JPH11278950A - 接合用接着剤及び接合体 - Google Patents

接合用接着剤及び接合体

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JPH11278950A
JPH11278950A JP8422598A JP8422598A JPH11278950A JP H11278950 A JPH11278950 A JP H11278950A JP 8422598 A JP8422598 A JP 8422598A JP 8422598 A JP8422598 A JP 8422598A JP H11278950 A JPH11278950 A JP H11278950A
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adhesive
bonding
oxide
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JP8422598A
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English (en)
Inventor
Yukio Ikuhara
幸雄 生原
Masayuki Hashimoto
昌幸 橋本
Kazunori Endo
和則 遠藤
Kazunori Shibukawa
和典 渋川
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合体における接合部の気密性が高くて、接
合強度のバラツキが小さくかつ接合強度の高い接合用接
着剤、及びこの接合用接着剤を用いて製造した接合体を
提供する。 【解決手段】 周期律表第IIIa族元素の酸化物と、珪素
酸化物と、アルミニウム酸化物とを配合してなる接合用
接着剤において、前記周期律表第IIIa属元素の酸化物を
少なくとも2種配合し、かつ窒素を含有することを特徴
とする、接合用接着剤、及びこの接合用接着剤を用いて
接合してなることを特徴とする、接合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合用接着剤及び
接合体に関し、さらに詳しくは、半導体製造装置部材な
どの製造において、好適に使用することのできる接合用
接着剤及び接合体に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置の部材などを製造するに
当たっては、材料となるセラミックス部材、及び金属部
材同士、あるいはセラミックス部材と金属部材とを接合
用の接着剤を用いて、接合することにより製造してい
る。このような製造において使用される接着剤の代表的
なものは、イットリウム、ランタンなどの周期律表第II
Ia族属元素の酸化物を1種あるいは2種と、酸化アルミ
ニウムと、二酸化珪素などとを配合してなる接着剤であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記周
期律表第IIIa族元素の酸化物を1種配合してなる接着剤
は、耐熱性は良好であるが、接合部の気密性が悪く、接
合強度のバラツキが大きいという問題がある。また、前
記周期律表第IIIa族元素の酸化物を2種配合してなる接
着剤は、接合強度が十分でないという問題がある。した
がって、前者のような接着剤を用いて接合体を製造した
場合は、高い歩留まりを達成することができず、後者の
ような接着剤を用いた場合は、高強度を必要とする接合
体に使用することができないという問題があった。
【0004】本発明の目的は、接合体における接合部の
気密性が高くて、接合強度のバラツキが小さく、かつ接
合強度の高い接合用接着剤、及びこの接合用接着剤を用
いて製造した接合体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、周期律表第II
Ia族元素の酸化物と、珪素酸化物と、アルミニウム酸化
物とを配合してなる接合用接着剤において、前記周期律
表第IIIa族元素の酸化物を少なくとも2種配合し、かつ
窒素を含有することを特徴とする、接合用接着剤であ
る。
