JPH11278286A - 引込み式ステアリング装置 - Google Patents

引込み式ステアリング装置

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JPH11278286A
JPH11278286A JP23507298A JP23507298A JPH11278286A JP H11278286 A JPH11278286 A JP H11278286A JP 23507298 A JP23507298 A JP 23507298A JP 23507298 A JP23507298 A JP 23507298A JP H11278286 A JPH11278286 A JP H11278286A
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steering gear
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英則 片山
Tetsuo Ota
哲夫 太田
Haruo Fujita
春男 藤田
Makoto Hayase
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Abstract

(57)【要約】 【課題】前面衝突時に中間シャフトとダッシュパネルと
の干渉を利用して、ステアリングホイールの引き込み量
を大きく取れるようにした引込み式ステアリング装置を
提供する。 【解決手段】左右のサイドメンバ1の下面側に、前後方
向に延びかつ曲げ変形許容部5a,5bを有する一対の
サブフレーム5を取り付け、サブフレーム5の間を車幅
方向に延びるクロスメンバ6で連結するとともに、この
クロスメンバ6にステアリングギヤ10を取り付ける。
ステアリングギヤ10にピニオンシャフト12、中間シ
ャフト14を介してステアリングホイール17を有する
ステアリングシャフト16を揺動可能に連結し、中間シ
ャフト14をダッシュパネル25の開口穴25aに挿通
する。前面衝突時にサブフレーム5を曲げ変形させ、ス
テアリングギヤ10を後方または下方へ変位させる。ス
テアリングギヤ10の変位に伴い、中間シャフト14を
開口穴25aの下縁に干渉させ、この干渉部を支点とし
て中間シャフト14を揺動させることで、ステアリング
シャフト16を前方へ引き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前面衝突時にステ
アリングシャフトを前方へ引き込むことで運転者にかか
る負荷を軽減する引込み式ステアリング装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、引込み式ステアリング装置とし
て、特開平8−156827号公報に示されたものがあ
る。この装置では、左右のサイドメンバの下面側に、前
後方向に延びる一対のサブフレームを取り付けてある。
サブフレームの前部には前上がり傾斜状の傾斜部が形成
され、後部には曲げ変形許容部が設けられている。そし
て、サブフレームの傾斜部の間を車幅方向に延びるクロ
スメンバで連結し、このクロスメンバにステアリングギ
ヤを取り付けている。
【0003】上記のように構成することで、自動車の前
面衝突時に衝突力をサブフレームの傾斜部に作用させて
傾斜部を鉛直方向へ起立変形させ、クロスメンバに取り
付けられているステアリングギヤを下方へ変位させるこ
とができる。その結果、ステアリングギヤに連結されて
いるステアリングホイールに引込み力を与え、ステアリ
ングホイールが運転者側へ突出するのを回避できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ステアリング装置
の場合、前面衝突時におけるサブフレームの傾斜部の角
度変化をステアリングギヤの下方への変位に変換し、ス
テアリングホイールを引き込む構成となっている。しか
し、これでは必ずしも十分なステアリングホイールの引
込み量を確保できないことがあった。
【0005】そこで、本発明の目的は、前面衝突時に中
間シャフトとダッシュパネルとの干渉を利用して、ステ
アリングホイールの引き込み量を大きく取れるようにし
た引込み式ステアリング装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、左右のサイドメンバの下面側に前後方向
に延びる一対のサブフレームを取り付け、上記サブフレ
ームの間を車幅方向に延びるクロスメンバで連結すると
ともに、このクロスメンバまたは上記いずれかのサブフ
レームにステアリングギヤを取り付け、前面衝突時にサ
ブフレームを曲げ変形もしくは後方へ変位させ、ステア
