JP4880859B2 - 新規カルボニル還元酵素、その遺伝子、およびその利用法 - Google Patents

新規カルボニル還元酵素、その遺伝子、およびその利用法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、新規ポリペプチド、該ポリペプチドをコードする遺伝子、該ポリペプチドを発現するための発現ベクター、該発現ベクターを用いて宿主を形質転換して得られた形質転換体、および該形質転換体を用いた、医薬等の合成原料として有用な化合物の製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を持つ微生物より単離された、該酵素活性を有するポリペプチド、該ポリペプチドをコードするDNA、該DNAを含む発現ベクター、および該発現ベクターで形質転換された形質転換体に関する。本発明はまた、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造方法に関する。
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールはβ−ラクタム系抗生物質やジヒドロピリジン系化合物等の医薬品の合成中間体として有用な化合物である。
背景技術
光学活性(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造方法としては、光学活性な化合物から合成する方法や、プロキラルな化合物から出発して不斉合成または光学分割する方法が知られている。このような方法として、特開平6−141876号公報には、N−ベンジル−3−ピロリジノンを立体選択的に還元する活性を有する酵素の存在下、このN−ベンジル−3−ピロリジノンを立体選択的に還元して光学活性N−ベンジル−3−ピロリジノールを製造する方法が開示されている。また、特開平10−150997号公報には、N−ベンジル−3−ピロリジノンに微生物の菌体、培養物又はそれらの処理物を作用させて光学活性N−ベンジル−3−ピロリジノールを製造する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法はその基質仕込み濃度および基質から生成物への転換率が低く、実用に耐えるものではなかった。
発明の要約
本発明者らは、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する微生物由来のポリペプチドを見出し、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを効率良く製造することが可能であることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成し得るポリペプチドを提供することを課題とする。さらに、本発明は、遺伝子組換え技術を利用して該ポリペプチドを効率よく生産することを課題とする。また、本発明は、該ポリペプチドとグルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドを同時に高生産する形質転換体を提供し、さらに、該形質転換体を用いた実用的な(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造方法を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、以下の(1)から(5)の理化学的性質を有するポリペプチドである:
(1)作用:NADPHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する、
(2)作用至適pH:4.5から5.5、
(3)作用至適温度:40℃から45℃、
(4)分子量:ゲル濾過分析において約29000、SDSポリアクリルアミド電気泳動分析において約35000、
(5)阻害剤:二価銅イオンにより阻害される。
また本発明は、以下の(a)又は(b)のポリペプチドである:
(a)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド:
(b)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつN−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチド。
さらに本発明は、これらポリペプチドをコードするDNAである。または、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAであって、配列表の配列番号2で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであるか、または、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAであって、配列表の配列番号2で示される塩基配列と少なくとも60%の配列同一性を有するDNAでもある。
さらには、これらDNAを含む発現ベクター、およびこのような発現ベクターを含む形質転換体でもある。
また本発明は、これら形質転換体および/またはそれらの処理物を、N−ベンジル−3−ピロリジノンと反応させる工程、並びに、生成した(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを採取する工程からなる、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造方法でもある。
発明の詳細な開示
以下に本発明を詳述する。
まず、本発明のポリペプチドについて説明する。
本発明のポリペプチドは、以下の式(I)で表されるN−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して、以下の式(II)で表される(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するものである。
Figure 0004880859
このようなポリペプチドとして、以下の(1)から(5)の理化学的性質を有する酵素を挙げることができる。
(1)作用:NADPHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する、
(2)作用至適pH:4.5から5.5、
(3)作用至適温度:40℃から45℃、
(4)分子量:ゲル濾過分析において約29000、SDSポリアクリルアミド電気泳動分析において約35000、
(5)阻害剤:二価銅イオンにより阻害される。
本発明において、ポリペプチドの酵素活性は、100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に、基質N−ベンジル−3−ピロリジノン1mM、補酵素NADPH0.167mMおよび酵素を添加し、30℃で波長340nmの吸光度の減少を測定することにより実施する。
該ペプチドの作用至適pH、作用至適温度は、例えば、上述の還元活性測定系の反応pH、反応温度を変えて還元活性を測定することによって決定する。