【0006】本発明者らは、上記問題を解決すべく研究
を進めてきた結果、以下のようような現象を発見するに
至った。上述したような従来の接着剤の溶融温度は、通
常、1300〜1550℃の範囲内にあるため、これら
の接着剤を使用してセラミックス部材などを接合する際
には、接合時の熱処理温度を前記のような温度範囲に設
定する必要がある。すると、前記接着剤中の周期律表第
IIIa族元素が、前記セラミックス部材などに拡散する現
象が見られ、その結果、前記接着剤中における周期律表
第IIIa属元素の量が減少してしまい、前記接着剤中の組
成成分が接合工程中に変動してしまうという現象が見ら
れた。
【0007】前記接着剤中の周期律表第IIIa族元素の量
が低下すると、相対的に珪素成分及びアルミニウム成分
の比率が高くなるため、前記接着剤の溶融温度が上昇す
る。一般に、前記接着剤中の周期律表第IIIa族元素の量
が、3重量%減少すると、前記接着剤の溶融温度は約5
0〜70℃上昇する。したがって、接合体を製造するに
当たって、前記温度範囲では接着剤が十分に溶融せず、
気密性及び均一性に優れた接合部を形成することができ
ない。
【0008】本発明は、上記現象の発見に基づいてなさ
れたものである。本発明の接合用接着剤の溶融温度は、
約1200〜1450℃であって、従来の接着剤の溶融
温度に比較して、約100〜150℃低い。したがっ
て、本発明の接着剤を用いた場合、約1200〜145
0℃の熱処理温度で接合体を製造することができるた
め、上述したような、接着剤中の周期律表第IIIa族元素
の、接合部材中へ拡散を実質的に防止することができ、
上記問題を解決することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。本発明の接合用接着剤は、
周期律表第IIIa族の酸化物を少なくとも2種配合するこ
とが必要である。この酸化物の配合が1種以下である
と、接合用接着剤の溶融温度を低下させることができ
ず、本発明の目的を達成することができない。
【0010】本発明の接合用接着剤として使用すること
のできる周期律表第IIIa族の酸化物は、特に限定される
ものではなく、酸化イットリウム(Y2 3 )、酸化デ
ィスプロシウム(Dy2 3 )、酸化エルビウム(Er
2 3 )、酸化ガドリウム(Gd2 3 )、酸化ランタ
ン(La2 3 )、酸化サマリウム(Sm2 3 )、酸
化イッテルビウム(Yb2 3 )などを例示することで
きる。これらのなかでも、価格及び入手しやすさの観点
から、酸化イットリウムを好適に使用することができ
る。また、酸化イットリウムを使用した場合、全率固溶
体を容易に形成できるという観点から、他の周期律表第
IIIa族元素の酸化物としては、酸化ディスプロシウム、
酸化エルビウム、酸化イッテルビウムなどを好適に使用
することができる。
【0011】また、本発明の接合用接着剤は窒素を含有
していることが必要である。窒素を含有していないと、
接合用接着剤の熱膨張係数低下させることができず、接
合部の耐熱性及び機械的強度が不十分となり、本発明の
目的を達成することができない。前記接着剤中における
窒素の含有量は、1〜12モル%であることが好まし
い。
【0012】また、本発明の接合用接着剤は、珪素酸化
物を含有することが必要である。珪素酸化物を含有して
いないと、接合体の接合部における耐熱性が不十分とな
るばかりでなく、上記のようにして周期律表第IIIa族元
素の酸化物及び窒素を含有させた場合においても、接合
用接着剤の溶融温度を低下させることができず、本発明
の目的を達成することができない。
【0013】本発明の接合用接着剤として使用すること
のできる珪素酸化物は、一酸化珪素(SiO)、二酸化
珪素(SiO2 )、及びSiOX で表される任意成分の
酸化珪素を例示することができる。入手のしやすさの観
点から、二酸化珪素が好ましくは用いられる。
【0014】さらに、本発明の接合用接着剤は、アルミ
ニウム酸化物を含有することが必要である。アルミニウ
ム酸化物を含有していないと、接合部における接合強度
が不十分となるばかりでなく、上記同様に、接着剤の溶
融温度を低下させることができず、本発明の目的を達成
