JPH11276143A - 野菜用調製装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圃場から収穫した葉茎菜を相対向して内側に
回転する対をなすベルト間に挟んで搬送する過程で下葉
除去の前段階で根切りを精度よく行う装置。 【解決手段】 ．下葉を除去する前段階に葉茎菜の根
部を切断する根切断機構を設け、この根切断機構は、株
元を挟持して搬送する株元搬送ベルトを、根部側を高く
頂部側が低くなるように段差を設けた２連のベルトによ
り構成し、株元の位置決め精度を高めると共に切断刃に
より根部を切断するとき、葉茎菜の頂部及び株元を一対
の搬送ベルトにより挟持搬送し、切断刃による切断精度
を高める。．根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの搬
送方向と平行に回転する回転刃と、固定式の直刃状の受
け刃とにより構成した。．根切断機構の切断刃を、搬
送ベルトの搬送方向と平行に、相対向して回転する一対
の回転刃、またはレシプロ刃により構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、圃場から収穫した
葉茎菜を相対向して内側に回転する対をなすベルト間に
挟んで調製装置に供給し、下葉除去の前段階で根切りを
精度よく行うようにした野菜用調製装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ホウレンソウ、小松菜、杓子菜、
春菊、中国菜等の葉茎菜は、そのほとんどが人力により
収穫され、根部を切除し、不要な下葉や子葉を手で取り
除く調製作業を行っている。

【０００３】近年、圃場から葉茎菜を収穫する収穫機が
開発されつつあり、収穫後の葉茎菜を洗浄する洗浄機は
既に実用化されている。また、葉茎菜（ホウレンソウ）
の不要な下葉や子葉を機械的に取り除く下葉取り機が提
案されている。

【０００４】本出願人は、葉茎菜から不要な下葉を除去
する原理的な発明として、特願平７−２６２９３８号に
おいて、収穫した葉茎菜の根部側に付着している不要な
下葉を、相対向して内側に回転する対をなす大径回転ロ
ールと小径回転ロール間に挟んで、引き剥すようにして
除去する野菜用調製装置を、また、特願平８−３０６５
１号において、不要な下葉を、対向して上下方向に回動
する対をなす無端帯の内側面と接触させて下降させ、こ
の下降した下葉を、無端帯の下端部に無端帯の回動方向
とは逆方向に回転するように対向して設けられたロール
との間に挟んで、引き剥すようにして除去する野菜用調
製装置を提案し、さらに、これらの装置を実用機として
組み込んだ野菜調製装置を、特願平９−６９３７４号に
おいて提案している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の野菜調製装
置においては、下葉除去作業の前段階で根切断機構によ
り根部を精度よく除去しておく必要があるが、根部を精
度よく除去できる根切断機構はないのが現状であり、開
発が望まれていた。本発明は、上記の課題を解決するこ
とを目的になされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、 Ａ．収穫した葉茎菜の根部側に付着している不要な下葉
を、相対向して内側に回転する対をなす回転ロールまた
はベルト間に挟んで、引き剥すようにして除去する調製
装置において、下葉を除去する前段階に葉茎菜の根部を
切断する根切断機構を設け、この根切断機構は、株元を
挟持して搬送する株元搬送ベルトを、根部側を高く頂部
側が低くなるように段差を設けた２連のベルトにより構
成し、株元の位置決め精度を高めると共に、切断刃によ
り根部を切断するとき、葉茎菜の頂部及び株元を一対の
搬送ベルトにより挟持搬送し、切断刃による切断精度を
高めるようにしたことを特徴としている。

【０００７】Ｂ．根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの
搬送方向と平行に回転する回転刃と、固定式の直刃状の
受け刃とにより構成したことを特徴としている。

【０００８】Ｃ．根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの
搬送方向と平行に、相対向して回転する一対の回転刃、
またはレシプロ刃により構成したことを特徴としてい
る。

【０００９】

【作用】上記の構成により本発明の野菜用調製装置は、
以下の作用を行う。

【００１０】．下葉を除去する前段階に葉茎菜の根部
を切断する根切断機構を設け、この根切断機構は、株元
を挟持して搬送する株元搬送ベルトを、根部側を高く頂
部側が低くなるように段差を設けた２連のベルトにより
構成し、株元の位置決め精度を高めると共に、切断刃に
より根部を切断するとき、葉茎菜の頂部及び株元を一対
の搬送ベルトにより挟持搬送し、切断刃による切断精度
を高めるようにしたことにより、段差を設けた２連のベ
ルトにより搬送することで、株元の位置決め精度が高め
られ、下葉を除去する前段階の葉茎菜から、根部を根切
断機構により精度よく切断することができ、下葉の除去
も精度よく行える。