該ペプチドのゲル濾過分析による分子量は、ゲル濾過において標準タンパク質の相対溶出時間から算出することにより決定する。また、SDSポリアクリルアミド電気泳動分析による分子量は、SDSポリアクリルアミド電気泳動において標準タンパク質の相対移動度から算出することにより決定する。
阻害剤は、例えば、上述の還元活性測定系に種々の化合物を添加して還元活性を測定することによって決定する。
本発明のポリペプチドは、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する活性を有する微生物から取得することができる。従って、ポリペプチドの起源として用いられる微生物は特に限定されないが、例えばミクロコッカス(Micrococcus)属に属する微生物が挙げられ、特に好ましいものとしてはミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)IFO13867株を挙げることができる。本発明のポリペプチドを生産する微生物は、野生株または変異株のいずれでもあり得る。あるいは、細胞融合または遺伝子操作などの遺伝学的手法により誘導された微生物も用いられ得る。遺伝子操作された本発明のポリペプチドを生産する微生物は、例えば、これらの酵素を単離および/または精製して酵素のアミノ酸配列の一部または全部を決定する工程、このアミノ酸配列に基づいて該酵素をコードする塩基配列を決定する工程、このアミノ酸配列に基づいて該酵素をコードする塩基配列を得る工程、および、この塩基配列を他の微生物に導入して組換え微生物を得る工程からなる方法により得られ得る。
本発明のポリペプチドを生産する微生物のための培養培地としては、その微生物が増殖する限り、通常の、炭素源、窒素源、無機塩類、有機栄養素などを含む液体栄養培地が用いられ得る。
本明細書で用いられる用語「微生物の培養物」は、微生物の菌体または菌体を含む培養液を意味し、そして「その処理物」は、微生物の菌体または菌体を含む培養液から抽出または精製などの処理を行って得られた抽出物または精製物を意味する。
本発明のポリペプチドを生産する微生物からの該ポリペプチドの精製は、常法により行い得る。例えば、該微生物の菌体を適当な培地で培養し、培養液から遠心分離により菌体を集める。得られた菌体を例えば、超音波破砕機などで破砕し、遠心分離にて菌体残渣を除き、無細胞抽出液を得る。この無細胞抽出液に、例えば、塩析(硫酸アンモニウム沈殿、リン酸ナトリウム沈殿など)、溶媒沈殿(アセトンまたはエタノールなどによる蛋白質分画沈殿法)、透析、ゲル濾過、イオン交換、逆相等のカラムクロマトグラフィー、限外濾過等の手法を単独で、または組み合わせて用いて、ポリペプチドが精製され得る。
本発明のポリペプチドは、上述のように微生物から取得する天然酵素であってもよいし、組換え酵素であってもよい。天然酵素としては、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。
また、本発明のポリペプチドは、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつN−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチドであってもよい。
このようなポリペプチドは、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドから、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,Inc.,1989)等に記載の公知の方法に準じて調製することができる。
ここで、「N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有する」とは、上述のような還元活性測定条件下でN−ベンジル−3−ピロリジノンと反応させた場合に、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを用いた場合の10%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上の収率で(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成することをいう。
次に、本発明のDNAについて説明する。
本発明のDNAとしては、上記のようなポリペプチドをコードするDNAであればよい。配列表の配列番号2で示される塩基配列からなるDNAであってもよいし、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチドをコードし、かつ、配列表の配列番号2で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであってもよい。
「配列表の配列番号2で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA」とは、配列表の配列番号2で示される塩基配列からなるDNAをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、あるいはサザンハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味する。具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃の条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAを挙げることができる。
ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning,A laboratory manual,second edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)等に記載されている方法に準じて行うことができる。
また、本発明のDNAは、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチドをコードし、かつ、配列表の配列番号2で示される塩基配列と、少なくとも60%の配列同一性、好ましくは少なくとも80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するDNAであってもよい。
