JPH11274528A - 光起電力装置 - Google Patents

光起電力装置

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JPH11274528A
JPH11274528A JP10076849A JP7684998A JPH11274528A JP H11274528 A JPH11274528 A JP H11274528A JP 10076849 A JP10076849 A JP 10076849A JP 7684998 A JP7684998 A JP 7684998A JP H11274528 A JPH11274528 A JP H11274528A
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Toshihiro Kinoshita
敏宏 木下
Yoshihiro Hishikawa
善博 菱川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、透明導電酸化膜に酸素欠損が発
生せずに、透明導電膜の光透過率の低下を防ぎ、効率的
な光反射が行える光起電力装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 この発明は、光電変換層と高反射金属層
との間に透明導電酸化膜からなる拡散防止層を挿入した
光起電力装置であって、前記拡散防止層の高反射金属層
との界面近傍における膜中酸素原子量を他の領域の膜中
酸素原子量より多くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入射光を有効利
用するために高反射金属と光電変換層との間に透明導電
酸化膜を介在させた光起電力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非晶質シリコン等を光電変換層に
用いた光起電力装置においては、入射光を有効利用する
ために、裏面側に高反射金属からなる電極を配置し、光
電変換層を透過した光を反射させ、再度光電変換層内に
入射させる構造が採られている。
【0003】非晶質シリコン系半導体層上に銀(A
g)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの高反射
金属を形成すると、これら金属と非晶質シリコン系半導
体層とが反応して界面で合金が形成され、良好な反射特
性が得られない。そこで、例えば、特公昭60−418
78号公報に開示されているように、非晶質半導体層と
高反射金属層との間に酸化インジウム錫(ITO)等の
透明導電酸化膜からなる拡散防止層を介在させ、非晶質
シリコン系半導体層の拡散を防止している。
【0004】上記した拡散防止層としては、通常スパッ
タ法により形成された、均一な組成のITO膜が用いら
れ、このITO膜上に銀、アルミニウム、銅などの高反
射金属がスパッタ法により形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スパッタ法
により、透明導電酸化膜からなる拡散防止層と高反射金
属層を連続して形成すると、高反射金属層を作成する時
に、透明導電酸化膜と高反射金属層との界面にダメージ
が発生し、反射率が低下するという問題がある。このダ
メージの発生の理由は現在のところ明らかではないが、
スパッタ時のプラズマによりITO膜などの透明導電酸
化膜の表面に酸素欠損が生じるため、或いはITO膜等
の透明導電酸化膜表面が活性となり、高反射金属層との
界面で還元反応を生じ、透明導電酸化膜表面に酸素欠損
が生じるためと考えられる。透明導電酸化膜に酸素欠損
が生じると、光の透過率が減少し、反射される光の量が
減少し、光の有効利用が十分に図れなくなる。
【0006】また、特開平5−121769号には、透
明導電酸化膜と高反射金属層との間に、クロムを含有す
る鋼や白金などの酸化防止用金属を介在させ、高反射金
属層表面の酸化による変質を防止し、効率的な反射を行
った光起電力装置が提案されている。
【0007】しかしながら、上記した光起電力装置にお
いては、クロムを含有する鋼や白金などの酸化防止用金
属を介在させるので、この膜により光の透過が阻害され
る。即ち、これら膜を薄く形成しても透明導電酸化膜よ
りは光透過率は悪く、その分光の反射効率が落ちるのは
否めない。
【0008】この発明は、上記した従来の問題点を解消
するためになされたものにして、透明導電酸化膜に酸素
欠損が発生せずに、透明導電膜の光透過率の低下を防
