JP3594060B2 - 中間転写部材及び中間転写装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持体の表面に現像剤を供給して形成されたトナー像を、紙等の記録媒体へと転写する前に一旦転写保持し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写部材、及び該中間転写部材を用いた中間転写装置に関し、更に詳述すると、中間転写方式によってカラー印刷を行う場合に、かすれ、位置ズレ、色ズレ等の発生を可及的に防止して高画質化を達成することができる中間転写部材、及び該中間転写部材を用いた中間転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、複写機、プリンター等における静電記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙等の記録媒体へと転写することにより、プリントする方法が採られている。
【0003】
この場合、カラープリンターやカラー複写機においても、基本的には上記プロセスに従ってプリントが行われるが、カラー印刷の場合には、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて色調を再現するものであり、これらのトナーを所定割合で重ね合わせて必要な色調を得るための工程が必要であり、この工程を行うためにいくつかの方式が提案されている。
【0004】
まず、第1には、モノクロ印刷を行う場合と同様に、感光体上にトナーを供給して静電潜像を可視化する際に、上記マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを順次重ねていくことにより現像を行い、感光体上にカラーのトナー像を形成する多重現像方式がある。この方式によれば比較的コンパクトに装置を構成することが可能であるが、この方式では階調の制御が非常に難しく、高画質が得られないという問題点がある。
【0005】
第2に、4つの感光ドラムを設け、各ドラムの潜像をそれぞれマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのトナーで現像することにより、マゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像及びブラックによるトナー像の4つのトナー像を形成し、これらトナー像が形成された感光ドラムを1列に並べて各トナー像を紙等の記録媒体に順次転写して記録媒体上に重ねることにより、カラー画像を再現するタンデム方式がある。この方式は、良好な画像が得られるものの、4つの感光ドラムと、各感光ドラム毎に設けられた帯電機構、現像機構及び転写機構が1列に並べられた状態となり、装置が大型化すると共に高価なものとなってしまう。
【0006】
第3に、紙等の記録媒体を転写ドラムに巻き付けてこれを4回転させ、周回毎に感光体上のマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックを順次記録媒体に転写してカラー画像を再現する転写ドラム方式もある。この方式によれば比較的高画質が得られるが、記録媒体が葉書等の厚紙である場合には、これを上記転写ドラムに巻き付けることが困難であり、記録媒体種が制限されるという問題点がある。
【0007】
上記多重現像方式、タンデム方式及び転写ドラム方式に対して、良好な画質が得られ、かつ装置が特に大型化するようなこともなく、しかも記録媒体種が特に制限されるようなこともない方式として、中間転写方式が提案されている。
【0008】
即ち、この中間転写方式は、感光体上のトナー像を一旦転写保持するドラムやベルトからなる中間転写部材を設け、この中間転写部材の周囲にマゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像及びブラックによるトナー像を形成した4つの感光体を配置して4色のトナー像を中間転写部材上に順次転写することにより、この中間転写部材上にカラー画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体上に転写するものである。従って、4色のトナー像を重ね合わせて階調を調整するものであるから、高画質を得ることが可能であり、かつタンデム方式のように4組の帯電部材、現像部材、転写部材及び感光体を1列に並べる必要がないので装置が特に大型化することもなく、しかも記録媒体をドラムに巻き付ける必要もないので記録媒体種が制限されることもないものである。
【0009】
しかしながら、この中間転写方式は、感光体から中間転写部材へのトナー像の転写と、中間転写部材から記録媒体へのトナー像の転写の二度の転写を良好に行わなければならず、このため特に中間転写体から記録媒体へのトナー像転写時に支障が生じる場合がある。これは、プリント枚数を重ねるうちに、中間転写部材上にトナーが付着,融着し、記録媒体への転写効率が低下したり、或いは付着したトナーのために感光体から正確なトナー像が転写され難くなる場合があるためであると思われる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、静電記録プロセスにおいて、中間転写方式によりプリントを行う場合に、中間転写部材表面にトナーが付着,融着することを可及的に防止して、かすれ、位置ズレ、色ズレなどのない高画質の画像を確実に得ることができる中間転写部材、及び該中間転写部材を用いた中間転写装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、中間転写方式によりプリントを行う場合に、中間転写部材の表面に、ディスパージョンタイプの水系フッ素樹脂と酸素含有量が6%以上でpHが5以上のカーボンを含有する厚さ30μm未満の樹脂層を形成することにより、トナーの付着,融着を可及的に防止して、かすれ、位置ズレ、色ズレなどのない高画質の画像が確実に得られることを見い出し、本発明を完成したものである。