用語「配列同一性」は、対比される2つの塩基配列が同一であることを意味し、対比される2つの塩基配列間の配列同一性の割合(%)は、対比される2つの塩基配列を最適に整列させた後、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、U、またはI)が両方の配列で生じて適合した位置の数を得て適合位置数とし、適合した位置の数を比較塩基総数で除し、そして、この結果に100を乗じて計算される。配列同一性は、例えば、以下の配列分析用ツールを用いて算出し得る:UnixベースのGCG Wisconsin Package(Program Manual for the Wisconsin Package、Version8、1994年9月、Genetics Computer Group、575 Science Drive Madison、Wisconsin、USA53711;Rice、P.(1996)Program Manual for EGCG Package、Peter Rice、The Sanger Centre、Hinxton Hall、Cambridge、CB10 1RQ、England)およびthe ExPASy World Wide Web分子生物学用サーバー(Geneva University Hospital and University of Geneva、Geneva、Switzerland)。
本発明のDNAは、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有する微生物より取得することができる。該微生物として、例えばミクロコッカス(Micrococcus)属に属する微生物が挙げられ、特に好ましいものとしてはミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)IFO13867株を挙げることができる。
以下に、N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有する微生物より、本発明のDNAを取得する方法の例を記載する。
まず、精製した該ポリペプチド、および該ポリペプチドを適当なエンドペプチダーゼで消化することにより得られるペプチド断片の部分アミノ酸配列を、エドマン法により決定する。そして、このアミノ酸配列情報をもとにDNAプライマーを合成する。次に、該DNAの起源となる微生物より、通常のDNA単離法、例えば、Murray等の方法(Nucl.,Acids Res.8:4321−4325(1980))により、該微生物の染色体DNAを調製する。この染色体DNAを鋳型として、先述のDNAプライマーを用いてPCRを行い、該ポリペプチド遺伝子の一部を増幅する。さらに、ここで増幅された該ポリペプチド遺伝子の一部を通常用いられる方法、例えばランダムプライムラベリング法(Anal.Biochem.,132,6(1983))で標識し、DNAプローブを調製する。該微生物の染色体DNAを適当な制限酵素により切断し、該制限酵素切断断片をベクターに組み込み、これを適当な宿主細胞に導入することにより、該微生物染色体のDNAライブラリーを構築する。先述のDNAプローブを用いて、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法等により、このDNAライブラリーのスクリーニングを行い、該ポリペプチド遺伝子を含むDNAを得ることができる。このようにして得られた該ポリペプチド遺伝子を含むDNA断片の塩基配列は、ジデオキシ・シークエンス法、ジデオキシ・チェイン・ターミネイション法などにより決定することができる。例えば、ABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(Perkin Elmer社製)およびABI 373A DNA Seqencer(Perkin Elmer社製)を用いて行われ得る。
次に、本発明の発現ベクター及び形質転換体について説明する。
本発明のDNAをベクターに組込み、これを宿主内に導入してなる形質転換体内で酵素遺伝子を発現させることができる。このために用いられるベクターとしては、適当な宿主内で該酵素遺伝子を発現できるものであればいずれもが用いられ得る。このようなベクターとしては、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、コスミドベクターなどが挙げられる。また、他の宿主株との間で遺伝子交換が可能なシャトルベクターであってもよい。このようなベクターは、通常、lacUV5プロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、lppプロモーター、tufBプロモーター、recAプロモーター、pLプロモーター等の制御因子を含み、本発明のDNAと作動可能に連結された発現単位を含む発現ベクターとして好適に用いられ得る。
本願明細書で用いる用語「制御因子」は、機能的プロモーターおよび、任意の関連する転写要素(例えば、エンハンサー、CCAATボックス、TATAボックス、SPI部位など)を有する塩基配列をいう。
本願明細書で用いる用語「作動可能に連結」は、遺伝子が発現するように、DNAと、その発現を調節するプロモーター、エンハンサー等の種々の調節エレメントとが宿主中で作動し得る状態で連結されることをいう。制御因子のタイプおよび種類が、宿主に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
本発明のDNAを含む発現ベクターを導入する宿主としては、細菌、酵母、糸状菌、植物細胞、動物細胞などがあげられるが、大腸菌が特に好ましい。本発明のDNAは常法により宿主に導入され得る。宿主として大腸菌を用いる場合、例えば塩化カルシウム法により、本発明のDNAを導入することができる。
本発明のDNAを用いてN−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生産する場合、NADPH、NADH等の補酵素が必要となる。しかし、酸化された該補酵素を還元型に変換する能力(以後、補酵素再生能と呼ぶ)を有する酵素をその基質とともに、つまり補酵素再生系を本発明のポリペプチドと組み合わせて反応を行うことにより、高価な補酵素の使用量を大幅に削減することができる。補酵素再生能を有する酵素としては、例えば、ヒドロゲナーゼ、ギ酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、グルコース−6−リン酸脱水素およびグルコース脱水素酵素などを用いることが出来る。好適には、グルコース脱水素酵素が用いられる。
このような反応は、補酵素再生系を不斉還元反応系内に添加することによっても行われ得るが、本発明のDNA及びグルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAの両者を含む形質転換体を用いた場合、補酵素再生能を有する酵素を別に調製し反応系内に添加することなしに、該反応を効率良く実施し得る。このような形質転換体は、本発明のDNA及びグルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAを、同一のベクターに組込み、これを宿主に導入することにより得られるし、また、これら2種のDNAを不和合性グループの異なる2種のベクターにそれぞれ組み込み、それらを同一の宿主に導入することによっても得られる。すなわち、本発明のDNAとグルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAとを含む発現ベクターを含む形質転換体や、本発明のDNAを含む第一の発現ベクターと、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAを含む発現ベクターとの両方を含む形質転換体を使用できる。グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドとしては、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)由来のものが好ましい。
