JPH11290075A - 組み換えミュータントシュクロース合成酵素によるシュクロースからのセルロースの合成 - Google Patents
組み換えミュータントシュクロース合成酵素によるシュクロースからのセルロースの合成Info
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- JPH11290075A JPH11290075A JP10062316A JP6231698A JPH11290075A JP H11290075 A JPH11290075 A JP H11290075A JP 10062316 A JP10062316 A JP 10062316A JP 6231698 A JP6231698 A JP 6231698A JP H11290075 A JPH11290075 A JP H11290075A
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- synthase
- sucrose synthase
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 セルロース性物質をシュクロースから高効率
かつ経済的に製造すること。 【解決手段】 組み換えミュータントシュクロース合成
酵素の存在下で、シュクロースから酵素的にセルロース
性物質を製造する方法。
かつ経済的に製造すること。 【解決手段】 組み換えミュータントシュクロース合成
酵素の存在下で、シュクロースから酵素的にセルロース
性物質を製造する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組み換えミュータ
ントシュクロース合成酵素の存在下で、シュクロースか
らUDP−グルコースを経てセルロース性物質を製造す
る方法に関する。
ントシュクロース合成酵素の存在下で、シュクロースか
らUDP−グルコースを経てセルロース性物質を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シュクロース合成酵素(EC 2.4.1.13) は
シュクロースからUDPにグルコース残基を転移し、U
DP−グルコース及びフラクトースを合成する反応、並
びにその逆反応を触媒する酵素である。この酵素は、広
く植物組織に存在している。イネ種子やインゲン豆より
得られた該酵素は、分子量約10万のサブユニット四つ
から成る四量体として存在している。又、該酵素は糖鎖
付加の認識配列であるAsn-X-Thr を2か所有しているの
で、糖タンパクであると推定される。従来、このような
植物由来のシュクロース合成酵素遺伝子を大腸菌とセル
ロース生産菌のシャトルベクターに組み込んで、得られ
た発現ベクターを用いてセルロース生産菌を形質転換
し、セルロースの生産性向上を図った例はある(WO95/32
279)。更に、このシュクロース合成酵素の11番目のセ
リン残基をグルタミン酸残基に置換した組み換え(ミュ
ータント)シュクロース合成酵素を製造した例はある
(特願平9-207338)。
シュクロースからUDPにグルコース残基を転移し、U
DP−グルコース及びフラクトースを合成する反応、並
びにその逆反応を触媒する酵素である。この酵素は、広
く植物組織に存在している。イネ種子やインゲン豆より
得られた該酵素は、分子量約10万のサブユニット四つ
から成る四量体として存在している。又、該酵素は糖鎖
付加の認識配列であるAsn-X-Thr を2か所有しているの
で、糖タンパクであると推定される。従来、このような
植物由来のシュクロース合成酵素遺伝子を大腸菌とセル
ロース生産菌のシャトルベクターに組み込んで、得られ
た発現ベクターを用いてセルロース生産菌を形質転換
し、セルロースの生産性向上を図った例はある(WO95/32
279)。更に、このシュクロース合成酵素の11番目のセ
リン残基をグルタミン酸残基に置換した組み換え(ミュ
ータント)シュクロース合成酵素を製造した例はある
(特願平9-207338)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、組み換