ぎ、効率的な光反射が行える光起電力装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、光電変換層
と高反射金属層との間に透明導電酸化膜からなる拡散防
止層を挿入した光起電力装置であって、前記拡散防止層
の高反射金属層との界面近傍における膜中酸素原子量を
他の領域の膜中酸素原子量より多くしたことを特徴とす
る。
【0010】前記透明導電酸化膜は、ITO薄膜で構成
され、ITO薄膜中の酸素原子量とインジウム原子量の
比(O/In)が高反射金属層に向かって増加して行く
ように組成比を変化させるとよい。
【0011】また、前記ITO薄膜の比抵抗が10-2Ω
cm以下、前記ITO薄膜中の酸素原子量とインジウム
原子量の比(O/In)が1.5〜4の間で変化させる
とよい。
【0012】上記した構成によれば、透明導電酸化膜の
界面付近の酸素量が増え、透明導電酸化膜の酸素欠損が
防止でき、この部分での光透過率の低下が防止される。
この結果、短絡電流の低下が減少し、変換効率を向上さ
せることができる。
【0013】更に、前記透明導電酸化膜と高反射金属層
との間に透明絶縁膜を設けるとよい。
【0014】透明絶縁膜を介在させることで、高反射金
属形成時に、ITO膜などの還元により、金属反射膜が
酸化されることがなくなり、高反射率が保てる。
【0015】また、この発明は、光電変換層と高反射金
属層との間に透明導電酸化膜からなる拡散防止層を挿入
した光起電力装置であって、前記透明導電酸化膜と高反
射金属層との間に透明絶縁膜を設けたことを特徴とす
る。
【0016】前記透明絶縁膜の平均膜厚を5nm以上5
0nm以下にするとよい。
【0017】透明絶縁膜を挿入することにより、高反射
金属層をスパッタ法で形成する際のダメージを防いで光
反射率を改善することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施に形態につ
き図面を参照して説明する。図1はこの発明の光起電力
装置の第1の実施の形態を説明するための素子構造図で
ある。
【0019】図1に示すように、ガラスなどからなる透
光性絶縁基板1上に酸化インジウム錫(ITO)、酸化
錫(Sn02)、酸化亜鉛(ZnO)等からなる透明導
電膜2が設けられる。この実施の形態では膜厚500n
mの酸化錫を熱CVD法により形成する。この透明導電
膜2上に従来周知のプラズマCVD法で非晶質シリコン
系半導体からなる光電変換層3が設けられる。
【0020】この光電変換層3は、まず、B26、Si
4、CH4、H2の混合ガスをグロー放電分解して膜厚
5nm程度のp型非晶質シリコンカーバイド(a−Si
C)層3aを堆積し、次に、SiH4、CH4、H2の混
合ガスをグロー放電分解してp/i界面でのキャリアの
再結合を防ぐためのi型a−SiCからなる膜厚5nm
程度の界面i層3bを堆積させ、次いで、SiH4ガス
をグロー放電分解して発電層である膜厚300nm程度
のi型非晶質シリコン(a−Si)層3cを堆積させ、
最後に、PH3、SiH4、H2の混合ガスをグロー放電
分解して膜厚10nm程度のn型非晶質シリコン(a−
Si)層3dを堆積して、形成される。
【0021】この光電変換層3上にこの発明の特徴とす
る拡散防止層としての膜厚100nm程度の透明導電酸
化膜4がスパッタ法により設けられる。この実施の形態
では、透明導電酸化膜4としてITO膜を用い、膜中の
酸素原子量とインジウム原子量の比(O/In)が高反
射金属層に向かって増加して行くように組成比を変化さ
せている。そして、この透明導電酸化膜4上にスパッタ
法により高反射金属層からなる裏面電極5が設けられ
る。この実施の形態では、裏面電極5として膜厚300
nmのAgをスパッタ法により形成した。このスパッタ
法の条件はRFパワー1000W、ターゲットサイズが
6インチФ、スパッタガスとしてArガスを用い、基板
温度200℃で行った。上記の他の形成条件を表1に、
また透明導電酸化膜としてのITO膜の形成条件を表2
に示す。
【0022】
【表1】
【0023】上記した透明導電酸化膜4としてのITO
膜の形成条件は、RFパワーが300W、ターゲットサ
イズが6インチФ、反応圧力が3×10-3Torrであ
り、その他の条件を表2に示す。尚、表2には、ITO
膜の膜中酸素濃度を変化させない従来のITO膜の形成
条件も記す。
【0024】
【表2】
【0025】上記条件で作成した本発明のITO膜と従
来例のITO膜の比抵抗は本発明が1×10-3Ωcmで
あり、従来例が5×10-4Ωcmであり、非常に良好な
特性が得られた。また、本発明で作成した薄膜の方が比
抵抗が高いのは、酸素量の増加に伴い透過率が向上し、
