JPH11288054A - ハロゲン化銀乳剤製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤製造方法

Info

Publication number
JPH11288054A
JPH11288054A JP8984798A JP8984798A JPH11288054A JP H11288054 A JPH11288054 A JP H11288054A JP 8984798 A JP8984798 A JP 8984798A JP 8984798 A JP8984798 A JP 8984798A JP H11288054 A JPH11288054 A JP H11288054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrafiltration
silver halide
loop
reaction vessel
halide emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8984798A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Hoshino
秀樹 星野
Yusuke Kawahara
雄介 川原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP8984798A priority Critical patent/JPH11288054A/ja
Publication of JPH11288054A publication Critical patent/JPH11288054A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性の向上と優れた粒子間の均一性及び単
分散性のハロゲン化銀粒子の製造。 【解決手段】 限外濾過ユニットの接続された外部循環
ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用いたハ
ロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過ループが
保温設備を有することを特徴とするハロゲン化銀乳剤製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単分散性に優れたハ
ロゲン化銀乳剤を原価上有効な方法により製造する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常ハロゲン化銀乳剤の製造中に形成さ
れる有害な反応生成物、主として可溶性塩類の除去技術
としてハロゲン化銀乳剤の限外濾過による精製及び/又
は濃縮が当業界において知られている。このような技術
はリサーチ・ディスクロージャー、第102巻、197
2年10月、アイテム10208及び第131巻、19
75年3月、アイテム13122に記載されている。ま
た特公昭59−43727号、同62−27008号、
同62−113137号、特開平3−140946号、
特開平6−67326号等に開示されている。
【0003】しかしながら前述した殆どの刊行物はハロ
ゲン化銀乳剤製造時の温度に関する記載がなされていな
い。特公昭59−43727号にはpAg、pH、温
度、熟成及び/または滞留時間を核生成器及び生長反応
容器中で独立して制御する方法が開示されているが、限
外濾過ループ内の温度に関する記載はみられない。
【0004】本発明者が該方法を検討した結果、ハロゲ
ン化銀乳剤製造時において限外濾過ループ内温度が保温
されていないと、反応生成物として形成されるハロゲン
化銀乳剤のロバストネスが劣化するという問題を生じる
ことがわかった。これはハロゲン化銀乳剤製造時におけ
る反応装置付近の環境の変化が起因していると考えられ
る。更に、ハロゲン化銀乳剤製造時において限外濾過ル
ープ内温度が所望の条件に制御されないと、反応生成物
として形成されるハロゲン化銀乳剤の単分散性が劣化す
るという問題を生じることがわかった。これは、限外濾
過ループ内温度が保温及び/または制御されていないこ
とにより、ハロゲン化銀乳剤製造時の反応容器内温度分
布が不均一になりハロゲン化銀粒子の成長にバラツキを
与えるためと考えられる。ハロゲン化銀乳剤の単分散性
の劣化は感度、階調、鮮鋭性及び再現性等の写真性能に
悪影響を及ぼす。
【0005】また、ハロゲン化銀乳剤製造の別の重要な
観点に経済的な問題がある。限外濾過によって除去され
る分散媒の割合は、運転時における限外濾過膜を横切る
圧力差、流速、温度等に大きく影響されることが知られ
ている。限外濾過ループ内温度が保温及び/または制御
されていないと、除去される分散媒の割合に増減がみら
れ、濃縮割合、生産性のバラツキ等ハロゲン化銀乳剤製
造上好ましくないという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
ロバストネスに優れたハロゲン化銀乳剤製造装置を提供
することにある。更に、単分散性に優れたハロゲン化銀
乳剤製造装置を提供することにある。本発明の別の目的
は原価上有効な方法でハロゲン化銀乳剤製造装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0008】(1) 限外濾過ユニットの接続された外
部循環ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用
いたハロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過ル
ープが保温設備を有することを特徴とするハロゲン化銀
乳剤製造方法。
【0009】(2) 限外濾過ユニットの接続された外
部循環ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用
いたハロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過ル
ープが温度制御設備を有することを特徴とするハロゲン
化銀乳剤製造方法。
【0010】(3) 限外濾過ユニットの接続された外
部循環ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用
いたハロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過ル
ープと反応容器が独立に温度制御されていることを特徴
とするハロゲン化銀乳剤製造方法。
【0011】(4) 限外濾過ユニットの接続された外
部循環ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用
いたハロゲン化銀乳剤製造方法において、限外濾過適用
時は限外濾過ループ内温度と反応容器内温度が同一温度
であることを特徴とするハロゲン化銀乳剤製造方法。
【0012】(5) 限外濾過ユニットの接続された外
部循環ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用
いたハロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過適
用前に該限外濾過ループをあらかじめ予熱することを特
徴とするハロゲン化銀乳剤製造方法。
【0013】本発明のハロゲン化銀乳剤製造方法につい
て詳細に述べる。通常ハロゲン化銀乳剤は硝酸銀等の可
溶性銀塩と水溶性ハライド塩により銀イオン及びハライ
ドイオンを溶液として供給し、核生成、物理熟成、成長
及び脱塩の工程を経て調製される。
【0014】ハロゲン化銀粒子核形成は、分散媒体存在
下において銀塩溶液及びハライド塩溶液を添加・反応さ
せることによってハロゲン化銀の微細な核を形成する工
程である。これは次の工程と同じ反応容器内で行っても
良く、予め別の反応容器で行っても良く、更には別の混
合機で行って連続的に反応容器に供給する態様であって
も良い。
【0015】物理熟成は所望のハロゲン化銀粒子、例え
ば平板状粒子などを調製する場合において非平板状粒子
などの意図しないハロゲン化銀粒子を消失させる工程で
あって、ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子の形状
の均一性を高めるためにこの工程を有することが好まし
い。
【0016】次に、前述した粒子核形成及び/または物
理熟成工程を経たハロゲン化銀分散体に、新たに銀イオ
ン及びハライドイオン等の溶質を供給して、ハロゲン化
銀結晶サイズを任意のサイズに増大させる成長工程を有
する。この工程では、前記溶質を水溶液の形態で供給す
ること、別の混合機で形成したハロゲン化銀微粒子乳剤
の形態で供給すること、または両者を併用することなど
を含み、いずれの形態を用いても良い。
【0017】溶質の供給によって反応容器内には不要の
可溶性塩類が混在することになる。この可溶性塩類を除
去する脱塩工程を成長工程に続いて設けることが好まし
い。この脱塩工程は、必ずしも成長工程の後である必要
はなく、ハロゲン化銀粒子形成中に必要に応じて任意に
設けることがさらに好ましい。
【0018】脱塩方法としてハロゲン化銀乳剤の限外濾
過による精製及び/又は濃縮が当業界において知られて
いる。このような技術はリサーチ・ディスクロージャ
ー、第102巻、1972年10月、アイテム1020
8及び第131巻、1975年3月、アイテム1312
2に記載されている。また特公昭59−43727号、
同62−27008号、同62−113137号、特開
平3−140946号、特開平6−67326号等に限
外濾過による乳剤の脱塩・濃縮法が開示されている。
【0019】次に、限外濾過装置が反応容器に接続され
た外部循環経路中に具備する形態で結晶成長過程に並行
して連続的に濃縮を行う場合の具体的な一例としての方
法を、概念図(図1)を用いて述べる。
【0020】図1において、反応容器1は最初に分散媒
体2を含有している。分散媒体を撹拌するための攪拌機
構3は、回転可能な軸に翼が付設されたものとして図示
されているが、この機構を任意の常用の形状とすること
が可能である。撹拌機構を運転しながら、第1のジェッ
ト4を通して銀塩溶液を反応容器に、そしてこれと同時
に第2のジェット5を通してハライド塩溶液を反応容器
に注加する。また、ジェット4もしくはジェット5を通
して予め別の反応容器で生成した核を注加しても良く、
更には別の混合機で行って連続的に反応容器に供給する
態様であっても良い。
【0021】また、注加ノズル位置は任意の位置に設置
することが可能であるが、反応容器下部から液中添加さ
れる位置に設置することが好ましい。
【0022】反応容器内に含まれる物質の容量はハロゲ
ン化銀分散体の一部を外部循環ライン6(限外濾過ユニ
ット7に至る)により図示されるようにして取り出すこ
とによって調節することができる。この時、反応条件に
より適宜分散媒体を加えても構わない。限外濾過装置
