JP3512217B2 - エンド型キシログルカン転移酵素遺伝子 - Google Patents

エンド型キシログルカン転移酵素遺伝子

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、新規なエンド型キシロ
グルカン転移酵素遺伝子に関する。 【0002】 【従来の技術】キシログルカン(以下XGと略す)は植
物細胞壁の主要成分であり、植物細胞壁中ではセルロー
スミクロフィブリルの表面に結合してセルロースミクロ
フィブリルを架橋し、複雑な網目構造を形成している。
細胞壁の構築と再構築には、XGの架橋の分解と再構築
が必要であると考えられているが、その機構は明らかに
されていない。アルバーシャイム (Albersheim) はXG
の再構築の機構についてエンド型のトランスグリコシラ
ーゼが作用するという仮説を示した〔プラント バイオ
ケミストリー (Plant Biochemistry) 、1976年 ア
カデミックプレス (Academic Press) 発行、第225〜
274頁〕。また、本発明者らも、先にマメ科植物であ
るビグナ アンギュラリス (Vignaangularis)種子の芽
生えの上胚軸アポプラスト部分(植物体のうち、細胞の
原形質膜の外側のすべて、すなわち細胞壁と細胞間隙と
から成る部分)より得た抽出液について検討し、20%
飽和から80%飽和硫安沈殿画分に、XG分子の分子量
を不均化する作用を見出した〔ニシタニ (Nishitani)
ら、フィジオロジア プランタルム (Physiologia Plan
tarum)、第82巻、第490〜497頁(199
1)〕。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、XG
の再構築、分子量の不均化等に関与する酵素であるエン
ド型XG転移酵素をコードする遺伝子を提供することに
ある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はエンド型XG転移酵素をコードする遺伝子に関
し、Escherichia coli JM O /pCX O (FERM P −1
3768 ) に保持されているプラスミドである pCX 10
1を制限酵素 EcoRI 及びH indIII により切断して得られ
る、図1に示す制限酵素地図で表される約1.2 _kbp_
のDNA断片、 Escherichia coli JM O /pRX O
(FERM BP −4221 ) に保持されているプラスミドで
ある pRX 102を制限酵素 EcoRI 及びH indIII により切断
して得られる、図2に示す制限酵素地図で表される約
1.1 _kbp_ のDNA断片、並びに Escherichia coli J
M O /pNX O (FERM P −13803 ) に保持されて
いるプラスミドである pNX 101を制限酵素 SacI 及び Xba
I により切断して得られる、図3に示す制限酵素地図
される約1.2 _kbp_ のDNA断片から選択されるD
NAに含まれることを特徴とする 【0005】本発明者らは、ビグナ アンギュラリスよ
り、XGの再構築、分子量の不均化等に関与する酵素を
単離精製することに成功した。次に該酵素が、XG分子
を切断し、生じたXG分子断片を他のXGに再結合する
という新規で植物生理学的に重要な作用を有しており、
該酵素がXGの転移方法に使用できることを見出し、該
作用を有する酵素をエンド型XG転移酵素と命名した。 【0006】更に本発明者らは、ビグナ アンギュラリ
ス由来のエンド型XG転移酵素のアミノ酸分析を行い、
部分アミノ酸配列を決定し、次に、そのアミノ酸配列よ
りPCR用のプライマーを調製し、ビグナ アンギュラ
リスcDNAを鋳型としてPCRを行い、エンド型XG
転移酵素をコードする遺伝子を増幅しプローブを作製し
た。続いて、該プローブを用いてビグナ アンギュラリ
スのcDNAライブラリー中よりエンド型XG転移酵素
をコードする遺伝子を含有するクローン体を検索し、エ
ンド型XG転移酵素をコードする遺伝子を単離し、次い
で、該遺伝子をプローブとして用いて種々の植物より目
的の遺伝子をクローニングした。また、クローニングし
た遺伝子をプローブとして用いて、更に別の植物より目
的の遺伝子をクローニングできることを見出し、本発明
を完成した。 【0007】該遺伝子を導入して形質転換した生物又は
細胞を培養し、該培養物からエンド型XG転移酵素を採
取することができる。更に、エンド型XG転移酵素遺伝
子のアンチセンスDNA若しくはアンチセンスRNAを
細胞内に導入することにより、若しくは、エンド型XG
転移酵素遺伝子より得られる少なくとも15塩基対から
なるDNA配列を、転写によりエンド型XG転移酵素遺
伝子のアンチセンスRNAが生成するように、細胞内で
作用しうるプロモーターに連結したことを特徴とするア
ンチセンスRNA生成用カセットを細胞内に導入するこ
とにより、生物体内でのエンド型XG転移酵素の発現を
制御することができ、これらの方法によって植物体の形
態を制御することができ、これらを導入した植物体を創
製できる。また、エンド型XG転移酵素が発現されるよ
うにエンド型XG転移酵素遺伝子を細胞内で作用しうる
プロモーターに連結したことを特徴とするエンド型XG
転移酵素発現用カセットを生物体に導入することによっ
て、生物体内でエンド型XG転移酵素を発現させること
ができ、該方法によって植物の形態を制御でき、該発現
用カセットを導入した植物体を創製することができる。 【0008】以下、ビグナ アンギュラリスからのエン
ド型XG転移酵素の取得について説明する。酵素を採取
する部位は特に限定されるものではないが、例えば芽生
えの上胚軸のアポプラスト部分が好適である。ビグナ
アンギュラリスを発芽させ、これよりアポプラスト部分
の粗抽出溶液(以下、アポプラスト溶液と称する)を得
る方法は、例えば前出のフィジオロジア プランタルム
に記載の方法が効果的である。得られたアポプラスト溶
液から酵素を精製する手段としては、例えば硫安塩析、
アフィニティクロマトグラフィー、ゲルろ過、イオン交
換カラムクロマトグラフィー等の方法を組合せて用いる
のが効果的であり、これらの方法によりグリコシダーゼ
活性の混在がない、精製された酵素を得ることができ
る。 【0009】酵素活性の測定に用いる基質の調製方法を
次に示す。タマリンド (Tamarindus Indica L.)由来の
粗精製XGを大日本製薬社より得た(商品名 Glyloid
9S)。該粗精製XG300mgを、トリコデルマ・ビリ
デ・セルラーゼ150μgにより40mlの水溶液中で、
45℃で2時間、部分的に加水分解した。生成物をオー
トクレーブにかけてセルラーゼを変性し、次いで限外ろ
過法〔ダイアフロ(Diaflo)XM−300及びYM5、ア
ミコン社製〕により分画した。XM−300を通過し、
YM5で残留した画分(40mg以上)を2mlの水に溶解
してスペロース (Superose) 6 prep カラム(16×5
00mm、ファルマシア社製)を備えたHPLC(島津L
C6A)(以下このHPLCシステムをシステムAと称
す)に供して、0.5ml/分の水で溶離した。画分(1.5
ml)を収集して凍結乾燥し、XG標品を得た。標品の分
子量は、前述の、酵素活性の測定に用いたのと同じクロ
マトグラフィーのシステムにより測定した。 【0010】(酵素活性の測定方法)本発明の酵素の活
性測定は次の様に行う。すなわち、2〜20μgのタマ
リンド由来XGに、0.2Mの酢酸ナトリウム緩衝液(p
H5.8)で希釈した酵素液10μlを加え、25℃で3
0分間反応させた後、反応混合物を−50℃で凍結する
ことにより反応を停止する。反応混合物を20μlの5
0mM NaOHに溶解し、TSKゲル−3000PWカ
ラム(8×300mm、東ソー社製)及びTSKゲル−5
000PWカラム(8×300mm、東ソー社製)を備え
たノン−メタルHPLCシステムに供して、15mMの酢
酸ナトリウムを含有する30mMのNaOH溶液を用いて
1ml/分の流量で溶出する。溶出液を、金電極を備えた
PADで検出する。図4に、検出結果の例を示す。すな
わち、図4は、上記の方法によるPADのクロマトグラ
フを表す図であり、縦軸にPAD応答(nA)、横軸に
溶出容積(ml)を表す。(a)はオートクレーブで12
0℃、5分の処理により変性した本発明の酵素の精製標
品を用いた場合、(b)はアポプラスト溶液を用いた場
合、(c)は精製した酵素を用いた場合のクロマトグラ
ムを各々示し、矢印1はタマリンド由来の基質XG、矢
印2は単糖類の溶出位置を示す。(c)において、1の
ピークの高さの1/2の位置におけるピークの幅は、反
応系に添加した酵素の量に比例して増大するので、基質
由来のピークの高さの1/2の位置におけるピークの幅
の増大を、本発明の酵素の活性の指標として用いる。基
質としてタマリンド由来のXGを用いた場合の酵素活性
の1単位は、25℃で30分間に上記のピークの幅を2.
