JP3113897B2 - 断熱ガス - Google Patents

断熱ガス

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JP3113897B2
JP3113897B2 JP11003448A JP344899A JP3113897B2 JP 3113897 B2 JP3113897 B2 JP 3113897B2 JP 11003448 A JP11003448 A JP 11003448A JP 344899 A JP344899 A JP 344899A JP 3113897 B2 JP3113897 B2 JP 3113897B2
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insulating gas
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征司 田窪
良一 玉井
章 関屋
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Research Institute of Innovative Technology for Earth
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオゾン層破壊の心配
のない新規な断熱ガスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、断熱ガスとしてCFC(クロロフル
オロカーボン)、HCFC(ヒドロクロロフルオロカーボ
ン)が広く使用されてきたが、これらの化合物はオゾン
層を破壊するため、その製造は禁止または制限されてい
る。また、オゾン層を破壊することの無い断熱ガスとし
て、HFC-245faなどのHFC(ハイドロフルオロカーボ
ン)、シクロペンタンなどのHC(ハイドロカーボン)が
提案されている。しかし、これらの断熱性は未だ充分な
ものではない。含フッ素エーテルを断熱材として用いる
ことは、例えば特開平6−41342号公報や特開平4
−28729号公報により提案されているが、環状エー
テルについての記載はない。また、特開平3−9384
1号公報には、鎖状エーテル、環状エーテルについての
記載はあるが言及されているのは四員環であるオキセタ
ンまたは六員環であるジオキサンのみで、五員環構造の
ものは記載は無い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地球環境へ
の影響が少なく、より断熱性の高い断熱ガスを提供する
ことをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、水素原子、フ素原
子、炭素原子および酸素原子からなる五員環の環状エー
テル化合物が断熱ガスとして有効であることを見いだし
た。即ち、本発明によれば、水素原子、フッ素原子、炭
素原子および酸素原子からなり、水素原子数が1または
2、酸素原子数が1または2である五員環の環状エーテ
ル化合物からなることを特徴とする断熱ガスが提供され
る。また本発明によれば、- CF2CF2CF2CHFO-、- CF2CF2
CF2CH2O-、- CHFCF2CF2CHFO-、または- CF2CF2OCH(CF3)
O-で表される環状エーテル化合物からなることを特徴と
する断熱ガスが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の断熱ガスは、水素原子、
フッ素原子、炭素原子および酸素原子からなる五員環の
環状エーテル化合物からなるもので、その水素原子は1
または2、酸素原子は1または2である。このような五
員環の環状エーテル化合物には、- CF 2CF2CF2CHFO-、-
CF2CF2CF2CH2O-、- CHFCF2CF2CHFO-、または- CF2CF2OC
H(CF3)O-で表されるものが包含される。
【0006】これらの断熱ガスは、主にポリウレタンや
ポリオレフィンなどの発泡体に、発泡の際の発泡剤とし
て用いられ、当該発泡体は、当該発泡剤の断熱性を利用
して冷蔵庫の断熱材や建材として用いることができる。
本発明による断熱ガスを用いる場合、これらの断熱ガス
の充填圧力は当業者の所望の圧力で使用可能であるが、
常圧近傍が好ましい。加圧状態の場合は気体の熱伝導率
が上がり、断熱性が下がる。また、過度の減圧状態では
断熱材の強度により、変形することもありうる。また、
前記断熱ガスをポリオレフィンフォームやポリウレタン
フォーム用発泡材として使用する場合は、ポリオールと
の相溶性を増すために界面活性剤を添加することができ
る。界面活性剤としてははアルキルフェニルポリエチレ
ンオキサイドなどのノニオン系、アルキルスルホン酸の
金属塩またはアルキルカルボン酸の金属塩などのアニオ
ン系を挙げることができるが、パーフルオロアルキルス
