記具。 - 【請求項2】前記連通孔(51)が、0.03mm〜
0.15mmの溝幅を備えた長孔である請求項1記載の
直液式筆記具。 - 【請求項3】前記縮径部(41)内面と前記インキ誘導
部材(6)外面とを密接させてなる請求項1又は2記載
の直液式筆記具。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13137598A JP3917293B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 直液式筆記具 |
CA002246422A CA2246422A1 (en) | 1997-08-29 | 1998-08-27 | Direct liquid supply writing implement |
US09/141,560 US5967687A (en) | 1997-08-29 | 1998-08-28 | Direct liquid supply writing implement |
CN98117657A CN1073021C (zh) | 1997-08-29 | 1998-08-28 | 直接供水式书写工具 |
DE69802756T DE69802756T2 (de) | 1997-08-29 | 1998-08-28 | Schreibgerät mit direkter Flüssigkeitsversorgung |
EP98116356A EP0899128B1 (en) | 1997-08-29 | 1998-08-28 | Direct liquid supply writing implement |
TW087114263A TW409101B (en) | 1997-08-29 | 1998-08-28 | Direct liquid supply writing implement |
KR1019980035065A KR19990023957A (ko) | 1997-08-29 | 1998-08-28 | 직액식 필기구 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13137598A JP3917293B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 直液式筆記具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11301168A true JPH11301168A (ja) | 1999-11-02 |
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ID=15056480
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---|---|---|---|
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---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007168307A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Fan Jiang Hong | 筆記用液体のための自動調整制御構造 |
KR20190025827A (ko) * | 2016-05-11 | 2019-03-12 | 윈트레이딩 가부시키가이샤 | 도포구 |
US10299562B2 (en) | 2016-01-19 | 2019-05-28 | Wintrading Co., Ltd. | Applicator |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1998-04-23 JP JP13137598A patent/JP3917293B2/ja not_active Expired - Fee Related
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