形質転換体中のグルコース脱水素酵素活性は、1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に、基質グルコース0.1M、補酵素NADP2mMおよび酵素を添加し、25℃で波長340nmの吸光度の増加を測定することにより実施する。
次に、本発明の形質転換体を用いた(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの生産について説明する。
このような製造方法は、上記形質転換体および/またはそれらの処理物を、N−ベンジル−3−ピロリジノンと反応させる工程、および、生成した(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを採取する工程からなる。
以下、具体的に説明する。まず最初に、適当な溶媒中に基質N−ベンジル−3−ピロリジノン、NADPH等の補酵素、および該形質転換体の培養物および/またはその処理物等を添加し、pH調整下、攪拌して反応させる。この反応は10℃〜70℃の温度で行われ、反応中反応液のpHは4〜10に維持する。反応はバッチ方式あるいは連続方式で行われ得る。バッチ方式の場合、反応基質は0.1%から70%(w/v)の仕込み濃度で添加される。ここで形質転換体の処理物等とは、例えば、粗抽出液、培養菌体、凍結乾燥生物体、アセトン乾燥生物体、あるいはそれらの磨砕物等を意味する。さらにそれらは、酵素自体あるいは菌体のまま公知の手段で固定化されて用いられ得る。また、本反応は、補酵素再生系の存在下で行うことが好ましい。例えば、本反応を行う際、形質転換体として本発明のポリペプチドとグルコース脱水素酵素の両者を生産するものを用いる場合、反応系にさらにグルコースを添加することにより、補酵素の使用量を大幅に減らすことが可能である。
反応で生じた(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールは常法により採取され得る。例えば、必要に応じ遠心分離、濾過などの処理を施して菌体等の懸濁物を除去した後、水酸化ナトリウム等を添加し反応液を塩基性にし、酢酸エチル、トルエン等の有機溶媒で抽出した後、有機溶媒を減圧下で除去する。さらに蒸留またはクロマトグラフィー等の処理を行うことにより、精製され得る。
本反応において、基質となるN−ベンジル−3−ピロリジノンは、例えば、特開昭54−16466号公報に記載の方法で調製され得る。
N−ベンジル−3−ピロリジノン、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの定量は、ガスクロマトグラフィー(カラム:UniportB 10%PEG−20M(3.0mmID×1.0m)、カラム温度:200℃、キャリアガス:窒素、検出;FID)で行い得る。また、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの光学純度の測定は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:Chiralcel OB(ダイセル化学工業社製)、溶離液:n−ヘキサン/イソプロパノール/ジエチルアミン=950/50/1、流速:1ml/min、検出:254nm)で行い得る。
以上のように、本発明に従えば、本発明に含まれるポリペプチドの効率的生産が可能であり、それを利用することにより、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの優れた製造法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
以下の実施例において用いた組換えDNA技術に関する詳細な操作方法などは、次の成書に記載されている。
Molecular Cloning 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)
Current Protocols in Molecular Biology(Greene Publishing Associates and Wiley−Interscience)
(実施例1:酵素の精製)
以下の方法に従って、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus lteus)IFO13867株よりN−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する活性を有する酵素を単一に精製した。
(ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus lteus)IFO13867株の培養)
2L容坂口フラスコに下記の組成からなる液体培地400mlを調製し、120℃で20分間蒸気殺菌をおこなった。
培地組成:
トリプトン 1.6%(w/v)
イーストエキス 1.0%(w/v)
NaCl 0.5%(w/v)
水道水
pH7.0
この培地に、予め同培地にて前培養しておいたミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus lteus)IFO13867株の培養液を1mlずつ接種し、30℃で50時間振とう培養した。
(無細胞抽出液の調製)
上記の培養液2Lから遠心分離により菌体を集め、生理食塩水にて菌体を洗浄した。このようにして,該菌株の湿菌体42gを得た。この湿菌体を170mlの100mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した後、2−メルカプトエタノールおよびフッ化フェニルメチルスルホニルをそれぞれ終濃度5mMおよび0.1mMとなるよう添加し、菌体をSONIFIRE250(BRANSON社製)を用いて超音波破砕した。この菌体破砕物から遠心分離にて菌体残渣を除き、無細胞抽出液180mlを得た。
(硫酸アンモニウム分画)
上記で得た無細胞抽出液に40%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加、溶解し、生じた沈殿を遠心分離により除去した(この際無細胞抽出液のpHをアンモニア水でpH7.0に維持しながら行った)。先と同様pH7.0を維持しながら、この遠心上清に65%飽和となるようさらに硫酸アンモニウムを添加、溶解し、生じた沈殿を遠心分離により集めた。この沈殿を5mMの2−メルカプトエタノールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、同一緩衝液で1夜透析した。
(Phenyl sepharoseカラムクロマトグラフィー)