リングギヤを後方または下方へ変位させるように構成し
た自動車において、上記ステアリングギヤにピニオンシ
ャフト、中間シャフトを介してステアリングホイールを
有するステアリングシャフトを連結し、上記中間シャフ
トをダッシュパネルの開口穴に挿通し、上記ステアリン
グギヤの後方または下方への変位に伴い、中間シャフト
をダッシュパネルの開口穴の下縁に干渉させ、この干渉
部を支点として中間シャフトを揺動させることで、ステ
アリングシャフトを前方へ引き込むように構成したもの
である。
【0007】前面衝突によってサイドメンバがクラッシ
ュすると、これに伴ってサブフレームが変形もしくは後
方へ変位する。例えば、請求項2のようにサブフレーム
が前方からの衝突力により曲げ変形可能な曲げ変形許容
部を有する場合には、サブフレームが変形し、請求項3
のようにサブフレームの後端部とサイドメンバとの取付
部を前方からの衝突力により離脱可能な構造とした場合
には、サブフレーム全体が後方へ変位することになる。
このように、サブフレームが変形もしくは後方へ変位す
ると、クロスメンバまたはいずれかのサブフレームに取
り付けられたステアリングギヤも後方または下方へ変位
することになる。そのため、ステアリングギヤにピニオ
ンシャフトを介して連結された中間シャフトはダッシュ
パネルと相対変位し、中間シャフトがダッシュパネルの
開口穴の下縁に干渉する。ピニオンシャフトと連結され
た中間シャフトの下端部は後方または下方へ変位しよう
とするので、中間シャフトはダッシュパネルとの干渉部
を支点として「てこの原 理」によって揺動し、上端部
を前方へ引っ張る。つまり、ステアリングシャフトが前
方へ引き込まれ、ステアリングホイールの後方への突出
を規制して運転者に対する負担を軽減できる。
【0008】また、衝突の形態によっては衝突力がサイ
ドメンバ〜サブフレーム〜クロスメンバ〜ステアリング
ギヤの順序で作用する場合に限らず、クロスメンバから
ステアリングギヤに直接的に作用する場合もある。この
場合、車体の前端部に設けられるクロスメンバにステア
リングギヤを取り付ければ、クロスメンバが後方へ変位
すると、中間シャフトをダッシュパネルの開口穴の下縁
に干渉させることができ、上記と同様にステアリングシ
ャフトを前方へ引き込むことができる。要するに、本発
明では前面衝突時にダッシュパネルの変形が少ないこと
を利用し、中間シャフトとダッシュパネルとを積極的に
干渉させ、中間シャフトを揺動させてステアリングシャ
フトを前方へ引き込むので、種々の形態の衝突に対し
て、ステアリングホイールの引き込み量を十分に確保で
きる。
【0009】本発明の場合、前面衝突時にステアリング
ギヤは後方または下方の何れの方向に変位してもよく、
ステアリングギヤの変位に伴って中間シャフトがダッシ
ュパネルの開口穴の下縁に干渉するように構成されたも
のであればよい。
【0010】また、本発明の好ましい実施の形態では、
サブフレームの前部に、前面衝突時に起立方向に角度変
化する傾斜部を設け、その傾斜部の間にクロスメンバを
横架設し、このクロスメンバにステアリングギヤを取り
付けるのが望ましい。この場合には、傾斜部の角度変化
を利用して、中間シャフトの下端部の変位量をステアリ
ングギヤの変位量より大きく取ることができるので、ス
テアリングホイールの引き込み量が大きくなる。
【0011】請求項4のように、ステアリングシャフト
を外包するステアリングコラムの前部を車体に対して支
えるロアブラケットを備え、このロアブラケットが、上
部にステアリングコラムを圧入保持する保持部を有し、
下部にステアリングコラムの落下を防止する落下防止部
を有し、保持部と落下防止部との間に、ステアリングコ
ラムが下方へ強制的に変位した時に乗り越えることが可
能な狭窄部を有する構造とするのが望ましい。この場合
には、前面衝突時にステアリングコラムの前端部が下方
に向かって角度変化を起こしても、この角度変化を吸収
しつつステアリングコラムの脱落を防止できる。また、
ステアリングコラムとロアブラケットとの組み付けが圧
入のみであり、構造が簡素となるとともに、下方を切り
欠いているので、保持部の弾性変形により安定した圧入
保持力を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明にかかるステ
アリング装置を採用した車体構造の第1実施例を示す。
この実施例は、本発明をキャブオーバー型自動車に適用
したものである。
【0013】車両前部の両サイド位置には、車体前後方
向に延びる一対のフロントサイドメンバ(以下、サイド
メンバと呼ぶ)1,1が配置されている。これらサイド
メンバ1,1の下面側には、図1に示すようにサブフレ