【0012】
従って、本発明は、潜像保持体と記録媒体との間に配設され、潜像保持体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材において、表面に、ディスパージョンタイプの水系フッ素樹脂と酸素含有量が6%以上でpHが5以上のカーボンを含有する厚さ30μm未満の樹脂層を形成したことを特徴とする中間転写部材を提供する。
【0013】
また、本発明は、潜像保持体と記録媒体との間に配設され、該潜像保持体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持して、これを記録媒体へと転写する中間転写部材と、該中間転写部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなる中間転写装置において、上記本発明の中間転写部材を用いたことを特徴とする中間転写装置を提供する。
【0014】
この場合、上記電圧印加手段は、感光ドラム等の潜像保持体からトナー像を上記中間転写部材に転写する際と、中間転写部材から紙等の記録媒体にトナー像を転写する際とで、印加する電圧の正負の切り替えを行い、スムーズにトナー像の受け渡しを行うものである。
【0015】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の中間転写部材は、図1に参照符号1で示したように、例えば4つの感光体ドラム(潜像保持体)2a〜2dと紙等の記録媒体3との間に配設され、上記感光ドラム2a〜2dの表面に形成された各トナー像を一旦転写保持し、これを記録媒体3へと転写するものであり、表面にフッ素樹脂を含有する厚さ30μm未満の樹脂層4を形成したものである。
【0016】
この場合、この図1に示した装置は、中間転写方式によりカラー印刷を行うものであり、感光ドラム2a上の静電潜像をマゼンタにより現像する第1現像装置6aと、感光ドラム2b上の静電潜像をイエローにより現像する第2現像装置6bと、感光ドラム2c上の静電潜像をシアンにより現像する第3現像装置6cと、感光ドラム2d上の静電潜像をブラックにより現像する第4現像装置6dとを、上記中間転写部材1の周囲に配置し、中間転写部材1を回転させて各現像装置6a〜6dの感光ドラム2a〜2d上に形成された4色のトナー像を中間転写部材1上に順次転写することにより、この中間転写部材1上にカラー画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体3上に転写してプリントするものである。なお、図中5は中間転写部材1の本体、7は記録媒体送りローラである。また、図中8は中間転写部材1に電圧を印加する電源装置(電圧印加手段)であり、この電源装置8は感光ドラム6a〜6dからトナー像を上記中間転写部材1に転写する際と、中間転写部材1から記録媒体3にトナー像を転写する際とで、印加する電圧の正負を反転させることができるようになっている。
【0017】
上記中間転写部材1の本体5は、金属又はプラスチックで形成することができる。ここで、上記図1では、ドラム状の中間転写部材1を示したが、本発明の中間転写部材の形状は、感光体2a〜2d等の潜像保持体に安定的に接触又は近接させることができるものであればドラム状以外の形状としてもよく、例えばベルト状に形成することもできる。ベルト状とする場合には、ベルトを駆動する駆動ローラや駆動ギアを設けることができる。
【0018】
上記樹脂層4は、上述のように、フッ素樹脂を含有するものであり、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、とりわけ好ましくは90重量%以上のフッ素樹脂を含有するものである。また、この樹脂層4の厚さは、良好な柔軟性を得るために30μm未満とされ、好ましくは1〜20μmとされる。この場合、厚さが30μm以上であると、長時間の使用によりクラックが発生したり、コストが高くなる等の問題を生じることとなる。
【0019】
上記フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等の水系フッ素樹脂が挙げられ、上記ポリテトラフルオロエチレン等の微粒子を水中に分散したディスパージョンタイプの水系フッ素樹脂が用いられる。この場合の微粒子の粒子径は、特に制限されるものではないが、0.01〜100μmとすることが好ましい。
【0020】
上記フッ素樹脂と混合される樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等を用いることができるが、フッ素樹脂の塗膜化及び抵抗均一性の観点から、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが好ましく、中でもポリビニルアセタール樹脂が特に好ましい。即ち、水系フッ素樹脂と水系ポリビニルアセタール樹脂とを組み合わせた場合、特に水系フッ素樹脂の比率を高めながらも均一な塗膜形成が可能となるからである。
【0021】
また、イソシアネート、メラミン樹脂、グリオキサール等を混合することもでき、これによりポリビニルアセタール樹脂等のフッ素樹脂以外の樹脂を架橋し、強度を向上させることができる。この場合、水に乳化することができるブロックポリイソシアネートが特に好ましく用いられる。なお、これらの添加量は、フッ素樹脂以外の樹脂100重量部に対して5〜40重量部程度とすることが適当である。
【0022】
更に、この樹脂層4には、特に制限されるものではないが、通常適度な導電性を付与するためカーボンが配合される。この場合、通常のカーボンの酸素含有量は0.1〜3%程度であるが、本願発明においては酸素含有量が6%以上、特に7%以上、更には9%以上のカーボンを用いることが好ましい。更にまたカーボンのpHは5以上、特に6以上、更には7以上とすることが好ましい。