えミュータントシュクロース合成酵素とセルロース合成
酵素の存在下で、シュクロースからセルロース性物質を
インビトロで合成させた例は、これまでに知られていな
い。今回、本発明者等は、原核細胞由来の組み換えミュ
ータントシュクロース合成酵素と酢酸菌由来のセルロー
ス合成酵素の存在下で、シュクロースから酵素的にセル
ロース性物質を合成することに成功し、本発明を完成さ
せた。
えミュータントシュクロース合成酵素とセルロース合成
酵素の存在下で、シュクロースからセルロース性物質を
インビトロで合成させた例は、これまでに知られていな
い。今回、本発明者等は、原核細胞由来の組み換えミュ
ータントシュクロース合成酵素と酢酸菌由来のセルロー
ス合成酵素の存在下で、シュクロースから酵素的にセル
ロース性物質を合成することに成功し、本発明を完成さ
せた。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、原核細
胞由来の組み換えミュータントシュクロース合成酵素の
利用に係わるものである。本発明は、組み換えミュータ
ントシュクロース合成酵素によりシュクロースからUD
P−グルコースを製造する方法、及び、組み換えミュー
タントシュクロース合成酵素の触媒によって生成したU
DP−グルコースからセルロース性物質を製造する方法
に係わる。更に、本発明は、組み換えミュータントシュ
クロース合成酵素とセルロース合成酵素の存在下で、シ
ュクロースからセルロース性物質を製造する方法、及
び、インビトロでシュクロースから合成されたセルロー
ス性物質に係わる。大腸菌の具体的な株としては、例え
ば、BL21株、HB101株、JM109株等の公知
の株を使用できる。
胞由来の組み換えミュータントシュクロース合成酵素の
利用に係わるものである。本発明は、組み換えミュータ
ントシュクロース合成酵素によりシュクロースからUD
P−グルコースを製造する方法、及び、組み換えミュー
タントシュクロース合成酵素の触媒によって生成したU
DP−グルコースからセルロース性物質を製造する方法
に係わる。更に、本発明は、組み換えミュータントシュ
クロース合成酵素とセルロース合成酵素の存在下で、シ
ュクロースからセルロース性物質を製造する方法、及
び、インビトロでシュクロースから合成されたセルロー
ス性物質に係わる。大腸菌の具体的な株としては、例え
ば、BL21株、HB101株、JM109株等の公知
の株を使用できる。
【0005】植物胞由来のシュクロース合成酵素遺伝子
の或るものは、既にクローニングされ、その塩基配列も
決定されている。コーン(Plant Molecular Biology 1
0, 215-224 (1987), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83,
9099-9103 (1986), EMBOJ. 4,1373-1380 (1985))、イネ
(Plant Molecular Biology 18, 139-142 (1992), Plan
t Molecular Biology 18, 1191-1194 (1992), Plant Mo
lecular Biology 19,881-885 (1992))、ソラマメ(Pla
nta 191, 394-401 (1993))、ポテト(Gene 60, 47-56
(1987) 、大麦 (E.J.B. 310, 46-50 (1992), E.J.B. 32
0, 177-181 (1993))、シロイヌナズナ(Plant Molecul
ar Biology 18, 131-134 (1992))、ダイズ(J.B.C. 26
2, 14780-14786 (1987))などが報告されている。従っ
て、当業者であれば、適当な植物細胞由来のcDNAラ
イブラリーから、かかる公知の配列に基づいて、DNA
オリゴマーから成るプライマーを作成し、ポリメラーゼ
連鎖反応(PCR) によって所望のシュクロース合成酵素遺
伝子を増幅することによって容易に得ることが出来る。
或いは、コロニーハイブリダイゼーションを用いて、サ
ザン・ブロッテイングにより所望のシュクロース合成酵