【００１１】．根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの
搬送方向と平行に回転する回転刃と、固定式の直刃状の
受け刃とにより構成したことにより、根切断機構を簡単
に構成することが可能となり、しかも葉茎菜の根部を精
度よく切断する。

【００１２】．根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの
搬送方向と平行に、相対向して回転する一対の回転刃、
またはレシプロ刃により構成したことにより、搬送ベル
トにより挟持搬送されてくる葉茎菜から根部を精度よく
切断する。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の野菜用調製装置の
実施の形態を、添付の図面を参照して具体的に説明す
る。

【００１４】図１ないし図３において、符号１は圃場か
ら収穫したホウレンソウのような葉茎菜Ｓを供給して根
を切り、下葉を除去するなどの調製作業を行う野菜用調
製装置である。この野菜用調製装置１は、葉茎菜Ｓの根
を切断する根切断機構２と、根切断機構２により根が切
断された後に根部Ｒ側に付着している不要な下葉を除去
する下葉除去機構３を連続して設けている。根切断機構
２の前段には、葉茎菜Ｓを載置して搬送し、根切断機構
２に供給する葉茎菜搬送機構４を設けている。

【００１５】葉茎菜搬送機構４は、葉茎菜Ｓの葉部を載
置して搬送する葉部搬送ベルト５と葉茎菜Ｓの根元を載
置して搬送する根元搬送ベルト６とからなり、根元搬送
ベルト６には、根部Ｒ側を高く頂部（葉部）側が低くな
るように段差を設けた２連の低位搬送ベルト６ａと主と
して根部Ｒを載置する高位搬送ベルト６ｂが設けられて
いる。低位搬送ベルト６ａの終端側は根切断機構２の終
端まで延設され、高位搬送ベルト６ｂの終端部は、根切
断機構２の始端位置で終了している。

【００１６】根切断機構２は、上記低位搬送ベルト６ａ
の上方に位置して、かつその始端部が側面視で上記高位
搬送ベルト６ｂの終端部とラップするようにして、前後
一対の揺動平行リンク７，７により上下及び前後に揺動
可能に支持された株元押えベルト８を設けている。この
株元押えベルト８は、葉部搬送ベルト５及び根元搬送ベ
ルト６に載置されて搬送されて来る葉茎菜Ｓの株元を、
上方から押え、低位搬送ベルト６ａとの間で挟持するよ
うにして搬送するものである。

【００１７】この株元押えベルト８及び低位搬送ベルト
６ａと平行の側方位置に、葉部が葉部搬送ベルト５に載
置され、株元が株元押えベルト８と低位搬送ベルト６ａ
との間に挟持されて搬送されて来る葉茎菜Ｓの根部Ｒを
切断する回転刃９と、固定式の直刃状の受け刃１０とが
設けられている。この根切断機構２の切断刃を、低位搬
送ベルト６ａの搬送方向と平行に、相対向して回転する
一対の回転刃、またはレシプロ刃にしてもよいものであ
る。

【００１８】下葉除去機構３は、既に提案されているも
のと同様に、葉茎菜Ｓの根部側に付着している不要な下
葉を、相対向して内側に回転する対をなす回転ロール、
またはベルト間に挟んで、引き剥すようにして除去する
ものである。この下葉除去機構３には、該下葉除去機構
３により除去された下葉を吸引して装置外に排出する吸
引ダクト１１が設けられている。また、根切断機構２及
び下葉除去機構３の上記葉部搬送ベルト５の上方に位置
して、葉部押えベルト１２が配設されている。

【００１９】次に、上記構成の野菜用調製装置１の動作
について説明する。

【００２０】圃場から収穫された葉茎菜（ホウレンソ
ウ）Ｓは、作業者、あるいは供給機構により１株ずつ、
葉茎菜搬送機構４の葉部搬送ベルト５と根元搬送ベルト
６上に供給される。その際、葉茎菜Ｓは図３（ａ）に示
すように、根部Ｒを高位搬送ベルト６ｂ上に、株元を低
位搬送ベルト６ａ上にそれぞれ載せて位置決めされ、水
平方向に移動されながら根切断機構２に送り込まれる。
根切断機構２に送り込まれる直前に、葉茎菜Ｓは、株元
が株元押えベルト８により押さえられて葉部搬送ベルト
５との間で挟持され、葉部が葉部押えベルト１２により
押さえられて低位搬送ベルト６ａとの間で挟持された状
態で搬送され、根部Ｒが回転刃９と受け刃１０により切
断される。

