JPH07289049A - 野菜収穫機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 野菜を刈刃で良好に刈り取ると共に、刈り取
られた野菜をその大きさに対応させて搬送通路の挟持間
隔を自動調整しながら、損傷を防止し良好に搬送するこ
とのできる野菜収穫機を提供する。 【構成】 刈刃軸心２ｄを内向きに斜設した刈刃２ｂで
刈り取った野菜Ｙを、挟持搬送装置８によって継送搬送
装置２１へ継送搬送し、走行機体のハンドル部４ｃの一
側に向けて搬送するようにすると共に、上記挟持搬送装
置８は野菜の大きさに対応して、その始端から終端にわ
たって挟持間隔が自動調整されながら挟持搬送できるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地面に植立する白菜，
キャベツ等の主として結球部を有する野菜を刈取って収
穫する野菜収穫機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、圃場で栽培される種々の野菜、例
えば白菜或いはキャベツ等の結球部を有する野菜を、刈
刃で刈取って搬送装置により機体の集荷部に搬送し収穫
するようにした、野菜収穫機は実公昭４９ー３８２０１
号公報において公知である。この野菜収穫機は走行機体
の前方に設置されたデッキの両側に円盤型の刈刃を回転
可能に軸支し、該刈刃で刈り取った野菜をデッキ上で一
旦収集した後その終端部において、左右一対の搬送チェ
ンに付設した係合部材に係合させて掻上げ、後方上方に
向けて斜設された案内板の案内面に沿って揚上搬送する
ようにしている。そして結球部の大きさの異なる野菜を
搬送する場合には、前記搬送チェンが張架されるスプロ
ケットをその取付軸上で移動させることにより、上記左
右の搬送チェンで構成される搬送通路の巾を拡狭調節し
て行うようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然し上記従来の野菜収
穫機によれば、刈り取られた野菜はデッキ上で収集搬送
したのち係合部材で掻上げながら揚上搬送されるので、
野菜の表面が該デッキ上で様々な姿勢に転がされるこ
と、及び野菜はその掻上時に係合部材と不測に接当した
り、掻上漏れを生ずることがあり損傷を受けやすい欠点
がある。また揚上搬送される野菜は係合部材で単に受け
止められた把持姿勢で案内板に摺接しながら掻上げられ
るので、搬送姿勢が不安定となって搬送の円滑さを欠く
と共に、表面の摺り傷等が発生し易い問題がある。また
前記の搬送通路内の調節は手動で行われるため、連続し
て収穫される結球の大きさの異なる一つ一つの野菜に対
しての調節は困難である。

【０００４】一方前記デッキの両側に刈刃軸を垂設した
刈刃は地面と水平に回転し野菜を一側方から切断する方
式であるため、刈刃の切れ味が悪くなったり軟弱な野菜
茎部を切断するような場合には、野菜を反刈刃側に押し
倒すように切断するので、刈取り高さが高くなったり刈
取作業が非能率となる欠点がある。また地面と水平状態
で回転する刈刃は、機体の傾斜や地面の凹凸によって刈
刃の刃先が地面に接触し易く、その回避のために該刈刃
は地面と離間するように高く設置され、野菜は高刈り状
態で切断される不具合を伴う問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、走行機体に刈刃を地面に近接させて設け
ると共に、該刈刃で刈り取られた野菜を走行機体の上方
に向けて揚上搬送する搬送装置を備えた野菜収穫機にお
いて、該搬送装置を駆動横軸と従動横軸とに張架した下
搬送帯と、該下搬送装置の上方で両側に沿わせ駆動縦軸
と従動縦軸とに張架した左右の挟持搬送帯とで搬送通路
を形成するように構成し、該挟持搬送帯の少なくとも一
方を挟持方向側に揺動可能に付勢支持することにより、
上記搬送通路の挟持間隔を自動調整可能にすることを特
徴としている。

