JPH112973A - 中間転写ベルト - Google Patents

中間転写ベルト

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JPH112973A
JPH112973A JP29045197A JP29045197A JPH112973A JP H112973 A JPH112973 A JP H112973A JP 29045197 A JP29045197 A JP 29045197A JP 29045197 A JP29045197 A JP 29045197A JP H112973 A JPH112973 A JP H112973A
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JP
Japan
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intermediate transfer
transfer belt
layer
belt
elastic layer
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JP29045197A
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English (en)
Inventor
Tetsukazu Ueno
哲一 上野
Itaru Kurimoto
到 栗本
Hiroshi Murata
弘 村田
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 中間転写方式によりプリントを行う場合に、
中間転写ベルト1に設けられた凸部等の嵌合部12の性
能に起因する、中間転写ベルト1の脱輪やズレの発生を
確実に防止して良好な画像を長期に亘って確実に得ると
共に、駆動時の騒音の発生を低減化する。 【解決手段】 上記嵌合部12を、弾性層と異なる材料
からなる補強層で補強する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録
プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持
体等の画像形成体表面に現像剤を供給して形成されたト
ナー像を、紙等の記録媒体へと転写する前に一旦転写保
持し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写ベルト
に関し、更に詳述すると、中間転写ベルトを少なくとも
1つの駆動部材により循環駆動させ、上記中間転写方式
によって印刷を行う場合に、中間転写ベルトに設けられ
た脱輪防止用の凸部に摩耗や変形を生じることなく、中
間転写ベルトの脱輪やズレの発生を確実に防止して良好
な画像を長期に亘って確実に得ることができると共に、
駆動時の騒音の発生を低減化することができる中間転写
ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、複写機、プリンター等における静電記録プロセスで
は、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電さ
せ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たっ
た部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成
し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの
静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙等の記録
媒体へと転写することにより、プリントする方法が採ら
れている。
【0003】この場合、カラープリンターやカラー複写
機においても、基本的には上記プロセスに従ってプリン
トが行われるが、カラー印刷の場合は、マゼンタ、イエ
ロー、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて色調を
再現するもので、これらのトナーを所定割合で重ね合わ
せて必要な色調を得るための工程が必要であり、この工
程を行うためにいくつかの方式が提案されている。
【0004】まず、第1には、モノクロ印刷を行う場合
と同様に、感光体上にトナーを供給して静電潜像を可視
化する際に、上記マゼンタ、イエロー、シアン、ブラッ
クの4色のトナーを順次重ねていくことにより現像を行
い、感光体上にカラーのトナー像を形成する多重現像方
式がある。この方式によれば比較的コンパクトに装置を
構成することが可能であるが、この方式では階調の制御
が非常に難しく、高画質が得られないという問題点があ
る。