上記で得られた粗酵素液に終濃度1Mとなるよう硫酸アンモニウムを溶解し(この際粗酵素液のpHをアンモニア水でpH7.0に維持しながら行った)、5mMの2−メルカプトエタノールおよび1Mの硫酸アンモニウムを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したPhenyl sepharose CL−4B(Pharmacia Biotech社製)カラム(130ml)に供し、酵素を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、硫酸アンモニウム(1Mから0Mまで)のリニアグラジエントにより活性画分を溶出させた。活性画分を集め、5mMの2−メルカプトエタノールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて1夜透析を行った。
(DEAE sepharoseカラムクロマトグラフィー)
上記で得られた粗酵素液を、5mMの2−メルカプトエタノールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したDEAE sepharose CL−4B(Pharmacia Biotech社製)カラム(20ml)に供し、酵素を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、NaCl(0Mから1.0Mまで)のリニアグラジエントにより活性画分を溶出させた。活性画分を集め、5mMの2−メルカプトエタノールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて1夜透析を行った。
(Blue sepharoseカラムクロマトグラフィー)
上記で得られた粗酵素液を、5mMの2−メルカプトエタノールを含む20mMリン酸緩衝液(pH6.0)で予め平衡化したBlue sepharose CL−6B(Pharmacia Biotech社製)カラム(10ml)に供し、酵素を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、NaCl(0Mから0.5Mまで)のリニアグラジエントにより活性画分を溶出させた。活性画分を集め、5mMの2−メルカプトエタノールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて1夜透析を行った。
(ゲル濾過)
上記で得られた粗酵素液を、5mMの2−メルカプトエタノールおよび100mMの硫酸ナトリウムを含む100mMリン酸緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したTSK−GEL G3000 SWXLカラム(東ソー株式会社製)に供し、同一緩衝液で活性画分を溶出させた。活性画分を集め、5mMの2−メルカプトエタノールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて1夜透析を行い、電気泳動的に単一な精製酵素標品を得た。以後、この酵素をBRDと呼ぶことにする。
(実施例2:酵素の性質の測定)
得られた酵素の酵素学的性質について検討した。酵素活性の測定は、基本的には、100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に、基質N−ベンジル−3−ピロリジノン1mM、補酵素NADPH0.167mMおよび酵素を添加し、30℃で1分間反応させ、波長340nmの吸光度の減少を測定することにより行った。
(1)作用:
NADPHを補酵素として、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用し、99%ee以上の光学純度で(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成した。
(2)作用至適pH:
緩衝液としてリン酸緩衝液および酢酸緩衝液を用いて、pH4.0〜7.0の範囲で、上記方法で酵素活性を測定した。その結果、N−ベンジル−3−ピロリジノンに作用する至適pHは4.5〜5.5であった。
(3)作用至適温度:
20℃〜60℃の温度で、N−ベンジル−3−ピロリジノンを基質とした場合の本酵素の活性を、1分間の反応で測定した。その結果、至適温度は40℃〜45℃であった。
(4)分子量:
ゲル濾過による本酵素の分子量の測定は、TSK−GEL G3000 SWXLカラム(東ソー株式会社製)を、溶離液としては5mMの2−メルカプトエタノールおよび100mMの硫酸ナトリウムを含む100mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いた。酵素のサブユニットの分子量はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、標準タンパク質の相対移動度から算出した。その結果、本酵素の分子量はゲル濾過分析において約29000、SDSポリアクリルアミド電気泳動分析において約35000であった。
(5)阻害剤:
表1に示す各種金属イオン,阻害剤を添加して反応を行い,無添加の場合の活性を100%として、それらを添加した際の相対活性を調べた。表1に示す様に本酵素は二価銅イオンによって阻害を受けた。
Figure 0004880859
(実施例3:BRD遺伝子のクローニング)
(合成オリゴヌクレオチドプローブの作成)
実施例1で得られた精製BRDを牛膵臓由来のトリプシン(和光純薬工業株式会社製)で消化し、得られたペプチド断片のアミノ酸配列をABI492型プロテインシーケンサー(パーキンエルマー社製)により決定した。このアミノ酸配列をもとに、配列表の配列番号3および配列番号4に示す2種のDNAプライマーを常法に従って合成した。
(PCRによるBRD遺伝子の増幅)
ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus lteus)IFO13867株の培養菌体からMurray等の方法(Nucl.,Acids Res.8:4321−4325(1980))に従って染色体DNAを抽出した。次に、上記で調製したDNAプライマーを用い、得られた染色体DNAを鋳型としてPCRを行ったところ、BRD遺伝子の一部と考えられる約250bpのDNA断片が増幅された。
(染色体DNAライブラリーの作成)
ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus lteus)IFO13867株の染色体DNAを制限酵素BamHIで完全消化した後、アガロースゲル電気泳動により分離した。次に、上記で得られた約250bpのDNA断片をプローブとして用い、サザン法(J.Mol.Biol.,98,503(1975))により該染色体DNA消化物の解析を行った(DNAプローブの標識およびその検出はGene Imagesラベリング・検出システム(アマシャム株式会社製)を用いて行った)。その結果、約4.5kbのDNA断片が該DNAプローブとハイブリダイズすることが判った。