【０００６】挟持方向に揺動可能に付勢支持される挟持
搬送帯は、その駆動縦軸と従動縦軸とを搬送フレームで
連結し、上記駆動縦軸を従動縦軸との間に位置する伝動
軸から揺動伝動可能に支持すると共に、従動縦軸側を屈
折リンクを介して支持することにより、挟持搬送帯の従
動縦軸側を搬送フレームを介して前記駆動縦軸側を中心
に揺動可能となし、また駆動縦軸側は上記屈折リンクで
支持された従動縦軸側を中心に揺動可能とすると共に、
前記搬送フレームの上記両縦軸側を夫々挟持方向に付勢
する挟持バネを設けて、搬送通路の挟持間隔を自動調整
可能とすることを特徴としている。

【０００７】下搬送帯は複数本の細巾な無端帯を駆動横
軸と従動横軸間において、付着物の落下空隙を形成する
ようにその軸方向に所定間隔を設けて張架したことを特
徴としている。

【０００８】テーラ型走行機体の前方に、地面に近接す
る刈刃と該刈刃で刈り取られた野菜を機体の上方後方に
向けて揚上搬送する搬送装置を有する野菜収穫機におい
て、該搬送装置を駆動縦軸及び従動縦軸に挟持ベルトを
張架した左右の挟持搬送帯で搬送通路を形成するように
構成し、該挟持搬送帯の少なくとも一方を挟持方向に揺
動可能に付勢支持することにより搬送通路の挟持間隔を
自動調整可能にすると共に、挟持搬送帯の終端部に野菜
を後方に向けて継送搬送する継送搬送装置を設け、該継
送搬送装置をテーラ型走行機体のハンドル部の一側に偏
寄させて設けたことを特徴としている。

【０００９】地面に植立する野菜を刈り取る刈刃と、該
刈刃で刈り取られた野菜を走行機体の一側に向けて搬送
する搬送装置を備えた野菜収穫機において、該搬送装置
の前方に軸支する刈刃を互いに内向きに回転する一対の
円盤型刈刃とし、その刃先を近接させて狭窄状の切断部
を形成すると共に、上記円盤型刈刃の刈刃軸心を互いに
内向きに斜設することにより、該切断部を地面に近設可
能にしたことを特徴としている。

【００１０】

【作用】地面に植立する野菜Ｙは、刈刃軸心２ｄを内向
きに斜設した刈刃２ｂの切断部２ｃで高刈されることな
く適正位置を確実に切断され、刈り取られた野菜Ｙは下
搬送帯７ｃでその下部を支持された状態で、挟持搬送装
置８によって挟持搬送されて継送搬送装置２１へ継送
し、該継送搬送装置２１によって走行機体のハンドル部
４ｃの一側に向けて良好に搬送される。このとき挟持搬
送装置８は野菜の大きさに対し、挟持搬送帯８１の始端
部及び終端部を弾性付勢した状態で揺動回動させ、搬送
通路８０の挟持間隔を具合よく自動調整することにより
円滑な挟持搬送を的確に行う。

【００１１】また搬送通路８０内において付着物は落下
空隙Ｋから落下排出されるので、搬送装置３の汚損や詰
まりの発生が防止できる。また上記継送搬送装置２１は
機体の一側に偏寄させて設けたことにより、搬送装置３
及び継送搬送装置２１の高さを低くして機体を小型化に
すると共に、前方視界を向上させて運転操作の行い易い
野菜の収穫作業を可能とする。

【００１２】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
Ａは走行機体１の前方に刈取部２及び搬送装置３等から
なる作業部Ｂを備えた野菜収穫機であり、実施例におけ
る上記走行機体１は左右の駆動車輪４ａを支架する伝動
機枠４上にエンジン４ｂを搭載すると共に、ハンドル４
ｃを後方に延設したテーラ型の走行機体を用い、そのヒ
ッチ部４ｄに前記作業部Ｂの機体フレームＣから突設し
た取付部Ｂ２を取付ピンＢ３を介して接続し、作業部Ｂ
をテーラ型走行機体１に着脱可能に取り付けることによ
り、野菜収穫機Ａを簡単に構成し取り扱いやすく使用で
きるようにしている。

