JPH11285766A - 丸ダイス式転造装置 - Google Patents

丸ダイス式転造装置

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JPH11285766A
JPH11285766A JP9030198A JP9030198A JPH11285766A JP H11285766 A JPH11285766 A JP H11285766A JP 9030198 A JP9030198 A JP 9030198A JP 9030198 A JP9030198 A JP 9030198A JP H11285766 A JPH11285766 A JP H11285766A
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Katsuyuki Nakada
克之 仲田
Hiroshi Yoshikawa
紘 吉川
Hiroshi Okino
弘 沖野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークに対する転造加工の多様化を図ると共
に、ワーク転造時におけるワークの歩みを抑えて転造加
工面の仕上がり精度を向上させる。 【解決手段】 丸ダイス12a,12bの主軸14a,
14bが回転しながらワーク13側に移動してワークを
転造加工する丸ダイス式転造装置において、前記丸ダイ
ス12a,12bの主軸14a,14bを該主軸の移動
方向と直交する面内で傾斜させる主軸傾斜機構17a,
17bと、該主軸傾斜機構17a,17bの駆動する軸
傾斜用サーボモータ18a,18bとを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転造加工によって
ネジ、歯車、シャフト及びパイプ等を製造するための丸
ダイス式転造装置に係り、特に丸ダイスの主軸を傾斜さ
せながらワークの周面及び軸方向を転造加工する丸ダイ
ス式転造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の丸ダイス式転造装置とし
て、図8に示したものが知られている。この丸ダイス式
転造装置1は、外周にネジ溝が設けられた一対の丸ダイ
ス2a,2bでワーク3を左右側から挟み、主軸4a,
4bを回転させながら油圧機構5a,5bによって丸ダ
イス2a,2bをワーク3に向かって徐々に押し込み、
ワーク3にネジ溝を転造加工するものである。丸ダイス
2a,2bの幅より長いワーク3に転造する所謂通し転
造の場合、主軸4a,4bを手動で傾斜させ、丸ダイス
2a,2bとワーク3との接触部におけるリード角を一
致させた状態で傾斜角を固定し、ワーク3を軸方向に移
動させて転造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の丸ダイス式転造装置にあっては、主軸4a,4bの
傾斜角を手動で調整したのち固定し、その傾斜角を保持
した状態で転造するために、転造加工中に傾斜角を変化
させることができず、ワークの加工の多様化が図れない
ものであった。
【0004】また、ワーク3にネジ溝を転造する場合、
丸ダイス2a,2bをワーク3に向かって徐々に押し込
むにつれ、ワーク3のネジ溝の谷径が小さくなる。その
ため、ワークの切込み開始時に比べて切込み完了時には
ワーク3の谷部の円周長が短くなる。図9は、ワーク3
の円周長とピッチとの関係を示したものである。この場
合、ワーク3の円周長は、切込み開始時の円周長Lから
切込み完了時の円周長L1に変化し、δLだけその長さ
が短くなる。しかしながら、従来の丸ダイス式転造装置
1にあっては、転造中に主軸4a,4bを上下に傾斜で
きないため、ワーク3の谷径が変化してもリード角βが
一定に保たれる。このため、切込み開始時のワーク3の
ピッチPと、切込み完了時のワーク3のピッチP1との
間にはピッチのズレδPが発生し、このピッチのズレδ
P分だけ転造中にワーク3が軸方向に移動してしまうこ
とになる。この転造中にワーク3が軸方向に移動する現
象は、ワーク3の歩みと呼ばれ、特に外径と谷径との差
が大きいネジ溝を転造する場合に最も顕著に現れる。歩
みが発生すると、歩みによるワーク3の移動方向のネジ
山のフランク面が丸ダイス2a,2bに強く接触する一
方、ワーク3の移動方向と逆のフランク面の丸ダイス2
a,2bとの接触が弱くなり、結果的に、転造加工され
た面の仕上がり精度が悪くなるといった問題があった。
【0005】そこで、本発明は、ワークに対する転造加
工の多様化を図ると共に、ワーク転造時におけるワーク