ーム5,5の前後端部がボルト2によって締結されてい
る。なお、この実施例では、サブフレーム5の後端部
は、サイドメンバ1の間に車幅方向に架け渡して固定さ
れたクロスメンバ3の下面に固定されている。
【0014】ここでは図示しないが、サブフレーム5,
5上にはサスペンションやフロントデファレンシャルな
どが搭載される。その補強のために、サブフレーム5の
前後方向中間部に別のクロスメンバを追加してもよい。
なお、サブフレーム5,5上にエンジンや変速機などの
パワーユニットを搭載してもよい。
【0015】サブフレーム5は、図2に示すように下方
へ屈曲しており、前部には他の部分に比較して屈曲変形
しやすい曲げ許容部5a,5bが設けられており、これ
らの曲げ許容部5a,5bの間には、前上がり傾斜状の
傾斜部5cが形成されている。左右のサブフレーム5の
傾斜部5bの間には、車幅方向に延びるクロスメンバ6
が架け渡して固定されている。
【0016】上記クロスメンバ6は図3に示すように略
三角形の閉断面形状を呈しており、その鉛直な後面6a
には左右一対のギヤ取付部7,7が突設されており、こ
れら取付部7にブラケット8を介してステアリングギヤ
10が締結されている。なお、これらブラケット8は、
通常時はステアリングギヤ10をギヤ取付部7に対して
相対回転させずに保持しているが、過大な回転モーメン
トが作用した場合には、ステアリングギヤ10が相対回
転できるように締結力が設定されている。ステアリング
ギヤ10は車幅方向に延びており、その両端部には左右
の操舵軸11,11が突出している。なお、上記クロス
メンバ6は、その剛性が車幅方向に亘ってほぼ均一とし
てもよいが、特開平8−156827号公報に記載のよ
うに、ギヤ取付部7,7の外側部分で相対捩れ可能な部
分を設けてもよい。
【0017】ステアリングギヤ10の車体右側にオフセ
ットした部位には、ピニオンシャフト12が上方へ突出
している。ピニオンシャフト12の上端部には、ユニバ
ーサルジョイント13を介して中間シャフト14が揺動
可能に連結されており、中間シャフト14の上端部に
は、ユニバーサルジョイント15を介してステアリング
シャフト16が揺動可能に連結されている。そして、ス
テアリングシャフト16の後端には操舵用のステアリン
グホイール17が固定されている。
【0018】ステアリングシャフト16はステアリング
コラム18によって回転自在に挿通保持されており、こ
のステアリングコラム18は車体メンバ19に取り付け
られたブラケット20,23によって前後2箇所で支持
されている。上記車体メンバ19は、ダッシュパネル2
5とは別部材で構成され、例えば左右のピラーをつなぐ
閉断面形状の補強材を用いることができる。
【0019】後方に位置するアッパブラケット20に
は、図4に示すようにステアリングコラム18に溶接固
定される切欠部20aと、後方へ折曲されたフランジ部
20bと、フランジ部20bに形成され、後方へ切り欠
かれたボルト挿通溝20bとを備えている。アッパブラ
ケット20のフランジ部20bに断面コ字形のフリクシ
ョンプレート22を差し込み、車体メンバ19に固定さ
れた取付ボルト21を、フリクションプレート22およ
びボルト挿通溝20bに挿入した状態で、ボルト21の
先端にナットを締結することにより、アッパブラケット
20は前方へ離脱可能に取り付けられる。ステアリング
コラム18に前方への所定値以上の荷重が作用した時、
アッパブラケット20がボルト21から前方へ離脱し、
衝撃吸収を行なう。なお、衝撃吸収の方法としては、ア
ッパブラケット20のボルト挿通溝20cに代えてボル
ト挿通穴を設け、このボルト挿通穴部分が破断するよう
にしてもよい。
【0020】前方に位置するロアブラケット23は、図
5に示すように、上端部に車体メンバ19にボルトで締
結されるフランジ部23dを有し、中央部にステアリン
グコラム18を挿通自在な穴23aを有している。この
穴23aの下部にはステアリングコラム18の直径より
幅狭な狭窄部23bが連続的に形成されており、この狭
窄部23bはブラケット23の下部に形成された折り畳
み部23cまで延びている。後述するように前面衝突が
発生した時、ステアリングコラム18が狭窄部23bを
押し広げながら下方へ変位できるようにすることによ
り、ステアリングコラム18の変位方向に自由度を持た
せてある。また、同時に、折り畳み部23cを下方へ引
き延ばすことにより、ステアリングコラム18が下方へ
脱落するのを防止している。
【0021】上記中間シャフト14はダッシュパネル2
5の開口穴25aに所定の隙間を介して挿通されてい
る。この開口穴25aは通常時や軽衝突時には、中間シ
ャフト14と干渉することはないが、前面衝突によって