【0023】
即ち、通常カーボンの酸素含有量は、0.1〜3%程度であるが、カーボンは酸素含有量が多いほど分散性がよくなり、一方pHが低く酸性であると特に水系樹脂に添加した場合に安定性が低下するなどの問題が生じることとなる。この場合、一部に酸化処理を施したカーボンが知られており、このカーボンは酸化処理により酸素含有量が増加するが、pHが酸性側へとシフトしてしまい、上記の問題を生じ易い。これに対し、本発明に好適に用いられるカーボンは、上記のように、酸素含有量が多く、かつ中性乃至アルカリ性を維持するものであり、具体的には、詳細な構造は明かではないが、カーボン表面にカルボキシル基、水酸基、ケトン基などがついており、かつこれらの基の水素の一部がナトリウム等のアルカリ金属で置換されているものなどを挙げることができる。
【0024】
また、このようなカーボンを用いる場合、他の導電性物質を混合して用いてもよく、他の導電性物質としては、通常のカーボン、金属酸化物、導電性高分子などが挙げられる。
【0025】
これらカーボン等の導電性物質の配合量に特に制限はなく、所望の抵抗値に応じて適宜選定される。本発明の中間転写部材の適当な表面抵抗は、体積抵抗が105〜1018Ωcmであり、このような抵抗値が得られるように導電性物質の配合量を選定することができ、通常は樹脂成分100重量部に対して0.001〜80phr程度である。
【0026】
更に、この樹脂層4には、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の添加剤を配合してもよく、これらは無機系、有機系のいずれでもよく例えばシリカ化合物などを例示することができる。
【0027】
この樹脂層4は、本発明の中間転写部材1の最外層として形成されるものであり、上記本体5上に直接形成することもできるが、通常はこの樹脂層1の内側に弾性層を設けることが好ましい。
【0028】
弾性層としては、特に制限はなく、ウレタン等の樹脂、ゴム又はこれらの発泡体を用いることができるが、主材中にニトリルゴム(NBR)を含んでいることが好ましく、特に低硬度化する点からNBR系ゴムの含有量が弾性基材中の10〜90重量%の範囲で含有されていることが好ましい。また、NBR系以外のゴム成分としてはクロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)等の一般的なゴム又はスチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)或いはその水添加物(SEBS)等の熱可塑性ゴム及びこれらの発泡体を用いることができ、特に制限されるものではないが、弾性層の加工性、硬度等の点からNBRに粘度の低いBRやIRを添加することが好ましい。なお、その場合の好ましい配合比としては、弾性層のゴム材料全体を100とした場合にその重量%でNBR:(BR+IR)=10〜90:90〜10である。
【0029】
また、この弾性層には、導電性材料を添加して導電性を付与又は調整することができる。この場合、導電性材料としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウム塩の過塩素酸塩,塩素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,エトサルフェート塩,ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベルジル塩,塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウムなどの陽イオン界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤;LiCF2SO2、NaClO4、LiBF4、NaCl等の周期律表第1族の金属塩;Ca(ClO4)2等の周期律表第2族の金属塩;及びこれらの帯電防止剤がイソシアネートと反応する活性水素を有する基(水酸基,カルボキシル基,一級乃至二級アミン基等)を1個以上有するものなどが挙げられる。更に、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)又はその誘導体との錯体、或いはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等との錯体などのイオン導電剤;ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF,ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファィト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属及び金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどを例示することができる。
【0030】
これら導電性材料の弾性層への添加量は樹脂又はゴム成分100重量部に対して0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部とすることができ、これにより弾性層の抵抗値を105〜1011Ωcmに調整することができる。
【0031】
更に、この弾性層と上記樹脂層4との間には、目的に応じてその他の樹脂層又はゴム層を形成することもできる。
【0032】
その他の樹脂層又はゴム層を形成する材料としては、塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリジオキソラン系樹脂、ウレタン変性アクリル系樹脂、ナイロン系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂などが挙げられるが、特に塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレンが好ましく用いられる。