は、排水ライン8により図示されるようにして分散媒体
の一部を分離することを通じて、受け取ったハロゲン化
銀分散体の容量を低下し、その間、保留物と呼ばれる残
留ハロゲン化銀分散体の内部においてハロゲン化銀粒子
が保持される。このようにして容量の低下したハロゲン
化銀分散体、即ち、保留物を外部循環ライン9により図
示されるようにして反応容器に戻す。外部循環ライン6
及び9、限外濾過ユニット7、そしてここでは特に説明
しないが取り付けが当業者に自明な任意のその他の構成
要素、例えば1個もしくはそれ以上のバルブ、ポンプ又
はメーターは一つのグループを構成し、そしてこれらの
要素のことを集合的に限外濾過ループと呼ぶ。
【0023】本発明では限外濾過ユニットの接続された
外部循環ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を
用いたハロゲン化銀乳剤を製造する方法において、限外
濾過ループが保温設備を有している。本発明において、
限外濾過ループが温度制御設備を有する態様、或いは、
限外濾過ループと反応容器が独立に温度制御されている
態様もある。
【0024】本発明の限外濾過ループの保温及び/また
は温度制御方法に特に限定はなく、ライン配管内に温水
を流通させる方法、配管外壁部にヒーティングケーブル
を巻く方法、またはその他のどのような形態でも良い。
【0025】本発明の別の態様では限外濾過ユニットの
接続された外部循環ライン(限外濾過ループ)を有する
反応容器を用いたハロゲン化銀乳剤を製造する方法にお
いて、限外濾過適用時は限外濾過ループ内温度と反応容
器内温度を同一温度にする。尚、本発明の更に別の態様
として、限外濾過適用前に限外濾過ループをあらかじめ
予熱しておく。
【0026】本発明の限外濾過ループ内予熱温度は限外
濾過適用時の限外濾過ループ内温度の70%以上130
%以下が好ましく、更に90%以上110%以下が好ま
しく、より98%以上102%以下が好ましい。
【0027】本発明では限外濾過はハロゲン化銀分散体
のうちの任意の段階において実施することができる。ハ
ロゲン化銀分散体の成長工程中の任意の一部の段階にお
いて少なくとも1回以上適用することが特に有効である
というものの、必要に応じて、核生成段階の間もしくは
銀塩の導入を開始する前であっても限外濾過ループを動
かすことができる。
【0028】本発明の限外濾過ループ内温度は0〜10
0℃が好ましく、更に20〜80℃が好ましく、より3
0〜70℃が好ましい。
【0029】次に、限外濾過装置及びその操作方法につ
いて詳細に説明する。限外濾過装置は、ハロゲン化銀粒
子の製造時に特別な利用性をもつ手段として従来から広
く知られている。一般に膜が用いられ、これは不要の物
質は通過させ、そしてハロゲン化銀粒子のような必要な
物質は通過させないものである。この選択的な分離は、
特定のサイズ以下の分子を全て選択的に通し、そしてこ
れより大きい分子が残留するように作られている、合成
半透性膜に対し溶液を液圧で押し付けることにより、遂
行される。
【0030】限外濾過は、半透性限外濾過膜を横切って
圧力差ができるように、反応容器内の分散液を該半透性
限外濾過膜と接触させながら循環させることによって実
施するのが好ましい。一般に、膜は特定の寸法以下の分
子のみ透過することができ、かつそれより大きい分子及
びハロゲン化銀粒子を分散液中に保持するような寸法の
細孔を含む。適当な膜は、好ましくは約500〜30
0,000もしくはそれ以上、より好ましくは約500
〜50,000の分子量範囲の透過カットオフ特性を示
すものの中から選択できる。
【0031】本発明の実施に際しては、カットオフ分子
量は、この範囲外に容易に変えることができる。このカ
ットオフ分子量は、一般的に保護コロイドの分子量より
大きくすべきではないことは容易に理解されよう。一般
に、特定の透過カットオフ分子量の選択は、限外濾過の
最初におけるハロゲン化銀の粒径と、乳剤中に保持され
る必要のある微小分子量の物質(滞留物とも称する)と
の関数である。
【0032】限外濾過膜に接触する乳剤の圧力は、広範
囲に変化させてよい。代表的には、本発明の実施につい
ては、限外濾過膜に接触する反応容器内の圧力は、好ま
しくは約100palg以上500palg以下で、代
表的には約100palg(7.03kg/cm2)で
あり、滞留物の出口圧力は、好ましくは約5palg以
上10palg以下で、代表的には約10palg
(0.703kg/cm2)以下程度である。膜を横切
る圧力差は代表的には約40〜60palg(2.81
〜4.22kg/cm2)である。もちろん、反応容器
及び限外濾過膜の構造、乳剤の粘度、滞留物の濃度及び
所望の滞留物の純度に応じて、これらの範囲外の圧力で
操作することは当業者が任意に設定してよいことであ
る。
【0033】限外濾過に使用する膜は、代表的には、極
めて微細な多孔構造の極めて薄い壁をこれにより厚い多
孔質構造上に支持して含む異方性膜である。有用な膜
は、種々の高分子物質、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ
カルボン酸ビニル、ポリ蟻酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリビニルエー
テル、ポリアクリルアミド、ポリイミド、ポリエステ
ル、ポリフルオロアルキレン(例えば、ポリテトラフル
オロエチレン)、及びポリ弗化ビニリデン、ならびにセ
ルロース系ポリマー、例えば、セルロース及びセルロー