3ml相当増大させる酵素の量と定義する。 【0011】精製されたビグナ アンギュラリスのエン
ド型XG転移酵素について、例えばプロテインシークエ
ンサーを用いてアミノ酸配列の解析を行うことにより、
配列表の配列番号1で表される、N末端部分のアミノ酸
配列が決定される。該配列を基に、PCR用のミックス
プライマーを作成することができる。例えば、配列表の
配列番号2で表されるミックスプライマーpAZ−1、
及び配列表の配列番号3で表されるミックスプライマー
pAZ−2がそれぞれDNA合成機で合成され、精製
後、エンド型XG転移酵素遺伝子の検索に使用すること
ができる。例えば、ビグナ アンギュラリスよりRNA
を調製し、次にオリゴテックス−dT30(日本ロシュ
社製)を用いてポリ(A)+ RNAの精製を行い、次に
例えば該ポリ(A)+ RNAと、配列表の配列番号4で
示される、M13プライマーM4(宝酒造社製)の配列
を持ち、更に3′側にTが連なった配列を有するプライ
マーpTM4を用い、逆転写酵素を作用させ、cDNA
を合成する。このcDNAを鋳型としてPCRを行うこ
とにより、エンド型XG転移酵素をコードするcDNA
を増幅することができる。目的のDNAを効率良く増幅
するためには2段階PCRが効果的で、例えば、プライ
マーとして上述のミックスプライマーpAZ−1及びM
13プライマーM4を用いて1段階目のPCRを行い、
この反応生成物を鋳型として、ミックスプライマーpA
Z−2及びM13プライマーM4を用いて2段階目のP
CRを行うことにより、約1.1kbp のDNA断片が増幅
される。増幅されたDNA断片は、例えばpUC119
の Hinc IIサイトにサブクローニングすることができ
る。次に、例えばこれらの増幅DNAをプローブとし、
ビグナ アンギュラリスより調製したcDNAライブラ
リー又はゲノムライブラリーより、エンド型XG転移酵
素をコードする遺伝子を組込んだクローン体を検索する
ことができる。cDNAライブラリーは、例えば前述の
ビグナ アンギュラリスcDNAよりcDNA合成キッ
トシステムプラス(アマシャム社製)を用いて調製する
ことができる。前述の増幅DNA断片をプローブとして
プラークハイブリダイゼーションを行うことにより、例
えば1×104 個のプラークより5個の陽性プラークが
得られ、該プラークのファージベクターに挿入されてい
るDNA断片を抽出して、例えば約1.1kbp の長さのD
NA断片を得ることができる。該断片の制限酵素地図を
図5に示す。また、該断片のDNA塩基配列の一部を配
列表の配列番号5に示す。 【0012】該断片を適当なプラスミドの制限酵素部位
に挿入し、該断片の挿入されたプラスミドを用いて適当
な宿主を形質転換することができる。該断片をpUC1
19のEcoRIサイトに組込んだプラスミドは、pVX1
03と命名され、pVX103で形質転換された大腸菌
JM109株は、Escherichia coli JM109/pVX103と命
名、表示され、工業技術院微生物工業技術研究所に微工
研条寄第4104号(FERM BP−4104)とし
て寄託されている。 【0013】上述のビグナ アンギュラリス由来のエン
ド型XG転移酵素をコードする遺伝子は、該酵素をコー
ドする遺伝子の一例であり、該遺伝子、若しくはその部
分配列をプローブとして用いることにより、他の植物種
よりエンド型XG転移酵素の遺伝子をクローニングする
ことができる。また、該遺伝子のクローニングに用いら
れるプライマーを使用して、他の植物種について、エン
ド型XG転移酵素の遺伝子を増幅し、クローニングする
こともできる。対象とする植物としては、例えば双子葉
植物であれば、トマト、タバコが、また例えば単子葉植
物であれば、コムギ、イネ、トウモロコシが挙げられ
る。 【0014】例えば、上述の操作で得られる約1.1kbp
のcDNAを、ランダムプライマーDNAラベリングキ
ットによって〔α−32P〕dCTPで標識し、これをハ
イブリダイゼーションのプローブとして用い、λEXl
oxTMイントロダクトリークローニングキット(ノバジ
ェン社製)を用いて、トマト(Lycopersicon esculentu
m)RNAから作製されたcDNAライブラリーをプラー
クハイブリダイゼーション法により検索することができ
る。陽性プラークよりファージを単離し、例えばファー
ジベクター中に挿入されているエンド型XG転移酵素遺
伝子を約1.2kbp のDNA断片として切り出し、精製す
ることができる。該断片の制限酵素地図を図6に示す。
またこの断片のDNA塩基配列の一部を配列表の配列番
号6に示す。 【0015】更に、後述の方法により、配列表の配列番
号6に示されるDNA塩基配列のうち、塩基番号46番
から930番の部分をコードするDNA断片を含むプラ
スミドを構築することができる。該プラスミドはpTX
301と命名され、pTX301により形質転換された
大腸菌JM109株は、Escherichia coli JM109/pTX30
1 と命名、表示され、該菌株は、工業技術院生命工学工
業技術研究所にFERM BP−4223として寄託さ
れている。 【0016】ビグナ アンギュラリスのエンド型XG転
移酵素遺伝子を含有する約1.1kbpのcDNA断片をプ
ローブとしてトウモロコシ、コメのcDNAライブラリ
ーをスクリーニングし、エンド型XG転移酵素遺伝子を
含むDNA断片を調製することができる。これらのDN
A断片の制限酵素地図を図1、図2にそれぞれ示す。ト
ウモロコシ、コメのエンド型XG転移酵素遺伝子を含む
DNA断片を導入したプラスミドはそれぞれpCX10
1、pRX102と命名され、これらのプラスミドを用
いて形質転換された大腸菌JM109株はそれぞれEsch
erichia coli JM109/pCX101 、Escherichia coli JM109
/pRX102 と命名され、Escherichia coliJM109/pCX101
は工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−
13768として寄託されており、Escherichia coli J
M109/pRX102 はFERM BP−4221として寄託さ
れている。 【0017】また、プラスミドpTX301に導入され
ているトマトのエンド型XG転移酵素遺伝子を含む約9
30bpのDNA断片をプローブとして用いて、同様の方
法により、タバコのエンド型XG転移酵素遺伝子を含む
約1.2bpの長さのDNA断片を調製することができる。
タバコのエンド型XG転移酵素遺伝子を含む約1.2kbp
の長さのDNA断片を導入したプラスミドはpNX10
1と命名され、プラスミドpNX101を用いて形質転
換された大腸菌JM109株はEscherichia coli JM109
/pNX101 と命名、表示され、該菌株は、工業技術院生命
工学工業技術研究所にFERM P−13803として
寄託されている。この約1.2kbp の長さのDNA断片の
制限酵素地図を図3に示す。またこのDNA断片のDN
A塩基配列の一部を配列表の配列番号7に示す。 【0018】これらの菌株からエンド型XG転移酵素遺
伝子を調製し、該遺伝子を用いて適当な発現用プラスミ
ドを構築し、該発現用プラスミドを用いて適当な宿主を
形質転換し、該形質転換体を培養することにより、エン
ド型XG転移酵素を生産することができる。 【0019】生物体内、例えば植物体内においてエンド
型XG転移酵素遺伝子の発現を調節することにより、植
物の細胞壁の成長を調節することができ、例えば、これ
らの遺伝子の発現を制御することにより、細胞壁の再構
築を阻害し、矮性の植物を作出することができる。エン
ド型XG転移酵素遺伝子の発現を制御する方法として
は、例えばエンド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンス
DNA又はアンチセンスRNAを生物体に導入する方法
を用いることができる。導入するアンチセンスDNAと
しては、例えば本発明で得られるエンド型XG転移酵素
遺伝子のアンチセンスDNA若しくはその一部を用いる
ことができる。該アンチセンスDNAの配列の例を配列
表の配列番号8番に示す。すなわち、配列表の配列番号
8番は、配列表の配列番号7番で示されるタバコのエン
ド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンスDNAの配列を
示すものである。アンチセンスDNAとしては例えば、
このアンチセンスDNAの一部を適当に切断して得た断
片を用いても良いし、このアンチセンスDNA配列に基
づいて合成したDNAを用いてもよい。 【0020】導入するアンチセンスRNAとしては、例
えばエンド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンスRNA
若しくはその一部を用いることができる。該アンチセン
スRNAの配列の例を配列表の配列番号9番に示す。す
なわち、配列表の配列番号9番は、それぞれ配列表の配
列番号7番で示される、エンド型XG転移酵素遺伝子の
アンチセンスRNAの配列を示すものである。例えば、
このアンチセンスRNAの一部を適当に切断して得た断
片を用いても良いし、このアンチセンスRNA配列に基
づいて合成したRNAや、例えばエンド型XG転移酵素
遺伝子若しくはその一部を用いて、イン ビドロ (in v
itro) 転写系でRNAポリメラーゼを作用させて生成し
たRNAを用いてもよい。導入するアンチセンスDNA
若しくはアンチセンスRNAの領域、及び長さに関して
は、導入するアンチセンスDNA又はアンチセンスRN
Aが生物体内でエンド型XG転移酵素の内在性のRNA
と会合することによってその機能を抑制するものであれ
ば特に限定はないが、挿入断片の長さは15塩基対以上
が望ましい。また、アンチセンスDNA及びアンチセン
スRNAには、生体内で分解されにくい様に化学的な修
飾等を施しておくことができる。 【0021】アンチセンスDNA若しくはアンチセンス
RNAを生物体に導入する方法としては、例えばマイク
ロインジェクション法〔モレキュラー ジェネラル ジ
ェネティクス(Mol. Gen. Genetics)、第202巻、第
179〜185頁(1985)〕、ポリエチレングリコ
ール法〔ネイチャー (Nature)、第296巻、第72〜
74頁(1982)〕、パーティグルガン法〔ネイチャ
ー、第327巻、第70〜73頁(1987)〕や、ア
ンチセンスDNA若しくはアンチセンスRNAを含有す
る小細胞、細胞、リソソーム等とプロトプラストとの融
合法〔プロシーディングズ オブ ザ ナショナル ア
カデミー オブ ザ サイエンシーズオブ ザ US
A、第79巻、第1859〜1863頁(198
2)〕、エレクトロポレーション法〔プロシーディング
ズ オブ ザ ナショナル アカデミーオブ ザ サイ
エンシーズ オブ ザ USA、第82巻、第5824
〜5828頁(1985)〕等の方法を挙げることがで
きる。 【0022】また、エンド型XG転移酵素遺伝子より得
られるDNA配列を、細胞内で作用しうるプロモーター
に、転写によりエンド型XG転移酵素遺伝子のアンチセ
ンスRNAが生成されるように連結した、アンチセンス
RNA生成用カセットを構築して植物体内に導入する方
法も有効である。アンチセンスRNA生成用カセット
は、例えば、プロモーターの下流に転写によりエンド型