【００１３】上記機体フレームＣの前端部左右両側には
刈刃伝動ケース２ａを固着し、円盤型の刈刃２ｂを後方
の伝動ケース５から伝動軸５ａを介して互いに内向き回
転させ、左右の刈刃２ｂが接当しない程度に近設された
狭窄上の切断部２ｃを形成している。また上記刈刃２ｂ
は図５に示すように正面視において、その刈刃軸心２ｄ
が内向き傾斜となるように斜設され、刈刃２ｂの内側即
ち前記切断部２ｃを低くしてその外側を地面から徐々に
離間させ、圃場に植立する野菜の茎部又は根部をその両
側から高刈りすることなく的確に切断可能にすると共
に、地面の凹凸或いは機体の揺れによって刈刃２ｂの外
側が地面や他の異物に接触することを防止している。

【００１４】また上記刈刃軸芯２ｄは側面視で前傾状に
斜設し、刈り取られた野菜Ｙを内向き回転により後方へ
送り込むように作用すると共に、刈刃２ｂ上に乗り上げ
る雑草や土或いは野菜Ｙに付着する付着物を滑落し易く
している。上記刈刃２ｂの下部には地面に摺接して滑走
可能な橇板６を該刈刃２ｂの前方に延設し、刈取り時に
野菜Ｙの根部両側の地面を押圧して低くさせるように均
し、刈刃２ｂが地面との接触を防止しながら野菜Ｙの根
部をできるだけ低い位置で切断するようにしている。ま
た刈刃２ｂの外側には、安全カバー用のガイド杆６ａを
機体フレームＣに取着し、近隣の作物を不測に切断する
ことなく、また刈刃２ｂに接触する危険を防止してい
る。

【００１５】次に上記刈刃２ｂで取られた野菜を走行機
体１側に向けて揚上搬送する搬送装置３の構成について
説明する。該搬送装置３は刈り取られた野菜Ｙを載置搬
送する下搬送装置７と、該下搬送装置７の上方で野菜Ｙ
を挟持搬送する搬送通路８０を形成するように、その両
側に沿わせ張架した左右の挟持搬送帯８１，８２よりな
る挟持搬送装置８とで構成し、該挟持搬送帯８１，８２
の内少なくとも一方を挟持方向に揺動可能に付勢支持す
ることにより、前記搬送通路８０がその挟持間隔を野菜
Ｙの大きさに対応して自動調整可能とすることができる
ようにしている。

【００１６】上記下搬送装置７は、前記切断部２ｃの後
部刈刃２ｂ上で搬送方向に回転可能に横設された小径の
従動横軸７ａと、機体フレームＣの後方上端部に枢支さ
れた大径の駆動横軸７ｂ間に、前記付着物を漏落させる
落下空隙Ｋを形成するように、複数本の断面円形状の細
巾なベルト（下搬送帯）７ｃをその軸方向に所定間隔を
設けて張架している。７ｄは上記ベルト７ｃの下方で搬
送通路８０巾に斜交させて回転可能に軸支した回転ブラ
シであり、ベルト７ｃの回動時に該ベルト７ｃ及び搬送
される野菜Ｙに接当回転させて、これらに付着する付着
物を具合よく掻き落として除去させるようにしている。

【００１７】また上記挟持搬送帯８１，８２は前記下搬
送装置７の前後部に対応して、夫々の搬送フレーム８ｆ
にプーリー付の駆動縦軸８ａ及び従動縦軸８ｂを立設
し、両者間に広巾な挟持ベルト８ｃを張架している。そ
して、右方の挟持搬送帯８２は、その駆動縦軸８ａを走
行機体１の駆動プーリー（図示せず）から、ベルト９を
介して駆動される入力軸９ａを備えた伝動ケース９ｂに
立設させ駆動すると共に、従動縦軸８ｂを機体フレーム
Ｃに固定した搬送フレーム８ｆに立設している。９ｃは
前記入力軸９ａから伝動ケース５の回転軸５ｓにプーリ
ーを介して伝動するベルトである。

