JPH11277882A - バックリット用インクジェット記録シート及びその製造方法 - Google Patents

バックリット用インクジェット記録シート及びその製造方法

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JPH11277882A
JPH11277882A JP10085884A JP8588498A JPH11277882A JP H11277882 A JPH11277882 A JP H11277882A JP 10085884 A JP10085884 A JP 10085884A JP 8588498 A JP8588498 A JP 8588498A JP H11277882 A JPH11277882 A JP H11277882A
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JP
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ink
gelatin
recording sheet
titanium oxide
backlit
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JP10085884A
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Satoshi Kaneko
智 金子
Takayuki Nakamura
隆之 中村
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、水性インクを用いたインクジェット
記録方式において、プリンターやプロッターに使用され
る受像体に関するものであり、特にカラー記録での要望
が高い高濃度、高画質のインクジェット記録用バックリ
ットフィルムを提供するものである。 【解決手段】透明支持体上の少なくとも片面にインク受
理層を設けたバックリット用インクジェット記録シート
において、該インク受理層がゼラチンと水溶性ポリマー
を含有し、且つ該記録シートの光学透過濃度が0.15
以上であることを特徴とするインクジェット記録用シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用フィルム、
特にインクジェット記録方式においてプリンターやプロ
ッターに使用される受像体に関して、記録が行われた面
と観察面が異なるいわゆるバックリットディスプレイフ
ィルム及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の受像体
に付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。
インクジェットプリンターやプロッターは、高速印字性
や低騒音性に優れ、記録パターンの融通性が大きく、現
像−定着が不要等の特長があり、複雑な画像を正確、且
つ迅速に形成することができる点で注目されている。特
にコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画
像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途にお
いて、近年急速に普及している。又、複数個のインクノ
ズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易
である。多色インクジェット方式により、形成されるカ
ラー画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式
による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可
能であり、更に作成部数が少ない用途においては、印刷
技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応
用されつつある。
【0003】最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精
細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安
価で市販されている。インクジェット用受像体は、銀塩
写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価
であることから、大面積の画像が必要な電飾看板や商品
見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経
済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になっ
てきたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、こ
れをプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂正
することは従来の銀塩写真方式では全く無理であったが
インクジェット記録ではこのような操作が気軽にできる
という長所もある。
【0004】インクジェットプリンターやプロッターの
利用分野として、最近、特に注目されているものとして
は、写真に近い画質が要求される印刷分野におけるカラ
ー版下の作製やデザイン部門でのデザインイメージのア
ウトプット等のフルカラー画像記録等や、コンピュータ
ーで作成した画像情報をインクジェットプリンターによ
り透明な受像体に記録し、会議のプレゼンテーション等
でOHP(オーバーヘッドプロジェクター)で利用され
ている。また、観察面とは反対の面から蛍光灯等で照射
しディスプレーや看板等を直接投影するバックリットデ
ィスプレイフィルム(以下バックリットフィルム)があ
る。
【0005】前記した、インクジェットプリンターやプ
ロッターの利用分野からの要望や、インクジェットプリ
ンターやプロッターの普及に伴い、被記録材に対する要
望が多様化し、例えば、銀塩カラー写真並の高い光沢表
面や光透過性を有する、優れた外観適性を備えた受像体
などが要望されている。
【0006】インクジェット記録方式で使用される受像
