JPH11286679A - 含フッ素ケトンからなる断熱ガス及びそれを充填した断熱材 - Google Patents

含フッ素ケトンからなる断熱ガス及びそれを充填した断熱材

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JPH11286679A
JPH11286679A JP10103610A JP10361098A JPH11286679A JP H11286679 A JPH11286679 A JP H11286679A JP 10103610 A JP10103610 A JP 10103610A JP 10361098 A JP10361098 A JP 10361098A JP H11286679 A JPH11286679 A JP H11286679A
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Takayuki Ishimura
隆行 石村
Naokado Takada
直門 高田
Akira Sekiya
章 関屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地球環境への影響が少なく、より断熱性の高
い断熱ガス及びそれを充填した断熱材を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、nは2〜5の数を示し、mは0〜2の数を示
し、xは1または2の数を示し、yは0〜5の数を示
す)で表される含フッ素ケトンからなる断熱ガス及び前
記断熱ガスを充填した断熱材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層硝子、ポリオ
レフィンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム等の断熱
材に充填する断熱ガス及びそれを充填した断熱材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】冷暖房効率向上、消費電力の低減のため
に断熱材が住宅、電気冷蔵庫等に広く使用されている。
断熱の方法として、真空断熱法が挙げられる。これは、
理論上、最も効率の高い断熱法であるが、真空がブレイ
クされると断熱性能が急激に低下するので、頑丈な設備
を要し、一般に重量が増す。もう一つの方法として、気
体の熱伝導率が低く、不活性なガスを断熱材に充填する
方法が挙げられる。具体的には住宅用サッシの複層硝子
の間に断熱ガスを充填する方法や、発泡剤として断熱ガ
スを用い硬質ポリウレタンフォーム中に封入する方法が
ある。従来、CFC(クロロフルオロカーボン)、HC
FC(ヒドロクロロフルロカーボン)が断熱ガスとして
使用されてきたが、これらの化合物はオゾン層を破壊す
るだけでなく、その化学的に安定な性質のために、大気
寿命が長く地球温暖化を招く。オゾン層を破壊すること
無い断熱ガスとして、HFC(ヒドロフルオロカーボ
ン)、例えばHFC−245fa等が提案されている
が、50℃におけるHFC−245faの気体の熱伝導
率は13.9mW/mKであり、CFC−11(9.6
9mW/mK)、HCFC−141b(11.8mW/
mK)に比べて断熱性能が低い。本発明者らは含フッ素
ケトン類の気体の熱伝導率を測定し、これらの熱伝導率
は(13.09から13.12mW/mK)であり、H
FC−245faより断熱性能が高いことを示した。し
かし、より断熱性が高く(より気体の熱伝導率が低く)
かつ、オゾン層を破壊しない断熱ガスが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地球環境へ
の影響が少なく、より断熱性の高い断熱ガス及びそれを
充填した断熱材を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の含フッ素ケトン
化合物は、既存の化合物に比べて気体の熱伝導率が低い
ことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明によれば、下記一般式(1)
【化1】 (式中、nは2〜5の数を示し、mは0〜2の数を示
し、xは1または2の数を示し、yは0〜5の数を示
す)で表される含フッ素ケトンからなる断熱ガスが提供
される。また、本発明によれば、前記断熱ガスを充填し
た断熱材が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の断熱ガスを例示すると、
CF3CF2COCHF2、CF3CF2COCH2F、CF
3CF2COCF3、CF3CF2COCH2CH3、CF3
2COCH2CF3、CF3CF2COCH2CHF2、C
3CF2COCH2CH2F、CF3CF2COCHFCH
3、CF3CF2COCHFCHF2、CF3CF2COCH
FCH2F、CF3CF2COCF2CH3、CF3CF2
OCF2CF3、CF3CF2COCF2CHF2、CF3
2COCF2CH2F、(CF32CFCOCHF2
(CF32CFCOCH2F、(CF32CFCOC
3、CF3CF(CHF2)COCHF2、CF3CF
(CHF2)COCH2F、CF3CF(CHF2)COC
3、CF3CF(CH2F)COCHF2、CF3CF
(CH2F)COCH2F、CF3CF(CH2F)COC
3などの化合物が挙げられるが、好ましくはCF3CF
2COCH3または(CF32CFCOCH3などが挙げ
られる。これらの2種以上の化合物同士を混合して使用
することも可能である。また、所望により、シクロペン
タン、n−ペンタン、iso−ペンタン等の炭化水素、
HFC−245fa等のハイドロフルオロカーボンを任
意の割合で混合することも可能である。また、その時の
熱伝導率は、概ねそれらの化合物の熱伝導率の加重平均
に等しくなる。
【0006】これらの断熱ガスの断熱材に対する充填圧
力は当業者の所望の圧力で使用可能であるが、常圧近傍
が好ましい。加圧状態の場合は気体の熱伝導率が上が
り、断熱性が下がる。また、過度の減圧状態では断熱材
の強度により、変形することもありうる。また、本発明
の断熱ガスをポリオレフィンフォーム、またはポリウレ
タンフォーム用発泡剤として使用する場合は、本発明者
らは既にこれ以前の出願して示したようにポリオールと
の相溶性を増すためにフッ素系の界面活性剤を使用する
ことも可能である。また、界面活性剤の使用を好まない
場合は発泡直前にこれらのガスを混合し、硬質ウレタン
フォームを製造することも出来る。本発明の断熱剤を用
いて断熱を目的とした硬質ウレタンフォームの製造は、
本発明の断熱ガスを発泡剤として用い、この断熱ガスと
ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、水、界面活性
剤、整泡剤を混合、反応させることによって行うことが
できる。
【0007】ポリイソシアネートには、芳香族、環状脂
肪族、鎖状脂肪族系のものが包含され、従来一般に使用
されている2官能のものが用いられる。このようなもの
としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナ
フタリンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのものは単独又は混合物の形で用いられる。
【0008】ポリオールには、ポリエーテル系ポリオー