【００１８】また左方の挟持搬送帯８１は、その駆動縦
軸８ａを従動縦軸８ｂ間に位置する前記伝動ケース５か
ら立設した伝動軸１０に、揺動可能に枢支される支持フ
レーム１１端で従動プーリー１２を介して軸支すると共
に、該伝動軸１０の伝動プーリー１２ａから伝動ベルト
５ｂを上記従動プーリー１２に張架して駆動するように
している。一方上記搬送フレーム８ｆの従動縦軸８ｂ側
は、機体フレームＣに立設した支軸１３に回動可能に枢
支する屈折リンク１４，１４ａと連結させて支持し、上
記搬送フレーム８ｆを介し従動縦軸８ｂ側が、上記屈折
リンク１４，１４ａの屈伸により、前記駆動縦軸８ａを
中心に側方に向けて搬送通路８０の挟持間隔を拡開調整
するように揺動可能に支持している。

【００１９】そして前述支持フレーム１１はその腕杆１
１ａと機体フレームＣとの間に挟持バネ１５を設けて、
挟持搬送帯８１の搬送終端側を前記従動縦軸８ｂ側の屈
折リンク１４，１４ａ及び伝動軸１０を中心に、挟持方
向に揺動可能に弾性付勢すると共に、前記屈折リンク１
４の腕杆１４ｂと機体フレームＣとの間に挟持バネ１６
を設け、従動縦軸８ｂを駆動縦軸８ａ及び支軸１０を中
心として、挟持方向に揺動可能に弾性付勢するように付
勢支持機構を構成している。１７，１８は夫々前記腕杆
１１ａ並びに腕杆１４ｂに接当するストッパであり、そ
の接当状態においては挟持搬送帯８１を挟持搬送帯８２
側に寄せて、両者間に形成される搬送通路８０を下限間
隔に設定するようにしている。尚、前記搬送フレーム８
ｆに連結する屈折リンク１４ａは枢支ピン１４ｂを支点
とし、図３の角度から内側方向にのみ屈折可能としてい
る。

【００２０】上記のように構成した搬送装置３の終端部
には集荷部２０に向けて野菜Ｙを継送搬送する継送ベル
ト（継送搬送装置）２１をエンジン４ｂの両側、即ち機
体のハンドル部４ｃの一側に偏寄させて夫々設けてお
り、搬送装置８及び継送搬送装置（継送ベルト）２１の
高さを低く構成することができ、機体を小型化にすると
共に前方視界向上させるようにしている。また作業部Ｂ
を図１に示す左側から他方向の右側継送ベルト２１側に
位置変更する場合には、機体フレームＣの取付部Ｂ２を
走行機体１のヒッチ部４ｄの右側に付け替えることによ
り簡単に行うことができ、野菜収穫機Ａによる収穫作業
を右回り刈取り収穫作業勝手と、左回り刈取り収穫作業
勝手とに便利に切り換えることができるようにしてい
る。この実施例における上記集荷部２０は継送ベルト２
１の終端部に、地面に向けて斜設した樋状のガイド板２
０ａにより構成し、刈り取られた野菜Ｙを搬送装置３及
び継送ベルト２１を介し該ガイド板２０ａから地面に滑
落誘導させて順次整列するようにしている。尚、上記集
荷部２０はガイド板２０ａに代えて野菜Ｙを一定量収容
するバケット状の容器にしてもよい。

【００２１】上記構成した野菜収穫機Ａによる刈取り収
穫作業は、エンジン４ｂを始動して各部を駆動させ機体
を前進させることにより、圃場に植立する野菜Ｙを刈刃
軸心２ｄが内向き傾斜で切断部２ｃを低く設定された刈
刃２ｂにより、高刈りすることなく適正位置を確実に切
断することができる。従って特に白菜のように結球部が
地面に近接して低く根部が短い野菜Ｙであっても、その
根部を的確に刈り取り結球部を切損することがない。ま
たこのとき切断中の野菜Ｙは左右の挟持搬送帯８１，８
２の始端部間で、両側から把持された起立安定姿勢で切
断されるので、傾倒することなく切断されそのまま挟持
搬送帯８１，８２で挟持搬送されると共に、野菜Ｙの株
元側を切断部２ｃから下搬送装置７のベルト７ｃ始端部
に速やかに送り込み良好に搬送することができる。尚、
この刈取り作業時に地面の凹凸及び機体の横揺れがあっ
ても、切断部２ｃの両外側は地面上方に徐々に高くなる
ように離間しているので、刈刃２ｂの地面及び異物への
接触を防止しながら、良好な刈取り作業を行うことがで
きる。