体としては、通常の印刷、或は筆記用上質紙やコーテッ
ド紙を用いることができる様に、装置やインク組成の面
から努力がなされてきた。しかし、高速化・高精細化、
或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向
上や用途の拡大に伴い、受像体に対しても、より高度な
特性が要求されるようになった。即ち、当該受像体とし
ては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかで
あること、インクの吸収が早くて、印字ドットが重なっ
た場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしない
こと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きく
なく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求され
る。特に、カラー記録の場合は、イエロー・マゼンタ・
シアン・ブラックの単色記録だけでなく、これらの色を
重ねる重色記録がなされ、インク付着量が更に多くなる
ために極めて厳しい性能が要求される。
【0007】従来インクジェット用受像体としては、例
えば特開昭55−51583号、同56−157号、同
57−107879号、同57−107880号、同5
9−230787号、同62−160277号、同62
−184879号、同62−183382号、同64−
11877号公報等に見られるシリカ等含珪素顔料を水
系バインダーとともに紙表面に塗工して得られる被記録
材が提案されているが、これらの例で用いられているシ
リカ等の顔料微粒子は吸油量が大きく、これらを使用し
た受像体は一般にインクの吸収容量および吸収速度の点
ではある程度のレベルに達するものであるが、シリカ等
の無機顔料を多量に塗工層中に導入する必要があること
から鮮明で光学濃度の高い透光性の画像は得られない。
透光性を改善する目的でシリカに替えてコロイダルシリ
カを使用すると先の特開昭56−157号公報に記載さ
れているようにインクの吸収性を悪くするため好ましく
ない。あるいは、特開平3−215082号、同4−6
7986号、同5−32037号公報等に記載されてい
るように微細なアルミナゾルを水溶性バインダーととも
に支持体表面に塗工することで透明性を有する受像体を
形成する方法が記載されているが、塗層中におけるアル
ミナゾル(擬ベーマイト)のバインダーに対する比率を
高めないとインク吸収性が劣る問題があり、こうした顔
料比率の高い塗工層は塗布乾燥の際塗膜のひび割れが非
常に発生しやすく、かつ塗工量も20g/m2程度以上で
なければインク吸収容量が充分でないため厚膜塗布が必
要であることからさらに実製造における乾燥条件のコン
トロール等が困難となる問題がある。さらに塗膜強度が
弱いためインクジェット記録した表面が擦られることで
容易に画像が剥離する問題や、印字後にカールが発生し
やすいという種々の問題があることに加え、塗膜の透明
性が劣る為、透光性の画像は得られないのが実状であ
る。
【0008】バックリットフィルムは、印字面より蛍光
灯等を用いて光を照射し印字面とは反対の面から観察す
るいわゆる裏打ちと言われるフィルムと印字面とは反対
の面から光を照射し印字面から観察するいわゆる表打ち
と言われるフィルムの2種類がある。裏打ちフィルムは
表打ちフィルムと較べると一般的には印字面が観察面か
らは基材となるフィルムによって保護されているため水
滴や水蒸気による影響等を受けなくなるだけでなくフィ
ルムの平滑さにより仕上がりも美しくなる。しかしなが
ら、これらのフィルムは背後からの蛍光灯等の照明器具
が観察側から見えると鑑賞に耐えなくなるため隠蔽性の
付与は必須である。特開昭58−136480号公報に
は、支持体上に屈折率1.58以下である顔料を主体と
したインク受理層を設け、インク受理層自体の光学透過
濃度を高めた隠蔽性のある裏打ちフィルムが記載されて
いる。この記録シートのインク受理層はインクを吸収、
保持するために顔料を主成分としているため、該受理層
自体の隠蔽性は付与されているものの記録画像の解像
度、色彩性及び光学濃度が劣るという欠点がある。更
に、近年のインク吐出量の多いプロッターでは顔料のみ
でインクを吸収させるには多量の顔料を塗布せざるをえ
ず、顔料が少ないと吸収できないインクは溢れてしまい
乾燥に多大の時間を要することがあった。また、顔料の
塗布量が多いと印字後カットする際に受像層が粉落ちし
したり、素手で触れたりすると指紋が着きやすかったり
剥がれたりするという問題もあった。
【0009】また、特開昭62−222886号、同6
2−242576号、同63−34176号及び特開平
9−188065号公報には透明な基材上に非孔質層及
び多孔質層を積層し裏打ち用バックリットフィルムが開
示されているが、基材と非孔質層との接着層が悪く、こ
の2層間にわずかでも空間が生ずると画像表面で乱反射
が起こり高濃度の画像が損なわれたり、インク吐出量が
多いプロッターを用いて多量のインクを要する画像を記
録した場合、非孔質がインクを吸収し膨潤し乾燥する間
に多孔質がひび割れたりするという欠点を有していた。
【0010】一方、上記のような顔料を多く含有する塗
工液はインクジェット記録用シート製造時に顔料の分散
不良による沈殿や顔料の凝集による沈殿が起こることが
多々あることは良く知られている。このような凝集沈殿
を避けるために塗工液を高粘度にしたり、特殊な分散剤
を用いたりして対処するが製造時の不安定性は完全に払
拭できるものではないのが実状である。
【0011】また、本発明を実施するに際して、ゼラチ
ンとアニオン性水溶性ポリマーと酸化チタンを同一のイ
ンク受理層に含有させる場合、その塗工液で酸化チタン
が凝集沈降するという問題が新たに発生した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高画
質で光透過性を有し、高精細でインク量が非常に多いイ
ンクを使用するインクジェットプリンターに対応するバ
ックリットフィルムであり、高画質で、単位面積当たり
のインク量の多い高精細インクジェットプリンターにお
いて、インクを素早く吸収し、受像体を手にしたとき、