素遺伝子を選択することも可能である。尚、既に述べた
シュクロース合成酵素の活性(その程度の大小は問わな
い。)を有する酵素をコードしている限り、植物細胞由
来のシュクロース合成酵素遺伝子の全塩基配列の一部
が、例えば、部位特異的突然変異等の遺伝子工学的手法
によって、欠損、置換及び付加等されて、修飾されて得
られた遺伝子も本発明の「シュクロース合成酵素遺伝
子」であり、それを発現させて得られる、上記活性を有
する酵素も本発明の「組み換えミュータントシュクロー
ス合成酵素」である。特に、植物由来のシュクロース合
成酵素の11番目のセリン残基がアスパラギン酸残基又
はグルタミン酸残基に置換された組み換えシュクロース
合成酵素は、置換前の組み換えシュクロース合成酵素と
比べ、シュクロースに対する親和性の低下が抑制されて
いることが特徴として挙げられる。
の或るものは、既にクローニングされ、その塩基配列も
決定されている。コーン(Plant Molecular Biology 1
0, 215-224 (1987), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83,
9099-9103 (1986), EMBOJ. 4,1373-1380 (1985))、イネ
(Plant Molecular Biology 18, 139-142 (1992), Plan
t Molecular Biology 18, 1191-1194 (1992), Plant Mo
lecular Biology 19,881-885 (1992))、ソラマメ(Pla
nta 191, 394-401 (1993))、ポテト(Gene 60, 47-56
(1987) 、大麦 (E.J.B. 310, 46-50 (1992), E.J.B. 32
0, 177-181 (1993))、シロイヌナズナ(Plant Molecul
ar Biology 18, 131-134 (1992))、ダイズ(J.B.C. 26
2, 14780-14786 (1987))などが報告されている。従っ
て、当業者であれば、適当な植物細胞由来のcDNAラ
イブラリーから、かかる公知の配列に基づいて、DNA
オリゴマーから成るプライマーを作成し、ポリメラーゼ
連鎖反応(PCR) によって所望のシュクロース合成酵素遺
伝子を増幅することによって容易に得ることが出来る。
或いは、コロニーハイブリダイゼーションを用いて、サ
ザン・ブロッテイングにより所望のシュクロース合成酵
素遺伝子を選択することも可能である。尚、既に述べた
シュクロース合成酵素の活性(その程度の大小は問わな
い。)を有する酵素をコードしている限り、植物細胞由
来のシュクロース合成酵素遺伝子の全塩基配列の一部
が、例えば、部位特異的突然変異等の遺伝子工学的手法
によって、欠損、置換及び付加等されて、修飾されて得
られた遺伝子も本発明の「シュクロース合成酵素遺伝
子」であり、それを発現させて得られる、上記活性を有
する酵素も本発明の「組み換えミュータントシュクロー
ス合成酵素」である。特に、植物由来のシュクロース合
成酵素の11番目のセリン残基がアスパラギン酸残基又
はグルタミン酸残基に置換された組み換えシュクロース
合成酵素は、置換前の組み換えシュクロース合成酵素と
比べ、シュクロースに対する親和性の低下が抑制されて
いることが特徴として挙げられる。
【0006】本発明に使用しうる大腸菌用の発現ベクタ
ーとしては、公知のプラスミドベクター、例えば、pET2
1d(+) 等であり、これはNovagen社等から容易に
購入出来る。また、酢酸菌用の発現ベクターはpSA19 等
である。これらの発現ベクターへの組み換えミュータン
トシュクロースシンターゼ遺伝子の組み込みは、適当な
制限酵素を使用して行うことが出来る。発現効率の向上
等の目的で、かかる発現ベクターは選択マーカー等の各
種調節領域DNA組み込む等して、適宜、修飾すること
も可能である。該発現ベクターによる大腸菌の形質転換
は、電気パルス法、リン酸カルシウム法等従来公知のい
かなる方法によっても実施することが出来る。このよう