【0005】第2に、4つの感光ドラムを設け、各ドラ
ムの潜像をそれぞれマゼンタ、イエロー、シアン、ブラ
ックのトナーで現像することにより、マゼンタによるト
ナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー
像及びブラックによるトナー像の4つのトナー像を形成
し、これらトナー像が形成された感光ドラムを1列に並
べて各トナー像を紙等の記録媒体に順次転写して記録媒
体上に重ねることにより、カラー画像を再現するタンデ
ム方式がある。この方式は、良好な画像が得られるもの
の、4つの感光ドラムと、各感光ドラム毎に設けられた
帯電機構及び現像機構が1列に並べられた状態となり、
装置が大型化すると共に高価なものとなってしまう。
【0006】第3に、紙等の記録媒体を転写ドラムに巻
き付けてこれを4回転させ、周回毎に感光体上のマゼン
タ、イエロー、シアン、ブラックを順次記録媒体に転写
してカラー画像を再現する転写ドラム方式もある。この
方式によれば比較的高画質が得られるが、記録媒体が葉
書等の厚紙である場合には、これを上記転写ドラムに巻
き付けることが困難であり、記録媒体種が制限されると
いう問題点がある。
【0007】上記多重現像方式、タンデム方式及び転写
ドラム方式に対して、良好な画質が得られ、かつ装置が
特に大型化するようなこともなく、しかも記録媒体種が
特に制限されるようなこともない方式として、中間転写
方式が提案されている。
【0008】即ち、この中間転写方式は、感光体上のト
ナー像を一旦転写保持する中間転写ベルトを設け、この
中間転写ベルトの周囲にマゼンタによるトナー像、イエ
ローによるトナー像、シアンによるトナー像及びブラッ
クによるトナー像を形成した4つの感光体を配置して4
色のトナー像を中間転写ベルト上に順次転写することに
より、この中間転写ベルト上にカラー画像を形成し、こ
のカラー画像を紙等の記録媒体上に転写するものであ
る。従って、4色のトナー像を重ね合わせて階調を調整
するものであるから、高画質を得ることが可能であり、
かつタンデム方式のように感光体を1列に並べる必要が
ないので装置が特に大型化することもなく、しかも記録
媒体をドラムに巻き付ける必要もないので記録媒体種が
制限されることもないものである。
【0009】ここで、通常の中間転写機構においては、
図1に示すように、上記中間転写ベルト1を、少なくと
も1つの駆動ローラを含む複数(図では3つ)の回転ロ
ーラ5間に架設された状態で感光ドラム(画像形成体)
2a〜2dと紙等の記録媒体3との間に配設し、上記駆
動ローラにより中間転写ベルト1を循環駆動させて、上
記画像形成体2a〜2d表面に形成されたトナー像を順
次中間転写ベルト1の表面に転写保持し、これを上記記
録媒体3へと転写する方式が採られる。この場合、上記
中間転写ベルト1が各回転ローラ5から脱輪したり、ズ
レが生じるのを防止するため、図2に示したように、該
中間転写ベルト1の裏面側にベルトの回転方向に沿って
連続する凸部12を一体に形成し、この凸部12を上記
回転ローラ5中の駆動ローラの表面に周方向に沿って設
けられた凹部(図示せず)に嵌合させた状態で循環駆動
させることが行われている。
【0010】しかしながら、この従来の中間転写機構に
用いられている中間転写ベルト1には、以下の欠点があ
る。 長期に使用していると、上記凸部12の摩耗や変形等
により中間転写ベルト1が上記回転ローラ5から脱輪し
てしまったり、ベルトの回転軌道にズレが生じて得られ
る画像に色ズレ等が生じる場合がある。 上記凸部12が摩耗して生じる屑が機器に悪影響を及
ぼす虞がある。 上記凸部12の摩耗により、駆動時に騒音を生じる場
合がある。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、中間転写ベルトを用いた中間転写方式によりプリン
トを行う場合に、駆動部材と嵌合させるために中間転写
ベルトに設けられた凸部等の嵌合部の性能に起因する、
中間転写ベルトの脱輪やズレの発生を確実に防止して良
好な画像を長期に亘って確実に得ることができると共
に、駆動時の騒音の発生を低減化することができる中間
転写ベルトを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、弾性層を有する中間転写ベルトを、感光ドラム等の
画像形成体と紙等の記録媒体との間に配設し、駆動部材
によって該中間転写ベルトを循環駆動させ、上記画像形
成体に形成されたトナー像を該中間転写ベルトの表面に
転写保持し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写
方式によりプリントを行う場合に、上記中間転写ベルト
の上記駆動部材と接触する側の面に設けられ、上記駆動
部材に形成された凹部等と嵌合する凸部などの嵌合部