XG転移酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成するよ
うにエンド型XG転移酵素の遺伝子の配列又はその一部
を連結して構築することができる。ここで用いる遺伝子
配列としては、転写により生成されるアンチセンスRN
Aが生物体内でエンド型XG転移酵素の内在性のRNA
と会合することによってその機能を抑制するものであれ
ば特に限定はないが、挿入断片の長さは15塩基対以上
が望ましい。例えばエンド型XG転移酵素の遺伝子の一
部を適当な制限酵素で切断して、プロモーターの下流の
適当な部位に転写によりエンド型XG転移酵素遺伝子の
アンチセンスRNAが生成されるように連結することが
できる。また、例えば本発明で得られるエンド型XG転
移酵素遺伝子配列に基づいて、エンド型XG転移酵素遺
伝子の適当な領域が増幅されるようなPCR用プライマ
ーを作製し、該プライマーを用いてエンド型XG転移酵
素遺伝子を鋳型としてPCRを行い、得られた増幅DN
A断片を適当なベクターに組込まれているプロモーター
領域の下流に、転写によりエンド型XG転移酵素遺伝子
のアンチセンスRNAが生成されるように連結してアン
チセンスRNA生成用カセットを構築してもよい。この
場合には、挿入する増幅DNA断片を、転写によりエン
ド型XG転移酵素遺伝子のアンチセンスRNAが生成さ
れるように、ベクター内に存在する適当な制限酵素サイ
トを選択して挿入するが、これらの制限酵素の認識配列
を5′末端側に有するプライマーを用いて、PCRを行
うのが有効である。 【0023】また例えばエンド型XG転移酵素が発現さ
れるように細胞内で作用しうるプロモーターに連結した
エンド型XG転移酵素発現用カセットを構築し、該カセ
ットを生物体、例えば植物体に導入して植物体内でエン
ド型XG転移酵素を発現させることができ、よって植物
体の形態を制御することができる。エンド型XG転移酵
素発現用カセット中に挿入されるエンド型XG転移酵素
遺伝子としては、植物細胞中でエンド型XG転移酵素の
活性が発現されるために必要な領域を含んでいればよい
が、例えばシグナルペプチドをコードする配列から終止
コドンまでを含んでいることが望ましい。例えばエンド
型XG転移酵素の遺伝子の一部を適当な制限酵素で切断
してプロモーターの下流の適当な部位にエンド型XG転
移酵素が発現されるように連結することができる。ま
た、例えば本発明で得られるエンド型XG転移酵素遺伝
子配列に基づいて、エンド型XG転移酵素遺伝子の適当
な領域が増幅されるようなPCR用プライマーを作製
し、該プライマーを用いてエンド型XG転移酵素遺伝子
を鋳型としてPCRを行い、得られた増幅DNA断片を
適当なベクターに組込まれているプロモーター領域の下
流にエンド型XG転移酵素が発現されるように連結して
エンド型XG転移酵素発現用カセットを構築してもよ
い。この場合挿入する増幅DNA断片を、ベクター内に
存在する適当な制限酵素サイトを選択して挿入するが、
アンチセンスRNA生成用カセットの場合と同様に、こ
れらの制限酵素の認識配列を5′末端側に有するプライ
マーを用いてPCRを行うのが有効である。 【0024】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットに用いられるプ
ロモーター配列は、細胞内で機能しうるものであれば特
に限定はなく、エンド型XG転移酵素遺伝子に由来する
ものでも、他の遺伝子由来のものでも良い。プロモータ
ーには転写開始点(+1)から20〜30塩基対上流に
あって正確な位置からRNAポリメラーゼに転写を開始
させる機能を担っているTATAボックスと呼ばれる領
域が含まれるが、本発明で用いられるプロモーター配列
は必ずしもTATAボックスの前後の領域に限定される
物ではなく、この領域以外に、発現調整のためにRNA
ポリメラーゼ以外のタンパク質が会合するために必要
な、更に上流の領域を含んでいてもよい。 【0025】例えば、アンチセンスRNA生成用カセッ
トを構築する際に、天然の植物体内でエンド型XG転移
酵素遺伝子が発現の支配を受けていたプロモーターを用
いれば、植物の器官全体に生活環の全ステージを通して
生産されるエンド型XG転移酵素の量を減少させること
ができ、矮性をもたらすことができる。また他の遺伝子
に由来するもので、非調節性のプロモーターを用いるこ
とによっても、植物の器官全体に生活環の全ステージを
通して形態変化をもたらすことができる。非調節性のプ
ロモーターとしては、例えばカリフラワーモザイクウィ
ルスの35Sプロモーターを用いることができ、これは
pBI121(クロンテック社製)に含まれている。ま
た刺激によって誘導可能なプロモーターを用いれば、生
育環境に応じてその形態が変化しうる植物体を作製する
ことができる。例えば、光に応答するプロモーターを用
いれば、光照射の条件によって植物体の形態を変化させ
ることができる。例えば、器官、又は組織特異的なプロ
モーターを用いれば、特定の器官、又は組織だけに形態
変化を生じさせることができる。例えば葉で特異的に転
写されている遺伝子のプロモーターを用いれば、葉の形
態だけを変化させることができる。また例えば、生活環
のあるステージに特異的に機能するプロモーターを用い
ることによって、生活環の一定のステージだけエンド型
XG転移酵素の活性を増大又は減少させることができ、
その結果特定の器官、又は組織だけに形態変化を生じさ
せることができる。例えば花器形成時にだけ転写を起こ
させうるプロモーターを用いることによって、花器だけ
に形態の変化をもたらすことができる。また、花粉管形
成時にだけ機能するプロモーターを用いて構築したアン
チセンスRNA生成用カセットを用いて花粉管の伸張を
抑制することができ、その結果雄性不稔性の植物体を作
製することができる。 【0026】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットにおいて、プロ
モーターの下流に転写によりエンド型XG転移酵素遺伝
子のアンチセンスRNAが生成されるように、若しくは
エンド型XG転移酵素が発現されるように連結されてい
るエンド型XG転移酵素遺伝子若しくはその一部の配列
を有する遺伝子断片(以下挿入配列と称する)の下流
に、転写終止配列を連結させることによって、転写を効
率よく終了させることができる。該転写終止配列は、エ
ンド型XG転移酵素遺伝子に由来するものであっても良
いし、また他の遺伝子に由来するものでもよい。またポ
リA付加配列を挿入配列の下流に連結させることによっ
て翻訳の効率を高めることができる。該ポリA付加配列
はエンド型XG転移酵素遺伝子に由来するものであって
も良いし、他の遺伝子、例えばアグロバクテリウムのオ
クトピンシンテターゼ〔ジ エンボ ジャーナル(The
EMBOJournal)、第3巻、第835〜846頁(198
4)〕やノパリンシンテターゼ〔モレキュラー アンド
アプライド ジェネティクス(Mol.and Appl.Genet.)
第1巻、第561〜573頁(1982)〕に由来する
ものであってもよい。 【0027】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットを生物体に導入
する方法としては、種々の公知の方法を用いることがで
き、例えば、適当なベクターにこれらのカセットを挿入
し、該ベクターを生物体に導入する方法が有効である。
この場合、ベクターに応じて、これらのカセット中には
存在せず、ベクター中のカセットを挿入したい部位にの
み存在する制限酵素認識配列をこれらのカセットの5′
末端及び3′末端に付加しておくことができる。 【0028】これらのカセットを挿入するベクターは、
形質転換された植物を容易に選別できるように選別マー
カー遺伝子を含有することが望ましい。選別マーカー遺
伝子としては、例えば抗生物質耐性の形質をもたらす遺
伝子(抗生物質耐性遺伝子)を用いることができる。こ
のような遺伝子として、例えばG418、ハイグロマイ
シン、ブレオマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシ
ン、クロラムフェニコールに対する耐性をもたらす遺伝
子を挙げることができる。抗生物質耐性遺伝子がベクタ
ーに含有されていれば、抗生物質を含む培地中で生育す
る生物体を選ぶことによって形質転換された生物体、す
なわちこれらのカセットが導入された生物体を容易に選
択することができる。 【0029】これらのカセットを挿入したベクターを直
接生物体、例えば植物体に導入する方法は、前出のマイ
クロインジェクション法、ポリエチレングリコール法、
パーティグルガン法、ベクターを含有する小細胞、細
胞、リソソーム等とプロトプラストとの融合法、エレク
トロポレーション法等の方法を挙げることができる。 【0030】また植物ウイルスをベクターとして用いる
ことによって、これらのカセットを植物体に導入するこ
とができる。利用する植物ウイルスとしては、例えばカ
リフラワーモザイクウイルス(CaMV)を用いること
ができる。すなわち、まずウイルスゲノムを一旦大腸菌
等由来のベクターに挿入して組換体を調製した後、ウイ
ルスのゲノム中にこれらのカセットを挿入する。このよ
うにして修飾されたウイルスゲノムを制限酵素により該
組換体から切り出し、植物に接種することによって、こ
れらのカセットを植物体に挿入することができる〔ホー
ン(Hohn)ら、モレキュラー バイオロジー オブ プ
ラント チューモアーズ(Molecular Biology of Plant
Tumors)、アカデミック プレス、ニューヨーク(Acad
emic Press、New York)、第549〜560頁(198
2)、米国特許第4,407,956号〕。 【0031】更にまた、アグロバクテリウム属に属する
細菌が植物に感染すると、それが持っているプラスミド
DNAの一部を植物のゲノム中に移行させるという性質
を利用して、これらのカセットを植物体に導入すること
もできる。アグロバクテリウム属に属する細菌のうちア
グロバクテリウム チュメファシエンス(Agrobacteriu
m tumefaciens)は植物に感染してえい瘤(crown gall)
を、また、アグロバクテリウム リゾゲネス(Agrobact
erium rhizogenes) は植物に感染して毛状根を引起こす
が、これらは感染の際にTiプラスミド、又はRiプラ
スミドと呼ばれるそれぞれの細菌中に存在するプラスミ
ド上のT−DNA領域(Transferred DNA)と呼ばれ
る領域が植物中に移行し植物のゲノム中に組込まれるこ
とに起因する。更に、Ti、又はRiプラスミド上には
T−DNA領域が植物中に移行し、植物のゲノム中に組
込まれるために必須であるvir領域と言われる領域が
ある。vir領域自身は、植物中に移行されることはな
く、またこのvir領域はT−DNA領域が存在するの
と異なったプラスミド上にあっても機能しうる〔ネイチ
ャー、第303巻、第179〜189頁(198
3)〕。 【0032】Ti、又はRiプラスミド上のT−DNA
領域中に、植物のゲノム中に組込みたいDNAを挿入し
ておけば、アグロバクテリウム属の細菌が植物体に感染
する際に目的とするDNAを植物ゲノム中に組込むこと
ができる。ここで、Ti、又はRiプラスミドのT−D
NA中のえい瘤、又は毛状根を引起こす部分を、目的と
する移行機能を損なうことなく取り除き、得られたもの