の歩みを抑えて転造加工面の仕上がり精度を向上させる
ようにした丸ダイス式転造装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するために本発明の請求項1に係る丸ダイス式転造装
置は、丸ダイスの主軸が回転しながらワーク側に移動し
てワークを転造加工する丸ダイス式転造装置において、
前記丸ダイスの主軸を該主軸の移動方向と直交する面内
で傾斜させる主軸傾斜機構と、該主軸傾斜機構の駆動源
とを設けたことを特徴とする。
【0007】また、本発明の請求項2に係る丸ダイス式
転造装置は、丸ダイスの主軸が回転しながらワーク側に
移動してワークを転造加工する丸ダイス式転造装置にお
いて、前記丸ダイスの主軸は該主軸の移動方向と直交す
る面内で傾斜可能なダイスホルダによって支持されると
共に、該ダイスホルダがギヤを介してモータに連結され
ていることを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項3に係る丸ダイス式
転造装置は、上記主軸の傾斜角を検知する傾斜角検知手
段と、上記主軸の傾斜角をフィードバックして上記主軸
の傾斜を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
る。
【0009】また、本発明の請求項4に係る丸ダイス式
転造装置は、ワークを転造する際のワーク径の変化に伴
って上記主軸を傾斜させ、転造中のワーク径の変化に対
応したリード角を補正し、ワークの動きを制御する。
【0010】また、本発明の請求項5に係る丸ダイス式
転造装置は、転造時に発生するワークの歩みを検出する
歩み検出手段を設け、この歩み検出手段から得られた検
出信号に基づいて上記主軸の傾斜角を制御して、ワーク
の歩みを抑えることを特徴とする。
【0011】また、本発明の請求項6に係る丸ダイス式
転造装置は、一組の丸ダイスを軸支する一組のダイス移
動台と、丸ダイスによるワークの転造位置の回りで前記
一組のダイス移動台間に2本以上架け渡されたはり軸
と、前記一対のダイス移動台を接近させる押込機構とを
備え、前記ダイス移動台を前記はり軸にガイドさせて接
近させると共に、転造圧力によって前記一組の丸ダイス
間に生じる反力を前記はり軸に負担させるように構成し
た丸ダイス式転造装置であって、前記丸ダイスの主軸を
該主軸の移動方向と直交する面内で傾斜させる主軸傾斜
機構と、該主軸傾斜機構の駆動源とを設けたことを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
に係る丸ダイス式転造装置を詳細に説明する。図1乃至
図5は、本発明に係る丸ダイス式転造装置の一実施例を
示したものである。図1及び図2に示すように、本実施
例の丸ダイス式転造装置11は、一対の丸ダイス12
a,12bでワーク13を左右側から挟み、主軸14
a,14bが回転しながらワーク13側に移動してワー
ク13を転造加工するものである。一対の主軸14a,
14bは、水平に平行を保ってダイスホルダ15a,1
5bに回転可能に軸支される。一方のダイスホルダ15
aは、第1のダイス移動台16aの内側面に設けられ、
他方のダイスホルダ15bは、第2のダイス移動台16
bの対向する内側面に設けられる。特に、これらのダイ
スホルダ15a,15bは、主軸14a,14bをダイ
ス移動台16a,16bの移動方向に対して直交する面
内(垂直面内)で傾斜できるように、ダイス移動台16
a,16bに回動可能に取り付けられる。主軸14a,
14bの回動中心19a,19bは、両者を結んだ線上
Sに略ワーク13の転造位置が来るように設定される。
なお、上記実施例ではダイス移動台16a,16bにダ
イスホルダ15a,15bを介してそれぞれに1個ずつ
の丸ダイス12a,12bを取付けた場合について説明
したが、2個以上の丸ダイスを取付けてワークを挟み込
むようにしても良い。
【0013】上記ダイスホルダ15a,15bの回動
は、主軸傾斜機構17a,17bによって実行される。
この主軸傾斜機構17a,17bは、各ダイスホルダ1
5a,15bに設けられたダイスホルダ用ギヤとこのダ
イスホルダ用ギヤと噛み合うモータ用ギヤとで構成さ
れ、モータ用ギヤを先端に取付けた軸傾斜用サーボモー
タ18a,18bがダイス移動台16a,16bの側面
に配設されている。なお、前記主軸傾斜機構17a,1
7bは、上述のギヤ以外にリンク機構等を用いたもので
あってもよく、またサーボモータに代えて油圧シリンダ
や空気圧シリンダで駆動することも可能である。
【0014】上記ダイスホルダ15aの回動制御に際し