を、少なくとも一部に上記弾性層とは異なる材料からな
る補強層を有する嵌合部とするか、又は上記ベルト本体
の嵌合部が形成される部分に、上記弾性層とは異なる材
料からなる補強層を形成することにより、該嵌合部の摩
耗や変形を効果的に防止し得、これによって中間転写ベ
ルトの脱輪やズレの発生を確実に防止して良好な画像を
長期に亘って確実に得ることができると共に、駆動時の
騒音の発生を効果的に低減化し得ることを見い出し、本
発明を完成したものである。
【0013】従って、本発明は、画像形成体と記録媒体
との間に配設され、駆動部材により循環駆動されて、上
記画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表
面に転写保持し、これを上記記録媒体へと転写する中間
転写部材において、1層又は2層以上の弾性層を有する
ベルト本体の上記駆動部材と接触する側の面に該駆動部
材と嵌合する嵌合部を有してなり、かつこの嵌合部の少
なくとも一部又は上記ベルト本体の該嵌合部が形成され
る部分に、上記弾性層とは異なる材料からなる補強層を
有することを特徴とする中間転写ベルトを提供する。
【0014】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の中間転写ベルトは、無端ベルト状に形成され、
例えば図1に参照符号1で示したように、少なくとも1
つの駆動ローラ(駆動部材)を含む3つの回転ローラ
5,5,5間に架設された状態で感光ドラム(画像形成
体)2a〜2dと紙等の記録媒体3との間に配設し、上
記駆動ローラ(駆動部材)により中間転写ベルト1を循
環駆動させて、上記感光ドラム2a〜2dの表面に形成
されたトナー像を一旦転写保持し、これを記録媒体3へ
と転写するものである。
【0015】この場合、この図1に示した装置は、中間
転写方式によりカラー印刷を行うものであり、感光ドラ
ム2a上の静電潜像をイエローにより現像する第1現像
装置4aと、感光ドラム2b上の静電潜像をマゼンタに
より現像する第2現像装置4bと、感光ドラム2c上の
静電潜像をシアンにより現像する第3現像装置4cと、
感光ドラム2d上の静電潜像をブラックにより現像する
第4現像装置4dとを、上記中間転写ベルト1に沿って
配置し、中間転写ベルト1を図中矢印方向に循環駆動さ
せて各現像装置4a〜4dの感光ドラム2a〜2d上に
形成された4色のトナー像を中間転写ベルト1上に順次
転写することにより、この中間転写ベルト1上にカラー
画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体3上に
転写してプリントするものである。なお、図中6は記録
媒体送りローラ、7は記録媒体搬送装置、8は定着装置
である。また、図中9は中間転写ベルト1に電圧を印加
する電源装置(電圧印加手段)であり、この電源装置9
は感光ドラム2a〜2dからトナー像を上記中間転写ベ
ルト1に転写する際と、中間転写ベルト1から記録媒体
3にトナー像を転写する際とで、印加する電圧の正負を
反転させることができるようになっている。
【0016】上記中間転写ベルト1は、上記回転ローラ
5,5,5と接触するベルトの裏面側に、嵌合部とし
て、各回転ローラ5の表面に周方向に沿って設けられた
凹部と嵌合する凸部を有するものであり、例えば、図2
に示したように、弾性層11を有するベルト本体15の
裏面側両側縁部にベルトの回転方向に沿って連続する凸
条形状の凸部12,12を突設したものである。
【0017】ここで、上記ベルト本体15を構成する上
記弾性層11としては、特に制限はなく、ウレタン等の
樹脂、ゴム又はこれらの発泡体を用いることができる。
具体的には、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジ
エンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPD
M)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、ブタ
ジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACR)、エピク
ロルヒドリンゴム(ECO)等の一般的なゴム又はスチ
レン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)或いはその
水添加物(SEBS)等の熱可塑性ゴム及びこれらの発
泡体を用いることができ、特に制限されるものではない
が、弾性層11の加工性、硬度等の点からNBR又はE
COに粘度の低いNBR、BR、IRを添加したゴム組
成物が好ましく用いられる。なお、その場合の好ましい
配合比としては、弾性層11のゴム材料全体を100と
した場合にその重量%で(NBR又はECR):(NB