【００２２】また上記のようにして刈り取られる野菜Ｙ
を連続的に挟持搬送する挟持搬送装置８は、図６に示す
ように結球の大きさの異なる各野菜Ｙに対し、挟持搬送
帯８１が揺動回動し搬送通路８０の挟持間隔を具合よく
自動調整することができるので、円滑な挟持搬送を能率
よく的確に行うことができる。即ち、挟持搬送帯８１は
図３に示す付勢支持機構により図６（Ａ）に示すよう
に、挟持搬送装置８による野菜Ｙの挟持搬送開始時に、
挟持搬送帯８１はその掻込力により従動縦軸８ｂ側が挟
持バネ１６に抗し、屈折リンク１４，１４ａに支持され
た状態で駆動縦軸８ａを中心として緩やかな揺動角で揺
動回動し、野菜Ｙの結球の大きさに対応して拡開するこ
とにより初期の掻込みを的確に行い、挟持搬送開始時に
おいて野菜Ｙを摺り掻きしたり、強く押圧し過ぎること
による損傷を防止しながら初期の挟持搬送を良好に行
う。

【００２３】また同図（Ｂ）に示すように、上記の野菜
Ｙが搬送終端部に搬送されるときその挟持搬送にともな
い、駆動縦軸８ａ側が支持フレーム１１の挟持バネ１５
に抗して従動縦軸８ｂ側を中心として側方に揺動回動
し、結球部の大きさに対応して拡開することにより、搬
送中の野菜Ｙの位置ずれを防止して傾倒させることなく
初期の適正姿勢を維持させたまま良好に搬送し、後続の
継送ベルト２１へ円滑に継送搬送することができる。さ
らに同図（Ｃ）に示すように、野菜Ｙが挟持搬送装置８
の搬送終端部付近で搬送中の状態において、次位の野菜
Ｙを連続して挟持搬送する場合には、駆動縦軸８ａは前
述図（Ｂ）の位置においた状態で、従動縦軸８ｂが次位
の野菜Ｙを挟持搬送するために、挟持搬送帯８１を駆動
縦軸８ａを中心として搬送通路８０を拡開させるように
揺動回動させ、同図（Ａ），（Ｂ）に示す前記揺動回動
作用を複合した動作を行って、大きさの異なるそれぞれ
の野菜Ｙを的確に挟持しながら整然と確実に搬送するこ
とができる。

【００２４】また野菜Ｙは上記のようにして挟持搬送さ
れるとき、下搬送装置７でその下部を支持されながら揚
上搬送されるので、挟持搬送装置８の挟持力を殊更強く
して野菜Ｙを傷めることなく、また搬送姿勢を乱すこと
なく良好に揚上挟持搬送を行うことができる。また搬送
途上において野菜Ｙとともに送られる付着物は、複数本
の細巾ベルト７ｃを張架して搬送方向に形成される落下
空隙Ｋから下方に具合よく落下排出されるので、搬送装
置３が野菜屑や異物及び土等の付着物によって汚損され
たり、詰まり等を生ずることなく良好な搬送を長期間連
続して行うことができる。

【００２５】次に図７において、上記構成した作業部Ｂ
を有する野菜収穫機の他の実施例について説明する。こ
の実施例における走行機体１は左右の駆動車輪４ａを支
架する伝動機枠４の前方にエンジン４ｂを搭載すると共
に、機体後方に向けて延設するハンドル４ｃを左右に回
動変位可能に構成したハンドル回動式のテーラ型走行機
体を用い、そのヒッチ部４ｄに既述作業部Ｂが機体の前
面で直列状となるように、その取付部Ｂ２を着脱可能に
取り付けている。

【００２６】そして前記ハンドル４ｃは機体の右方側に
回動変位させて左方に空間部を形成し、該空間部に前記
搬送装置３の下搬送装置７終端部に後続する継送ベルト
２１の始端部を設けると共に、その終端部をハンドル４
ｃの側方となるように設置している。また集荷部２０は
上記継送ベルト２１の終端部下方に設置され、野菜Ｙを
収容する袋２３を複数枚吊下可能な袋掛杆２５を設ける
と共に、吊下される袋２３の下部を受ける受板２６を設
けて構成している。