ては、図2に示したように、先ず軸傾斜用サーボモータ
18aが駆動することでモータ用ギヤが回転され、ダイ
スホルダ用ギヤを介してダイスホルダ15aに回転力が
伝達される。これにより、ダイスホルダ15aは回動中
心19aを支点として軸傾斜用サーボモータ18aの回
転に見合った量回転する。それ故、平行を保つ主軸14
a(図中1点鎖線で示す)を、垂直面内で上方に+α°
(図中2点鎖線で示す)、下方に−α°(図中2点鎖線
で示す)傾斜させることができる。なお、他方側のダイ
スホルダ15bも同様の制御がなされる。
【0015】一方、主軸14a,14bは、図1に示し
たサーボモータ21a,21bによって回転制御され
る。また、ダイス移動台16a,16bから突出した主
軸14a,14bの端部には、上記丸ダイス12a,1
2bの回転数をクローズドループで制御するためのロー
タリーエンコーダ(図示せず)が取り付けられる。な
お、主軸14a,14bの回転をクローズドループで制
御することで、主軸14a,14bの傾斜に伴う回転ム
ラの発生が防止される。
【0016】次に、上記丸ダイス12a,12bの移動
機構について説明する。上記丸ダイス12a,12bの
移動は、ダイス移動台移動機構24によって行われる。
このダイス移動台移動機構24は、上述したダイスホル
ダ15a,15bをそれぞれ内側面に設けた第1のダイ
ス移動台16a及び第2のダイス移動台16bと、第2
のダイス移動台16bの外側に配置した圧力プレート2
6とからなる。これらのダイス移動台16a,16b及
び圧力プレート26は、いずれも図2に示したように、
基台27上に固設した一対のスライドレール28a,2
8bに左右方向へスライド可能に取り付けられる。ま
た、第1のダイス移動台15aと圧力プレート16との
間には、互いに向かい合う内側面の四隅に4本の同じ断
面形状のはり軸29が架け渡され、はり軸29の両端が
第1のダイス移動台16a及び圧力プレート26にそれ
ぞれ固定される。そのため、第1のダイス移動台16a
と圧力プレート26とは、スライドレール28a,28
b上を相対位置が変化することなく一体にスライドす
る。なお、4本のはり軸29の位置は、丸ダイス12
a,12bによるワーク13の転造位置を中心としてい
ずれも等距離にあり、その位置は、丸ダイス12a,1
2bによるワークの転造位置を中心としていずれも等距
離に且つ周方向に4等分して配置される。また、4本の
はり軸29の剛性はいずれも等しく設定されている。
【0017】第2のダイス移動台16bは、第1のダイ
ス移動台16aと圧力プレート26との間でスライドレ
ール28a,28bにスライド可能に取り付けられると
共に、前記4本のはり軸29を挿通させるための貫通孔
が側面の四隅に設けられている。また、前記圧力プレー
ト26には、油圧シリンダ等の押込機構30が固定され
る。この押込機構30は、ダイス移動台16bと同一方
向に伸縮するシリンダ軸31を備えており、シリンダ軸
31の先端を第2のダイス移動台16bの外側面に固定
してある。なお、押込機構30は、油圧シリンダに限ら
れず、空圧機器、電動機を用いたものであってもよい。
【0018】第2のダイス移動台16bと圧力プレート
26との間には、一対のラックとピニオンとが設けられ
る(図示せず)。ピニオンは、基台27の上面に固定さ
れる。一方のラックが圧力プレート26の下端に、また
他方のラックが第2のダイス移動台16bの下端にそれ
ぞれ固定され、それぞれがピニオンに噛み合っている。
【0019】押込機構30を作動させてシリンダ軸31
が伸びると、第2のダイス移動台16bは押されてワー
ク13に向かいスライドレール28a,28b上を図1
の左方向にスライド移動する。一方、第2のダイス移動
台16bと圧力プレート26との間にはラック・ピニオ
ンが設けられているため、圧力プレート26は、第2の
ダイス移動台16bの移動方向とは逆方向にスライドす
る。移動距離は第2のダイス移動台16bと同一であ
る。この時、圧力プレート26と4本のはり軸29で連
結されている第1のダイス移動台16aも、圧力プレー
ト26と同じ方向、即ち図1の右方向にワーク13に向
かって同一距離だけ移動する。したがって、第1のダイ
ス移動台16aと第2のダイス移動台16bは、互いに
ワーク13に向かって同一距離だけスライド移動し接近
することになる。このように、本発明に係るダイス移動
台移動機構24によれば、一本の押込機構30で左右の
ダイス移動台16a,16bを互いに接近させ、丸ダイ
ス12a,12bを両側からワーク13に押し込むこと
で転造加工することができる。また、ラック・ピニオン