スエステル、例えば、酢酸セルロース、酪酸セルロース
及び酢酪酸セルロース製の中から選ばれた任意のもので
あることができる。
【0034】本発明において反応生成物として形成され
るハロゲン化銀粒子は単分散性に優れたハロゲン化銀乳
剤が好ましい。ここで単分散性に優れたハロゲン化銀乳
剤としては、平均粒径rを中心に±20%の粒径範囲内
に含まれるハロゲン化銀重量が、全ハロゲン化銀粒子重
量の60%以上であるものが好ましく、より好ましくは
70%以上、更に好ましくは80%以上である。
【0035】本発明の高度の単分散性に優れた乳剤は、
(標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布(粒径の変
動係数)[%]によって分布の広さを定義したとき25
%以下のものであり、好ましくは20%以下、更に好ま
しくは16%以下のものである。ここに平均粒径および
標準偏差は、後述により定義する粒径riから求めるも
のとする。
【0036】本発明においてハロゲン化銀粒子の粒径
は、該ハロゲン化銀粒子の投影面積の円相当直径(該ハ
ロゲン化銀粒子と同じ投影面積を有する円の直径)で示
されるが、0.1〜5.0μmが好ましく、更に好まし
くは0.2〜2.5μmである。粒径は、例えば該粒子
を電子顕微鏡で1万倍から7万倍に拡大して撮影し、そ
のプリント上の粒子径または投影時の面積を実測するこ
とによって得ることができる(測定粒子個数は無差別に
1000個以上あることとする)。
【0037】ここに、平均粒径rは、粒径riを有する
粒子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となる
ときの粒径riと定義する(有効数字3桁,最小桁数字
は4捨5入する)。
【0038】本発明においてハロゲン化銀粒子形状に特
に限定はないが好ましくは平板状粒子が良い。更により
好ましい平板粒子は全投影面積の50%以上がアスペク
ト比(粒径/粒子厚さ)6以上8以下である。本発明に
おいて平板状ハロゲン化銀粒子のアスペクト比とは、面
積換算粒径と粒子厚さの比をいう。ここで、面積換算粒
径とは、主平面に対して垂直にその粒子を投影した場合
の面積に等しい面積を有する円の直径を意味する。粒子
厚さとは、主平面に垂直な方向での粒子の厚さであり、
一般に2つの主平面間の距離に一致する。
【0039】面積換算粒径を算出するための粒子の投影
面積と厚さは以下の方法で求められる。支持体上に内部
標準となる粒径既知のラテックスボールと、主平面が基
板に平行に配向するようにハロゲン化銀粒子とを塗布し
た試料を作製し、ある角度からカーボン蒸着によりシャ
ドーを施した後、通常のレプリカ法によってレプリカ試
料を作製する。同試料の電子顕微鏡写真を撮影し、画像
処理装置等を用いて個々の粒子の投影面積と厚さを求め
る。この場合、粒子の投影面積は内部標準の投影面積か
ら、粒子の厚さは内部標準と粒子の影(シャドー)の長
さから算出することができる。本発明において、アスペ
クト比、面積換算粒径、粒子厚さ、体積換算粒径の平均
値は、上記レプリカ法を用いてハロゲン化銀乳剤に含ま
れるハロゲン化銀粒子を任意に500個以上測定し、そ
れらの算術平均として求められる値をいう。
【0040】ハロゲン化銀粒子の組成に特に限定はな
く、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀あるいは
塩化銀のいずれであってもよい。好ましくは沃臭化銀が
良い。
【0041】ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外部が異
なったハロゲン化銀組成からなっているものでもよく、
例えば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆
して明確な2層構造を有したコア/シェル型ハロゲン化
銀乳剤であってもよい。
【0042】本発明においてハロゲン化銀粒子の形成手
段としては、当該分野でよく知られている種々の方法を
用いることができる。すなわち、シングル・ジェット
法、コントロールド・ダブルジェット法、コントロール
ド・トリプルジェット法等を任意に組み合わせて使用す
ることができる。添加速度の決定にあたっては、特開昭
54−48521号、特開昭58−49938号に記載
の技術を参考にできる。
【0043】粒子の製造時に、アンモニア、チオエーテ
ル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶剤を存在させる
こともできるし、ハロゲン化銀溶剤を使用しなくても良
い。
【0044】ハロゲン化銀乳剤を調製する場合に、分散
媒を含む水溶液を使用することができる。ここで、分散
媒を含む水溶液とは、ゼラチンその他の親水性コロイド
を構成し得る物質(バインダーとなり得る物質など)に
より保護コロイドが水溶液中に形成されているものをい
い、好ましくはコロイド状の保護ゼラチンを含有する水
溶液である。
【0045】これらの物理熟成或いは粒子調製の段階
で、例えばカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、
イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯
塩、鉄塩またはその錯塩などを用いてもよい。
【0046】本発明を実施する際、上記保護コロイドと
してゼラチンを用いる場合は、ゼラチンは石灰処理され