をベクターとして使用することもできる。本発明におい
てはこの様な種々のベクターを用いることができ、例え
ば、バイナリーベクターと呼ばれるpBI121(クロ
ンテック社)、pBI−H1−35S−IG(名古屋大
学、中村研三博士より供与)等のベクターに、アンチセ
ンスRNA生成用カセット、若しくはエンド型XG転移
酵素発現用カセットを挿入して、これらのカセットの植
物体への導入を行うことができる。なお、これらのベク
ターは、前出のvir領域を有しておらず、該ベクター
を導入して用いるアグロバクテリウム属の細菌は、vi
r領域を有している他のプラスミドを含有している必要
がある。 【0033】またこれらのベクターはアグロバクテリウ
ム属の細菌だけではなく、大腸菌中でも増幅することが
できるシャトルベクターであり、したがって、Tiプラ
スミドの組換え操作は、大腸菌を用いて行うことができ
る。更に、これらのベクターは、抗生物質耐性遺伝子を
含んでおり、大腸菌、アグロバクテリウム属の細菌、及
び植物体等を形質転換する際に、形質転換体を容易に選
別することができる。また、これらのベクターにはCa
MVの35Sプロモーターが存在しており、これらのベ
クターに挿入された遺伝子を植物ゲノム中に組込んだ
後、非調節的に発現させることが可能となる。 【0034】アンチセンスRNA生成用カセット若しく
はエンド型XG転移酵素発現用カセットを挿入したこれ
らのベクターを用い、アグロバクテリウム属の細菌を介
してこれらのカセットを植物体のゲノム中に移行させて
形質転換を行う際には、アグロバクテリウム属の細菌が
感染しうるものでその再生系が確立されている植物体で
あれば、どの様な植物体でも形質転換を行うことができ
る。大抵の双子葉植物は、アグロバクテリウム属の細菌
を用いて形質転換を行うことができ、特に自然界でアグ
ロバクテリウム属の細菌の宿主となっている植物体は、
すべて試験管内で形質転換させることができる。穀類を
含め、単子葉植物は自然界ではアグロバクテリウム属の
細菌の宿主ではないが、例えばライムギ〔ネイチャー、
第325巻、第274〜276頁(1987)〕、トウ
モロコシ〔サイエンス、第240巻、第204〜207
頁(1988)〕、イネ〔ネイチャー、第338巻、第
274〜276頁(1989)〕等は、試験管内で形質
転換させることができる。 【0035】形質転換は、(1)プロトプラストを用い
て行うか、(2)組織片又は未処理の細胞を用いて行う
ことができる。(1)の方法を用いるには形質転換され
たプロトプラストから植物体を再生させる系を予め確立
しておく必要があり、(2)の方法を用いるにはアグロ
バクテリウム属の細菌を用いて組織片又は未処理の細胞
を形質転換させ、それを植物体に再生する系を確立して
おく必要がある。形質転換された植物は、上述の形質転
換のマーカーとなりうる薬剤を含有する培地で植物体を
生育させることにより選択することができる。 【0036】植物体の再生方法は、植物の種類により異
なっているが、一般的には、(1)の場合には形質転換
されたプロトプラストの懸濁液、(2)の場合には形質
転換されたプレート上の組織片又は未処理の細胞からカ
ルスを誘導し、次いでシュートを形成させることによっ
て行うことができる。また、一般的に、培地には種々の
アミノ酸のほかにオーキシンやサイトカイニン等のホル
モンを含有させておくことができる。形質転換された植
物のゲノム中に目的のアンチセンスRNA生成用カセッ
ト若しくはエンド型XG転移酵素発現用カセットが挿入
されているかどうかはサザンハイブリダイゼーション等
の方法で確かめることができ、また、エンド型XG転移
酵素遺伝子のセンスRNA、又はアンチセンスRNAが
植物体内で生成されているかどうかはノザンハイブリダ
イゼーション等の方法で確かめることができる。 【0037】上記のごとく作製されたアンチセンスRN
A生成用カセット若しくはエンド型XG転移酵素発現用
カセットが挿入された植物体を用いて、交配によってア
ンチセンス鎖転写用カセット若しくはエンド型XG転移
酵素発現用カセットを次世代の植物体に移して行くこと
ができる。例えば、ベクターpBI−H1−35S−I
Gに、本発明により得られるエンド型XG転移酵素遺伝
子あるいはその一部を、転写によりアンチセンスRNA
が生成するように、若しくはエンド型XG転移酵素が発
現するように組込むことにより、上流にCaMV35S
プロモーター、その下流にエンド型XG転移酵素遺伝子
あるいはその一部を結合した、アンチセンスRNA生成
用カセット若しくはエンド型XG転移酵素発現用カセッ
トを含有するプラスミドを構築することができる。次
に、このようにして構築されたプラスミドを用いて、適
当なアグロバクテリウム属に属する菌株、例えばアグロ
バクテリウム チュメファシエンス LBA4404株
〔Agrobacterium tumefaciens LBA4404 ;ネイチャー、
第303巻、第179〜180頁(1983)、クロー
ンテック社より入手可能〕を形質転換し、該形質転換体
を目的とする植物体に感染させることにより、植物を形
質転換することができる。また、該プラスミドを適当な
制限酵素で消化し、アガロースゲル電気泳動により目的
のフラグメントを切り出し精製して、これらのフラグメ
ントをエンド型XG転移酵素発現用カセット若しくはア
ンチセンスRNA生成用カセットとして、他のプラスミ
ドに組込み、植物の形質転換に用いることができる。 【0038】本発明で得られる、配列表の配列番号7で
示されるタバコのエンド型XG転移酵素遺伝子の配列に
基づいて、配列表の配列番号10、11、12、13に
示す4種類のプライマー、TABSSP、TABXA
P、TABXSP、TABSAPをデザインし、合成す
ることができる。プライマーTABSSP及びTABX
SPは配列表の配列番号7の塩基番号1〜19に対応す
る5′→3′の向きに相当する配列の5′側に制限酵素
SacI、若しくはXbaIの切断部位を付加したも
の、TABXAP及びTABSAPは塩基番号871〜
888に対応する3′→5′の向きに相当する配列の
5′側に制限酵素XbaI、若しくはSacIの切断部
位を付加したものである。例えばタバコのエンド型XG
転移酵素遺伝子を鋳型として、上記のプライマーのうち
TABSSP及びTABXAPの対を用いてPCR法に
より遺伝子配列の増幅を行い、増幅された約900bpの
DNA断片を、制限酵素XbaI及びSacIにより切
断し、精製した後、pBI−H1−35S−IGのXb
aIサイトからSacIサイトの部位に挿入することが
できる。このようにして得られたプラスミドは、カリフ
ラワーモザイクウイルス35Sプロモーター配列を持
ち、その下流のXbaIサイト−SacIサイトに配列
表の配列番号7の塩基番号1〜888で表される部分の
配列を転写によりアンチセンスRNAが生成するように
組込んだもので、カナマイシン及びハイグロマイシン耐
性の遺伝子を有している。 【0039】また同様にプライマーTABXSP及びT
ABSAPの対を用いてPCR法で遺伝子配列の増幅を
行い、増幅された約900bpのDNA断片をpBI−H
1−35S−IGのXbaIサイトからSacIサイト
の部位に挿入することができる。このように作成したプ
ラスミドは、同様のプロモーター、耐性遺伝子を持ち、
配列表の配列番号7の塩基番号1〜888の配列をエン
ド型XG転移酵素が発現されるように組込んだものであ
る。これらのプラスミドを用いて、エレクトロポレーシ
ョン法により適当なアグロバクテリウムの菌株、例えば
アグロバクテリウム チュメファシエンス LBA44
04株を形質転換することができる。 【0040】形質転換したアグロバクテリウムにより目
的の植物を形質転換する方法は特に限定されるものでは
ない。例えば、滅菌した葉を約1cm平方のリーフディス
クにし、形質転換させたアグロバクテリウムを感染させ
る方法を用いることができる。感染させたリーフディス
クを除菌し、使用したベクターの選択マーカーとなる抗
生物質を含有するプレート上で培養すれば、形質転換さ
れた植物体を選択することができる。これらの抗生物質
を含有するプレート上に得られた植物体のゲノム中にア
ンチセンスRNA生成用カセット若しくはエンド型XG
転移酵素発現用カセットが挿入されていることの確認
は、該植物体、又はその種子から形成された植物体のD
NAを抽出し、エンド型XG転移酵素遺伝子、又はその
一部をプローブとしてサザンハイブリダイゼーション等
の方法で行うことができる。また、形質転換された植物
中において、エンド型XG転移酵素の発現が調節されて
いることの確認は、形質転換された植物体、又はその種
子のRNAを抽出し、エンド型XG酵素遺伝子をプロー
ブとして用いて、ノザンハイブリダイゼーション等の方
法で行うことができる。例えば、無菌的に生育させたタ
バコの葉を滅菌したメスで約1cm平方のリーフディスク
とし、形質転換させたアグロバクテリウムをLB培地で
一晩培養したものと28℃で3日間共存培養し、除菌操
作後葉の表面を下にしてカナマイシン−ハイグロマイシ
ン−カルベニシリンを含み、0.2μg/ml−ナフタレン
酢酸、1μg/mlベンジルアデニンを含有する固形ムラ
シゲ−スクーグ(MS)培地で培養する。4週間後出現
した茎葉をディスクから切り離し、カナマイシン−ハイ
グロマイシン−カルベニシリンを含むMS培地に移す。
2週間後発根した植物体をピートモス/バーミキュライ
ト3:2の土に移す。開花後得られた種子を滅菌後ハイ
グロマイシンを含むMS培地に播種して発芽させること
により形質転換体を得ることができる。 【0041】この形質転換体より常法に従ってDNAを
抽出し、このDNAを適当な制限酵素で切断し、プロー
ブとして、例えばプライマーTABSSP及びTABX
APの対でタバコのエンド型XG転移酵素遺伝子を鋳型
としてPCR法により増幅した約900bpのDNA配列
を用いてサザンハイブリダイゼーションを行い、形質転
換の有無を確認することができる。 【0042】また、この形質転換体より常法に従ってR
NAを抽出し、約900bpのセンスDNA配列若しくは
アンチセンスDNA配列を有するプローブを作製し、こ
れらのプローブを用いてノザンハイブリダイゼーション
を行いエンド型XG転移酵素の発現の状態を観察するこ
とができる。 【0043】本発明で得られるエンド型XG転移酵素を
コードする遺伝子や該遺伝子にハイブリダイズする遺伝
子又はその一部の配列を有するポリヌクレオチドを用い
て、エンド型XG転移酵素をコードする遺伝子の発現過
程の観察や調節を行うこともできる。また、本発明で得
られる、エンド型XG転移酵素をコードする遺伝子を発
現させ、製造されるポリペプチドを用いて、種々の抗体
を作製することもでき、これらの抗体も、エンド型XG
転移酵素の精製等に有用である。 【0044】以下、本発明で使用するエンド型XG転移
酵素について参考例で具体的に説明する。 参考例1 エンド型XG転移酵素の精製 ビグナ アンギュラリス オウヴィ エ オオハシ、c
v、タカラ (Ohwi et Ohashi, cv. Takara) の種子(渡
辺種子社製)をフィジオロジア プランタルム、第82
巻、第490〜497頁(1991)に記載の方法で発
芽させ、アポプラスト溶液を得た。 【0045】(硫安沈殿)合計600mlのアポプラスト
溶液を、10gのポリビニルピロリドン粉末、及び50
mMのジチオスレイトールと2mMのEDTAを含有する0.
5Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)60mlと0
℃で混合して5分間保持した。不溶物質を18000×
gで30分間遠心分離して除去した後、上澄み液に硫酸
アンモニウム粉末を添加して80%飽和として、生成し
た沈殿(10.5mgのタンパク質を含む)を遠心分離によ
って回収した。得られた沈殿を2mlの0.2M酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH5.7)に溶解し、1mlの100%硫酸
アンモニウム飽和溶液を添加して33%飽和とした。生
成した沈殿を、18000×gにて30分間遠心分離し
て回収し、1.8mgのタンパク質を含む画分を得た。 【0046】( Con−A Sepharose 6Bによる分画)
上記の操作で得た沈殿を、0.15MのNaCl、1mMの
MnCl2 、1mMのMgCl2 、及び1mMのCaCl2
を含有する酢酸ナトリウム緩衝液a(pH5.7)の2.4
mlに溶解し、同じ緩衝液aであらかじめ平衡化したコン
−Aセファロース6B( Con−A Sepharose 6B、フ
ァルマシア社製)(4ml)のカラムに注入した。そのカ
ラムを、36mlの緩衝液a、7mMのメチル−α−D−マ
ンノピラノシドを含有する緩衝液aの20ml、及び50
0mMのメチル−α−D−マンノピラノシドを含有する緩
衝液aの40mlで連続して溶離した。500mMのメチル
−α−D−マンノピラノシドを含有する緩衝液aで溶出
した画分に、本発明の酵素の活性が認められた。その活
性画分をウルトラフリー (Ultrafree 、ミリポア社製)
を用いて限外ろ過により濃縮し、400μl中に668
μgのタンパク質を含有する画分を得た。 【0047】(TSKゲル2000SWによる分画)上
記の操作で得た画分のタンパク質200μlをTSKゲ
ルG2000SW(7.5×300mm、東ソー社製)を用
い、溶離液として0.15M酢酸ナトリウ緩衝液(pH5.
7)を0.5ml/分の流量で用いるカラムクロマトグラフ
ィーに付した。このクロマトグラフィーを繰返し、活性
画分を分画して濃縮し、上記緩衝液100μl中に60
μgのタンパク質を含有する画分を得た。 【0048】( Mono−Sによる分画)上記の操作で得た
画分を500μlの20mM酢酸ナトリウム溶液で希釈
し、40mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)てあらか
じめ平衡化したモノ−S (Mono−S、ファルマシア社
製)のカラム(5×50mm)に注入した。このカラム
を、2.5mlの40mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)
で溶離し、次に0−1M NaClの直線濃度勾配を有
する40mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.7)の20ml
を0.4ml/分の流量で用いて溶離し、約30μgの本発
明の酵素の精製標品を得た。以上の各々の精製工程の結
果を表1に示す。 【0049】 【表1】 表1 ビグナ・アンギュラリスよりエンド型XG転移酵素の精製経過 ──────────────────────────────────── 精製工程 全タンパク質 全活性 比活性 収 率 精製度 (単位/μg (mg) (単位) タンパク質)(%) (倍) ──────────────────────────────────── アポプラスト溶液 10.5 2136 0.203 100 1 33% 硫安分画 1.513 1766 1.17 82 5.7 Con-A セファロース 0.668 938 1.40 43 6.9 TSK 2000SW 0.06 816 13.6 38 67 Mono−S 0.03 530 17.7 24 87 ──────────────────────────────────── 【0050】また、前述した図4において、(b)はア
ポプラスト溶液を用いて反応を行った際のクロマトグラ
フである。図中矢印2は混在するグリコシダーゼにより
生じたモノマー糖の溶出位置を示している。(c)の精
製酵素画分においてはモノマー糖のピークは現れず、精
製操作により混在するグリコシダーゼが除去されたこと
を示している。 【0051】(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動)上記の精製工程で得られた本発明の酵素の精製標品
をラエンミリ (Laemmili)らの方法〔ネイチャー、第2
27巻、第680〜685頁(1970)〕に従って、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。す
なわちSDSを含有する12%ポリアクリルアミドゲル
(10×10cm、1mm厚)を使用して泳動し、銀染色を
行い、発色させると、本発明の酵素の精製標品は分子量
約33,000の単一のバンドとして確認された。 【0052】参考例2 エンド型XG転移酵素をコード
する遺伝子のクローニング ポリ(A)+ RNAの調製 ビグナ アンギュラリス オウヴィ エ オオハシ,c
v. タカラの種子を前出のフィジオロジア プロンタル
ムに記載の方法で発芽させた。発芽より1週間後、芽の
先端から2〜5cmの下方の茎を切取り、約3gの植物組
織を得た。これを直ちに液体窒素中で凍結し、液体窒素
存在下乳鉢ですりつぶして粉末にし、約30mlの変性液
〔4Mグアニジンチオシアネート、25mMクエン酸ナト
リウム(pH7.0)、0.1M 2−メルカプトエタノー
ル、0.5% N−ラウロイルサルコシンナトリウム〕で
溶解した。ここに2M酢酸ナトリウム(pH4.0)3m
l、水飽和酸性フェノール30ml、49:1 クロロホ
ルム/イソアミルアルコール6mlを順次加え、よくかく
はんし、この懸濁液を遠心して水層を分離し、この水層
にイソプロピルアルコールを加えて遠心分離することに
よりRNAの沈殿約1mgを得た。この沈殿を溶出用緩衝
液〔10mMトリス(Tris)−HCl(pH8.0)、1mM
EDTA(pH8.0)、0.1%SDS〕400μlを溶
かし、オリゴテックス−dT30(日本ロシュ社)1ml
を加えることによりポリ(A)+ RNAのみを樹脂に吸
着させた。樹脂を滅菌した純水で洗浄して、約10μg
のポリ(A)+ RNAを回収した。 【0053】 エンド型XG転移酵素のN末端アミノ
酸配列の決定 参考例1で得られたエンド型XG転移酵素の精製標品の
約1nmolを用いて、アプライド バイオシステムズ社製
の470Aプロテインシークエンサーにより、N末端よ
り約30残基のアミノ酸配列を決定した。該アミノ酸配
列を、配列表の配列番号1に示す。 【0054】 PCR法によるエンド型XG転移酵素
cDNAの増幅 で得られたアミノ酸配列を基に、配列表の配列番号2
で表されるプライマーpAZ−1、及び配列表の配列番
号3で表されるプライマーpAZ−2をデザインし、D
NA合成機で合成した。また、M13プライマーM4
(宝酒造社製)の3′側に更にTが20個連なった配列
を有するプライマーpTM4を同様に合成した。プライ
マーpTM4の配列を配列表の配列番号4に示す。 【0055】で得られたポリ(A)+ RNA2μg
を、5mM MgCl2 、50mM KCl、10mMトリス
−HCl(pH8.3)、0.01%ゼラチン、dNTP各
1mM、2.5μMのプライマーpTM4、20UのRNase
インヒビター、50Uの逆転写酵素RAV−2(宝酒造
社製)を含む総液量20μlの反応液に加え、42℃で
40分間逆転写反応を行い、cDNAを合成した。 【0056】このチューブに25mM MgCl2 4μ
l、10×PCR緩衝液〔500mMKCl、100mMト
リス−HCl(pH8.3)、0.1%ゼラチン〕8μl、
滅菌蒸留水65.5μl、アンプリタックTMDNAポリメ
ラーゼ(シータス社製)2.5U、20pmolのプライマー
pAZ−1、20pmolのM13プライマーM4(宝酒造
社製)を順次加え、ミネラルオイルを添加してPCRに
供した。反応は94℃(0.5分)、45℃(2分)、7
2℃(1分)のサイクルを30回繰返した後、72℃に
7分間維持した。次いで、この反応液1μlを鋳型とし
て、pAZ−2をセンスプライマーとして、M13プラ
イマーM4をアンチセンスプライマーとしてそれぞれ用
いて同様にPCRを行い、上述のサイクルを25回繰返
した。反応後、反応液をアガロースゲル電気泳動に供
し、約1.1kbp のcDNAが特異的に増幅されているこ
とを確認した。このcDNAを精製し、プラスミドpU
C119の制限酵素 Hinc IIサイトにサブクローニング
した。 【0057】 cDNAライブラリーの作製及びスク
リーニング で得られたポリ(A)+ RNAより、cDNA合成キ
ットシステムプラス(アマシャム社製)を用いて、ジー
ン (Gene) 第25巻、第263頁(1983)に記載の
方法に準じて、λgt10をベクターとするcDNAラ
イブラリーを作製した。でサブクローニングした約1.