を設けたことによって、ワーク13の位置を常に移動す
る丸ダイス12a,12bの中心に保つことができ、ワ
ーク13の加工精度の向上が図られる。
【0020】ワーク13に丸ダイス12a,12bから
の転造圧力を作用させると、一対の丸ダイス12a,1
2bにはワーク13から反力が働くが、この反力はシリ
ンダ軸31を介して4本のはり軸29で負担する。この
4本のはり軸29はワーク13の上下に均等に剛性を等
しく配設されているため、反力は4本のはり軸29に均
等に4等分して負担される。反力によってはり軸29は
軸方向に若干は伸びることになるが、4本とも均等にバ
ランス良く伸びるため、ダイス移動台16a,16bが
上方に開いてしまい、丸ダイス12a,12bの上部が
部分的に逃げることがない。したがって、ワーク13の
確実な転造が可能になる。また、ダイス移動台16a,
16b間には、丸ダイス12a,12b間の距離を測定
するため、リニアスケール等の距離検出手段が設けら
れ、この検出信号に基づいて押込機構30の駆動が数値
制御される。ダイス移動台15a,15b間の距離を計
測することで、主軸27a,27b間の距離すなわち丸
ダイス12a,12bの切込み量を高精度に数値制御す
ることができる。
【0021】図3及び図4はワーク13のクランプ機構
34を示したものである。ワーク13は、止まりセンタ
35及び芯押しセンタ36間に軸方向にクランプされ
る。止まりセンタ35はセンタ台37aに固定され、一
方の芯押しセンタ36はセンタ台37bに摺動可能に取
り付けられる。センタ台37bには空気圧又は油圧のシ
リンダ38が固定され、このシリンダ38の作動によっ
て芯押しセンタ36がワーク13の軸方向(図中X方
向)に移動される。また、センタ台37a,37bの下
部にはスパンを調整するためのセンタ台調整用ラック3
9及びセンタ台調整用ピニオン40が設けられる。セン
タ台37a及び37bは、ワーク13の軸方向に設けら
れたセンタ台スライドレール41上をスライド可能に取
り付けられる。センタ台37bの側面にはリニアスケー
ル等の歩み検出手段42が設けられ、ワーク13を軸方
向にクランプした状態で、センタ台37bの軸方向の移
動を検出し、ワーク13の歩み量を検出する。
【0022】図5は、上記軸傾斜機構17a,17bの
制御手段を示したものである。主軸14a,14bの傾
斜角を検知する傾斜角測定用のエンコーダ25a,25
bを各主軸14a,14bの端部に取付け、このエンコ
ーダ25a,25bで測定された傾斜角をフィードバッ
クすることで、主軸傾斜用サーボモータ18a,18b
の回転数が数値制御される。これにより、水平を保つ主
軸14a,14bの回動中心19a,19bを支点とし
た上下(図中+−方向)への傾斜を高精度に制御するこ
とができる。なお、主軸傾斜用サーボモータ18a,1
8bの中に上記エンコーダ25a,25bが一緒に組み
込まれている場合もある。また、主軸14a,14bの
傾斜角度の制御は、転造するワーク13の径や材質、転
造するネジ溝の種類やピッチなど種々の要因によっても
異なってくる。
【0023】図6は、上記構成からなる丸ダイス式転造
装置11を用いてワーク13を転造加工した時のネジ溝
のリード角、円周長、ピッチの関係を示したものであ
る。この図に示すように、丸ダイス12a,12bをワ
ーク13に向かって徐々に押し込み、切り込みが進むに
つれ、ワーク13のネジ溝の谷径が次第に小さくなる。
したがって、ワーク13の円周長は、切込み開始時のD
から切込み完了時のD1へと変化し、ワーク13の谷部
の円周長がδDだけ短くなる。主軸14a,14bを平
行に保ったままだと、ワーク13のリード角βが変化し
ないため、切込み開始時のワーク13のピッチPと、切
込み完了時のワーク13のピッチP1との間にはピッチ
のズレδPが発生する。このため、ピッチのズレδP分
だけ転造中にワーク13が軸方向に移動してしまう。し
かし、転造中に一対の主軸14a,14bをそれぞれ反
対方向に徐々に傾斜させることで、転造中のワーク13
のリード角βをワークの円周長の変化に応じて補正する
ことができる。このように補正することでワーク13の
ピッチPを一定に保つことができ、ワーク13の歩みを
抑えることができる。すなわち、ワーク13の径の変化
に伴い主軸14a,14bを徐々に傾斜させ、ワーク1
3のリード角βを補正することでワーク13の歩みが抑
えられる。転造完了時にはワーク13のリード角βは、
補正後のリード角β1となる。このようにしてワーク1
3の歩みが防止されると、ワーク13の移動方向のネジ
