JPH112776A

JPH112776A - 偏向走査装置

Info

Publication number: JPH112776A
Application number: JP16809897A
Authority: JP
Inventors: Mikio Nakasugi; 幹夫中杉; Kazumi Sato; 一身佐藤; Yasuo Suzuki; 康夫鈴木; Taku Fukita; 卓蕗田; Hideyuki Miyamoto; 英幸宮本; Akihiro Fukutomi; 章宏福冨
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1997-06-10
Filing date: 1997-06-10
Publication date: 1999-01-06

Abstract

(57)【要約】【課題】回転多面鏡を回転支持する動圧流体軸受の回
転スリーブが変形して軸受性能が損われるのを防ぐ。【解決手段】回転多面鏡１は、回転スリーブ３と一体
である座金４に当接され、弾性押圧機構６によって回転
スリーブ３と一体的に結合される。回転スリーブ３は、
弾性押圧機構６を組み付けるための溝部３ａを有し、こ
の部分が弾性押圧機構６の押圧力の反力によって変形し
やすい。そこで、溝部３ａを有する回転スリーブ３の上
端部と軸受面３ｂの間に段差３ｃを設けて、弾性押圧機
構６による変形が軸受面３ｂに波及するのを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられ
る偏向走査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レーザビームプリンタやレーザファクシ
ミリ等の画像形成装置に用いられる偏向走査装置は、高
速回転する回転多面鏡によってレーザビーム等の光ビー
ムを反射させてこれを偏向走査し、得られた走査光を回
転ドラム上の感光体に結像させて静電潜像を形成する。
次いで、感光体の静電潜像を現像装置によってトナー像
に顕像化し、これを記録紙等の記録媒体に転写して定着
装置へ送り、記録媒体上のトナーを加熱定着させること
で印刷（プリント）が行なわれる。

【０００３】図４は、特開平７−９２４１７号公報に開
示された一従来例による偏向走査装置の主要部を示すも
ので、これは、固定軸１０２に嵌合する回転スリーブ１
０３に座金１０４を一体化して該座金１０４にロータマ
グネット１０５を固着し、回転多面鏡１０１をバネ１０
６によって座金１０４に押圧することで、ロータマグネ
ット１０５と回転多面鏡１０１を結合させるとともに、
固定軸１０２を固定したモータハウジング１０７にモー
タ基板を支持させたものである。モータ基板上の支持体
１０９ａに保持されたステータコイル１０９を励磁する
ことで、ロータマグネット１０５と回転多面鏡１０１を
一体的に回転させる。

【０００４】回転スリーブ１０３はその回転によって固
定軸１０２との間に空気膜を形成し、固定軸１０２に非
接触で回転する動圧流体軸受を構成する。このように回
転多面鏡１０１の軸受部に動圧流体軸受を用いること
で、偏向走査装置の高速化を促進し、回転性能を向上さ
せるものである。また、回転スリーブ１０３の下端には
永久磁石１１０ａが固着され、永久磁石１１０ａはモー
タハウジング１０７と一体である永久磁石１１０ｂに対
向している。永久磁石１１０ａ、１１０ｂは、これらの
間に発生する磁気反撥力等によって回転スリーブ１０３
の下端をその軸方向に支持し、モータハウジング１０７
等に対して非接触に保つスラスト軸受を構成する。回転
スリーブ１０３の上端開口は、スラスト板１１１によっ
て閉塞され、固定軸１０２の上端との間に空気溜り１１
２が形成される。

【０００５】なお、回転多面鏡１０１を座金１０４に押
圧するバネ１０６は、回転スリーブ１０３に設けられた
環状の溝部に係合する。

【０００６】動圧流体軸受を構成する固定軸１０２およ
び回転スリーブ１０３は、両者の間の摩擦を低減し、ゴ
ミ等の侵入によるかじり等を防ぐために、高強度窒化ケ
イ素（Ｓｉ₃ Ｎ₄ ）等のセラミック材料で作られてい
る。また、座金１０４は、アルミニウムや黄銅等の金属
製で、焼きばめによって回転スリーブ１０３に一体化さ
れ、ロータマグネット１０５は接着等の方法で座金１０
４に固定される。