【００２１】次いで、葉茎菜Ｓは株元が株元押えベルト
８と葉部搬送ベルト５との間で挟持され、葉部が葉部押
えベルト１２と低位搬送ベルト６ａとの間で挟持された
状態のまま搬送されて下葉除去機構３にもたらされる。
下葉除去機構３では、根部側に付着している不要な下葉
が、相対向して内側に回転する対をなす回転ロール、ま
たはベルト間に挟まれ、引き剥すようにして除去され
る。この際、根部Ｒが精度よく切除されていると、下葉
の除去もスムーズに精度よく行われる。除去され下葉は
ダクト１１から装置外に排出される。

【００２２】なお、本発明による野菜用調製装置１は、
実施例のホウレンソウのみならず、例えば小松菜、杓子
菜、春菊等の葉茎菜類の調製装置としても広く適用でき
るものである。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の野菜用調製
装置によれば、以下の効果を奏することができる。

【００２４】．下葉を除去する前段階に葉茎菜の根部
を切断する根切断機構を設け、この根切断機構は、株元
を挟持して搬送する株元搬送ベルトを、根部側を高く頂
部側が低くなるように段差を設けた２連のベルトにより
構成し、株元の位置決め精度を高めると共に切断刃によ
り根部を切断するとき、葉茎菜の頂部及び株元を一対の
搬送ベルトにより挟持搬送し、切断刃による切断精度を
高めるようにしたので、切断時における株元の位置決め
精度を高めることができ、下葉を除去する前段階の葉茎
菜から、根部を根切断機構により精度よく切断すること
ができる。その結果、下葉の除去作業も精度よく行うこ
とができる。

【００２５】．根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの
搬送方向と平行に回転する回転刃と、固定式の直刃状の
受け刃とにより構成したので、根切断機構を簡単に構成
することが可能となり、しかも葉茎菜の根部を精度よく
切断することができる。

【００２６】．根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの
搬送方向と平行に、相対向して回転する一対の回転刃、
またはレシプロ刃により構成したので、搬送ベルトによ
り挟持搬送されてくる葉茎菜から根部を精度よく切断す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による野菜用調製装置の部分平面図であ
る。

【図２】同側面図である。

【図３】（ａ）は図１のＡ−Ａ線に沿う株元搬送ベルト
の断面図、（ｂ）は図１のＢ−Ｂ線に沿う株元搬送ベル
ト及び株元押えベルトの断面図である。

【符号の説明】 １ 野菜用調製装置 ２ 根切断機構 ３ 下葉除去機構 ４ 葉茎菜搬送機構 ５ 葉部搬送ベルト ６ 根元搬送ベルト ６ａ 低位搬送ベルト ６ｂ 高
位搬送ベルト ７ 揺動平行リンク ８ 株元押えベルト ９ 回転刃 １０ 固定式の受け刃 １１ 吸引ダクト １２ 葉部押えベルト Ｓ 葉茎菜（ホウレンソウ） Ｒ 葉茎菜の根部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収穫した葉茎菜の根部側に付着している
   不要な下葉を、相対向して内側に回転する対をなす回転
   ロールまたはベルト間に挟んで、引き剥すようにして除
   去する調製装置において、 下葉を除去する前段階に葉茎菜の根部を切断する根切断
   機構を設け、この根切断機構は、株元を挟持して搬送す
   る株元搬送ベルトを、根部側を高く頂部側が低くなるよ
   うに段差を設けた２連のベルトにより構成し、株元の位
   置決め精度を高めると共に、切断刃により根部を切断す
   るとき、葉茎菜の頂部及び株元を一対の搬送ベルトによ
   り挟持搬送し、切断刃による切断精度を高めるようにし
   たことを特徴とする野菜用調製装置。
2. 【請求項２】 根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの搬
   送方向と平行に回転する回転刃と、固定式の直刃状の受
   け刃とにより構成したことを特徴とする請求項１記載の
   野菜用調製装置。
3. 【請求項３】 根切断機構の切断刃を、搬送ベルトの搬
   送方向と平行に、相対向して回転する一対の回転刃、ま
   たはレシプロ刃により構成したことを特徴とする請求項
   １記載の野菜用調製装置。