1kbp のcDNAを、ランダムプライマーDNAラベリ
ングキット(宝酒造社製)を用いて(α−32P)dCT
Pで標識し、ハイブリダイゼーションのプローブとし
た。このプローブを用いて、上記で作製したcDNAラ
イブラリーについてプラークハイブリダイゼーション法
を行った。1×104 個のプラークについて検索を行っ
た結果、5個の陽性プラークが得られた。これらのプラ
ークよりファージを単離し、挿入されているDNAを抽
出した。これらのDNAを制限酵素EcoRIにより切断
し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片の長さを
確認した。約1.1kbp のDNA断片を精製し、プラスミ
ドpUC119のEcoRIサイトにサブクローニングし、
該プラスミドをpVX103と命名した。得られた約1.
1kbp のDNA断片を数種の制限酵素で切断し、アガロ
ースゲル電気泳動により分析した。 【0058】その結果を図5に示す。すなわち、図5は
約1.1kbp のDNA断片の制限酵素地図を示す図であ
る。制限酵素BamHI、Hind III、 KpnI等は該断片を切
断しない。 【0059】プラスミドpVX103を用いて大腸菌J
M109株を形質転換し、形質転換体をEscherichia co
li JM109/pVX103と命名、表示した。該菌株は、微工研
条寄第4104号(FERM BP−4104)として
寄託されている。 【0060】参考例3 エンド型XG転移酵素遺伝子の
塩基配列の決定 参考例2で得られたプラスミドpVX103の10μg
を制限酵素XbaI及びPstIで切断した。次いでヘ
ニコフ(Henikoff)らの方法〔ジーン、第28巻、第3
51〜第359頁(1984)〕に従い、キロシークエ
ンス用デレーションキット(宝酒造社製)を用いて、ベ
クターに組込まれたDNA断片をXbaIの認識配列側
の末端より分解し、種々の大きさの断片を含むクローン
を得た。この中から適当な大きさの断片を含むプラスミ
ド8個を選択し、サンガー(Sanger)の方法〔サイエン
ス(Science)、第214巻、第1205〜1210頁
(1981)〕に従ってBcaBESTTMダイデオキシ
シークエンシングキット(宝酒造社製)を用いて約1.
1kbp のDNA断片の塩基配列を決定した。その塩基配
列の一部を配列表の配列番号5に示す。配列表の配列番
号5の塩基番号57番〜872番はビグナ アンギュラ
リスのエンド型XG転移酵素の成熟タンパク質をコード
する部分である。 【0061】参考例4 トマトエンド型XG転移酵素遺
伝子のクローニング及び塩基配列の決定 トマト(Lycopersicon esculentum)の種子(渡辺採取場
社製)を発芽させ、芽の上胚軸部分の組織から、参考例
2−と同様にして10μgのポリ(A)+ RNAを抽
出し、λEXloxTMイントロダクトリークローニング
キット(ノバジェン社)を用いてcDNAライブラリー
を作製した。すなわち、ジーン、第25巻、第263頁
(1983)に記載の方法に従い、cDNAを合成した
あと、キット中にあるEcoRIリンカー及びHind IIIリン
カーを用いて、ベクターλEXLX〔パラゾロ(Palazz
olo)ら、ジーン、第88巻、第25〜36頁(199
0)〕にライゲーションした後、cDNAライブラリー
を作製した。 【0062】参考例2で得られた約1.1kbp のcDNA
を、ランダムプライマーDNAラベリングキットを用い
て〔α−32P〕dCTPで標識し、ハイブリダイゼーシ
ョンのプローブとして用いて上記のcDNAライブラリ
ーについてプラークハイブリダイゼーション法を行っ
た。1×105 個のプラークに対して、約2個の割合で
陽性プラークが得られた。これらのプラークより前述の
パラゾロらの方法に従い、λファージDNAからcDN
Aを含む断片をプラスミドとして回収した。このDNA
を制限酵素EcoRI及びHind IIIにより切断し、アガロー
スゲル電気泳動によりDNA断片の長さを確認した。2
個の陽性プラークのうち長い方の約1.2kbp の長さのc
DNA断片を確認することができ、これを精製した後、
T4DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)により突出末端
を平滑末端として、プラスミドpUC118の Hinc II
サイトにサブクローニングし、得られたプラスミドをp
TX201と命名した。得られた約1.2kbp のDNA断
片を数種の制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動
により分析した。その結果を図6に示す。すなわち、図
6は約1.2kbp のDNA断片の制限酵素地図を示す図で
ある。プラスミドpTX201を制限酵素BamHI及び S
acIで切断し、このDNA断片を用いて、参考例3に記
載の方法と同様にして約1.2kbp のDNA断片の塩基配
列を決定した。配列の一部を配列表の配列番号6番に示
す。 【0063】参考例5 (プラスミドpTX301の作製)配列表の配列番号6
に示したトマトのエンド型XG転移酵素遺伝子の配列に
基づいて、2種類のプライマー、TOMXSP、TOM
SAPをデザインし、合成した。それぞれの配列を配列
表の配列番号14、15に示す。TOMXSPは配列表
の配列番号6の塩基番号46〜66に対応する5′→
3′の向きに相当する配列の5′側に制限酵素XbaI
の切断部位を付加したもの、TOMSAPは塩基番号9
21〜941に対応する3′→5′の向きに相当する配
列の5′側に制限酵素SacIの切断部位を付加したも
のである。 【0064】鋳型として、参考例3で得られたcDNA
約1ng(1μl)を0.5ml用チューブにとり、ジーンア
ンプTMキット中の10×PCR緩衝液10μl、1.25
mMdNTP混合液16μl、アンプリタックTMDNAポ
リメラーゼ2.5U、及び0.1μg/μlのプライマーT
OMXSP及びTOMSAPそれぞれ1μlに滅菌蒸留
水を加えて100μlとし、ミネラルオイルを添加して
PCRに供した。反応条件は94℃(30秒)、37℃
(2分)、72℃(1分)のサイクルを25回繰返し
た。反応終了後、反応液を各々エタノール沈殿により濃
縮し、XbaI、SacIで切断後、それぞれ精製し、
バイナリーベクターpBI−H1−35S−IGの制限
酵素XbaIからSacIサイトの部位にサブクローニ
ングした。プライマーのTOMXSP及びTOMSAP
の対を用いて増幅されたDNA断片を挿入したプラスミ
ドをpTX301と命名した。なお、pTX301によ
り形質転換された大腸菌JM109株は、Escherichia
coli JM109/pTX301 と命名、表示され、工業技術院生命
工学工業技術研究所に、FERM BP−4223とし
て寄託されている。 【0065】 【実施例】以下に本発明を実施例をもって示すが、本発
明はこれらの実施例の範囲のみに限定されるものではな
い。 【0066】実施例1 トウモロコシ(Zea mays) 種子(雪印種苗社製)を発芽
させ、参考例2−と同様にして10μgのポリ(A)
+ RNAを抽出し、λEXloxTMイントロダクトリー
クローニングキットを用いてcDNAライブラリーを作
製した。すなわち、ジーン、第25巻、第263頁(1
983)に記載の方法に従い、cDNAを合成したあ
と、キット中にあるEcoRIリンカー及びHind IIIリンカ
ーを用いて、ベクターλEXLXにライゲーションした
後、cDNAライブラリーを作製した。参考例2で得ら
れた約1.1kbp のcDNA断片を、ランダムプライマー
DNAラベリングキットを用いて〔α−32P〕dCTP
で標識し、ハイブリダイゼーションのプローブとした。
上記の方法で作成したトウモロコシのcDNAライブラ
リーについてプラークハイブリダイゼーション法を行っ
た。1×104 個のプラークに対して、約1個の割合で
陽性プラークが得られた。これらのプラークより前述の
パラゾロらの方法に従い、λファージDNAからcDN
Aを含む断片をプラスミドとして回収した。このcDN
A断片を制限酵素EcoRI及びHind IIIにより切断し、ア
ガロースゲル電気泳動によりcDNA挿入断片の長さを
確認し、約1.2kbp のcDNA断片を確認した。このc
DNA断片を含むプラスミドをpCX101と命名し
た。得られた約1.2kbp のcDNA断片を数種の制限酵
素で切断し、アガロースゲル電気泳動により分析した。
その結果を図1に示す。すなわち、図1は約1.2kbp の
cDNA断片の制限酵素地図を示す図である。プラスミ
ドpCX101を用いて大腸菌JM109株を形質転換
し、形質転換体をEscherichia coli JM109/pCX101 と命
名、表示した。該菌株は、工業技術院生命工学工業技術
研究所にFERM P−13768として寄託されてい
る。 【0067】実施例2 イネエンド型XG転移酵素遺伝
子のクローニング イネ種子(鹿児島大学西谷和彦博士より提供)を発芽さ
せ、参考例2−と同様にして10μgのポリ(A)+
RNAを抽出し、λEXloxTMイントロダクトリーク
ローニングキットを用いてcDNAライブラリーを作製
した。すなわち、ジーン、第25巻、第263頁(19
83)に記載の方法に従い、cDNAを合成したあと、
キット中にあるEcoRIリンカー及びHind IIIリンカーを
用いて、ベクターλEXLXにライゲーションした後、
cDNAライブラリーを作製した。参考例2で得られた
約1.1kbp のcDNA断片を、ランダムプライマーDN
Aラベリングキットを用いて〔α−32P〕dCTPで標
識し、ハイブリダイゼーションのプローブとした。上記
の方法で作成したイネのcDNAライブラリーについて
プラークハイブリダイゼーション法を行った。1×10
4 個のプラークに対して、約1個の割合で陽性プラーク
が得られた。これらのプラークより前述のパラゾロらの
方法に従い、λファージDNAからcDNAを含む断片
をプラスミドとして回収した。このcDNA断片を制限
酵素EcoRI及びHind IIIにより切断し、アガロースゲル
電気泳動によりcDNA挿入断片の長さを確認し、約1.