キャリア密度が減少しているためと考えられる。
【0026】上記の条件で作成したITO膜の酸素とイ
ンジウム量をSIMSで測定し、ITO薄膜中の酸素原
子量とインジウム原子量の比(O/In)を求めた結果
を図2に示す。ITO薄膜の膜厚は共に1000オング
ストロームである。従来例では、(O/In)は1.5
で一定であるが、この発明では(O/In)が1.5〜
4近くまで増加していることが分かった。即ち、光電変
換層3側から裏面電極4側へ向かって酸素の原子量の割
合が増加している。
【0027】次に、拡散防止層として、上記した本発明
によるITO薄膜と従来のITO薄膜を用い、ITO薄
膜とAgからなる裏面電極5とをスパッタ法で連続形成
したときの光起電力特性を測定した結果を表3に示す。
両サンプルはITO膜が異なる以外は全て同じ条件で作
成した。
【0028】
【表3】
【0029】従来の光起電力装置では、スパッタでIT
O薄膜と裏面電極を連続形成する際に、ITO薄膜表面
にダメージが発生し、ITO薄膜の表面に酸素欠損が生
じ、この部分での光透過率の低下に起因して短絡電流の
低下が生じていた。これに対して、この発明のように、
界面付近の酸素量を増やすことで、酸素欠損が防止で
き、この部分での光透過率の低下が防止され、短絡電流
の低下が減少し、変換効率が向上した。
【0030】尚、上記した実施の形態においては、透明
導電酸化膜の膜中酸素原子量を高反射金属層に向かって
順次増加させるようにに変化させているが、界面近傍の
領域のみ酸素原子の膜中組成を多くし、他の領域は従来
のままの組成にした積層膜でも同様の効果が得られる。
【0031】上記した第1の実施の形態は、光が基板側
から入射する構造の光起電力装置、いわゆる順タイプの
光起電力装置について説明したが、非透光性基板に金属
電極を形成し、順に半導体層、透光性電極を形成して、
透光性電極側から光を入射する構造の光起電力装置、い
わゆる逆タイプの光起電力素子においてもこの発明が適
用できる。図3は、この発明をいわゆる逆タイプの光起
電力装置に適用した素子構造を示す断面図である。
【0032】図3に示すように、ステンレス基板などの
非透光性基板11上にAgなどの高反射金属からなる裏
面電極12が設けられている。この裏面電極12上に拡
散防止層としての透明導電酸化膜13が設けられる。こ
の実施の形態においては、透明導電酸化膜13としてZ
nOを用いた。そして、この透明導電酸化膜13は、裏
面電極12側から光電変換層14側へ酸素の原子量が少
なくなるようにZnとOの組成比を変化させている。即
ち、裏面電極側12近傍の酸素原子量を多くしている。
続いて、拡散防止層13上に従来周知のプラズマCVD
法で非晶質シリコン系半導体からなる光電変換層14が
設けられる。この光電変換層14は、n型a−Si層1
4aと、発電層であるi型a−Si層14bと、p/i
界面でのキャリアの再結合を防ぐためにi型a−SiC
からなる界面i層14cと、p型a−SiC層14d
と、を順次堆積して形成される。これら膜の形成条件
は、前述した第1の実施の形態と同じである。
【0033】そして、p型a−SiC14d上にITO
膜からなる透明電極15が設けられ、その上にAgから
なる集電極16が設けられる。
【0034】この実施の形態では、ZnO膜中の酸素原
子量と亜鉛原子量の比(O/Zn)が、裏面電極側12
では酸素欠損が生じないように多くして光電変換層14
に向かって減少して行くように組成比を変化させてい
る。
【0035】裏面電極12と透明導電酸化膜13を連続
形成する際に、透明導電酸化膜13と裏面金属12との
界面における還元反応によって酸素が減少してもこの部
分にあらかじめ酸素が原子が多く含まれているため、酸
素欠損が生ぜず、この部分での光透過率の劣化が防止で
きる。このように、界面付近の酸素量を増やすことで、
酸素欠損が防止でき、この部分での光の透過率の低下が
防止され、短絡電流の低下が減少し、変換効率が向上す
る。
【0036】次に、この発明の第3の実施の形態につき
説明する。上記第1及び第2の実施の形態においては、
透明導電酸化膜と高反射金属層との連続形成における透
明導電酸化膜の酸素欠損をあらかじめこの領域の透明導
電酸化膜中に酸素原子を多くして酸素欠損分を補うもの
であるが、この第3及び第4の実施の形態は、透明導電
酸化膜の酸素原子の量は従来通りのものを用い、この膜
から酸素の欠損が生じないようにしたものである。
【0037】まず、第3の実施の形態を図4に従い説明
する。図4は、いわゆる順タイプの光起電力装置の素子
構造断面図である。
【0038】厚さ4mmのガラス基板からなる透光性絶
