JP2010211131A - 無端状ベルト、それを備えたベルト駆動装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無端状に形成された可撓性を有するベルト本体bと、ベルト本体bの内周面b1の両側縁の内周面に沿って無端状に配置され帯状で可撓性を有する一対のガイドリブgaとを備え、ガイドリブgaは、ベルト本体bの内周面b1に配置された弾性部材層と、弾性部材層上に積層された耐摩耗部材層とを有してなることを特徴とする無端状ベルト。
【選択図】図1
Description
また、他の電子写真方式の画像形成装置として、複数の感光体ドラム上に形成した複数色のトナー像を、搬送ベルトにて搬送される1枚の用紙に順次重ね合わせるように転写し、その後、用紙上に転写したトナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置が公知である。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記ベルト駆動装置を備えた画像形成装置が提供される。
したがって、この無端状ベルトを画像形成装置のベルト駆動装置に用いた場合、ガイドリブが摩耗して発生する摩耗粉による画像不良の問題を解消することができる。
ここで、ガイドリブは、無端状ベルトを複数のローラに架設して用いる場合に、各ローラの端面に当接してベルト本体の蛇行を抑制するためのものである。
また、前記耐摩耗部材層はポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのうちから選択された1つ以上の材料を含んでなることが好ましい。
このとき、弾性部材層は、単一または複数の材料から形成されていてもよく、複数の材料の混合物からなる単層構造でもよく、複数の材料からなる多層構造でもよい。耐摩耗部材層も同様である。
この場合、上弾性部材層の材料は、ポリウレタンゴム、シリコーンゴムなどのうちから選択された1つ以上の材料を含んでなることが好ましく、弾性部材層と同じ材料からなることが製造の容易性およびコストの観点からさらに好ましい。
なお、距離Lが長くなる場合および厚みtが厚くなる場合は、耐摩耗部材層に前記気泡やシワが生じ易くなる傾向にある。また、距離Lが0.2mmより短くなる場合および厚みtが50μmより薄くなる場合は、弾性部材層が摩耗し易くなる傾向にあるが、従来技術のようにガイドリブがゴム系弾性部材のみからなる場合に比べれば摩耗は低減できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の無端状ベルト、それを備えたベルト駆動装置および画像形成装置の実施形態を詳説する。なお、本発明は実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明に係る無端状ベルトおよびそれを備えたベルト駆動装置の実施形態1を示す図であって、図1(A)は正面図であり、図1(B)は図1(A)のA−A線断面図である。図2は実施形態1の無端状ベルトにおけるガイドリブの概略拡大断面図である。
なお、実施形態1では、後述する画像形成装置に設けられる転写ベルト装置または用紙搬送装置としてのベルト駆動装置の場合を例示している。
ベルト本体bは、例えば、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等の低収縮率の樹脂を帯状のフィルムに成形し、そのフィルムの両端を繋げて無端状に形成したものである。実施形態1の場合、ベルト本体bの厚みは60〜80μm程度であり、幅は330〜340mm程度である。
実施形態1の場合、弾性部材層g1および上弾性部材層g3はポリウレタンゴムからなり、耐摩耗部材層g2はPET(ポリエチレンテレフタレート)からなり、一対のガイドリブgaの間隔Iは約316mmである。
また、実施形態1の場合、ガイドリブgaの厚みTは約500μmであり、ベルト本体bの内周面b1から耐摩耗部材層g2までの距離Lは約250μmであり、耐摩耗部材層g2の厚みtは約50μmであり、ガイドリブgaの幅Wは約8mmである。
なお、ベルト本体bと弾性部材層g1との接合、弾性部材層g1と耐摩耗部材層g2との接合、耐摩耗部材層g2と上弾性部材層g3との接合は、特に限定されるものではないが、熱融着により直接的に接合されていることが好ましい。
駆動ローラR1と従動ローラR2は略同一の構成であり、ここでは従動ローラR2について説明する。
従動ローラR2は、円筒状のローラ本体r1と、ローラ本体r1の軸方向の両端側に配置された一対のカバーリングr2と、一対のカバーリングr2とローラ本体r1の軸となる円柱形シャフトr3とを備える。
カバーリングr2は、例えば、アセタール共重合体(ジュラコン(登録商標))などの熱可塑性樹脂からなり、ローラ本体r1と同一径の円板形大径部r22と、大径部r22の外面に連設された小径部r22とからなり、大径部r22と小径部r22の中心にはシャフトr3の直径と略同一の穴径の貫通穴が形成されている。
また、組み立てられた駆動ローラR1と従動ローラR2において、一対のガイドリブgaに対面する一対のカバーリングr2の大径部r22の端面同士の間隔は、一対のガイドリブgaの間隔Iよりもやや短い約314mmである。
シャフトr3の両端部は、画像形成装置の内部の支持部材にて回転可能に支持され、さらに、駆動ローラR1のシャフトでは一端が画像形成装置の内部のモータのシャフトと直接的または間接的に連結される。
図3は本発明に係る無端状ベルトの実施形態2におけるガイドリブの概略拡大断面図である。実施形態2において、無端状ベルトおよびそれを備えたベルト駆動装置は、無端状ベルトのガイドリブgbが異なる以外は、実施形態1と同様の構成を有している。なお、図3において、図2中の要素と同一の要素には、同一の符号を付している。
図4は実施形態1または2のベルト駆動装置を備えた画像形成装置(本発明の実施形態3)を示す構成説明図であり、図5は図4の画像形成装置におけるベルト駆動装置およびその周辺部分を示す概略構成図である。なお、図5において、矢印Xは水平方向を表し、矢印Yは鉛直方向(重力の作用する方向)を表している。
自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送するよう構成されている。