そこで、該消化物をアガロースゲル電気泳動により分離した後、4.3kbから6.2kbのDNA断片を回収した。これらのDNA断片をベクタープラスミドpUC19(宝酒造株式会社製)のBamHI部位に挿入した後、大腸菌JM109株(宝酒造株式会社製)に導入し、同菌株の染色体DNAライブラリーを作成した。
(染色体DNAライブラリーのスクリーニング)
上記で得られたDNA断片をプローブとして用い、コロニーハイブリダイゼーション法により上記で作成した染色体DNAライブラリーのスクリーニングを行った(DNAプローブの標識およびその検出はGene Imagesラベリング・検出システム(アマシャム株式会社製)を用い、実験手順も同システムの取り扱い説明書に従った)。その結果、1個の陽性コロニーが得られた。そこで、この陽性コロニーから得られた約4.5kbのDNAが挿入された組換えプラスミドpUC−BBをBRD遺伝子を含む染色体DNAクローンとして選択した。
(塩基配列の決定)
上記で得られた組換えプラスミドpUC−BBについて、種々の制限酵素を作用させた際に生じる消化断片の解析を行い、制限酵素切断地図を作成した。次に、この解析の際に得られた各種DNA断片をpUC19のマルチクローニングサイトに挿入した組換えプラスミドを構築した。これらの組換えプラスミドを用いて、各々の挿入断片の塩基配列分析をABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(Perkin Elmer社製)およびABI 373A DNA Sequencer(Perkin Elmer社製)を用いて行い、目的遺伝子が含まれると予想される約1.4kbのDNA断片の塩基配列を決定した。その塩基配列を図1に示した。また、この塩基配列中の構造遺伝子部分については、その塩基配列から推定されるアミノ酸配列を図1中で塩基配列の下段に示した。このアミノ酸配列と、精製BRDのトリプシン消化断片の部分アミノ酸配列を比較した結果、精製BRDの部分アミノ酸配列は全て、塩基配列から推定されるアミノ酸配列中に存在し、その部分で完全に一致した(図1中のアミノ酸配列の下線部分)。このことから、本遺伝子がBRD遺伝子であると判断した。
(実施例4:BRD遺伝子を含む組換えプラスミドの作製)
BRDの構造遺伝子の開始コドン部分にNdeI部位を付加し、さらに3’末端の直後に終止コドン(TAA)とEcoRI切断点を付加した二本鎖DNAを以下の方法により取得した。実施例3で決定された塩基配列を基に、BRD遺伝子の開始コドン部分にNdeI部位を付加したN末端DNAプライマー、および同遺伝子の3’末端の直後に終止コドン(TAA)とEcoRI部位を付加したC末端DNAプライマーを合成した。これら2つのプライマーの塩基配列を配列表の配列番号5および配列番号6に示した。これら2つの合成DNAプライマーを用い、実施例3で得たプラスミドpUC−BBを鋳型としてPCRにより二本鎖DNAを増幅した。得られたDNA断片をNdeIおよびEcoRIで消化し、プラスミドpUCNT(WO94/03613)のlacプロモーターの下流のNdeI、EcoRI部位に挿入することにより、組換えプラスミドpNTBRを得た。
(実施例5:BRD遺伝子上流へのShaine−Dalgarno配列の付加)
BRD遺伝子を大腸菌内で高発現させるため、実施例4で調製したプラスミドpNTBR中の同遺伝子の開始コドンの上流に大腸菌のShaine−Dalgarno配列(9塩基)を新たに付加したプラスミドを以下のように取得した。まず、PCR法により実施例4で使用した大腸菌発現ベクターpUCNTのNdeI部位中のGをTに変換し、プラスミドpUCTを構築した。次に、配列表の配列番号2に示したBRD遺伝子の開始コドンから5塩基上流に大腸菌のShaine−Dalgarno配列(9塩基)を、さらにその直前にEcoRI部位を付加したN末端DNAプライマーと、同遺伝子の3’末端の直後にSacI部位を付加したC末端DNAプライマーを常法に従って合成した。これら2つのプライマーの塩基配列を配列表の配列番号7および配列番号8に示した。これら2つのDNAプライマーを用い、実施例4で構築したプラスミドpNTBRを鋳型としたPCRにより二本鎖DNAを合成した。得られたDNA断片をEcoRIおよびSacIで消化し、プラスミドpUCTのEcoRI、SacI部位(lacプロモーター下流)に挿入した組換えプラスミドpTBHを得た。
(実施例6:BRD遺伝子のGC比の低減)
さらにBRD遺伝子を大腸菌内で高発現させるため、実施例5で構築したプラスミドpTBH中の同遺伝子の1塩基目から118塩基目までを、そのコードするアミノ酸配列を変えることなくGC比の小さいDNAに置き換えたプラスミドpTSBHを以下のように構築した。
常法に従い配列表の配列番号9に示した配列からなる2本鎖DNAを調製し、これをEcoRIとXhoIで消化した後、同制限酵素による消化でpTBHから切り出されるBRD遺伝子の5’末端部分を含むDNA断片と入れ替えたプラスミドpTSBHを得た。
(実施例7:BRD遺伝子およびグルコース脱水素酵素遺伝子の両者を含む組換えプラスミドの作製)
バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)IAM1030株由来のグルコース脱水素酵素(以後、GDHと呼ぶことにする)の遺伝子の開始コドンから5塩基上流に大腸菌のShaine−Dalgarno配列(9塩基)を、さらにその直前にSacI切断点を、また、終止コドンの直後にBamHI切断点を付加した二本鎖DNAを、以下の方怯により取得した。GDH遺伝子の塩基配列情報を基に、GDHの構造遺伝子の開始コドンから5塩基上流に大腸菌のShaine−Dalgarno配列(9塩基)を、さらにその直前にSacI切断点を付加したN末端DNAプライマーと、GDHの構造遺伝子の終始コドンの直後にBamHI部位を付加したC末端DNAプライマーを常法に従って合成した。これら2つのプライマーの塩基配列を配列表の配列番号10および配列番号11に示した。これら2つのDNAプライマーを用い、プラスミドpGDK1(Eur.J.Biochem.186,389(1989))を鋳型としてPCRにより二本鎖DNAを合成した。得られたDNA断片をSacIおよびBamHIで消化し、実施例5において構築したpTSBHのSacI、BamHI部位(BRD遺伝子の下流に存在する)に挿入した組換えプラスミドpTSBG1を得た。pTSBG1の作製法および構造を図2に示す。
(実施例8:組換え大腸菌の作製)
実施例5、6および7で得た組換えプラスミドpTBH、pSTBHおよびpTSBG1を用いて大腸菌HB101(宝酒造株式会社製)を形質転換し、組換え大腸菌HB101(pTBH)、HB101(pTSBH)およびHB101(pTSBG1)を得た。こうして得られた形質転換体のうち、大腸菌HB101(pTSBH)およびHB101(pTSBG1)は、それぞれ、受託番号FERM BP−7118(寄託日2000年4月11日)およびFERM BP−7119(寄託日2000年4月11日)として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託されている。