にして形質転換された大腸菌は、当業者に公知の適当な
培養・発現条件下で培養し、本発明の組み換えシュクロ
ース合成酵素を製造することができる。尚、製造された
組み換えシュクロース合成酵素は、磨砕、ビーズミル、
ホモジュナイザー、超音波、高圧破砕、又はリゾチーム
等の溶菌酵素及びSDS等の界面活性剤による溶菌処
理、硫安沈殿、及びゲル濾過等を任意に組み合わせた当
業者には公知の適当な方法で精製することが出来る。
ーとしては、公知のプラスミドベクター、例えば、pET2
1d(+) 等であり、これはNovagen社等から容易に
購入出来る。また、酢酸菌用の発現ベクターはpSA19 等
である。これらの発現ベクターへの組み換えミュータン
トシュクロースシンターゼ遺伝子の組み込みは、適当な
制限酵素を使用して行うことが出来る。発現効率の向上
等の目的で、かかる発現ベクターは選択マーカー等の各
種調節領域DNA組み込む等して、適宜、修飾すること
も可能である。該発現ベクターによる大腸菌の形質転換
は、電気パルス法、リン酸カルシウム法等従来公知のい
かなる方法によっても実施することが出来る。このよう
にして形質転換された大腸菌は、当業者に公知の適当な
培養・発現条件下で培養し、本発明の組み換えシュクロ
ース合成酵素を製造することができる。尚、製造された
組み換えシュクロース合成酵素は、磨砕、ビーズミル、
ホモジュナイザー、超音波、高圧破砕、又はリゾチーム
等の溶菌酵素及びSDS等の界面活性剤による溶菌処
理、硫安沈殿、及びゲル濾過等を任意に組み合わせた当
業者には公知の適当な方法で精製することが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最良の実施の形態
を示す実施例により、本発明をより詳細に説明するが、
これらの実施例は本発明を何等限定するものではない。
を示す実施例により、本発明をより詳細に説明するが、
これらの実施例は本発明を何等限定するものではない。
【0008】実施例1(1) 組み換えミュータントシュ
クロース合成酵素によるシュクロースからのUDP−グ
ルコースの製造 既に報告されている(Arai等,Plant Cell Physiology
、33巻、 503頁 (1992年))マング豆のシュクロース
合成酵素cDNAの塩基配列(pM−SS−5)を用い
て、PCR法によってシュクロース合成酵素cDNAを
増幅した。プライマーとして以下の2つを使用した。 SS−17:GCTACCGATCGTTTGACCC
GTGTTCACGAACTCCGTGAGAGGC
(下線部で示した箇所が当該変異部分):forwar
d SSL−2:TCTCGGTCGACAAGCCGGT
TCCTCCATTTCTTCATCC:revers
e PCR法によって増幅されたシュクロース合成酵素cD
NAをpET21dへクローニングした。得られたプラ
スミドからシュクロースシンターゼcDNAのN末端部
分を含むXhoI−XbaI断片を切り出し、pED−
01の同じ部位へ導入し、こうして得られた発現プラス
ミドベクターpED−01−S11Eと名付けた。こう
して作製した発現ベクターを大腸菌BL21株に電気パ
ルス法で導入して、該大腸菌株を形質転換して、目的の
プラスミドを持つ形質転換株を選択した。
クロース合成酵素によるシュクロースからのUDP−グ
ルコースの製造 既に報告されている(Arai等,Plant Cell Physiology
、33巻、 503頁 (1992年))マング豆のシュクロース
合成酵素cDNAの塩基配列(pM−SS−5)を用い
て、PCR法によってシュクロース合成酵素cDNAを
増幅した。プライマーとして以下の2つを使用した。 SS−17:GCTACCGATCGTTTGACCC
GTGTTCACGAACTCCGTGAGAGGC
(下線部で示した箇所が当該変異部分):forwar
d SSL−2:TCTCGGTCGACAAGCCGGT
TCCTCCATTTCTTCATCC:revers
e PCR法によって増幅されたシュクロース合成酵素cD
NAをpET21dへクローニングした。得られたプラ
スミドからシュクロースシンターゼcDNAのN末端部