【０００７】回転多面鏡１０１とその駆動部Ｍ₀ は、カ
バー１１３によって覆われており、カバー１１３には回
転多面鏡１０１に向かって光ビームを入出射させるため
の窓１１３ａが設けられる。また、カバー１１３の天井
部には、セラミック等で作られた受部材１１４が配設さ
れ、回転スリーブ１０３が上昇するとスラスト板１１１
が受部材１１４に当接され、回転スリーブ１０３が過度
に浮上するのを防ぐように構成されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、前述のように、回転多面鏡の軸受部に
動圧流体軸受を用いることで装置の高速化等に対応する
ものであるが、回転多面鏡を座金に組み付けるためのバ
ネ等の押圧力が強いと、その反力のために回転スリーブ
の軸受面が変形し、その結果、軸受間隙の寸法が変化し
て動圧流体軸受の性能が損われるという未解決の課題が
ある。

【０００９】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、回転多面鏡を回転ス
リーブに組み付けるためのバネ等の結合手段の押圧力に
よって回転スリーブの軸受面が変形して軸受特性が損わ
れるのを防ぎ、回転多面鏡の高速化と回転性能の向上に
大きく貢献できる偏向走査装置を提供することを目的と
するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の偏向走査装置は、光ビームを反射する回転
多面鏡と、これを回転させる駆動手段と、固定軸に回転
自在に嵌合する回転スリーブを備えた動圧流体軸受手段
と、前記回転多面鏡を前記回転スリーブに一体的に結合
するための結合手段を有し、前記回転スリーブが、前記
結合手段を係合させる係合部と、該係合部において前記
回転スリーブの内径を局部的に変化させるための段差を
備えていることを特徴とする。

【００１１】段差によって回転スリーブの係合部の内径
が局部的に拡大するように構成されているとよい。

【００１２】段差に、スラスト軸受を構成する磁石が組
み付けられているとよい。

【００１３】

【作用】固定軸と回転スリーブの間に形成される空気膜
によって、回転多面鏡等を回転支持する動圧流体軸受を
構成する。回転多面鏡を結合手段によって回転スリーブ
に結合すると、回転スリーブの係合部に結合手段の押圧
力等の反力がかかって軸受面を変形させ、動圧流体軸受
の軸受性能が損われるおそれがある。そこで、回転スリ
ーブの係合部の内径を局部的に変化させるための段差を
設けて、回転スリーブの係合部が変形しても、これを段
差のところで吸収し、軸受面に波及するのを防ぐように
構成する。

【００１４】軸受面の変形を防ぐことで動圧流体軸受の
軸受性能を安定させ、回転多面鏡の高速化と回転性能の
向上に大きく貢献できる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。

【００１６】図１は一実施の形態による偏向走査装置の
主要部を示す。これは、固定軸２に嵌合して動圧流体軸
受手段を構成する回転スリーブ３に座金４を一体化して
該座金４にロータマグネット５を固着し、回転多面鏡１
を結合手段である弾性押圧機構６によって座金４に押圧
してこれと一体的に結合させるとともに、固定軸２を固
定したモータハウジング７にモータ基板８を支持させた
もので、ロータマグネット５は、モータ基板８上に立設
されたステータコイル９とともに駆動手段であるモータ
を構成する。該モータは、ステータコイル９を励磁する
ことで、ロータマグネット５と回転多面鏡１を一体的に
回転させる。

【００１７】回転スリーブ３は、その回転によって固定
軸２との間に空気膜を形成し、固定軸２に非接触で回転
する動圧流体軸受手段を構成するものである。このよう
に回転多面鏡１の軸受部に動圧流体軸受を用いること
で、偏向走査装置の高速化を促進し、回転性能を向上さ
せることができる。

【００１８】回転多面鏡１を座金４に押圧する弾性押圧
機構６は、固定リング６ａと、バネ６ｂを介して固定リ
ング６ａを回転多面鏡１に押圧するＥリング６ｃを有
し、Ｅリング６ｃは、回転スリーブ３に設けられた環状
の溝部３ａに係合する。