ルホン酸の金属塩またはパーフルオロアルキルカルボン
酸の金属塩などのフッ素系の界面活性剤を使用すること
が好ましい。また、界面活性剤の使用を好まない場合は
発泡直前にこれらのガスを混合し、硬質ウレタンフォー
ムを製造することも出来る。
【0007】前記断熱ガスを発泡剤として用いて断熱を
目的とした硬質ウレタンフォームの製造は、その断熱ガ
ス、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、水、界面
活性剤、整泡剤を混合し、反応させることによって実施
できる。前記ポリイソシアネートには、芳香族、環状脂
肪族、鎖状脂肪族系のものが包含され、従来一般に使用
されている2官能のものが用いられる。このようなもの
としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナ
フタリンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのものは単独又は混合物の形で用いられる。前記
ポリオールには、ポリエーテル系ポリオール、ポリエス
テル系ポリオール、多価アルコール、水酸基含有ジエチ
レン系ポリマー等が包含されるが、ポリエーテル系ポリ
オールの使用が好ましい。また、ポリエーテル系ポリオ
ールを主成分とし、ポリエステル系ポリオール等の他の
ポリオールを含むポリオールの使用も可能である。ポリ
エーテル系ポリオールとしては、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール及びそれらの変性
体の他、糖、多価アルコール、アルカノールアミン等の
活性水素を含む化合物をイニシエータにして、これに、
プロピレンオキシド、エチレンオキシド、エピクロルヒ
ドリン、ブチレンオキシド等の環状エーテルを付加した
ものが好ましく使用される。ポリエステル系ポリオール
には、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリ
エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が
包含される。ポリオールとしては、通常、その水酸基価
が100〜1000のものが使用される。前記触媒に
は、有機金属系触媒と有機アミン系触媒が包含される。
有機金属系触媒としては、有機スズ化合物が好ましく使
用され、スタナスオクトエート、スタナスラウレート、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレエート、ジ
ブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート等が
挙げられる。有機アミン系触媒としては、第3級アミ
ン、例えば、トリエチレンジアミン、Nーエチルモルホ
リン、トリエチルアミン、N、N、N‘、N’ーテトラメチ
ルヘキサメチレンジアミン、ビス(2ージメチルアミノ
エチル)エーテル、N、N’、N’ートリエチルエタノー
ルアミン等が挙げられる。
【0008】ポリウレタンフォームを製造する場合、前
記したように、発泡剤としての前記断熱ガスの使用との
関連で、界面活性剤としてパーフルオロアルキル基を有
する含フッ素界面活性剤を用いるのが好ましい。発泡剤
として使用する前記断熱ガスの表面張力が低いので、含
フッ素系界面活性剤を用いることによりポリオールに対
する発泡剤の相溶性をコントロールすることができる。
含フッ素系界面活性剤の使用量は、発泡剤(断熱ガス)
100重量部当り、0.001〜10重量部、好ましく
は0.01〜5重量部の割合である。含フッ素系界面活
性剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。 (1)RfSO2NR-(C2H4O)nH (2)RfSO2NR-CH2COOK (3)RfSO3M4 (4)RfSO3M 前記一般式中、Rfはパーフルオロアルキル基を示し、R
はアルキル基を示し、MはNH4、K又はNaを示し、nは3〜
30の数を示す。前記発泡剤(断熱ガス)の使用割合
は、ポリオール100重量部当り、5〜50重量部、好
ましくは15〜30重量部であり、このような量の発泡
剤の使用により、20kg/m3以上、特に、30〜80kg
/m3の密度を有する硬質ポリウレタンフォームを得るこ
とができる。原料混合物の反応温度は、15〜90℃、
好ましくは20〜60℃、より好ましくは20〜35℃
である。硬質ポリウレタンフォームの製造方法には、従
来公知の各種の方法が包含され、本発明における硬質ポ
リウレタンフォームは、ワンショット法やプレポリマー
法で製造することができる。また、そのフォームを得る
際の発泡方式としては、現場発泡、スラブ発泡、注入発
泡(充填法、モールド法)、ラミネート発泡、スプレー
発泡等の各種の発泡方式を採用することができる。本発
明の断熱ガスの好ましい態様は、前記したようなポリウ