印字部や非印字部がべたつかず、素手で触れたときの指
紋付着が目立たず、裁断時の粉落ちがなく、ブロッキン
グによって印字した部分の記録画像やインクの皮膜が破
壊されることのないインクジェット用受像体を提供する
ことである。本発明の他の目的は、1つのインク受理層
中にゼラチン、水溶性アニオン性ポリマー及び酸化チタ
ンを含有するインク受理層用塗工液の酸化チタンの凝集
沈降を防止した製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下に述
べる手段によって解決することができた。即ち、水性イ
ンクを用いて印字を行うインクジェット記録方法におけ
る記録用シートに関して、記録シートの光学透過濃度が
0.15以上を有し、ゼラチンと水溶性ポリマーが主た
るインク吸収成分であることにより、バックリットフィ
ルムに適した光透過性と高い印字透過濃度を合わせ持つ
高画質のインクジェット記録用シートを提供することが
できた。
【0014】ゼラチンと共に用いる水溶性ポリマーはポ
リビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリ
アクリルアミド類、カルボキシメチルセルロース類、ヒ
ドロキシエチルセルロース類、ヒドロキシプロピルセル
ロース類から選ばれることが、インク吸収性と高い印字
透過濃度を得るためには好ましい。
【0015】また、該記録シートの光学透過濃度0.1
5を得るためには光遮蔽剤として酸化チタンを含有する
ことが、バックリットフィルムに適した白色性と光透過
性を得るために好ましく、酸化チタンの粒径は20〜6
00nmであれば良い。
【0016】更に、インク吸収層にフッ素系界面活性剤
を含有することにより、印字したインクがインク受像層
中で適度に広がり印字透過濃度が高い線画像を与え、結
果として色再現性の優れた該インクジェット記録用シー
トを提供することができた。
【0017】また、1つのインク受理層中にゼラチン、
水溶性アニオン性ポリマー及び酸化チタンを含有するイ
ンク受理層の製造方法において、ゼラチン溶液と酸化チ
タン分散液とを混合し、次に前記ゼラチン−酸化チタン
混合液と前記アニオン性ポリマー溶液とを混合すること
によって、酸化チタンの凝集沈降を防止することができ
た。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は鋭意検討した結果、透明支持体上に水性イン
クに対するバックリットフィルムのインク受理層の主バ
インダーとしてゼラチンと水溶性ポリマーを用い、光学
透過濃度0.15以上を得るために酸化チタンを含有さ
せることによって、インク吸収速度及びインク乾燥速度
が速く、バックリットフィルムに適した印字透過濃度と
べたつきの少ない受像体を開発することができた。イン
ク受理層の光学透過濃度が低いとバックリットフィルム
の使用目的から、背後からの照明器具等が観察側から見
え画像の商品価値を落としてしまうため0.15以上の
光学透過濃度が必要である。好ましくは0.20以上、
より好ましくは0.25以上の透過濃度が必要である。
この透過濃度を得るためのには、1.6g/m2程度の酸
化チタンをインク受理層に含有させることが必要であ
る。好ましくは1.8〜2.4g/m2の範囲で含有させ
ることである。
【0019】本発明における、インクジェット用受像体
は主たるインク受理成分が、光隠蔽剤として酸化チタン
を含有するため塗液中で沈殿や凝集を引き起こさないこ
とが塗布安定性の観点から製造上必要である。本発明者
らは特許公報で開示されている種々のポリマーと酸化チ
タンとの沈殿凝集を起こさない組み合わせを探索した。
酸化チタンが凝集沈殿せずにポリマーと塗布液安定性が
得られるものは幾つか見いだせたが、近年主流となって
いるインク吐出量の多いプロッターでは、印字透過濃
度、べたつき等の欠点を有することが分かった。また、
逆に多量のインクに対応できる塗液構成は見出せるもの
の酸化チタンの凝集沈殿が避けられないのが実状であっ
た。
【0020】本発明者は鋭意検討した結果、ゼラチンと
酸化チタン及び水溶性ポリマーの組み合わせで上記欠点
を克服できることを見出した。このインク受像層はゼラ
チンを含んでいるため種々の特徴ある特性を示す。銀塩
写真分野でハロゲン化銀乳剤のバインダーとして良く知
られているように、ゼラチンは酸化チタン等の顔料を製
造上問題なく分散安定化できることは既によく知られて
おり、これはゼラチンが顔料の保護コロイド作用による
ものとして一般に理解されている。一方、インクジェッ
トの分野では、まず第一にゼラチンを含む受像層は未印
字部、印字部を問わず表面がべたつかない。通常、他の
天然ポリマーや合成ポリマーなどで構成されたインクジ
ェット用受像体はインクを吸収した印字部は、乾燥によ
り水分は蒸発してなくなるが、インク成分中の高沸点溶
剤であるグリセリンやジエチレングリコールなどが表面
に残ったり、ポリマー受像層の低分子量体がインクに溶
け出したりして、べたつく場合が多い。しかし、他の天
然ポリマーや合成ポリマーなどと比べゼラチンは疎水性
基と親水性基がバランスよく含まれておりグリセリンや
ジエチレングリコールのような不揮発性成分も吸収、保
持できるため、インク成分などには膨潤はするが、溶け
出したりはしないので、印字表面がほとんど、べたつき
がないのが特徴である。その他、ゼラチンはその皮膜強
度が非常に強く、水分を吸収して膨潤はするが、通常の
温度では水に溶け出したりはしない。
【0021】本発明者が鋭意検討した結果、ゼラチンと
種々の水溶性ポリマーを組み合わせることにより、ゼラ
チンの優れた顔料分散安定性とインクジェット特性を残
しつつインク受像層に更に近年上市されているインク吐
出量の多いプロッターに対応する高いインク吸収性能を
付与したバックリット用受像体が得られることが分かっ
た。
【0022】本発明におけるゼラチンと共に含有される
水溶性ポリマーは、基本的にはインックジェットで用い
られる水性インクと親和性の高いポリマーであればよい
が、ゼラチンと酸化チタンと共に用いるためにゼラチン
との相溶性と酸化チタンを凝集沈殿させないことも必要
である。ここで用いられる水溶性ポリマーはポリビニル
アルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル
アミド類、カルボキシメチルセルロース類、ヒドロキシ
エチルセルロース類、ヒドロキシプロピルセルロース類
が非常に良いことが分かった。ポリビニルアルコール類
としては、完全ケン化型、部分ケン化型、アセタール変
性ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルア
ルコール等の種々の物が市販されているが、ゼラチンと
の相溶性がよいものがより好ましく、特に部分ケン化、
カルボン酸変性ポリビニルアルコールが好ましい。ポリ
ビニルピロリドン類としてはN−ビニル−2−ピロリド
ン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン等をモノ
マーとしたポリマーが挙げられ、好ましくは安価で種々
の重合度が市販されているポリビニルピロリドンが好ま
しい。ポリアクリルアミド類としてはモノマーがN,N
−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリル
アミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイ
ルモルホリンであるポリマーであることが好ましい。カ
ルボキシメチルセルロース類、ヒドロキシエチルセルロ
ース類及びヒドロキシプロピルセルロース類としては無
水グルコース単位1個あたりのヒドロキシ基の置換度
(エーテル化度)が0.5〜2.5のものが好ましく、
通常0.6〜1.5がゼラチンとの相溶性の観点から特
に好ましい。
【0023】これらのポリマーは種々の重合度が得ら
れ、本発明者らの結果では重合度が高い方がインク吸収
性において好ましい傾向にあるが、バックリットフィル
ムを製造する上で塗液粘度の調整、溶解性、酸化チタン
の分散安定性等を鑑み適当に設備的に好ましい重合度の
ポリマーを選べばよい。
【0024】前記水溶性ポリマーは、ゼラチンとの組み
合わせにおいて、優れたインク吸収性能を発現するが、
前記水溶性ポリマーの中でも、カルボキシメチルセルロ
ース等のアニオン性ポリマーは、酸化チタンとの共存で
凝集沈降することが新たに判明した。本発明者らは、こ
の問題を解決するために、ゼラチン溶液、酸化チタン分
散液及びアニオン性ポリマー溶液の混合順序を種々検討
し、先ずゼラチン溶液と酸化チタン分散液とを混合し、
次に前記ゼラチン−酸化チタン混合液とアニオン性ポリ
マー溶液とを混合することによって、酸化チタンの凝集
沈降を防止することができた。
【0025】前記混合方法において、ゼラチン−酸化チ
タン混合液の入った釜にアニオン系水溶性ポリマー水溶
液を投入してもよいし、またアニオン性水溶性ポリマー
溶液中にゼラチン−酸化チタン混合液を投入してもよ
い。
【0026】酸化チタン分散液は分散剤、例えばポリア
クリル酸ナトリウムを溶かした水溶液中に、酸化チタン
の粉体を投入して分散製造する。分散はホモミキサーの
ような均質機で行うのが望ましい。分散剤にポリアクリ
ル酸ナトリウムを使用した場合その量は対酸化チタン
0.3重量%〜0.7重量%が好ましい。
【0027】本発明において、ゼラチンとポリマーの成
分の比率は、ゼラチンがポリマーに対して30〜80重
量%が好ましい。30重量%より少ないと、酸化チタン
が塗液製造後沈殿したり、べたつきが生じたり、皮膜が
弱くなったり、インク乾燥性が遅いなど種々の問題が生
じてくる。反対に80重量%より多いと非常にインク量
が多い所において若干、画質が悪化する傾向にある。
【0028】本発明のインク吸収層としてのゼラチンと
水溶性ポリマーの含有量は1〜30g/m2の範囲が好ま
しく、特に好ましくは3〜15g/m2である。
【0029】このような本発明に用いられる酸化チタン
の粒径は20〜600nmが適当であり、好ましくは5
0〜350nm、より好ましくは70〜300nmであ
る。粒径が600nmより大きいと遮蔽効果が乏しく多
量の酸化チタンを必要とし且つ塗液安定性が悪くなる。
酸化チタンは塗液に添加する前に界面活性剤等の分散剤
で十分に水と分散させた後に添加する方が凝集沈殿を避
けるために好ましい。
【0030】本発明に用いられるフッ素系界面活性剤
は、アニオン系、カチオン系、ノニオン、ベタイン系の
いずれのタイプのものでもよく、また低分子のものでも
高分子のものでもよい。即ち、本発明におけるフッ素系
界面活性剤はその分子中にフッ素原子を含有する界面活
性剤であればよく、低分子のものの化合物例としては、
米国特許第3,775,126号、同3,589,90
6号、同3,798,265号、同3,779,768
号、同4,407,937号、西独特許第1,293,
139号、英国特許第1,259,398号、特開昭4
8−87826号、同49−10722号、同49−4
6733号、同50−16525号、同50−1132
21号、同50−161236号、同50−99525
号、同51−7917号、同51−32322号、同5
1−151125号、同51−151126号、同51
−151127号、同51−129229号、同52−
127974号、同53−84712号、同53−14
6622号、同54−14224号、同54−4852
0号、同55−7762号に記載のフッ素系界面活性剤
が挙げられる。また、高分子のものとしては、米国特許
第3,676,123号、同3,679,411号、同
4,087,394号、同4,016,125号、同
4,175,969号、同4,304,852号、特開
昭52−129520号、同54−158222号、同
55−57842号、同57−11342号、同57−
19735号、同57―179837号、「化学総説N
o.27、新しいフッ素化学」(日本化学会編、198
0年)、「機能性含フッ素高分子」(日刊工業新聞社
編、1982年)等に記載のフッ素界面活性剤を挙げる
ことができる。これらのフッ素系界面活性剤は、上記関
係文献に記載の方法で合成できる他、更に一般的には、
相当する炭化水素基のフッ素化により合成できる。炭化
水素基のフッ素化については「新実験化学講座」Vo
l.14(I)(丸善、1977年)、308〜331
頁に詳しい記載がある。
【0031】本発明において、フッ素系界面活性剤と共