なお、自動原稿処理装置120は、矢印M方向に回動自在に装置本体110に取り付けられているため、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができる。
また、装置本体110の上部には画像読取り部90が設けられており、画像読取り部90の上方に、原稿が載置される透明ガラスからなる前記原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上方に前記自動原稿処理装置120が取り付けられている。
したがって、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、4色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、これらによってブラック、シアン、マゼンタ、イエローの画像ステーションが構成されている。
露光ユニット1は、外部から入力した画像データまたは原稿から読み取った画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3を露光することにより、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム3の表面に形成する画像書込み装置である。
露光ユニット1は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されており、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素を備える。
なお、露光ユニット1としては、上述した構成の他に、発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
4つの現像装置2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものであり、感光体ドラム3にトナーを供給する現像ローラ2aを有する。
感光体ドラム3は、円筒状を呈し、露光ユニット1の上方に配設され、静電潜像が形成された後にその静電潜像に基づきトナー像が形成される。また、感光体ドラム3は、その表面に形成されたトナー像が後述する転写ベルト61に1次転写された後、表面がクリーナユニット4によりクリーニングされ、クリーニングされた表面が帯電器5により均一に帯電される。
クリーナユニット4は、感光体ドラム3上に形成されたトナー画像が転写装置6の後述する転写ベルト61に1次転写された後、感光体ドラム3上に残留したトナーを除去・回収するものである。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、チャージャ型、接触式のローラ型またはブラシ型が用いられる。
4つの感光体ドラム3の上方に配置されている転写装置6は、転写ベルト61と、駆動ローラ62と、従動ローラ63と、Y,M,C,Kの各色の感光体ドラム3に対応する4つの転写ローラ64と、転写ベルトクリーニングユニット65と、2次転写ベルト10等を備えている。
この転写装置6において、転写ベルト61が実施形態1または2の無端状ベルトBに相当し、駆動ローラ62と従動ローラ63が実施形態1の駆動ローラR1と従動ローラR2に相当する(図1〜3参照)。
感光体ドラム3から転写ベルト61へのトナー像の転写は、転写ベルト61の内周面に接触している転写ローラ64によって行われる。
転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。なお、本実施形態では、転写電極としてローラ形状の転写ローラ64を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
この時、転写ベルト61と2次転写ベルト10とは、所定ニップで互いに圧接されるとともに、2次転写ベルト10にはトナー像を用紙に転写させるための二次転写バイアスが印加される。この2次転写バイアスは、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
この転写ベルトクリーニングユニット65にて転写ベルト61がクリーニングされることにより、次に転写ベルト61上に形成されるトナー像に対してトナーの混色が防止される。
定着ユニット7は、定着ローラ70としてのヒートローラ71および加圧ローラ72を備えている。
ヒートローラ71と加圧ローラ72は、対向して配置されており、ヒートローラ71と加圧ローラ72との圧接箇所には、定着ニップ部が形成されている。
この定着ニップ部に、未定着のトナー像が形成された用紙が通過すると、トナーが溶融して用紙上に定着し、トナー画像が定着した用紙が排紙トレイ91へ搬送される。
また、ヒートローラ71は、加圧ローラ72と共にトナーを用紙に熱圧着することにより、用紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71には、図4に示すように、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
一方、加圧ローラ72も、ヒートローラ71と同様に円筒状の金属製の芯金の周面に弾性層が設けられて構成されている。そして、ヒートローラ71に対して所定の圧力で当接するよう構成されている。
給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下方に設けられている。
また、装置本体110の外壁部には、外側より用紙を供給可能な手差し給紙カセット82が設けられている。この手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を複数枚積載することができる。
装置本体110の上部には、印刷済みの用紙をフェイスダウンで集積するための排紙トレイ91が設けられている。
また、装置本体110には、給紙カセット81および手差し給紙カセット82の用紙を2次転写位置と定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための用紙搬送路Sが設けられている。