車体が大きくクラッシュした場合には、中間シャフト1
4が相対的に後方へ変位するのに伴い、開口穴25aの
下縁部が中間シャフト14と干渉するように構成されて
いる。
【0022】次に、上記構成のステアリング装置の衝突
時の作用について説明する。いま、図6のように車両が
壁などに前面衝突を起こすと、衝撃力Fがサイドメンバ
1の前部に作用し、サイドメンバ1がクラッシュすると
ともに、サブフレーム5にも衝撃力Fが作用し、サブフ
レーム5の曲げ許容部5a,5bが折れ曲がり、傾斜部
5cの傾斜角度θ1 がθ2 へと変化する。つまり、傾斜
部5cは起立方向に角度変化することになる。このた
め、傾斜部5cに取り付けられたクロスメンバ6は、図
1に比較して相対的に下方へ変位するとともに、図1の
右回り方向に回転することになる。その結果、クロスメ
ンバ6の後面6aに取り付けられたステアリングギヤ1
0も下方へかつ右回り方向に回転し、ピニオンシャフト
12の後端は後方でかつ下方へ変位することになる。ピ
ニオンシャフト12の後端(ユニバーサルジョイント1
3)の変位量は、ステアリングギヤ10の変位量より大
きい。
【0023】上記ピニオンシャフト12の変位に伴っ
て、中間シャフト14の下端部(前端部)は後方でかつ
下方へ変位しようとするが、中間シャフト14の背後に
はダッシュパネル25の開口穴25aの下縁が位置して
いるので、中間シャフト14が開口穴25aの下縁と干
渉し、この干渉部Tを支点として、てこの原理によって
中間シャフト14の上端部(後端部)は前向きに回転す
ることになる。その結果、中間シャフト14の上端部に
ユニバーサルジョイント15を介して連結されたステア
リングシャフト16が前方へ引き込まれ、ステアリング
ホイール17が前進することとなる。したがって、サイ
ドメンバ1およびサブフレーム5がクラッシュしたとき
に、ステアリングホイール17が運転者側へ突出するこ
とが回避され、運転者の安全が確保される。
【0024】上記のようにステアリングシャフト16が
前方へ引き込まれた際、同時にステアリングシャフト1
6(ステアリングコラム18)は前下がり状に角度変化
を起こす。そこで、ステアリングコラム18の前部を支
持するロアブラケット23に折り畳み部23cを設け、
ステアリングコラム18の下方への変位につれて折り畳
み部23cが下方へ引き延ばされ、ステアリングコラム
18の下方への回動を許容している。また、アッパブラ
ケット20によって運転者がステアリングホイール17
に2次衝突した時の衝撃吸収を行なうので、ステアリン
グホイール17の前方への引込み動作と相俟って、運転
者にかかる負荷を一層軽減できる。
【0025】なお、ステアリングホイール17の前方へ
の引込み動作につれて、ダッシュパネル25と干渉する
中間シャフト14の曲げ荷重が増大するとともに、ユニ
バーサルジョイント13,15、ピニオンシャフト1
2、ステアリングギヤ10等にかかる負荷も増大する。
ところが、所定の回転モーメントを越えると、ステアリ
ングギヤ10とブラケット8との間で滑りが発生するよ
うにしてあるため、ピニオンシャフト12の上端が相対
的に上方へ回動し、中間シャフト14、ユニバーサルジ
ョイント13,15、ピニオンシャフト12およびステ
アリングギヤ10に過大な荷重がかかるのを防止でき
る。これによって、中間シャフト14の揺動が止まるの
で、ステアリングシャフト16の前方への引込みも停止
する。
【0026】ところで、自動車の前面衝突の態様は種々
であり、上記のようにフロントサイドメンバ1に対象物
が衝突するとは限らない。たとえば、電柱のような対象
物とクロスメンバ6の中央部とが直接衝突した場合に
は、クロスメンバ6は、その両端部がサブフレーム5に
固定されたまま、その中央部のみが後方へ折り曲げ変形
することになる。ところが、クロスメンバ6が断面三角
形状であるため、対象物がクロスメンバ6の前上がり状
の前斜面6b(図3参照)に当たると、後方への衝撃力
を右回り方向への回転モーメントに変化させることがで
き、ステアリングギヤ10を相対的に下方へ回転させる
ことができる。その結果、上記と同様にしてピニオンシ
ャフト12を図6の右回り方向へ回転させ、中間シャフ
ト14をダッシュパネル25の開口穴25aの下縁に干
渉させることで、ステアリングシャフト16を前方へ引
き込むことができる。なお、この場合には、クロスメン
バ6の中央部(ステアリングギヤ取り付け部)と両端部
との間に捩れ許容部を設ければ、ステアリングギヤ10
を円滑に回転させることが可能となる。
【0027】また、たとえクロスメンバ6が回転しなく
ても、後方へ変形するだけでも同様な作用を行なうこと
ができる。つまり、クロスメンバ6が後方へ変形する