また、プラスミドpGDA2(J.Biol.Chem.,(1989),264、6381)をEcoRIおよびPstIで二重消化して得られる、Bacillus megaterium IWG3由来のGDH遺伝子を含む約0.9kbのDNA断片を、プラスミドpSTV28(宝酒造株式会社製)のEcoRI−PstI部位に挿入して、組換えプラスミドpSTVGを構築した。このpSTVGで、予め塩化カルシウム法でコンピテント化しておいた大腸菌HB101(pTSBH)を高い導入率で形質転換し、大腸菌HB101(pTSBH,pSTVG)を容易に得た。
(実施例9:組換え大腸菌におけるBRDの発現)
実施例8で得た組換え大腸菌HB101(pTBH)およびHB101(pTSBH)を200μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地で、28℃において15時間振とう培養した。この前培養液1mlを、500ml容坂口フラスコ中でオートクレーブ滅菌したグリセリン1.5%(w/v),バクト・トリプトン1.5%(w/v),バクト・イーストエキス0.4%(w/v),塩化ナトリウム0.2%(w/v),リン酸二水素カリウム0.8%(w/v),硫酸マグネシウム七水和物0.05%(w/v),アデカノールLG109(旭電化製)0.033%(w/v)から成りpH6.0に調整した培地100mlに接種し、30℃で60時間振とう培養した。これらの本培養液から遠心分離機を用いて集菌後、この菌体を100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に懸濁し、超音波破砕により無細胞抽出液を得た。
この無細胞抽出液のBRD活性を以下のように測定した。BRD活性の測定は、100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に、基質N−ベンジル−3−ピロリジノン1mM、補酵素NADPH0.167mMおよび酵素を添加し、30℃で波長340nmの吸光度の減少を測定することにより行った。この反応条件において、1分間に1μmolのNADPHをNADPに酸化する酵素活性を1unitと定義した。この様に測定した無細胞抽出液中のBRD活性を比活性として表し、ベクタープラスミドpUCNTを保持する形質転換体と比較した。また、実施例1と同様の方法で調製したミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)IFO13867株の無細胞抽出液中のBRD活性についても同様に比較した。それらの結果を表2に示す。
Figure 0004880859
大腸菌HB101(pTSBH)では、ベクタープラスミドのみの形質転換体である大腸菌HB101(pUCNT)と比較して明らかなBRD活性の増加が見られ、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)IFO13867株と比較して約10倍の活性が得られた。
(実施例10:組換え大腸菌におけるBRDおよびGDHの同時発現)
実施例8で得た組換え大腸菌HB101(pTSBG1)およびHB101(pTSBH,pSTVG)を実施例9と同様に培養、処理して得られる無細胞抽出液のGDH活性を、以下のように測定した。GDH活性の測定は1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に、基質グルコース0.1M、補酵素NADP2mM及び酵素を添加し、25℃で波長340nmの吸光度の増加を測定することにより行った。この反応条件において、1分間に1μmolのNADPをNADPHに還元する酵素活性を1unitと定義した。また、BRD活性についても実施例9と同様に測定した。このように測定した無細胞抽出液中のBRDおよびGDH活性を比活性として表し、大腸菌HB101(pTSBH)およびベクターのみの形質転換体HB101(pUCNT)と比較した結果を表3に示す。
Figure 0004880859
大腸菌HB101(pTSBG1)およびHB101(pTSBH、pSTVG)では、ベクタープラスミドのみの形質転換体である大腸菌HB101(pUCNT)と比較して、明らかなBRDおよびGDH活性の増加が見られた。
(実施例11:BRD遺伝子を導入した組換え大腸菌によるN−ベンジル−3−ピロリジノンからの(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの合成)
実施例9で得られた組換え大腸菌HB101(pTSBH)の培溶液を、SONIFIRE250(BRANSON社製)を用いて超音波破砕した。この菌体破砕液25mlにグルコース脱水素酵素(天野製薬株式会社製)1350U、グルコース3.0g、NADP3.0mg、N−ベンジル−3−ピロリジノン0.25gを添加した。この反応液を30℃で攪拌し、5Mの塩酸または水酸化ナトリウムでpH6.5に調整しつつ、1時間毎にN−ベンジル−3−ピロリジノンを0.25gずつ添加し、合計2.0gのN−ベンジル−3−ピロリジノンを添加した後、さらに20時間攪拌を続けた。反応終了後、この反応液に5Mの水酸化ナトリウム水溶液2.5mlを添加した後トルエンで抽出し、脱溶剤した後抽出物の分析を行ったところ、収率74%でN−ベンジル−3−ピロリジノールが得られた。この際、生成したN−ベンジル−3−ピロリジノールは光学純度99%ee以上のS体であった。
N−ベンジル−3−ピロリジノンおよびN−ベンジル−3−ピロリジノールの定量は、ガスクロマトグラフィー(カラム:UniportB 10%PEG−20M(3.0mmID×1.0m)、カラム温度:200℃、キャリアガス:窒素、検出;FID)により行った。また、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの光学純度の測定は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:Chiralcel OB(ダイセル化学工業社製)、溶離液:n−ヘキサン/イソプロパノール/ジエチルアミン=950/50/1、流速:1ml/min、検出:254nm)により行った。
(実施例12:BRDおよびグルコース脱水素酵素を同時発現させた組換え大腸菌によるN−ベンジル−3−ピロリジノンからの(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの合成)
実施例9で得られた組換え大腸菌HB101(pTSBG1)の培養液25mlに、グルコース2.5g、NADP3.0mg、N−ベンジル−3−ピロリジノン0.25gを添加した。この反応液を30℃で攪拌し、5Mの塩酸または水酸化ナトリウムでpH6.5に調整しつつ、2時間毎にN−ベンジル−3−ピロリジノンを0.25gずつ添加し、合計1.0gのN−ベンジル−3−ピロリジノンを添加した後、さらに17時間攪拌を続けた。反応終了後、この反応液に5Mの水酸化ナトリウム水溶液1.2mlを添加した後トルエンで抽出し、脱溶剤した後抽出物の分析を行ったところ、収率92%でN−ベンジル−3−ピロリジノールが得られた。この際、生成したN−ベンジル−3−ピロリジノールは光学純度99%ee以上のS体であった。