に通常のアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイ
ン系界面活性剤を併用してもよいが、これらを多量に添
加すると、フッ素系界面活性剤の効力を減じるので好ま
しくない。フッ素系界面活性剤で好ましくは、アニオン
系、ノニオン系であり、アニオン系の例として、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸塩等、ノニオン系としては例
えば、パーフルオロアルキル−エチレンオキシド付加物
等があげられる。
【0032】フッ素系界面活性剤の添加量はインク吸収
層を構成するゼラチンと水溶性ポリマー及び酸化チタン
の量に対して0.05重量%〜10重量%が好ましく、
より好ましくは0.1重量%〜4重量%である。
【0033】一方、インクジェット記録用シートは印字
部、非印字部に関わらずインク吸収層の破壊は水滴等だ
けでなくブロッキングを起こした場合にも発生する。ブ
ロッキングとは、例えばインク吸収層の皮膜が紙やフィ
ルム等の他の物と接触することにより、皮膜が他の物に
貼り付く現象を言う。ブロッキングが発生するとインク
吸収層の皮膜強度が剥離強度以上に強くない限り、一旦
ブロッキングした皮膜を剥がした時にインク吸収層が破
壊される。また、場合によっては支持体が破れること等
がある。
【0034】この様なブロッキングを防ぐ為には、酸化
チタン以外の微粒子をインク吸収層に含有させることに
よってインク吸収層表面に突起をつくり、紙やフィルム
との接触面積を小さくすることが効果的である。酸化チ
タン以外の微粒子としては、シリカ等の無機顔料微粒子
や有機高分子微粒子が良く知られており、画質を低下さ
せずにブロッキングを防止できれば添加してもよい。
【0035】ブロッキングを防ぐ為のシリカや有機高分
子微粒子の大きさは、インク吸収層の厚みより大きくな
ければインク吸収層表面に突起をつくることができず、
紙やフィルム等の他の物との接触面積を小さくすること
が出来ない。
【0036】インク吸収層は通常5μm以上でなけれ
ば、インクを十分に吸収することが出来ない。従って、
微粒子は5μmを越える大きさであり、且つインク吸収
層の厚みより大きいことが必要である。また、インク吸
収層が厚すぎてもインク吸収性はあまり変わらず、むし
ろ厚すぎるとカールの発生等を生ずることがある。従っ
て、インク吸収層の厚みは30μm以下であることが好
ましく、特に20μm以下であることが好ましい。一
方、微粒子はあまり大きすぎるとインク吸収層表面にザ
ラツキ感を与える為、40μm以下であることが好まし
い。
【0037】無機顔料微粒子及び有機高分子微粒子とし
ては、種々のものを使うことができる。例えば、重質お
よび軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、焼成クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、シリカ、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機顔料微粒子
等尿素−ホルマリン樹脂、尿素−チオ尿素−ホルマリン
樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン−
ホルマリン樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルマ
リン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂やポリエチレン樹脂等の有機高分子微粒子、が挙
げられる。
【0038】本発明に使用されるゼラチンとしては種々
のゼラチンを使用することができる。基本的に本発明に
用いられるゼラチンとしては、動物の不溶性コラーゲン
を原料としたゼラチンであれば何れでも使用できるが、
豚皮、牛皮、牛骨あるいは腱から得られるコラーゲンを
原料としたゼラチンが好ましい。更にゼラチンの種類と
しては、特に制限はないが、アルカリ法(石灰処理)ゼ
ラチン、酸性法ゼラチン、またそれらをイオン交換にて
脱塩したもの、しないもの、さらにゼラチン誘導体(例
えば、特公昭38−4854号公報、同昭39−551
4号公報、同昭40−12237号公報、同昭42−2
6345号公報、米国特許第2525753号公報、同
第2594293号公報、同第2614928号公報、
同第2763639号公報、同第3118766号公
報、同第3132945号公報、同第3186846号
公報、同第3312553号公報、英国特許第8614
14号公報、同第1033189号公報等に記載のゼラ
チン誘導体)を単独又はそれらを組み合わせて用いるこ
とができる。
【0039】本発明において湿度における経時変化を防
ぎ、更に皮膜強度を強くするために、ゼラチン及びゼラ
チンと水溶性ポリマーを架橋し硬膜してもよい。硬膜の
方法は銀塩写真などで使われている、種々の硬膜方法が
使用できる。
【0040】この様な硬膜反応に使われる硬膜剤として
は種々の硬膜剤が使用できる。まず、有機系硬膜剤とて
は以下のものが挙げられる。アルデヒド型硬膜剤、具体
的にはホルムアルデヒド、グリオキザル、サクシンアル
デヒド、グルタルデヒド、ジアルデヒドスターチ、ポリ
アクロレイン、N−メチロール及びアセタール系硬膜剤
としてはエチレングリコールとグリオキザールの縮合
物、サクシンアルデヒドとエタノールとの縮合物、エポ
キシ系硬膜剤、アジリジン系硬膜剤、ジクロロ−S−ト
リアジン系硬膜剤、ムコハロゲン酸系硬膜剤のムコクロ
リックアシド、活性ハロゲン系硬膜剤の酸ハライド型、
ベンジルハライド型、α位の炭素にハロゲンを有するア
シル化合物、活性オレフィン系硬膜剤のビニルスルホン
型、アクリロイル型、ビスマレイミド型、カルボジイミ
ド系硬膜剤、イソオキサゾリウム系硬膜剤、メタスルホ
ン酸エステル系硬膜剤、活性エステル系硬膜剤などを使
うことができる。
【0041】中でもエポキシ系硬膜剤等は硬膜性やポッ
トライフなどの性能面、その他に安価で、一般的に入手
し易くポピュラーな硬膜剤として好ましく、以下に挙げ
る化合物が好ましく使用できる。ソルビトールポリグリ
シジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ルポリグリシジルエーテル、グリセロルポリグリシジル
エーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアネート、トリメチロールプロパンポリグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジル
エーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテル、オルト−
フタル酸ジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリ
シジルエーテル、ビスフェノール S ジグリシジルエー
テル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、ジブロモネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル等である。
【0042】また、アジリジン系硬膜剤もpH依存性が
少なく、好ましく使用でき以下の化合物が挙げられる。
トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロ
ピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジ
リジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン
−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボクサミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−1,6’−ビス(1−アジ
リジンカルボクサミド)、N,N’−トルエン−2,
4’−ビス(1−アジリジンカルボクサミド)、トリエ
チレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチ
ルアジリジン)等である。
【0043】また、無機系の硬膜剤としては多数ある
が、一般的にミョウバンやクロムミョウバンなどの多価
の金属塩類はよくゼラチンを硬化させる。また、重クロ
ム酸塩を含んだゼラチンが光により硬化する事は古くか
ら知られており、この方法も用いることができる。
【0044】この様にゼラチンを硬膜させるには様々な
方法がある。これは全部で18種類の様々なアミノ酸か
ら構成されているゼラチンの反応点の種類及びその多さ
に起因していると考えられる。
【0045】本発明において実際に、最も好ましく使用
される硬膜剤はアジリジン系硬膜剤やエポキシ系硬膜剤
であり、その添加量は皮膜の耐水性と膨潤度よりグラフ
ト共重合体に対して0.01重量%から7重量%の添加
量が好ましい。さらには0.05重量%から5重量%の
添加量がもっと好ましい。
【0046】本発明においてインクジェット用被記録材
を製造する場合に、用いられる支持体としては、透明性
があれば従来公知のものが使用でき、例えばポリエステ
ル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリメタクリレート樹脂、セロハン、セルロイド、
ポリ塩化ビニル樹脂等のが主に用いられるが、ガラス等
のインク吸収層を設けることができる透明支持体であれ
ば特に限定されるものではない。
【0047】本発明においてインクジェット用被記録材
を製造する場合には、フッ素系界面活性剤の他に添加し
なくても良好な塗布性を得ることができる場合が多い
が、より塗布性を改善するため、あるいはインクがイン
ク吸収層に付着した時のドット径を調整することを目的
として、界面活性剤を添加することができる。用いられ
る界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン
系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また、低分
子のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種
以上の界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。界面活
性剤の添加量は、固形分量でインク吸収層を構成するバ
インダー100gに対して0.001g〜5gが好まし
く、より好ましくは0.01〜3gである。
【0048】更に、インク吸収層には、上記の界面活性
剤の他に、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、
蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添
加剤を添加することもできる。
【0049】また、画像の解像性を向上させる為に、イ
ンク吸収層にフッ素樹脂系、シリコーン樹脂系またはア
ルキルケテンダイマー系の撥水剤またはサイズ剤を含有
することにより、印字ドット径をコントロールして画像
の解像性を向上させることができる。これらのフッ素樹
脂系、シリコーン樹脂系またはアルキルケテンダイマー
系の撥水剤またはサイズ剤としては一般に市販されてい
るものを使用することができる。また、これらの溶液ま
たは水系エマルジョンのどちらでも使用可能である。イ
ンク吸収層へのこれらの撥水剤の添加量により印字ドッ
ト径をコントロールすることができる。その添加量は各
成分や濃度および希望する印字ドット径によって異なる
が、通常有効固形成分としてインク吸収層の全固形分に
対して0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜
5重量%である。
【0050】本発明におけるインク吸収層塗液の塗布方
法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン
方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロー
ルコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の
通常用いられている塗布方法が用いられ、当然のことで