することができない。
【0015】本発明において使用することのできるアル
ミニウム酸化物は、アルミナ、アルミニウムを主成分と
する化合物、例えばAl2 3 −SiO2 系化合物(ム
ライト等)などを例示することができる。入射のしやす
さ、配合設計の簡素化等の理由から、アルミナを用いる
ことが好ましい。
【0016】前記記周期律表第IIIa族元素の酸化物の少
なくとも2種と、前記珪素化合物と、前記アルミニウム
酸化物との配合割合は、接着剤の溶融温度を低下させ、
かつ接合するセラミックス部材などとの濡れ性を良好な
状態に保つためには、それぞれ20〜50重量%、30
〜70重量%、及び10〜30重量%であることが好ま
しく、さらには、30〜40重量%、40〜50重量
%、及び15〜25重量%であることが好ましい。
【0017】また、前記周期律表第IIIa族元素の酸化物
の少なくとも2種における、各酸化物の配合割合は特に
限定されるものではないが、この酸化物が2種類の場合
には、モル比で1:1に配合することにより、前記接合
用接着剤の溶融温度をさらに低下させることができる。
【0018】前記接合用接着剤の製造方法は特に限定さ
れるものではないが、接着剤中に窒素を効率よく含有さ
せ、本発明の目的を容易に達成するためには、以下のよ
うにして行うことが好ましい。市販の周期律表第IIIa族
元素の酸化物、珪素酸化物、及びアルミニウム酸化物を
好ましくは、上記配合量の範囲に配合し、乳鉢などを用
いて混合粉砕して、平均粒径0.1〜5μmの粉末を作
製する。次いで、この混合粉末を100〜200℃で2
〜5時間乾燥させた後、白金などのルツボに入れ、窒素
雰囲気中、常圧〜10気圧程度の圧力下において、15
00〜1700℃で5〜40分間加熱溶融する。
【0019】前記窒素雰囲気として使用することのでき
るガスは、酸素を含有しない窒素雰囲気であれば特に限
定されるものではないが、例えば、窒素(N2 )ガス、
窒素と水素(H2 )の混合ガス、及びアンモニア(NH
3 )ガスなどを挙げることができる。
【0020】次いで、多量の水中に投入急冷してガラス
質体を得た後、再度乳鉢などを用いて粉砕し、平均粒径
0.1〜5μmの粉末を得る。最後に、この粉末を市販
のスクリーンオイルなどと混合して、接合用接着剤を得
る。
【0021】前記冷却温度は、上述したように、窒素雰
囲気中で加熱溶融して接着剤中に窒素を効率よく取り込
む必要があるため、50℃/min以下であることが好
ましく、さらには30℃/min以下であることが好ま
しい。また、上述したような窒素雰囲気中で加熱溶融せ
ずに、大気中などの酸素を含有した非窒素雰囲気中、あ
るいは真空中、及びアルゴンなどの希ガス雰囲気中で行
うこともできる。但し、この場合は、以下に説明するよ
うに、接合体を製造する際の接合時の雰囲気を窒素雰囲
気中で行う必要がある。
【0022】また、接合用接着剤の耐熱性及び強度を向
上させるとともに、熱膨張係数を減少させて、接合体に
おける接合部の強度を向上させるために、前記周期律表
第IIIa族元素の酸化物の少なくとも2種と、前記珪素酸
化物と、前記アルミニウム酸化物との合計100重量%
に対して、窒化珪素粉末及び窒化アルミニウム粉末の少
なくとも一方を、1〜50重量%含有させることが好ま
しく、さらには20〜40重量%含有させることが好ま
しい。
【0023】前記窒化珪素粉末及び窒化アルミニウム粉
末は、加熱溶融前の前記周期律表第IIIa族元素の酸化物
と、珪素酸化物と、アルミニウム酸化物との混合粉末を
形成した段階で加え、これらが混在したガラス質体とし
て含有させることもできるが、加熱溶融してガラス質体
となった後に粉砕した粉末に対して、前記窒化珪素粉末
及び窒化アルミニウム粉末を加え、これらが混在したペ
ーストとして、含有させることもできる。
【0024】本発明の接合用接着剤を用いた接合体の製
造は以下のようにして行う。上述のようにして製造した
接合用接着剤を、接合体を構成するセラミックス部材、
あるいは金属部材の表面に、厚さ50〜100μmに塗
布した後、前記部材の接合用接着剤の塗布面を介した状
態で張り合わせる。次いで、1350〜1450℃で1