(実施例13:BRDおよびグルコース脱水素酵素を同時発現させた組換え大腸菌によるN−ベンジル−3−ピロリジノンからの(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの合成)
実施例9で得られた組換え大腸菌HB101(pTSBH、pSTVG)の培養液25mlに、グルコース2.5g、NADP3.0mg、N−ベンジル−3−ピロリジノン0.25gを添加した。この反応液を30℃で攪拌し、5Mの塩酸または水酸化ナトリウムでpH6.5に調整しつつ、1時間毎にN−ベンジル−3−ピロリジノンを0.25gずつ添加し、合計2.0gのN−ベンジル−3−ピロリジノンを添加した後、さらに16時間攪拌を続けた。反応終了後、この反応液に5Mの水酸化ナトリウム水溶液2.5mlを添加した後トルエンで抽出し、脱溶剤した後抽出物の分析を行ったところ、収率93%でN−ベンジル−3−ピロリジノールが得られた。この際、生成したN−ベンジル−3−ピロリジノールは光学純度99%ee以上のS体であった。
産業上の利用可能性
N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチド遺伝子のクローニング、および、その塩基配列の解析により、該ポリペプチド産生能の高い形質転換体を得ることが可能になった。また、該ポリペプチドおよびグルコース脱水素酵素を同時に高生産する能力を有する形質転換体をも得ることが可能になった。さらに、これらの形質転換体を用いることにより、N−ベンジル−3−ピロリジノンからの(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの合成を効率良く行うことが可能となった。
【配列表】
Figure 0004880859
Figure 0004880859
Figure 0004880859
Figure 0004880859
Figure 0004880859
Figure 0004880859
Figure 0004880859

【図面の簡単な説明】
図1は、実施例3で決定したDNAの塩基配列および推定アミノ酸配列を示す図である。
図2は、実施例7の組換えプラスミドpTSBG1の作製方法及びその構造を示す図である。

Claims (19)

  1. 以下の(a)又は(b)のポリペプチド:
    (a)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド:
    (b)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつN−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチド。
  2. ミクロコッカス(Micrococcus)属に属する微生物に由来する請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記微生物が、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)IFO13867株である請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするDNA。
  5. N−ベンジル−3−ピロリジノンを不斉的に還元して(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを生成する酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAであって、配列表の配列番号2で示される塩基配列と少なくとも90%の配列同一性を有するDNA。
  6. 請求項4または5に記載のDNAを含む発現ベクター。
  7. 下記の工程:
    Figure 0004880859
    により得られるプラスミドpTSBHである請求項6に記載の発現ベクター。
  8. グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをさらに含む請求項6に記載の発現ベクター。
  9. 前記グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドが、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)由来のグルコース脱水素酵素である請求項8に記載の発現ベクター。
  10. 下記の工程:
    Figure 0004880859
    により得られるプラスミドpTSBG1である請求項9に記載の発現ベクター。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の発現ベクターを含む形質転換体。
  12. 請求項6またはに記載の発現ベクター、および、グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAを含む発現ベクターの両方を含む形質転換体。
  13. 前記グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドが、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)由来のグルコース脱水素酵素である請求項12に記載の形質転換体。
  14. 宿主が大腸菌である請求項11〜13のいずれか1項に記載の形質転換体。
  15. E.coli HB101(pTSBH)(FERM BP−7118)である請求項14に記載の形質転換体。
  16. E.coli HB101(pTSBG1)(FERM BP−7119)である請求項14に記載の形質転換体。
  17. プラスミドpGDA2をEcoRIおよびPstIで二重消化して得られるDNA断片を、プラスミドpSTV28のEcoRI−PstI部位に挿入して得られるプラスミドpSTVGで、請求項15に記載のE.coli HB101(pTSBH)(FERM BP−7118)を形質転換して得られるE.coli HB101(pTSBH,pSTVG)である、請求項14に記載の形質転換体。
  18. 請求項11〜17のいずれか1項に記載の形質転換体および/またはそれらの処理物を、N−ベンジル−3−ピロリジノンと反応させる工程、並びに、生成した(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールを採取する工程からなることを特徴とする、(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造方法。
  19. 前記反応させる工程が、補酵素再生系の存在下で行われる請求項18に記載の方法。
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