ル、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、水酸
基含有ジエチレン系ポリマー等が包含されるが、ポリエ
ーテル系ポリオールの使用が好ましい。また、ポリエー
テル系ポリオールを主成分とし、ポリエステル系ポリオ
ール等の他のポリオールを含むポリオールの使用も可能
である。ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及び
それら変性体の他、糖、多価アルコール、アルカノール
アミン等の活性水素を含む化合物をイニシエータにし
て、これに、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、
エピクロルヒドリン、ブチレンオキシド等の環状エーテ
ルを付加したものが好ましく使用される。ポリエステル
系ポリオールには、縮合系ポリエステルポリオール、ラ
クトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール等が包含される。ポリオールとしては、通常、
その水酸基価が100〜1000のものが使用される。
【0009】触媒には、有機金属系触媒と有機アミン系
触媒が包含される。有機金属系触媒としては、有機スズ
化合物が好ましく使用され、スタナスオクトエート、ス
タナスラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫ジマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル
錫ジアセテート等が挙げられる。有機アミン系触媒とし
ては、第3級アミン、例えば、トリエチレンジアミン、
N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビ
ス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,
N’−トリエチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0010】本発明においては、前記したように、発泡
剤としての含フッ素ケトン化合物の使用との関連で、界
面活性剤としてパーフルオロアルキル基を有する含フッ
素界面活性剤を好ましく用いることができる。発泡剤と
して使用する含フッ素ケトン化合物の表面張力が低いの
で、含フッ素系界面活性剤を用いることによりポリオー
ルに対する発泡剤の相溶性をコントロールすることがで
きる。含フッ素系界面活性剤の使用量は、含フッ素ケト
ン化合物100重量部当り、0.001〜10重量部、
好ましくは0.01〜5重量部の割合である。含フッ素
系界面活性剤としては、例えば、下記のものが挙げられ
る。 (1)RfSO2NR−(C24O)nH (2)RfSO2NR−CH2COOK (3)RfSO3M 前記式中、Rfはパーフルオロアルキル基を示し、Rは
アルキル基を示し、MはNH4、K又はNaを示し、n
は10〜2の数を示す。
【0011】発泡剤として用いる含フッ素ケトン化合物
の使用割合は、ポリオール100重量部当り、5〜50
重量部、好ましくは15〜30重量部であり、このよう
な量の含フッ素ケトン化合物の使用により、20kg/
3以上、特に、30〜80kg/m3の密度を有する硬
質ポリウレタンフォームを得ることができる。原料混合
物の反応温度は、15〜90℃、好ましくは20〜60
℃、より好ましくは20〜35℃である。硬質ポリウレ
タンフォームの製造方法には、従来公知の各種の方法が
包含され、硬質ポリウレタンフォームは、ワンショット
法やプレポリマー法で製造することができる。また、そ
のフォームを得る際の発泡方式としては、現場発泡、ス
ラブ発泡、注入発泡(充填法、モールド法)、ラミネー
ト発泡、スプレー発泡等の各種の発泡方式を採用するこ
とができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳しく説
明する。
【0013】実施例1 硝子製コールドフィンガーの通常ドライアイス−メタノ
ール等の寒剤を入れる部分に50℃の水を200gを入
れ、発泡スチロール製の断熱材でふたをした。そして、
凝縮部に断熱ガスとしてCF3CF2COCH3を750
torr充填した。1時間後、水の温度を測定した結
果、41℃であった。また、この間の室温は26.3℃
であった。
【0014】比較例1 凝縮部にCF3CF2COCH3の代りに空気を750t
orr充填した以外実施例1と同様にして実験行った結
果、試験後の水温は36℃であった。
【0015】実施例2 CF3CF2COCH3または(CF32CFCOCH3
らなる断熱ガスを発泡剤として用いてポリウレタンフォ
ームを以下のようにして製造した。旭硝子(株)製ポリ
オール315:50重量部、ポリオール430:50重
量部、シリコーン系整泡剤(信越化学(株)製F−33
8):2部、水:0.5部、三菱マテリアル(株)製非
イオン系含フッ素界面活性剤EF−802:0.15
部、同EF−122A:0.05部、EF−122C:
0.05部、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンを
ゲルタイム45秒とするための必要量、断熱ガスをコア
密度27〜33kg/m3になるための必要量からなる
混合液とMD化成(株)製ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネートPAI135:110部を激しく混合し、
200×300×180mmの木製の鋳型に投入し、得
られた発泡体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に
示す。
【0016】
【表1】 ────────────────────────────── 断熱ガス 発泡体の熱伝導率(mW/mK) ────────────────────────────── CF3CF2COCH3 21.09 (CF32CFCOCH3 21.12 ──────────────────────────────
【0017】
【発明の効果】本発明の断熱ガスは、高い断熱性を有す
るとともに、その毒性も極めて低く、人体に対する安全
性も非常に高いものである。本発明の断熱性ガスはオゾ
ン層破壊を生じないという大きな特徴を有するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 直門 東京都文京区本郷2−40−17本郷若井ビル 6階 財団法人地球環境産業技術研究機構 新規冷媒等プロジェクト室内 (72)発明者 関屋 章 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、nは2〜5の数を示し、mは0〜2の数を示
    し、xは1または2の数を示し、yは0〜5の数を示
    す)で表される含フッ素ケトンからなる断熱ガス。
  2. 【請求項2】 該含フッ素ケトンが、CF3CF2COC
    3及び/又は(CF32CFCOCH3である請求項1
    の断熱ガス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の断熱ガスを充填した断
    熱材。
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