レタンフォーム、特に硬質のポリウレタンフォーム用発
泡剤であるが、本発明の断熱ガスには他の形態の断熱ガ
ス、例えば、内部に断熱ガスを封入した構造の積層体
(複層ガラス)や、中空体等が包含される。
【0009】
【実施例】以下本発明を実施例により、更に詳しく説明
する。
【0010】実施例1〜3、比較例1 C-80D熱量計(SETARAM社、フランス)の試料容器および
リファレンス容器に試料をガスで充填した。容器を50
℃に保ちつつ熱的平衡に達した後試料容器に100mWの熱
量を1時間与えた。この時得られた熱流信号と、予め熱
伝導率が既知であるCFC-11,HCFC-141b,炭酸ガス、窒素
より作成した熱伝導率校正曲線により、試料のガスでの
熱伝導率を求めた。その結果を表1に示した。
【0011】実施例4,5、比較例2 C-80D熱量計(SETARAM社、フランス)の試料容器および
リファレンス容器に試料をガスで充填した。容器を70
℃に保ちつつ熱的平衡に達した後試料容器に100mWの熱
量を1時間与えた。この時得られた熱流信号と、予め熱
伝導率が既知であるCFC-11,HCFC-141b,炭酸ガス、窒素
より作成した熱伝導率校正曲線により、試料のガスでの
熱伝導率を求めた。その結果を表1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】実施例6〜10、比較例3、4 硬質ポリウレタンフォームの製造 表2に示すイソシアネート成分およびポリオール成分を
それぞれ20℃±1℃に調整した後、2.0リットルの
ポリエチレン製ビーカーに秤量し、回転数3000rpm
で攪拌ミキサーで5秒攪拌混合し、200×200×2
00mmの木製容器中ポリエチレン製の袋をセットした中
で自由発砲を行い、発泡性を試験した。結果を表2に示
した。また、同様に攪拌混合したフオーム原液を400
×400×50mmの縦型モールドに注入して得たパネル
を物性試験に使用した。結果を表2に示した。
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明の断熱ガスは、その沸点が20〜
70℃の範囲のものであり、かつそのガスでの熱伝導率
が13.5mW/mK以下と従来の断熱ガスよりも低
く、各種発泡体製造用の高断熱性ガス状発泡剤等として
有利に使用される。また、本発明の断熱ガスは、H、
F、CおよびOから構成される環状エーテルであること
から、オゾン層破壊の心配のないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 3/00 111 C09K 3/00 111B (72)発明者 玉井 良一 東京都文京区本郷2−40−17本郷若井ビ ル6階 財団法人地球環境産業技術研究 機構 新規冷媒等プロジェクト室内 (72)発明者 関屋 章 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 審査官 山本 昌広 (56)参考文献 特開 平10−265467(JP,A) 特開 平9−316228(JP,A) 特開 平3−93841(JP,A) 特開 平11−124455(JP,A) 特開 平11−116524(JP,A) 特表 平10−506888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 5/00 C09K 3/00 C08J 9/14 C07D 307/18 C07D 317/42 C07D 325/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素原子、フッ素原子、炭素原子および
    酸素原子からなり、水素原子数が1または2、酸素原子
    数が1または2である五員環の環状エーテル化合物から
    なることを特徴とする断熱ガス。
  2. 【請求項2】 - CF2CF2CF2CHFO-、- CF2CF2CF2CH2O-、
    - CHFCF2CF2CHFO-、または- CF2CF2OCH(CF3)O-で表され
    る環状エーテル化合物からなることを特徴とする断熱ガ
    ス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101814066B1 (ko) * 2017-02-28 2018-01-02 주식회사 나우정공 푸쉬 유닛을 구비한 정치식 용접기용 팁 드레싱 장치 및 이를 이용한 팁 드레싱 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101814066B1 (ko) * 2017-02-28 2018-01-02 주식회사 나우정공 푸쉬 유닛을 구비한 정치식 용접기용 팁 드레싱 장치 및 이를 이용한 팁 드레싱 방법

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