たものでも、酸を使用して処理されたものでもどちらで
もよい。ゼラチンの製法の詳細はアーサー・グアイス
著、ザ・マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼ
ラチン(アカデミック・プレス、1964年発行)に記
載がある。
【0047】保護コロイドとして用いることができるゼ
ラチン以外の親水性コロイドとしては、例えばゼラチン
誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、
アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫
酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソ
ーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の合成親水性高分子物質がある。ゼラチンの場合は、
パギー法においてゼリー強度200以上のものを用いる
ことが好ましい。
【0048】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、ハロゲ
ン化銀粒子形成後に、通常に用いられる化学増感を施す
ことができる。即ち、本発明においては、金増感、硫黄
に代表されるカルコゲン増感、金−カルコゲン増感また
は還元増感に代表される種々の化学増感を施すことがで
きる。化学熟成即ち、化学増感の過程の条件、例えばp
H、pAg、温度、時間及び添加剤等に特に制限はな
く、当業界で一般に行われている条件で行うことができ
る。用いることができる化学増感剤の種類や量、化学増
感方法等については、公知の量や方法に従うことができ
る。
【0049】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、所望の
波長域に光学的に分光増感することができる。分光増感
手段は任意であり、公知の種々の方法に従うことができ
る。
【0050】その他、本発明に係るハロゲン化銀乳剤に
は、公知のあらゆる添加剤を用いることが可能である。
また、本発明のハロゲン化銀乳剤製造方法を適用して得
られたハロゲン化銀乳剤は、公知の様々なハロゲン化銀
写真感光材料に適用することができる。
【0051】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるのもではない。
【0052】実施例1 比較乳剤及び本発明乳剤の調製 《核形成工程》図1に示したような装置を用いて反応容
器内の下記反応母液(Gr−1)を30℃に保ち、攪拌
しながら、1Nの硫酸を用いてpHを1.96に調整し
た。その後第1のジェット4及び第2のジェット5を用
いて(S−1)液と(H−1)液を同時に一定の流量で
1分間で添加し核形成を行った。
【0053】 (Gr−1) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 40.50g 臭化カリウム 12.40g 蒸留水で16.2lに仕上げる (S−1) 硝酸銀 862.5g 蒸留水で4.06lに仕上げる (H−1) 臭化カリウム 604.5g 蒸留水で4.06lに仕上げる 《熟成工程》上記核形成工程終了後に(G−1)液を加
え、30分間を要して反応容器を60℃に昇温した。こ
の間、反応容器内の乳剤の銀電位(飽和銀−塩化銀電極
を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を2Nの臭
化カリウム溶液を用いて6mVに制御した。続いて、ア
ンモニア水溶液を加えてpHを9.3に調整し、更に7
分間保持した後、酢酸水溶液を用いてpHを6.1に調
整した。この間の銀電位を2Nの臭化カリウム溶液を用
いて6mVに制御した。
【0054】 (G−1) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 173.9g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)198(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)(10%エタノール溶液)(以後EO溶液という) 5.80ml 蒸留水で4.22lに仕上げる 《粒子成長工程》熟成工程終了後、続いて第1のジェッ
ト4及び第2のジェット5を用いて前記(S−1)液と
(H−1)液を流量を加速しながら(終了時と開始時の
添加流量の比が約12倍)37分間で添加した。添加開
始と同時に、反応容器から限外濾過ループ内にハロゲン
化銀分散体を吸入し(図面には外部循環ライン6で示さ
れている)、そして限外濾過ユニット7に供給した。限
外濾過ユニットは旭化成製SIW−3014を使用し
た。不要分散媒を添加中の(S−1)液と(H−1)液
の合計の0.93倍になるように加速しながら排出し
た。限外濾過ユニット7を通したハロゲン化銀分散体は
外部循環ライン9で示されるようにして反応容器に戻し
た。この操作を37分間実施した。添加終了後に(G−
2)液を加えた後、引き続いて(S−2)液と(H−
2)液を流量を加速しながら(終了時と開始時の添加流
量の比が約2倍)40分間で添加した。添加開始と同時
にハロゲン化銀分散体を吸入し、同様の限外濾過操作を
40分間実施した。この間乳剤の銀電位を2Nの臭化カ
リウム溶液を用いて6mVに制御した。上記添加終了後
に、反応容器内の乳剤温度を15分間を要して40℃に