1kbpのcDNA断片を確認した。このcDNA断片を
含むプラスミドをpRX102と命名した。得られた約
1.1kbp のcDNA断片を数種の制限酵素で切断し、ア
ガロースゲル電気泳動により分析した。その結果を図2
に示す。すなわち、図2は約1.1kbp のcDNA断片の
制限酵素地図を示す図である。プラスミドpRX102
を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、形質転換体
をEscherichia coli JM109/pRX102 と命名、表示した。
該菌株は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFER
M BP−4221として寄託されている。 【0068】実施例3 タバコエンド型XG転移酵素遺
伝子のクローニング及び塩基配列の決定 プラスミドpTX301を制限酵素XbaI及びSac
Iにより消化して得られた約930bpのDNA断片を、
ランダムプライマーDNAラベリングキットを用いて
〔α−32P〕dCTPで標識し、ハイブリダイゼーショ
ンのプローブとした。タバコ(Nicotiana tabacum)の葉
のmRNAより作製されたファージλ−ZAPIIを用い
たcDNAライブラリー(ストラタジーン社製)につい
てプラークハイブリダイゼーション法を行った。3.5×
105 個のプラークに対し、5個の割合で陽性プラーク
が得られた。PCRにより挿入断片の長さを確認し、約
0.7kbp 〜1.2kbp の長さのcDNAが挿入されている
ことを確認した。このうち、約1.2kbp のものを上記の
cDNAライブラリーのマニュアルに記載の方法により
λ−ZAPIIよりcDNAを含む断片をプラスミドとし
て回収し、得られたプラスミドをpNX101と命名し
た。pNX101を数種の制限酵素で切断し、アガロー
スゲル電気泳動により分析した。その結果を図3に示
す。すなわち図3は約1.2kbp のDNA断片の制限酵素
地図を示す図である。プラスミドpNX101を用いて
大腸菌JM109株を形質転換し、形質転換体をEscher
ichia coli JM109/pNX101 と命名、表示した。該菌株
は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P
−13803として寄託されている。 【0069】プラスミドpNX101を制限酵素Sac
I及びXbaIで切断し、キロシークエンス用デレーシ
ョンキット(宝酒造社製)を用いて、ベクターに組込ま
れたDNA断片をXbaIの認識配列側の末端より分解
し、種々の大きさの断片を含むクローンを得た。これら
のクローンを用い、サンガーの方法に従ってBcaBE
STTMダイデオキシシークエンシングキット(宝酒造社
製)を用いて約1.2kbp のDNA断片の塩基配列を決定
した。その塩基配列の一部を配列表の配列番号7に示
す。 【0070】 【発明の効果】本発明により、植物細胞壁の成長の機構
において重要な意義をもつ、XG分子量の転移反応に関
与するエンド型XG転移酵素をコードする遺伝子が提供
される。 【0071】 【配列表】 【0072】配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:N末端部分フラグメント 起源: 生物名:ビグナ アンギュラリス(Vigna angularis) 配列: Ala Asn Pro Arg Thr Pro Ile Asp Val Pro Phe Gly Arg Asn Tyr 1 5 10 15 Val Pro Thr Trp Ala Phe Asp His Ile Lys Tyr Leu Asn Gly Gly 20 25 30 【0073】配列番号:2 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ATCGAYGTGC CGTTYGGGMG NAAYTAYGT 29 【0074】配列番号:3 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CCGACGTGGG CGTTYGAYCA YATHAARTA 29 【0075】配列番号:4 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTTTTCCCAG TCACGACTTT TTTTTTTTTT TTTTTTT 37 【0076】配列番号:5 配列の長さ:1133 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源:生物名:ビグナ アンギュラリス(Vigna angular
is) 配列: GTTCTTCTTT GTGGACTTGT CTGATTCTGT TATCACTGGC TTCTGCTTCT TTCGCTGCCA 60 ACCCAAGAAC TCCAATTGAT GTACCATTTG GCAGAAACTA TGTGCCTACT TGGGCCTTTG 120 ATCATATCAA ATATCTCAAT GGAGGTTCTG AGATTCAGCT TCATCTCGAT AAGTACACTG 180 GTACTGGATT CCAGTCCAAA GGGTCATACT TGTTTGGTCA CTTCAGCATG TACATAAAAT 240 TGGTTCCTGG TGATTCAGCT GGCACAGTCA CTGCTTTCTA TTTATCGTCC ACAAACGCAG 300 AACATGATGA AATAGACTTC GAGTTCTTGG GAAACAGAAC TGGGCAACCA TACATTTTAC 360 AAACAAATGT GTTCACCGGA GGCAAAGGTG ACAGAGAGCA GAGAATCTAC CTCTGGTTTG 420 ACCCTACGAC TCAATACCAC AGATATTCAG TGCTATGGAA CATGTACCAG ATTGTATTCT 480 ATGTGGATGA CTACCCAATA AGGGTGTTCA AGAACAGCAA TGACTTGGGA GTGAAGTTCC 540 CCTTCAATCA ACCAATGAAA ATATACAACA GTTTGTGGAA TGCAGATGAC TGGGCTACAA 600 GGGGTGGTTT GGAGAAAACA GATTGGTCCA AAGCCCCCTT CATAGCCTCT TACAAGGGCT 660 TCCACATTGA TGGGTGTGAG GCCTCAGTGA ATGCCAAGTT CTGTGACACA CAAGGCAAGA 720 GGTGGTGGGA TCAACCAGAG TTTCGTGACC TTGATGCTGC TCAGTGGCAA AAACTGGCTT 780 GGGTACGCAA CAAATACACC ATCTACAACT ACTGCACTGA TCGCAAACGC TACTCTCAAG 840 TCCCTCCAGA GTGCACCAGA GACCGTGACA TTTAATCATT TTAACCTATA CTTTAAGGCC 900 TCATTATTTT CAATATCACA CTCCCATAAA GTTCCCACCT AAGTGCTGAT ACAGATTTCA 960 TTTGAGCTTG CTATTGCTTC CTGTATTGTT GATAATCATA TCATCATTTA TTGCTGCTAC 1020 TGTTTGGCTA TGTACCAGAT ATGGCTCTGT GCCTTAATTT GTATCTGTAA TTCTGTTTCA 1080 CTCTGAATCA ATATACTAGT AATACTACTA GTTTATACTG GTTAAAAAAA AAA 1133 【0077】配列番号:6 配列の長さ:1128 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源: 生物名:トマト(Lycopersicon esculentum) 配列: GAAAAATACA CAAACACTGG TCTCTGATTG GATTTGTTTT TCTCACCATG GGTATCATAA 60 AAGGAGTTTT ATTTAGTATT GTTTTGATTA ATTTGTCACT TGTTGTATTT TGTGGGTATC 120 CTAGAAGGCC AGTAGATGTG CCCTTTTGGA AAAACTATGA GCCAAGTTGG GCTAGTCACC 180 ATATTAAGTT CCTCAATGGT GGTACCACTA CTGATCTTAT TCTCGACAGA TCTTCAGGAG 240 CTGGATTTCA GTCAAAGAAA TCATATCTGT TTGGGCATTT CAGTATGAAA ATGAGGCTTG 300 TTGGTGGAGA CTCAGCTGGT GTTGTCACTG CATTTTACCT GTCATCGAAT AATGCAGAGC 360 ACGATGAGAT AGATTTTGAA TTTTTGGGGA ACAGAACTGG GCAGCCATAC ATATTGCAGA 420 CAAATGTATT CACAGGAGGA AAAGGAAACA GAGAACAGAG AATATATCTT TGGTTTGATC 480 CAACCAAGGG CTACCATTCT TATTCTGTTC TTTGGAATAC ATACCTCATT GTGATCTTTG 540 TGGACGACGT TCCAATTAGA GCATTCAAAA ATTCGAAAGA TCTTGGTGTG AAATTTCCAT 600 TCAATCAGCC CATGAAGATA TACTCGAGTC TATGGGACGC AGATGATTGG GCCACAAGAG 660 GTGGGCTTGA GAAAACCAAT TGGGCCAACG CCCCATTCAC CGCGTCATAC ACATCGTTCC 720 ACGTGGATGG ATGTGAAGCT GCCACGCCAC AAGAAGTCCA AGTTTGTAAC ACTAAAGGCA 780 TGAAATGGTG GGATCAAAAG GCCTTCCAAG ATTTAGATGC ATTACAGTAT AGGAGACTTC 840 GTTGGGTTCG TCAAAAATAC ACTGTTTATA ACTATTGCAC TGATAAAGCG AGGTACCCTG 900 TTCCACCACC AGAGTGCACT AAGGACAGAG ATATTTAAAA TCATAATCAA AATTAAGAGG 960 GACTTTATGA AGAAAAAAAA CTTAATATGC TTTATGTGTG AGTATTTTAA TGATCCTTAA 1020 AACAAAGTGC TTTTAATTGA GCTGTATTTC CCTAATTCTT TTTGAGTGTA TCATTATTGG 1080 TGGAGTCATG AGGATATTAT GTATCTCATG CCAGGCCTTT CATGTCTC 1128 【0078】配列番号:7 配列の長さ:888 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:NO 起源:生物名:タバコ(Nicotiana Tabacum) 配列: ATGGGTGTAA AAGGACTTTT GTTTAGTATT GTTTTGATTA ATTTGTCATT ACTAGGACTT 60 TGTGGGTATC CCAGAAAACC AGTGGATGTA CCCTTTTGGA AAAACTATGA GCCCAGTTGG 