分を含むXhoI−XbaI断片を切り出し、pED−
01の同じ部位へ導入し、こうして得られた発現プラス
ミドベクターpED−01−S11Eと名付けた。こう
して作製した発現ベクターを大腸菌BL21株に電気パ
ルス法で導入して、該大腸菌株を形質転換して、目的の
プラスミドを持つ形質転換株を選択した。
【0009】LB培地中で37℃にてこの株を培養して
IPTG(イソプロピル−チオ−β−D−ガラクトシ
ド)によりシュクロース合成酵素の大量発現を行った。
次に、こうして得られた形質転換大腸菌を25mM T
ris/HCl(pH7.5)(0.1mM EDTA
及び1mM DTTを含む)で超音波で破砕し、遠心し
て上清を取った。上清に硫酸アンモニウムを加え(65
%)、蛋白質を沈澱させた。この沈殿物を30mM T
ris/HCl(pH7.5)中に懸濁させ、FPLC
システム(ファーマシア)の一部である、同じTris
/HCl緩衝液で平衡化させたDEAE−トヨパールに
かけ、吸着した活性成分を0.5M NaClのグラジェエ
ントにより溶出させた。得られた活性成分は、FPLC
システムで同じTris/HCl緩衝液で平衡化させた
Superdex 200ゲル濾過カラム(2.6 x 60 cm,ファルマシ
ア)にかけた。得られた活性成分は、透析後、FPLC
システムで同じTris/HCl緩衝液で平衡化させた
Mono Qカラム(0.5x 5 cm)にかけ、吸着した活性成分
を0.5M NaClのグラジェエントにより溶出させた。
得られた活性分画は、透析後、−85℃で保存した。以
降の実験には、この蛋白質を30mM Tris/HC
l(pH7.5)に溶かしたものを酵素標品として用い
た。
IPTG(イソプロピル−チオ−β−D−ガラクトシ
ド)によりシュクロース合成酵素の大量発現を行った。
次に、こうして得られた形質転換大腸菌を25mM T
ris/HCl(pH7.5)(0.1mM EDTA
及び1mM DTTを含む)で超音波で破砕し、遠心し
て上清を取った。上清に硫酸アンモニウムを加え(65
%)、蛋白質を沈澱させた。この沈殿物を30mM T
ris/HCl(pH7.5)中に懸濁させ、FPLC
システム(ファーマシア)の一部である、同じTris
/HCl緩衝液で平衡化させたDEAE−トヨパールに
かけ、吸着した活性成分を0.5M NaClのグラジェエ
ントにより溶出させた。得られた活性成分は、FPLC
システムで同じTris/HCl緩衝液で平衡化させた
Superdex 200ゲル濾過カラム(2.6 x 60 cm,ファルマシ
ア)にかけた。得られた活性成分は、透析後、FPLC
システムで同じTris/HCl緩衝液で平衡化させた
Mono Qカラム(0.5x 5 cm)にかけ、吸着した活性成分
を0.5M NaClのグラジェエントにより溶出させた。
得られた活性分画は、透析後、−85℃で保存した。以
降の実験には、この蛋白質を30mM Tris/HC
l(pH7.5)に溶かしたものを酵素標品として用い
た。
【0010】UDP−グルコースの合成反応系(最終濃
度) 20mM〔14C〕シュクロース(21×106 cpm) 10mM UDP 25mM Tris/HCl(pH7.5) 酵素標品(蛋白質量として50μg) 上記の反応系の全量20μl を30℃で一定時間インキ
ュベートした後、ワットマン3MM濾紙に2cm間隔にス
ポットし、50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.
5)にて200V、2時間通電した。その後、オートラ
ジオグラフィを行い、UDP−グルコース画分の放射能
(104 cpm)を測定した。この結果から、UDP−
〔14C〕グルコースが生成したことが確認された。
度) 20mM〔14C〕シュクロース(21×106 cpm) 10mM UDP 25mM Tris/HCl(pH7.5) 酵素標品(蛋白質量として50μg) 上記の反応系の全量20μl を30℃で一定時間インキ
ュベートした後、ワットマン3MM濾紙に2cm間隔にス
ポットし、50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.