R+BR+IR)=10〜90:90〜10である。
【0018】また、この弾性層11には、導電性材料を
添加して導電性を付与又は調整することができる。この
場合、導電性材料としては、特に限定されず、ラウリル
トリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモ
ニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシ
ルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウム
塩の過塩素酸塩,塩素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸
塩,エトサルフェート塩,ハロゲン化ベンジル塩(臭化
ベルジル塩,塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウ
ムなどの陽イオン界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級
アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオ
キサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等
の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界
面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪
酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止
剤;LiCF2SO2、NaClO4、LiBF4、NaC
l等の周期律表第1族の金属塩;Ca(ClO42等の
周期律表第2族の金属塩;及びこれらの帯電防止剤がイ
ソシアネートと反応する活性水素を有する基(水酸基,
カルボキシル基,一級乃至二級アミン基等)を1個以上
有するものなどが挙げられる。更に、これらと多価アル
コール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール
等)又はその誘導体との錯体、或いはエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル等との錯体などのイオン導電剤;ケッチェンブ
ラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SA
F、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、F
T、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラー
インク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイ
ト、人造グラファィト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化
亜鉛、ニッケル、銅等の金属及び金属酸化物;ポリアニ
リン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマ
ーなどを例示することができる。
【0019】これら導電性材料の弾性層11への添加量
は樹脂又はゴム成分100重量部に対して0.01〜5
0重量部、好ましくは0.1〜30重量部とすることが
でき、これにより弾性層の抵抗値を102〜1014Ωc
mに調整することができる。
【0020】この弾性層11を有するベルト本体15に
は、特に図示していないが、必要に応じてベルトの補強
を目的として適宜な繊維層を設けることができ、例えば
織布や不織布からなる繊維層の片面又は両面に上記弾性
層11を形成することができる。
【0021】この繊維層は、公知の織布や不織布を用い
て形成することができ、具体的には、麻,毛,絹,綿等
の天然繊維、ビスコース等の再生繊維、ポリエステル,
ナイロン(ナイロン6,66,46等),ビニロン,塩
化ビニリデン,ポリオレフィン(ポリエチレン,ポリプ
ロピレン等),ポリクラーク等の合成繊維、アセテート
等の半合成繊維、アラミド繊維,ポリビニルアルコール
繊維,ポリアクリロニトリル繊維等の所謂高機能性繊
維、スチール,ステンレススチール等の金属繊維などの
織布や不織布を例示することができる。この場合、織布
の布構造としては、平織、斜文織、朱子織、及びこれら
を組み合わせたものなど適宜選択することができるが、
特に堅牢性,経済性などから平織の織布が好ましく用い
られる。
【0022】上記繊維層は、上記織布や不織布を複数積
層した複数層構造の繊維層としてもよい。また、特に制
限されるものではないが、この繊維層を形成する織布や