【００２７】以上のように構成した野菜収穫機Ａは、車
輪巾を変更したり特別な取付部を準備することなく、既
存のテーラ型走行機体１を単にハンドル４ｃを回向させ
継送ベルト２１を設けるだけで、機体前部に作業部Ｂを
簡単に装着可能としたから、極めて簡潔で廉価な構成の
野菜収穫機を提供できる利点がある。また機体の前部に
直列状に配置された作業部Ｂに対し、継送ベルト２１の
終端部を機体の一側に偏寄させて設けたことにより、搬
送装置３及び継送ベルト２１の高さを低く構成すること
ができ、機体を小型化にすると共に前方視界向上させて
運転操作を行い易い野菜の収穫作業を可能とする。また
刈取り搬送される野菜Ｙをオペレータの歩行を妨げない
機体側方側において、継送ベルト２１の終端部から野菜
袋２７の開口内に所定量の野菜Ｙを的確に収容させるこ
とができ、野菜Ｙの収穫作業を容易且つ能率よく行うこ
とができる特徴がある。尚、本発明構成を有する作業部
Ｂは上述のテーラ型走行機体１に装着する他、乗用型田
植機の植付部を取り外した走行機体の前後部或いは側方
に装着して野菜収穫機を構成するようにしてもよい。

【００２８】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成したか
ら以下の効果を奏することができる。請求項１により、
刈刃で刈り取らた結球の異なる野菜をその大きさに対応
し搬送通路を自動調整して、両側から的確に挟持して搬
送することができるので、搬送中に搬送姿勢を乱して野
菜に擦り傷や損傷を与えることなく、良好な搬送を整然
と能率よく行うことができる。

【００２９】請求項２により、間歇的に挟持搬送される
野菜に対し挟持搬送帯はその搬送始端部側と終端部側と
を、それぞれ駆動縦軸側と従動縦軸側とを中心として揺
動回動して搬送通路を自動調整するので、結球の異なる
野菜及び間歇的に搬送される野菜を常に良好に挟持搬送
することができる。また挟持搬送帯は揺動回動時にその
駆動縦軸側と従動縦軸側を中心として緩やかな揺動角で
揺動回動するので、急角度で野菜を強く挟持搬送して搬
送傷みを生ずることなく良好な搬送を的確に行うことが
できると共に、装置の構成を簡潔で耐久性がありまた廉
価に製作することができる。

【００３０】請求項３により、下搬送帯は挟持搬送帯で
搬送される野菜の下部を的確に支受しながら搬送するの
で、挟持搬送帯の挟持力をことさら強くして野菜を傷め
ることなく整然とした姿勢で良好に揚上搬送することが
できると共に、野菜とともに搬送される付着物を複数の
無端帯間で形成される落下空隙から、下方に具合よく落
下排出させることができ、搬送装置の汚れや詰まりの発
生を防止して良好な搬送を長期間にわたり行うことがで
きる。

【００３１】請求項４により、搬送装置及び継送搬送装
置の高さを低く構成することができ、機体を小型化にす
ると共に前方視界向上させて運転操作の行い易い野菜収
穫機を簡潔な構成で廉価に提供することができる。また
刈取り搬送される野菜をオペレータの歩行を妨げない機
体側方において、的確に集荷することができるので、野
菜の収穫作業を容易且つ能率よく行うことができる。

【００３２】請求項５により、圃場に植立する野菜は地
面に近設された狭窄状の切断部で、その根部或いは茎部
を両側から切断されるので高刈りとなることなく、また
軟弱な茎部の野菜であっても適正位置を確実に切断する
ことができる。また、刈取り作業時に地面の凹凸及び機
体の横揺れがあっても、刈刃の外側は地面上方に高く離
間しているので、刈刃が地面或いは異物へ接触すること
を適切に防止しながら、切れ味を維持させて良好な刈取
り作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる野菜収穫機の斜視図。

【図２】作業部の側面図。

【図３】図２の平面図。

【図４】挟持搬送帯の構成を示す断面図。

【図５】刈刃の構成を示す正面図。

【図６】挟持搬送帯の作用を示し、（Ａ）は野菜の挟持
搬送初期における平面図、（Ｂ）は野菜の搬送終端部に
おける平面図、（Ｃ）は搬送始端部及び終端部における
状態を示す平面図である。