0〜30分加熱した後、冷却速度が約20℃/min以
下となるように徐冷して、最終的な接合体を得る。
【0025】前記接合時の加熱雰囲気は、上述したよう
に、窒素雰囲気で加熱溶融して接合用接着剤を製造した
場合においては、特に限定されず、大気中や酸素含有雰
囲気中で行うことができる。しかしながら、上記のよう
に非窒素雰囲気中で加熱溶融して接合用接着剤を製造し
た場合においては、本発明の目的を達成すべく、窒素ガ
ス、窒素と水素との混合ガス、及びアンモニアガスなど
の窒素雰囲気中で行うことが必要である。
【0026】本発明の接合用接着剤は濡れ性に優れるた
め、あらゆる種類の接合部材に使用することができる。
例えば、あらゆる種類のセラミックス部材相互、金属部
材相互を接合できるばかりでなく、あらゆる種類のセラ
ミックス部材と金属部材との相互を接合することもでき
る。また、本発明の接合用接着剤は窒素を含有している
ことから、前記セラミックス部材などの接合部材の表面
と、前記接合用接着剤とが反応して、より強固な接合部
を有する接合体を製造するためには、前記接合部材は窒
素を含有していることが好ましい。
【0027】このような観点から、本発明の接合用接着
剤に適した接合用のセラミックス部材としては、窒化ア
ルミニウム、窒化珪素、サイアロン、窒化硼素、窒化ジ
ルコニウム、窒化ハフニウム、及びこれらの複合材など
の窒化物系セラミックスなどを例示することができる。
【0028】同様に、本発明の接合用接着剤に適した接
合用の金属部材としては、接合時の加熱処理温度にも耐
え得ることが必要であるため、モリブデン、タングステ
ン、チタン、又はこれらの合金などの高融点金属を例示
することができる。さらに、前記の理由から、これら高
融点金属の接合面は窒化処理によって窒化していること
が好ましい。この窒化処理は常法を用いて行うことがで
きる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 酸化ディスプロシウム、酸化イットリウム、酸化アルミ
ニウム、及び二酸化珪素を表1に示すような割合で配合
した後、乳鉢を用いて混合粉砕して、平均粒径0.8μ
mの混合粉末を得た。次いで、この混合粉末を、100
℃で2時間以上乾燥した後、白金製のルツボに入れ、大
気中、1500〜1650℃で20〜30分間加熱する
ことにより、溶融させた後、この溶融物を多量の水中に
投入急冷して、原料成分比に対応したガラス質体を得
た。次いで、前記同様にして、このガラス質体を乳鉢に
より粉砕して、平均粒径2μmの粉末を得た。得られた
粉末を、スクリーンオイルと混合させてペースト化し、
接合用接着剤を得た。
【0030】この接合用接着剤を寸法40×30×3m
mの窒化アルミニウムの表面に厚さ約100μmに塗布
し、100℃で約1時間乾燥させて接合層を形成した。
次いで、この接合層が形成された面を互いに対向させた
状態において重ね合わせ、2気圧の窒素雰囲気中、14
20℃で20分間加熱して接合し、その後、冷却速度2
0℃/minで徐冷して、接合体を得た。得られた接合
体の接合層の厚さは、40〜70μmの範囲であった。
【0031】この接合体より寸法3×4×60mmの試
料を8本切り出し常温及び800℃の高温での4点曲げ
強度試験を実施した。結果を表1に示す。なお、曲げ強
度試験は、クロスヘッド速度0.5μm/min、及び
スパン長30μmで実施した。さらに、接合部界面をオ
ージェ電子分光法で分析したところ、窒素原子は前記接
合部界面にまで存在していることが判明した。
【0032】また、図1に示すような直径60mm、厚
み15mmの窒化アルミニウム板2枚を接合した試験片
を用いてHeリークテストを実施し、接合部の気密性を
試験した。結果を表1に示す。なお、評価基準は以下に
示すとおりである。 ○:Heリーク量が10-9torr・L/sec以下 △:Heリーク量が10-9〜10-8torr・L/se
c ×:Heリーク量が10-8torr・L/sec以上
【0033】
【表1】
【0034】比較例1 酸化ディスプロシウム、酸化イットリウム、酸化アルミ
ニウム、及び二酸化珪素の配合量を表2に示すように変
化させ、これに合わせて、接合用接着剤を製造する際の