縁基板1の上に表面に光閉じ込め用凹凸面が形成された
膜厚500nm程度の酸化錫からなる透明電極膜2が堆
積される。従来周知のプラズマCVD法で非晶質シリコ
ン系半導体からなる光電変換層3が設けられる。この光
電変換層3は、前述した第1の実施の形態と同様に、p
型a−SiC層3a、とp/i界面でのキャリアの再結
合を防ぐためにi型a−SiCからなる界面i層3b
と、i型a−Si3cと、n型a−Si層3dが、順次
形成される。
【0039】この光電変換層3上に透明導電酸化膜4が
スパッタ法により設けられる。この実施の形態では、透
明導電酸化膜としてITO膜を用い、膜中の酸素原子量
とインジウム原子量の比(O/In)は、表2に示す従
来例と同様にして形成され、膜中濃度は一定である。
【0040】この透明導電酸化膜4上に透明絶縁膜6を
形成する。この実施の形態では厚さ3〜100nmのS
iO2膜を形成した。そして、この透明絶縁膜6上にス
パッタ法によりAgからなる高反射金属層としての裏面
電極5が設けられている。上記したSiO2膜はスパッ
タ法により形成され、Arガスをスパッタガスとして用
い、RFパワー1000W、ターゲットサイズが6イン
チФ、基板温度200℃で形成した。表4に透明絶縁膜
4を設けていない従来の光起電力装置と、透明絶縁膜4
の膜厚を種々変化させたこの発明の光起電力装置との光
起電力特性を測定した結果を示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4より従来スパッタ法により、ITO膜
と裏面電極を連続形成する際に、ITO薄膜と金属界面
のダメージにより短絡電流の低下が生じていたのに対
し、この実施の形態では、ダメージによる高反射金属層
と透明導電酸化膜との還元反応が防止され、その結果、
短絡電流が増加し、変換効率の増加が見られた。この実
施の形態では、透明絶縁膜6の膜厚が5〜50nmの範
囲で変換効率の増加が見られた。
【0043】これは透明絶縁膜6を設けることで、裏面
金属5をスパッタ法により形成する際、透明導電酸化膜
の還元による酸素欠損が抑制され、光透過率の低下が防
止されたからと考えられる。
【0044】上記したように、透明導電酸化膜4と裏面
電極5との間に、膜厚5nm以上の透明絶縁膜6を挿入
することにより、高反射金属層をスパッタ法で形成する
際のダメージを防いで光反射率を改善することができ
る。ダメージの詳細は現状では明らかではないが、IT
O膜/金属界面のITO膜の還元により酸素欠損が発生
してITOの光透過率が減少する結果、裏面電極の光反
射率が減少していたことが予想される。透明絶縁膜6の
膜厚を50nm以下にすれば、絶縁体のピンホール等を
通して透明導電酸化膜4と裏面電極5間が電気的に導通
するため、高抵抗な絶縁体を挿入することによる抵抗ロ
スの悪影響はない。特に、凹凸があれば薄い絶縁膜によ
りリークの発生が多くなる。
【0045】この実施の形態では、透明絶縁膜6とし
て、SiO2膜を用いたが、他の絶縁材料、例えば、S
34、Al23、AlN、TiN、TiO2等の金属
・半導体酸化膜及び窒化膜を使用することもできる。ま
た、透明電極としては、酸化錫の他に、酸化亜鉛、酸化
銅、酸化銅−酸化アルミニウム化合物等も使用できる。
【0046】図5は、この発明の第4の実施の形態を示
す光起電力装置であり、厚さ0.55mmのステンレス
基板11に表面の凹凸が形成された厚さ500nmのア
ルミニウムからなる高反射金属層12が形成される。こ
の上に透明絶縁膜17として厚さ50nmのSiO2
が設けられる。この上に拡散防止層として厚さ50nm
のZnOからなる透明導電酸化膜13が設けられる。こ
の透明導電酸化膜13上に従来周知のプラズマCVD法
で非晶質シリコン系半導体からなる光電変換層14が設
けられる。この光電変換層14は、n型a−Si14a
と、i型a−Si層14bと、p/i界面でのキャリア
の再結合を防ぐためにi型a−SiCからなる界面i層
14cと、p型a−SiC層14dとが、前述した実施
の形態と同様にして順次形成される。
【0047】p型a−SiC上にITOからなる透明電
極15が設けられる。この実施の形態においても、透明
絶縁膜17の膜厚が5〜50nmの範囲で変換効率の増
加が見られた。
【0048】ところで、上記した第1及び第2の実施の
形態においては、銀、アルミニウムなどの高反射金属膜
と光電変換層との間に拡散防止層としてITO等の透明
導電酸化膜を介在させているが、銀、アルミニウムなど
の高反射金属膜が透明導電酸化膜の酸素により酸化され
る場合がある。そこで、この高反射金属膜の酸化を防止