また、給紙カセット81乃至手差し給紙カセット82から排紙トレイ91に到る用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、前記転写ローラ10a、前記定着ユニット7等が配されている。
ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている用紙を一旦保持し、感光体ドラム3上のトナー像の先端と用紙の先端を合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10aに搬送する機能を有している。
各給紙カセット81,82からピックアップローラ11a,11bにて1枚ずつ搬送される用紙は、用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、用紙の先端と転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで2次転写位置に搬送され、用紙上にトナー画像が2次転写される。その後、用紙は、定着ユニット7を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後、搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
上述した用紙搬送経路は、用紙に対する片面印字要求のときのものである。
図6は実施形態1または2のベルト駆動装置を備えた画像形成装置(本発明の実施形態4)におけるベルト駆動装置およびその周辺部分を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、装置本体内にベルト駆動装置を用紙搬送装置150として備えたタンデムタイプのカラー画像形成装置である。
この用紙搬送装置151において、用紙搬送ベルト151が実施形態1または2の無端状ベルトBに相当し、駆動ローラ152と従動ローラ153が実施形態1の駆動ローラR1と従動ローラR2に相当する(図1〜3参照)。
この画像形成装置による用紙への印字は、用紙が用紙搬送ベルト151の上流側に搬送され、回転する用紙搬送ベルト151によって用紙が各感光体ドラム160の下を通過することにより、用紙上に各色のトナー画像が順次重ねられて形成され、用紙が定着ユニット170を通過することによりトナー画像が定着する。
この際も、用紙搬送装置150の回転する用紙搬送ベルト151の蛇行抑制は、一対のガイドリブg(図1(B)参照)が駆動ローラ152、従動ローラ153および複数の転写ローラ154の両端面に当接することにより行われる。このとき、上述したように、ガイドリブgは摩耗し難く構成されているため、各ローラ152、153、154の外周面、用紙搬送ベルト151の内周面および外周面等に摩耗粉が付着することにより発生する画像不良を効果的に低減することができる。
前記問題としては次のことが挙げられる。
(1)ガイドリブとしての機能が低下し、転写ベルトが蛇行する。この結果、ベルト本体のシワによる画質不良、ガイドリブがローラに乗り上げることによるベルト本体の破れが生じる。
(2)ガイドリブの摩耗粉(削れ粉)が、2次転写の対向ローラを兼ねる駆動ローラに付着した場合、2次転写画質不良が生じる。
(3)一方のガイドリブに摩耗が偏った場合、ガイドリブ全体がベルト本体から剥離する、あるいは上層の耐摩耗部材層が下層の弾性部材層から剥離する。
駆動ローラの直径:32mm
従動ローラの直径:30mm
ベルト本体の材質および厚み:ポリイミド(PI)、厚み60μm
ガイドリブの材質(実施例1〜5):弾性部材層および上弾性部材層はポリウレタンゴム(PUR)、耐摩耗性部材層はポリエチレンテレフタレート(PET)
ガイドリブの全厚みおよび間隔:全厚み550μm、間隔316mm
耐摩耗部材層の厚み:50μm
ベルト本体の内周面から耐摩耗部材層までの距離L:0.2mm(実施例1)、0.3mm(実施例2)、0.4mm(実施例3)、0.5mm(実施例4)
また、比較例2として、ガイドリブの全体がEPDMゴムからなること以外は実施例と同様の転写ベルトを作製し、実施例と同様にしてガイドリブの摩耗低減効果を調べ、その結果を表1に示した。
b ベルト本体
b1 内周面
D ベルト駆動装置
ga、gb ガイドリブ
g1 弾性部材層
g2 耐摩耗部材層
g3 上弾性部材層
I 間隔
L 距離
R1 駆動ローラ
R2 従動ローラ
r1 ローラ本体
r2 カバーリング
r3 シャフト
T 突出寸法
t 厚み
Claims (9)
- 無端状に形成された可撓性を有するベルト本体と、該ベルト本体の内周面の両側縁の内周面に沿って無端状に配置され帯状で可撓性を有する一対のガイドリブとを備え、前記ガイドリブは、ベルト本体の内周面に配置された弾性部材層と、該弾性部材層上に積層された耐摩耗部材層とを有してなることを特徴とする無端状ベルト。
- 前記弾性部材層がポリウレタンゴムおよびシリコーンゴムのうちから選択された1つ以上の材料を含んでなり、前記耐摩耗部材層がポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートのうちから選択された1つ以上の材料を含んでなる請求項1に記載の無端状ベルト。
- 前記ガイドリブは、前記耐摩耗部材層の上に上弾性部材層がさらに積層されてなる請求項1または2に記載の無端状ベルト。
- 前記上弾性部材層が、前記弾性部材層と同じ材料からなる請求項3に記載の無端状ベルト。
- 前記ベルト本体の内周面からの前記ガイドリブの突出寸法が5〜8mmであり、前記ベルト本体の内周面から耐摩耗部材層までの距離が0.2μmであり、耐摩耗部材層の厚みが50μmである請求項1〜4のいずれか1つに記載の無端状ベルト。
- 請求項1〜5のいずれか1つに記載の無端状ベルトと、複数のローラとを備え、無端状ベルトは両側縁の各ガイドリブの内側面が各ローラの軸方向の両端面に当接するように複数のローラに架設されるベルト駆動装置。
- 前記無端状ベルトは、トナー画像をベルト本体の外周面に形成するための転写ベルトである請求項6に記載のベルト駆動装置。
- 前記無端状ベルトは、トナー画像を用紙に転写する転写部に該用紙を搬送するための用紙搬送ベルトである請求項6に記載のベルト駆動装置。
- 請求項7または8のベルト駆動装置を備えた画像形成装置。
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