加熱溶融温度を1600〜1700℃とし、接合体を製
造する際の加熱処理温度を1550℃とした以外は、上
記実施例1と同様にして接合用接着剤及び接合体を製造
した。その後、実施例1と同様にして、得られた接合体
の曲げ強度試験及び接合部の気密性を評価した。結果を
表2に示す。また、この場合においても、オージェ電子
分光法で分析したところ、窒素原子は前記接合部界面に
まで存在していることが判明した。
【0035】
【表2】
【0036】実施例2 表1に示すNo.4の接合用接着剤の粉末に対して、平
均粒径0.7μmの窒化アルミニウム粉末、又は平均粒
径0.8μmの窒化珪素粉末を30重量%配合し、実施
例1と同様にして加熱溶融してガラス質体を得、粉砕し
て平均粒径0.8μmの粉末を得た以外は、実施例1と
同様にして接合用接着剤、No.15,No.16,及
びこれらの接合用接着剤を用い接合体を製造した。得ら
れた接合体は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験及
び接合部の気密性を測定することにより、その特性を評
価した。結果を表3に示す。また、この場合において
も、オージェ電子分光法で分析したところ、窒素原子は
前記接合部界面にまで存在していることが判明した。
【0037】
【表3】
【0038】実施例3 表1に示すNo.4の接合用接着剤の粉末に対して、平
均粒径0.8μmの窒化珪素粉末、又は平均粒径0.8
μmの窒化アルミニウム粉末を40重量%配合し、実施
例1と同様にして加熱溶融してガラス質体を得、粉砕し
て平均粒径0.8μmの粉末を得た以外は、実施例1と
同様にして接合用接着剤No.17及び18を得た。
【0039】次いで、前記No.4、5、17、及び1
8の接合用接着剤を、寸法40×30×3mmの窒化ア
ルミニウムの表面、及び予め1気圧の窒素雰囲気中、1
450℃で1時間窒化表面処理した、寸法40×30×
3mmのモリブデン、タングステン、及びタンタルの表
面に、厚さ約100μmに塗布した。次いで、80体積
%N2 −20体積%H2 の雰囲気中において、実施例1
と同様にして加熱処理を施して、前記窒化アルミニウム
と前記モリブデンなどの金属との接合体を得た。得られ
た接合体は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験及び
接合部の気密性を測定することにより、その特性を評価
した。結果を表4に示す。また、この場合においても、
オージェ電子分光法で分析したところ、窒素原子は前記
接合部界面にまで存在していることが判明した。
【0040】
【表4】
【0041】実施例4 接合用接着剤として、表1に示すNo.4及び表3に示
すNo.16を用い、接合部材として、アルミナを用い
た以外は、実施例1と同様にして接合体を製造した。得
られた接合体は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験
及び接合部の気密性を測定することにより、その特性を
評価した。結果を表5に示す。また、この場合において
も、オージェ電子分光法で分析したところ、窒素原子は
前記接合部界面にまで存在していることが判明した。
【0042】
【表5】
【0043】比較例2 接合用接着剤として、表1に示すNo.4及び表3に示
すNo.16を用い、接合体製造時における加熱処理を
アルゴン雰囲気中で行った以外は、実施例1と同様にし
て接合体を製造した。得られた接合体は、実施例1と同
様にして、曲げ強度試験及び接合部の気密性を測定する
ことにより、その特性を評価した。結果を表6に示す。
また、オージェ電子分光法で分析したところ、窒素原子
は前記接合部界面に存在していないことが判明した。
【0044】
【表6】
【0045】実施例5 酸化ディスプロシウム、酸化イットリウム、酸化アルミ
ニウム、及び二酸化珪素の配合量を表7に示すように変
化させ、接合用接着剤製造時における溶融加熱雰囲気を
窒素100%とした以外は、実施例1と同様にして、接
合用接着剤、及び接合体を製造した。得られた接合体
は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験及び接合部の