120 GCTAGTCACC ACATCAAGTA CCTCAGTGGT GGTTCCACTG TTGATCTTGT TCTTGACAGG 180 TCTTCAGGTG CTGGATTTCA GTCAAAGAAA TCATATTTGT TTGGGCACTT TAGCATGAAA 240 CTGAAGCTTG TTGGTGGAGA CTCAGCTGGC GTTGTCACTG CATTTTACCT GTCATCGAAT 300 AATGCAGAGC ACGATGAGAT AGATTTTGAA TTCTTAGGGA ACAGGACTGG GCAACCATAC 360 ATTTTGCAGA CAAATGTGTT CACGGGAGGA AAAGGAGACA GAGAGCAGAG AATCTATCTC 420 TGGTTTGACC CAACCAAGGG TTACCATTCT TATTCTGTTC TTTGGAATAC CTTCCAGATT 480 GTGATCTTTG TGGATGACGT CCCAATTAGA GCATTCAAGA ACTCAAAAGA CCTAGGTGTG 540 AAATTTCCAT TCAATCAGCC CATGAAAATA TACTCAAGCC TTTGGGATGC AGATGATTGG 600 GCCACAAGAG GTGGATTGGA GAAAACAGAC TGGTCCAATG CCCCATTTAC TGCCTCCTAC 660 ACATCATTCC ACGTGGACGG CTGTGAAGCT GCCACCCCAC AAGAAGTCCA AGTTTGTAAC 720 ACCAAAGGCA TGAGATGGTG GGATCAAAAG GCTTTCCAAG ATTTAGATGC TTTACAATAC 780 AGGAGACTTC GTTGGGTTCG CCAAAAATAC ACTATTTATA ATTATTGTAC TGATAGGAAG 840 AGGTACCCTA CACTTCCCCC AGAGTGCACT AAGGACAGAG ATATTTAA 888 【0079】配列番号:8 配列の長さ:888 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源:生物名:タバコ(Nicotiana Tabacum) 配列: TTAAATATCT CTGTCCTTAG TGCACTCTGG GGGAAGTGTA GGGTACCTCT TCCTATCAGT 60 ACAATAATTA TAAATAGTGT ATTTTTGGCG AACCCAACGA AGTCTCCTGT ATTGTAAAGC 120 ATCTAAATCT TGGAAAGCCT TTTGATCCCA CCATCTCATG CCTTTGGTGT TACAAACTTG 180 GACTTCTTGT GGGGTGGCAG CTTCACAGCC GTCCACGTGG AATGATGTGT AGGAGGCAGT 240 AAATGGGGCA TTGGACCAGT CTGTTTTCTC CAATCCACCT CTTGTGGCCC AATCATCTGC 300 ATCCCAAAGG CTTGAGTATA TTTTCATGGG CTGATTGAAT GGAAATTTCA CACCTAGGTC 360 TTTTGAGTTC TTGAATGCTC TAATTGGGAC GTCATCCACA AAGATCACAA TCTGGAAGGT 420 ATTCCAAAGA ACAGAATAAG AATGGTAACC CTTGGTTGGG TCAAACCAGA GATAGATTCT 480 CTGCTCTCTG TCTCCTTTTC CTCCCGTGAA CACATTTGTC TGCAAAATGT ATGGTTGCCC 540 AGTCCTGTTC CCTAAGAATT CAAAATCTAT CTCATCGTGC TCTGCATTAT TCGATGACAG 600 GTAAAATGCA GTGACAACGC CAGCTGAGTC TCCACCAACA AGCTTCAGTT TCATGCTAAA 660 GTGCCCAAAC AAATATGATT TCTTTGACTG AAATCCAGCA CCTGAAGACC TGTCAAGAAC 720 AAGATCAACA GTGGAACCAC CACTGAGGTA CTTGATGTGG TGACTAGCCC AACTGGGCTC 780 ATAGTTTTTC CAAAAGGGTA CATCCACTGG TTTTCTGGGA TACCCACAAA GTCCTAGTAA 840 TGACAAATTA ATCAAAACAA TACTAAACAA AAGTCCTTTT ACACCCAT 888 【0080】配列番号:9 配列の長さ:888 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA ハイポセティカル配列:NO アンチセンス:YES 起源:生物名:タバコ(Nicotiana Tabacum) 配列: UUAAAUAUCU CUGUCCUUAG UGCACUCUGG GGGAAGUGUA GGGUACCUCU UCCUAUCAGU 60 ACAAUAAUUA UAAAUAGUGU AUUUUUGGCG AACCCAACGA AGUCUCCUGU AUUGUAAAGC 120 AUCUAAAUCU UGGAAAGCCU UUUGAUCCCA CCAUCUCAUG CCUUUGGUGU UACAAACUUG 180 GACUUCUUGU GGGGUGGCAG CUUCACAGCC GUCCACGUGG AAUGAUGUGU AGGAGGCAGU 240 AAAUGGGGCA UUGGACCAGU CUGUUUUCUC CAAUCCACCU CUUGUGGCCC AAUCAUCUGC 300 AUCCCAAAGG CUUGAGUAUA UUUUCAUGGG CUGAUUGAAU GGAAAUUUCA CACCUAGGUC 360 UUUUGAGUUC UUGAAUGCUC UAAUUGGGAC GUCAUCCACA AAGAUCACAA UCUGGAAGGU 420 AUUCCAAAGA ACAGAAUAAG AAUGGUAACC CUUGGUUGGG UCAAACCAGA GAUAGAUUCU 480 CUGCUCUCUG UCUCCUUUUC CUCCCGUGAA CACAUUUGUC UGCAAAAUGU AUGGUUGCCC 540 AGUCCUGUUC CCUAAGAAUU CAAAAUCUAU CUCAUCGUGC UCUGCAUUAU UCGAUGACAG 600 GUAAAAUGCA GUGACAACGC CAGCUGAGUC UCCACCAACA AGCUUCAGUU UCAUGCUAAA 660 GUGCCCAAAC AAAUAUGAUU UCUUUGACUG AAAUCCAGCA CCUGAAGACC UGUCAAGAAC 720 AAGAUCAACA GUGGAACCAC CACUGAGGUA CUUGAUGUGG UGACUAGCCC AACUGGGCUC 780 AUAGUUUUUC CAAAAGGGUA CAUCCACUGG UUUUCUGGGA UACCCACAAA GUCCUAGUAA 840 UGACAAAUUA AUCAAAACAA UACUAAACAA AAGUCCUUUU ACACCCAU 888 【0081】配列番号:10 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GAGGAGCTCC CATGGGTGTA AAAGGACTTT 30 【0082】配列番号:11 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TAATCTAGAT ACTTAAATAT CTCTGTCCTT 30 【0083】配列番号:12 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GAGTCTAGAC CATGGGTGTA AAAGGACTTT 30 【0084】配列番号:13 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TAAGAGCTCT ACTTAAATAT CTCTGTCCTT 30 【0085】配列番号:14 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTTTCTAGAC CATGGGTATC ATAAAAGGAG 30 【0086】配列番号:15 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTTGAGCTCC CATGGGTATC ATAAAAGGAG 30
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。 【図2】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。 【図3】本発明のエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。 【図4】ビグナ アンギュラリスのエンド型XG転移酵
素の反応の生成物をPADにより測定したクロマトグラ
フを示す図である。 【図5】ビグナ アンギュラリスのエンド型XG転移酵
素をコードする遺伝子断片の一例の制限酵素地図を示す
図である。 【図6】トマトのエンド型XG転移酵素をコードする遺
伝子断片の一例の制限酵素地図を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 浅田 起代蔵 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−86670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 ZNA SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/MEDLINE/WPID S(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 Escherichia coli JM O /pCX O (F
    ERM P −13768 ) に保持されているプラスミドであ
    pCX 101を制限酵素 EcoRI 及びH indIII により切断し
    て得られる、下記(1)に示す制限酵素地図で表される
    約1.2 _kbp_ のDNA断片、 Escheri chia coli J
    M O /pRX O (FERM BP −4221 ) に保持されてい
    るプラスミドである pRX 102を制限酵素 EcoRI 及びH in
    dIII により切断して得られる、下記(2)に示す制限酵
    素地図で表される約1.1 _kbp_ のDNA断片、並びに E
    scherichia coli JM O /pNX O (FERM P −138
    03 ) に保持されているプラスミドである pNX 101を
    制限酵素 SacI 及び XbaI により切断して得られる、下記
    (3)に示す制限酵素地図で表される約1.2 _kbp_
    DNA断片から選択されるDNAに含まれることを特徴
    とするエンド型キシログルカン転移酵素遺伝子をコー
    ドする遺伝子。
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