するために、膜厚10オングストロームから100オン
グストローム程度の膜中にクロムを含有する鋼や白金な
どを拡散防止層と高反射金属との間に介在させてもよ
い。ただ、膜中にクロムを含有する鋼や白金を介在させ
るとこの膜で光が吸収され、反射効率が若干落ちること
は否めない。そこで、この発明では、拡散防止層として
の透明導電酸化膜と高反射金属層との間に、上記第3及
び第4の実施の形態で用いた透明絶縁膜を介在させる。
介在させる透明絶縁膜としては、SiO2、Si34
Al23等の膜で、その膜厚を50nm以下にする。透
明絶縁膜を介在させることで、高反射金属形成時に、I
TO膜などの還元により、金属反射膜が酸化されること
がなくなり、高反射率が保てる。また、介在させる膜は
透明絶縁膜であるので、この部分での光の吸収も殆どな
く、しかも透明絶縁膜と金属界面の反射率は95%以上
と高く、反射率が向上する。この薄い絶縁体はリークに
より通電するので、抵抗成分は小さい。
【0049】上記した実施の形態においては、発電層と
して、非晶質シリコンを用いたが、これ以外に、微結晶
シリコン、薄膜多結晶シリコンを用いても良い。また、
CdTe、GaAs、CuInSe2等の薄膜化合物半
導体を用いることもできる。更に、a−Si/a−Si
Ge、a−Si/a−SiGe/a−SiGe、a−S
i/微結晶Si、やa−Si/薄膜多結晶Siのような
積層構造を用いても良い。
【0050】
【発明の効果】上記した構成によれば、透明導電酸化膜
の界面付近の酸素量が増え、透明導電酸化膜の酸素欠損
が防止でき、この部分での光透過率の低下が防止され
る。この結果、短絡電流の低下が減少し、変換効率を向
させることができる。
【0051】また、この発明は、透明導電酸化膜と裏面
電極との間に、膜厚5nm以上の透明絶縁膜6を挿入す
ることにより、高反射金属層をスパッタ法で形成する際
のダメージを防いで光反射率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光起電力装置の第1の実施の形態を
説明するための素子構造断面図である。
【図2】ITO膜の酸素とインジウム量をSIMSで測
定し、ITO薄膜中の酸素原子量とインジウム原子量の
比(O/In)を求めた結果を示す図である。
【図3】この発明を光起電力装置の第2の実施の形態を
説明するための素子構造断面図である。
【図4】この発明の光起電力装置の第3の実施の形態を
説明するための素子構造断面図である。
【図5】この発明を光起電力装置の第4の実施の形態を
説明するための素子構造断面図である。
【符号の説明】
1 透光性絶縁基板 2 透明導電膜 3 光電変換層 4 透明導電酸化膜(拡散防止層) 5 裏面電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電変換層と高反射金属層との間に透明
    導電酸化膜からなる拡散防止層を挿入した光起電力装置
    であって、前記拡散防止層の高反射金属層との界面近傍
    における膜中酸素原子量を他の領域の膜中酸素原子量よ
    り多くしたことを特徴とする光起電力装置。
  2. 【請求項2】 前記透明導電酸化膜は、ITO薄膜で構
    成され、ITO薄膜中の酸素原子量とインジウム原子量
    の比(O/In)が高反射金属層に向かって増加して行
    くように組成比が変化していることを特徴とする請求項
    1に記載の光起電力装置。
  3. 【請求項3】 前記ITO薄膜の比抵抗が10-2Ωcm
    以下であることを特徴とする請求項2に記載の光起電力
    装置。
  4. 【請求項4】 前記ITO薄膜中の酸素原子量とインジ
    ウム原子量の比(O/In)が1.5〜4の間で変化す
    ることを特徴とする請求の範囲2または3に記載の光起
    電力装置。
  5. 【請求項5】 前記透明導電酸化膜と高反射金属層との
    間に透明絶縁膜を設けたことを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の光起電力装置。
  6. 【請求項6】 光電変換層と高反射金属層との間に透明
    導電酸化膜からなる拡散防止層を挿入した光起電力装置
    であって、前記透明導電酸化膜と高反射金属層との間に
    透明絶縁膜を設けたことを特徴とする光起電力装置。
  7. 【請求項7】 前記透明絶縁膜の平均膜厚を5nm以上
    50nm以下とすることを特徴とする請求の範囲6に記
    載の光起電力装置。
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