不織布の繊維径は、20〜100デニール、特に30〜
80デニールであることが好ましい。更に、この上記織
布や不織布は、特に制限されるものではないが、比較的
薄いものであることが好ましく、具体的には厚み0.0
1〜0.2mm、特に0.05〜0.15mmであるこ
とが好ましい。この場合、この繊維層の厚みが0.01
未満であると、この繊維層による寸法安定性が低下して
中間転写部材1に伸び等の変形が生じてしまう場合があ
り、一方0.2mmを超えると中間転写部材1の柔軟性
が損なわれる場合がある。
【0023】この繊維層を形成する上記織布や不織布に
は、一部に必要に応じてゴムや樹脂を含浸させることが
でき、これにより繊維層と上記弾性層11との接着性及
び表面平滑性を向上させることができる。この場合、含
浸剤としては、上述した弾性層11に用いられるものと
同種のゴム等によるゴムセメントやエポキシ樹脂、レゾ
ルシンホルムアルデヒド(RFL)、及びこれらの混合
物が好適に用いられ、塗布又は浸漬により、これら含浸
剤を上記織布や不織布の表面に予め含浸させておくこと
ができる。
【0024】このように繊維層と上記弾性層11とを積
層してベルト本体15を形成する場合、上記弾性層11
は、繊維層を挟んで両側に設けても、上記各感光ドラム
2a〜2d(画像形成体)及び上記記録媒体3に接触又
は近接してトナー像を転写保持する側の片面のみに形成
するようにしてもよく、また図2のように、中間転写部
材1の表面(トナー像を転写保持する側の面)に樹脂層
14を形成する場合には、弾性層11を上記繊維層の裏
面側(トナー像を転写保持しない側の面)のみに設けた
り、弾性層11の両面に繊維層を積層して、樹脂層14
を繊維層上に形成することもできる。この弾性層11の
片面側のみの厚みは、特に制限されるものではないが、
通常0.01〜2mm、特に0.05〜0.5mm程度
とすることが好ましい。
【0025】次に、図2に示したように、ベルト本体1
5の表面には、必要に応じて樹脂層14を形成すること
ができる。この場合、この樹脂層14は、特に制限され
るものではないが、フッ素樹脂やフッ素ゴム、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、アルキッド樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂、尿素樹脂等の1種又
は2種以上の樹脂を混合して形成することができる。
【0026】ここで、この樹脂層14は、特に制限され
るものではないが、フッ素樹脂を含有する樹脂を用いて
形成することが好ましく、この場合、フッ素樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラ
フルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチ
レン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニ
ルフルオライド等が好ましく用いられ、これによりトナ
ーの付着や融着をより効果的に防止することができる。
【0027】この樹脂層14には、適度な導電性を付与
するため、上記弾性層11で例示したものと同様の導電
性材料を配合することもできる。この場合、導電性材料
の配合量は、特に制限されず、所望の抵抗値に応じて適
宜選定される。本発明の中間転写ベルトの適当な表面抵
抗は、体積抵抗が102〜1018Ωcm、特に105〜1
18Ωcmであり、このような抵抗値が得られるように
導電剤の配合量を選定することができ、通常は樹脂成分
100重量部に対して0.001〜80phr程度であ
る。
【0028】更に、この樹脂層14には、チクソトロピ
ー性付与剤、構造粘性付与剤等の添加剤を配合してもよ
く、これらは無機系、有機系のいずれでもよく例えばシ
リカ化合物などを例示することができる。
【0029】この樹脂層14は、場合によっては省略す
ることもできる。即ち、図2(図2は図1のA−A線に
沿った断線図)に示されているように、上記樹脂層14
は上記各ドラム2a〜2d(潜贈保持体)及び上記記録
媒体3に接触又は近接してトナー像を転写保持する側の
表面に形成されるものであるが、本発明の中間転写ベル
トにおいて、この樹脂層14は必ずしも必須の構成では
なく、場合によってはこの樹脂層14を省略して上記弾
性層11上に直接トナー像を転写保持するようにするこ
とも可能である。
【0030】また、ベルト本体15には、上記樹脂層1
4を設ける場合、特に図示していないが、上記弾性層1
1とこの樹脂層14との間に、目的に応じてその他の樹
脂層又はゴム層を形成することもできる。
【0031】その他の樹脂層又はゴム層を形成する材料
としては、上記弾性層11と同様のゴム、塩素化ポリエ
チレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリエステ
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリジオ
キソラン系樹脂、ウレタン変性アクリル系樹脂、ナイロ
ン系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、ポリビニ
ルアセタール系樹脂、フッ素樹脂、フッ素ゴムなどが挙
げられる。
【0032】このその他の樹脂層又はゴム層にも、上記
弾性層11で例示したものと同様の導電性材料を樹脂又
はゴム成分100重量部に対して0.01〜50重量
部、好ましくは0.1〜30重量部程度配合して、抵抗
値を102〜1014Ωcm、特に105〜1014Ωcmに
調整することができる。また、このその他の樹脂層又は
ゴム層の厚みは、特に制限されるものではないが、通常
1〜600μm程度とすることができる。
【0033】本発明の中間転写ベルトは、図2に示され
ているように、上記ベルト本体15の裏面側(上記回転
ローラ5と接触する側)に、上記各回転ローラ5,5,
5中の駆動ローラ(駆動部材)の表面に形成された凹部
(図示せず)と嵌合する凸部12を嵌合部として設けた
ものであり、本発明にあっては、この凸部(嵌合部)1
2を、少なくとも一部に上記弾性層11とは異なる材料
からなる補強層を有する凸部(嵌合部)とするか、又は
上記弾性層11とは異なる材料からなる補強層を介して
形成したものである。
【0034】上記補強層は、少なくとも上記弾性層11
よりも耐摩耗性に優れる材料により形成されるものであ
り、特に制限されるものではないが、具体的には、上記
弾性層11を形成する材料として例示した樹脂、ゴム、
発泡体、これらを補強繊維により補強した複合材料、又
は織布や不織布からなる繊維が好適に使用される。
【0035】上記補強繊維としては、ガラス、カーボ
ン、グラファイト、アラミド、綿、人絹、ナイロン、ポ
リエチレン、セラミック(SiC,Al23等)、金属
(ボロン,ステンレススチール等)等の繊維が挙げられ
る。このような、補強繊維の配合量は、補強繊維の種類
などに応じて適宜選定されるが、通常は補強材料層を形
成する材料全体の5〜70重量%とすることが好まし
い。これら補強繊維は、長繊維であっても短繊維であっ
てもよく、長繊維と短繊維とを混合して用いることもで
きる。なお、短繊維とは一般に繊維の長さが2〜10m
m程度のものをいう。
【0036】また、織布や不織布としては、上記ベルト
本体15に繊維層として用いられる織布や不織布として
上掲したものと同様のものが挙げられ、特に制限される
ものではないが、ベルト本体15の場合と同様に、帆布
等として用いられるポリエステル、ナイロン、ポリオレ
フィン、アラミド繊維などの繊維からなる平織構造の織
布が特に好ましく用いられる。更に、繊維径や厚さなど
も、上記ベルト本体15の繊維層の場合と同様に、繊維
径20〜100デニール、特に30〜80デニールで、
厚み0.01〜0.2mm、特に0.05〜0.15m
mの比較的薄いものであることが好ましく、また更に上
記ベルト本体15の繊維層の場合と同様に、ゴムや樹脂
を含浸させて用いることができる。
【0037】嵌合部としての上記凸部12は、少なくと
もその一部が上記補強層で形成されているか、又は上記
補強層を介してベルト本体15に突設されていればよ
い。例えば図3(A)〜(C)に示したように、凸部1
2全体が上記補強層13で形成されていても((A)
図)、先端側のみが上記補強層13で形成されていても
((B)図)、表面が上記補強層13で覆われていても
((C)図)よく、特に凸部12の全体を上記補強材料
層13で形成するか、又は凸部12の表面を上記補強層
13で覆うことが好ましい。また、補強層13を上述し
た織布や不織布からなる繊維層とする場合には、図4
(A)〜(D)に示したように、弾性層11の凸部12
形成部分に織布や不織布等の繊維層からなる補強層13
を積層し((A)図)又は埋設し((B)図)、該補強
層13を介して凸部12を形成したり、上記繊維層から
なる補強層13で凸部12表面を覆って該凸部12を補
強したり((C)図)、更には凸部12内に上記繊維層
からなる補強層13を埋設してもよい((D)図)。
【0038】ここで、図4(A)〜(C)のように、繊
維層からなる補強層13を介して弾性層11上に凸部1
2を形成する際((A)図,(B)図)や、繊維層から
なる補強層13で凸部12表面を覆う場合((C)図)
には、特に制限されるものではないが、繊維層からなる
補強層13の幅aを、画像に影響しない範囲で凸部12
の基端幅Wよりも広く形成することができ、好ましくは
a=0.3×W〜10×Wとすることができる。
【0039】この補強層13は、凸部(嵌合部)12の
耐摩耗性を向上させると共に、該凸部(嵌合部)12部