山のフランク面が丸ダイス12a,12bに強く接触
し、剥離等が生じるのを防止できるのに加えて、加工さ
れた面の仕上がり精度を良くすることができる。また、
ネジ溝の盛り上がり不足や転造加工におけるテーパーを
防止でき、さらに、つば付きのワークの場合は、歩みが
防止されることによって、つばのぎりぎりまで転造する
ことも可能になる。なお、補正後のリード角β1の変化
は僅かなため完成ネジの公差の範囲内に充分収まる。
【0024】なお、主軸14a,14bの傾斜角は、ワ
ーク13の径及び切込み量に伴い、補正すべきリード角
をあらかじめ算出し、この算出値をサーボ機構の目標値
として制御される。また、歩み検出手段42によってワ
ーク13の歩みが検出された場合には、主軸14a,1
4bの両方又はいずれか一方に所定の傾斜角を与え、歩
み検出手段42が一定値になるように制御する。
【0025】ところで、本実施例の丸ダイス式転造装置
11によれば、主軸14a,14bの傾斜角を高精度に
制御しているため、主軸14a,14bの傾斜角を所定
角度傾斜させることで、上述とは逆にワーク13を歩ま
せることも可能になる。したがって、例えば、ソロバン
形状のダイスを主軸に固定し、主軸を傾斜させることで
ワークに軸方向の推進力を与えると共に、主軸間距離を
変化させることで自由形状の転造が可能になり、スェー
ジングやしごきスピニングでしかできなかった中実、中
空素材の外径絞り及び内径加工や、段付き軸、段付きパ
イプの成形も可能になる。また、通し転造の軸傾斜角の
設定も自動化が可能になる他、主軸間距離、軸傾斜角
度、ダイスの回転角を高精度に制御することで、幅広い
加工が可能になる。
【0026】図7は、上述した主軸の傾斜制御をNC制
御で行なう場合の制御システム構成例を示したものであ
る。この制御システムは、メモリ46に格納されたプロ
グラムやデータをCPU45で処理した後、同一バスラ
イン43に接続された通信制御ユニット48を介して軸
傾斜用サーボモータ18a,18b及び押込機構30の
等のアクチュエータに伝達するものである。なお、これ
らのアクチュエータは、それぞれがドライバ回路を有
し、これら複数のドライバとI/Oポート47は上記通
信制御ユニット48に接続される。また、複数のドライ
バ、I/Oポート47及び通信制御ユニット48の間は
シリアル通信ライン44で接続されている。
【0027】なお、上記実施例では丸ダイス12a,1
2bの主軸14a,14bを垂直方向の面で傾斜させる
場合について説明したが、ダイス移動台16a,16b
が上下方向にスライドするタイプの転造装置の場合には
前記主軸14a,14bを水平方向の面で傾斜させるこ
とになる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る丸ダイス式転造装置によれば、丸ダイスの前記主
軸を該主軸の移動方向と直交する面内で傾斜させる主軸
傾斜機構と、該主軸傾斜機構の駆動源とを設けたので、
転造中のワークの歩みを抑えることができワークの仕上
がり精度を向上することができると共に、ワークの歩み
をコントロールすることで加工の多様化が可能となる。
【0029】また、本発明の請求項2に係る丸ダイス式
転造装置によれば、丸ダイスの主軸がダイスホルダによ
って軸支されると共に、該ダイスホルダがギヤを介して
モータに連結され主軸の移動方向と直交する面内で傾斜
可能であるので、簡単な構造でありながら主軸の傾斜を
正確に制御できる。
【0030】また、本発明の請求項3に係る丸ダイス式
転造装置によれば、上記主軸の傾斜角を検知する傾斜角
検知装置と、上記主軸の傾斜角をフィードバックして主
軸の傾斜を制御する制御手段を備えたので、主軸の傾斜
角を高精度に制御することができ、転造精度を上げるこ
とができる。
【0031】また、本発明の請求項4に係る丸ダイス式
転造装置によれば、転造中のワーク径の変化に伴い上記
主軸を傾斜させ、転造中のワーク径の変化に対応したリ
ード角を補正したので、転造中にワーク径の変化に伴う
ワークの歩みを防止することができる。
【0032】また、本発明の請求項5に係る丸ダイス式
転造装置によれば、ワークの歩みを検出する歩み検出手
段を設け、この歩み検出手段からの検出信号に基づいて
主軸を傾斜させワークの動きを制御したので、ワークの
歩みを確実に抑えることができる。
【0033】また、本発明の請求項6に係る丸ダイス式
転造装置によれば、丸ダイスによるワークの転造位置の
回りで前記一対のダイス移動台間に2本以上架け渡され
たはり軸を設け、前記ダイス移動台を前記はり軸にガイ
ドさせて接近させると共に、転造圧力によって前記一対