はあるが、本発明のインク受理層の他に本発明を妨げな
い限り別の目的の層を同時に多層塗布してもよい。
【0051】本発明における支持体には、インク吸収層
と支持体との接着性向上等の目的でアンカー層を設けて
もよい。アンカー層にはゼラチン等の親水性バインダ
ー、ブチラール等の溶剤可溶性バインダー、ラテック
ス、架橋剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて添
加せしめることができる。
【0052】本発明における支持体には、帯電防止性、
搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、
各種のバックコート層を塗設することができる。バック
コート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水
性バインダー、ラテックス、架橋剤、顔料、滑剤、界面
活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめることができ
る。
【0053】以下、実施例により本発明を詳しく説明す
るが、本発明の内容は実施例に限定されるものではな
い。なお、部とあるのは重量基準の重量部を意味する。
【0054】
【実施例】透光性基材として厚さ97ミクロンのポリエ
チレンテレフタレートフィルムに、実施例−1〜8及び
比較例−1〜5を調製し、乾燥後の重量が10g/m2
なるようにエクストルージョン法により塗布した後、直
ちに10秒間冷却し、それから徐々に温度が高い乾燥ゾ
ーンを通過させインクジェット記録用シートを作製し
た。インク受容層塗液組成物は、下記のとおりである。
【0055】 実施例−1 10%ゼラチン 100部 10%ポリビニルアルコール(クラレ製、KM-618) 100部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 3.8部
【0056】 実施例−2 10%ゼラチン 100部 10%ポリビニルピロリドン(BASF製、PVP K−90) 100部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 3.8部
【0057】 実施例−3 10%ゼラチン 100部 10%ポリアクリルアミド(Aldrich製、Mw10000) 100部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 3.8部
【0058】 実施例−4 10%ゼラチン 100部 10%カルボキシメチルセルロースNa(第一工業製薬製、セロゲン6A) 100部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 3.8部 尚、上記塗工液の製造は、本発明の混合方法で実施し
た。
【0059】 実施例−5 10%ゼラチン 100部 10%カルボキシメチルセルロースNa(第一工業製薬製、セロゲン6A) 100部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 5.0部 尚、上記塗工液の製造は、本発明の混合方法で実施し
た。
【0060】実施例−6 フッ素系界面活性剤(旭硝子製、S-145)0.03部を
加えた以外、実施例−1と同一である。
【0061】実施例−7 フッ素系界面活性剤(ダイキン製、ユニダインDS-301)
0.04部を加えた以外実施例−2と同一である。
【0062】実施例−8 フッ素系界面活性剤(旭硝子製、S-145)0.02部を
加えた以外、実施例−4と同一である。
【0063】 比較例−1 シリカゲル(平均粒径10μ、屈折率1.45) 90部 炭酸カルシウム 10部 10%ポリビニルアルコール(クラレ製、KM-618) 300部
【0064】 比較例−2 10%ゼラチン 200部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 3.8部
【0065】 比較例−3 10%ゼラチン 100部 10%ポリビニルアルコール(クラレ製、KM-618) 100部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 2.5部
【0066】 比較例−4 10%ゼラチン 100部 10%カルボキシメチルセルロースNa(第一工業製薬、セロゲン6A) 100部 酸化チタン(SAKAI CHEMICAL INDUSTRY製、R-650、0.25μ) 2.5部 尚、上記塗工液の製造は、本発明の混合方法で実施し
た。
【0067】 比較例−5 10%ゼラチン 100部 10%カルボキシメチルセルロースNa(第一工業製薬、セロゲン6A) 100部 二酸化ケイ素(塩野義製薬製、CS-5、1.9μ) 8.5部
【0068】上記の如くして得られた各シートについ
て、Novajet PROe(ENCAD社製)インクジェットプロッタ
ーで水性染料インク(GSインク:ENCAD社製)を用いて評
価画像を印字し、乾燥した後、下記の品質試験を行っ
た。結果を表1及び表2に示した。
【0069】透過濃度:記録シートの透過濃度(非印字
部)と、イエロー、マゼンタ 、シアン及びブラックを
各々100%で印字した時の各単色の透過濃度とイエロ
ー、マゼンタ、シアン及びブラックの各100%で印字
した時の混色黒の透過濃度をサクラデンシトメーターP
DA65を用いて測定した。
【0070】ベタ印字部ムラ:イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラック、赤、青、緑各色のベタ印字部を目視で
観察し、その印字部に認められるムラの有無を判定し
た。
【0071】にじみ:単色もしくは重色を連続で記録し
て、隣接する印字部が相互もしくは片方に流れ出しが生
じていないかを目視判定した。
【0072】文字描画性:記録された文字の描画性に関
して高濃度で鮮明か否かを目視判定した。
【0073】べたつき:印字後20分室内に放置後のべ
たつきを官能評価した。
【0074】耐指紋性:指で触り指紋付着の有無を判定
した。
【0075】粉落ち:押し切りカッターで裁断し粉落ち
の程度を判定した。
【0076】視認性:電飾用照明器(ライトボックス)