【0033】
このその他の樹脂層又はゴム層にも、上記弾性層と同様の導電性材料を樹脂又はゴム成分100重量部に対して0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部程度配合して、抵抗値を105〜1011Ωcmに調整することができる。また、このその他の樹脂層又はゴム層の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1〜600μm程度とすることができる。
【0034】
本発明の中間転写部材は、特に制限されるものではないが、表面粗さをJIS10点平均粗さRzで10μm以下、特に6μm以下、更には3μm以下とすることが好ましい。また、図1の装置のように、本発明の中間転写部材には電圧を印加することができ、この場合の電圧は直流のみの印加又は直流に交流を重畳する印加など、印加条件は適時選択することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の中間転写部材及び該中間転写部材を用いた中間転写装置は、静電記録プロセスにおいて、中間転写方式によりプリントを行う場合に、中間転写部材表面にトナーが付着,融着することを可及的に防止して、かすれ、位置ズレ、色ズレなどのない高画質の画像を確実に得ることができるものである。
【0036】
【実施例】
以下、実施例,比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
表1に示したゴム層を有するドラム状本体上に、厚さ90μmのと塗膜層Aを、更にその上に厚さ10μmの塗膜層Bを形成して、中間転写部材を得た。この場合、上記塗膜層Aは、カーボン15重量部、塩化ポリエチレン100重量部、シリカ20重量部を混合した塗料を用いて形成し、上記塗膜層Bは、水分散性フッ素樹脂とポリビニルアセタール樹脂とを9/1で混合した樹脂成分100重量部にカーボンSMP−4を0.1重量部混合した塗料を用いて形成した。なお、上記カーボンSMP−4は酸素含有量が10%でpH7.33のものであり、また得られた中間転写部材の表面粗さは、JIS10点平均粗さRzで1.1μmであった。
【0037】
【表1】
【0038】
この中間転写部材を図1と同様の機構からなるカラープリンタに、中間転写ドラム1として装着し、連続4000枚の画像出しを行った。得られた画像は、最後まで良好であり不具合は全く発生しなかった。また、テスト後中間転写ドラムを取り外して、その表面を調べたところ、トナーの付着はほとんどなく、塗膜の形状にも異常はなかった。
【0039】
[比較例1]
塗膜層Bの代わりに、塗膜層Cを用いた以外は実施例1と同様にして中間転写部材を作成した。塗膜Cは、アルコール可溶性ナイロン100重量部にインク用カーボン2350を17重量部添加した塗料を用いて形成したものである。なお、インク用カーボン2350はpHが2.0のものであり、またこの中間転写部材の表面粗さは、JIS10点平均粗さRzで17μmであった。
【0040】
この中間転写部材を用いて、実施例1と同様に画像出しテストを行ったところ、画像は文字のボケがみられ、鮮明さに欠けるものであった。また、テスト後中間転写ドラムを取り外して、その表面を調べたところ、トナーの付着がひどく、一部融着していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明中間転写部材、及び該中間転写部材を用いた中間転写装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 中間転写部材
2a〜2d 感光ドラム(潜像保持体)
3 記録媒体
4 樹脂層
5 中間転写部材の本体
6a〜6d 現像装置
7 紙送りローラ
8 電源装置(電圧印加手段)
Claims (7)
- 潜像保持体と記録媒体との間に配設され、潜像保持体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材において、表面に、ディスパージョンタイプの水系フッ素樹脂と酸素含有量が6%以上でpHが5以上のカーボンを含有する厚さ30μm未満の樹脂層を形成したことを特徴とする中間転写部材。
- 上記樹脂層中のフッ素樹脂の含有量が60重量%以上である請求項1記載の中間転写部材。
- 上記樹脂層が、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂及びアクリル樹脂より選ばれた1種又は2種以上を含有するものである請求項1又は2記載の中間転写部材。
- 上記樹脂層が、イソシアネート化合物、グリオキサール、又はメラミン樹脂で架橋したものである請求項3記載の中間転写部材。
- 表面粗さが、JIS10点平均粗さRzスケールで10μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の中間転写部材。
- 弾性層上に上記樹脂層が形成されたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の中間転写部材。
- 潜像保持体と記録媒体との間に配設され、該潜像保持体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材と、該中間転写部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなる中間転写装置において、上記中間転写部材として請求項1〜6のいずれか1項に記載の中間転写部材を用いたことを特徴とする中間転写装置。
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