5)にて200V、2時間通電した。その後、オートラ
ジオグラフィを行い、UDP−グルコース画分の放射能
(104 cpm)を測定した。この結果から、UDP−
〔14C〕グルコースが生成したことが確認された。
【0011】実施例1 (2) 組み換えミュータントシュク
ロース合成酵素とセルロース合成酵素の存在下、シュク
ロースからのセルロース性物質の製造 既に報告されているセルロース合成酵素は、酢酸菌(Ace
tobacter xylinum BPR2001) より、以下の方法で調製し
た。尚、BPR2001 株は、平成5年2月24日に通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所微生物寄託センタ
ーに寄託され(受託番号FERM P−13466),
その後、1994年2月7日付で特許手続き上の微生物
の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づく寄
託(受託番号FERM BP−4545)に移管されて
いる。振盪培養した該酢酸菌を15分間遠心(16,000 x
g)により集菌した後、TEM-buffer (50mM Tris/HCl (pH
7.5), 10mM MgCl2 ,1mM EDTA を含む)に溶解し、同様
に遠心操作を行った。更にこの操作を2回繰り返し、得
られた沈殿物を20%ポリエチレングリコールを含んだ
TEM-buffer (20 mg cell/ml)で懸濁した。懸濁液を窒素
ガス下、細胞破砕ボンベ(Parr 社、No.4635)にて破砕し
た後、ナイロンメッシュによって濾過を行い、得られた
濾液を遠心分離(18,000 x g,15分間)に供した。沈殿
画分を再びTEM-bufferに懸濁し、遠心分離(27,000 x g,
20分間)して得られた上清を10mM Tris/HCl (pH7.5)
に溶解して、セルロース合成酵素標品とした。
ロース合成酵素とセルロース合成酵素の存在下、シュク
ロースからのセルロース性物質の製造 既に報告されているセルロース合成酵素は、酢酸菌(Ace
tobacter xylinum BPR2001) より、以下の方法で調製し
た。尚、BPR2001 株は、平成5年2月24日に通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所微生物寄託センタ
ーに寄託され(受託番号FERM P−13466),
その後、1994年2月7日付で特許手続き上の微生物
の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づく寄
託(受託番号FERM BP−4545)に移管されて
いる。振盪培養した該酢酸菌を15分間遠心(16,000 x
g)により集菌した後、TEM-buffer (50mM Tris/HCl (pH
7.5), 10mM MgCl2 ,1mM EDTA を含む)に溶解し、同様
に遠心操作を行った。更にこの操作を2回繰り返し、得
られた沈殿物を20%ポリエチレングリコールを含んだ
TEM-buffer (20 mg cell/ml)で懸濁した。懸濁液を窒素
ガス下、細胞破砕ボンベ(Parr 社、No.4635)にて破砕し
た後、ナイロンメッシュによって濾過を行い、得られた
濾液を遠心分離(18,000 x g,15分間)に供した。沈殿
画分を再びTEM-bufferに懸濁し、遠心分離(27,000 x g,
20分間)して得られた上清を10mM Tris/HCl (pH7.5)
に溶解して、セルロース合成酵素標品とした。
【0012】セルロース合成反応系(最終濃度) 600μM〔14C〕シュクロース(2×107 cpm) 10mM UDP 75mM Tris/HCl(pH8.6) 1mM CaCl2 15mM MgCl2 1mM EDTA 組み換えミュータントシュクロース合成酵素(蛋白質量
として1〜5μg) セルロース合成酵素(蛋白質量として0.5 〜1.5 mg) cyclic-di-GMP 適当量 上記の反応液の全量100μlを30℃で一定時間イン
キュベートした後、0.5M NaBH4 を含む0.5
N NaOHとともに100℃で20分間抽出した。抽
出残査を水で3回洗浄した後に、0.1N酢酸で洗浄・
中和した。得られた結果を以下の表1及び表2に示す。
として1〜5μg) セルロース合成酵素(蛋白質量として0.5 〜1.5 mg) cyclic-di-GMP 適当量 上記の反応液の全量100μlを30℃で一定時間イン
キュベートした後、0.5M NaBH4 を含む0.5
N NaOHとともに100℃で20分間抽出した。抽
出残査を水で3回洗浄した後に、0.1N酢酸で洗浄・
中和した。得られた結果を以下の表1及び表2に示す。
【0013】
【表1】 組み換えミュータントシュクロース合成酵素の効果 ────────────────────────────────── ミュータント セルロース シュクロース 生成した 実施例 シュクロース合成 合成酵素 (μg) セルロース 酵素(μg) (ng) (ng) ────────────────────────────────── 2 0.3 760 20 1.68 ────────────────────────────────── 3 0.6 760 40 2.62 ────────────────────────────────── 4 1.2 760 80 8.12 ──────────────────────────────────
【0014】