に印字後の試料を貼り付け記録画像の見易さを官能評価
した。
【0077】ベタ印字部ムラ、にじみ、文字描画性、べ
たつき、耐指紋性、粉落ち及び視認性評価の基準は以下
の通りである。
【0078】 ◎:問題点がなく非常に優れている。 ○:優れている。 △:使用が可能である。 ×:劣る。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】上記結果から明らかなように、バックリッ
トフィルムの使用目的から、記録シートの光学透過濃度
が0.15未満であると背後からの照明が見え隠蔽性に
劣り見苦しくなり、本来の目的である電飾による透過画
像を鑑賞するという観点からはほど遠いものとなる。近
年、要望の高い高画質、高精細でインク吐出量の多いイ
ンクジェットプリンターにおいて、高濃度、高画質及び
取り扱い性に優れた透光性のあるバックリット用インク
ジェット用受像体を提供することができた。
【0082】次に、前記実施例5の塗工液の製造方法に
ついて、本発明の混合方法と比較の混合方法との比較実
験を行った。10重量%のゼラチン溶液を180kg、
10重量%のカルボキメチルセルロース溶液を180k
g、33重量%の酸化チタン分散液(分散剤として、ポ
リアクリル酸ナトリウムを酸化チタンの5重量%添加し
てホモミキサーで水分散したもの)を27kg準備し
た。
【0083】本発明の混合方法に従って、ゼラチン溶液
中に酸化チタン分散液を添加し、よく攪拌混合した後、
カルボキシメチルセルロース溶液を添加した。更に調整
水105kgを添加して、本発明の塗工液を作成した。
【0084】一方、比較1の混合方法として、ゼラチン
液中にカルボキメチルセルロース溶液を添加し、よく攪
拌混合した後、酸化チタン分散液を添加した。更に調整
水105kgを添加して比較塗工液1を作成した。比較
2の混合方法として、カルボキシメチルセルロース溶液
中に酸化チタン分散液を添加して、よく攪拌混合した
後、ゼラチン溶液を添加した。更に調整水105kgを
添加して比較塗工液2を作成した。
【0085】上記方法で作成したそれぞれの塗工液を、
液温35℃に保ち、貯蔵タンク内で緩やかに攪拌しなが
ら放置し、酸化チタンの凝集沈降状態を観察した。その
結果、本発明の塗工液は、10時間後でも全く凝集がな
かった。一方、比較塗工液1は3時間後の観察ですでに
凝集沈降が起こり、比較塗工液2は、1時間後の観察で
凝集沈降が確認された。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、鑑賞性に優れ、特にイ
ンク吐出量の多いインクジェットプリンターにおいて
も、高濃度、高画質及び取り扱い性に優れた透光性のあ
るバックリット用インクジェット用受像体を提供するこ
とができた。また、本発明の製造方法によって、一つの
インク受理層にゼラチン、アニオン性ポリマー及び酸化
チタンを含有させることが可能になった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上の少なくとも片面にインク
    受理層を設けたバックリット用インクジェット記録シー
    トにおいて、該インク受理層がゼラチンと水溶性ポリマ
    ーを含有し、且つ該記録シートの光学透過濃度が0.1
    5以上であることを特徴とするバックリット用インクジ
    ェット記録シート。
  2. 【請求項2】 該インク受理層に光学透過濃度0.15
    以上を得るための光遮蔽剤として酸化チタンを含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のバックリット用インク
    ジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 前記水溶性ポリマーがポリビニルアルコ
    ール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリルアミド
    類、カルボキシメチルセルロース類、ヒドロキシエチル
    セルロース類、ヒドロキシプロピルセルロース類から選
    ばれることを特徴する請求項1記載のバックリット用イ
    ンクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 前記酸化チタンの粒径が20〜600n
    mであることを特徴とする請求項2記載のバックリット
    用インクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 前記インク受理層がフッ素系界面活性剤
    を含有することを特徴とする請求項1記載のバックリッ
    ト用インクジェット記録シート。
  6. 【請求項6】 1つのインク受理層中に、ゼラチン、水
    溶性ポリマー及び酸化チタンを含有する請求項2に記載
    のバックリット用インクジェット記録シート。
  7. 【請求項7】 前記水溶性ポリマーがアニオン性ポリマ
    ーである請求項6に記載のバクリット用インクジェット
    記録シートの製造方法であって、ゼラチン、アニオン性
    ポリマー及び酸化チタンを含有するインク受理層を製造
    するに際し、ゼラチン溶液と酸化チタン分散液とを混合
    し、次に前記ゼラチン−酸化チタン混合液と前記アニオ
    ン性ポリマー溶液とを混合することを特徴とするバック
    リット用インクジェット記録シートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013095031A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Chuko Kasei Kogyo Kk 膜材への印刷方法
JP2015193256A (ja) * 2015-05-28 2015-11-05 中興化成工業株式会社 印刷媒体の製造方法
WO2018131719A1 (ja) * 2017-01-16 2018-07-19 国立大学法人北海道大学 全熱交換素子用シートおよび全熱交換素子用シート製造方法

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