【図７】野菜収穫機の他の実施例を示し、（Ａ）は平面
図、（Ｂ）は側面図。

【符号の説明】

１ 走行機体 ２ｂ 刈刃 ２ｃ 切断部 ２ｄ 刈刃軸心 ３ 搬送装置 ４ｃ ハンドル部 ７ａ 従動横軸 ７ｂ 駆動横軸 ７ｃ 下搬送帯（ベルト） ８ 挟持搬送装置 ８ｆ 搬送フレーム ８０ 搬送通路 ８１，８２ 挟持搬送帯 １０ 伝動軸 １４，１４ａ 屈折リンク １５，１６ 挟持バネ ２１ 継送搬送装置（継送ベルト） Ａ 野菜収穫機 Ｋ 落下空隙 Ｂ 作業部 Ｙ 野菜

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行機体に刈刃を地面に近接させて設け
   ると共に、該刈刃で刈り取られた野菜を走行機体の上方
   に向けて揚上搬送する搬送装置を備えた野菜収穫機にお
   いて、該搬送装置を駆動横軸と従動横軸とに張架した下
   搬送帯と、該下搬送帯の上方で両側に沿わせ駆動縦軸と
   従動縦軸とに張架した左右の挟持搬送帯とで搬送通路を
   形成するように構成し、該挟持搬送帯の少なくとも一方
   を挟持方向側に揺動可能に付勢支持することにより、上
   記搬送通路の挟持間隔を自動調整可能にすることを特徴
   とした野菜収穫機。
2. 【請求項２】 挟持方向に揺動可能に付勢支持される挟
   持搬送帯は、その駆動縦軸と従動縦軸とを搬送フレーム
   で連結し、上記駆動縦軸を従動縦軸との間に位置する伝
   動軸から揺動伝動可能に支持すると共に、従動縦軸側を
   屈折リンクを介して支持することにより、挟持搬送帯の
   従動縦軸側を搬送フレームを介して前記駆動縦軸側を中
   心に揺動可能となし、また駆動縦軸側は上記屈折リンク
   で支持された従動縦軸側を中心に揺動可能とすると共
   に、前記搬送フレームの上記両縦軸側を夫々挟持方向に
   付勢する挟持バネを設けて、搬送通路の挟持間隔を自動
   調整可能とする請求項１記載の野菜収穫機。
3. 【請求項３】 下搬送帯は複数本の細巾なベルトを駆動
   横軸と従動横軸間において、付着物の落下空隙を形成す
   るようにその軸方向に所定間隔を設けて張架してなる請
   求項１記載の野菜収穫機。
4. 【請求項４】 テーラ型走行機体の前方に、地面に近接
   する刈刃と該刈刃で刈り取られた野菜を機体の上方後方
   に向けて揚上搬送する搬送装置を有する野菜収穫機にお
   いて、該搬送装置を駆動縦軸及び従動縦軸に挟持ベルト
   を張架した左右の挟持搬送帯で搬送通路を形成するよう
   に構成し、該挟持搬送帯の少なくとも一方を挟持方向に
   揺動可能に付勢支持することにより搬送通路の挟持間隔
   を自動調整可能にすると共に、挟持搬送帯の終端部に野
   菜を後方に向けて継送搬送する継送搬送装置を設け、該
   継送搬送装置をテーラ型走行機体のハンドル部の一側に
   偏寄させて設けたことを特徴とする野菜収穫機。
5. 【請求項５】 地面に植立する野菜を刈り取る刈刃と、
   該刈刃で刈り取られた野菜を走行機体の一側に向けて搬
   送する搬送装置を備えた野菜収穫機において、該搬送装
   置の前方に軸支する刈刃を互いに内向きに回転する一対
   の円盤型刈刃とし、その刃先を近接させて狭窄状の切断
   部を形成すると共に、上記円盤型刈刃の刈刃軸心を互い
   に内向きに斜設することにより、該切断部を地面に近設
   可能にしたことを特徴とする野菜収穫機。