の丸ダイス間に生じる反力を前記はり軸に負担させたの
で、転造時における丸ダイスの開きがなくなり丸ダイス
のワークへの切込み量を高精度に制御することができ
る。そして、上述の歩み防止効果と相俟って、一層ワー
クを高精度に転造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る丸ダイス式転造装置の一実施例を
示す平面図である。
【図2】上記図1のA−A線断面図である。
【図3】図1における丸ダイス式転造装置のワークのク
ランプ機構を示す平面図である。
【図4】上記図3の側面図である。
【図5】傾斜機構の概念図である。
【図6】本発明におけるワークの円周長とピッチとの関
係を示すグラフである。
【図7】上記丸ダイス式転造装置の制御システム構成図
である。
【図8】従来の丸ダイス式転造装置の一例を示す正面図
である。
【図9】上記従来例におけるワークの円周長とピッチと
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 丸ダイス式転造装置 12a,12b 丸ダイス 13 ワーク 14a,14b 主軸 15a,15b ダイスホルダ 16a,16b ダイス移動台 17a,17b 主軸傾斜機構 18a,18b 軸傾斜用サーボモータ(駆動源) 29 はり軸 30 押込機構 42 歩み検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 秀一 山梨県大月市富浜町鳥沢2022番地 株式会 社ニッセー内 (72)発明者 仲田 克之 東京都豊島区北大塚一丁目15番1号 山洋 電気株式会社内 (72)発明者 吉川 紘 東京都豊島区北大塚一丁目15番1号 山洋 電気株式会社内 (72)発明者 沖野 弘 東京都豊島区北大塚一丁目15番1号 山洋 電気株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸ダイスの主軸が回転しながらワーク側
    に移動してワークを転造加工する丸ダイス式転造装置に
    おいて、 前記丸ダイスの主軸を該主軸の移動方向と直交する面内
    で傾斜させる主軸傾斜機構と、該主軸傾斜機構の駆動源
    とを設けたことを特徴とする丸ダイス式転造装置。
  2. 【請求項2】 丸ダイスの主軸が回転しながらワーク側
    に移動してワークを転造加工する丸ダイス式転造装置に
    おいて、 前記丸ダイスの主軸は該主軸の移動方向と直交する面内
    で傾斜可能なダイスホルダによって支持されると共に、
    該ダイスホルダがギヤを介してモータに連結されている
    ことを特徴とする丸ダイス式転造装置。
  3. 【請求項3】 上記主軸の傾斜角を検知する傾斜角検知
    手段と、上記主軸の傾斜角をフィードバックして上記主
    軸の傾斜を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の丸ダイス式転造装置。
  4. 【請求項4】 ワークを転造する際のワーク径の変化に
    伴って上記主軸を傾斜させ、転造中のワーク径の変化に
    対応したリード角を補正し、ワークの動きを制御するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の丸ダ
    イス式転造装置。
  5. 【請求項5】 転造時に発生するワークの歩みを検出す
    る歩み検出手段を設け、この歩み検出手段から得られた
    検出信号に基づいて上記主軸の傾斜角を制御して、ワー
    クの歩みを抑えることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか記載の丸ダイス式転造装置。
  6. 【請求項6】 一組の丸ダイスを軸支する一組のダイス
    移動台と、丸ダイスによるワークの転造位置の回りで前
    記一組のダイス移動台間に2本以上架け渡されたはり軸
    と、前記一対のダイス移動台を接近させる押込機構とを
    備え、前記ダイス移動台を前記はり軸にガイドさせて接
    近させると共に、転造圧力によって前記一組の丸ダイス
    間に生じる反力を前記はり軸に負担させるように構成し
    た丸ダイス式転造装置であって、 前記丸ダイスの主軸を該主軸の移動方向と直交する面内
    で傾斜させる主軸傾斜機構と、該主軸傾斜機構の駆動源
    とを設けたことを特徴とする丸ダイス式転造装置。
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