と、ステアリングギヤ10およびピニオンシャフト12
も後方へほぼ平行移動するので、中間シャフト14の下
端部(ユニバーサルジョイント13)が後方へ押される
ことになる。その結果、中間シャフト14をダッシュパ
ネル25の開口穴25aの下縁に干渉させ、てこの原理
によってステアリングシャフト16を前方へ引き込むこ
とができる。
【0028】このように、サイドメンバ1がクラッシュ
するような前面衝突だけでなく、クロスメンバ6に直接
衝撃力が作用する場合でも、中間シャフト14をダッシ
ュパネル25の開口穴25aの下縁に干渉させ、てこの
原理によってステアリングシャフト16を確実に前方へ
引き込むことができる。
【0029】図7,図8は本発明の第2実施例を示す。
第1実施例では、キャブオーバ型車のように運転席から
車体前端までの距離が短い車両に適用した例を示した
が、第2実施例は、運転席から車体前端までの距離が比
較的長いボンネット型の車両に適用した例である。第2
実施例において、第1実施例と同一部品には同一符号を
付して説明を省略する。
【0030】この実施例では、サイドメンバ1の前端部
下面にクロスメンバ6を介してサブフレーム5の前端部
がボルト2で締結され、サブフレーム5の後端部は取付
部2a,2bによってサイドメンバ1の下面に取り付け
られている。特に、取付部2a,2bは、前方からの衝
撃力が一定値以上になると、離脱可能な構造となってい
る。ここで、離脱可能な構造としては、図4に示すアッ
パブラケット20と車体メンバ19との離脱構造のよう
なものであってもよいし、ブレークアウエー構造であっ
てもよい。サブフレーム5の後部には車幅方向にクロス
メンバ3が架け渡して設けられ、このクロスメンバ3上
にステアリングギヤ10が取り付けられている。この実
施例では、サブフレーム5,5上には横置き式パワーユ
ニットPなどの重量物が搭載される。
【0031】ステアリングシャフト16を挿通保持した
ステアリングコラム18は、車体メンバ19に取り付け
られたブラケット20,30によって前後2箇所で支持
されている。後方に位置するアッパブラケット20は図
4と同様の構造を有する。一方、前方に位置するロアブ
ラケット30は、図9に示すように、上端部に車体メン
バ19にボルトで締結されるフランジ部30aを有し、
中央部にステアリングコラム18を圧入保持するバーリ
ング部(保持部)30bを有し、下部にステアリングコ
ラム18の落下を防止する落下防止部30cを有してい
る。そして、バーリング部30bと落下防止部30cと
の間には、ステアリングコラム18の直径より幅狭な狭
窄部30dを有しており、ステアリングコラム18が下
方へ強制的に変位した時に狭窄部30dを乗り越えるこ
とができるようになっている。このロアブラケット30
の場合、保持部30bの下部が切り欠かれているので、
保持部30bの弾性変形により安定した圧入保持力を得
ることができる。なお、この実施例の落下防止部30c
は前方に向かって若干傾斜しているが、これは落下防止
部30cの上下方向のスペースを小さくするためであ
り、真っ直ぐ下方へ延びていてもよい。
【0032】この実施例の場合、前面衝突を起こすと、
図8のようにサイドメンバ1がクラッシュするととも
に、サブフレーム5にも衝撃力Fが作用する。このサブ
フレーム5には、第1実施例のような曲げ許容部5a,
5bが設けられていないので、サブフレーム5は全体的
に後方へ移動しようとし、取付部2a,2bが離脱して
サブフレーム5とサイドメンバ1との連結が外れる。そ
のため、サブフレーム5の後端側がパワーユニットPの
重量によって落下し、クロスメンバ3に取り付けられた
ステアリングギヤ10も後方でかつ下方へ移動し、ピニ
オンシャフト12を介して中間シャフト14の下端部
(前端部)も後方でかつ下方へ変位する。そのため、中
間シャフト14はダッシュパネル25の開口穴25aの
下縁と干渉し、この干渉部Tを支点として、てこの原理
によって中間シャフト14の上端部(後端部)は前向き
に回転することになる。その結果、中間シャフト14の
上端部にユニバーサルジョイント15を介して連結され
たステアリングシャフト16が前方へ引き込まれ、ステ
アリングホイール17が前進することとなる。したがっ
て、サイドメンバ1およびサブフレーム5がクラッシュ
したときに、ステアリングホイール17が運転者側へ突
出することが回避され、運転者の安全が確保される。な
お、前面衝突時にサブフレーム5の後端側が落下するの
で、クラッシュ量が大きくなっても、パワーユニットP
がフロアの下側へ潜りこむ形となり、パワーユニットP
が室内へ侵入するのを防止できる効果がある。
【0033】上記実施例では、サブフレームの前部また