【表2】 タイムコース ────────────────────────────────── 実施例 ミュータント セルロース シュクロース 生成した 時間 シュクロース合成 合成酵素 (μg) セルロース (分) 酵素(μg) (ng) (ng) ────────────────────────────────── 5(5) 1.2 760 80 0.65 ────────────────────────────────── 6(10) 1.2 760 80 0.81 ────────────────────────────────── 7(20) 1.2 760 80 0.92 ────────────────────────────────── 8(60) 1.2 760 80 0.87 ──────────────────────────────────
【0015】
【発明の効果】セルロース性物質を、シュクロースから
高効率かつ経済的に生産することが出来る。
高効率かつ経済的に生産することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 19/04 C12P 19/04 C 19/14 19/14 Z //(C12N 1/20 C12R 1:02) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/10 C12R 1:19) (C12N 9/10 C12R 1:02)
Claims (4)
- 【請求項1】 組み換えミュータントシュクロース合成
酵素によりシュクロースからUDP−グルコースを製造
する方法。 - 【請求項2】 組み換えミュータントシュクロース合成
酵素の触媒によって生成したUDP−グルコースからセ
ルロース性物質を製造する方法。 - 【請求項3】 組み換えミュータントシュクロース合成
酵素とセルロース合成酵素の存在下で、シュクロースか
らセルロース性物質を製造する方法。 - 【請求項4】 インビトロでシュクロースから合成され
たセルロース性物質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10062316A JPH11290075A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 組み換えミュータントシュクロース合成酵素によるシュクロースからのセルロースの合成 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10062316A JPH11290075A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 組み換えミュータントシュクロース合成酵素によるシュクロースからのセルロースの合成 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11290075A true JPH11290075A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=13196622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10062316A Pending JPH11290075A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 組み換えミュータントシュクロース合成酵素によるシュクロースからのセルロースの合成 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11290075A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016508378A (ja) * | 2013-02-28 | 2016-03-22 | シージェイ チェイルジェダン コーポレーションCj Cheiljedang Corporation | ステビオシドからレバウジオシドaを製造する方法 |
RU2663434C1 (ru) * | 2017-11-27 | 2018-08-06 | Открытое акционерное общество "Инфотэк Груп" | Способ получения синтетической целлюлозы |
-
1998
- 1998-02-26 JP JP10062316A patent/JPH11290075A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016508378A (ja) * | 2013-02-28 | 2016-03-22 | シージェイ チェイルジェダン コーポレーションCj Cheiljedang Corporation | ステビオシドからレバウジオシドaを製造する方法 |
JP2017148050A (ja) * | 2013-02-28 | 2017-08-31 | シージェイ チェイルジェダン コーポレーションCj Cheiljedang Corporation | ステビオシドからレバウジオシドaを製造する方法 |
US10472660B2 (en) | 2013-02-28 | 2019-11-12 | Cj Cheiljedang Corporation | Method for preparing rebaudioside A from stevioside |
RU2663434C1 (ru) * | 2017-11-27 | 2018-08-06 | Открытое акционерное общество "Инфотэк Груп" | Способ получения синтетической целлюлозы |
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