分の変形を可及的に防止して、ベルトの脱輪やズレの発
生、更には騒音の発生を防止するものであるが、あまり
に硬すぎると、ベルトの柔軟性が低下して配設態様によ
っては上記回転ローラ5,5,5間に架設した状態で良
好に駆動循環することができなくなる場合があり、この
ため特に制限されるものではないが、凸部(嵌合部)1
2の硬度が上記弾性層11の硬度よりもJIS−Aスケ
ールで2〜20゜程度、特に5〜10゜程度高くなるよ
うに調整することが好ましい。
【0040】また、上記凸部12の形状は、通常図2〜
4のように断面台形状に形成され、先端幅wが基端幅W
よりも狭く形成されるが(図2参照)、凸部12の断面
形状はこの凸部12が嵌合する上記回転ローラ5に設け
られた凹部の形状に応じて適宜選定することができる。
更に、この凸部12は通常ベルトの回転方向に沿って連
続した凸条として形成されるが、これに限定されるもの
ではなく、多数の凸部をベルトの回転方向に沿って一列
に並べて突設してもよい。更にまた、図2では2本の凸
部12,12をそれぞれベルトの両端縁部に設けた例を
示したが、凸部12は1本でも3本以上であってもよ
く、その形成箇所もベルトの端縁部に限定されるもので
はなく、ベルトの中央部に設けることもできる。
【0041】なお、ここでは、上記3つの回転ローラ
5,5,5間に中間転写ベルト1を架設し、該回転ロー
ラ5,5,5のうちの少なくとも1つを駆動ローラ(駆
動部材)とした場合を例として説明したが、例えば図4
に示したように、中間転写ベルト1が架設された回転ロ
ーラ5,5,5とは別にベルト1の表面側(トナー像転
写面側)に当接する駆動ローラ(駆動部材)5aを設
け、この駆動ローラ5aにより中間転写ベルトを循環駆
動するようにしてもよく、この場合にはこの駆動ローラ
5aと接触する表面側に該駆動ローラ5aの周面に形成
された凹部と嵌合する凸部を嵌合部として形成するもの
である。また、嵌合部は、上述のような凸部に限定され
るものではなく、凹部を嵌合部として形成することもで
き、この凹部を駆動ローラの外周面に突設した凸部と嵌
合させるようにすることもできる。更にこの場合、嵌合
部として形成される凹部は、通常はベルトの回転方向に
沿って連続する凹溝とされるが、多数小凹部をベルトの
回転方向に沿って連設してもよく、この多数の小凹部に
駆動ローラの外周面に周方向に沿って連設された多数の
突起を嵌合させてベルトを駆動させることができる。ま
た更に、本発明中間転写ベルトの嵌合部は、上述した以
外の形状や形態であってもよく、本発明の要旨を逸脱し
ないものであれば、いずれの形状や形態であってもよ
い。
【0042】
【発明の効果】本発明の中間転写ベルトは、ベルトの一
方の面に設けられ、ベルトを循環駆動する駆動ローラに
形成された凹部と嵌合する凸部等の嵌合部を、弾性層と
異なる材料からなる補強層で補強したことにより、該嵌
合部の摩耗や変形を効果的に防止し得、これによって中
間転写ベルトの脱輪やズレの発生を確実に防止して良好
な画像を長期に亘って確実に得ることができると共に、
駆動時の騒音の発生を効果的に低減化し得るものであ
る。
【0043】
【実施例】以下、実施例,比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもの
ではない。
【0044】[実施例1]下記組成からなる厚さ0.3
mmの弾性層の裏面側両端縁部に、下記組成からなる高
さt2mm,基端幅W5mm,先端幅w2mm(高さ
t,基端幅W,先端幅wについては図2参照)の断面台
形状の凸部を形成し、更に上記弾性層の表面側に下記組
成からなる厚さ20μmの樹脂層を形成して、図2と同
様の構成を有する中間転写ベルト(周長φ120mm、
幅250mm)を得た。
【0045】弾性層の組成 ECO 80重量部 液状NBR 12重量部 ステアリン酸 2重量部 炭酸カルシウム 20重量部 カーボンSRF 20重量部 加硫剤PO 3重量部凸部の組成 綿の短繊維を30重量%配合したこと以外は、弾性層と
同一の組成樹脂層 可溶性フッ素樹脂 100重量部 イソシアネート硬化剤 25重量部
【0046】得られた中間転写ベルトを、2個の回転ロ
ーラ(一方は駆動ローラ)間に、上記凸部を各回転ロー
ラの表面に形成された凹部に嵌合させた状態で架け渡
し、ベルト張力5kgで100mm/secの速度で循
環駆動して走行テストを行ったところ、1000時間経
過後でも脱輪や位置ズレを生じることはなく、また騒音
の発生もほとんどなかった。
【0047】次に、同中間転写ベルトを図1と同様の機
構からなるカラープリンタに装着して、連続4000枚
の画像出しを行ったところ、得られた画像は、最後まで
良好であった。
【0048】[実施例2]実施例1と同様の弾性層の凸
部形成部分にポリエステル繊維を平織した織布を積層し