は後部を連結するクロスメンバにステアリングギヤを取
り付けたが、サブフレームに直接ステアリングギヤを取
り付けてもよい。また、ステアリングギヤが取り付けら
れるクロスメンバは断面三角形状である必要はなく、矩
形状であってもよい。すなわち、衝突時のクロスメンバ
の変位または変形によって、中間シャフトがダッシュパ
ネルの開口穴の下縁に干渉するように構成してあればよ
い。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、前面衝突時にステアリングギヤを後方または下
方へ変位させ、中間シャフトをダッシュパネルの開口穴
の下縁に干渉させることによって、この干渉部を支点と
して中間シャフトを揺動させ、ステアリングシャフトを
前方へ引き込むようにしたので、ステアリングシャフト
の引込み量を大きく取れ、ステアリングホイールの後方
への突出を抑制して運転者に対する負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる引込み式ステアリング装置を備
えた自動車の第1実施例の側面図である。
【図2】図1のサイドメンバを省略した平面図である。
【図3】ステアリングギヤの取付部の拡大断面図であ
る。
【図4】アッパブラケットの取付部の分解斜視図であ
る。
【図5】ロアブラケットの正常時および衝突後の斜視図
である。
【図6】図1の自動車の前面衝突後の側面図である。
【図7】本発明の第2実施例の自動車の側面図である。
【図8】図7の自動車の前面衝突後の側面図である。
【図9】ロアブラケットの他の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1 サイドメンバ 5 サブフレーム 5a,5b 曲げ許容部 5c 傾斜部 6 クロスメンバ 10 ステアリングギヤ 12 ピニオンシャフト 14 中間シャフト 16 ステアリングシャフト 17 ステアリングホイール 25 ダッシュパネル 25a 開口穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 春男 滋賀県蒲生郡竜王町大字山之上3000番地 ダイハツ工業株式会社滋賀テクニカルセン ター内 (72)発明者 早瀬 誠 滋賀県蒲生郡竜王町大字山之上3000番地 ダイハツ工業株式会社滋賀テクニカルセン ター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右のサイドメンバの下面側に前後方向に
    延びる一対のサブフレームを取り付け、上記サブフレー
    ムの間を車幅方向に延びるクロスメンバで連結するとと
    もに、このクロスメンバまたは上記いずれかのサブフレ
    ームにステアリングギヤを取り付け、前面衝突時にサブ
    フレームを曲げ変形もしくは後方へ変位させ、ステアリ
    ングギヤを後方または下方へ変位させるように構成した
    自動車において、上記ステアリングギヤにピニオンシャ
    フト、中間シャフトを介してステアリングホイールを有
    するステアリングシャフトを連結し、上記中間シャフト
    をダッシュパネルの開口穴に挿通し、上記ステアリング
    ギヤの後方または下方への変位に伴い、中間シャフトを
    ダッシュパネルの開口穴の下縁に干渉させ、この干渉部
    を支点として中間シャフトを揺動させることで、ステア
    リングシャフトを前方へ引き込むように構成した引込み
    式ステアリング装置。
  2. 【請求項2】上記サブフレームは前方からの衝突力によ
    り曲げ変形可能な曲げ変形許容部を有することを特徴と
    する請求項1に記載の引込み式ステアリング装置。
  3. 【請求項3】上記サブフレームの後端部とサイドメンバ
    との取付部を前方からの衝突力により離脱可能な構造と
    したことを特徴とする請求項1に記載の引込み式ステア
    リング装置。
  4. 【請求項4】上記ステアリングシャフトを外包するステ
    アリングコラムの前部を車体に対して支えるロアブラケ
    ットを備え、このロアブラケットは、上部にステアリン
    グコラムを圧入保持する保持部を有し、下部にステアリ
    ングコラムの落下を防止する落下防止部を有し、保持部
    と落下防止部との間に、ステアリングコラムが下方へ強
    制的に変位した時に乗り越えることが可能な狭窄部を有
    することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の引込み式ステアリング装置。
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