降温した。その後、3Nの臭化カリウム溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−39mVに調整し、続いて(F−
1)液を407.5g加えた後、(S−2)液と(H−
3)液を流量を加速しながら(終了時と開始時の添加流
量の比が約1.2倍)25分間で添加した。
【0055】 (S−2) 硝酸銀 2.10kg 蒸留水で3.53lに仕上げる (H−2) 臭化カリウム 859.5g 沃化カリウム 24.45g 蒸留水で2.11lに仕上げる (H−3) 臭化カリウム 587.0g 沃化カリウム 8.19g 蒸留水で1.42lに仕上げる (G−2) オセインゼラチン 284.9g EO溶液 7.75ml (F−1) 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm) からなる微粒子 乳剤(*) 407.5g *調製法は以下の通り:0.06モルの沃化カリウムを含む6.0重量%のゼ ラチン溶液5000mlに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの沃化カリ ウムを含む水溶液、それぞれ2000mlを、10分間かけて添加した。
【0056】微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0
に、温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナト
リウム水溶液を用いてpHを6.0に調整した。仕上が
り重量は12.53kgであった。
【0057】上記粒子成長終了後に、限外濾過により脱
塩処理を施し、40℃にてpHを5.80、pAgを
8.06に調整した。このハロゲン化銀乳剤製造方法を
比較方法1とした。比較方法1を20回繰り返し、得ら
れたハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡写真から平均粒径
(投影面積の円換算直径の平均値)及び標準偏差を求め
表1に結果を示す。
【0058】限外濾過ループ内の温度を60℃保温する
こと以外は比較方法1と同じ方法により、本発明方法1
を20回行い、得られたハロゲン化銀粒子を比較方法1
と同様に測定し、表1に結果を示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1から明らかなように、本発明方法1に
より製造したハロゲン化銀乳剤は比較方法1により製造
したハロゲン化銀乳剤と比較して良好なロバストネスを
示す。
【0061】実施例2 限外濾過ループの温度制御を反応容器の温度制御と共通
制御にすること以外は、比較方法1と同様にして本発明
方法2を実施した。得られたハロゲン化銀粒子の電子顕
微鏡写真から平均粒径、アスペクト比及び粒径分布を測
定し結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2から明らかなように、本発明の方法で
製造したハロゲン化銀粒子は良好な単分散性を示す。
【0064】実施例3 表3記載の条件にした以外は比較方法1と同様にして、
本発明方法3〜10を実施した。得られたハロゲン化銀
粒子の電子顕微鏡写真から粒径分布を測定し結果を表3
に示す。
【0065】
【表3】
【0066】表3から明らかなように、本発明の方法で
製造したハロゲン化銀粒子は良好な単分散性を示す。
【0067】
【発明の効果】本発明の態様に従ってハロゲン化銀乳剤
を製造することによって、生産性の向上と優れた粒子間
の均一性及び単分散性のハロゲン化銀粒子を製造するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法を示す概
念図である。
【符号の説明】 1 反応容器 2 分散媒体 3 攪拌機構 4 第1のジェット 5 第2のジェット 6 外部循環ライン 7 限外濾過ユニット 8 排水ライン 9 外部循環ライン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限外濾過ユニットの接続された外部循環
    ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用いたハ
    ロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過ループが
    保温設備を有することを特徴とするハロゲン化銀乳剤製
    造方法。
  2. 【請求項2】 限外濾過ユニットの接続された外部循環
    ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用いたハ
    ロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過ループが
    温度制御設備を有することを特徴とするハロゲン化銀乳
    剤製造方法。
  3. 【請求項3】 限外濾過ユニットの接続された外部循環
    ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用いたハ
    ロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過ループと
    反応容器が独立に温度制御されていることを特徴とする
    ハロゲン化銀乳剤製造方法。
  4. 【請求項4】 限外濾過ユニットの接続された外部循環
    ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用いたハ
    ロゲン化銀乳剤製造方法において、限外濾過適用時は限
    外濾過ループ内温度と反応容器内温度が同一温度である
    ことを特徴とするハロゲン化銀乳剤製造方法。
  5. 【請求項5】 限外濾過ユニットの接続された外部循環
    ライン(限外濾過ループ)を有する反応容器を用いたハ
    ロゲン化銀乳剤製造方法において、該限外濾過適用前に
    該限外濾過ループをあらかじめ予熱することを特徴とす
    るハロゲン化銀乳剤製造方法。
JP8984798A 1998-04-02 1998-04-02 ハロゲン化銀乳剤製造方法 Pending JPH11288054A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8984798A JPH11288054A (ja) 1998-04-02 1998-04-02 ハロゲン化銀乳剤製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8984798A JPH11288054A (ja) 1998-04-02 1998-04-02 ハロゲン化銀乳剤製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11288054A true JPH11288054A (ja) 1999-10-19

Family

ID=13982174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8984798A Pending JPH11288054A (ja) 1998-04-02 1998-04-02 ハロゲン化銀乳剤製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11288054A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6096495A (en) Method for preparing silver halide emulsion
US4147551A (en) Process for photographic emulsion precipitation in a recycle stream
JPS63107813A (ja) せまい粒度分布を有する平板状粒子を含有する写真乳剤の製造法
JPS6227008B2 (ja)
JPH02114255A (ja) ハロゲン化銀乳剤
EP0423538B1 (en) Process for the production of photosensitive silver halide emulsions
EP0588338B1 (en) Process for rapid manufacture of large tabular grains with novel size distribution
JP2699119B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPH11288054A (ja) ハロゲン化銀乳剤製造方法
JPS5937538A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製法
JPH11231449A (ja) ハロゲン化銀乳剤製造方法及び製造装置
JPH11249245A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造装置及び製造方法
JPH11249244A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置
JPS5943727B2 (ja) ハロゲン化銀沈殿方法
JPH11295830A (ja) ハロゲン化銀粒子の製造方法及び粒子
JP2000187293A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPS6311928A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPH11218859A (ja) ハロゲン化銀乳剤製造方法
JPH07209781A (ja) 薄型平板状粒子ハロゲン化銀乳剤の調製方法
JPH11212193A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPH11217217A (ja) ハロゲン化銀製造装置
JPH11352618A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP2919444B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP2000002958A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造装置及び製造方法
JPH11271898A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050308

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050927

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02