【００１９】動圧流体軸受を構成する固定軸２および回
転スリーブ３は、両者の間の摩擦を低減し、ゴミ等の侵
入によるかじり等を防ぐために、高強度窒化ケイ素（Ｓ
ｉ₃Ｎ₄ ）等のセラミック材料や、耐摩耗性材料が表面
にメッキされている金属材料等で作られている。座金４
は、アルミニウムや黄銅等の金属製で、焼きばめによっ
て回転スリーブ３に一体化され、ロータマグネット５は
接着等の方法で座金４に固定される。

【００２０】弾性押圧機構６のバネ６ｂによるバネ圧
（押圧力）が強いと、回転スリーブ３の溝部３ａに発生
する反力のために回転スリーブ３の上部の内周面が変形
する。このような内周面の変形が、固定軸２の動圧発生
溝２ａに面した回転スリーブ３の軸受面３ｂまで波及す
ると、軸受間隙の寸法が変化して設計通りの軸受特性を
得ることができない。

【００２１】そこで、溝部３ａを有する回転スリーブ３
の先端部（係合部）においてその内径を局部的に変化さ
せ、前記軸受面３ｂとの間に段差３ｃを形成する。該段
差３ｃは、回転スリーブ３の内径を局部的に拡大して、
回転スリーブ３の先端部における変形が回転スリーブ３
の軸受面３ｂに波及するのを防ぐ役目をする。

【００２２】回転スリーブ３の内周面に簡単な段差３ｃ
を設けるだけで、弾性押圧機構６のバネ圧のために動圧
流体軸受の軸受特性が損われるのを防ぐことができる。
このようにして回転多面鏡１の軸受性能を改善すること
で、偏向走査装置の回転性能を安定させ、高速化を促進
できる。

【００２３】回転スリーブ３の段差３ｃには磁石１０ａ
が組み付けられる。これは、固定軸２の上端に固着され
た磁石１０ｂに対向しており、両磁石１０ａ，１０ｂ
は、回転スリーブ３を軸方向に支持して、回転スリーブ
３の下端をモータハウジング７に対して非接触に保つた
めのスラスト軸受１０を構成する。回転スリーブ３の溝
部３ａの内側が、段差３ｃに組み付けられた磁石１０ａ
によって補強される結果となるため、弾性押圧機構６の
押圧力による変形量を低減できるという利点もある。

【００２４】また、回転スリーブ３の上端開口はふた部
材１１によって閉塞され、これによって、固定軸２の上
端に空気溜りが形成される。この空気溜りは、前記磁石
１０ａ，１０ｂからなるスラスト軸受１０とともに、回
転スリーブ３の軸方向の位置を安定させる働きをする。

【００２５】なお、本実施の形態においては、回転スリ
ーブと一体である座金に回転多面鏡を結合させるために
バネやＥリングを含む弾性押圧機構が用いられている
が、皿形バネ等の内端を直接回転スリーブの溝部に係合
させた簡単な結合手段を利用することもできる。

【００２６】図２は一変形例を示す。これは、金属製の
回転スリーブ１３に回転多面鏡１の下面を当接するため
のフランジ部１４を一体的に設けて、図１の装置の座金
４を省略したものである。装置の組立部品点数等を削減
して製造コストを低減できるうえに、回転スリーブ１３
が金属製であるから、溝部１３ａや段差１３ｃの加工が
簡単であるという利点が付加される。

【００２７】図３は偏向走査装置全体を示すもので、こ
れは、レーザ光等の光ビーム（光束）を発生する光源５
１と、前記レーザ光を回転多面鏡１の反射面１ａに線状
に集光させるシリンドリカルレンズ５１ａとを有し、前
記光ビームを回転多面鏡１の回転によって偏向走査し、
結像レンズ系５２を経て回転ドラム上の感光体５３に結
像させる。結像レンズ系５２は球面レンズ５２ａ、トー
リックレンズ５２ｂ等を有し、感光体５３に結像する点
像の走査速度等を補正するいわゆるｆθ機能を有する。

【００２８】前記モータによって回転多面鏡１が回転す
ると、その反射面１ａは、回転多面鏡１の軸線まわりに
等速で回転する。前述のように光源５１から発生され、
シリンドリカルレンズ５１ａによって集光される光ビー
ムの光路と回転多面鏡１の反射面１ａの法線とがなす
角、すなわち該反射面１ａに対する光ビームの入射角
は、回転多面鏡１の回転とともに経時的に変化し、同様
に反射角も変化するため、感光体５３上で光ビームが集
光されてできる点像は回転ドラムの軸方向（主走査方
向）に移動（走査）する。