て弾性層上に部分的に繊維層からなる補強層を形成し、
該補強層上に実施例1と同様の凸部を形成して図4
(A)に示された構成の凸部を有する中間転写ベルトを
得た。なお、補強層の幅a(図4(A)参照)は5mm
とした。
【0049】この中間転写ベルトについて実施例1と同
様に走行テストを行ったところ、1000時間経過後で
も脱輪や位置ズレを生じることはなく、また騒音の発生
もほとんどなかった。更に、実施例1と同様に画像出し
を行ったところ、得られた画像は、最後まで良好であっ
た。
【0050】[比較例]凸部を弾性層と同一の材料で形
成したこと以外は、実施例1と同一の中間転写ベルトを
得た。
【0051】得られた中間転写ベルトにつき、実施例と
同様に走行テストを行ったところ、600時間経過した
ところで、凸部の摩耗によりベルトが回転ローラから脱
輪した。また、300時間経過後からキーキー音が発生
した。更に、実施例と同様に画像出しを行ったところ、
2000枚目ぐらいから色ズレが発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写ベルトを用いた中間転写装置
の一例を示す概略図である。
【図2】同中間転写ベルトを示す図2のA−A線に沿っ
た拡大断面図である。
【図3】(A),(B)及び(C)は、それぞれ同中間
転写ベルトに形成する凸部の実施態様を示す部分拡大断
面図である。
【図4】(A),(B),(C)及び(D)は、それぞ
れ同中間転写ベルトに形成する凸部の他の実施態様を示
す部分拡大断面図である。
【図5】中間転写ベルトを循環駆動する機構の他の例を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 中間転写ベルト 11 弾性層 12 凸部(嵌合部) 13 補強層 14 樹脂層 15 ベルト本体 2a〜2d 画像形成体(感光ドラム(潜像保持体)) 3 記録媒体 4a〜4d 現像装置 5 駆動ローラ 6 紙送りローラ 7 記録媒体搬送装置 8 定着装置 9 電源装置(電圧印加手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成体と記録媒体との間に配設さ
    れ、駆動部材により循環駆動されて、上記画像形成体表
    面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持
    し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写部材にお
    いて、1層又は2層以上の弾性層を有するベルト本体の
    上記駆動部材と接触する側の面に該駆動部材と嵌合する
    嵌合部を有し、かつこの嵌合部の少なくとも一部又は上
    記ベルト本体の該嵌合部が形成される部分に、上記弾性
    層とは異なる材料からなる補強層を有することを特徴と
    する中間転写ベルト。
  2. 【請求項2】 上記補強層が、樹脂、ゴム、発泡体又は
    これらに補強繊維を添加した材料からなる請求項1記載
    の中間転写ベルト。
  3. 【請求項3】 上記補強層が、繊維層である請求項1又
    は2記載の中間転写ベルト。
  4. 【請求項4】 上記嵌合部が凸部である請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の中間転写ベルト。
  5. 【請求項5】 上記凸部が、ベルトの回転方向に沿って
    連続して突設された凸条である請求項4記載の中間転写
    ベルト。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4683198A (en) * 1983-11-22 1987-07-28 Toyo Jozo Kabushiki Kaisha Novel maltose dehydrogenase, process for its production, and analytical method using the same
JP2009184833A (ja) * 2009-04-27 2009-08-20 Canon Inc ベルト及びこれを備える画像形成装置
JP2010211131A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Sharp Corp 無端状ベルト、それを備えたベルト駆動装置および画像形成装置
US8820875B2 (en) 2011-09-15 2014-09-02 Ricoh Company, Ltd. Image forming method and inkjet recording device using the same

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