気密性を測定することにより、その特性を評価した。結
果を表7に示す。また、この場合においても、オージェ
電子分光法で分析したところ、窒素原子は前記接合部界
面にまで存在していることが判明した。
【0046】
【表7】
【0047】以上、表1〜7より、本発明の接合用接着
剤を用いて接合体を製造した場合、曲げ強度及び気密性
に優れた接合体を製造できることが分かる。したがっ
て、接合部における接合強度のバラツキもなく、歩留ま
りよく接合体を提供できることが分かる。
【0048】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の接合用
接着剤を用いて接合体を製造することにより、接合部の
気密性が高く、歩留まりよく接合体を製造できるととも
に、高い接合強度の接合部を有する接合体を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合体における接合部の気密性を評価するため
の試験片形状を示す図である。
【符号の説明】
1 窒化アルミニウム板 2 接合面 3 真空排気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋川 和典 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表第IIIa族元素の酸化物と、珪素
    酸化物と、アルミニウム酸化物とを配合してなる接合用
    接着剤において、 前記周期律表第IIIa族元素の酸化物を少なくとも2種配
    合し、かつ窒素を含有することを特徴とする、接合用接
    着剤。
  2. 【請求項2】 前記周期律表第IIIa族元素の酸化物の少
    なくとも2種の配合割合は20〜50重量%であり、前
    記珪素酸化物の配合割合は30〜70重量%であり、前
    記アルミニウム酸化物の配合割合は10〜30重量%で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の接合用接着
    剤。
  3. 【請求項3】 前記前記周期律表第IIIa族元素の酸化物
    の少なくとも2種と、珪素酸化物と、アルミニウム酸化
    物との合計100重量%に対して、窒化珪素粉末及び窒
    化アルミニウム粉末の少なくとも一方を、1〜50重量
    %含有させたことを特徴とする、請求項1又は2に記載
    の接合用接着剤。
  4. 【請求項4】 周期律表第IIIa族元素の酸化物と、珪素
    酸化物と、アルミニウム酸化物とを配合してなる接合用
    接着剤の製造方法において、 前記周期律表第IIIa族元素の酸化物を少なくとも2種
    と、珪素酸化物と、アルミニウム酸化物とを配合した
    後、混合粉砕し、次いで、窒素雰囲気中で溶融加熱処理
    することを特徴とする、接合用接着剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一に記載の接合
    用接着剤を用いて、接合部材相互を接合してなることを
    特徴とする、接合体。
  6. 【請求項6】 前記接合部材は窒化物系セラミックスで
    あることを特徴とする、請求項5に記載の接合体。
  7. 【請求項7】 前記接合部材は、接合面が窒化処理され
    た金属部材であることを特徴とする、請求項5又は6に
    記載の接合体。
  8. 【請求項8】 周期律表第IIIa族元素の酸化物を少なく
    とも2種と、珪素酸化物と、アルミニウム酸化物とを配
    合してなる接合用接着剤を、接合部材の表面に塗布した
    後、前記接合用接着剤が塗布された表面を介して対向さ
    せて張り合わせ、窒素雰囲気中で加熱処理することによ
    り、前記接合部材を接合することを特徴とする、接合体
    の製造方法。
JP8422598A 1998-03-30 1998-03-30 接合用接着剤及び接合体 Pending JPH11278950A (ja)

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