【００２９】結像レンズ系５２は、回転多面鏡１におい
て反射された光ビームを感光体５３上で所定のスポット
形状の点像に集光するとともに、該点像の主走査方向へ
の走査速度を等速に保つように設計されたものである。

【００３０】感光体５３に結像する点像は、回転多面鏡
１の回転による主走査と、感光体５３を有する回転ドラ
ムがその軸まわりに回転することによる副走査に伴なっ
て、静電潜像を形成する。

【００３１】感光体５３の周辺には、感光体５３の表面
を一様に帯電するためのコロナ放電器、感光体５３の表
面に形成される静電潜像をトナー像に顕像化するための
現像装置、前記トナー像を記録紙に転写する転写用コロ
ナ放電器（いずれも不図示）等が配置されており、光源
５１から発生する光ビームによる記録情報が記録紙等に
プリントされる。

【００３２】検出ミラー５４は、感光体５３の表面にお
ける記録情報の書き込み開始位置に入射する光ビームの
光路よりも主走査方向上流側において光ビームを反射し
て、フォトダイオード等を有する受光素子５５の受光面
に導入する。受光素子５５はその受光面が前記光ビーム
によって照射されたときに、走査開始位置（書き出し位
置）を検出するための走査開始信号を出力する。

【００３３】光源５１は、ホストコンピュータからの情
報を処理する処理回路から与えられる信号に対応した光
ビームを発生する。光源５１に与えられる信号は、感光
体５３に書き込むべき情報に対応しており、処理回路
は、感光体５３の表面において結像する点像が作る軌跡
である一走査線に対応する情報を表す信号を一単位とし
て光源５１に与える。この情報信号は、受光素子５５か
ら与えられる走査開始信号に同期して送信される。

【００３４】なお、回転多面鏡１、結像レンズ系５２等
は光学箱５０に収容され、光源５１等は光学箱５０の側
壁に取り付けられる。光学箱５０に回転多面鏡１、結像
レンズ系５２等を組み付けたうえで、光学箱５０の上部
開口に図示しないふたを装着する。

【００３５】

【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。

【００３６】回転多面鏡を回転スリーブに組み付ける弾
性押圧機構等のために、回転スリーブが変形して動圧流
体軸受の軸受性能が損われるのを回避できる。これによ
って、偏向走査装置の回転性能の向上および高速化に大
きく貢献できる。

【００３７】このような偏向走査装置を用いることで、
高性能で高速化に適した画像形成装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施の形態による偏向走査装置の主要部を示
す模式断面図である。

【図２】一変形例による偏向走査装置の主要部を示す模
式断面図である。

【図３】偏向走査装置全体を説明する図である。

【図４】一従来例を示す模式断面図である。

【符号の説明】

１回転多面鏡２固定軸３，１３回転スリーブ３ａ，１３ａ溝部３ｃ，１３ｃ段差４座金５ロータマグネット６弾性押圧機構９ステータコイル１０ａ，１０ｂ磁石１１ふた部材１４フランジ部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者蕗田卓東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者宮本英幸東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者福冨章宏東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光ビームを反射する回転多面鏡と、これ
を回転させる駆動手段と、固定軸に回転自在に嵌合する
回転スリーブを備えた動圧流体軸受手段と、前記回転多
面鏡を前記回転スリーブに一体的に結合するための結合
手段を有し、前記回転スリーブが、前記結合手段を係合
させる係合部と、該係合部において前記回転スリーブの
内径を局部的に変化させるための段差を備えていること
を特徴とする偏向走査装置。
【請求項２】段差によって回転スリーブの係合部の内
径が局部的に拡大するように構成されていることを特徴
とする請求項１記載の偏向走査装置。
【請求項３】段差に、スラスト軸受を構成する磁石が
組み付けられていることを特徴とする請求項１または２
記載の偏向走査装置。
【請求項４】結合手段が、座金を介して回転多面鏡を
回転スリーブに一体的に結合するように構成されている
ことを特徴とする請求項１ないし３いずれか１項記載の
偏向走査装置。